佼成学園中学校 の過去問分析
佼成学園中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
佼成学園中学校 過去問分析(2010〜2026 年度・4 科がそろう回・算数 17 年分ほか)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都杉並区 |
| 男女 | 男子校 |
| 4 科または 2 科で受けられる回 | 第 1 回 2 月 1 日午前(一般 40 名・グローバル 10 名)/第 2 回 2 月 2 日午前/第 3 回 2 月 3 日午前。いずれも 4 科(国語・算数・社会・理科)300 点満点、または 2 科(国語・算数)200 点満点を選べます |
| 2 科だけの回 | グローバル特別奨学生 2 月 1 日午後/第 1 回特別奨学生 2 月 2 日午後/第 2 回特別奨学生 2 月 5 日午前。いずれも 2 科(国語・算数)のみ 200 点満点です。Super English(SE)入試 2 月 3 日午前も 2 科(国語・算数)200 点満点です |
| 試験時間・配点 | 国語 50 分・100 点/算数 50 分・100 点/社会 25 分・50 点/理科 25 分・50 点 |
| 面接・出願の条件 | Super English(SE)入試だけに英語の面接が 20 分あります。ほかの回に面接はありません。SE 入試は出願に英検の級の条件があります(詳細は募集要項で) |
上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校でいちばん動かないのは「何番の大問で何を測るか」という座席(問題の置き場所)です。算数の大問 1 が計算という席は 2010〜2026 年度の 17 年間、社会の地理 → 歴史 → 公民という順は 2014〜2026 年度の 13 年間、そのままです。
- 席の上に載る題材は毎年作り直されます。同じ問題がそのまま再登場した例は、精読した 12 冊の中には見つかりませんでした。ただし設問文の言い回しは繰り返されます。
- 4 科目に共通するのは「問題数が多く、時間が短い」ことで、どの科目も 1 問あたり 1〜2 分半です。とくに理科・社会は 25 分ずつしかありません。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 の計算 5 問を、年度を縦に並べて毎日解きます。
- 国語の漢字 10 問と知識 10 問を、読解と切り離して先に速く終える練習をします。
- 理科の「表とグラフから数値を出す計算」と、社会の「地形図と写真の突き合わせ」を、週末にまとめてやります。
今週やる 1 つ
- 算数の 2024・2025・2026 の最後の総合問題の (3) を、答えだけでなく理由を図と言葉で紙に書いて解きます(説明を書かせるのは 20 問中この 1 問だけです)。
注意
- 資料は 1 年 1 科目につき 1 冊で入試回の表記が読み取れず、2 科だけの回(特別奨学生・グローバル特別奨学生・Super English)の問題は含まれていません。国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2024・2025・2026) | 14 年(2010〜2023) | 17 年(2010〜2026) | 高。数式は転写に揺れがある箇所がありますが、大問構成と題材の読み取りに支障はありません |
| 理科 | 3 年(2024・2025・2026) | 10 年(2014〜2023) | 13 年(2014〜2026) | 高。2026 年度は転写上 7 つのまとまりに割れていますが、設問番号の通し方から実際は 4 大問と読めます |
| 社会 | 3 年(2024・2025・2026) | 12 年(2010・2013〜2023) | 15 年(2010・2013〜2026) | 高。2011・2012 年度の資料はありません |
| 国語 | 3 年(2018・2019・2020) | 4 年(2010・2014・2015・2016) | 7 年(2010・2014〜2016・2018〜2020) | 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。国語について書いたことは 2020 年度までの話です |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 資料は 1 年・1 科目につき 1 冊で、入試回の表記が読み取れません。4 科で受けられるのは第 1 回一般・グローバル(2 月 1 日午前)、第 2 回一般(2 月 2 日午前)、第 3 回一般(2 月 3 日午前)の 3 回で、資料の 4 科構成はこの 3 回のいずれかに相当すると考えられますが、どの回かは特定できません。特別奨学生入試・グローバル特別奨学生入試・Super English 入試は 2 科(国語・算数)で、その問題はこの資料に含まれていません。
- 試験時間と配点は 2026 年度の募集要項によるもので、1 節にまとめました。過去の年度も同じだったかは確認していません。理科・社会が 25 分という設定は、この学校の入試を考えるうえで無視できません。募集要項の時間割では社会 11:20〜11:45、理科 11:55〜12:20 と、2 科目を 1 時間で終える形になっています。
- 設問ごとの配点はどの科目・年度にも印刷されていません。
- 「3 年連続」「3 年とも」と書いた箇所は、その 3 年の設問文を原本で読み直して確認したものです。それより長い年数の話は、年度ごとの大問構成の記録に基づきます。
5. 一番大きな結論
この学校の入試でいちばん動かないのは「何番の大問で何を測るか」という座席で、いちばん動くのは「その席にどんな題材を載せるか」です。
- 算数は大問 1 が計算 5 問。この席は 2010〜2026 年度の 17 年間動いていません。さらに精読した 3 年(2024〜2026)は、大問 2 が一行題(数行で終わる短い文章題)6 問(うち (5)(6) が図形)、大問 3〜5 が 3 小問ずつの総合問題、という並びまでそろっています。
- 社会は地理 → 歴史 → 公民(または時事)の 3 大問。3 大問という構成は資料のある 15 年すべてで同じです。分野の順序も 2014〜2026 年度の 13 年変わっていません。
- 理科は 4 大問に物理・化学・生物・地学を 1 題ずつ。大問 3 が生物という席は精読した 3 年(2024〜2026)で共通しています。
- 国語は大問 1 が漢字 10 問、大問 2 が知識 10 問、大問 3 が物語、大問 4 が説明文という 4 大問。精読した 3 年(2018〜2020)で小問数 37〜39 まで一致します。
一方で、席の上に載る題材は毎年作り直されます。同じ問題がそのまま再登場した例は、精読した 12 冊の中では見つかりませんでした。ただし設問文の言い回しは繰り返されます。国語の「次の 1〜3 の――線部と同じ種類・用法のものを後の中からそれぞれ選び、記号で答えなさい」は 2018・2019・2020 の 3 年ともほぼ一字違わず、社会の地形図と写真を結びつける問題は 2024 と 2026 で「図中の矢印は撮影方向を示しています」という注記まで同じです。
ここで言っているのは「同じ問題が出る」ではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るということです。
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかけるところ |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。大問 5・小問 20・50 分・100 点。大問 1 が計算という席は 17 年不変 | 計算 5 問+一行題 6 問で 11 問、総合問題 3 題で 9 問。説明を書かせるのは 20 問中 1 問だけ | 大問 1 の 5 問(工夫計算と、□にあてはまる数を求める逆算)と大問 2 の一行題プール。食塩水は 3 年連続 |
| 理科 | 高い。大問 4・小問 17〜23・25 分・50 点 | 物理・化学・生物・地学を 1 題ずつ。大問 3 は 3 年連続で生物。表・グラフからの推定計算が毎年 | 力学(てこ・浮力・ばね)と、表から数値を出す計算。桁指定に従う練習 |
| 社会 | 非常に高い。3 大問・小問 16〜20・25 分・50 点。地理 → 歴史 → 公民の順が 13 年不変 | 歴史は語句の連問 10〜12 個、公民は憲法か前年の出来事。記述はどの年も 1 問だけ | 地形図と写真の突き合わせと、歴史の語句を漢字で書ける状態 |
| 国語 | 非常に高い(2020 年度まで)。大問 4・小問 37〜39・50 分・100 点 | 知識 20 問+読解 2 本。読解は長い選択肢が主軸で、最後に「あなたの考え」を書かせる | 漢字と知識 20 問を速く確実に。「あなたの考え」の書き方 |
4 科目に共通するのは「問題数が多く、時間が短い」ことです。算数 20 問/50 分、国語 38 問/50 分、社会 18 問/25 分、理科 20 問/25 分。どの科目も 1 問あたり 1〜2 分半で、考えこむ余裕は最後の 1〜2 問にしかありません。
したがって、この学校の過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではありません。①同じ席の問題を年度を縦に並べて解く、②時間の使い方を身につける——この二つに近いやり方になります(手順は 過去問の使い方)。とくに理科・社会が 25 分ずつという設定は、知識の量よりも「読んで決める速さ」を測っています。
6. この学校らしさが出る場所
- 「コウセイ君」が科目をまたいで登場します。 理科は 2024(光の自由研究・溶ける量の実験・台風調べ)、2025(金属と水溶液の実験・太陽の動きの観察)、2026(通学路で気づいた太陽の位置・サイエンス部の空き缶回収)と 3 年連続で導入文の主人公です。社会も 2025 年度の大問 1 が「コウセイ君は人口約 270 万人の日本で 3 番目に人口が多い( )市に旅行に行きました」で始まります。校名から取った同じ名前の少年が、実験し、部活動をし、旅行をする——この学校の問題は、そのコウセイ君の生活を追いかける形で書かれています。
- 理科の題材が「身の回りの小さなもの」から始まります。針穴写真機、蚊、空き缶のリサイクルマーク、落ち葉の下のダンゴムシとミミズ、てんびん。どれも夏休みの自由研究や部活動で扱えそうな素材で、そこから食物連鎖・分解者・浮力・分離といった理屈に降りていきます。知識を思い出す問題ではなく、目の前の観察結果から考えさせる問題が中心にあります。
- 社会の地理は「写真と地形図を突き合わせる」作りです。2024 は新潟の豪雪地帯(雪への備えの写真 4 枚、トンネル掘削ビットの展示物)、2026 は写真に写った施設が地形図のどれかを判断させる問題。教科書の統計より、その土地に立ってみたときに何が見えるかを問うています。
- 「自分の言葉で答える問題」がどの科目にも 1 問ずつあります。算数は「理由を図や言葉を使って説明しなさい」、社会は資料から理由を説明する記述、理科は「理由とともに答えなさい」、国語は「あなたの考えを書きなさい」。4 科目とも記述は 1〜4 問と少ないのに、その少ない 1 問が必ず「なぜそう考えたか」を要求するという共通点があります。
- 国語の説明文が「何がよいことか」を論じる文章に寄っています。道徳教育とは何か(2018)、生物の多様性と個性(2019)、科学と技術の関係とダイナマイトの比喩(2020)。物語のほうは中学生・高校生の学校生活が舞台で、絵と手紙をめぐる友情(2018)、アメリカ育ちの転校生(2019)、受験期の塾(2020)と、読者と年齢の近い主人公が並びます。
- 防災・環境の常識が理科と社会の両方で問われます。台風時にとるべき行動とハザードマップ(理科 2024)、雪国の暮らしの備え(社会 2024)、阪神淡路大震災 30 年(社会 2026)、リサイクルマーク(理科 2026)。教科書の外にある「暮らしの知識」が、どこかの大問に必ず紛れこんでいます。
7. 今からやるなら(優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に進めてください。学年別の入り方は 11 節に書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 5 問を年度横断で — ①かっこ入りの整数四則 ②規則のある分数の並び(部分分数・等比・交互に足し引き)③小数と分数を行き来する工夫計算 ④中かっこ入りの四則混合 ⑤逆算(□にあてはまる数を求める計算)。この 5 つの座席は精読した 3 年で動かず、大問 1 が計算という点では 17 年動いていません。0.625=5/8、0.125=1/8 の言い換えを反射で出せるかを、毎年同じ場所で測っています。ここは時間をかける価値がいちばん確実に返るところです。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 算数・大問 2 の一行題プールを 10 単元で回す — 食塩水(混合・加水・蒸発)・割合と比・和差算(2 つの数の和と差から両方を求める)・仕事算(全体を 1 として進み方を比べる)・売買損益(原価・定価・利益の割合)・速さ(切りかえ)・数の性質(余り・公倍数)・約束記号(新しい記号のきまりを読んで計算する)・角度・円とおうぎ形の面積。1 単元 5 問ずつの薄い反復を週 1 巡します。食塩水は 3 年連続なので最優先です。(6) の立体の枠(円すいを切りとった立体・円すいの転がり移動・長方形の回転体)は、「回転させてできる立体を頭の中で組み立てる」練習を 3 年分の図で。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・総合問題 3 題と、その最後の (3) — 総合問題は ①規則性・位置と数の対応(2025 大問 3)②一定量が補充される問題=ニュートン算(減りながら増える量を扱う・受験用教材の単元)と仕事算(2025 大問 4・2026 大問 3)③場合の数と推理(2024 大問 4・2024 大問 5・2026 大問 5)の 3 系統から、毎年 2〜3 題が選ばれています。加えて平面図形の面積比(2025 大問 5 の正六角形の分割は、3 問とも「全体の何分のいくつか」で処理できます)。正三角形・正六角形の分割は手が止まりやすいので、図をかいて等積変形する練習を。そして 2024・2025・2026 の最後の総合問題の (3) は、答えだけでなく理由を図と言葉で紙に書いて解きます。20 問のうち唯一「答えを求め、その理由を図や言葉を使って説明しなさい」と指定される問題で、採点者に読ませる書き方(何を数え上げたか・なぜそれで尽くせるか)まで含めて練習します。ここは他校の過去問では代用しにくいところです。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字 10 問と知識 10 問を先に速く — 読解と独立していて先に片づけられる 20 問です。漢字は読みと書きが混ざり、送りがなつきの訓読み(外す・反らす・帯びる・設ける・退く・蒸らす・誇らしい)が毎年 4〜5 問入るので、送りがなの位置で迷う語を書いて確認します。品詞・用法の 3 問(「の」「ない」「れる・られる」の識別)は 3 年とも同じ言い回しで出ており、いちばん確実な枠です。残る知識は慣用句(数字・体の一部)・四字熟語・熟語の構成・係り受け・辞書の並び順から選ばれるので、1 週間に 1 ブロックずつ一巡させます。(確認: 〜2020 年度)
- [週末 60 分] 国語・「あなたの考え」と記述、長い選択肢の消去法 — 「あなたの考え」は 3 年連続で最後に置かれます。本文の外から具体例を一つ挙げ、「例+ねらい+結果」の 3 点で書きます。歴史上の人物・身近な発明・道具など、素材の引き出しを日頃から用意しておくと強い枠です。時間切れで白紙にしやすい位置にもあります。30 字・45 字などの記述は「文中の言葉を用いて」という条件が付くので、本文の言い回しを拾って削る練習を。理由・心情の選択が読解の主軸なので、選択肢を 2 つに絞ってから本文に戻る手順を固定します。説明文は道徳・生物の多様性・科学と技術と「何がよいことか」を論じる文章が続くので、同じ系統の新書やジュニア向けの本を読んでおくと本文の予測が立ちます。(確認: 〜2020 年度)
- [週末 60 分] 理科・表とグラフからの推定計算を柱に、4 分野を均等に — 溶解度の表、金属の重さと枚数の比例、ばねの伸びと重さ、実験結果の平均。答えの桁指定(「小数第 1 位まで」「小数第 2 位まで」)に必ず従う練習まで含めて、ここが 3 年とも得点の柱です。物理は力学(てこ・つり合い・浮力・ばね)を最優先で、2025・2026 の 2 年連続、しかも複数のばねや棒を組み合わせる形。基本のばねの伸びを 2 本の直列・並列で扱えるところまで。化学は水溶液と金属(塩酸と金属の反応・溶解度と再結晶・混合物の分離)。地学は太陽と季節で、南中高度・影の向きと長さ・気温との時間差を図でかけるように、月の周期も同時に押さえておきたいところです。生物は大問 3 に 3 年連続で座り、どれも「一つの生き物 → 食物連鎖・分解者・外来生物・環境の変化」へ広がるので、「この生き物がいなくなると何が起きるか」を一言で言えるようにしておきます。「すべて選び」「2 つ選び」「あてはまらないもの」を毎回赤で囲む癖と、ハザードマップ・台風時の行動・リサイクルマーク・外来生物といった防災と環境の常識も一緒に。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 社会・地形図と写真の突き合わせを最優先に — 2024・2026 でほとんど同じ言い回しの問題が出ています。「矢印は撮影方向」の注記を読んで、写真の手前・奥に何があるかを地形図上で追う練習を。地図記号・等高線・土地利用はそらで言える状態にしておきます。歴史は 10 個前後の空欄埋めが中心で、選ぶ年(2024)と書く年(2026)があるので、語句を漢字で書ける状態にしておけばどちらにも対応できます(人物名は漢字 4 字の指定が出ます)。時代の並べかえは、年号の丸暗記より「どの出来事の後か」で並べる訓練を。公民は憲法を条文のレベルで(改正手続の「各議院の総議員の 3 分の 2」「国民投票の過半数」、大日本帝国憲法との比較、前文、社会権と自由権の区別、プライバシーの権利)。前年の出来事は覚えるだけでは届かず、「その出来事はどの県か、どの制度か、何年前の何と結びつくか」を一言で言えるように。記述は 3 年とも地理の大問 1 に 1 問だけなので、「図◯から〜が読み取れるので、〜と考えられる」という 1 文の形を作っておきます。答えを書いたら文字種の指定(漢字何字か・カタカナか・アルファベットか)を必ず見返す手順も、演習のたびに固定します。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 4 科目の時間感覚を体で作る — とくに社会・理科は 25 分ずつです。「先に設問を読んでから資料に戻る」進め方を、通しの演習で固定します。算数は大問 1・2 の 11 問を 15 分前後で抜けられるかが総合問題 3 題に回せる時間を決め、国語は知識 20 問をどれだけ速く終えられるかが読解 2 本に回せる時間を決めます。(確認: 〜2026 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 5・小問 20)
精読したのは 2024・2025・2026 年度の 3 年です。大問の並びと役割はこの 3 年で完全にそろっています。年度ごとの大問構成の記録をたどると、大問 1 が計算であることは 2010〜2026 年度の 17 年間動いていません。小問数は 17 年を通して 19〜21 で、20 問がほぼ標準です。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1(計算 5 問) | 大問 2(一行題 6 問) | 大問 3(総合問題) | 大問 4(総合問題) | 大問 5(総合問題) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 整数の四則/分数の部分分数分解/56.7×2.3 の工夫計算/小数と分数の四則混合/逆算 | 和差算(兄弟の所持金)・通貨換算(バーツと円)・仕事算・食塩水(混合) 正方形の中のおうぎ形の斜線部の面積・大小 2 つの円すいを切りとった立体の体積 |
点 P が図形の周を動く(速さとグラフ・三角形の面積) | 壁の 4 か所のぬり分け(場合の数) | 1 になるまで操作をくり返す(約束記号・操作の回数) |
| 2025 | (246+462+624)÷111/等比の分数の和/0.625 と 0.125 の工夫計算/中かっこ入り四則混合/逆算 | 割合と比(10 円玉と 50 円玉)・食塩水(加水)・速さ(分速の切りかえと休憩)・数の性質(6 で割ると 1 余り 8 で割ると 3 余る) 円の中の三角形の角度・長方形の回転体の体積 |
タイルを正方形に並べる(規則性・位置と数の対応) | 手荷物検査の行列(ニュートン算・入場口を増やす) | 正六角形の分割(面積比) |
| 2026 | 整数の四則/1/9−1/27+1/81−1/243/173×0.19+1.73×81 の工夫計算/中かっこ入り四則混合/逆算 | 約束記号(○と△の 2 記号)・売買損益(定価の 15% 引き)・数の性質(6 で割ると 4 余り 8 で割ると 6 余る)・食塩水(混合+蒸発) 角度・円すいの転がり移動 |
どら焼き屋のあんの在庫(仕事算・一定量の補充) | 直角二等辺三角形の回転体でできた容器と水の移しかえ(水量) | 生徒会役員選挙の得票(推理・論理) |
各行の大問 2 は、セル内で改行した前半 4 問が文章題・数の性質、後半 2 問が (5)(6) の図形です。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は「次の □ にあてはまる数を書きなさい」の計算 5 問です。導入文はこの 3 年で一字も変わりません。中身の並びも ①整数の四則(かっこ入り)②分数の並びの和(部分分数・等比・交互に足し引き)③同じ数を小数と分数で書き分けて分配法則にまとめる工夫計算 ④小数と分数が混ざった中かっこ入りの四則混合 ⑤□を含む逆算、の順が 3 年連続で同じです。大問 1 の (5) が逆算という座席は 3 年とも動きません。
- 大問 2 は一行題 6 問です。3 年とも (5)(6) の 2 問が図形で、(5) が平面(面積または角度)、(6) が立体(円すい・回転体・転がり移動)という並びまで同じ。その前の 4 問が文章題・数の性質で、食塩水は 3 年連続(2024 混合・2025 加水・2026 混合+蒸発)、数の性質の「◯で割ると△余る」は 2025・2026 の 2 年連続です。大問 2 の位置に文章題の小問集合が座るという並びは、2017〜2026 年度の 10 年続いています。
- 大問 3〜5 は 3 小問ずつの総合問題が 3 年とも共通。小問数 5+6+3+3+3=20 という配分が、この 3 年で一致しています。
- その年の最後の総合問題の (3) が「理由を図や言葉を使って説明しなさい」です。2024 は大問 5 (3)(9 回の操作で 1 になる数をすべて求める)、2025 は大問 3 (3)(260 の位置から何番目の正方形かを求める)、2026 は大問 5 (3)(開票途中から確実に当選する票数)。説明を書かせるのは 20 問中この 1 問だけで、3 年連続で「答えを求めたうえで、その理由を図や言葉で説明する」という同じ形をとります。
つまり、同じ問題が出るわけではありませんが、「何番に何の種類の問題が来るか」の座席は 3 年連続でそろっています。大問 1 の計算の位置に限れば、17 年間動いていません。
問い方の特徴
- 大問 1 の (2) は「1/(1×2)+1/(2×3)+…」(2024)、「3/16+3/32+3/64」(2025)、「1/9−1/27+1/81−1/243」(2026)と、素直に通分するより規則を見つけたほうが速い分数の並びが 3 年連続です。
- 大問 1 の (3) は「56.7×2.3=□×0.23」(2024)、「0.625−(1−0.125)×1/7」(2025)、「173×0.19+1.73×9×9」(2026)と、小数点の位置をずらして同じ数をくくり出す作りです。
- 大問 2 は「〜は □ です」と本文の中に答えの空欄が埋め込まれる形で、問いの文が独立していません。単位(円・g・度・cm³)は問題文に印字されます。
- 総合問題 3 題は (1)(2) が誘導、(3) が本題という 2 段構えです。(1)(2) は素直に手を動かせば届き、(3) で場合分け・逆引き・確実性の議論に入ります。(3) だけを最初から捨てても 3 題で 6 問は拾える構造です。
- 記号選択はこの 3 年でゼロ。答えのみの短答(語句や数値を短く答える形式)が 20 問中 19 問で、残る 1 問が前述の説明問題です。
8-2. 理科(25 分・50 点・大問 4・小問 17〜23)
精読したのは 2024・2025・2026 年度の 3 年です。3 年とも 4 大問で、1 大問が 4〜6 問。転写資料では 2026 年度が 7 つのまとまりに分かれて見えますが、設問番号が問 1〜問 6 と通しで振られていることから、落ち葉の分解を扱った実験 1・実験 2 が一続きの大問(本文の表記では【3】)であり、実際は 4 大問と読めます。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 光(自由研究・光の直進と反射、赤外線と紫外線、太陽光が届く時間、針穴写真機の像の大きさ) | 化学(溶解度と再結晶・食塩とミョウバンの表の読み取り、濃度、結晶の形) | 生物(蚊のからだと生活・幼虫ボウフラ・外来生物カダヤシ) | 地学(台風・2023 年に上陸した台風の資料、ハザードマップ、避難行動) |
| 2025 | 化学(アルミ・鉄・銅と塩酸の反応、金属片の重さと面積からの推定、5 グループの判別) | 地学(太陽の 1 日の動き・棒の影の先端の動き、季節ごとの高度、気温と地温の時間差) | 生物(陽生植物と陰生植物の光−光合成曲線・森林に道路をつくると何が変わるか) | 物理(軽い棒のてんびん・つり合い、水中に沈めたおもりの浮力、測定できる重さの上限) |
| 2026 | 地学(同じ時刻の太陽の位置が季節でずれる・南中高度と昼夜) | 化学(空き缶のリサイクル・ボーキサイト・磁石・粉末混合物を 3 つの操作で分ける) | 生物(ダンゴムシとミミズ・落ち葉の分解実験 2 本と、分解でウキクサが増えるか) | 物理(ばね 2 本の伸び・直列と並列のつなぎ・棒とばねの複合装置) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 3 は 3 年連続で生物です(2024 蚊・2025 陽生植物と生態系・2026 ダンゴムシと分解者)。しかも 3 年とも「身近な小さな生き物または植物 → その生き物が生態系の中でどう働くか」へ広げる作りが共通しています。
- 大問 4 は 2025・2026 の 2 年連続で物理(てこ・浮力/ばね)。2024 は大問 1 が光(物理)で大問 4 が気象だったので、物理が大問 1 か大問 4 のどちらかに必ず 1 題という形は 3 年で共通です。
- 化学は 3 年とも大問 1 または大問 2(2024 溶解度・2025 金属と塩酸・2026 リサイクルと分離)。地学も 3 年とも大問 1 か大問 2 で、2024 だけが例外の大問 4(台風)です。
- 結果として、この 3 年の並びは「物理・化学・地学のうち 2 つ → 生物(大問 3)→ 残り 1 つ」で、生物が大問 3 に座る点がいちばん動きません。
- 4 分野(物理・化学・生物・地学)が毎年 1 題ずつという配分は 3 年とも守られています。捨て分野を作ると 4 分の 1 が丸ごと空きます。
問い方の特徴
- 主人公「コウセイ君」が毎年登場します。2024 は大問 1・2・4、2025 は大問 1・2・3、2026 は大問 1・2 の導入文が「コウセイ君は〜を調べました」で始まります。自由研究・部活動・通学路といった生活の場面から実験に入る流れが、3 年を通した書き方になっています。
- 表・グラフの数値から推定させる問題が毎年あります。2024 は溶解度の表から析出量、2025 はアルミ片 6 枚のときの反応後の重さ(小数第 2 位まで)とばねの長さ、2026 はダンゴムシ 1 匹が 1 日に食べる落ち葉の量(mg・平均)。答えの桁を指定する言い方(「小数第 1 位まで」「小数第 2 位まで」)が付きます。
- 選択肢の指示が細かく出ます。「すべて選び」(2024 大問 1(2)・2025 大問 1 問 2・問 5)、「2 つ選び」(2026 大問 3 問 6)、「あてはまらないもの」(2024 大問 3(2))、「誤っているもの」(2024 大問 4(4))。数の指定を読み落とすと、答えが合っていても点になりません。
- 本文中の空欄を選択肢から埋める形が毎年あります(2024 大問 1(5)・大問 4(2)、2025 大問 2 問 3、2026 大問 1 問 3)。( )の中から適切な語を選ぶ形と、ア〜オから選ぶ形の 2 通りです。
- 記述は少なく、3 年で 0 問(2024)・2 問(2025)・1 問(2026)。いずれも「理由とともに答えなさい」「理由を 2 つ答えなさい」と、理由を言わせる形です。字数指定はなく「簡単に説明しなさい」で分量が示されます。
- 生活・防災につながる問いが毎年あります(2024 ハザードマップと台風時の行動、2026 リサイクルマークの読み取り)。知識としては易しいものの、理科の教科書外の常識も要ります。
8-3. 社会(25 分・50 点・大問 3・小問 16〜20)
精読したのは 2024・2025・2026 年度の 3 年です。3 大問という構成は資料のある 15 年すべてで同じで、しかも地理 → 歴史 → 公民(または時事)という並びは 2014〜2026 年度の 13 年続いています(順序が入れかわったのは、資料のある年では 2013 年度だけです)。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2(歴史) | 大問 3(公民・時事) |
|---|---|---|---|
| 2024 | 新潟・信濃川・越後平野/2023 年 8 月 10 日の気温と風向の図(フェーン)/米の生産割合/地形図と写真 A・B の撮影地点/雪への備えの写真 4 枚/トンネル掘削ビットの展示 | ①〜⑩の短文 10 本+語群ア〜ソから【A】〜【J】を選ぶ 10 連問/冠位十二階・禁中並公家諸法度・行基/古い順に並べて 2 番目と 4 番目 | 日本国憲法の改正手続の資料/社会権の具体例/プライバシーの権利 |
| 2025 | 名古屋(人口 3 位の市)と大阪・関西万博/三大工業地帯の出荷額の推移グラフ/製造業とサービス業の 60 字記述 | 「時代の名前はどうつけられたか」を 3 人が話す会話文/都の地名・寺院の建築物・元号のついた事件・中国の王朝 | 1945 年からの戦後史/大日本帝国憲法と日本国憲法の比較/憲法前文/PKO の略称/三権分立 |
| 2026 | 写真と地形図の対応(撮影地点・施設の判別)/漢字 5 字の施設名/地形図から市と県を特定(人口約 377 万人の政令指定都市) | 織田信長と豊臣秀吉の通史/(1)〜(12) の空欄を漢字で埋める 12 連問/ザビエルの上陸地・鉄砲を伝えた国・太閤検地・朝鮮出兵の名称 | 2025 年の出来事 A〜I からそれぞれ 1 問 阪神淡路大震災 30 年・荒茶生産・世界貿易機関・大阪関西万博・コメ・国会・参議院・沖縄戦 80 年・国家承認 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は地理、大問 2 は歴史、大問 3 は公民または時事です。この 3 席は 2014〜2026 年度の 13 年動いていません。分野別の対策が、そのまま大問別の対策になります。
- 地形図と写真を突き合わせる問題が、2024 と 2026 でほとんど同じ言い回しで出ています。2024 大問 1 問 4 は「下の写真 A・B の撮影地点を図 4 中のア〜オより選び、記号で答えなさい。なお、図中の矢印は撮影方向を示しています」、2026 大問 1 問 1 は「上の写真を撮影した場所を、地形図中のア〜エより選んで、記号で答えなさい。なお、地形図中の矢印は撮影方向を示しています」。選択肢の数が違うだけで、聞いていることも注記も同じです。地形図そのものは、年度ごとの大問構成を見ても 2015・2016・2020・2021・2022・2024・2026 と繰り返し使われています。
- 歴史の大問には、空欄を大量に埋めさせる連問が入ります。2024 は語群から【A】〜【J】の 10 個、2026 は (1)〜(12) の 12 個を漢字で。2025 は会話文の下線部を 10 問。歴史の大問だけで 5〜12 問あり、社会全体の 3〜6 割を占める年もあります。
- 記述はどの年も 1 問だけです。2024 は「なぜ北の県のほうが高温になったか、風の吹き方に着目して」(フェーン現象)、2025 は「製造業・サービス業の語句を使って 60 字以内」、2026 は「地形図中の語句と写真から、B がどのような施設か、判断した理由を含めて」。3 年とも地理の大問 1 に置かれています。
- 公民は憲法が主軸です(2024 改正手続・社会権・プライバシー、2025 大日本帝国憲法との比較・前文)。年度ごとの大問構成をたどっても、大問 3 は日本国憲法か三権分立が 2015〜2025 のほとんどの年で使われています。2026 のように前年の出来事から出す年もあり、これは 2014 にも例があります。
問い方の特徴
- 文字種と字数の指定が非常に細かく出ます。「漢字で」「漢字 2 字で」「漢字 4 字で」「漢字 5 字で」「アルファベットで」「漢字とカタカナ」。精読した 3 年のほぼすべての語句問題に指定が付いており、守らないと答えが合っていても点になりません。
- 選択肢は「誤っているもの」「あてはまらないもの」を選ばせる形が毎年あります(2025 大問 2 問 3・大問 3 問 6、2026 大問 3 問 8)。「正しいもの」と混在するので、設問文の否定語を毎回確認する必要があります。
- 年代の並べかえは 2024 大問 2 問 5(①〜⑩を古い順に並べ、2 番目と 4 番目を答える)。全部を正しく並べないと答えられない作りです。
- 導入文が長く出ます。歴史は 10 本の短文または会話文、公民は憲法の条文や戦後史の文章、地理は写真・地形図・グラフ。25 分のうち読む時間が相当かかります。
- 2025 年度の大問 1 は、理科と同じ「コウセイ君」が旅行に出かける設定で始まります。科目をまたいで同じ登場人物が使われています。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 4・小問 37〜39。2018・2019・2020 年度で確認)
国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。資料があるのは 2010・2014・2015・2016・2018・2019・2020 の 7 年で、精読したのは 2018・2019・2020 の 3 年です。ここに書いたことは 2020 年度までの話であり、直近の形は市販の過去問集で確認してほしいところです。
ただし、この 3 年の一致度は 4 科目の中でもっとも高く、大問 4 つ・小問 37〜39 問という枠と、大問ごとの役割が完全にそろっています。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1(漢字 10 問) | 大問 2(知識 10 問・3 ブロック) | 大問 3(物語・小説 9〜10 問) | 大問 4(説明文・論説 8〜10 問) |
|---|---|---|---|---|
| 2018 | 読み 3・書き 7 形相/都合/細工/外す/反らす/用意/宣伝/業績/帯びる/設ける |
問一 数字の入る慣用句 3/問二 品詞・用法 3/問三 熟語の構成 4 | あさのあつこ『まあちゃんの白い花』(絵と手紙をめぐる 3 人の少女) | 名谷隆彦『質問する、問い返す』(道徳教育とは何か) |
| 2019 | 読み 3・書き 7 養蚕/買収/奮起/暖/肥/恩人/糖分/皮肉/退く/幼い |
問一 品詞・用法 3/問二 体の一部が入る慣用句 4/問三 係り受け(どこにかかるか)3 | アメリカ育ちの転校生と同級生(学校生活) | 吉田丈人(種の多様性と持続可能性・6 回目の大量絶滅) |
| 2020 | 読み 5・書き 5 濃霧/潔白/度胸/誇らしい/蒸らす/細心/貯水池/供される/努める/忙しい |
問一 品詞・用法 3/問二 四字熟語(同じ漢字が 2 か所)4/問三 国語辞典の並び順 3 | 塾に通う中学 3 年生の受験と友人(波多野由里) | 岩規邦男『生命系』(科学と技術・ダイナマイトの比喩) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は漢字 10 問。導入文「次の――線部について、漢字をひらがなに、カタカナを漢字に直しなさい」は 3 年ともほぼ同じ文です。読みと書きが一つの大問に同居し、送りがなつきの訓読み(外す・反らす・帯びる・設ける/退く・幼い/誇らしい・蒸らす・努める・忙しい)が毎年 4〜5 問入ります。
- 大問 2 は知識問題 10 問で、3 つのブロックに分かれます。そのうち「次の 1〜3 の――線部と同じ種類・用法のものを後の中からそれぞれ選び、記号で答えなさい」という品詞・用法の 3 問は 2018・2019・2020 の 3 年とも出ており、設問文はほぼ一字も変わりません(2018 は問二、2019・2020 は問一の位置)。残る 2 ブロックは、慣用句・熟語の構成・四字熟語・係り受け・辞書の並び順から選ばれます。
- 大問 3 が物語・小説、大問 4 が説明文・論説という並びは 3 年とも同じ。物語は中学生・高校生の学校生活が舞台で、説明文は「道徳」「生物の多様性」「科学と技術」と、価値をめぐる論説が続きます。
- 大問 3・大問 4 とも、問一は「( 1 )・( 2 ) に当てはまる言葉として最も適当なものを次の中からそれぞれ選び、記号で答えなさい」の 2 問で始まります。大問 3 は様子・擬態語(あぜんと/すらすらと/呆然と)、大問 4 は接続語(しかし/そして/なぜなら)と、入る語の種類まで決まっています。この設問文は 2018 と 2020 で逐語一致します。
- 大問 3 の問二は「体の一部を表す言葉」を選ばせる問題が 2019・2020 の 2 年連続です。
- 文章のあとに「あなたの考え」を書かせる問題が、毎年 1 問、最後に置かれます。 2018 は大問 3 問八「『白い花』とはどのようなことを表していると思いますか。あなたの考えを書きなさい」、2019 は大問 4 問九「歴史上の人物を一人挙げ、その人の個性が世の中にどのような貢献をしたかを具体的に」、2020 は大問 4 問八「人々の幸せのために作られたものが結果的に悪いことにつながっている例を一つ挙げ、ただし本文に挙げられている例以外で」。本文の中に答えが無く、自分の知識から書く問題である点が 3 年とも共通します。
問い方の特徴
- 記述は年 3〜4 問。うち 1 問が前述の「あなたの考え」で、残りは 30 字以内・35 字以内・45 字以内・50 字以内の字数指定つきです。「文中の言葉を用いて」という条件が付く年が多く出ます。
- 傍線部の設問は「その理由として最も適当なものを次の中から選び、記号で答えなさい」「このときの心情の説明として最も適当なものを」という選択が主軸で、読解の 8 割前後を占めます。選択肢はどれも長文で、消去法の速さがそのまま得点になります。
- 抜き出しは各大問に 0〜1 問と少なめです(2018 大問 4 問六、2020 大問 3 問七・大問 4 問三)。「五字でぬき出して」のように字数が示されます。
- 「本文の内容と表現についての説明として最も適当なもの」(2018 大問 3 問七)、「本文の内容として適当でないものを一つ選び」(2020 大問 4 問七)と、本文全体を俯瞰する 1 問が毎年あります。
- 本文には行数が印字され、導入に「句読点や記号も一字にかぞえること。本文の行末にある数字は行数です」と毎年書かれています。
- 古文・漢文は精読した 3 年ではゼロです。
- 詩・短歌・俳句を独立した大問として出した年は、資料のある 7 年では確認できませんでした。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
年度ごとの大問構成をたどると、次の単元は近年出ていないものの、それ以前は繰り返し使われていました。最終確認年度は、その単元が使われたことを記録の上で最後に確認できた年度です。
| 科目 | 単元 | 出ていた年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 立体図形(体積・表面積を主題にした総合問題) | 2010・2015・2016 | 2016 年度 | 10 年出ていません。近年は大問 2 の (6) に吸収されています |
| 算数 | 食塩水を主題にした総合問題 | 2010・2018・2020 | 2020 年度 | 一行題では 3 年連続で出ていますが、総合問題としては 6 年出ていません |
| 算数 | 水量(容器と注水) | 2011・2013・2026 | 2026 年度 | 2026 で 13 年ぶりに総合問題に戻りました。回転体の容器という新しい形でした |
| 算数 | 平均算 | 2010・2016 | 2016 年度 | 10 年出ていません。一行題の枠で戻る余地があります |
| 算数 | 縮尺・単位換算 | 2016・2017 | 2017 年度 | 9 年出ていません |
| 算数 | 通過算・流水算 | 2011(流水)・2016(通過) | 2016 年度 | 長く出ていません。速さは「切りかえ」「グラフ」の形が主流です |
| 理科 | 月(満ち欠け・出没) | 2015・2018・2022 | 2022 年度 | 3〜4 年おきに来ていましたが 4 年出ていません。地学は 2025・2026 が太陽なので、次は月の周期に当たります |
| 理科 | 電気回路(豆電球・直列並列) | 2019・2021 | 2021 年度 | 5 年出ていません。物理は 2025 てこ・浮力、2026 ばねと力学が続いています |
| 理科 | 種子の発芽と成長 | 2020・2021・2022 | 2022 年度 | 3 年連続で出た後、4 年出ていません |
| 理科 | 熱と状態変化 | 2015・2019・2023 | 2023 年度 | 4 年おき。次の周期に当たります |
| 理科 | 流水のはたらき・地層 | 2014・2019 | 2019 年度 | 7 年出ていません |
| 理科 | 人体(消化・呼吸・血液循環) | 2016 | 2016 年度 | 10 年出ていません。生物は植物・こん虫・生態系が続いています |
| 理科 | ふりこ | 2020 | 2020 年度 | 6 年出ていません |
| 社会 | 環境問題(大問 3 のテーマとして) | 2022 | 2022 年度 | 4 年出ていません。公民の枠は憲法・三権分立・時事が続いています |
| 社会 | 近代の戦争(日清・日露・二つの世界大戦) | 2015・2025(大問 3 の戦後史の導入)・2026(沖縄戦の設問 1 問) | 2026 年度 | 歴史の大問の主題としては 11 年出ていません |
| 社会 | 江戸時代を主題にした歴史大問 | 2022 | 2022 年度 | 4 年出ていません。2024・2026 では設問のレベルで登場します |
| 社会 | 鎌倉・室町時代を主題にした歴史大問 | 2019・2023 | 2023 年度 | 3〜4 年おきに来ています。次の周期に当たります |
| 社会 | 農業・畜産を主題にした地理大問 | 2019 | 2019 年度 | 7 年出ていません。ただし設問としては 2024(米)・2026(茶・コメ政策)に登場します |
| 社会 | 平安時代 | 2018 | 2018 年度 | 8 年出ていません |
| 国語 | 大問 2 の 3 ブロック目 | 熟語の構成 2010・2014・2018/四字熟語 2015・2020/語彙と季語 2016/係り受け 2019/辞書の並び順 2020 | 2020 年度 | この枠だけが毎年入れかわります。どれが来ても解ける状態にしておくのが安全です |
国語の 2021 年度以降の形は、資料からは言えません(→ 13 節)。
10. 形式面の注意
- 算数は 50 分・100 点で小問 20 問、1 問あたり 2 分半です。 大問 1・2 の 11 問を 15 分前後で抜けられるかが、総合問題 3 題に回せる時間を決めます。
- 算数は記号選択がゼロで、答えのみの短答(語句や数値を短く答える形式)が 20 問中 19 問。残る 1 問が「答えを求め、その理由を図や言葉を使って説明しなさい」(3 年連続、最後の総合問題の (3))で、式の羅列では答えたことになりません。単位は問題文に印字されます。
- 算数の円周率の指定は、転写資料の中には現れませんでした。市販の過去問集で確認しておきたいところです。
- 算数で図のある小問は 3 割ほど。大問 2 の (5)(6) と総合問題の一部は図が前提になります。
- 2 科(国語・算数)で受ける回でも、算数の問題冊子はこの構成に沿う想定で準備してよいでしょう(資料は 1 年 1 冊で回の区別ができないため、断定はできません)。
- 理科は 25 分・50 点で小問 17〜23 問、1 問あたり 1 分強と、4 科の中でいちばん時間が薄い科目です。図・表の読み取りが多いので、読んでから考える時間の配分がそのまま点になります。図のついた小問は全体の 6 割ほど(精読した年の資料での割合)なので、図に書きこみながら解く手を作っておきます。
- 理科は選択が 3〜6 割、短答が 3〜6 割、記述は年 0〜2 問。「すべて選び」「2 つ選び」「あてはまらないもの」「誤っているもの」の指定が毎年複数あり、計算の答えには「小数第 1 位まで」「小数第 2 位まで」の桁指定が付きます。作図は精読した 3 年では出ていません。
- 理科の設問番号は年により「(1)(2)」(2024)と「問 1 問 2」(2025・2026)で表記が変わります。解答用紙の番号のずれに注意してください。
- 社会は 25 分・50 点で小問 16〜20 問、うち 1 問が記述です。資料の量に対して時間が短いので、先に設問を読んでから資料に戻る進め方が要ります。
- 社会の記述の字数は年で違います。2025 は「60 字以内」と明示、2024・2026 は解答欄の大きさで決まる形。指定語句を使わせる年(2025 の「製造業」「サービス業」)もあります。
- 社会の語句には「漢字で」「漢字 2 字」「漢字 4 字」「漢字 5 字」「アルファベットで」「漢字とカタカナ」と、文字種・字数の指定が非常に多く出ます。
- 社会の地形図は国土地理院発行のものがそのまま使われ、写真と組み合わされます。地図記号・等高線・方位・縮尺のほかに、写真に写っているものから施設を推定する手が要ります。統計の年次が明記される(「2018 年」「2024 年の荒茶生産量」など)ので、資料集は新しいものを使いたいところです。
- 国語は 50 分・100 点で小問 37〜39 問と、4 科目の中でもっとも問題数が多く、1 問あたり 1 分 20 秒です。知識 20 問(大問 1・2)は読解と独立していて本文を読まなくても解けるので、先に片づけてしまう進め方が有効です。
- 国語の記述は年 3〜4 問で、30・35・45・50 字の指定つきが 2〜3 問、字数指定の無い「あなたの考え」が 1 問(分量は解答欄の大きさで決まります)。抜き出しは各大問に 0〜1 問と少なめです。本文に行数が印字され、「句読点や記号も一字にかぞえること」の注記が毎年あります。古文・漢文は精読した 3 年でゼロでした。
- 設問ごとの配点は、どの科目にも印刷されていません。4 科は 300 点満点(国語・算数 100、社会・理科 50)で、理科と社会は 1 問の重みが算数・国語の 2 倍以上になる年もあります。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ・図形の基礎・音読と読解・漢字と語彙の 4 本です。この学校で最終的に効くのは「かっこと分数が入った計算を落とさない」「送りがなつきの漢字を書ける」の 2 点なので、その入口だけを丁寧に。時間を計るのはまだ先で構いません。理科は生き物の観察、社会は地図帳を眺めるところから |
| 小 5(幅) | 単元を一巡させる年です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の計算(かっこ・分数・小数の四則と逆算)と国語の漢字・知識を毎日、週末 60 分はその週の単元 1 つ。算数は大問 2 の一行題プールをそのまま「小 5 で一巡する単元リスト」として使えます。順番は 食塩水 → 割合と比 → 和差算 → 仕事算 → 売買損益 → 速さ → 数の性質 → 角度 → 円とおうぎ形 → 約束記号。このうち和差算・仕事算・売買損益・約束記号は受験用教材の単元です(総合問題に出るニュートン算も同じです)。国語は大問 2 の知識プール(慣用句・四字熟語・熟語の構成・係り受け・辞書の並び順・品詞と用法)を一巡。ただし国語は 2021 年度以降の問題文が資料に無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください。理科は 4 分野を均等に(この学校は捨て分野を作れません)。社会は地形図の読み方と、歴史の語句を漢字で書く練習をここで始めます |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目。夏以降は同じ席の問題を年度を縦に解きます(算数の大問 1 だけを 5 年分、社会の大問 1 だけを 5 年分、国語の大問 2 だけを 5 年分)。秋以降は年度通しで時間を計り、とくに社会 25 分・理科 25 分を体に入れます |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 席が固定されている学校なので、小 6 の秋に「どの大問で何が出るか」を知っていること自体は、過去問を 2 年分解けば誰でも追いつけます。差がつくのはその席を埋める中身の広さのほう、つまり小 5 の一巡(一行題プールと知識プールの単元を全部ひととおり回すこと)です。算数の一行題 6 問と国語の知識 10 問、あわせて 16 問——4 科合計の 2 割近くが、小 5 で回した単元プールからそのまま出ます。ここを薄く広く回しておくと、小 6 では総合問題と読解、そして「あなたの考え」「理由を説明する」といった書く問題に時間を集中できます。逆に小 5 の一巡が抜けたまま小 6 を迎えると、固定された席のありがたみを受け取れないまま、毎年の題材の新しさに振り回されることになります。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・通学圏・合格可能性・男女別学と共学の区別は扱いません。
- 目黒日本大学中学校(東京都・共学)— 算数・社会・理科の 3 科目がそろって近く、4 科すべての演習が二重に効きやすい組み合わせです。
- 横須賀学院中学校(神奈川県・共学)— 算数と理科が近く、とくに理科の分野配分と実験の読み取りが近い組み合わせです。2027 年度は 2 月 1 日・2 月 2 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。同じ日の同じ時間帯に重なる回は、どちらか一方しか受けられません。
- 足立学園中学校(東京都・男子校)— 算数が一覧の中でいちばん近く、計算+一行題+総合問題という算数の組み立てが似ています。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。 残る 5 校(関東学院中学校・青稜中学校・二松学舎大学附属柏中学校・鎌倉国際文理中学校・八千代松陰中学校)と、それぞれの日程の重なりもそのページに載せています。社会の資料問題がこの学校にいちばん近いのは、関東学院中学校です。
- 使い方の目安を一つだけ。算数の演習量を増やしたいなら足立学園、社会の資料問題を増やしたいなら関東学院、4 科目を通しで練習したいなら目黒日本大学——というように、足りない科目を補う方向で 1 校ずつ足すのが、この一覧の実用的な読み方です。
- この学校には 2 科(国語・算数)で受けられる回があります。2 科の回で受ける場合、併願先が 4 科目校であれば、理社は本校の 2 科の準備とは別に立てる必要があります。
- 近さは「大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元の一致・設問文の言い回しの重なり」の距離と、単元分布の似方を合成したものです(男女・日程の注記は自動集計の表をそのまま写したものです)。同じ問題が出るという意味ではありません。国語はこの学校の資料が 2020 年度までのため、比較の対象に入っていません。
13. 資料の限界
- 資料は 1 年・1 科目につき 1 冊で、入試回の表記が読み取れません。この学校は 2026 年度で 7 回の入試を行っており、4 科で受けられるのは 3 回です。分析はそのいずれかに当たるはずですが、どの回かは特定できません。2 科(国語・算数)で行う特別奨学生入試・グローバル特別奨学生入試・Super English 入試の問題は、この資料には含まれていません。同じ問題が使われている保証は無いので、その回を受ける場合は市販の過去問集で回ごとの問題を確認してほしいところです。
- 国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。8-4 に書いたことは 2020 年度までの話で、直近 5 年の形は言えません。①大問 4 つの枠が続いているか ②「あなたの考え」を書かせる問題が残っているか ③品詞・用法の 3 問が続いているか、の 3 点を市販の過去問集で確認したいところです。
- 社会は 2011・2012 年度の資料がありません。理科は 2013 年度以前の資料がありません。長い周期の話(「◯年ぶり」など)は、この範囲での話です。
- 精読したのは各科目 3 年分(算数・理科・社会は 2024〜2026、国語は 2018〜2020)です。それより前の年については、年度ごとの大問構成の記録をたどっただけで、設問文までは読んでいません。「17 年」「15 年」「13 年」と書いた長い年数の話は大問の並びの記録に基づくもので、設問の細部までが同じという意味ではありません。
- 図そのものは資料に写しとられていないため、図形問題・地形図・グラフの細部は、設問文と図の説明文からの読み取りを含みます。
- 設問ごとの配点はどの科目・年度にも印刷されていません。「ここが得点の柱」と書いた箇所は問題数から見た比重であって、配点を確認したものではありません。
- 難易度・合格可能性・お子さんとの相性・学校の教育方針については、このページでは扱っていません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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