雙葉中学校 の過去問分析
雙葉中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
雙葉中学校 過去問分析(2009〜2026 年度・一般入試(1 回のみ)・最長 18 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区 |
| 男女 | 女子校 |
| 入試回と日程・科目 | 一般入試の 1 回のみ。2027 年 2 月 1 日、午前に 4 科(国語・算数・社会・理科)の筆記、午後に面接。募集 100 名 |
| 試験時間・配点 | 募集要項の該当項目がこの資料に入っていません。学校の公表資料で確認してください |
| 面接 | あります。受験生本人のみの面接で、筆記と同じ日の午後に行われます |
| 出願・発表 | 出願受付 2027 年 1 月 10 日〜16 日、合格発表 2027 年 2 月 2 日、手続締切 2027 年 2 月 3 日 |
| 旧称 | 築地語学校(1875 年〜)、雙葉高等女学校(1909 年〜1947 年) |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートで扱えるのは午前の筆記だけです。午後の面接は過去問という形が無いため、練習の対象にできません(→ 13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 入れ物(大問の数・小問の数・並びの決まり)は 4 科目とも安定しています。算数は 5 大問が 2015 年度から 2026 年度まで 12 年連続、社会は 3 大問が 17 年連続、理科は 4 大問・小問 22〜23 問です。
- 一方で中身は毎年作り直されます。同じ問題が使い回されることはほとんど無く、同じ種類の問題が同じ場所に出る学校です。理科の 4 分野の位置も社会の 3 分野の位置も毎年入れ替わるので、山を張る勉強はどの科目でも効きません。
- したがって過去問の使い方は、単元の型を習得するのが主で、同じ問い方に慣れるのが従になります。「出る問題を覚える」使い方はほぼ効きません。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1(計算と小問集合)を年度をまたいで縦に集めて解きます。17 年中 16 年でこの位置は動いていません。
- 国語の「わかりやすく言いかえて答えなさい」を毎日の読解の中で回します。3 年連続で出ている、この学校でいちばん反復されている問い方です。
- 理科の 4 分野を均等に一巡します。捨て分野を作ると 1 大問がまるごと空きます。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 1 と大問 4 を直近 3 年(2024・2025・2026)ぶん続けて解き、「(式と計算と答え)」の欄に途中式を整った形で書けるか確かめます。
注意
- 記述はどの科目も字数指定が付きません。書きすぎて解答欄からあふれるのがこの学校での典型的な失点の形なので、字数を数える練習ではなく解答欄に収める練習をします。
4. 資料の状況
転写=過去問の紙面を文字データに起こしたものです。読んだ深さを次の 3 語で書き分けます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの主要単元を数えただけの年)/資料のある年(転写が手元にある年)。
| 科目 | 資料のある年 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2010〜2026 の 17 年 | 2024・2025・2026 の 3 年 | 14 年 | 精読した 3 年はいずれも読み取りが安定しています。図そのものは文章に置き換えられているため、図形問題は図の説明文からの推定を含みます |
| 理科 | 2010〜2026 の 17 年 | 2024・2025・2026 の 3 年 | 14 年 | 導入文が長く、表とグラフが多い科目です。精読した 3 年のうち 2024・2026 は読み取り確度が低めで、選択肢の細部まで断定はできません |
| 社会 | 2010〜2026 の 17 年 | 2024・2025・2026 の 3 年 | 14 年 | 小問が多く(年 28〜39)、選択肢の文言まで読めます。2026 は読み取り確度が低めです |
| 国語 | 2009〜2026 の 18 年 | 2024・2025・2026 の 3 年 | 15 年 | 本文・設問とも読めます。2024 は 3 題が転写上 1 つにまとまっていますが、設問番号の振り直しから 3 題と読めます |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 四谷大塚のデータは 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊のみです。この学校の入試は 1 回だけ(2 月 1 日・4 科/募集 100 名)なので、回の取り違えは起きません。
- 試験時間と配点は、学校の公表資料からは確認できませんでした。入試案内には「午前中は筆記試験(国・算・社・理)」とあるだけで、科目別の分数・配点の表は見当たりません。本文で「1 問あたり何分」といった時間の話を書いていないのはそのためです。
- 午前に 4 科の筆記、午後に受験生本人のみの面接が行われます。面接の内容はこの資料では扱えません。
- 「毎年」「〜年連続」は原本の設問文で 3 年以上の反復を確認したものに限ります。年度×大問の題材表は 4 科目とも 2024〜2026 の 3 年を精読して起こしました。それ以前の年は転写の分類(大問ごとの主要単元)を数えたものだけを「転写の分類では」と断って書き、題材の細部には触れていません。
5. 一番大きな結論
雙葉は「入れ物は何年も動かないのに、中身は毎年作り直す」学校です。
入れ物(大問の数・小問の数・並びの決まり)は 4 科目とも驚くほど安定しています。
- 算数は 5 大問が 2015 年度から 2026 年度まで 12 年連続です。大問 1 は計算と小問集合で、転写の分類でさかのぼると 2010〜2026 の 17 年中 16 年がここから始まります。大問 4 は割合・文章題(2024 食塩水/2025 売買損益/2026 年齢算)が 3 年連続で同じ位置に座ります。
- 理科は 4 大問・小問 22〜23 問が 3 年連続です(17 年中 16 年が 4 大問)。物理・化学・生物・地学を必ず 1 つずつという配分も 3 年とも守られています。
- 社会は 3 大問が 17 年連続です。地理・歴史・公民を 1 つずつで、歴史の大問だけが 14〜18 問と突出して大きくなっています。
- 国語は文章 2 題+漢字・語句の独立問題 1 題です。3 年とも最後の大問が知識問題です。
一方で、同じ問題が使い回されることはほとんどありません。精読した 3 年で確認できた反復は次の 2 つに限られます。
- 算数の大問 1 に「右の図は正方形と円とおうぎ形を組み合わせたものです」という同じ書き出しの図形小問が 2024 と 2026 の両方に出ます。
- 国語の「わかりやすく言いかえて答えなさい」が 3 年連続です(2024・2025・2026)。
言い換えると、同じ問題ではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校です。理科の 4 分野の位置、社会の 3 分野の位置は毎年入れ替わるので、山を張る勉強はどの科目でも効きません。
したがって過去問の使い方は、「単元の型を習得する」が主で、「同じ問い方に慣れる」が従になります。「出る問題を覚える」使い方はほぼ効きません。演習の順序は、年度を通して 1 年分ずつ解くより、大問 1・大問 4 のように位置が決まっている場所(=同じ種類の問題が毎年置かれる座席)を縦に集めて解くほうが効率がよいと言えます。
科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 高い。5 大問・小問 11〜13。大問 1 は計算と小問集合、大問 4 は割合の文章題。答えのみを書かせる形式で、記号を選ぶ設問は精読した 3 年に無い | 単元は毎年入れ替わる。割合と文章題・速さ・数の性質と規則性・平面図形・計算の 5 群で 9 割 | 計算の正確さ(桁が大きく数字が細かい)と、「式と計算と答え」を書く形での答案作り |
| 理科 | 高い。4 大問・小問 22〜23。ただし分野の並びは毎年入れ替わる | 4 分野を 1 つずつ。長い会話文・実験記録から空欄を埋め、比例と割合で計算させる。記述は年 1〜6 問と振れ幅が大きい | 4 分野を均等に。長い導入文を読み切る力と「すべて選び」の処理 |
| 社会 | 高い。3 大問が 17 年連続。小問 31〜38。記述が 3 年連続で毎年 3 問 | 歴史の大問が 14〜18 問で通史を縦断。地理は資料の同定、公民は制度と国際 | 通史を線でつなぐことと、表・グラフ・地図から都道府県や国を絞る練習 |
| 国語 | 中程度。文章 2 題+知識 1 題。記述は 26〜39% | 随筆・回想が多い。記述に字数指定が無く、解答欄の大きさで判断する | 「わかりやすく言いかえて」と、解答欄に収める記述、最後の「自分で書く」設問 |
科目ごとに求められるものが違います。算数は「少ない問題を正確に取り切る」、理科は「長い文章を読んで比例で計算する」、社会は「通史と資料を往復する」、国語は「短く言い直す・解答欄に収める」です。
6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
- 「ふたばさん」が問題文の主人公として出てきます。理科は 2024(紅茶をいれてろ過する)、2025(登山の山頂でヤッホーと叫ぶ)、2026(遊園地のループコースター・聴診器を胸に当てる・先生との会話)と 3 年連続です。社会も 2025(クラスの模擬選挙)、2026(お父さんとの会話文)に登場します。理科 2024 には「桜さん」「花子さん」も出ます。校名がそのまま登場人物になっているのは、この学校の過去問を読んだ人だけが気づく色です。
- 理科は身のまわりの体験から入り、原理に降りていきます。冬の日の紅茶(2024 の溶解度)、山で叫ぶ声の反響(2025 の音速)、海とプールで水着の乾き方が違う(2025 の状態変化と湿度)、1 回転するループコースター(2026 の運動)、聴診器の「ズートン」(2026 の心臓)。導入は必ず生活の場面で、そこから実験・グラフ・計算へつなぐ構成が精読した 3 年に共通します。
- 社会は国際協力と平和が繰り返し出ます。2024 は国際連合の気候変動枠組条約・エルサレム・平和維持活動、2025 は 1996 年に世界文化遺産に登録された国際平和を訴える建造物、2026 は国連の分担金と平和維持活動です。国際連合と平和維持活動は 3 年とも触れられています。
- 災害と防災が科目をまたいで出ます。理科 2024 は大正関東地震から 100 年と海岸段丘、2026 は猛暑日とアメダスと土砂災害。社会 2025 は 1959 年の台風、2026 は自然災害伝承碑の地図記号とその意味。理科と社会の両方で扱われるのがこの学校の形です。
- 歴史は「日本と外の世界の関わり」から組まれることが多い科目です。2024 は中国の王朝名を軸にした対外関係の年表、2025 は九州北部という窓口から見た通史、2026 は戦後 80 年から日米関係・満州・東南アジアへ。日本の中だけで完結する通史ではありません。
- 国語は随筆・回想が多くなっています。精読した 3 年の文章 5 題のうち 4 題が、筆者が過去を振り返って考えを述べる文章です(生まれ育った街と映画館、小学校時代の先生、十代の古書店通い、戦後の疎開先での暮らし)。出典が読み取れた年に限れば、長田弘『子どもらの日本』(2024)、上橋菜穂子『物語ること、生きること』・志賀直哉『菜の花と小娘』(2022)、森下典子『日日是好日』・好本恵『俳句とめぐりあう幸せ』(2016)、久石譲『感動をつくれますか?』・青木玉『何でもない話』(2015)、大江健三郎『「自分の木」の下で』(2014)、河合隼雄『物語とふしぎ』(2011)といった顔ぶれで、エッセイと、書き手の記憶に根ざした文章に寄っているように見えます。
- 設問の最後に「あなた」を呼びます。国語の文章題の最後は 3 年連続で、本文の理解を土台にして自分の経験や推測を書かせる形になっています(2024「あなたが経験した『魔法の時間』」、2025「あなたにとって同様の意味を持つ〜」、2026「どういうことを述べていると思うか」)。社会の記述も「なぜそうするのか」「その意味は何か」を問う形が多くなっています。知識を答えて終わりにしない傾向は、科目をまたいで見えます。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。学年別の順序は 11 節にあります。
各項目の根拠(年度・大問・数字)は 8 節の科目別を参照してください。
- [週末 60 分] 算数・大問 1 を落とさない。逆算(□にあてはまる数を求める計算)または四則計算から始まり、図形・割合・平均の小問が続きます。17 年中 16 年でこの位置は動いていません。「(式と計算と答え)」の指定があるので、途中式を整った形で書く練習を同時に済ませます(2024 は大問 1、2025 は大問 1 と 3、2026 は大問 1 と 4 に指定があります)。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 算数・正方形と円・おうぎ形の複合求積。2024 と 2026 に同じ書き出しの図が出ています。正方形の 1 辺から半径を出す→中心角を決める→足し引きの順を固定する、という手順を体に入れます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・割合の文章題を 3 種そろえる(食塩水の操作・売買損益の割引・年齢算)。大問 4 の位置に 3 年連続で座っている系統です。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 国語・「わかりやすく言いかえて答えなさい」。3 年連続で出ている、この学校で最も反復されている問い方です。比喩や慣用的な言い回しに線を引き、「つまりどうしたのか」を 10〜20 字で言い直す訓練を毎日の読解の中で回します。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・歴史の通史を 1 本の線でつなぐ。歴史の大問は 14〜18 問で、古代から戦後まで一気に下ります。時代ごとの一問一答ではなく「次に何が起きたか」で並べられる状態にします。2024 と 2025 はどちらも対外関係(中国・朝鮮半島との関わり)を軸に通史を作っています。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 社会・資料から都道府県や国を絞る。県の形と人口密度(2024)、地形図の断面図(2025)、空港の乗降客数と農業産出額のグラフ(2026)。知識だけでは答えが出ない設問が 3 年とも入ります。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科・4 分野を均等に、長い会話文と実験記録を読み切る。捨て分野を作ると 1 大問がまるごと空きます。どの位置に何が来るかは読めないので山は張れません。空欄補充が本文とかみ合っているので、設問だけ拾い読みする解き方では崩れます。「すべて選び」が 3 年連続で出ているのも、腰を据えて読む必要がある理由になります。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 4 科目共通・記述を「字数ではなく解答欄」で書く。社会の記述 3 問も国語の記述も、字数指定は付きません。書きすぎて欄からあふれるのがこの学校での典型的な失点の形になります。市販の過去問の解答欄と同じ幅・行数のマス目を用意して、そこに収める練習をします。(確認: 〜2026 年度)
8. 科目別の詳細
特殊算(つるかめ算・年齢算・流水算など、受験用教材で扱う解き方)の語は 用語集 を参照してください。
8-1. 算数(5 大問・小問 11〜13・答えのみを書かせる形式・試験時間と配点は未確認)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本で確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 計算と小問集合 4 問(逆算/分数の分解 1÷(◎×(◎+1))/正方形と円とおうぎ形の面積/売買損益 110 円の商品 217 個) | 数の性質(630×1470×1260 mm の箱に同じ大きさの立方体を詰める) | 流水算(A 地点と B 地点が 5733 m・兄のボートの往復) | 食塩水(10% 400 g に A・B・C の操作を組み合わせる) | 仕事算・周期(パン工場・棚に 72 個並べたら止める) |
| 2025 | 計算と小問集合 4 問(逆算/半円 3 つを組み合わせた図/「帖」の面積換算/40 人・50 点満点の表から平均) | 数の性質・約束記号(2 を A 個並べた数を 7 で割った余りを《A》と表す) | 水量とグラフ(円柱の水そうに円柱のおもりを 5 本・10 本沈める) | 売買損益(47 人で動物園・45 人以上は 2 割引の団体料金) | 速さとグラフ(長方形 ABCD の辺上を動く P・Q と三角形 OPQ の面積) |
| 2026 | 計算と小問集合 2 問(四則計算/正方形と円とおうぎ形の面積) | 割合と比(美術館の外国人来館者数を国別の割合で示したグラフ) | 図形の移動・折り紙(24 cm の正方形を折って切り、広げた形を作図) | 年齢算(父・母・姉・弟とユキさんの 5 人家族) | 時計算(長針が 30 日・短針が 360 日で 1 周する時計) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る(座席)
同じ種類の問題が毎年置かれる場所を、ここでは座席(問題の置き場所)と呼びます。
- 大問 1 は計算と小問集合です。精読した 3 年(2024・2025・2026)はすべて、逆算または四則計算から始まり、そのまま図形・割合・平均などの小問が続きます。転写の分類でさかのぼると、2010〜2026 の 17 年のうち 16 年で大問 1 が計算(逆算または四則計算)から始まっています(例外は 2018)。この学校で最も動かない場所です。
- 大問 4 は割合・文章題の 1 題です。2024 が食塩水、2025 が売買損益、2026 が年齢算で、3 年連続して「割合や和差の関係を式に落とす文章題」が同じ位置に座っています。同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出ます。
- 大問 5 は「時間とともに変化するものを追う」問題です。2024 はパンを並べる作業の周期、2025 は長方形の辺上を動く点、2026 は時計の針。3 年とも小問が (1)→(2)→(3) と積み上がり、最後の 1 問が一番重くなっています。
- 大問 2 は数の性質が 2 年連続です(2024・2025)。2026 は割合と比に入れ替わりました。大問 3 は 3 年とも別物(流水算→水量とグラフ→折り紙の作図)で、ここは固定されていません。
- 大問の数は 2015 年度から 2026 年度まで 12 年連続で 5 大問です(それ以前は 6 大問)。小問は 11〜13 問です。
同じ問い方・同じ図が戻ってくる
- 大問 1 の図形小問に、「右の図は正方形と円とおうぎ形を組み合わせたものです」という同じ書き出しが 2024 と 2026 の両方に出ます(2024 は「正方形と円、おうぎ形」、2026 は「正方形と円とおうぎ形」と読点の有無だけが違います)。どちらも大問 1 の中の 1 問で、正方形の中に円とおうぎ形を配置して斜線部の面積を出させる形です。同じ図の系統が 1 年おきに戻ってくるので、この 1 問は事前に手が動く状態にしておけます。
- 2025 の《A》のような約束記号(自分で決めた記号の意味を読み取って計算する)は、大問 2 の位置に置かれることが多くなっています。
頻出単元と周期(転写の分類・2010〜2026 の 17 年)
- 大問の主要単元として数えると、割合と文章題が 24%、速さが 21%、数の性質と規則性が 18%、平面図形が 17%、計算が 8%。この 5 群で 9 割を占めます。
- 速さは形を変えて繰り返し出ます。流水算(2017・2024)、速さとグラフ(2014・2025)、旅人算や周回(2010〜2013・2020・2022・2023)。17 年で速さ系がまったく無い年はほとんどありません。
- 水量とグラフ(円柱の水そう・おもり)は 2013・2015・2016・2021・2023・2025 と 2〜3 年おきです。
- 円とおうぎ形の複合求積は 2010〜2014 に大問として、近年は大問 1 の小問として(2024・2025・2026)出ています。
- 規則性・数列は細かい単元の中で最多(11%)です。数字の並び・図形の段・分数の列など形はさまざまです。
問い方の型
- 「(式と計算と答え)」の指定が精読した 3 年すべてにあります。2024 は大問 1、2025 は大問 1 と大問 3、2026 は大問 1 と大問 4 の導入文に付いています。答えだけでなく、そこへ至る式と計算を解答欄に書かせる形式です。
- 小問はすべて答えを書かせる形式で、記号を選ぶ設問は精読した 3 年に 1 問もありません。
- 数字が細かくなっています。5733 m(2024)、110 円の商品 217 個(2024)、237 cm²(2026)のように、割り切れるが桁の多い数が使われます。計算そのものが失点源になる設計です。
- 設定を自分で整理させる問題が多くなっています。2024 の食塩水は「A を 1 回、B を 2 回、C を 1 回」と操作の組み合わせを試させ、2026 の年齢算は 5 人の関係を 3 つの条件から詰めていきます。
今からやるなら(算数・7 節に無いもの)
- 周期と変化を追う練習(大問 5 対策)。パンを並べて減らす作業、辺上を動く点、針の角度。いずれも「1 周期でどれだけ進むか」を先に出してから当てはめます。
- 計算の桁に耐える練習。4 桁の割り算・小数と分数の混在が普通に出ます。数字が汚いのではなく、正確さを試す設計だと思って扱ってください。
8-2. 理科(4 大問・小問 22〜23・記号選択が主軸・試験時間と配点は未確認)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本で確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 人体・消化(だ液とデンプン・40℃と 20℃の実験結果の比較) | 地層と地震(大正関東地震から 100 年・海岸段丘・ボーリング調査) | 溶解度と再結晶(紅茶をいれる→ろ過→硝酸カリウムと塩化カリウムの再結晶) | 熱と状態変化・浮力(液体温度計・バイメタル・ガリレオ温度計の浮き) |
| 2025 | 音(山頂の「ヤッホー」・壁とメトロノームで音速を測る) | 植物と生態系(里山・クヌギ・カブトムシ・クマの出没) | 水の状態変化と湿度(海とプールの水着の乾き方・25℃湿度 40% の空気) | 惑星・太陽系(上弦の月・金星の見え方・46 億年前の太陽の明るさ) |
| 2026 | 物体の運動(遊園地の 1 回転するループコースター・遠心力・円周率を 3 として計算) | 中和(酸とアルカリ・電流の変化のグラフ・水酸化バリウムと硫酸) | 人体・心臓(聴診器の「ズートン」・弁の開閉と I 音 II 音・1 分間の拍動 70) | 気象(2025 年の猛暑日・アメダス約 1300 か所・土砂災害) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る(座席)
- 4 大問・小問 22〜23 問が 3 年連続で動きません(2024 年 22 問・2025 年 23 問・2026 年 23 問)。転写の分類でさかのぼっても、2010〜2026 の 17 年のうち 16 年が 4 大問(2015 のみ 3 大問)で、この学校で最も安定しているのは理科の入れ物です。
- ただしどの大問に何の分野が来るかは決まっていません。2024 は生物→地学→化学→物理、2025 は物理→生物→化学→地学、2026 は物理→化学→生物→地学。順番は毎年入れ替わります。
- 一方で、4 大問で物理・化学・生物・地学を必ず 1 つずつという配分は精読した 3 年すべてで守られています。転写の分類でさかのぼっても同じ組み方が続いています。山を張れない代わりに、4 分野のどれかを捨てると必ず 1 大問分が空きます。
問い方の型
- 番号を選ばせる設問が主軸です。2026 は 23 問中 19 問(83%)、2025 は 43%、2024 は 41% が選択です。ただし選択肢は「①〜⑥から 1 つ」だけでなく、「すべて選び」が 3 年連続で出ます(2024 大問 4 問 6、2025 大問 2 問 5、2026 大問 2 問 3・大問 3 問 1)。1 つに絞れる問題ではないので、選択肢を 1 つずつ検討する時間が要ります。
- 空欄補充の形が多くなっています。「文中の( ア )〜( ウ )にあてはまる言葉を答えなさい」が 2024・2025・2026 のいずれにもあります。長い会話文・説明文を読みながら空欄を埋めていく作りで、本文を読まずに設問だけ見ても解けません。
- 記述は年によって数が大きく変わります。2024 は 6 問(27%)、2025 は 2 問、2026 は 1 問。字数指定は付かず、1〜2 文で書かせます。内容は「どのような変化が起きたか」「どのように実験するとよいか」「なぜそうなるか」の 3 種です。
- 実験の続きを設計させる設問があります。2024 大問 1 問 5「下線部 2 について、どのように実験するとよいですか。考えられることを答えなさい」。結果を説明するだけでなく、次の一手を書かせます。
- 計算は比例と割合に落ちるものが中心です。溶解度から析出量(2024)、音の速さと反射の往復(2025)、湿度と空気 1 m³ 中の水蒸気量(2025)、中和の量的関係(2026)、拍動 70 回から 1 分間に送り出す血液の量(2026)。桁の大きい割り算をその場でこなす必要があります。
今からやるなら(理科・7 節に無いもの)
- 「すべて選び」に強くなる。3 年連続で出ています。選択肢を 1 つずつ真偽判定する手順を固定し、迷ったものに印を付けて後戻りできるようにします。
- 溶解度・湿度・中和の 3 つの比例計算を、表やグラフから読み取って解く形で練習します(2024・2025・2026 にそれぞれ入っています)。
- 1〜2 文の記述を、字数指定が無い前提で書く練習。「どのような」「どのように実験すると」「なぜ」の 3 通りです。年によって 1 問しか出ませんが、出た年は 6 問出ます。
- 実験器具を描けるようにする(ろうと・ろ紙・ガラス棒・ビーカー)。2024 に描かせる設問が 2 問ありました。
8-3. 社会(3 大問・小問 31〜38・記号選択が主軸・試験時間と配点は未確認)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本で確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2024 | 公害から環境権・裁判・国際連合(9 問/四大公害病・気候変動枠組条約・エルサレム・PKO) | 対外関係の通史(18 問/中国の王朝名 A〜N の年表・渡来人・白村江・足利義満・日露戦争・朝鮮戦争) | 発電とエネルギー(8 問/2022 年度の発電方式別の表・県の形と人口密度・1960 年と 2020 年のグラフ比較) |
| 2025 | 九州北部から見た対外関係の通史(17 問/大陸との窓口・平清盛・元寇・日明貿易・南蛮貿易・不平等条約の改正・戦後 80 年) | 中部地方の地誌(11 問/海岸線の地図・湖・モーダルシフト・1959 年の台風・日本六古窯・地形図の断面図・市町村別農業産出額) | 模擬選挙から公民(10 問/ふたばさんのクラスの模擬選挙・憲法前文・選挙権の拡大・税金の使い道・一票の格差) |
| 2026 | 北海道と観光(8 問/空港の乗降客数・農業産出額のグラフ・釧路港・訪日外国人・自然災害伝承碑・災害の季節性) | 日本とアメリカの政治(9 問/会話文・内閣総理大臣の仕事・二院制・弾劾裁判・国連分担金・国防費) | 戦後 80 年から通史(14 問/日米安全保障条約・高度経済成長・日露戦争・満州・東南アジア進出・元寇・平安の争乱・石山本願寺) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る(座席)
- 3 大問という数だけは動きません。転写の分類で 2010〜2026 の 17 年すべてが 3 大問です。小問は 28〜39 問の幅で、精読した 3 年は 31〜38 問でした。
- 地理・歴史・公民(国際を含む)を 1 つずつという組み方は精読した 3 年すべてで守られていますが、どの位置に何が来るかは毎年入れ替わります。2024 は公民→歴史→地理、2025 は歴史→地理→公民、2026 は地理→公民→歴史です。
- 歴史の大問だけが極端に大きくなっています。2024 は 18 問、2025 は 17 問、2026 は 14 問。3 年とも 1 つの大問で古代から戦後までを一気に下ります。残る 2 大問は 8〜11 問で、歴史の大問が全体の 4〜5 割を占めます。
- 歴史の大問の作りは 3 年とも同じです。長い文章か年表に下線部・記号を振り、そこにぶら下げて時代順に問います。2024 は A〜N の年表、2025 は A・B から始まる地域の説明文、2026 は「戦後 80 年」から始まる文章です。
問い方の型
- 選択肢の記号が「イ・ロ・ハ・ニ…」のいろは順です。「次のイ〜ニから一つ選び、記号で答えなさい」(2024・2025 の多くの設問で確認)。アイウエオ順に慣れていると、選択肢の数と並びを読み違えます。「イ〜ホ」「イ〜へ」「イ〜チ」と選択肢が 5 つ・6 つ・8 つに増えることもあります。
- 「正しくないもの」「誤っているもの」を選ばせる設問が 3 年連続で出ています(2024 大問 1 問 4、2025 大問 1 問 3、2026 大問 3 問 3)。2026 は「誤っているものを 2 つ選び」で、数を指定してくる形も出ます。
- 記述が 3 年連続で毎年 3 問あります(2024・2025・2026)。字数指定は無く、理由や意味を数行で書かせます。2024「発展途上国の排出量が増えている理由」「日露戦争の後の説明」「1960 年と 2020 年のグラフを比較して」、2025「豊臣秀吉が宣教師を追放した理由」「モーダルシフトの長所」「一票の格差」、2026「自然災害伝承碑の地図記号を記す意味」「弾劾裁判」「東南アジアに進出した日本と現地の人々」。資料を比べて言葉にするか、制度の意味を説明するかのどちらかです。
- 資料が多くなっています。表・グラフ・地図・断面図・県の形。2024 大問 3 は発電方式の表と県の形と人口密度を組み合わせて県を同定させます。2025 大問 2 は地形図の断面図を選ばせます。2026 大問 1 は空港の乗降客数と農産物の産出額のグラフから道県を当てさせます。知識だけでは答えが出ず、資料と知識を突き合わせる設問が各大問に入ります。
- 会話文からの出題があります。2025 大問 3 は生徒の模擬選挙、2026 大問 1 は「ふたばさんとお父さんの会話文」、2026 大問 2 は「生徒と先生の会話文」です。会話の流れの中に下線部が振られるので、飛ばし読みが効きません。
- 周年が入口になります。2025 は「日清戦争が終わって 130 年・第二次世界大戦が終わって 80 年」、2026 も「2025 年に戦後 80 年」から歴史の大問が始まります。
今からやるなら(社会・7 節に無いもの)
- 対外関係史を軸に整理する。2024 は中国・朝鮮との関係で通史を作り、2025 は九州北部を窓口に同じことをしました。中国の王朝名の順、朝鮮半島の国名、条約の順は繰り返し問われます。
- いろは順の選択肢に慣れる。「イ〜ニ」「イ〜ホ」「イ〜へ」。過去問を解くときは選択肢の数を最初に数える癖をつけます。
- 「正しくないもの」を落ち着いて処理する。3 年連続で出ており、2026 は 2 つ選ばせました。全選択肢を読んでから決める手順を固定します。
- 地形図の読図(地図記号・断面図・等高線)。2025 大問 2 と 2026 大問 1 に出ました。自然災害伝承碑のような新しい地図記号も含めて確認します。
- 記述 3 問を数行で書く。字数指定は無いので、解答欄の大きさに合わせて「理由→根拠」の 2 文で書く練習を。資料の比較(グラフの前後を比べて何が変わったか)は 3 年連続で出ています。
- 周年から前年の出来事へ橋を架ける。「戦後 80 年」「日清戦争 130 年」のように、その年の節目が歴史の大問の入口になります。ニュースを暗記するのではなく、どの時代・どの制度につながるかで仕分けます。
8-4. 国語(文章 2 題+漢字・語句の独立問題 1 題・小問 23〜35・試験時間と配点は未確認)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本で確認)
| 年度 | 大問 1(文章) | 大問 2(文章) | 大問 3(知識) | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 物語(ナナが水色の車で帰宅する場面・団地と集合住宅・種田山頭火の引用/記述 6 問・漢字の書き取り 5 問) | 随筆(生まれ育った街・映画館・樟の木・「魔法の時間」/記述 6 問・「わかりやすく言いかえて」の設問) | 漢字の読み(正しい読みには〇、誤りは正しい読みを書く形式) | 大問 1 は長田弘『子どもらの日本』(講談社)。他の題は未取得 |
| 2025 | 随筆・回想(小学校時代の「私」と松本先生/記述 5 問・記号選択 3 問) | 物語(深い谷の中腹の坂・山の斜面・老人と新聞配達/記述 4 問・季語と俳句の設問) | 熟語(カタカナから熟語を選ぶ・漢字を組み合わせて二字熟語を 3 つ作り読みを答える) | 未取得 |
| 2026 | 随筆(十代・二十代の古書店通いと本/記述 6 問・抜き出し 30 字以内) | 随筆・回想(家族と疎開した青森県での戦後の生活・川・橋のたもとの図/記述 3 問・記号選択 6 問) | 漢字(カタカナを漢字に 6 問+漢字の読み 4 問。創建・劇薬・車窓・就航・寸法・分布・拝借・養蚕・銭湯・皮革) | 未取得 |
(2024 の転写は 3 題が 1 つにまとまっていますが、設問番号が「問一」から 3 回振り直されているため、実際は文章 2 題+知識 1 題と読めます。出典は読み取れた年だけを載せました。)
同じ場所に同じ種類の問題が出る(座席)
- 文章 2 題+漢字・語句の独立した大問 1 つという組み方が精読した 3 年で共通です。転写の分類でさかのぼっても、2009〜2026 の 18 年のうち 14 年が 3 大問です。
- 最後の大問が漢字・語句の知識問題です(2024 は漢字の読み、2025 は熟語、2026 は漢字の書き取りと読み)。3 年連続で同じ位置に座っています。
- 大問 1 の文章には記述が集中します(2024 は 11 問中 6 問、2025 は 9 問中 5 問、2026 は 14 問中 6 問が記述)。
- 各文章題の最後の設問が、自分の言葉で書かせる問題です。2024 大問 2 の問十一「あなたが経験した『魔法の時間』について述べなさい」、2025 大問 2 の問十二「この『老人』にとって『山』の景色はどのような意味を持つものだったのかを説明したうえで、あなたにとって同様の意味を持つ〜」、2026 大問 1 の問十四「筆者は、本に対する自らの今後の姿勢を、改めて述べます。どういうことを述べていると思うか、書きなさい」。本文の理解と自分の経験・推測をつなげて書かせる設問が 3 年連続で最後に置かれます。
同じ問い方が毎年出る
- 「わかりやすく言いかえて答えなさい」が 3 年連続で出ます。2024 大問 2 問四「――線部 A 〜 C の語をわかりやすく言いかえて答えなさい」、2025 大問 2 問五「『わすれまい』を、『わすれ』に続く形で、意味を変えずに言いかえなさい」、2026 大問 1 問三「『素通りした』を、わかりやすく言いかえて答えなさい」・問四「『背表紙を追った』とありますが、何をしたのか、『背表紙』に続く形で、わかりやすく言いかえて答えなさい」。辞書的な意味ではなく、その文脈で何を指しているかを短い言葉に置き換えさせます。この学校でいちばん反復されている問い方です。
- 「〜に続く形で」の指定が 2025・2026 に出ます。答えの語尾を本文の語につなげる形です。
- 抜き出しに字数指定が付きます(2026 大問 1 問十一「最後に『もの』が続くように、本文中から三〇字以内で探し」)。
- 空欄補充(接続語・語句・擬態語)が 3 年とも入ります。
今からやるなら(国語・7 節に無いもの)
- 最後の「自分で考えて書く」設問に時間を残す。文章題の最後に置かれるので、前の設問で時間を使い切ると必ず落とします。設問を最後まで見てから解き始める配分を身につけます。
- 本文と設問を行き来する解き方に慣れる。設問の紙が別なので、本文に線を引きながら設問番号を書き込む方式が効きます。
- 漢字は「書き取り・読み・熟語の組み立て」の 3 方向。形式が年ごとに変わるので、書き取り帳の一方向だけでは対応しきれません。2026 に出た養蚕・皮革・拝借のような読みも押さえます。
- 随筆に慣れる。精読した 3 年で 5 題中 4 題が随筆・回想(街の記憶・小学校の先生・古書店・戦後の疎開生活)でした。物語文だけでなく、筆者が過去を振り返って考えを述べる文章を読み慣れておきます。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
転写の分類から周期を読んだものです。2023 年度以前は題材まで確認していないため、単元名の水準で挙げます。
算数
| 単元 | 大問として出た年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 場合の数 | 2014・2018 | 2018 | 大問としては 8 年空き。4 年周期だったものが止まっている |
| 立体図形(切断・体積) | 2011・2014・2021 | 2021 | 5 年空き。3〜7 年周期 |
| つるかめ算 | 2011・2021 | 2021 | 5 年空き。10 年周期 |
| 平面図形の角度 | 2020 | 2020 | 6 年空き。大問 1 の小問として戻る余地が大きい |
| 平均算 | 2018・2025 | 2025 | 2025 に大問 1 の小問として復活した。7 年周期 |
| 時計算 | 2018・2026 | 2026 | 2026 に 8 年ぶりに大問として復活した(周期どおりに戻った例) |
| 消去算 | 2010 | 2010 | 16 年空き |
| 和差算 | 2021 | 2021 | 5 年空き |
理科
| 単元 | 大問として出た年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|
| てこ・輪軸・つり合い | 2012・2017 | 2017 | 5 年周期だったが 9 年空き。物理の枠は毎年 1 つある |
| 光(反射・屈折・レンズ) | 2019 | 2019 | 7 年空き |
| 電気回路・電流のはたらき | 2011・2016・2020・2022 | 2022 | 2〜5 年周期。2022 を最後に 4 年空き(2026 は水溶液と電流の複合として一部だけ登場) |
| 電磁石 | 2014 | 2014 | 12 年空き |
| 燃焼 | 2011・2022 | 2022 | 4 年空き |
| 気体の性質 | 2019 | 2019 | 7 年空き |
| 星・星座 | 2015 | 2015 | 11 年空き。2025 の惑星・太陽系とは別枠 |
| 花のつくり | 2015 | 2015 | 11 年空き。植物は 2025 に葉と樹木で出た |
| こん虫・動物の分類 | 2013・2019 | 2019 | 大問としては 7 年空き(2025 にカブトムシの小問) |
| 質量保存 | 2014 | 2014 | 12 年空き |
| 地震・火山 | 2021 | 2021 | 5 年空き(2024 は地層と海岸段丘の側から地震を扱った) |
社会
| 単元 | 大問として出た年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 三権分立・国会・内閣・裁判所 | 2017・2018・2020・2021・2023 | 2023 | 1〜3 年周期で回っていたが 3 年空き。公民の大問の中心に戻りやすい(2024・2026 には小問として入っている) |
| 原始・古代 | 2012・2013・2014・2018・2023 | 2023 | 3 年空き。歴史の大問の出発点として毎年小問では出る |
| 農業・畜産 | 2013・2014・2019 | 2019 | 大問としては 7 年空き(2025・2026 には小問) |
| 地方自治 | 2019 | 2019 | 7 年空き(2025 に中央官庁の小問) |
| 交通・通信網 | 2016 | 2016 | 10 年空き(2025 の街道・航路、2026 の空港は小問) |
| 日本国憲法 | 2011・2014 | 2014 | 大問としては 12 年空き(2025・2026 に小問) |
| 日本の地形・気候 | 2011・2018・2021・2022 | 2022 | 4 年空き。地形図の読図は 2025 に出た |
| 江戸時代 | 2011 | 2011 | 大問としては 15 年空き |
| 安土桃山時代 | 2015 | 2015 | 11 年空き |
| 飛鳥・奈良時代 | 2017・2019・2022 | 2022 | 4 年空き。3 年周期 |
| 選挙制度 | 2016・2025 | 2025 | 9 年ぶりに 2025 で戻った(周期どおりに戻った例) |
国語
| 単元 | 出た年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 詩・韻文の独立した大問 | 2021 | 2021 | 5 年空き(2024 は本文中に種田山頭火の句、2025 は俳句の切れ字が小問として入っている) |
| 敬語 | 2013 | 2013 | 13 年空き |
| 四字熟語 | 2013 | 2013 | 13 年空き |
| 同音異義語 | 2014 | 2014 | 12 年空き |
| 慣用句・ことわざ | 2020 | 2020 | 6 年空き |
| 文法(品詞・活用) | 2024 | 2024 | 2024 に「ようだ」を活用させる設問が出た。2〜3 年周期なら戻る余地 |
| 熟語の構成 | 2012・2025 | 2025 | 2025 に 13 年ぶりに戻った(周期どおりに戻った例) |
周期どおりに戻った例が近年 3 つあります。 算数の時計算(2018 → 2026 に 8 年ぶりの大問)、社会の選挙制度(2016 → 2025 に 9 年ぶりの大問)、国語の熟語の構成(2012 → 2025 に 13 年ぶり)。長く空いた単元がそのまま消えるわけではないことの目安になります。
10. 形式面の注意
- 算数: 5 大問・小問 11〜13。「(式と計算と答え)」の指定が精読した 3 年すべてにあり、答えだけでなく式と計算を書かせます。小問はすべて答えを書かせる形式で、記号を選ぶ設問は 3 年に 1 問もありません。作図が出る年があります(2026 大問 3「コンパスと定規を使ってかき、切り取った部分には斜線をかきましょう」)。折り紙を広げた形そのものを描かせるもので、コンパスと定規を試験に持って行く前提の出題です。円周率の指定は算数の問題文では確認できませんでしたが、理科では「円周率を 3 として」の指定がありました(2026)。単位の書き分けにも注意が要ります。mm(2024 大問 2)、分速 m(2024 大問 3)、cm²(2025・2026)と、問題ごとに求める単位が指定されます。「何時間何分後」「何分何秒後」の形で答えさせる設問が 2024・2025 にあり、時間の繰り上がりでの取りこぼしに注意してください。試験時間と配点は学校の公表資料からは確認できなかったので、1 問あたりに使える時間の目安はこの資料からは書けません。
- 理科: 4 大問・小問 22〜23。番号を選ばせる設問が主軸(2026 は 83%)で、「すべて選び」が 3 年連続です。空欄補充が長い会話文・説明文とかみ合っています。記述は年 1〜6 問と振れ幅が大きく、字数指定はありません。作図は 2024 に 2 問(ろ過に必要な器具を解答欄の図に描き込む・広げたろ紙のどこに茶葉が付くか)、2025・2026 にはありません。器具の絵を自分で描けるようにしておくと差が出ます。円周率が問題文で指定されることがあります(2026 大問 1 問 3「円周率を 3 として」)。グラフを読ませる設問が多く(2024 のデンプンの分解、2026 の中和による電流の変化と左心室の容積の変化)、軸の意味を毎回確認する癖が要ります。選択肢は①②③…の番号で、「番号で答えなさい」と「記号で答えなさい」が問題ごとに使い分けられます。指示どおりに書かないと取り切れません。
- 社会: 3 大問・小問 31〜38。選択肢の記号が「イ・ロ・ハ・ニ…」のいろは順で、「イ〜ホ」「イ〜へ」「イ〜チ」と数が増えることもあります。「正しくないもの」「誤っているもの」を選ばせる設問が 3 年連続です(2026 は「2 つ選び」)。「二つ選び」「2 つ選び」の指定は 2025 大問 1 問 12 と 2026 大問 3 問 3 にあります。記述が 3 年連続で毎年 3 問あり、字数指定はありません。短答(語句や数値を短く答える形式)は 3 割強(2024 年 37%・2025 年 39%・2026 年 32%)で、人名・国名・条約名・地図記号の名称などを漢字で書かせます。作図は 3 年にありません。選択肢は「番号」ではなく「記号」で答えさせる設問が中心(いろは順のため)なので、指示の読み違いに注意してください。
- 国語: 文章 2 題+知識 1 題・小問 23〜35。本文と設問が別の紙で、文章の冒頭に「なお、問いは問題用紙 No.3 にあります」と書かれています(大問 2 は No.4。3 年連続)。本文の紙と設問の紙を行き来しながら解く形式なので、過去問を刷って解くときも同じ配置を再現しておくと本番で戸惑いません。記述に字数指定が無く、抜き出しにだけ字数が付きます(2026「三〇字以内」)。解答欄の大きさで分量を判断する必要があり、字数を数える練習より「解答欄に収める」練習が要ります。記述の割合は 2024 年 39%・2025 年 30%・2026 年 26% で、年によって上下しますが、どの年も記述が全体の 4 分の 1 以上です。選択肢は「ア〜エ」「ア〜オ」のアイウエオ順(社会のいろは順とは逆なので、科目をまたぐと取り違えやすい形です)。「ふさわしくないものを選び」(2025 大問 1 問八)のような否定形もあります。図が使われることがあります(2026 大問 2 問三は「橋のたもと」の場所を図のア〜エから選ばせる)。漢字の出題形式は年ごとに変わります。2024 は「読みが正しいものは〇、誤りは正しい読みを書く」という一風変わった形、2025 は熟語の組み立て、2026 はカタカナを漢字に直す+読みで、書き取り一辺倒の対策では足りません。
- 共通: 午前に 4 科の筆記、午後に受験生本人のみの面接があります。試験時間と配点は学校の公表資料からは確認できなかったため、この資料では 1 問あたりの時間配分を数字で示せません。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | この学校で何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(算数は桁が大きく数字が細かいためです)、平面図形の面積の基本、割合と比の意味、読解は「つまりどういうことか」を 1 文で言い直す練習、漢字は書き取りと読みを両方。時間計測はまだしません。 |
| 小 5(幅) | ここが本体です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は国語(「言いかえ」と、字数を数えない記述)と漢字・語句に、週末 60 分は算数・理科・社会の単元の一巡に割り付けます。入れ物は固まっていても中身は毎年入れ替わるので、全分野をひととおり学び終えること自体が対策になります。算数は 8-1 の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使い、割合と文章題(食塩水・売買損益・年齢算・仕事算・つるかめ算。年齢算・仕事算・つるかめ算は受験用教材の単元です)→ 速さ(旅人算・流水算・速さとグラフ・時計算)→ 数の性質と規則性(約数倍数・数列・約束記号)→ 平面図形(円とおうぎ形・面積比・図形の移動)→ 水量とグラフ、の順で回します。理科は 4 分野を偏りなく一巡し、表とグラフから比例で計算する形に慣れます。社会は通史の年表を自作し、都道府県を資料(産出額・人口密度・形)から当てる練習を始めます。 |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目。夏以降は、年度を通して 1 年分ずつ解くより、位置が決まっている場所を縦に集めて解くほうが効率がよいと言えます(算数の大問 1 を 5 年分続けて、社会の歴史の大問を 5 年分続けて、など)。国語は本文と設問が別の紙になっている配置を再現して解きます。 |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか: 差がつくのは小 5 での全分野の一巡です。理科の 4 分野・社会の 3 分野・算数の 5 単元群のどれを落としても、必ず 1 大問分が空く作りになっているため、直前期に穴を埋めるのは間に合いません。逆に、小 6 で「この単元だけ集中的に」と絞り込む余地は小さくなります。小 6 に残しておくべきなのは、算数の答案の書き方(式と計算と答え)と国語の解答欄に収める記述という、量ではなく形の練習です。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、だけを見る)
観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか」だけです。男女別学・共学の区別、入試日程の重なり、難易度・偏差値帯、通学圏は扱いません(男女の注記は自動集計の表をそのまま写しました)。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100)で、同じ問題が出るという意味ではありません。
- フェリス女学院中学校(神奈川県・女子校)— 算数・理科・社会の 3 科目がそろって近く、4 科目のバランス型なので演習がまんべんなく効きます。
- 学習院女子中等科(東京都・女子校)— 理科・算数が近く、理科の「長い導入文+比例計算」の練習が二重に効きます。
- 東京都市大学等々力中学校(東京都・共学)— 理科が突出して近いです。国語は比較できていません。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
使い方の目安: 理科の「4 分野を均等に・長い導入文から比例で計算」は、理科の近さが 86 以上の東京都市大学等々力・自修館・学習院女子・市川・フェリスで流用しやすいところです。算数の「少ない問題を正確に取り切る」は、算数の近さが 85 以上の白百合学園・フェリス・学習院女子・市川・晃華学園と共通する部分が大きいと言えます。国語は「わかりやすく言いかえて」のような問い方まで似ている学校は見当たらないので、国語だけは本校の過去問で直接練習するのがよいでしょう。
13. 資料の限界
- 入試回は 1 つだけです。この学校の入試は 2 月 1 日の 1 回のみなので、回による出題の違いという問題は起きません。ただし帰国生入試など別枠の問題があれば、それはこの資料に含まれていません。
- 試験時間と配点が確認できていません。学校の公表資料には科目別の分数・配点が見当たりませんでした。そのため「1 問あたり何分で解くべきか」「どの科目に重みがあるか」はこのレポートでは書けません。市販の過去問集に記載があれば、そちらで補ってください。
- 午後の面接は扱えません。受験生本人のみの面接が行われますが、その内容はこの資料の範囲外です。過去問という形で練習できるのは、午前の筆記の部分だけです。
- 原本を設問文まで精読したのは 4 科目とも 2024・2025・2026 の 3 年です。それ以前は大問ごとの主要単元を数えた分類にもとづいて周期を書いており、題材の細部には踏み込んでいません。9 節の周期は、この分類のゆれの影響を受けます(同じ内容が別の単元名にまとめられて、周期が切れて見えることも、続いて見えることもあります)。
- 転写に読み落としがあります。図は文章による説明に置き換えられているため、図形問題・グラフ問題は図の説明文からの推定を含みます。理科の 2024・2026、社会の 2026 は読み取り確度が低めで、選択肢の細部については断定していません。国語 2024 は 3 題が転写上 1 つにまとまっています。
- 国語の出典は一部の年しか読み取れていません。精読した 3 年では 2024 の 1 題しか確認できず、2025・2026 の出典は空欄のままにしました。推測では埋めていません。6 節で「〜に寄っているように見えます」と書いた箇所は、題材からの推測で、裏づけ資料はありません。
- 併願候補の表は出題構造の距離を自動集計で計算したもので、学校側の関係や入試日程・通学のしやすさとは無関係です。国語の近さは、国語の資料がそろっている学校どうしでしか計算できていません。
- 難易度・偏差値・合格可能性・入試結果・学校の理念については、このレポートでは扱っていません。それらは別の資料で確認してください。
雙葉中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方
数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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