穎明館中学校 の過去問分析
穎明館中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
穎明館中学校 過去問分析(算数・理科・社会 2024〜2026 年度/国語 2014〜2017 年度・第 1 回相当)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都八王子市 |
| 男女 | 共学(2007 年に高校での生徒募集を停止して完全中高一貫校になりました。開校当初から中高とも共学です) |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日午前 — 一般入試(4 科)/4 科総合入試/グローバル入試(国語・算数・英語の 3 科)から選ぶ 第 2 回 2 月 1 日午後 — 一般入試(4 科)/4 科総合入試/グローバル入試(国語・算数の 2 科)から選ぶ(第 1 回グローバル入試〔3 科〕の不合格者に限り、第 3 回グローバル入試〔国語・算数の 2 科・英語は第 1 回の得点を使用〕を受けられます) 第 3 回 2 月 2 日午前 — 一般入試(4 科)/4 科総合入試/グローバル入試(3 科)から選ぶ 第 4 回 2 月 2 日午後 — 一般入試(4 科)/4 科総合入試 から選ぶ 第 5 回 2 月 4 日午前 — 4 科総合入試のみ(特待生を希望する人向けの回。2 月 1 日・2 日の合格者には要件があります) |
| 試験時間・配点 | 4 科総合入試は総合 I(国語 60 点・社会 40 点)=100 点、総合 II(算数 60 点・理科 40 点)=100 点の合計 200 点満点です。一般入試(4 科)とグローバル入試の試験時間・配点は手元の学校の公表資料に入っていないため、募集要項で確認してください |
| 受け方の選び方 | 1 つの回の中で複数の受け方から選ぶ作りになっています。どれを選ぶかで必要な科目が変わります |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートが分析したのは第 1 回相当の問題だけです。回ごと・受け方ごとの違いはこの資料からは分かりません(→ 4 節・13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校は「何番に何の種類の問題が来るか」がきわめて安定しています。同じ問題がそのまま出るのではなく、同じ種類の問題が毎年同じ番号の席に座っているという意味です。
- 算数は大問 5 題・小問 17 問という構成が 14 年分(2010〜2026)でほぼ不変で、社会は大問 2 題・小問 30 問前後が 15 年分(2010〜2026)で一度も崩れていません。理科は大問 1 が 3 年連続で生物です。
- そのぶん、算数の大問 3〜5 に入る単元そのものは毎年入れ替わるので、全分野をひととおり学び終える作業は省けません。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 の計算 4 問を毎日解きます。とくに (3) の工夫計算は 3 年とも同じ席にあります。
- 社会の「波線部がまちがっているものを 1 つ選ぶ」形式を、年度をまたいで縦に解きます。
- 理科の大問 1 に備えて、生物の写真と名前をカタカナで書けるようにします。
今週やる 1 つ
- 直近 3 年(2024・2025・2026)の算数の大問 1 と大問 2 だけを縦に解いて、計算 4 問+一行題 4 問(17 問中 8 問)を何分で抜けられるか計ります。
注意
- 国語は 2018 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2014・2015・2017 年度のものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
このレポートは過去問の転写(過去問の紙面を文字データに起こしたもの)をもとにしています。年ごとに読み込みの深さが違うので、以下では 精読した年(設問文まで読んだ年)・構成だけ数えた年(大問の並びの記録だけがある年)・資料のある年 の 3 つを区別して書きます。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年(設問文までは読んでいない年を含む) | 資料のある年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2024・2025・2026 の 3 年 | 14 年(2010〜2026) | 14 年(2010〜2026) | 大問 5・小問 17 が 14 年分ほぼ不変。3 年とも設問文まで読めています |
| 理科 | 2024・2025・2026 の 3 年 | 16 年(2010〜2026) | 16 年(2010〜2026) | 大問 4・小問 24〜31。図と作図が多く、図そのものは転写できません |
| 社会 | 2024・2025・2026 の 3 年 | 15 年(2010〜2026) | 15 年(2010〜2026) | 大問 2・小問 30 前後。設問文の総量が 4 科目でいちばん多いです |
| 国語 | 2014・2015・2017 の 3 年 | 5 年(2010〜2017) | 5 年(2010・2011・2014・2015・2017) | 2018 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。直近の形式は市販の過去問集で確認してください |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。今回読んだ範囲では、他校の問題の混入・年度のずれ・同じ設問文の重複は見つかりませんでした。
- 手元の資料は校 × 年 × 科目につき 1 冊ずつで、入試回の区別ができません。第 1 回相当として扱っています(回ごとの違いについては 13 節)。
- 「3 年連続」と書いた箇所は、精読した 3 年(算数・理科・社会は 2024・2025・2026、国語は 2014・2015・2017)の設問文を原本で読み直して確認したものです。「12 年連続」「15 年分」のように長い年数を書いた箇所は、構成だけ数えた年の記録に基づくもので、設問文まで読み直してはいません。区別できるように書き分けてあります。
- 判読の限界については 13 節にまとめてあります。
5. 一番大きな結論
穎明館は「何番に何の種類の問題が来るか」がきわめて安定した学校です。
同じ問題がそのまま出るという意味ではありません。同じ種類の問題が、毎年同じ番号の席に座っているという意味です。精読した 3 年と、長期の大問構成の記録を合わせると、次のことが言えます。
- 算数: 大問 5 題・小問 17 問という構成が 14 年分(2010〜2026)でほぼ不変です(小問 18 問は 2018 年度の 1 回だけ)。大問 1 が計算 4 問であることは 2015〜2026 の 12 年連続です。大問 2 が一行題(数行で終わる短い文章題)4 問、大問 3〜5 が各 3 小問の大問、そして式を書かせるのは大問 5 の (3) ただ 1 問、という並びが 3 年連続で同じです。
- 社会: 大問 2 題・小問 30 問前後という構成が 15 年分(2010〜2026)で一度も崩れていません。大問 1 が歴史、大問 2 が地理という役割分担も 3 年連続です。さらに大問 2 は 2025・2026 の 2 年連続で「◯◯さんが旅行で△△県を訪れた記録」という同じ枠組みで、両年とも「まず、山陽新幹線で〜駅まで」と書き出しまでそろっています。
- 理科: 大問 4 題という構成が 2014 年度以降ほぼ動きません。大問 1 は 3 年連続で生物で、その冒頭は必ず「次の生物の名前を解答欄の□にカタカナで 1 字ずつ入れて答えなさい」の 3 問です。この一文は言い回しをわずかに変えながら 2014・2016・2017・2021・2022・2023・2024・2025 と長く使われています。
- 国語: 大問 1 が小説・大問 2 が説明文・各大問の問一が語彙・漢字の書き取り 5 問がどこかに 1 か所、というところまでは精読した 3 年でそろっています。ただし大問数(2 か 3 か)と漢字の置き場所は動きます。4 科目の中では国語がいちばん緩いです。
したがって、この学校の過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではなく、決まった席に決まった種類の問題が来る前提で、席ごとの持ち時間と手順を体に入れることに近くなります。算数の大問 1 と 2(計算 4 問+一行題 4 問=17 問中 8 問)、理科の大問 1 の生物名 3 問、社会の正誤選択——ここは何年も同じ場所にあるので、時間をかける価値が確実に返ってきます。一方で、大問 3〜5 に入る単元そのものは毎年入れ替わります(算数なら速さ・規則性・場合の数・食塩水・仕事算・平面図形の 6 つほどのプールから 3 つ)ので、全分野をひととおり学び終える作業は省けません。
科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。大問 5・小問 17(14 年)、大問 1 は計算 4 問(12 年)、式を書くのは大問 5(3) の 1 問だけ(3 年) | 大問 3〜5 の単元は 6 つほどのプールから毎年 3 つ。速さ・規則性・場合の数が中心 | 大問 1 の工夫計算(3 年とも (3) が分配法則)と大問 2 の一行題 8 単元 |
| 理科 | 高い。大問 4・小問 24〜31。大問 1 は生物で固定(3 年) | 実験・観察の長い導入文を読んで「1 あたりの量」で計算する。作図が毎年 1〜4 問 | 力のつり合い(ばね・浮力・回転)と生物名をカタカナで書く練習 |
| 社会 | 非常に高い。大問 2・小問 30 前後(15 年)、歴史+地理の 2 本立て(3 年) | 長文一本に 15 問をぶら下げる。正誤選択が 6 割。地理は旅行記の枠組みが 2 年連続 | 「波線部がまちがっているものを選ぶ」形式と統計表の読み取り |
| 国語 | 中くらい。大問 2〜3・小問 20〜23。問一は語彙で固定(3 年) | 小説+説明文。記述は 10〜55 字の字数指定つきが 4〜7 問 | 漢字 5 問と語彙、そして 20〜50 字で削って書く練習 |
4 科目に共通するのは、答えを長く書かせないことです。算数の記述は 1 問、社会の記述は年 0〜2 問で 15〜20 字、国語の記述も最長 55 字。理科は説明が 1〜2 問です。かわりに読ませる量が多く(社会の設問文は A4 で 13 ページ相当、理科は 11 ページ相当)、「読んで、短く正確に答える」試験になっています。
6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
- 理科は「身近なもの」から始めます。スーパーで買ったみそ(2024)、動物のしま模様(2025)、燃料電池バス(2026)、マカダミアナッツとアーモンドとクルミ(2026)、ろうそくの燃え方(2025)。生活の中の物を持ち出して、そこから計算に持ち込むという入り方が 3 年とも共通しています。理科室の中だけで完結する問題が少ないのが特徴です。
- 社会は「旅」で地理を語ります。2025 は鳥取県、2026 は福岡県への旅行記で、新幹線から在来線に乗り換え、平野を見て、名物を食べ、砂丘やカルスト台地を歩く——その旅程に沿って設問が並びます。2024 は「海」、2025 は「パンと日本人」、2026 は「メディア」と、大問 1 のテーマにも生活の手触りがあります。
- 理科・社会とも、その年の話題を入口に使います。海面上昇を訴える水中演説(2024 理科)、水害(2024 理科)、水族館のラッコ(2026 社会)、災害で被災した鉄道の BRT 転換(2026 社会)。ただし話題そのものを問うのではなく、そこから科学や地理の問いに折り返します。
- 国語は「子どもどうしの関係」と「科学の読み物」の 2 本立てです。小説は合宿のいとこたち(2014)、クラスでばかにされる同級生(2015)、妹の歌(2017)。説明文は脳(2014)、未来の想像(2015)、ダシと日本の食(2017)。科学・食・文化を平易に語る新書が説明文の定位置になっているように見えます。
- 算数は作業をさせます。のりしろでつないだテープ(2026)、標高の上り下りで速さが変わる道(2024)、切り替えに 1 時間止まる機械(2026)。条件を一つ足してから数え直させる作りが、いちばん重い最後の問題に来ます。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定学年は受験学年(小 6)の過去問演習期です。小 5 以前の読み方は 11 節の学年別ロードマップに書きました。各項目の末尾の(確認: 〜20XX 年度)は、その施策の根拠が確認できている最後の年度です。根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。
- [毎日 10 分] 算数の大問 1 を 4 問。とくに (3) の工夫計算(314・3.14 系、西暦を仕込んだ数)は 3 年とも同じ席にあります。西暦系は 2025=45×45、2026=2×1013 を仕込んでおきます。12 年間動いていない座席(問題の置き場所)なので、ここは確実に取り切ります。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 算数の大問 2 の一行題を 8 単元で回します。割合と比・売買損益・平均算(平均から合計を戻す)・過不足算(余りと不足から人数を出す)・通過算(列車が通り抜ける時間)・仕事算(全体を 1 として仕事量を配る)・円とおうぎ形・立体の切断。1 単元 5 問の薄い反復を週 1 巡します。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数の大問 3〜5 の主題を年度をまたいで解きます。(確認: 〜2026 年度)
- 速さを「条件が途中で変わる」形で。上り下りで速さが違う(2024)、乗り物と徒歩の追いこし(2025)。ダイヤグラムを自分で描く手を持っておきます。
- 規則性を 3 年分。数表(2025)・のりしろ(2026)・循環小数(2024)。「n 番目」「合計」「逆に何番目か」の 3 点セットで練習します。
- 場合の数の数え上げ。和が 99・999 になる組(2024)、さいころ 3 回の大小関係(2026)。樹形図に頼らず、条件で場合分けして数えます。
- 大問 5 の (3) を式つきで書く練習。答えだけでなく、何を求めた式かを一言添えて人に読ませます。17 問中ここだけが式を書かせる席で、記述扱いなのは 1 問だけなので、書き方そのものを訓練しておく価値があります。
- [毎日 10 分] 理科の大問 1 対策として、生物の写真と名前をカタカナで書けるようにします。植物の花・実・種子、こん虫、身近な動物。大問 1 の冒頭 3 問は 3 年連続で同じ形なので、図鑑を眺める時間が直接効きます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科の計算と作図をまとめて練習します。(確認: 〜2026 年度)
- 「1 あたりの量」で計算する練習。100g あたりの食塩、1L あたりの熱量、1cm³ あたりの重さ。表の値を比例で伸ばす、逆に条件から量を逆算する(□にあてはまる数を求める)、の両方向で。
- 力のつり合いを一通り。ばね(直列・並列)、てこと重心、浮力(密度と体積)。3 年とも物理の大問はここから出ています。
- 作図の練習。グラフに直線を引く、矢印で流れを描く、つり合いの位置を描き込む、水面を描く。言葉で言えても描けないと点になりません。
- 長い導入文を読む訓練。実験手順を読んで条件を箇条書きに直します。理科というより読解の練習として時間を取ります。
- 地層と化石。2 年連続で出ているので、柱状図・傾き・断層・示準化石は固めておきます。
- [週末 60 分] 社会は次の 7 つを回します。(確認: 〜2026 年度)
- 「波線部がまちがっているものを 1 つ選ぶ」形式を年度横断で。3 年ともこの問い方が中心で、一文の中の一語だけが誤っている作りです。歴史・地理どちらでも出ます。
- 地図帳を旅程で読む。大問 2 は 2 年連続で旅行記なので、「新幹線 → 在来線 → 目的地」の順に、通る県・平野・山地・産業を地図で追う習慣が直接効きます。
- 統計表を 2 つ並べて読む。農産物の生産量上位県、林業産出額、交通の収支。「1 位はどこか」ではなく「なぜこの県が上位なのか」を一言で説明します。
- 文字種指定に慣れる。漢字 3 字・4 字、カタカナ 3 字で答える問題を過去問から抜き出して繰り返します。
- 通史を時代順に並べる訓練。「時代の古い順に記号を並べなさい」が 2025・2026 に登場しました。年号暗記ではなく出来事の前後関係で。
- 憲法の主要条文(第 21 条・第 25 条など)を空欄補充で言えるように。公民は独立した大問にならないぶん、狙われる条文が絞られています。
- 15〜20 字で言い切る練習。理由を短く一文で書きます。長い記述の練習は要りません。
- [毎日 10 分] 国語の漢字の書き取りを 5 問と語彙。精読した 3 年で漢字は必ず 5 問あり、置き場所が動くだけです。純真・伝授・看病・穀物・結束力・専門家のような、小学校で習う範囲の熟語が中心です。語彙は各大問の問一が 6 回すべてそうだったので、「がむしゃらに」「はっぱをかける」「至難のわざ」「ちぐはぐ」「あっけにとられる」のような日常語の意味を、選択肢から選べる状態にします。(確認: 〜2017 年度)
- [週末 60 分] 国語は 20〜50 字で削って書く練習を軸にします。字数を守って、本文の言葉を組み替えて書きます。あわせて、説明文は科学・食・文化の新書系を読み、5 択の長い選択肢を本文と食い違う一語で消していく練習、友人・きょうだい・いとこの間で気づきが起きる小説に慣れる時間を取ります。(確認: 〜2017 年度)
8. 科目別の詳細
形式面の注意は 10 節、しばらく出ていない単元は 9 節、家でやることは 7 節にまとめてあります。
8-1. 算数(大問 5・小問 17・14 年間ほぼ不変)
精読したのは 2024・2025・2026 年度の 3 年です。大問の数と役割はこの 3 年で完全に同じで、大問 5 題・小問 17 問という構成は 2010〜2026 の 14 年分の記録でも動いていません(小問が 18 問だったのは 2018 年度の 1 回だけ)。
年度×大問の題材表(2024〜2026)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 役割 | 「次の計算をしなさい」4 問 | 一行題の小問集合 4 問 | 主題を持った大問 A(3 問) | 主題を持った大問 B(3 問) | 主題を持った大問 C(3 問)・(3) は式を書く |
| 2024 | 整数の四則(7+7×7−7÷7)/小数の割り算/314・31.4・3.14 の工夫計算/帯分数とかっこ | 3/7 を小数にした小数第 100 位(規則性) 放水管 2 本のダム(仕事算) 正方形に内接する円の周の比 立方体の辺上の点と切断 |
速さ(標高差のある道を上り下り。上り・下り・平地で速さが違う) | 平面図形(四角形 ABCD の面積、面積が等しくなる条件、AE:EB の比) | 場合の数(1〜9 から 2 つ選んで作る整数の和が 99・999、差が 99) |
| 2025 | 整数の四則(28−15÷5×(7−4))/分数と小数の混合/1.25×0.25×1234×0.8×0.04 の工夫計算/かっこの入れ子(1+1÷{1+1÷(1+1)+1}+1) | 1.1 倍した数についての正誤選択(割合) 消費税 11% と税抜き価格(売買損益) テストの平均点(平均算) 90 度回転させた三角形が通る部分(円とおうぎ形) |
速さ(晴れの日は徒歩 15 分、雨の日はバス。追いこされる時刻) | 食塩水(9% 420g の容器 A と 12% の容器 B、水を加える・移し替える) | 規則性(整数を A〜F の 6 列に並べた数表。2025 は何段目、6 つの和が 777) |
| 2026 | 整数の四則/帯分数の割り算/20.26・202.6・2.026 の工夫計算/小数と分数の混合 | 180 円の 25%=□円の 3 割(割合) クッキーの配り方(過不足算) 鉄橋とトンネル(通過算) かげのついた部分の面積(平面図形) |
規則性(同じ長方形の色紙をのりしろでつないだテープ) | 場合の数(さいころ 3 回で 3 けたの整数、4 の倍数、大小関係) | 仕事算(機械 7 台で製品 A、切り替えに 1 時間の停止が要る) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
この学校でいちばん強い性質がこれです。同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が毎年同じ番号に座っています。
- 大問 1 は「次の計算をしなさい」の 4 問です。導入文はこの 3 年で一字も変わりません。しかも中身の並びまで同じで、(1) が整数中心の四則、(2) が分数・小数の混じった四則、(3) が分配法則でまとめる工夫計算、(4) がかっこの入れ子または小数と分数の混合、の順が 3 年連続です。大問 1 が計算であること自体は 2015〜2026 の 12 年連続で確認できます。
- 大問 2 は一行題 4 問が 3 年連続です。文章題 2〜3 問+図形 1〜2 問という配分で、割合と比は 2025・2026、平面図形は 2025・2026、立体・円の図形問題は 3 年とも 1 問入ります。
- 大問 3・4・5 は各 3 小問の大問が 3 年連続です。速さは 2024・2025、規則性は 2025・2026、場合の数は 2024・2026 と、5 つほどの単元プール(速さ/規則性・数列/場合の数/食塩水・割合/仕事算/平面図形)から毎年 3 つが選ばれ、位置だけ入れ替わります。
- 大問 5 の (3) だけが「途中の式や計算、図、考え方などを解答用紙の定められた場所に書きなさい」です。2024 と 2026 は大問 5 の冒頭にこの但し書きが印字されており、2025 も (3) だけが式を書かせる形でした。17 問のうち式を書くのは最後の 1 問だけという設計が 3 年連続で変わりません。
つまり過去問の使い方は「同じ問題を覚える」ではなく、「1 番の計算 4 問・2 番の一行題 4 問を何分で抜けるか」を体に入れることに近くなります。
頻出単元と周期
精読した 3 年(2024〜2026)の大問 3〜5 に入った単元は次のとおりです。
| 単元 | 2024 | 2025 | 2026 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 速さ | 大問 3 | 大問 3 | — | 2024 は標高(上り・下りで速さが変わる)、2025 は徒歩とバスの追いこし |
| 規則性・数列 | 大問 2(1) | 大問 5 | 大問 3 | 数表・循環小数・のりしろ。3 年とも何らかの形で登場 |
| 場合の数 | 大問 5 | — | 大問 4 | 数の作り方を数え上げる形 |
| 仕事算 | 大問 2(2) | — | 大問 5 | 2024 は放水管 2 本、2026 は機械の台数と停止時間 |
| 割合・食塩水・売買損益 | — | 大問 2・大問 4 | 大問 2 | 2025 は食塩水が大問 1 題ぶん |
| 平面図形の面積・面積比 | 大問 4 | 大問 2(4) | 大問 2(4) | 面積比を辺の比に翻訳する問題 |
| 立体図形 | 大問 2(4) | — | — | 3 年では一行題に 1 回だけ |
14 年分の大問構成の記録を並べると、大問 1 の計算のうしろに来る単元は「四則計算・速さ・平面図形・場合の数・規則性・割合・数の性質」の 7 グループがほぼ全部で、この 7 つを外れる年はほとんどありません。
問い方の特徴
- 大問 1 (3) の工夫計算は 3 年とも「同じ数字の並びを桁だけずらして 3 回使う」形です。2024 は 314×0.73−31.4×3.2+3.14×59(円周率の数字)、2026 は 20.26×12+202.6×2.8+2.026×600(その年の西暦)。数をそろえて分配法則でくくるという一つの技を、毎年同じ場所で測っています。
- 大問 2 は「次の □ にあてはまる数を求めなさい」(2026)「次の □ にあてはまる数、または記号を答えなさい」(2025)。答えだけを書く一行題で、図のある問題が必ず混じります。
- 大問 3〜5 は (1) が易しく (3) が重い 2 段構えです。(1)(2) を確実に取ると、3 大問で 6 問が計算できます。
- 2026 の大問 5 のように「1 時間止めなければならない」といった条件を追加してから数え直させる作りが、いちばん重い最後の 1 問に来ることが多いです。
8-2. 理科(大問 4・小問 24〜31)
精読したのは 2024・2025・2026 年度の 3 年です。大問 4 題という構成は 2014 年度以降ほぼ動いておらず、小問数は 22〜34 の幅で年により変わります。
年度×大問の題材表(2024〜2026)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 分野 | 生物(固定) | 化学・地学 | 物理・化学 | 化学・物理・地学 |
| 2024(31 問) | 写真から生物名 3 つ/日本の南北の森林と気候(知床から南西諸島まで)/実験器具の名称(8 問) | 海面上昇を訴える水中演説の写真/二酸化炭素/海面水位のグラフから 15cm 上昇する年を計算/水害と流水のはたらき(7 問) | ばねののびと重さ。グラフに直線を描き込む、2 本のばねをつないだときののび(8 問) | みその食塩量。ろ過のやり方、燃やして分かること、食塩の結晶を描く(8 問) |
| 2025(25 問) | 写真から生物名 3 つ/動物の「しま模様」は縦じまか横じまか(体軸を基準に考える)(6 問) | 3 地点の地層の観察。砂岩の割合、化石、地層の傾きと丘の見え方(5 問) | ろうそくの燃え方。ビンの中の気体のモデル図、線香のけむりの流れを矢印で描く(7 問) | 円形の枠に取り付けたおもりの回転。つり合う位置におもりを描き込む(7 問) |
| 2026(24 問) | 写真から生物名 3 つ(マカダミアナッツ・アーモンド・クルミ)/ナッツの栄養素/無胚乳種子(3 問) | 燃料電池と都市ガス。気体の発生・水上置換・1L あたりの熱量から混合気体を逆算(8 問) | 浮力。氷の密度、氷が溶けたときの水面、熱気球の球皮内の空気(8 問) | 遺跡の発掘調査の会話文。レキと火山灰、断層の動いた向き(5 問) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は 3 年連続で生物で、その冒頭は必ず「次の生物の名前を解答欄の□にカタカナで 1 字ずつ入れて答えなさい」の 3 問です。 写真を見て名前を答える形で、解答欄がマスに切られています。この一文は言い回しをわずかに変えながら 2014・2016・2017・2021・2022・2023・2024・2025 と長く使われており、この学校の理科でいちばん確実に予告されている座席です。
- 大問 2〜4 は化学・物理・地学が入れ替わりますが、3 年とも「実験・観察の場面を長い導入文で読ませ、そこから計算させる」構造で共通しています。単発の知識問題として独立している大問はありません。
- 作図が毎年あります。2024 はグラフの直線と食塩の結晶(2 問)、2025 は線香のけむりの矢印とおもりのつり合い位置(4 問)、2026 は氷が溶けた後の水面(1 問)。解答欄に絵や矢印を描かせる問題が 3 年連続で複数というのは珍しいことです。
- 文章で説明させる問題は毎年 1〜2 問だけです(2024 は演説の内容と食塩の性質、2026 は火山灰の粒の形)。長い記述ではなく、一文で言い切る形です。
頻出単元と周期
精読した 3 年と、2010〜2026 の大問構成の記録から言えることを分けて書きます。
- 生物は大問 1 の指定席です。植物のつくり・花と受粉・こん虫と動物の分類が中心で、2024〜2026 の 3 年とも「身近な生き物の写真 → 名前 → その生き物にまつわる知識」という展開でした。
- 地学は地層・岩石・化石が 2025・2026 の 2 年連続です。それ以前は月・星・気象が回ってきており、2026 年の地層は 2 年続いた形になります。
- 物理は 3 年でばね(2024)・力のつり合いと回転(2025)・浮力(2026)。てこ・ばね・浮力・ふりこという「力のつり合い」系がこの学校の物理の柱で、電気回路は精読した 3 年に出ていません。
- 化学は気体の発生・燃焼・水溶液・熱量が 3 年とも登場します。とくに「1 単位あたりの量」を使った計算(100g あたりの食塩 8.3g、1L あたりの熱量、1cm³ あたりの重さ)が 3 年とも中心にあります。
- 身近な話題を入口にするのがこの学校の理科の顔です。海面上昇の水中演説(2024)、スーパーで買ったみそ(2024)、動物のしま模様(2025)、燃料電池バス(2026)、ナッツ(2026)、遺跡の発掘(2026)。
問い方の特徴
- 導入文がとにかく長いです。実験の手順や会話が数百字あり、そこに条件が埋め込まれています。読み飛ばすと後半の計算が全部崩れる作りが 3 年とも共通です。
- 選択肢の指示が細かいです。「すべて選び」「誤っているものを 1 つ選び」「最も適当なものを」が毎年複数あり、答えの個数が示されないものが混じります。
- 計算は割合と比例です。「5 年後は何 mm か」「15cm 上昇するのは西暦何年か」(2024)、「砂岩の割合は何 % か」(2025)、「水素とプロパンを何 L ずつ混ぜるか」(2026)のように、表やグラフの数値を比例で伸ばす形です。桁の指定(小数第一位まで・四捨五入)が付きます。
- 会話文の大問が 2026 の大問 4 にあり、調査員と生徒のやりとりから条件を拾います。
8-3. 社会(大問 2・小問 30〜31)
精読したのは 2024・2025・2026 年度の 3 年です。大問 2 題・小問 30 問前後という構成は 2010〜2026 の 15 年分の記録で一度も崩れていません(小問は 23〜35 の幅、直近 5 年は 30・30・30・30・31)。
年度×大問の題材表(2024〜2026)
| 年度 | 大問 1(15〜16 問・歴史中心の長文一本) | 大問 2(15 問・地理中心の長文一本) |
|---|---|---|
| 2024(30 問) | 火山(浅間山・桜島・阿蘇山・箱根山)の説明文。種子島、縄文、9 世紀の仏教、飛脚、戦国大名、天明の大飢饉、島原、道後温泉と『坊っちゃん』 | 海の文章。国連海洋法条約と憲法 25 条、インド洋と資源の輸入相手国、栽培漁業、食料自給率、東北地方の地図、ピクトグラム、海岸線の長さ、雨温図、県の形、新旧地形図の比較 |
| 2025(30 問) | 「パンと日本人」の先生と生徒の会話。大森貝塚、ローマの世界遺産、中世の自治都市、キリスト教、長崎、織田信長、『安愚楽鍋』の牛鍋、大日本帝国憲法 | 鳥取県への旅行記。山陽新幹線とセメント工場、姫路城と世界遺産、地形図と写真の対応、農産物の統計、林業産出額と栽培きのこ、鳥取砂丘の成り立ち、空港の愛称 |
| 2026(31 問) | 「メディア」の先生と生徒の会話。カタカナの成り立ち、遣隋使とフビライの国書、浮世絵、近代小説、憲法 21 条、ドイツの位置、2011 年の号外 | 福岡県への旅行記。筑紫平野、政令指定都市、山陽新幹線の開業、カルスト台地、日田の天領、令制国の名前、雨温図、日田彦山線 BRT の収支 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 が歴史、大問 2 が地理という 2 題構成が 3 年連続です。しかも大問 1 は 15〜16 問、大問 2 は 15 問と、問題数の配分まで同じです。大問 2 題・小問 30 問前後という骨格は 15 年分の記録で不変です。
- 大問 2 は 2025・2026 の 2 年連続で「◯◯さんが旅行で△△県を訪れたときの記録」という同じ枠組みです。 しかも書き出しが両年とも「まず、山陽新幹線で〜駅まで行き(向かい)、〜駅から…」で始まります(2025 は姫路駅から鳥取へ、2026 は小倉駅から日田へ)。両年の問題文を原本で読み比べて確認した、はっきりした作りの使い回しです。旅程に沿って地形・産業・統計・地形図・雨温図・交通が並びます。
- 大問 1 は 2025・2026 の 2 年連続で「先生と生徒の会話」です。テーマ(パン/メディア)を軸に、縄文から現代まで時代順にたどります。2024 は会話ではなく説明文でしたが、通史をたどる作りは同じです。
- 「〜についてのべた次の文ア〜エから、波線部がまちがっているものを 1 つ選び、記号で答えなさい」が 3 年とも複数問あります。とくに縄文時代を題材にしたこの問い方は 2019・2022・2026 で確認できます。問い方そのものが毎年同じなので、練習の効率が良いところです。
- 憲法の条文を空欄で埋めさせる問題が 2024(第 25 条・漢字 4 字)と 2026(第 21 条 1 項)に登場しました。
頻出単元と周期
- 地理: 都道府県・地域の同定(3 年とも)、雨温図の読み取り(2024・2026)、農業の統計表(3 年とも)、地形図の読図(2024 の新旧比較・2025 の写真との対応)、日本の地形(平野・山脈・カルスト)。15 年分の記録でも地理の大問は毎年あり、産業・地図地形気候・環境が三本柱です。
- 歴史: 江戸時代(2024 は 4 問)、近代の戦争と大正昭和前期、原始・古代、鎌倉室町、幕末明治。15 年分の記録では大問 1 の主題が江戸時代の年が 4 回(2018・2019・2020・2024)と最多です。
- 公民: 単独の大問にはならず、歴史・地理の文章の中に憲法・国会・選挙・国際機関として 1〜3 問ずつ埋め込まれます。3 年とも同じ扱いでした。
- 前年の出来事は文章の入口として使われます(2025 の物価と食生活、2026 のラッコの死や BRT)。ただし時事だけを問う大問はありません。
問い方の特徴
- 文字種と字数の指定が非常に細かいです。「カタカナ 3 字で」「漢字 4 字で」「漢字 3 字で」「カタカナで」が 3 年とも複数あり、守らないと点になりません。
- 正誤の選択が主軸です。精読した 3 年の解答形式は記号選択が 57〜61%、短答(語句や数値を短く答える形式)が 32〜43%。しかも選択肢は「波線部がまちがっているもの」「正しいもの」「時代の古い順に並べる」の 3 種類が中心で、1 行の文の中の一語だけが誤っている作りが多いです。
- 統計表・グラフから読み取る問題が毎年複数あります。りんごとすももの生産量(2024)、林業産出額と栽培きのこ(2025)、鉄道と BRT の収支(2026)のように、表を 2 つ以上つき合わせて考えさせます。
- 写真・図版が多いです。浮世絵を選ぶ、世界遺産の建築物を選ぶ、ピクトグラムを読む、衛星写真から地形を判断する。図がある小問は全体の 4 割弱です。
- 短い記述は 2026 に 2 問あります(「片仮名のもとになったものをあげ、15 字以内で」「山の頂上が平らになっている理由を 20 字以内で」)。2024・2025 では文章で説明させる問題は無く、代わりに「飛脚とは何をする人ですか」のように一言で答えさせる形でした。
8-4. 国語(大問 2〜3・小問 20〜23。2014・2015・2017 年度で確認)
国語は 2018 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。資料があるのは 2010・2011・2014・2015・2017 の 5 年で、精読したのは 2014・2015・2017 の 3 年です。ここに書いたのはその 3 年に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(2014・2015・2017)
| 年度 | 大問 1(物語文・9〜10 問) | 大問 2(説明文・9〜10 問) | 大問 3(漢字 5 問) |
|---|---|---|---|
| 2014(23 問) | いとこ 5 人の夏の合宿(森絵都『子供は眠る』) | 「使えば使うほどよくなる」用不用の法則と脳(千葉則『ヒトはなぜ夢を見るのか』) | 「次の傍線部のカタカナにあたる漢字を書きなさい」(純真・伝授・敗れた・看病・穀物) |
| 2015(20 問) | クラスでばかにされる同級生と「勝負」を挑む少年(伊坂幸太郎『逆ソクラテス』) | 想像された未来と物語の力(神坂一『未来力養成講座』)。問十に漢字 5 問 | (大問 2 に吸収) |
| 2017(20 問) | 妹が寝る前に歌う歌の意味(豊島ミホ『だって星はめぐるから』)。問十に漢字 5 問 | ダシのおいしさと日本の食(伏木亨『おいしさを科学する』) | (大問 1 に吸収) |
資料のある 5 年ぶんの出典を並べると、大問 1 が小説、大問 2 が科学・文化の説明文という組み合わせは 2010(柳月美智子/赤瀬川原平)・2011(ねじめ正一/佐倉統・古田ゆかり)でも同じでした。小説は「子どもどうしの関係の中で気づきが起きる話」、説明文は「身近な現象を科学で説明する本」に寄っています。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 各大問の問一は必ず語彙です。 「波線部 a〜c の意味として最も適当なものを選べ」(2014・2015・2017 の大問 1)、「対義語を漢字二字で」(2015 大問 2)、「反対の意味で使われている言葉を本文から抜き出せ」(2017 大問 2)。精読した 3 年 × 2 大問の 6 回すべてが語彙で始まります。
- 問二は擬態語・副詞の空欄補充が 2015・2017 の大問 1 で 2 年連続です(「すらすら/みすみす/わざわざ」「ぐっすり/はっきり/のんびり」)。
- 各大問の最後は本文全体を問う設問です。「本文の内容にあてはまるものを一つ選べ」(2014)、「本文の説明として適当なものを二つ選べ」(2015)、「この作品の特徴を説明したものには A、不適当なものには B と答えよ」(2017)。
- 漢字の書き取り 5 問は 3 年とも必ずあります。2014 は独立した大問 3、2015 は大問 2 の問十、2017 は大問 1 の問十と、置き場所だけが動きます。
- したがって国語の座席(問題の置き場所)は「大問 1 が小説・大問 2 が説明文・問一は語彙・漢字 5 問はどこかに 1 か所」というところまでは 3 年連続でそろっています。算数や社会ほど厳密ではなく、大問数(2 か 3 か)と漢字の置き場所は動きます。
問い方の特徴
- 記述は字数指定つきが中心です。十字以内・二十字以内・三十字以内・三十五字以内・四十字以内・五十字以内・五十五字以内と、10〜55 字の幅で細かく指定されます。長文の作文はありません。
- 「本文中の言葉を使って」の条件が付く記述が多いです(2014 大問 2 問七、2015 大問 2 問六・問八、2017 大問 2 問三)。自分の言葉で言い換えるより、本文の語を組み替える力が問われています。
- 「『日本の食事は、欧米の食事と比べると……』に続くかたちで三点あげなさい」(2017)のように、書き出しを与えて続きを書かせる形や、三点にまとめさせる形があります。
- 記号選択は 5 択が中心で、選択肢が 3 行前後と長いです。「ふさわしくないものを選べ」の除外の問い方も混じります。
- 抜き出しは字数指定つきです(「十字以内で三つすべて」「十一字で」)。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
長期の大問構成の記録をたどると、次の単元は近年 3 年の大問に入っていませんが、それ以前は繰り返し使われていました。最終確認年度は、その単元が大問として使われたことを記録で確認できる最後の年です。
| 科目 | 単元 | 大問で使われた年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 立体図形の切断・水量 | 2014・2017・2021 | 2021 | 3〜4 年おきに大問で来ていたが 2022 年度以降は大問に無い。2024 は一行題で立方体の切断が出た |
| 算数 | 数の性質(約数・倍数) | 2014・2017・2022 | 2022 | 5 年周期で来ていて、2022 を最後に 4 年空いている |
| 算数 | つるかめ算(個数を合計から逆算)・和差算 | 2019・2021 | 2021 | 一行題の枠に戻ってくる可能性がある |
| 算数 | 図形の移動・角度 | 2020・2022 | 2022 | 大問としては 2020 が最後。2025 の一行題に回転が出た |
| 算数 | 平均算 | 2010・2025 | 2025 | 一行題の常連 |
| 理科 | 電気回路・電磁石 | 2019・2020 | 2020 | 6 年出ていない。力のつり合いに偏っているぶん、戻ると差がつく |
| 理科 | 月・星・太陽 | 2015・2018・2021 | 2021 | 3 年おきに来ていたが、2022 年度以降は地層・気象に置き換わっている |
| 理科 | 光 | 2022 | 2022 | 4 年空いている |
| 理科 | 実験器具の操作 | 2021・2024 | 2024 | 大問の一部として断続的に。器具名を答える問題は 2024・2026 に登場 |
| 理科 | 動物の誕生・人体 | 2017 | 2017 | 長く出ていない |
| 社会 | 環境政策・環境問題を正面から | 2015・2018 | 2018 | 大問の主題としては長く出ていない。2026 は記述 1 問で顔を出した |
| 社会 | 平安時代・古代を主題にした通史 | 2015・2022・2023 | 2023 | 3 年空いている |
| 社会 | 対外関係史(外交の通史) | 2017 | 2017 | 2025・2026 は長文の一部として登場している |
| 社会 | 気候・雨温図を主題にした大問 | 2021 | 2021 | 大問の柱としては 5 年空いている(小問としては毎年ある) |
| 社会 | 工業・産業構造 | 2010 | 2010 | 大問の柱としては長く無い。2025 のセメント工場のように小問で出る |
| 国語 | 独立した漢字の大問 | 2014 | 2014 | 資料のある範囲では 2014 が最後。2015・2017 は他の大問に組み込まれた |
10. 形式面の注意
算数(形式面)
- 17 問中、式を書かせるのは大問 5 の (3) の 1 問だけです(3 年連続)。ほかは答えのみで、精読した 3 年の解答形式は短答(語句や数値を短く答える形式)が 16 問・式を書かせるのが 1 問でした。2025 に記号選択が 1 問あった以外、選択肢問題はほとんどありません。長い文章を書かせる問題はありません。
- 図のある小問は全体の 3 割強です。大問 2 の図形問題と、平面・立体を主題にした大問は図なしでは解けません。
- 「もっとも簡単な整数の比で答えなさい」の指示が付きます(2024 大問 4(3))。単位(cm²・m・分・通り)は設問文で指定されます。円周率の指定は設問ごとに示されます。
理科(形式面)
- 作図が毎年 1〜4 問あります(グラフの直線・けむりの矢印・結晶の形・水面・おもりの位置)。「描き込む」形なので、定規で丁寧に描く練習をしておきます。
- 生物名は解答欄がマスに切られていてカタカナ 1 字ずつです。字数が合わないと気づける作りなので、逆に言えばマスの数がヒントになります。
- 説明は 1〜2 問で一文です。選択は「すべて選び」「誤っているものを 1 つ」が混じります。
- 精読した 3 年の解答形式は、短答 4〜5 割・記号選択 3〜5 割・作図 1〜4 問・説明 1〜2 問。年により比率が動きます(2025 は選択が 52%、2024 は短答が 52%)。
社会(形式面)
- 文字種の指定が非常に細かいです(カタカナ 3 字・漢字 4 字・漢字 3 字)。守れないと点になりません。
- 記述は年 0〜2 問で 15〜20 字以内と短いです。長く書く練習より、一文で言い切る練習が要ります。
- 記号選択が 57〜61% を占め、「波線部がまちがっているもの」「時代の古い順に並べる」が中心です。
- 地図・写真・グラフ・統計表がページの多くを占めます。設問文の総量は 4 科目でいちばん多く、A4 で 13 ページ相当です。読む速度がそのまま得点になります。
国語(形式面)
- 記述は 10〜55 字の字数指定つきで 4〜7 問です。「本文中の言葉を使って」の条件が多く、書き出しを与えて続きを書かせる形、三点にまとめさせる形があります。
- 精読した 3 年の解答形式は、記号選択 35〜60%・短答 20〜35%・記述 20〜30%。記述は 1 冊あたり 4〜7 問です。
- 古文・漢文・文法(品詞・活用・敬語)は精読した 3 年でゼロでした。
入試方式
- 一般入試(4 科)のほかに 4 科総合入試(総合 I=国語 60 点・社会 40 点、総合 II=算数 60 点・理科 40 点、合計 200 点満点)とグローバル入試があり、回によって選べる方式が違います。第 5 回は 4 科総合入試のみです。
- 4 科総合入試では、国語と社会は総合 I の一部(国語 60 点・社会 40 点で 100 点)、算数と理科は総合 II の一部(算数 60 点・理科 40 点で 100 点)として出題されます。グローバル入試でも国語は課されます。
- 手元の資料からは方式ごとの問題の違いは分からないので、配点と方式は募集要項で確認してください。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ・図形の入口・読解・漢字語彙の 4 本。この学校で最後まで効くのは ①整数と小数・分数の四則を速く正確に(算数の大問 1 は 12 年間同じ席)②地図帳を旅行の話として眺める習慣(社会の大問 2 は旅行記の枠組み)③身近な生き物の名前を写真で覚える(理科の大問 1)。時間を計るのはまだしません |
| 小 5(幅) | 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にして、全分野を一巡します。平日 15 分は算数の単元プールを順に——速さ → 規則性と数列 → 場合の数 → 割合と食塩水 → 仕事算(全体を 1 として仕事量を配る・受験用教材の単元) → 平面図形の 6 つを、この順で一巡します(この 6 つが大問 3〜5 に入ります)。週末 60 分は社会と理科に回し、社会は歴史の通史を時代順に一周してから地理の都道府県と産業の統計に慣れ、理科は力のつり合い(ばね・てこ・浮力)と地層をやります。国語は 20〜50 字で本文の言葉を使って書く練習を平日の 15 分に混ぜて始めます(ただし国語は 2018 年度以降は資料が無いので、直近の形式は市販の過去問集で確認してください → 13 節) |
| 小 6(仕上げ) | 上の 7 節の 8 項目。過去問は「同じ席を縦に」解くのが効く学校です。算数なら大問 1 だけを 5 年分、大問 2 だけを 5 年分、というように席ごとに縦に解きます。年度通しで 4 科目を時間を計って解くのは、席ごとの手順が固まってからにします |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか——差がつくのは小 5 での全分野の一巡よりむしろ「決まった席を落とさない体」を早く作れるかです。算数の計算 4 問と一行題 4 問(17 問中 8 問)、理科の生物名 3 問、国語の漢字 5 問と語彙。これらは学年に関係なく積み上げられ、しかも 10 年以上同じ場所にあります。小 4 から毎日の計算と漢字を切らさずに続けた子は、小 6 の秋に「残りの 9 問にどれだけ時間を回せるか」で明確に有利になります。逆に、大問 3〜5 の単元は毎年入れ替わるので、小 5 での単元の一巡はどうしても必要です。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、の観点だけ)
観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか」だけです。男女別学・共学の区別、入試日程の重なり、難易度・偏差値帯、通学圏は扱いません(男女・日程の注記は自動集計の表をそのまま写したものです)。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100)で、同じ問題が出るという意味ではありません。穎明館の国語は 2017 年度以前の資料で計算されているため、国語の近さは参考程度に見てください。
- 文教大学付属中学校(東京都・共学)は近さ 83。社会 91・理科 89・国語 82 が高く、算数 72 はやや離れます。長文一本に問題をぶら下げて正誤選択で読み取りを問う作りが共通なので、社会の演習が二重に効きます(2027 年度は 2 月 1 日・2 日・4 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります)。
- 品川女子学院中等部(東京都・女子校)は近さ 82。算数 89・社会 88 が高く、理科 75 は離れます。算数の一行題と社会の資料読み取りが転用しやすい組み合わせです(2027 年度は 2 月 1 日・2 日・4 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります)。
- 東京成徳大学中学校(東京都・共学)は近さ 80。算数 82・社会 81・理科 79・国語 79 とまんべんなく近いので、4 科目どれでも流用できます(2027 年度は 2 月 1 日・2 日・4 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります)。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
この学校は 1 つの回の中で一般入試(4 科)・4 科総合入試・グローバル入試から選ぶ作りなので、どの受け方をするかで必要な科目が変わります。併願先の科目構成と見比べて準備を立てる必要があります。
いっぽうで、理科の作図の多さ(毎年 1〜4 問)と、算数の「大問 5 の (3) だけ式を書かせる」設計は穎明館に固有で、他校の過去問では代わりになりません。ここは穎明館の過去問そのものを縦に解くしかありません。国語は穎明館側の資料が 2017 年度までなので、近さの数字だけを根拠に演習計画を立てないほうがよいところです。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。手元の資料は校 × 年 × 科目につき 1 冊ずつで、第 1 回相当として扱っています。この学校は 2 月 1 日午前から 2 月 4 日午前まで 5 回の入試があり、回によって選べる方式(一般入試 4 科/4 科総合入試/グローバル入試)が違います。方式ごとの問題の違い、回ごとの難易の差はこの資料からは分かりません。
- 国語は 2018 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。資料があるのは 2010・2011・2014・2015・2017 の 5 年だけで、8-4 節に書いたのは 2014・2015・2017 に限った話です。この 9 年の間に国語の形式が変わっている可能性は否定できませんので、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
- 原本で設問文まで精読したのは各科目 3 年ぶんです。「3 年連続」はこの 3 年で確認したもの、「12 年連続」「15 年分」は各年の大問構成の記録に基づくもので、設問文まで読み直してはいません。長い年数の主張は、大問の並びと単元の水準までの確認だと考えてください。
- 図そのものは転写できません。図形問題・作図問題・地形図の読図・雨温図は、設問文と図の説明文からの推定を含みます。とくに理科の作図問題は「何を描かせるか」は分かりますが「解答欄にどこまで下絵があるか」までは完全には分かりません。
- 転写の読み落としの可能性があります。理科 2025 年度、社会 2024・2025・2026 年度の資料は読み取り精度がやや低い区分に入っていました(設問文の内容自体は読めましたが、細かい数値や記号に誤りがある可能性があります)。算数 2026 年度の大問 2 (4) は 1 問だけ内容の判定を保留しました。
- 難易度・偏差値・合格可能性・お子さんとの相性・学校の理念や教育方針・入試結果には触れていません。それらは別のページの領分です。
資料の中で食い違っている数
- 算数の単元プールの数え方が 2 通りあります。5 節では速さ・規則性・場合の数・食塩水・仕事算・平面図形の「6 つほど」、8-1 節では「5 つほど」と書いてありますが、8-1 節に並べた単元名も 6 つです。どちらの節も同じ 6 単元を指していますので、数のほうは目安として読んでください。
- 理科の小問数の幅も 2 通りあります。4 節の表と 8-2 節の見出しは精読した 3 年の「24〜31」、8-2 節の本文は構成だけ数えた年を含めた「22〜34」で、対象にしている年の範囲が違います。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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索引: 出題スタイル別 / 単元別 / 問い方別 / 同じ場所に同じ種類の問題 / 入試結果の公表状況 / 国語の出典 / 校風キーワード / 旧称 / 入試日程 ・ 共通: 過去問の使い方 / 用語集 / 資料の限界 / 方法論 / トップ