土浦日本大学中等教育学校 の過去問分析
土浦日本大学中等教育学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
土浦日本大学中等教育学校 過去問分析(2010〜2026 年度・四科でおこなう回・算数/理科/社会 各 10 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
土浦日本大学中等教育学校は、茨城県土浦市にある中等教育学校(6 年一貫)です。2003 年に土浦日本大学中学校として開校し、2007 年に現在の名称になりました(以下の資料はすべて改称後のものです)。日本大学第一・第二・豊山女子・千葉日本大学第一・日本大学藤沢などとは別の学校なので、過去問集を買うときは校名を最後まで確かめてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 茨城県土浦市小松ヶ丘町 |
| 男女 | 共学 |
| 旧称 | 土浦日本大学中学校(2003〜2007 年) |
| 入試回 | 全 9 回(下表) |
入試回と日程・内容・配点(2027 年度募集要項による)
| 回 | 日程 | 内容 | 試験時間 | 配点 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| ICAP入試 | 2026 年 10 月 3 日午前 | パフォーマンス+面接(グループ) | パフォーマンス 60 分・面接 30 分 | 配点不明 | 集合 9:30。募集人員 40 名は ACE 入試と合算。配点は非公表 |
| ACE入試 | 2026 年 10 月 3 日午前 | 英語筆記+英語面接 | 英語筆記 30 分・英語面接 30 分 | 英語筆記面接合計 100 点 | ICAP 入試と同日程枠(集合 9:30)。募集人員 40 名は ICAP 入試と合算。各 30 分・合計 100 点満点(内訳の分割は募集要項に記載なし) |
| 謎解き入試 | 2026 年 10 月 11 日午前 | 謎解き+面接(グループ、単願のみ) | 謎解き 60 分・面接 30 分 | 謎解き個人・チームパート合計 100 点 | 謎解き個人パート・チームパート(単願・併願共通)あわせて 100 点満点。募集人員 20 名は単願・併願方式あわせて |
| CSAT入試 | 2026 年 11 月 22 日午後 | CSATⅠ型・Ⅱ型(千葉県立中学校・中等教育学校の適性検査型) | CSATⅠ45 分・CSATⅡ45 分 | CSATⅠ100 点・CSATⅡ100 点 | 集合 12:50。CSATⅠ13:00〜13:45、CSATⅡ14:05〜14:50 |
| ISAT入試 | 2026 年 11 月 28 日午前 | ISATⅠ型・Ⅱ型(茨城県立中学校・中等教育学校の適性検査型)+模擬面接(希望者のみ) | ISATⅠ45 分・ISATⅡ45 分・模擬面接 20 分 | ISATⅠ100 点・ISATⅡ100 点 | ISATⅠ9:40〜10:25、ISATⅡ10:45〜11:30、模擬面接 12:00〜(グループ・希望者のみ・20 分) |
| ICL入試 | 2026 年 12 月 5 日午前 | 総合型+面接(グループ) | 総合問題 60 分・面接 15 分 | 総合問題 100 点 | 総合問題 9:40〜10:40(60 分・100 点満点)、面接 10:55〜(グループ・15 分程度・配点なし) |
| 第 1 回KBT入試 | 2027 年 1 月 6 日午前 | 四科(国語・算数・社会理科)または二科(国語・算数)選択 | 国語 45 分・算数 45 分・社会理科 50 分 | 国語 100 点・算数 100 点・社会 50 点・理科 50 点 | 集合 9:30。国語 9:40〜10:25、算数 10:40〜11:25、社会理科(四科方式のみ)11:40〜12:30(あわせて 50 分・各 50 点)。KBT=Knowledge Building Test |
| 第 2 回KBT入試 | 2027 年 1 月 28 日午前 | 四科または二科選択 | 国語 45 分・算数 45 分・社会理科 50 分 | 国語 100 点・算数 100 点・社会 50 点・理科 50 点 | 集合 9:30。時間割は第 1 回 KBT と同一 |
| 帰国・国際生入試 | 2027 年 1 月 28 日午前 | A方式(英語+本人・保護者面接)/B方式(国語・算数+本人面接)/C方式(作文+本人・保護者面接、事前相談必須) | A方式英語 45 分・B方式国語 45 分・B方式算数 45 分・C方式作文 45 分 | A方式英語 100 点・B方式国語 100 点・B方式算数 100 点・C方式作文 100 点 | 対象は 2014 年 4 月 2 日〜2015 年 4 月 1 日生まれで海外在住経験等の要件あり。募集人員 5 名(A/B/C方式あわせて) |
教科の学力試験(国語・算数・社会・理科)は、この 9 回のうち第 1 回・第 2 回 KBT 入試の 2 回だけです。 他の 7 回はパフォーマンス・英語・謎解き・適性検査型・総合型・帰国生の入試で、教科の試験ではありません。このページで分析しているのは KBT 入試(四科でおこなう回)だけです。
社会と理科はあわせて 50 分(各 50 点)で、理科だけで 50 分ではありません。CSAT は千葉県立、ISAT は茨城県立の中学校・中等教育学校の適性検査に合わせた回で、別の県の制度です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校は、算数と社会は大問の位置がきわめて固く、理科と国語は毎年組み直す学校です。算数は大問 7 が資料のある 10 年すべてで不変、社会は大問 2 つ・小問 17〜18 問が資料のある 10 年すべてで不変です。
- 理科は大問数が 3 と 4 を行き来し、大問の並びは毎年作り直されます。座席(問題の置き場所)の固定はありません。
- この学校らしさは「今のニュースを教科の言葉で説明させる」出題です。社会の大問 2 は 10 年ずっとこの枠で、理科でも新聞記事や探査計画がそのまま導入文になります。
家でやること 3 つ
- 算数は大問 1 の計算 5 問(逆算込み)を 5 分以内で解く練習と、大問 2 の一行問題を単元横断で回す練習をします。
- 社会はその年のニュースを 5 つ、原因と影響つきで言えるようにし、資料を根拠に 2〜3 文で書く練習をします。
- 理科は 4 分野をひととおり学び、理由を 2〜3 文で書く練習をします。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 1(計算 5 問。2023・2024・2026 のどれか 1 年分)を 5 分計って解いてみます。逆算(□ を求める計算)が 1〜2 問入るので、そこを重点的に。
注意
- 教科の学力試験は第 1 回・第 2 回 KBT 入試だけです(9 回中 2 回)。国語は 2017 年度以降の問題文が資料に無いため、ここに書いたのは 2010・2014・2015・2016 年度に限った話です(→13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの主要単元を数えただけの年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2026) | 7 年(2010・2014・2015・2016・2019・2020・2022) | 10 年(2010・2014・2015・2016・2019・2020・2022・2023・2024・2026) | 大問 7 が 10 年不変。転写の確度が低いと記録された年が 6 年(2010・2016・2019・2022・2023・2026) |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2026) | 7 年(2010・2014・2015・2016・2019・2020・2022) | 10 年(算数と同じ 10 年) | 大問 3〜4・小問 15〜27 と幅がある。転写の確度が低いと記録された年が 3 年(2010・2020・2022) |
| 社会 | 3 年(2023・2024・2026) | 7 年(2010・2014・2015・2016・2019・2020・2022) | 10 年(算数と同じ 10 年) | 大問 2・小問 17〜18 が 10 年不変。転写の確度が低いと記録された年が 4 年(2014・2015・2024・2026) |
| 国語 | 3 年(2014・2015・2016) | 1 年(2010) | 4 年(2010・2014・2015・2016) | 2017 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い) |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 2025 年度はどの科目も資料に無いため、精読した年は 2023・2024・2026 の 3 年です。2011・2012・2013・2017・2018・2021 も同様に問題冊子が無く、答えだけがある年があります。
- 資料は学校×年×科目で 1 冊ずつしか無く、回の名前が表紙から読み取れていません。四科でおこなう回(現行の KBT 入試)のものと考えていますが、年によって別の回の冊子が混じっている可能性を否定できません。「〇年から変わった」と書いたのは、複数年で裏が取れた場合に限りました。
- 「毎年」「〜年連続」と書いた箇所は、その年度の設問文を原本で読み直して確認したものです。並びだけ確認して中身を読んでいない年は、そう書き分けました。
- 現行の入試回と時間・配点は 1 節の表のとおりです。ここでの分析対象は、教科の学力試験である第 1 回・第 2 回 KBT 入試だけです。
5. 一番大きな結論
この学校は、算数と社会は座席(問題の置き場所)がきわめて固く、理科と国語は毎年組み直す学校です。
算数は、大問 7 が資料のある 10 年すべてで不変です。大問 1 は 10 年連続で計算だけの大問、大問 2 は 10 年連続で一行問題を並べた大問です。最後の大問 7 は規則性・数列が 10 年中 6 年出ています。ただし 2026 年度の 1 冊だけは、大問 1〜5 がすべて一行問題という別の作りになっています。
社会は、大問 2 つ・小問 17〜18 問という形が資料のある 10 年すべてで不変です。大問 1 は「会話文で地理・歴史・公民を横断」する枠、大問 2 は「生徒がクラスで最近のニュースを調べて発表する」枠で、大問 2 の導入文は 2023 年と 2024 年で名前とテーマを差し替えただけのほぼ同文でした(両年の原本で確認しました)。中身は毎年その年の話題で作り直されます。
理科は、大問数が 3 と 4 を行き来し、大問の並びは毎年作り直されます。座席の固定はありません。代わりに「物理・化学・生物・地学を一通り入れる」配分と、「長い文章や新聞記事を読ませてから問う」作り方が続いています。説明を書かせる設問が 2023 年は 22 問中 10 問あったのに、2026 年は 0 問と、年による振れが大きいところです。
国語(2016 年度まで)は、最後の 2 大問が「説明文 → 物語文」の順で 4 年不変です。その前に「ポスター・学級通信・放送原稿」のような日常の文章と言葉の知識の大問が入ります。記述は五十〜九十字が中心です。
過去問の使い方としては、①算数と社会は「同じ座席を縦に」解く(同じ大問番号を年度をまたいで続けて解く)、②理科と国語は「単元と分野を網羅したうえで直近 3 年を通しで解く」の 2 本立てが合います。「出る問題をそのまま覚える」使い方は、算数の大問 1・大問 2 の作り、社会の大問 2 の枠、国語の問 7 の問い方に限れば効きます。科目ごとに求められるものは違い、算数は処理の速さと正確さ、社会は今の世の中を説明する力、理科は分野の網羅と説明力、国語は条件を守って書く力です。
6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
「今のニュースを、教科の言葉で説明させる」のがこの学校の一番の色です。 社会の大問 2 は 10 年ずっとその枠で、理科でも新聞記事(2024 大問 3「アンモニア使う発電、支援」)や探査計画(2023 大問 4 の金星探査)がそのまま導入文になります。精読した 3 年だけでも、ガソリン価格・ウクライナ・人手不足・団塊の世代・物価と賃金・相対的貧困・アンモニア混焼・発光ダイオードの信号機と、話題が広いです。
学校そのものや地元が題材になることもあります。2026 社会の大問 1 は「土浦日本大学中等教育学校の 1 年生の土川さんと浦山さんが放課後、社会科の授業の内容を振り返りながら話をしています」という会話文で始まり、常陸国・利根川・関東地方が問われます。国語 2014 の大問 2 は「土浦日本大学中等教育学校 1 年 F 組の学級通信」がそのまま素材です。自校と茨城を題材に取り込むのは、他校ではあまり見ない作りです。
身の回りの動きを理科に翻訳させる出題もあります。2026 理科の大問 1 は 100m 走・砲丸投げ・走り幅跳びを「物体の運動」として考えさせます。教科書の実験装置ではなく、生徒が体験している場面から入ります。
「あなたならどうするか」を書かせる設問も見られます。社会 2023「非常用持ち出し袋に加えたほうがいいものを 1 つ挙げて、その理由も」、2024「日本に働きに来る外国人を増やすにはどのような取り組みをすればよいか」、国語 2016「管理人の立場から、使用を認められない理由を説明しなさい」。正解が一つに決まらない問いを、条件つきで書かせるのが好みのように見えます。
日常の文章を読ませる(国語)のも特徴です。ポスター・学級通信・校内放送の原稿・交通安全標語。読解力を「本を読む力」だけで測らない姿勢が、資料のある 4 年すべてに出ています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前の方は、この節を「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に。過去問を使った演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の道筋は 11 節にまとめました。
各項目の根拠(年度と大問の中身)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 5 問を 5 分以内 — 10 年連続で同じ座席に来ます。□ を求める逆算が毎年 1〜2 問入ります(2023・2024・2026 で確認)。ここを落とすと 100 点満点のうち大きな塊を失います。□ を含む式を後ろからたどる練習を毎日します。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 2 の一行問題を単元横断で回す — 精読した 3 年で出たのは割合の連鎖・食塩水の混合・速さ・和差算・過不足算・年齢算・通過算・単位換算・比です。2026 年度は大問 5 つぶんがこの一行問題でした。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 算数・図形の求積と、周期・規則性の大問を通しで解く — 円とおうぎ形の斜線部の求積は 2023 大問 3・2024 大問 3・2026 大問 6 の 3 年連続で、「正方形に内接する円」「円に内接する正方形」(2024 大問 3)と「弧を等分した点から垂線を下ろす」(2023 大問 3)の 2 系統があります。最後の大問(規則性・数列)は 10 年のうち 6 年出ており、2023 は数列のルール作り、2026 は 4 色の繰り返しで 2026 番目を問う形でした。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 社会・その年のニュースを 5 つ、原因と影響つきで言えるようにする — 大問 2 は毎年ここから作られます。物価・賃金・人手不足・エネルギー価格・国際紛争・国際機関が、精読した 3 年で実際に使われた素材です(2023 ガソリン価格とウクライナ、2024 人手不足、2026 物価と賃金)。資料(地形図・雨温図・人口ピラミッド・為替のグラフ)を見て「どこから読み取れるか」を添えて 2〜3 文で書く練習を、週末にまとめて 1 回入れます。分野をまたいで解く練習も合わせて行います。「この地域」を軸に地理・歴史・公民を横断する会話文が大問 1 の形で、地元・茨城の題材(2026 は常陸国・利根川・関東地方)が出ることもあります。「適切でないものを 1 つ選び」という否定の選択には線を引く癖をつけます(毎年 1〜3 問)。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科・4 分野をひととおりと、理由を書く練習 — 物理・化学・生物・地学のどれかを捨てると、大問 1 つ分(15〜27 問中 3〜7 問)が丸ごと消えます。「水をかける消火と消火器の消火は何が違うか」(2023)、「タンポポが葉を地面に広げる利点」(2024)のように、条件と結果を結んで 2〜3 文で書く練習を合わせて行います。生態系・食べる食べられる関係は 3 年連続で出ており、生産者・消費者・分解者とつり合いの崩れ方を言葉で説明できるようにしておきます。(確認: 〜2024 年度)
- [週末 60 分] 理科のグラフを読み取る練習・自分で書く練習と、社会の地図記号 — 縦軸が何かを当てさせる問い(2023 大問 2 問 1)と、自分で折れ線を書く問い(2026 大問 2 問 3)の両方に慣れておきます。社会も地図記号を書かせる設問があります(2024 大問 1(1))。「書かせる図」は対策が薄くなりやすいところです。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 国語・説明文と物語文を 1 セットで時間を計って解き、条件つきの記述を書き切る(資料があるのは 2016 年度まで) — 45 分で大問 3〜4・19〜21 問を通しで解きます。記述は「指定された言葉を必ず使う」「根拠を二つ挙げる」「条件を全部満たす」の 3 点を確認する癖をつけます。漢字は書き取りと読みの両方(読解 2 題の問 1 が丸ごとここです)、ポスター・お知らせ・放送原稿・標語といった日常の文章を読む練習、敬語・季語・部首・熟語の構成の知識もひととおり進めます。(確認: 〜2016 年度)
8. 科目別の詳細
8-0. 科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。大問 7・小問 21〜30。大問 1 は計算、大問 2 は一行問題(10 年不変)。答えのみ | 大問 3〜6 の単元は毎年入れ替わるが、円とおうぎ形の求積は 3 年連続。最後は規則性が 10 年中 6 年 | 計算 5 問(逆算込み)を速く正確にすることと、一行問題の単元を横断して覚えること |
| 理科 | 低い。大問 3〜4・小問 15〜27。記号選択と短答が中心だが記述の量が年で激変 | 4 分野を一通り。新聞記事・探査計画・スポーツなど身の回りの話題を導入にする | 4 分野の穴を作らないことと、理由を 2〜3 文で書く練習 |
| 社会 | 非常に高い。大問 2・小問 17〜18(10 年不変)。大問 2 はニュースを調べて発表する枠 | 大問 1 は会話文で分野横断、大問 2 は毎年の話題で作り直し。記述は 1〜6 問と振れる | その年のニュースを原因と影響つきで言えるようにすることと、資料を根拠に書く練習 |
| 国語(2016 年度まで) | 高い。大問 3〜4・小問 19〜21。説明文→物語文の順が 4 年不変 | 実用文(ポスター・放送原稿)と言葉の知識が必ず入る。記述は条件つきで五十〜九十字 | 条件を満たす記述の練習と、漢字の書き取り・読み |
科目ごとに求められるものが違います。算数は処理の速さと正確さ、社会は「今の世の中を説明する力」、理科は分野の網羅と説明力、国語は条件を守って書く力です。
8-1. 算数(現行の第 1 回 KBT 入試で 45 分・100 点/大問 7・小問 21〜30)
原本を精読した年度は 2023・2024・2026 です(2025 年度は資料に無いためです)。大問の並びだけは 2010〜2026 の 10 冊で確認しました。
年度×大問の題材表(2023・2024・2026)
| 大問 | 2023 | 2024 | 2026 |
|---|---|---|---|
| 1 | 計算 5 問(分数小数混合・逆算・比・単位換算) | 計算 5 問(分数小数混合・逆算 2 問・時間の比) | 計算 5 問(四則の順序・かっこ 3 重・小数・帯分数) |
| 2 | 一行問題 5 問(割合の連鎖・タイヤの回転と速さ・歩く速さの変更・循環小数の第 2023 位・直角三角形の回転) | 一行問題 5 問(走る速さ・食塩水の混合・ノートの和差算・3 桁の abc と cba・6 桁の 7abcde) | 一行問題 5 問(重さと長さの単位換算・時速→秒速・金と銀の 1cm³ あたりの重さ・プールの水量) |
| 3 | おうぎ形の弧を 5 等分した図の斜線部(図 1〜5 を追う 3 問) | 円と正方形がぴったり接する斜線部の求積(2 問) | 一行問題 5 問(食塩水・売買損益・男女比・2 桁の整数づくり・お菓子 8 個の組合せ) |
| 4 | B・C・D が A の周りを 180 日/450 日/1125 日で回る周期(4 問) | 商品①の仕入れ 600 円・6〜8 月の定価と販売個数(売買損益 3 問) | 一行問題 5 問(テストの平均・飴の過不足算・年齢算・出会いの速さ・通過算) |
| 5 | 街灯と棒の影(相似 3 問) | 正六角形 120cm² を線分で分ける面積比(3 問) | 一行問題 5 問(仕事算・消しゴムと鉛筆の和差算・全体人数・正方形の辺に 2026 個並べるおはじき・逆算) |
| 6 | 「234234」のような繰り返し数の性質(3 問) | 計算テスト 6 回の平均算(3 問) | 正方形 3 つの重なりの面積・半円を 45° 回転させた面積(2 問・円周率 3.14) |
| 7 | 数列のルールを自分で作る(2 問・この 3 年で唯一の記述) | 5 つの整数から作る 2 数の和 10 個(3 問) | 赤・青・黄・緑を繰り返し並べる周期(3 問) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
大問 1 は 10 年すべて「計算だけの大問」です(2010・2014・2015・2016・2019・2020・2022・2023・2024・2026)。2019 年度以降の 5 冊は 5 問固定で、うち 1〜2 問が □ を求める逆算です(2023 大問 1(3)、2024 大問 1(3)(5)、2026 大問 1(3))。この座席は 10 年動いていません。
大問 2 も 10 年すべて「文章の一行問題を並べた大問」です。導入文が 2023・2024 で「次の□に当てはまる数を答えなさい」とほぼ同じ文言、2026 で「次の□にあてはまる数を答えなさい」となっており、ここも座席として固まっています。
最後の大問 7 は、規則性・数列が 10 年のうち 6 年です(2014・2016・2019・2020・2023・2026)。原本で中身まで確かめたのは 2023(数列のルール作り)と 2026(赤青黄緑の周期)の 2 年で、残る 4 年は大問の並びからの確認にとどまります。
円とおうぎ形の求積は 3 年連続です(2023 大問 3・2024 大問 3・2026 大問 6)。座席は 2023→2024 が同じ大問 3、2026 は大問 6 に移りました。
一方、大問 3〜6 の単元は年ごとに入れ替わります。売買損益(2024 大問 4・2026 大問 3(2))、平均算(2024 大問 6・2026 大問 4(1))のように、単元は残るが場所は動きます。
2026 年度は資料のある 10 冊のうち 1 冊だけ作りが違います。 大問 1 から大問 5 までが「5 問ずつの一行問題」になっています(小問 30 問。他の 9 年は 21〜25 問)。長い設定を読ませる大問は 6 と 7 の 2 つだけで、2023・2024 のように「設定を読み込んで 3〜4 問を続けて解く」大問が 5 つ並ぶ作りではありません。ただしこの資料は転写の確度が低いと記録された冊子で、表紙に回の名前が読み取れていません。別の回(第 2 回 KBT 相当)の冊子を見ている可能性を否定できないので、「2026 年から一行問題中心に変わった」とは書きません。2027 年度に向けては、2023・2024 のような長い設定を読み込ませる大問が並ぶ形と、2026 のような一行問題が並ぶ形の両方を想定しておくのが安全です。
問い方
答えのみが基本です。精読した 3 年 79 問のうち記述は 1 問だけでした(2023 大問 7(2)「自分でルールを作り、そのルールで数を並べたときにウに入る数と、その決めたルールを答えなさい」)。式や考え方を書かせる欄は確認できませんでした。
単位を答えの中に含めさせる問い(「何日早くできますか」「何秒ですか」「何番目の箱ですか」)が多く、単位の書き落としが直接失点になります。
大問 1 の逆算は「□ を含む式全体を逆にたどる」形です。2026 大問 1(3) は 72+(412-□)÷5=98、2024 大問 1(3) は (19-3×5+□÷3)×7=91。数値は毎年違いますが同じ作りの問題であって、同じ問題の使い回しではありません。
大問 2 以降の一行問題は「A は B の 80%、B は C の 60%」のような割合の連鎖、食塩水の混合、和差算・過不足算・年齢算・通過算といった定番の文章題が回っています。
8-2. 理科(現行の第 1 回 KBT 入試で社会とあわせて 50 分・理科 50 点/大問 3〜4・小問 15〜22)
原本を精読した年度は 2023・2024・2026 です(2025 年度は資料に無いためです)。
年度×大問の題材表(2023・2024・2026)
| 大問 | 2023 | 2024 | 2026 |
|---|---|---|---|
| 1 | ろうそくの燃焼(筒をかぶせる・ドライアイスを入れる/4 問) | A 球の衝突と速さ(3 問)+ B 冬越しの植物・こん虫・冬鳥(5 問) | 100m 走・砲丸投げ・走り幅跳びの「動き」(3 問) |
| 2 | 池のプランクトンと季節のグラフ a〜e(5 問) | あすかさんと先生の地層の会話(6 問) | アルミニウムと塩酸で発生する気体(4 問・グラフの作図あり) |
| 3 | 手回し発電機の実験 1〜4(6 問) | 新聞記事「アンモニア使う発電」(6 問) | 池の生き物と食べる・食べられる関係(3 問) |
| 4 | NASA の金星探査計画と月・金星の見え方(7 問) | — | プレートの動きと地震・地震計・P 波 S 波(5 問) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る(=ここは弱い)
理科には算数のような座席の固定はありません。大問数も 3 と 4 を行き来し、大問の並びは毎年作り直されます。資料のある 10 年の大問数は 3 が 3 回・4 が 7 回で、小問は 15〜27 と幅があります。
固定というより「配分」として読めるのが次の 2 点です。4 分野(物理・化学・生物・地学)をひととおり入れる作り方で、2023 は化→生→物→地、2026 は物→化→生→地、2024 は 3 大問ですが大問 1 を A(物理)と B(生物)の 2 つに割って 4 分野を確保しています。どの分野も捨てられません。最後の大問が地学になることが多く(2023 の金星、2026 の地震)、ただし 2024 は大問 3 が化学なのでこの並びは崩れており、3 年連続とは言えません。生態系・食べる食べられる関係は 2023 大問 2・2024 大問 1B・2026 大問 3 と 3 年連続で顔を出しており、単元としては 10 年でも上位です。
問い方
長い文章や会話・新聞記事を読ませてから問う作りが定着しています。2024 大問 3 は新聞記事「アンモニア使う発電、支援」がそのまま導入文、2023 大問 4 は NASA の金星探査計画(ダヴィンチ・プラス/ヴェリタス)の紹介文、2026 大問 1 は陸上競技の「走る・投げる・跳ぶ」を物体の運動として考えさせる文章です。理科の知識を、ニュースや身の回りの場面に当てはめ直す問い方が持ち味です。
理由を説明させる設問が 2023・2024 では多く出ています。2023 は 22 問中 10 問(「その理由も説明しなさい」を含む混合 4 問+記述 6 問)、2024 は 20 問中 8 問です。ただし 2024 の 8 問のうち 3 問は「E に適切なことばを補い、文を完成させなさい」という空欄を埋める形で、まとまった文章を書かせるのは 5 問でした。2026 年度だけは説明を書かせる設問が 1 問も無く(15 問すべて記号選択・短答・作図)、精読した 3 年でここまで違うので、説明を書く準備は続けつつ、記号選択と短答だけで 15 問という年もあると見ておくのが安全です。
「すべて選び」「2 つ選び」と個数を指定する記号選択が繰り返し出ます(2023 大問 4 問 4、2024 大問 1B 問 1・問 4)。計算は「表の値を求める」「速さを求める」形で毎年 2〜3 問あり、2026 大問 4 問 4 は P 波・S 波の速さと地震発生時刻、2024 大問 3 問 4 は排出削減量の割合計算でした。
8-3. 社会(現行の第 1 回 KBT 入試で理科とあわせて 50 分・社会 50 点/大問 2・小問 17〜18)
原本を精読した年度は 2023・2024・2026 です(2025 年度は資料に無いためです)。
年度×大問の題材表(2023・2024・2026)
| 大問 | 2023 | 2024 | 2026 |
|---|---|---|---|
| 1(9 問) | まなぶさん一家の会話文 3 本:ローリングストック・原子力発電所の分布・貿易収支・関東大震災・警戒レベル・釜無川の堤防・避難経路 | 長崎市の地形図と会話文:地図記号の作図・漁業・造船・原爆の被害と地形・旧国名と守護地頭・世界遺産・観光客数のグラフ | 本校 1 年生の土川さんと浦山さんの会話文:常陸国・江戸時代・廃藩置県・利根川・太平洋戦争・人口ピラミッド・関東地方・2025 年の大阪の国際的なイベント・環境問題 |
| 2(8〜9 問) | 「最近の気になるニュース」=ガソリン価格:ウクライナの国旗・聖ソフィア大聖堂・OPEC・為替レート・1970 年代・石油危機・買い占め | 「最近気になるニュース」=人手不足:M 字カーブ・班田収授法・団塊の世代・外国人材・渡来人・ワークライフバランス・労働生産性 | 「気になっているニュース」=時事問題のテーマ探し:地域主義(1994 年)・国際保健の機関・高松市の雨温図と地形図・租税・財政と社会保障・高齢化・物価と賃金 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
社会はこの学校でいちばん座席が固まっている科目です。大問 2 つ・小問 17〜18 問という形が資料のある 10 年すべて(2010〜2026)で不変で、大問 1 が 9 問、大問 2 が 8〜9 問という配分も 2023・2024・2026 の 3 年連続です。
大問 1 は「会話文を読んで、地理・歴史・公民をまたいで答える」枠で、3 年連続で会話文(または会話文つきの地図)が導入になっています。
大問 2 は「クラスで最近のニュースを調べて発表する」枠で、導入文そのものがほぼ同じ言い回しで再登場しています。
- 2023:「たくみさんのクラスでは、社会科の時間に『最近の気になるニュース』をグループで調べて発表します。たくみさんのグループは、ガソリンの価格が高いというニュースについて調べました。」
- 2024:「みなみさんのクラスでは、社会科の時間に『最近気になるニュース』をグループで調べて発表します。みなみさんのグループは、人手不足というニュースについて調べました。」
両年の原本を突き合わせて確認しました。名前とテーマを差し替えただけの、同じ導入文です。2026 は「ひなたさんのグループは社会科の授業で発表する時事問題のテーマを何にするかを話し合っています」と言い回しが変わりましたが、枠組み(生徒がニュースを調べて発表する)は同じです。大問 2 の中身は毎年その年の話題で作り直されます(2023 ガソリン価格とウクライナ、2024 人手不足、2026 物価と賃金・貧困・高齢化)。枠は固定、中身は毎年更新される作りです。
資料の異常を 1 件見つけました。 2026 年度の社会は転写上「大問 5 つ」になっていますが、設問番号が大問 2 の (1)(2) から大問 3 の (3)(A)(B)、大問 4 の (4)(A)(B)、大問 5 の (5)(6) まで通し番号でつながっており、導入文もすべて「ひなたさんのグループ」の話し合いの続きです。つまり実体は 1 つの大問が 4 つに割れて転写されたもので、原本は他の年と同じ 2 大問・17 問と読むのが自然です。「2026 年に大問 2 → 5 へ構成が変わった」とは書きません。
問い方
記号選択が主軸ですが、年によって記述の量が大きく動きます。精読した 3 年で記述は 2023 が 18 問中 6 問(33%)、2024 が 17 問中 4 問+選択と記述の混じった 1 問(24%)、2026 が 17 問中 1 問(6%)でした。記述が 1 問しか出ない年もあります。
記述は「資料を根拠に理由を書く」形が中心です。2024 大問 1(4)「広島市に比べて長崎市の死者数が少ない地形的な理由を、同じ縮尺の地形図を参考にして説明しなさい」、2026 大問 2(6)「物価が上昇しているにもかかわらず賃金の伸びが十分でない理由を、資料を参考にして説明しなさい」。自分の考えを書かせる記述も出ます。2023 大問 1(5)「非常用持ち出し袋に加えたほうがいいものを 1 つ挙げて、その理由も答えなさい」、同 (9)「避難経路を決めるとき、地震のときと大雨のときそれぞれについて述べなさい」、2024 大問 2(4)「日本に働きに来る外国人を増やすにはどのような取り組みをすればよいか」。正解が一つに決まらない問いです。
地理・歴史・公民が 1 つの大問の中で入れ替わります。2024 大問 1 は長崎市の地形図から始まって守護地頭(鎌倉)と 1620 年の日本地図(江戸)に飛び、最後は観光客数のグラフに戻ります。分野ごとに切って勉強していると追いつきません。「適切でないものを 1 つ選び」という否定の選択が毎年あります(2023 大問 2(7)、2024 大問 2(7)、2026 大問 1(5)(9)・(4)(B))。
8-4. 国語(現行の第 1 回 KBT 入試で 45 分・100 点/大問 3〜4・小問 19〜21。2010・2014・2015・2016 の 4 年のみ)
国語は 2017 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多いです)、ここに書いたのは 2010・2014・2015・2016 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。原本を精読したのは 2014・2015・2016 の 3 年で、2010 年度は出典と大問の並びだけ確認しました。
年度×大問の題材表(2014・2015・2016)
| 大問 | 2014 | 2015 | 2016 |
|---|---|---|---|
| 1 | 野球部の対抗戦を告知するポスター(表現の特色・ひらがな三字の空欄・必要な情報/3 問) | 部首を組み合わせて漢字一字を作る(宅+姉→ など 5 問) | 三字熟語の共通漢字パズル+交通安全ポスターの空欄と標語作り(4 問) |
| 2 | 本校 1 年 F 組の「学級通信」(ローマ字・敬語・表現の直し・季語/4 問) | 校内放送の【取材メモ】から【放送原稿】の空欄を一文で書く(1 問) | 説明文:知的能力と神話的な思考(8 問。中に江戸時代を論じた【文章A】が入る) |
| 3 | 説明文:人間と動物の違い、バーチャルな出会い(7 問) | 説明文:「読まない読書」と本の「かたち」(7 問) | 物語文:青空運動公園で野球を止められる親子(7 問) |
| 4 | 物語文:オオスズメバチのマリアとミドリシジミ・ゴミグモ(7 問) | 物語文:仙人になりたい権助と医者夫婦(7 問) | — |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
最後の 2 大問が「説明文 → 物語文」の順です。資料のある 4 年すべて(2010・2014・2015・2016)でこの並びで、大問数が 4 の年は大問 3・4、3 の年は大問 2・3 に来ます。説明文が先、物語文が後という順序は動きません。
前半には「知識・実用文」の短い大問が 1〜2 つ入ります。慣用句(2010)、ポスターと学級通信(2014)、部首パズルと放送原稿(2015)、熟語パズルと交通安全ポスター(2016)というように、教科書的な読解ではない「日常の文章」を読ませる枠が 4 年連続で置かれています。
読解 2 題の問 1 は漢字です。説明文側が「カタカナを漢字に直す」(2014 大問 3 問 1、2015 大問 3 問 1、2016 大問 2 問 1)、物語文側が「漢字の読み方をひらがなで」(2014 大問 4 問 1、2015 大問 4 問 1、2016 大問 3 問 1)で、3 年連続で書き取りと読みが振り分けられています。ここは座席として固い箇所です。読解 2 題の最後の問(問 7)は長めの記述で、2014 大問 3 問 7・大問 4 問 7、2015 大問 3 問 7・大問 4 問 7、2016 大問 3 問 7 と 3 年連続です。
問い方
「○か×かを選び、その理由を指定の言葉を使って書く」形が 2 年で確認できました。
- 2014 大問 3 問 7:「波線部の少年の考えは、本文の内容をふまえて考えると正しいと言えますか。正しいと思う場合は『○』、正しくないと思う場合は『×』で答えなさい。また、その理由を『時間』と『空間』という言葉を用いて、九十字以内で答えなさい。」
- 2015 大問 3 問 7:「筆者の考えからすると、この流れは望ましいと言えますか。言えると思う場合は『〇』、言えないと思う場合は『×』で答えなさい。またその理由を『本の「かたち」』という言葉を用いて、五十字以内で答えなさい。」
両年の原本で確認しました。題材は違いますが同じ作りの問いで、○×だけでは点にならず理由の文章が本体です。
《条件 1》《条件 2》…をつけて書かせる作文が 3 年連続で出ています。2015 大問 4 問 7(条件 3 つ・六十字以内)、2016 大問 1 問 2(3)(交通安全標語を川柳の五・七・五で・字あまり字たらず不可)、2016 大問 3 問 7(根拠を二つ・七十字以内)。立場を変えて書かせる問いもあります。2016 大問 3 問 7 は「管理人の立場から、和彦たち親子に広場の使用を認められない理由を説明しなさい」で、登場人物ではなく、物語の中の別の立場に立って書きます。
詩や表現技法を選択肢に混ぜる出題もあります(2015 大問 3 問 5 は真壁仁・堀口大学・谷川俊太郎・高村光太郎の詩の一節から同じ技法を選ばせます)。2016 大問 2 は本文のあとに別の【文章A】(江戸時代の文化について)を置き、2 つの文章を突き合わせて抜き出させます。
出典(資料のある 4 年)
| 年度 | 説明文 | 物語文 |
|---|---|---|
| 2010 | 森真一『ほんとはこわい「やさしさ社会」』 | 阿部夏丸『オグリの子』 |
| 2014 | 鄭雄一『東大理系教授が考える道徳のメカニズム』 | 百田尚樹(作品名は下記参照) |
| 2015 | 長田弘『なつかしい時間』 | 芥川(作者名は下記参照)『仙人』 |
| 2016 | クロード・レヴィ=ストロース/大橋保夫訳(書名は下記参照) | はらだみずき『ホームグラウンド』 |
注意: 2014 の物語文、2015 の物語文、2016 の説明文は、転写された出典表記に字が抜けている疑いがあります(著者名または書名が広く知られた表記と一文字ずつ違います)。誤った表記を広めないため、この 3 件は本レポートに書名・著者名を確定した形では載せていません。市販の過去問集で確認してください。どの年も本文末尾に「※作問の都合上、文章の一部を改変しています」と添えられています。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
数字は資料のある冊子の中での空きです。資料の無い年(2011〜2013・2017・2018・2021・2025)に出ていた可能性は残ります。国語は資料のある年が 2016 年度までのため、周期・復活警戒の議論はしていません。
| 科目 | 単元 | 大問で出た年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 立体図形 | 2019(大問 5) | 2019 | 7 年空き。平面図形は毎年出ますが立体は 7 年空いています |
| 算数 | まとまった 1 題としての場合の数 | 2022(大問 5)・2019(大問 6) | 2022 | 直近 3 年は一行問題の中だけ(2026 大問 3(4)(5)) |
| 算数 | 速さとグラフ(ダイヤグラム) | 大問としては 2023 年度の位置別の並びで示唆される程度(未精読) | 2023(推定) | 一行問題の中の速さは毎年出ますが(2023 大問 2(3)、2024 大問 2(1)、2026 大問 4(4)(5))、大問まるごと使う速さは直近 3 年で大問になっていません。まとまった 1 題として戻る余地があります |
| 理科 | 天体(月・惑星) | 2016(太陽)・2019(惑星)・2023(金星と月) | 2023 | 2 年空き(2024・2026 に出ていません)。数年おきに回っており次の周期が近いです |
| 理科 | てこ・滑車・浮力 | 2019(滑車)・2015(浮力) | 2019 | 7 年空き。2024・2026 の物理は球の衝突と物体の運動で、力のつり合いは空いています |
| 理科 | 人体 | 2010(大問 3) | 2010 | 16 年空き。10 年以上空いており、戻れば準備差が大きく出ます |
| 理科 | 電気回路 | 2015・2020・2023(大問 3・手回し発電機) | 2023 | 3〜5 年周期で回っています |
| 社会 | まとまった地形図の読図 | 2024(大問 1) | 2024 | 2026 は 1 問だけ。等高線・地図記号・縮尺をまとめて問う大問が戻る余地があります |
| 社会 | 古代(飛鳥・奈良) | 2020・2022(大問 1 が原始・古代) | 2022(大問としては)。2024 大問 2(2) の班田収授法は小問としての最新出題 | 大問の柱として戻りうる単元です |
| 社会 | 世界地理をまとめて扱う大問 | 2010・2015・2016・2019・2020 | 2020 | 直近 3 年は OPEC 加盟国の地図(2023)や地域主義(2026)と、公民・時事の中に溶け込む形。まとまった大問が戻る余地があります |
10. 形式面の注意
- 算数は答えのみが基本です(記述はごく少数。詳細は 8-1 を参照)。円周率は 3.14 と問題文に明記されます(2024 大問 3 の導入「ただし、円周率は 3.14 とします」、2026 大問 6 も同文)。作図を求める設問は精読した 3 年では確認できず、図は与えられて読み取る側に回ります。図に頼る小問はおよそ 3 割(10 年平均 29%)で、図形の大問でも「図 1・図 2・図 3 と段階的に変わる同じ図」を追う形が多いです(2023 大問 3、2024 大問 5)。字数指定はどの年にも無く、単位を答えに書かせる設問が多くあります。
- 理科は図表に頼る小問が 6 割超です(10 年で 65%)。グラフの読み取り(2023 大問 2 の a〜e、2024 大問 3 の表)と模式図の読み取りが中心で、作図(グラフを書く)も出ます。2026 大問 2 問 3「アルミニウムを 0.2g 入れたときの、塩酸の体積と発生する気体の体積の関係を表すグラフを解答欄に書きなさい」のように、方眼に折れ線を書く練習が要ります。「解答用紙中のあてはまる方に○をつけなさい。また、その理由も説明しなさい」(2023 大問 1 問 1〜3)のように、選ぶことと書くことを 1 問で両方させる設問があり、片方だけ書いて終わらせないようにします。「すべて選び」「2 つ選び」の個数指定選択も繰り返し出ます。字数指定はどの年にも見当たらず、「簡単に説明しなさい」「理由を説明しなさい」と長さの指定が無いので、解答欄の大きさで判断することになります。
- 社会は図表・地図・写真に頼る小問がおよそ半分です(10 年で 53%)。雨温図・人口ピラミッド・為替レートのグラフ・地形図・国旗・写真と、資料の種類が広いです。作図が出ることもあります(2024 大問 1(1)「地図中にある港をあらわす地図記号を解答欄にかきなさい」)。短答には文字数と文字種の指定がつきます(2023 大問 1(4)「漢字 5 文字で答えなさい」、2026 大問 1(8)「漢字 2 文字で答えなさい」)。一方、記述に「〇字以内」という長さの指定は精読した 3 年では見当たりませんでした。「解答欄にあてはまるように」(2024 大問 2(6))のように、解答欄の形が答え方を決める設問もあります。「適切でないものを 1 つ選び」という否定の選択が社会で毎年出ます。
- 国語は字数指定つきの記述が多く、精読した 3 年で確認できたのは二十字以内・二十五字以内・三十字以内・三十五字以内・五十字以内・六十字以内・七十字以内・九十字以内で、九十字以内まで書かせる年もあります。「(抜粋の場合には句読点も一字に数えます)」が読解の導入に毎回添えられます。抜き出しは字数と場所を指定する形です(「本文中から八字で抜き出して」「はじめと終わりの五字を抜き出して」「一文が入る箇所を探し、その直前の五字を」)。敬語・品詞・季語・ローマ字・部首・熟語の構成といった言葉の知識が、読解とは別枠で必ず問われます。記述の割合は資料のある 4 年で 15〜26%でした。
- 社会と理科は 2 科目あわせて 50 分です。時間配分は自分で決めることになるので、過去問演習でも 2 科目続けて 50 分で計ります。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ・平面図形の基礎・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本です。この学校で最終的に効く入口は、算数の四則計算と逆算(大問 1 が 10 年動きません)と、理由を一文で書く習慣(理科・社会・国語のすべてで問われます)です。時間計測はまだしません。 |
| 小 5(幅) | 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。単元プールを、全分野ひととおり学び終える段階です。算数は大問 2 の一行問題に出た単元(割合・食塩水・速さ・和差算・過不足算・年齢算・通過算・単位換算・比)を一巡します。理科は 4 分野を均等に。社会は地理・歴史・公民を分けずに「ある地域を軸に横断する」読み方に慣れます。理科と社会は毎年作り直される科目なので、ここが本体になります。国語は日常の文章(お知らせ・ポスター・放送原稿)を読む練習を混ぜます。 |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の「今からやるなら」の各項目に進みます。夏以降は算数と社会を「同じ座席を縦に」解きます(大問 1 だけを 5 年分、大問 2 だけを 5 年分、社会は大問 2 のニュース枠だけを 3 年分)。理科と国語は年度通しで時間を計ります。 |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは、小 5 での全分野の一巡と、小 4 からの「書く習慣」です。算数の大問 1・2 は座席が固いので直前でも間に合いますが、社会の大問 2(その年のニュースを原因と影響つきで説明する)と、理科の理由記述、国語の条件つき記述は、日頃から世の中のできごとを言葉にしてきたかどうかがそのまま出ます。ニュースを家庭で話題にする、理由を「〜だから」まで言い切らせる——これは小 4 から積める差です。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、の観点だけ)
ここで見ているのは過去問演習が二重に効くかどうかだけです。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は扱いません。男女は校名と学校情報で分かる範囲だけ添えます。近さの数字(0〜100・100 が最も近い)は自動集計によるもので、同じ問題が出るという意味ではありません。
- 東京女学館中学校(東京都・女子校): 算数の大問構成と単元の分布が最も近い学校です。社会の作りは違い、大問 2 つで受ける形ではありません。
- 開智未来中学校(埼玉県・共学): 理科の分野配分と、文章を読ませてから問う作りが近い学校です。算数の小問数はより多くなります。
- 桐朋女子中学校(東京都・女子校): 理科の記述と実験の説明のさせ方が近い学校です。社会の資料の使い方は違います。
国語は資料が 2016 年度までしか無いため、どの学校とも比べられていません。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。過去問データベースは学校×年×科目で 1 冊しか収めておらず、表紙の回名が転写に残っていません。四科でおこなう回(現行の KBT 入試)のものと考えていますが、年によって別の回が混じっている可能性があります。「〇年から変わった」という書き方は、複数年で裏が取れたものに限りました。とくに 2026 年度の算数(大問 1〜5 がすべて一行問題)は、この 1 冊だけを根拠に「変わった」とは書いていません。
- 2025 年度がどの科目にも資料がありません。2011・2012・2013・2017・2018・2021 も問題冊子がありません。10 年分といっても連続した 10 年ではないので、「〇年連続」と書けるのは資料のある冊子の並びの中での話です。
- 国語は 2017 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多いです)、国語について書いたことはすべて 2010〜2016 年度の話で、直近 10 年の形式は分かりません。市販の過去問集で確認してください。
- 出典表記に字の抜けが疑われる箇所があります。2014 の物語文、2015 の物語文、2016 の説明文は、転写された著者名・書名が広く知られた表記と一文字ずつ違います。誤りを広めないため、この 3 件は確定した形で載せていません。
- 2026 年度の社会は転写が大問を割ってしまっています。設問番号が (1) から (6) まで通しでつながり、導入文も同じ生徒たちの話し合いの続きなので、実体は他の年と同じ 2 大問・17 問と読むのが自然です。本レポートはそのように扱いました。
- 図そのものは転写されません。図形問題・地形図・雨温図・模式図の細部は、設問文と図の説明文からの推定を含みます。
- 転写の確度が低いと記録された冊子があります(算数の 2010・2016・2019・2022・2023・2026、理科の 2010・2020・2022、社会の 2014・2015・2024・2026)。これらの年については、小問数や単元の細部を数字として強く主張していません。
- 国語は資料のある年が 2016 年度までのため、9 節の周期・復活警戒の議論はしていません。
- 理科の小問数の書き方が節によって食い違います。8-2 の見出しは「小問 15〜22」、本文と 4 節・8-0 の表は「小問 15〜27」です。原本(v1)の時点で既にこの食い違いがあり、どちらか一方を選ばず両方の表記をそのまま残しました。
- 難易度・偏差値・合格可能性・学校の優劣・教育理念・入試結果には触れていません。それらは別のページの領分です。
土浦日本大学中等教育学校 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方
数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
土浦日本大学中等教育学校 のページ: 学校トップ / 偏差値(4 出所併記) / 過去問分析 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 校風・理念
索引: 出題スタイル別 / 単元別 / 問い方別 / 同じ場所に同じ種類の問題 / 入試結果の公表状況 / 国語の出典 / 校風キーワード / 旧称 / 入試日程 ・ 共通: 過去問の使い方 / 用語集 / 資料の限界 / 方法論 / トップ