神奈川大学附属中学校 の過去問分析
神奈川大学附属中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
神奈川大学附属中学校 過去問分析(2009〜2026 年度・科目により 8〜18 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県横浜市緑区 |
| 男女 | 共学(1988 年に完全共学化) |
| 入試回と日程・科目 | 帰国生入試(12 月 22 日午前・算数〔当日〕+ J_DES〔事前提出〕換算点)/第 1 回(2 月 1 日午後・国語+算数。該当者は J_DES も加味)/第 2 回(2 月 2 日午前・4 科)/第 3 回(2 月 4 日午前・4 科) |
| 試験時間・配点 | 帰国生入試: 算数 50 分 100 点・J_DES 100 点/第 1 回: 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・J_DES 100 点/第 2 回: 国語 50 分 100 点・社会 40 分 75 点・理科 40 分 75 点・算数 50 分 100 点/第 3 回: 国語・社会・理科・算数の配点は第 2 回と同じですが、試験時間は要項に記載がありません |
| 集合・当日の流れ | 帰国生入試 集合 9:40、算数 10:00〜10:50/第 1 回 集合 15:00、国語 15:30〜16:20、算数 16:45〜17:35/第 2 回・第 3 回 集合 8:20 |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。J_DES はこの学校が使っている換算点の名称ですが、中身を説明する資料が手元にないため、ここではそのまま名称のみを記します。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校は「同じ種類の問題が、毎年同じ場所に出る」学校です。ただし「同じ問題が出る」わけではなく、数値まで同じ再出題は、今回読んだ 12 冊の中にはありませんでした。
- 算数は大問 6 題・大問 1 が計算 4 問・大問 2 が食塩水など 6 題×各 2 問の小問集合という形が長く固定しています。社会は地理→歴史→公民の並びが 4 年連続、国語は漢字→語句→説明文→物語の並びが不動です。理科だけは 4 分野を 1 つずつ配りますが、並び順は毎年入れ替わります。
- 過去問の使い方は「単元の解き方を、決まった場所で確実に出せるようにする」に最も近く、年度を通しで時間を計る演習と、同じ座席(問題の置き場所)だけを何年分か縦に解く演習の両方に価値があります。
家でやること 3 つ
- 算数・大問 2 の 12 問(食塩水・割合と比・売買損益・流水算・角度)を、6 題×2 問の単位で速く正確に解く練習をします。
- 社会の歴史の人物名を漢字で書く練習と、理科の「①②の正誤を組み合わせて記号で答える」問題に慣れる練習をします。
- 国語の漢字の書き取りを毎日 8〜10 問と、大問 4 の最後に来る「作品全体をふまえた記述」を書く練習をします。
今週やる 1 つ
- 算数・大問 1 の計算 4 問(分数と小数の混合、帯分数、□が式の途中に入る逆算)を、時間を計って解いてみます。
注意
- 理科・社会は 2021 年度以降、国語は 2019 年度以降の問題が資料に無いため、直近の形式は市販の過去問集で確認してください(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの主要単元を数えただけの年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 資料の無い年度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2024・2025・2026) | 15 年(2009〜2023) | 18 年(2009〜2026) | なし |
| 理科 | 3 年(2018・2019・2020) | 9 年(2009〜2017) | 12 年(2009〜2020) | 2021 年度以降 |
| 社会 | 3 年(2018・2019・2020) | 8 年(2009〜2017、2012 を除く) | 11 年(2009〜2020、2012 を除く) | 2012、2021 年度以降 |
| 国語 | 3 年(2015・2016・2018) | 5 年(2009〜2012・2014) | 8 年(2009〜2018、2013・2017 を除く) | 2013・2017、2019 年度以降。著作権処理の関係で掲載されない年が多い |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。使った資料は各年度・各科目 1 冊ずつで、資料そのものの取り違え(他校の問題が混じる、年度がずれる)は、今回読んだ 12 冊では見つかりませんでした。
- どの回の問題かは資料に書かれていません。ただし国語・算数・理科・社会の 4 科目がそろっているので、4 科目で受ける回のものと考えられます。国語と算数の 2 科目だけの回(本情報カードの第 1 回にあたります)については、この分析からは何も言えません。
- 算数の 2009〜2026 のうち多くの冊で転写の確からしさが低めに記録されていますが、精読した 2024〜2026 の 3 冊は大問構成・設問文とも一貫しており、分析に支障はありませんでした。
5. 一番大きな結論
この学校は「同じ種類の問題が、毎年同じ場所に出る」学校である。ただし「同じ問題が出る」学校ではない。 数値まで同じ再出題は、今回読んだ 12 冊の中には無かった。
座席(問題の置き場所)の固定を科目ごとに数字で言うと、次のとおり。
- 算数: 大問 6 題という枠が 2010 年から 17 年連続(2009 年だけ 5 題)。大問 1 は計算 4 問が 18 年連続。大問 2 は「小問集合 6 題×各 2 問=12 小問」が精読した 3 年(2024〜2026)で不動。大問 3〜6 は設定を与えて 2〜5 問を積む大きめの題が 4 つ。
- 社会: 大問 1=地理、大問 2=歴史、大問 3=公民という並びが 2017 年から 4 年連続(2016 年以前は 4 大問で、地理 2 題+歴史+公民)。分量も歴史がいちばん重く公民がいちばん軽い、という配分まで動かない。
- 国語: 大問 1=漢字の書き取り、大問 2=語句・熟語、大問 3=説明的文章、大問 4=物語という並びが、資料のある年のうち 2011〜2018 の 5 年で不動。大問 1 が漢字なのは 2009 年から 8 年分すべて。
- 理科: ここだけは並びが固定していない。4 大問に物理・化学・生物・地学を 1 分野ずつ配るところまでは 3 年連続で同じだが、どの分野が何番に来るかは毎年入れ替わる(2018 は生地物化、2019 は地物生化、2020 は物地化生)。理科だけは「毎年作り直す」と考えたほうがよい。
したがって過去問の使い方は「単元の解き方を、決まった場所で確実に出せるようにする」に最も近い。年度を通しで時間を計る演習(社会・理科は 40 分で 45〜53 問と密度が高い)と、算数の大問 2 や社会の大問 3 のように同じ座席だけを何年分か縦に解く演習を、両方やる価値がある。
一方で「毎年変わるもの」もはっきりしている。算数の大問 3〜6 に入る大きめの題(水量/立体/数の性質/規則性/通過算…)、理科の分野の並びと単元、社会の題材(プロ野球・地方区分・観光立国…)、国語の大問 2 の角度。ここは幅を持って準備する。
6. この学校らしさが出る場所
- 横浜と神奈川が問題文の中に出てくる。理科は「横浜で 2017 年 7 月下旬の晴れた日に、夜空の明るい星を 20 時から 1 時間ごとに 3 枚スケッチした」(2018 大問 2)、「横浜で晴れの日の 1 日の気温の変わり方」(2020 大問 2)。社会は横浜市の昼夜間人口比率(2018)、横浜市の外国人宿泊者数(2018)、神奈川県の製造品出荷額(2018)、東京・神奈川・茨城・群馬の土地利用と昼間人口比率(2019)、札幌・横浜・名古屋・大阪の月降水量(2020)。地元を素材にした統計や観察が、複数科目にまたがって出る。
- 社会は「身近な話題を入口にして、制度と統計を問う」。プロ野球 12 球団の本拠地から日本の産業と人口へ(2018 大問 1)、明治維新 150 年から歴史通史へ(2019 大問 2)、インバウンド観光から統計・税・地方財政へ(2020 大問 1)。入口はやわらかいが、問われるのは表とグラフの読み取り。
- 歴史の「見方」そのものを問う年がある。2020 の大問 2 は「鎌倉幕府は何年に成立しましたか」という問いから始まり、『平家物語』『読史余論』の現代語訳を資料として読ませ、最後に「歴史を学ぶうえで注意すべきこと」を本文に照らして選ばせる。年号の暗記ではなく、史料の性格を考えさせる作りになっている。
- 理科は「自分で作る・自分で並べる」実験が題材になる。さおばかりを手順①〜④で自作する(2019・2020)、豆電球をたて半分に切った断面から回路を考える(2020)、ダイズの芽生えとインクの移動(2018)、ホウセンカで蒸散と光合成を調べる実験 5 つ(2020)。器具の名前より装置の仕組みを追う問いが多い。
- 国語は「言葉について考えた文章」が繰り返し出る。外山滋比古が 2011 年と 2016 年の 2 回、伊藤進『〈聞く力〉を鍛える』(2010)、柏木博『「しきり」の文化論』(2018)、長田弘『なつかしい時間』(2015)。話す・聞く・翻訳・区切るといった、日常の言語行動を対象にした評論が中心にあるように見える。
- 算数は「言葉で長く説明された設定を、自分で図に直す」問題が最後に来る。街灯と兄弟の影(2025 大問 5)、正方形 4 個をつないだ図の最短経路(2025 大問 6)、トンネルに入る 2 つの列車(2026 大問 6)。計算力より、状況を再現する力を最後に測っているように見える。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前の方は、この節を「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。同じ座席を縦に解く演習は小 6 の夏以降が目安です。
各項目の根拠(年度と大問の中身)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [週末 60 分] 算数・大問 2 の 12 問 — 6 題それぞれに①②がぶら下がる形で、食塩水(2024・2025・2026 の 3 年連続)、割合と比(3 年連続)、売買損益(2024・2026)、流水算(2025・2026)、角度(2025・2026)の 5 単元が精読した 3 年で毎年 2〜3 題を占め、算数の得点の 4 割強がここに集まります。①でつくった値を②で使う作りが多いので、①を出したら見直す習慣をつけます。食塩水はとくに毎年入り口が違う(2 種類を混ぜて水を足す/水に食塩を溶かして別の食塩水と混ぜる/2 種類を比で混ぜてから水を加える)ので、てんびん図と面積図の両方を使えるようにしておきます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 1 の計算 4 問と、大問 3〜6 の常連単元 — 大問 1 の計算 4 問(分数と小数の混合、帯分数、□が式の途中に入る逆算)は 18 年間座席が動いておらず、確実に得点したい場所です。大問 3〜6 では水量とグラフ(2024 の給排水の水そう、2026 の円柱を傾ける・グラフの折れ目が何を意味するかを言葉にする練習を)、立体図形(2024 の投影図から個数と表面積を出す問題。机に接する面も表面積に含める条件の読み落としに注意)、数の性質と約束記号(2025 は余りの条件、2026 は各位の積。書き出して規則を見つける手を鍛える)が繰り返し出ます。2026 は流水算(大問 2)と通過算(大問 6)が同時に出たので、速さ系は公式暗記でなく川の流れ・列車の長さを図に描く練習を。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 社会・歴史の人物名を漢字で+正誤組み合わせ・年代並べかえ — 本文の空らんに人物名や都市名を漢字で書かせる形が 3 年連続(2019 は空らん 9 か所すべて、2018 は 6 か所、2020 は 4 か所)で、読めるだけでは点になりません。あわせて X・Y(または X〜Z)の正誤の組み合わせ(2018 に 6 問、2019 に 1 問、2020 に 5 問。1 文ずつ「どこが違うか」を言えるようにし、2 文とも判定できて初めて 1 問)と、古いものから年代順に並べる問題(2018・2020 に各 2 問。○○年の暗記より「原因→結果」の順序で覚えるほうが効きます)にも慣れておきます。(確認: 〜2020 年度)
- [週末 60 分] 社会・統計表の A〜D 当てはめと、公民は前年の出来事や憲法条文から — 都道府県別の農業産出額・工業出荷額・昼間人口比率・雨温図を当てる問題で、神奈川・東京・千葉・群馬など関東の県を比べる問題が 2018・2019 と 2 年続きました。公民は前年の出来事(米朝首脳会談 2019、トランプ大統領就任 2018、観光立国推進基本法とインバウンド 2020)や憲法条文(施行 70 年 2018、第 14 条 2020)から入るので、ニュースを「どの制度・どの計算につながるか」で整理し、三権分立・議院内閣制・裁判員制度・選挙まで空欄補充できる形にしておきます。資料から読み取る記述(戸籍のグラフ、古典の現代語訳、写真と表)は「資料に書いてあること+そこから言えること」の 2 段で書く形を固めます。(確認: 〜2020 年度)
- [週末 60 分] 理科・「①②の正誤の組み合わせ」 — 〇〇ならア、〇×ならイ、×〇ならウ、××ならエ。2018 に 8 問、2019 に 4 問、2020 に 5 問と 3 年連続でまとまって出ました。市販の一問一答を「2 文セットで両方裁く」形に自分で組み替えて解くと、2 文とも正しく裁けないと 1 点にならないこの形式に慣れられます。(確認: 〜2020 年度)
- [週末 60 分] 理科・水溶液の判別と、てこ・電気回路・人体 — 水溶液の判別(2018 は 6 水溶液×6 実験の〇×表、2019 は濃度と硫酸銅、2020 は固体 X の溶解度表と食塩の再結晶と 3 年連続。リトマス紙・においをかぐ・蒸発させる・石灰水に通す、といった実験と 6 種類の水溶液のマトリクスを表の形で書けるようにする)と、飽和水溶液の濃度・冷やして出る量・水を蒸発させて出る量の 3 通りの計算を押さえます。あわせて、てこ・つり合い(2019・2020 と 2 年連続、さおばかり・棒の重心)、電気回路の「明かりがつくか・電流が流れるか」(2020 大問 1。豆電球の内部構造・LED の足の長短・ショート回路まで)、人体(消化管の順序・小腸の吸収・腎臓の位置と数・ヒトの誕生〔受精から約 38 週〕。12 年で 6 回といちばん出題頻度が高い単元)も仕上げます。(確認: 〜2020 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字の書き取り 8〜9 問 — 8 年間ずっと大問 1 がこれで、読みは出ません。送り仮名つき(「耕した」「肥えた」「熟した」)も毎日混ぜて練習します。(確認: 〜2018 年度)
- [週末 60 分] 国語・作品全体をふまえた記述 — 大問 4 の最後の 1 問が 3 年連続でこれ(2015・2016・2018)。60〜80 字で「変化」を、場面の要約ではなく変化の説明として書く練習をします。(確認: 〜2018 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(50 分・100 点・6 大問・26〜29 小問)
原本を読んだ年度: 2024・2025・2026 の 3 年(大問構成と単元の並びは、機械が起こした 2009〜2026 の 18 年分の題材表でも確認した)。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2(小問集合・6 題×各 2 問) | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 計算 2 問+逆算 2 問 | 食塩水/売買損益(りんご 40 個)/速さ(親子の歩幅の比)/年齢算(4 人の和 118 歳)/割合と比(男女別の入学者増減)/円とおうぎ形(半径 10cm の折り返し) | 平面図形(長方形 10cm×15cm の面積比) | 集合(ペット調査・生徒数が最少で何人か) | 立体図形(1 辺 6cm の立方体の積み上げ・三方向の見取り図) | 水量とグラフ(1 辺 40cm の水そう・給水管と排水管) |
| 2025 | 計算 3 問+逆算 1 問 | 過不足算(長いす 5 人ずつで 18 人あぶれる)/食塩水(水 315g+食塩 35g)/流水算(7.5km の往復)/数の性質(6 で割ると 2 余り 9 で割ると 5 余る)/角度(半円に直線 3 本)/割合と比+水量(円柱の容器 A・B) | 仕事算(2 人で 7/9 を 12 日) | 規則性・数列(黒白のご石で正五角形をつくる) | 影と相似(高さ 4m の街灯・身長 1.6m の兄と 1m の弟) | 推理・論理(正方形 4 個をつないだ図の最短経路・通れない点) |
| 2026 | 計算 3 問+逆算 1 問 | 売買損益(原価 400 円・半分売れ残り)/食塩水(8% と 15% を 3:2)/流水算(船 P・Q の 12 分と 21 分)/割合と比(白石と黒石 7:9)/割合と比(所持金の 1/4)/角度(角ア=角イの 3 倍) | 立体図形(半径 10cm・高さ 40cm の円柱を傾ける) | 平面図形(長方形 5 つを組み合わせる) | 数の性質(各位の数を 1 桁になるまでかけ続ける約束記号 [n]) | 通過算(秒速 12m と 18m の列車・トンネル) |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)
- 大問 1 は計算 4 問。精読した 3 年(2024〜2026)ですべて「次の□にあてはまる数を求めなさい」の 4 問で、うち 1〜2 問が逆算(□が式の途中に入る形)。機械が起こした題材表では 2009 年から 18 年続けて大問 1 の主要単元が四則計算になっている。
- 大問 2 は小問集合で、6 題それぞれに①②の 2 問がぶら下がる 12 小問。3 年連続でこの形(6×2=12)から動いていない。1 題につき 2 問なので、1 題を落とすと 2 問失う作りになっている。
- 大問 3〜6 は、設定を 1 つ与えて 2〜5 問を積む大きめの問題が 4 題。3 年とも大問 3 と 4 が 2 小問、大問 5・6 がやや多い(2〜5 小問)。
- 小問の総数は 26(2024)・29(2025)・27(2026)。18 年分の題材表でも平均 26.0、ばらつきは 4% と小さい。大問の数は 2010 年から 17 年連続で 6(2009 年だけ 5)。
つまりこの学校の算数は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校であって、「同じ問題が出る」学校ではない。数値まで同じ再出題は、精読した 3 年の範囲では見つからなかった。
大問 2 に入る 6 題の中身(精読した 3 年)
同じ枠に入る単元がかなり絞られている。
| 単元 | 2024 | 2025 | 2026 |
|---|---|---|---|
| 食塩水の濃度 | ○ | ○ | ○(3 年連続) |
| 割合と比(増減・分配) | ○ | ○ | ○×2(3 年連続) |
| 売買損益 | ○ | — | ○ |
| 流水算 | — | ○ | ○(2 年連続) |
| 角度 | — | ○ | ○(2 年連続) |
| 図形(円とおうぎ形) | ○ | — | — |
| 速さ・年齢算・過不足算・数の性質 | 速さ/年齢算 | 過不足算/数の性質 | — |
食塩水は 3 年とも出ていて、しかも設定が毎年違う(2 種類を混ぜて水を足す/水に食塩を溶かして別の食塩水と混ぜる/2 種類を比で混ぜてから水を加える)。同じ単元を、違う入り口から毎年きくのがこの枠の性格に見える。
頻出単元と周期(18 年分の題材表から)
大問 3〜6 に入る「大きめの 1 題」は年ごとに入れ替わるが、繰り返し戻ってくる顔ぶれは決まっている。
- 水量とグラフ: 2011・2012・2014・2017・2019・2021・2024・2026(円柱容器の水として)。2〜3 年周期。
- 立体図形: 2010・2015・2018・2020・2021・2024・2026。
- 平面図形(面積・面積比): 2010・2013・2014・2015・2021・2023・2024・2026。
- 数の性質: 2009・2012・2015・2018・2022・2023・2026。
- 規則性・数列: 2009・2017・2019・2025。2017・2019・2025 と 2 年おき〜6 年おきで循環している。
- 速さとグラフ(ダイヤグラム): 2010・2015・2016・2018・2019・2020・2023。精読した 3 年では 2024〜2026 に大問として来ていない。
- 通過算: 2026。精読した範囲では 18 年で初めて大問 6 に来た。
単元の分布は割合・文章題 30%/計算 17%/平面図形 16%/速さ 13%/立体図形 10%。割合・文章題と計算で半分近くを占めるのが、この学校の算数の骨格。
問い方の特徴
- 答えのみ。式や説明を書かせる設問は精読した 3 年で 0 問。100% が短答(数値・比・通り数)。
- 大問 2 の①②は「①でつくった値を②で使う」作りが多い(2024 の年齢算、2025 の食塩水、2026 の割合)。①を落とすと②も落ちる。
- 大問 6 のような最後の題は、設定を言葉で長く説明してから問う。2025 の最短経路、2026 の通過算はどちらも図 1・図 2 を見て状況を再現するところから始まる。
- 約束記号を自分で運用させる問題が 2026 の大問 5([n]=各位の数を 1 桁になるまでかけ算する)に出た。機械の題材表では 2011 年にも約束記号の大問がある。
- 「考えられる最も少ない人数を答えなさい」(2024 大問 4)、「何通りありますか」(2026 大問 5)のように、条件を満たす範囲から 1 つに絞る問い方が毎年どこかに入る。
- 円周率は 3.14。2024・2025・2026 の設問文の中で確認した(大問 2 の図形の問いに「円周率は 3.14 とします」と個別に書かれる形式)。
- 記述・作図は精読した 3 年で 0。解答用紙は問題冊子の末尾に同梱されている。
- 図を見て考える小問が全体の 33〜35%(2024 は 34.6%、2026 は 33.3%)。図が無いと解けない問題が 3 問に 1 問ある。
- 単位は問いの文中で指定される(「何 cm² ですか」「何秒後ですか」)。
- 6 大問 26〜29 問を 50 分。1 問あたり 2 分弱。大問 1 の計算 4 問と大問 2 の 12 問、合わせて 16 問を前半で処理できるかが時間の分かれ目になる。
8-2. 理科(40 分・75 点・4 大問・39〜50 小問。資料は 2009〜2020 の 12 年)
原本を読んだ年度: 2018・2019・2020 の 3 年。理科は 2021 年度以降の問題が資料に無いので、以下は 2020 年度までの話。直近の形式は市販の過去問集で確認してほしい。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018 | 生物(光合成→ヒトの消化管→ダイズの発芽と呼吸の実験) | 地学(横浜で 2017 年 7 月下旬に星をスケッチ→地層と火成岩) | 物理(正誤の組合せ 8 問→電磁石とコイル) | 化学(6 つの水溶液 A〜F を 6 つの実験で判別) | 39 |
| 2019 | 地学(グランドキャニオン旅行→堆積岩→地震の P 波・S 波) | 物理(正誤の組合せ 4 問→豆電球の回路 6 種→てこ・さおばかり) | 生物(腸と脳の情報のやりとり→腎臓→ヒトの誕生) | 化学(溶質・溶媒の用語→濃度→硫酸銅の水和) | 49 |
| 2020 | 物理(豆電球と LED の回路→さおばかりを自作する) | 地学(正誤の組合せ 5 問→岩石 A〜E の判別→月と太陽の見かけの大きさ→小惑星探査機) | 化学(固体 X の溶解度表→食塩の再結晶→6 種類の水溶液の判別) | 生物(ホウセンカの色水・蒸散・光合成の実験 5 つ) | 50 |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)
- 4 大問に物理・化学・生物・地学を 1 分野ずつ配る。精読した 3 年(2018〜2020)すべてで、4 大問がきれいに 4 分野へ分かれた。機械が起こした 12 年分の題材表でも大問数は 4 が最も多い(2013 年だけ 7)。
- ただし分野の並び順は毎年入れ替わる。2018 は生→地→物→化、2019 は地→物→生→化、2020 は物→地→化→生。「大問 1 は必ず物理」のような座席は無い。位置で覚えるのではなく、4 分野を均等に仕上げるのが正しい構えになる。
- 化学だけは 3 年とも大問 3 か大問 4、つまり後半に置かれた。
- 1 つの大問が [1][2][3] と小テーマに割れる。2019 の大問 2 は「正誤の組合せ→豆電球の回路→てこ」の 3 本立て、2020 の大問 1 は「回路→さおばかり」の 2 本立て。大問 4 題=分野 4 つでも、実際に問われる単元は年に 8〜10 個ある。
- 小問数は 39・49・50。12 年分の平均は 46.4 問。40 分で 45 問前後なので、1 問 50 秒。
この学校の理科でいちばん目立つ問い方
「①と②の 2 つの文の正誤を組み合わせて記号で答える」問題が、精読した 3 年すべての冒頭付近に出る。文面は次のとおりでほぼ同じ。
次の文章の内容が正しければ〇、正しくなければ×とします。①、②の順に〇〇であればア、〇×であればイ、×〇であればウ、××であればエと書きなさい。
- 2018 は大問 3 の (1)〜(8) の 8 問、2019 は大問 2 の (1)〜(4) の 4 問(各①②)、2020 は大問 2 の (1)〜(5) の 5 問(各①②)。3 年連続で、しかも 4〜8 問まとめて出る。
- 中身は教科書レベルの一問一答を 2 文ずつ束ねたもの(「空気は温度が上がると体積が減る」「乾電池 2 個を直列にすると豆電球は暗くなる」「地震のゆれの大きさをマグニチュードという」など)。片方だけ正しく判断できても点にならないのが特徴で、あいまいな知識が一気に落ちる作りになっている。
- 出た分野は年によって違う(2018 は物理、2019 は物理、2020 は地学)。分野を問わず「正しい/正しくない」を 2 文同時に裁く練習が要る。
そのほかの問い方の特徴
- 記述・作図は精読した 3 年で 0 問。答えは記号か語句か数値。字数指定も無い。
- 実験の手順を長く読ませてから問う。2019 のさおばかり(手順①〜④)、2020 のホウセンカ(実験 1〜5)、2018 のダイズの発芽(実験 A・B のインクの移動)。設問文の総字数は 12 年平均で約 4,970 字あり、問題文を読む量そのものが多い。
- 「誤ったものはどれですか」「間違っているものはどれですか」という消去法の問いが毎年入る(2019 大問 1(2)、2020 大問 3(2)④・大問 4(6))。
- 判別表を埋める問題が化学で繰り返される。2018 は 6 つの水溶液×6 つの実験の〇×表、2020 は 6 種類の水溶液を酸性・中性・アルカリ性に振り分ける。
- 数値の答えを選択肢から選ばせることがある(2019 大問 4(8)②、2020 大問 2 の見かけの大きさ 0.53° など)。計算しても記号で答える形。
- 図を見ないと解けない小問が 30〜51%(2018 は 51%、2020 は 48%)。
- 答え方の指定は細かい(「漢字で書きなさい」「漢字 3 文字で」「大文字のアルファベット 4 文字で」2020 大問 2(13))。「その名称を書きなさい」で終わる語句問題が全体の 3 割で、用語をひらがなで書いて減点、という取りこぼしが起きやすい。
- 40 分で 45〜50 問。読む量が多いので、知識で即答できる問題を先に拾って、実験の読み取りに時間を残す運びが要る。
頻出単元と周期(12 年分の題材表から)
- 人体: 2009・2010・2014・2015・2018・2019 と 12 年で 6 回。単元別では最多(全体の 11%)。
- 電気(回路・電流・電磁石): 2009・2012・2014・2018・2019・2020。精読した 3 年はすべて電気が入っている。
- 地層・岩石・化石: 2011・2014・2017・2019・2020。
- てこ・つり合い: 2010・2015・2016・2017・2019・2020。2019・2020 は 2 年連続でさおばかり・棒のつり合い。
- 水溶液・溶解度: 2015・2016・2018・2019・2020。2018〜2020 は 3 年連続で化学の 1 題がここ。
- 気象: 2010・2012・2013・2015・2020。
- 星・星座: 2013・2016・2018。
- 植物のつくりとはたらき: 2012・2013・2020。
分野の散らばりは広く(上位 3 群で 26% しか占めない)、特定の単元に山を張るのは向かない科目に見える。
8-3. 社会(40 分・75 点・3 大問・45〜53 小問。資料は 2009〜2020 の 11 年)
原本を読んだ年度: 2018・2019・2020 の 3 年。社会も 2021 年度以降の問題が資料に無いので、以下は 2020 年度までの話。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2(歴史) | 大問 3(公民) | 小問数 |
|---|---|---|---|---|
| 2018 | プロ野球 12 球団の本拠地から日本の産業と人口へ(16 問) | 「日本で最も高い山は」から日本の範囲と領土の歴史・原始から戦後まで通し(27 問) | 日本国憲法施行 70 年 → 三権分立・国会・裁判所・地方自治(10 問) | 53 |
| 2019 | 7 地方区分と都道府県の統計(人口・工業・雨温図・在留外国人)(14 問) | 明治維新 150 年から遡り、飛鳥から戦後までの人物 9 人を空らんで(28 問) | 米朝首脳会談 → 国際機関・内閣・国会・社会保障・税(9 問) | 51 |
| 2020 | 観光立国(訪日外国人の統計・ふるさと納税・シンガポール・北海道)(15 問) | 「鎌倉幕府は何年に成立したか」から歴史の見方を問う(史料 2 点つき)(20 問) | 憲法第 14 条「法の下の平等」→ 三権分立・裁判員制度・選挙・地方自治(10 問) | 45 |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)
- 大問 1=地理、大問 2=歴史、大問 3=公民。精読した 3 年(2018〜2020)ですべてこの並び。機械が起こした題材表でも 2017 年から 4 年続けて 3 大問・この順になっている(2016 年以前は 4 大問で、地理 2 題+歴史+公民の形)。
- 分量の配分も固定。歴史の大問 2 が 20〜28 問といちばん重く、公民の大問 3 は 9〜10 問と軽い。地理は 14〜16 問。3 年とも歴史が全体の 4〜5 割を占める。
- 大問 1 の地理は、必ず「いま話題になっていること」から入る。プロ野球(2018)、地方区分(2019)、インバウンド観光(2020)。入口は身近だが、問われるのは統計表・グラフ・雨温図の読み取り。
- 大問 3 の公民は、必ず前年の出来事か憲法条文から入る。憲法施行 70 年(2018)、米朝首脳会談(2019)、憲法第 14 条(2020)。
- 大問 2 の歴史は「長い文章に下線と空らんを入れ、そこへ問いをぶら下げる」形。3 年とも本文は 1 本の通し文章で、原始・古代から戦後まで時代を横断する。
この学校の社会でいちばん目立つ問い方
- 本文中の空らんに人物名・語句を漢字で書かせる。2019 の大問 2 は空らん 1〜9 のすべてが人物名または都市名で、設問文は「文中の空らん 1 にあてはまる人物を漢字で答えなさい」の形で並ぶ。2018 も【A】〜【F】の 6 か所、2020 も[A]〜[D]の 4 か所。書き取りができないと落ちる設計で、3 年連続。
- X・Y(または X〜Z)の正誤の組み合わせを選ばせる。「述べた文 X・Y の正誤の組み合わせとして正しいものを次の 1〜4 から 1 つ選び、番号で答えなさい」。2018 に 6 問、2019 に 1 問、2020 に 5 問。歴史と公民の両方で出る。
- 古いものから年代順に並べる。「文 X〜Z について、古いものから年代順に正しく並べたものを次の 1〜6 から」。2018 に 2 問、2020 に 2 問。
- 「まちがっているもの」「適当でないもの」を選ぶ。毎年 3〜5 問。しかも 2019 には「なお、すべて適当な場合には『5』と答えなさい」という選択肢が 2 か所ある(大問 1 問 8、大問 3 問 9)。消去法で 4 つ全部を吟味させる作り。
- 統計表の A〜D を都道府県・国に当てはめる。地理の中心。2018 は東北各県の田の割合と農業産出額、2019 は東京・神奈川・茨城・群馬の土地利用と昼間人口比率、2020 は訪日外国人の出身地と外国人宿泊者数。1 問で 2 つ答えさせることが多い。
記述(説明を書かせる問題)
- 毎年 2〜3 問。全小問に対する割合は 4〜7%。
- 字数指定は精読した 3 年で無い。代わりに「解答らんに合うように」「次の語句を用いて」という枠の指定がある(2020 大問 3 問 6 は《国会・内閣・連帯責任》の 3 語指定で議院内閣制を説明)。
- 中身は「資料から読み取ったことを説明する」ものが中心。
- 2019 大問 2 問 9: 902 年の阿波国の戸籍から作った年齢別人口のグラフに「女子が極端に多い」「20 歳以下が極端に少ない」という不自然さがある。その理由を、律令制の税負担の表を見て説明する。
- 2020 大問 2 問 10: 『平家物語』の現代語訳から、平氏がどこから収入を得ていたかを読み取って書く。
- 2020 大問 1 問 10: 徳島県祖谷地区の写真 2 枚と、韓国・シンガポールのリゾート開発をまとめた表を見て書く。
- 2018 大問 1 問 2: 映画会社の球団売却の背景(映画館に行く人が減った)を説明する。
- 2018 大問 3 問 6(2): 三権分立が憲法で規定された理由。
- 知識をそのまま書く記述は少なく、目の前の資料から因果を組み立てる記述が多い。
頻出単元と周期(11 年分の題材表から)
- 三権分立・国会・内閣・裁判所: 2010・2013・2016・2018・2020。公民の大問 3 の中心で、11 年で 5 回。
- 歴史-古代〜中世が歴史全体の 22%。鎌倉・室町(2009・2015・2020)、飛鳥・奈良(2011・2013・2017)、平安(2019)。
- 貿易・資源・エネルギー: 2013・2015・2016・2020。
- 人口・都市問題: 2010・2014。
- 国際社会・国際協力: 2009・2010・2019。
- 選挙制度: 2011・2017。
- 分野の重みは 歴史(古代〜中世 22%+近現代 14%)/公民(憲法・政治 18%)/地理(産業 13%+地図・地形・気候 8%)。
形式面の注意(社会)
- 選択肢は 1〜4 の番号(一部 1〜6)。「記号で答えなさい」と「番号で答えなさい」が混在するので、解答欄の指示を読む。
- 漢字指定・カタカナ指定が多い(「漢字 2 字で」2018 大問 2 問 11、「カタカナで」2018 問 12・問 17・2019 問 19、「大文字のアルファベット」…)。
- 作図は精読した 3 年で無い。
- 図・表・写真を見ないと解けない小問が 20〜36%。地理の大問 1 はほぼすべて資料つき。
- 40 分で 45〜53 問。1 問 50 秒で、しかも本文が長い(設問文の総字数は 11 年平均で約 7,800 字)。本文を先に通読するか、下線ごとに拾い読みするかを決めておく必要がある。
8-4. 国語(50 分・100 点・4 大問・26〜29 小問。資料は 2009〜2018 の 8 年)
原本を読んだ年度: 2015・2016・2018 の 3 年。国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。2013・2017 も同じ理由で資料が無い。ここに書いたのは 2009〜2018 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してほしい。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3(説明的文章) | 大問 4(物語・小説) | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2015 | 漢字の書き取り 8 問 | 熟語(同じ漢字が他と違う意味で使われているものを選ぶ)4 問 | 長田弘『なつかしい時間』— 猫と暮らすこと、言葉と「うつくしい」(7 問) | 内海隆一郎『欅通りの人びと』— 犬(イングリッシュ・ポインター)と飼い主(7 問) | 26 |
| 2016 | 漢字の書き取り 8 問 | 四字熟語の空欄+成り立ちの説明 4 問 | 外山滋比古『考えるとはどういうことか』— 話すこと・翻訳(8 問) | 柳月美智子『しずかな日』— バットが欲しい「ぼく」と母(9 問) | 29 |
| 2018 | 漢字の書き取り 9 問 | 語句の意味(かりそめ・あどけない・しきたり・とどのつまり)4 問 | 柏木博『「しきり」の文化論』— 時間による区切り、ナバホ族と白人(8 問) | ピアノコンクールを舞台にした小説(出典は資料に載っていない)(8 問) | 29 |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)
- 大問 1=漢字の書き取り、大問 2=語句・熟語、大問 3=説明的文章、大問 4=物語。精読した 3 年(2015・2016・2018)すべてでこの並び。機械が起こした題材表でも 2011 年以降は 4 大問で、大問 1 が漢字の書き取りなのは 2009 年から 8 年分すべて。
- 漢字はカタカナを漢字に直す 8〜9 問だけ。読みは精読した 3 年で出ていない。
- 大問 2 の中身は毎年入れ替わる。熟語の意味の異同(2015)、四字熟語(2016)、語句の意味(2018)、そのほか機械の題材表では熟語の構成(2015)・語彙と季節(2014)が入っている。「語句の知識を 4 問」という枠だけが固定で、どの角度から来るかは読めない。
- 大問 3 が説明的文章、大問 4 が物語という順序も 3 年とも同じ。設問数は各 7〜9 問。
出典の傾向(資料にある 2009〜2018 の 8 年)
- 説明的文章(大問 3 相当)は言葉・考えることについての評論やエッセイが目立つ。外山滋比古『わが子に伝える「絶対語感」』(2011)・『考えるとはどういうことか』(2016)と同じ著者が 2 回、伊藤進『〈聞く力〉を鍛える』(2010)、柏木博『「しきり」の文化論』(2018)、長田弘『なつかしい時間』(2015)。科学・環境の評論も入る(石井威望『科学技術は人間を変えるか』2009、佐倉統『わたしたちはどこから来てどこへ行くのか?』2012、立花隆『エコロジー的思考のススメ』2014)。
- 物語(大問 4 相当)は子どもと大人・家族・地域の関係を描いた現代の小説。今江祥智『ひげがあろうがなかろうが』(2009)、北村薫『月の砂漠をさばさばと』(2010)、石川結貴『小さな花が咲いた日』(2011)、関口尚『はとの神様』(2012)、那須正幹『ぼくら海へ』(2014)、内海隆一郎『欅通りの人びと』(2015)、柳月美智子『しずかな日』(2016)。
- 出典の刊行年は 1986 年から 2013 年まで幅がある。新刊ばかりを追う必要はない。
問い方の特徴
- 選択肢は 4 つ(ア〜エ)が基本。「最もふさわしいものを次のア〜エの中から選び、記号で答えなさい」という言い回しで、精読した 3 年の選択問題のほぼ全部がこの形。
- 記述は毎年 3〜5 問(2015 は 3 問、2016 と 2018 は各 5 問)。全小問に占める割合は 12〜17%。
- 記述の字数指定は年によって違う。2016 は「二十字程度」「六十字以内」、2018 は「二十五字以内」「六十字以内」、2015 は「八〇字以内」。一方で字数を指定しない「わかりやすく説明しなさい」も毎年ある(2015 大問 4 問七、2016 大問 4 問四・問七・問九、2018 大問 4 問七・問八)。
- 本文全体をふまえて答える記述が、大問 4 の最後に置かれる。2015「香川さんにとってこの犬はどのような存在であったと言えますか。作品全体をふまえて」、2016「母さんとぼくの二人だけの世界から、景色はみるみる広がっていった、とはどのようなことか」、2018「亜夜はどのように変化したと考えられますか。本文全体を踏まえて」。3 年連続で、最後の 1 問が作品全体をまとめる記述。
- 空欄に入れる形の記述もある。2018 大問 3 問六は「人間は主に①【五字以内】時間のしきりで行動しているが、②【三十五字以内】から。」という文を完成させる形。
- 抜き出しは字数と受け皿の形が指定される。「『存在』につながる形で本文中から」(2015)、「『〜である点』につながるように、本文中から十三字で」(2018)、「漢字二字でぬき出しなさい」(2018)。
- 慣用句・体の一部を使う語が読解の中で問われる。「筋がいい」「まなじりを決して」「つぶさに」「くびっぴきで」「虚をつかれた」(2015)、「相好を崩す」「面喰らったような」、体の一部を示す語を自分で入れる(2018)。
- 表現の効果を問う設問が入る年がある(2015 大問 4 問五「窓の外は冬陽がかげって…」の表現がもたらすもの)。
- 50 分で 26〜29 問。本文は 2 題合わせて 8,000 字前後(8 年平均で約 7,900 字)。読む量が多く、記述もあるので、前半の漢字・語句 12〜13 問を 5 分以内で終える運びが要る。
- 図・グラフを使う設問は 8 年間で 0。
- 記述の解答欄は字数指定のあるものとないものが混在する。字数指定が無い記述は、解答欄の大きさが分量の指示になる。
- 漢字は送り仮名つきの出題がある(2015「タガヤした」、2016「コえ」、2018「ジュクした」)。
- 2018 の大問 1 は「ボウエキ」「ソウジュウ」を 1 字ずつ 2 問に割って出しており、9 問になっている。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
理科・社会・国語の「最後の出題年」は資料のある最終年(理科・社会 2020、国語 2018)までの話で、それ以降に出ているかどうかはこの資料からは分からない。
| 科目 | 単元 | 出題年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 速さとグラフ(ダイヤグラム) | 2010・2015・2016・2018・2019・2020・2023 | 2023 | 精読した 2024〜2026 の 3 年では大問に来ていない。戻る候補の筆頭 |
| 算数 | 場合の数 | 2013・2020 | 2020 | 大問としては 2020 が最後 |
| 算数 | 点や図形の移動 | 2014・2021・2022 | 2022 | 2023 年度以降は大問に無い |
| 算数 | 規則性・数列 | 2009・2017・2019・2025 | 2025 | 2 年おき〜6 年おきで循環しており、2025 に大問として戻った |
| 理科 | 星・星座 | 2013・2016・2018 | 2018 | 2〜3 年周期だったが 2019・2020 に大問として無い(2020 年度までの資料での話) |
| 理科 | 気体の性質・実験器具 | 2010・2011・2014・2017 | 2017 | 2018 以降は大問に無い |
| 理科 | 熱と状態変化 | 2009・2012・2013 | 2013 | 2014 以降は正誤問題の 1 文として出るだけ |
| 理科 | 流水のはたらき | 2009、2019(小問) | 2009 | 大問としては 2009 のみ |
| 社会 | 林業・森林 | 2009・2011 | 2011 | 11 年で 2 回。長く空いている |
| 社会 | 交通・通信網 | 2011・2015、2019(小問) | 2015 | 大問としては 2015 が最後 |
| 社会 | 財政・税・社会保障 | 2014(大問)、2019・2020(小問) | 2014 | 大問としては 2014 が最後。小問では毎年触れられる |
| 社会 | 世界地理を正面から | 2020(シンガポール、小問止まり) | 2020 | 小問止まり。国際社会(2009・2010・2019)と合わせて周期的 |
10. 形式面の注意
- 算数: 60 分ではなく 50 分・6 大問・26〜29 小問。円周率は 3.14(2024・2025・2026 の設問文で確認。図形の問いごとに「円周率は 3.14 とします」と書かれる)。記述・途中式・作図は精読した 3 年で 0 問。図を見ないと解けない小問が 33〜35%(2024 は 34.6%、2026 は 33.3%)。単位は問いの文中で指定される(「何 cm² ですか」「何秒後ですか」)。解答用紙は問題冊子に同梱。6 大問 26〜29 問を 50 分で解くため 1 問あたり 2 分弱、大問 1 の計算 4 問と大問 2 の 12 問、合わせて 16 問を前半で処理できるかが時間の分かれ目になる。
- 理科: 記述・作図・字数指定は精読した 3 年(2018〜2020)で 0。記号選択が 59〜70%、残りは語句か数値の短答。答え方の指定が細かい(「漢字で」「漢字 3 文字で」「大文字のアルファベット 4 文字で」)。「その名称を書きなさい」で終わる語句問題が全体の 3 割で、用語をひらがなで書いて減点、という取りこぼしが起きやすい。図つきの小問が 30〜51%。40 分で 45〜50 問と読む量が多いので、知識で即答できる問題を先に拾って、実験の読み取りに時間を残す運びが要る。
- 社会: 選択肢は 1〜4 の番号が基本(一部 1〜6)。「記号で」と「番号で」が混在する。記述は毎年 2〜3 問で、字数指定は精読した 3 年で無く、代わりに「解答らんに合うように」「次の語句を用いて」の指定が付く。漢字・カタカナの文字種指定が多い(「漢字 2 字で」「カタカナで」「大文字のアルファベット」)。作図は無い。「すべて適当な場合には 5 と答えなさい」という選択肢が 2019 年度に 2 か所ある。図・表・写真を見ないと解けない小問が 20〜36%で、地理の大問 1 はほぼすべて資料つき。40 分で 45〜53 問(1 問 50 秒)で本文が長い(設問文の総字数は 11 年平均で約 7,800 字)ため、本文を先に通読するか下線ごとに拾い読みするかを決めておく必要がある。
- 国語: 記述は毎年 3〜5 問。字数指定のあるもの(二十字程度・二十五字以内・六十字以内・八〇字以内)と、指定が無く解答欄の大きさで判断するものが混在する。抜き出しは「〜につながる形で」「十三字で」と受け皿が指定される。漢字は書き取りのみで読みは出ない(送り仮名つきの出題あり)。図・グラフを使う設問は 8 年間で 0。50 分で本文 2 題合わせて 8,000 字前後(8 年平均で約 7,900 字)を読むため、前半の漢字・語句 12〜13 問を 5 分以内で終える運びが要る。
11. 学年別ロードマップ
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(分数・小数の混合と逆算)、図形を分解して見る目、物語と説明文の読解、40〜60 字の短い記述、漢字の書き取り。この学校で最後まで効くのは「計算 4 問を落とさない」「漢字 8〜9 問を落とさない」という土台で、そこは小 4 から積める。時間を計る練習はまだ要らない。 |
| 小 5(幅) | 算数は割合・文章題を厚く(食塩水・売買損益・速さ・過不足・年齢算・流水算)。この学校の大問 2 は 3 年ともここから 6 題を選んでいる。理科は物理・化学・生物・地学を偏りなく一巡する(並び順が毎年変わるので、苦手分野を残すと直撃する)。社会は歴史の人物名を「読める」から「漢字で書ける」へ。国語は語句・四字熟語・慣用句を系統立てて。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にし、平日 15 分は漢字・語句と社会の人物名の書き取りに、週末 60 分は算数の単元一巡と理科の分野一巡に充てる。 |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目。夏以降は、①年度を通して時間を計る回(理科・社会を先に)と、②算数の大問 2 だけ・社会の大問 3 だけを何年分か縦に解く回を分ける。記述は社会(資料から因果を書く)と国語(作品全体をまとめる)で性格が違うので、別々に練習する。 |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 算数の大問 1・2 と国語の大問 1・2、合わせて 16+12=28 問ぶんの「決まった場所の決まった問題」は、量をこなした年数がそのまま効く場所である。ここは小 4・小 5 の積み上げが最も素直に返ってくる。逆に理科の 4 分野均等と社会の記述は小 5 以降でも間に合う性質なので、早く始められるなら計算と漢字と割合・文章題に時間を寄せるのが、この学校に向けた素直な順序に見える。
12. この学校と併願するなら
観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか」だけです。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は見ていません。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100・100 が最も近い)で、自動集計によるものです。「同じ問題が出る」という意味ではありません。
- 星野学園中学校(埼玉県・共学・近さ 83): 算数が最も近く(88)、国語も近い(79)。理科・社会は比較できるだけの資料がありません。
- 日本大学第三中学校(東京都・共学・近さ 82): 4 科すべてが近い唯一の学校で、とくに社会(86)と国語(85)が近い。2027 年度は 02/02 の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
- 鎌倉女学院中学校(神奈川県・女子校・近さ 81): 算数(84)と社会(82)が近い。2027 年度は 02/01・02/02 の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
第 1 回(2 月 1 日午後)は国語・算数の 2 科目入試です。併願先が 4 科目校の場合、理社は本校の準備とは別に立てる必要があります。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
13. 資料の限界
- 使ったのは各年度・各科目 1 冊ずつで、どの回の問題かは資料に書かれていない。4 科目がそろっているので 4 科目で受ける回のものと考えられるが、断定はできない。国語・算数の 2 科目だけの回、帰国生の回については何も言えない。
- 理科と社会は 2021 年度以降、国語は 2019 年度以降の資料が無い(国語は著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。この 3 科目について「直近はこうなっている」とは言えない。市販の過去問集で、大問の数と並び、記述の分量を確認してほしい。社会は 2012 年度、国語は 2013・2017 年度の資料も無い。
- 原本の設問文を読んだのは 1 科目につき 3 年分(算数 2024〜2026、理科・社会 2018〜2020、国語 2015・2016・2018)。それ以外の年については、大問の数・小問の数・単元の並びを機械が起こした一覧を使っており、題材の中身までは確認していない。「3 年連続」と書いたものは原本で 3 年とも確認したもの、「◯年から◯年連続」と書いたものは一覧に基づく大問の並びの話である。
- 転写は画像から文字に起こしたもので、図・写真・グラフは文字の説明に置き換わっている。図形問題の細部、統計表の数値、選択肢の一部には読み落としがあり得る。設問文の一部に誤字(原本の誤植か転写の揺れか判別できないもの)が残っている箇所がある。
- 「同じ問題の使い回し」は両年の設問文を原本で確認したものだけを実例にした。数値まで同一の再出題は、今回読んだ 12 冊の中では見つかっていない。
- 配点は科目ごとの満点しか分かっておらず、小問ごとの重みは分からない。優先順位は設問数をもとにしたものである。
- 「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題の意図を裏づける資料は無い。難易度・合格可能性・学校の方針については扱っていない。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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