相洋中学校 の過去問分析
相洋中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
相洋中学校 過去問分析(2010〜2023 年度・回の表記なし・4 科目)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県小田原市 |
| 男女 | 共学 |
| 旧称 | 小田原夜間中学校(改称前) |
入試回・日程・科目・配点(2027 年度)
| 回 | 日程 | 科目 | 試験時間 | 配点 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第 1 回 A | 2 月 1 日 | 2 科・4 科より選択 | 国語 45 分・算数 45 分・社会 30 分・理科 30 分 | 国語 100・算数 100・社会 100・理科 100 | 面接あり(各回試験終了後、受験番号順に実施) |
| 第 1 回 B | 2 月 1 日 | 国語・算数(2 科) | 国語 45 分・算数 45 分 | 国語 100・算数 100 | 面接あり |
| 第 2 回 A | 2 月 2 日 | 2 科・4 科より選択 | 国語 45 分・算数 45 分・社会 30 分・理科 30 分 | 国語 100・算数 100・社会 100・理科 100 | 面接あり |
| 第 2 回 B | 2 月 2 日 | 得意 1 科目(国語・算数・英語から選択) | 得意 1 科目 45 分 | 得意 1 科目 100 | 面接あり。英語受験者の面接は日本語・英語の両方で実施 |
| 第 3 回 | 2 月 4 日 | 2 科・4 科より選択 | 国語 45 分・算数 45 分・社会 30 分・理科 30 分 | 国語 100・算数 100・社会 100・理科 100 | 面接あり |
| 帰国子女入試 | 1 月 6 日 | 国語・算数 | 国語 45 分・算数 45 分 | 配点不明 | 募集人数は若干名(第 3 回に含まれる)。面接は日本語・英語の両方で実施 |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。全回に面接があり、筆記試験終了後、受験番号順に別枠で実施されます。第 2 回 B は 2 科・4 科ではなく得意 1 科目(国語・算数・英語から選択)で受ける回で、英語を選んだ場合の面接は日本語・英語の両方で行われます。帰国子女入試は 1 月 6 日で、募集は若干名(第 3 回に含まれる扱い)、配点は公表されておらず不明です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートが分析したのは、表紙・実施日・回の表記が残っていない冊子です。どの回に対応するかは確認できていません(→ 4 節・13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・学校の理念・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 相洋は「大問の並びが何年も動かず、そこに入る中身は毎年作り直される」学校です。算数は大問 5 題・小問 23 問・8/6/3/3/3 の並びが資料のある 11 年(2010〜2023)すべてで同一。理科・社会も大問数と分野の座席が高い確度で固定されています。
- 理科と社会の最後の方の大問は「前年 1 年間のニュース」から作られます。理科は 11 年中 9 年、社会は 11 年中 8 年以上でこの形が確認できました。4 科目のうち 2 科目で、確実に 1 大問が去年の話題から出ます。
- 「理由を説明しなさい」が 4 科目すべてに出ます。社会の記述はほぼ全部が理由説明、理科は答えを選んだ理由を続けて書かせ、国語は「〜から。」に続ける形、算数にも 2017 年度以降「求め方も簡単に説明しなさい」が入ります。
家でやること 3 つ
- 算数・大問 1 の計算 8 問を毎日 10 分。11 年とも同じ作りで、算数 23 問のうち 8 問がここです。
- 国語・漢字 10 問(読み 5・書き 5)と四字熟語 5 問を毎日。精読した 3 回とも大問一〜四で固定で、国語の半分以上がこの 20 問です。
- 理科と社会・前年 1 年間のニュースを単元の言葉に翻訳する。地震・台風・宇宙探査・外来生物・環境の法律・選挙・国際大会。2 科目それぞれで 1 大問ぶんになります。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 1(計算)と大問 2(一行問題)だけを、直近 3 回分続けて解きます。大問 1・2 で全 23 問のうち 14 問を占めるので、ここを速く正確に取れるかが得点の骨格になります。
注意
- どの冊子にも表紙・実施日・回の表記が残っていません。相洋中学校の入試は複数回に分かれていますが、ここで読んだ冊子がどの回のものかは確認できませんでした。国語は著作権処理の関係で 2010・2013・2015・2020 年度の 4 冊しかなく、実際に使えたのは 3 回だけです(→ 4 節・13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(資料はあるが精読していない年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 6 年(2015・2017・2018・2019・2020・2023。設問文まで) | 5 年(2010〜2014。大問構成・導入文・各小問の単元まで) | 11 年(2010〜2015・2017〜2020・2023) | 11 年すべて大問 5 題・小問 23 問。転写の確度は高い |
| 理科 | 3 年(2019・2020・2023。設問文まで) | 8 年(2010〜2015・2017・2018。大問構成・導入文・各小問の単元まで) | 11 年(2010〜2015・2017〜2020・2023) | 11 年すべて大問 4 題。小問数は 2013 年度までが 27〜29 問、2014 年度以降が 20〜23 問 |
| 社会 | 3 年(2019・2020・2023。設問文まで) | 8 年(2010〜2015・2017・2018。大問構成・導入文・各小問の単元まで) | 11 年(2010〜2015・2017〜2020・2023) | 11 年すべて大問 3 題。小問 19〜30 問 |
| 国語 | 3 年(2013・2015・2020) | 0 年 | 4 年(2010・2013・2015・2020) | 著作権処理の関係で掲載されない年が多い。2010 年度の冊子は転写が途中で畳まれており、この分析には使わなかった |
- 2016 年度・2021 年度・2022 年度・2024〜2026 年度は 4 科目とも資料がありません。この分析は 2023 年度までの話です。直近 3 年の形は市販の過去問集で確かめてください。
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- どの冊子にも表紙・実施日・回の表記が残っていません。相洋中学校の入試は複数回に分かれていますが、ここで読んだ冊子がどの回のものかは確認できませんでした。したがって「◯年に変わった」という言い方は本文でも極力避け、書いた箇所には必ず但し書きを付けています。
- 試験時間・配点も冊子には印字されていません。1 節の要項の数字で代用するしかありません。
- 「毎年」「〜年連続」と書いた箇所は、その年度の転写を読み直して確認したものだけです。読んでいない年のことは書いていません。
- 判読の限界: 図そのものは転写されないため、図形問題や地図問題の細部は設問文と図の説明文からの推定を含みます。
5. 一番大きな結論
相洋は「大問の並びが何年も動かず、そこに入る中身は毎年作り直される」学校です。
読んだ 11 年(国語は 3 回)で、次の並びが崩れていません。同じ問題が出るという意味ではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味です。
| 科目 | 何年つづけて同じ場所に同じ種類が出るか |
|---|---|
| 算数 | 大問 1=計算 8 問/大問 2=一行問題 6 問/大問 3〜5=誘導つき 3 問ずつ。合計 23 問。資料のある 11 年(2010〜2023)すべてで同一 |
| 理科 | 大問 4 題。大問 1=実験・観察から入る物理分野(11 年中 10 年)/大問 2=化学分野(11 年中 10 年)/大問 3・4 に生物と地学/大問 4= 1〜2 年前のニュース(11 年中 9 年) |
| 社会 | 大問 3 題(11 年すべて)。ただし分野の座席(同じ位置に同じ分野が来る決まり)は無く、大問ごとに一つの題材の周りに地理・歴史・公民が混ざる。「昨年(20xx 年)」で始まる大問が 11 年中 8 年 |
| 国語 | 大問一=漢字の読み 5/大問二=漢字の書き取り 5/大問三=語句・漢字の知識 5/大問四=四字熟語 5/大問五・六=長文読解 2 本。資料のある 3 回(2013・2015・2020)とも同じ |
いっぽうで、同じ問題がそのまま再登場した例は、11 年分の算数の全 253 小問を突き合わせて 1 組だけでした(2017 年度と 2023 年度の大問 1 (7) が一字一句同じ式)。理科には同じ設計の大問が 3 回出た例があります(大問 1 の「電気を利用した製品」= 2015・2019・2020。導入文は 2015 と 2019 が一字一句同じ)。それ以外の題材は毎年入れ替わっています。
したがって、この学校の過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではありません。次の三つが中心になります。
- 同じ座席(大問の番号)を縦に並べて解く。算数の大問 1 だけを 11 年分、理科の大問 1 だけを 11 年分、という解き方がそのまま通用します。座席が動かないので、ここに投じた練習が確実に返ってきます。
- 前年 1 年間のニュースを、理科と社会の単元の言葉に翻訳する。理科は最後の大問 1 題ぶん(11 年中 9 年)、社会も 1 大問ぶん(11 年中 8 年以上)がここから作られています。4 科目のうち 2 科目で、確実に 1 大問が「去年の話題」から出ます。
- 知識の枠を毎日ぶん回す。算数の計算 8 問、国語の漢字・四字熟語 20 問。この二つだけで、算数の 3 分の 1・国語の半分以上になります。
もう一つ、「理由を説明しなさい」が 4 科目すべてに出ることを見落とせません。社会の記述はほぼ全部が理由説明、理科は「答えを選んだ理由」を続けて書かせ、国語は「〜から。」に続ける形で書かせ、算数にも 2017 年度以降「求め方も簡単に説明しなさい」が入ります。この学校は 4 科目を通じて「なぜそうなるかを言葉にできるか」を見ているように見えます。
6. この学校らしさが出る場所
- 「相太」と「洋子」が登場します。校名の二字を分けた名前が、科目と年をまたいで出てきます。社会 2013 大問 2「洋子さんとその祖父との会話」、社会 2015 大問 2「相太郎 昨年(2014 年)、群馬県にある□と絹産業遺産群が…/洋子 そうね。」、算数 2020 大問 5「相太くんと洋子さんは表 2 を見て」、算数 2023 大問 4「相太さんと洋子さんの会話について」。4 つの年度・2 科目で確認できました。
- 学校そのものが問題の舞台になります。理科 2011 大問 3「お医者さんと相洋中学生との会話文」、理科 2013 大問 2「相洋中学校の理科実験室において」、理科 2014 大問 2「相洋中学校の理科部に、謎の液体 A〜F が持ち込まれました」・大問 3「相洋中学校では、夏休みに自由研究があり、文化祭で発表があります」、理科 2018 大問 2「相洋中学校では 2 年生で DC 研究という課外活動があります。そこでは火起こし体験をします」、社会 2011 大問 3「相洋中学校・一貫コースでは、毎年夏休みに『夏季学習合宿』を…」、社会 2023 大問 1「相洋中学校では、3 年生の秋に地域研究旅行(修学旅行)を行います」。入学後の 3 年間で何をするかが、そのまま入試問題の導入文になっています。
- 極めつけは理科 2023 年度の大問 3 です。国土地理院の地図で、城山競技場を始点に相洋中学校・箱根板橋駅を通り早川を終点とする直線を引き、その標高の断面図を読ませます。設問は「相洋中学校の建物は標高およそ何 m か」「試験会場スカイホールの床から早川までの標高差は」「相洋中学校から西に続く坂道を上がると塔ノ峰・明星岳・明神岳・金時山に続く。この山々の総称は」。受験生が今まさに座っている場所の地形を、そのまま地学の問題にしている、この学校でしか作れない大問です。
- 地元・小田原と神奈川が題材に入ります。社会 2010 大問 2 は「小田原市とその周辺地域の歴史をまとめた年表」、社会 2020 大問 2 (4)③ は「10 月 12 日の朝、小田原市は市内全域の住民に『警戒レベル 4』を発令しました」、社会 2020 大問 3 は神奈川県まるごと 10 問、算数 2020 大問 5 は神奈川県の国勢調査の表です。
- 前年のニュースが 4 科目のうち 2 科目で骨になります。理科の最後の大問(11 年中 9 年)と社会の 1 大問(11 年中 8 年以上)。しかも扱い方が「知っているか」ではなく「そこから単元の話に降りられるか」で、2023 年度理科のプラスチック資源循環促進法は、法律の名前を問うのではなく「海の生き物への悪影響」「3R とは」「家庭でできること」を書かせます。
- 「あなたの考え」を書かせる問いが科目をまたぎます。理科 2023「プラスチック問題を解決するために家庭でできることは何ですか」、国語 2020「現在の地球環境の良い点、または悪い点に関するあなたの考えを五十字程度で自由に書きなさい」、社会 2020「避難をする前に備えておくべきことの例を 3 つあげ、それぞれ説明しなさい」。正解が一つに決まらない問いを、資料や自分の生活に結びつけて書かせるのがこの学校の一貫した色に見えます。
- 算数にも会話文と身近な場面が入ります。2019 大問 4 はラーメン屋のメニューとトッピング、2023 大問 4 は時計のデザインをめぐる会話、2023 大問 5 はロボットへの命令の手順図。単元名で呼びにくい入口から、条件を整理する力を見にきます。
7. 今からやるなら(優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前の方は、この節を「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に。学年別の順序は 11 節にまとめました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 8 問を毎日 10 分。11 年とも同じ作りで、算数 23 問のうち 8 問がここです。(7) の中かっこ、(8) の帯分数と小数の混在まで毎回入れます。(確認: 〜2023 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字 10 問(読み 5・書き 5)と四字熟語 5 問を毎日。精読した 3 回とも大問一〜四で固定。国語の半分以上がこの 20 問です。(確認: 〜2020 年度)
- [週 1 回] 理科と社会・前年 1 年間のニュースを単元の言葉に翻訳する。地震・台風・宇宙探査・外来生物・環境の法律・選挙・国際大会。2 科目それぞれで 1 大問ぶんになります。ニュースを覚えるのではなく、「その裏の単元は何か」を言えるようにします。(確認: 〜2023 年度)
- [週末 60 分] 社会・「理由を説明しなさい」を 3 文で書く。「①資料からわかる事実 → ②それが何を意味するか → ③だからこうなる」。読んだ 11 年の記述 15 問のうち 13 問がこの形です。(確認: 〜2023 年度)
- [週末 60 分] 算数・規則性を表で処理する。「表を書く → 差か周期を見つける → 何番目・何段目かを逆に求める」。大問 3〜5 に 11 年中 8 年で入る、この学校でいちばん出る単元です。(確認: 〜2020 年度)
- [週末 60 分] 国語・「〜から。」に続ける理由記述。指定語がある前提で、語を先に並べてから文にします。2020 年度の大問五は 3 問続けてこの形でした。(確認: 2020 年度)
- [週末 60 分] 算数・立体図形(積む・切る・水を入れる)。11 年中 8 年。展開図より「積み上げた立方体を数える」「水面の高さを追う」形が多いです。(確認: 〜2020 年度)
- [週 1 回] 理科・「答えを選んだ理由」を書く練習。「(前問)の答えを選んだ理由は何ですか」が繰り返し出ます。選んだ根拠を口で言えたら紙に書きます。(確認: 〜2023 年度)
8. 科目別の詳細
| 科目 | 出題形式の固定度 | 中身の性格 | 最初に時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数(45 分 100 点) | 非常に高い。大問 5 題・小問 23 問・8/6/3/3/3 の並びが 11 年不変 | 大問 1・2 の 14 問が計算と一行問題。大問 3〜5 は誘導つきで、規則性が 11 年中 8 年、立体が 11 年中 8 年 | 計算 8 問を毎日と、規則性を表で処理する手順 |
| 理科(30 分 100 点) | 高い。大問 4 題・小問 20〜23 問。物理 → 化学 → 生物・地学の並び | 最後の大問が前年のニュース。記述の量が年によって 0〜6 問と大きく振れる | 前年のニュースを単元に翻訳と、理由を 1〜2 文で書く練習 |
| 社会(30 分 100 点) | 高い。大問 3 題。ただし分野の座席は無い | 一つの題材から地理・歴史・公民をまたぐ。記号選択と短答が主軸で、記述は理由説明ばかり | 「理由を説明しなさい」の 3 文練習と、資料を読んでから書く訓練 |
| 国語(45 分 100 点) | 高い(精読した 3 回で不変)。知識 4 大問 20 問+読解 2 本 | 知識問題が全体の 55% 前後。読解は小説 1・説明文 1 で、説明文は 3 回とも自然科学系 | 漢字 10 問と四字熟語 5 問を毎日と、「〜から。」で終える記述 |
科目ごとに競技が違う、というより、4 科目が同じ二つの軸(「毎日積める知識の枠」と「理由を言葉にする力」)で貫かれているのがこの学校の顔です。
8-1. 算数(大問 5 題・小問 23 問・11 年すべて同じ)
読んだ年: 2015・2017・2018・2019・2020・2023 年度(原本の設問文を全問確認)。2010〜2014 年度は大問構成・導入文・各小問の単元まで確認。
大問の並び(2010〜2023 の 11 年すべてで同一)
| 大問 | 小問数 | 中身 |
|---|---|---|
| 大問 1 | 8 問 | 計算のみ。「次の計算をしなさい。」の一文で始まる |
| 大問 2 | 6 問 | 一行問題の集まり。「次の問いに答えなさい。」の一文で始まる |
| 大問 3 | 3 問 | 誘導つきの大問 |
| 大問 4 | 3 問 | 誘導つきの大問 |
| 大問 5 | 3 問 | 誘導つきの大問 |
8・6・3・3・3 の並びが 11 年(2010〜2023)一度も崩れていません。合計もつねに 23 問。中学入試の算数でここまで動かない例は多くありません。同じ問題が出るという意味ではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味です。
大問 1(計算 8 問)の中の並び
読んだ 6 年(2015・2017〜2020・2023)で、8 問の並び方までほぼ共通しています。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| (1)〜(3) | 整数・小数の四則。1 行で終わる短いもの |
| (4) | くふう計算(分配法則でまとめる形)。2018「4+8+12+…+36」、2019「(251−38)÷71×13」、2023「4046×4−2023×7」 |
| (5) | 分数のかけ算・わり算(帯分数を含む) |
| (6) | 小数と分数の混在、または小数点の位取り(2023「0.01÷0.001×0.0001÷0.1」) |
| (7) | 中かっこ { } を含む四則 |
| (8) | 大かっこ・帯分数・小数が全部入った、いちばん重い 1 問 |
確認できた使い回しが 1 件あります。2017 年度 大問 1 (7) と 2023 年度 大問 1 (7) は、{45−(2+3)×2}×3÷7 という一字一句同じ式です。両年の転写を突き合わせて確認しました。11 年分の算数の全 253 小問を機械的に突き合わせて、完全に同じ本文の組はこの 1 組だけでした。「同じ問題を覚える」使い方が効く学校ではありませんが、大問 1 の 8 問だけは同じ引き出しから出ていると考えてよいです。
大問 2(一行問題 6 問)に出た単元(11 年・のべ 66 問)
平面図形の面積・面積比 9 問/割合と比 7 問/数の性質 6 問/規則性・数列 5 問/縮尺・単位換算 5 問/円とおうぎ形 4 問/速さ 4 問/売買損益 3 問/場合の数 3 問/立体図形 3 問/平均算 2 問/推理・論理 2 問/集合 2 問。ほかに時計算・通過算(2 回)・つるかめ算(個数を合計から逆算する・受験用教材の単元)・和差算(受験用教材の単元)・食塩水・図形の移動・水量・逆算(□にあてはまる数を求める計算)が各 1〜2 回。
位置ごとの単元は決まっていません。6 問の中に「図形が 1〜2 問」「割合か比が 1 問」「数の性質か規則性が 1 問」が入る、という配合だけが安定しています。
大問 3〜5(誘導つきの 3 題)の題材
| 年度 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|
| 2010 | 過不足算(毎月のおこづかい・受験用教材の単元) | 平面図形の面積 | 規則性(円を三角形状に並べて囲む) |
| 2011 | 速さとグラフ(2 本のろうそくの燃え方) | 平面図形と角度(直角三角形 2 つ) | 規則性(1,2,1,3,2,1,4,… の数列) |
| 2012 | 場合の数(5 つの町をつなぐ線路) | 円とおうぎ形(大きい円の中に半径 3cm の円 7 個) | 立体図形(直方体) |
| 2013 | 立体図形(三角柱) | 規則性(お手伝いでお金が 2 倍になる) | 円とおうぎ形(半径 5cm の円 4 つ) |
| 2014 | 規則性(1 辺 2cm の正方形を階段状に並べる) | 立体図形(直方体) | 規則性(青・緑・黄のライトの点滅周期) |
| 2015 | 規則性(1 段目・2 段目…に数を並べる) | 平面図形+折り返し(正方形のまわりの長方形・直角二等辺三角形・半円) | 水量と立体(水に重りを沈める) |
| 2017 | 割合と資料(店の売上表 → 帯グラフ → 円グラフの角度) | 規則性(3 つの数字が書かれたカードの列) | 立体図形(さいころをくっつけた大きいさいころ) |
| 2018 | 平均と資料と推理(11 人 4 問のテスト結果表) | 数の性質・規則性(わり切れない小数の並び) | 水量と立体(ふたのない直方体の容器) |
| 2019 | 速さとグラフ(登校と待ち合わせ) | 場合の数と推理(ラーメン屋のメニューと支払い表) | 立体図形(積み上げた立方体にペンキ) |
| 2020 | 規則性(60 個のさいころを 2・3・5 の倍数で裏返す) | 立体図形(立方体の頂点で作る三角形の見え方) | 資料の読み取り(神奈川県の国勢調査) |
| 2023 | 平面図形(正方形の折り紙を 1 回折る) | 時計算(相太さんと洋子さんの会話・時計のデザイン) | 数の性質(ロボットへの命令の手順図) |
頻出単元と周期
- 規則性・数列: 大問 3〜5 のどこかに 11 年中 8 年(2010・2011・2013・2014・2015・2017・2018・2020)。2014 年度は大問 3 と大問 5 の 2 題。この学校の算数でいちばん出る単元です。
- 立体図形(水量を含む): 11 年中 8 年(2012・2013・2014・2015・2017・2018・2019・2020)。2023 年度だけ確認できませんでした。
- 平面図形・円とおうぎ形: 11 年中 6 年(2010・2011・2012・2013・2015・2023)。
- 資料・表・グラフを読ませる大問: 2017・2018・2020 の 3 回。2018 以降やや増えているように見えます。
- 大問 2 の一行問題は上の配合表のとおりで、「大問 2 に来る単元を先に読む」ことはできません。単元を絞らず、1 問 2 分で切る練習をしておくのが安全です。
問い方のくせ
- 大問 3〜5 は 3 問セットで、(1) は誘導の入口、(2) で一段深く、(3) で「では〜のときは」と条件を変えるという進み方をします。(1) を落とすと (2)(3) が全部止まる作りなので、最初の 1 問を確実に取る訓練が効きます。
- 会話文や身近な場面から入る大問が増えています。2019 のラーメン屋、2020 の国勢調査、2023 の時計と流れ図はいずれも「教科書の単元名では呼びにくい」入口で、単元名を当てるのではなく、書いてある条件を表に整理して読む力を試しています。
- 2023 年度 大問 5 は、ロボットへの命令の手順図(流れ図)を読んで整数の性質を判定させます。図の指示どおりに数を追う練習が要ります。
8-2. 理科(大問 4 題・小問 20〜23 問/2013 年度以前は 27〜29 問)
読んだ年: 2019・2020・2023 年度(原本の設問文を全問確認)。ほかの 8 年は大問構成・導入文・各小問の単元まで確認。
年度×大問の題材表(11 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2010 | ふりこ(糸の長さと 10 往復の時間) | 金属の性質 | 山のでき方(地層・火山) | 臓器移植と人のからだ |
| 2011 | 電気(トイレットペーパーの芯に巻いた電磁石) | 水を加熱したときの温度変化 | 医師と相洋中学生の会話(呼吸) | 探査機「はやぶさ」の帰還(2010 年) |
| 2012 | てこ(さおばかり) | 物体の体積と状態変化 | だ液のはたらきの実験 | 東日本大震災(2011 年 3 月 11 日) |
| 2013 | ふりこ(1 往復する時間は何で決まるか) | 相洋中学校の理科実験室での加熱実験 | 夏の大三角 | 生物多様性 |
| 2014 | 電磁石(100 回巻きと 200 回巻き) | 相洋中学校の理科部に持ち込まれた謎の液体 A〜F | ナナホシテントウの自由研究 | 台風 26 号の天気図(平成 25 年) |
| 2015 | 電気を利用した製品 ①〜⑥ | 金属を変化させる水溶液 | 地球・月・太陽の位置関係 | デング熱(前年に国内発生) |
| 2017 | 日光の性質(光) | ホウ酸と食塩の溶ける量のグラフ | だ液のはたらきの実験 | 熊本地震(2016 年) |
| 2018 | 風車 ①〜④ で風のはたらきを調べる | DC 研究の火起こし体験(燃焼) | 地層のでき方 | 2017 年 5 月に初めて日本で発見された外来生物 |
| 2019 | 電気を利用した製品 ①〜⑥ | ミョウバンの溶ける量と水温 | モンシロチョウの幼虫の観察 | 北海道の地震(2018 年 9 月 6 日) |
| 2020 | 電気に関係した製品 ①〜⑥ | 水の三態(氷を熱し続ける) | 動物の分けかた(背骨・呼吸) | 「はやぶさ 2」(2019 年) |
| 2023 | さおばかり(てこ) | 実や種子のでき方(アサガオ・ツルレイシ) | 国土地理院の地図で見る相洋中学校周辺の断面 | プラスチック資源循環促進法(2022 年 4 月施行) |
大問の並びで固定されているところ
- 大問 1 は「実験・観察から入る物理分野」が 11 年中 10 年(ふりこ 2・電気/電磁石 4・てこ 2・光 1・風車 1)。例外らしい例外がありません。
- 大問 2 は「化学分野(金属・気体・熱と状態変化・水溶液・燃焼・溶け方)」が 11 年中 10 年。2023 年度だけ植物になっています。
- 大問 3 と大問 4 に、生物分野と地学分野が 1 つずつ入ります。どちらが先かは年によって入れ替わります。
- 大問 4 は「1〜2 年前に実際に起きた出来事」から作られます。11 年中 9 年(2011 はやぶさ/2012 東日本大震災/2014 台風 26 号/2015 デング熱/2017 熊本地震/2018 外来生物/2019 北海道の地震/2020 はやぶさ 2/2023 プラスチック資源循環促進法)。残る 2 年(2010 臓器移植・2013 生物多様性)も、年号こそ書かれていませんが社会で話題になっていた題材です。理科の最後の大問は「去年のニュース」で作られると考えて構いません。
同じ問い方の繰り返し(原本で確認したもの)
大問 1 の「電気を利用した製品」は 2015・2019・2020 の 3 回出ています。
- 導入文は 2015 年度と 2019 年度が「次の図は、電気を利用した製品です。このことについて、後の問いに答えなさい。」で一字一句同じです。2020 年度は「次の図は、電気に関係した製品です。」で 1 語だけ違います。
- (1)〜(3) はいずれも「〜するしくみ(目的)の電気製品はどれですか。最も適当なものを上の図から選び、番号で答えなさい。」の形です。
- (4) は 3 回とも「〜と同じ役割をする人(ヒト)のからだの部分はどれですか」で、選択肢は 2015・2019 が「ア. 目 イ. 鼻 ウ. 口 エ. 耳」で同一、2020 が「ア. 目 イ. 胃 ウ. 手 エ. 耳」です。
- 出てくる製品だけが入れ替わります(2015 はカメラ・冷蔵庫・蛍光灯など、2019 はスピーカー・電気自動車・IH・LED・スマートフォン、2020 は掃除機・太陽電池・LED 電球・プリンター・AED・電子ピアノ)。
この 1 題は「解き方を覚えれば取れる」数少ない場所です。身のまわりの電気製品について「何のエネルギーに変えているか」「人のからだのどの器官にあたるか」を整理しておくと、そのまま点になります。
溶ける量と温度のグラフを使った問題も 2017・2019 の 2 回出ています。表とグラフから「あと何 g 溶けるか」「冷やすと何 g 出るか」を出す 4 パターンの計算に慣れておくと効きます。
8-3. 社会(大問 3 題・小問 19〜30 問)
読んだ年: 2019・2020・2023 年度(原本の設問文を全問確認)。ほかの 8 年は大問構成・導入文・各小問の単元まで確認。
年度×大問の題材表(11 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2010 | 五街道と東海道をたどる | 小田原市とその周辺地域の年表 | 2009 年 8 月 31 日の新聞記事(総選挙) |
| 2011 | 尖閣諸島沖の衝突事件(2010 年 9 月) | 利根川を河口からさかのぼる | 相洋中学校の夏季学習合宿と長野県の歴史 |
| 2012 | 100 年前(1912 年)の出来事 | 松尾芭蕉『おくのほそ道』の道すじ | 日本国憲法の三原則 |
| 2013 | 東京スカイツリー開業(2012 年)と日本の建築技術 | 洋子さんと祖父の会話(ロンドン五輪) | 水と私たちの生活 |
| 2014 | 中京工業地帯 | 富士山 | 2012〜2013 年に就任した各国の元首 |
| 2015 | 日本の地形と気候 | 相太郎と洋子の会話(富岡製糸場の世界遺産登録・2014 年) | 戦後 70 年 |
| 2017 | 1920〜2010 年の日本の人口グラフ | ある学校の修学旅行の写真集 | 日本国憲法の条文 |
| 2018 | 核兵器 | 新潟県 | 祖母と孫の会話(2017 年 6 月のパンダ誕生) |
| 2019 | 征夷大将軍という役職の歴史 | 四国地方(地図つき) | 2019 年の統一地方選挙と参議院議員通常選挙 |
| 2020 | 十七条の憲法・大日本帝国憲法・日本国憲法の条文比較 | 2019 年の台風・大雨災害 | 神奈川県 |
| 2023 | 相洋中学校の地域研究旅行(修学旅行)の訪問先 | 江戸時代までの外国との関わり(九州の地図) | サッカーワールドカップ(2022 年) |
大問の並びで固定されているところ
- 大問は 11 年とも 3 題です。ただし「大問 1 が地理、大問 2 が歴史、大問 3 が公民」といった分野の座席(同じ位置に同じ分野が来る決まり)はありません。この学校の社会は、大問ごとに一つの題材(地図・年表・写真・条文・新聞記事・会話文)を置き、その周りに地理・歴史・公民をまたいで問いを並べる作りをしています。2019 年度の大問 1 は「征夷大将軍」という一語から鎌倉・室町・江戸の歴史と現在の財務省・地方自治まで行きます。2023 年度の大問 1 は修学旅行先から世界遺産・農業・工業地域・平安時代・時事へ広がります。過去問を「地理の年」「歴史の年」と分けて読んではいけません。
- 「昨年(20xx 年)」「今年(20xx 年)」という書き出しの大問が 11 年中 8 年で確認できました(2010・2011・2012・2014・2015・2018・2019・2023)。年号の明示はありませんが実質的に前年の話題である年(2013 のロンドン五輪、2020 の台風 19 号)を足すと 10 年になります。社会も理科と同じく、前年のニュースが 1 大問ぶんの骨になります。
問い方のくせ
- 記述はほぼすべて「理由を説明しなさい」です。読んだ 11 年の記述 15 問のうち、13 問が理由・目的・背景を問うものでした(2013 サマータイムの目的、2013 沖縄が水不足になりやすい理由、2015 生糸の生産量が減った理由、2017 1940〜1945 年に男性人口が減った理由、2018 越後平野で夏も川の水量が豊かな理由、2019 讃岐うどんが特産品になった理由、2023 なぜヨーロッパを「南蛮」と呼んだか)。字数指定は 11 年で一つもありません。
- 資料を渡してから理由を書かせます。2018 年度は資料 1〜4 を並べて越後平野の稲作を、2019 年度は「瀬戸内式気候」「小麦」などの資料カードを並べて讃岐うどんを説明させます。知識だけでは書けず、渡された資料の言葉を使って組み立てる必要があります。
- 「最も関係の薄いものを選びなさい」が繰り返し出ます(2020 大問 3 の (8)(9)、2023 大問 1 の (3)①)。あてはまるものではなく、外れるものを 1 つ選ばせる問い方に慣れておく必要があります。
- 会話文で進む大問が 11 年中 4 年(2013・2015・2018・2020 の一部)。登場人物は「洋子」「相太郎」「祖母と孫」などです。
- 選択肢の中身が写真やイラストのことがあります(2020 大問 3 の果物・家畜・小田原城)。写真を見て地名や品目を特定する練習が要ります。
- 一つの題材から分野をまたいで連想する作りです。「富士山」「新潟県」「四国」「神奈川県」といった大問の導入から、地形・気候・産業・その土地の歴史・関わる制度へ広げます。過去問の大問をそのまま連想の練習材料にできます。
- 憲法の条文そのものが資料になる年が 2012・2017・2020 の 3 回あります(2012 三原則、2017 条文、2020 十七条の憲法・大日本帝国憲法・日本国憲法の条文比較)。三原則と第 9 条・基本的人権は条文の言葉で覚えておくと効きます。
8-4. 国語(大問 6 題・小問 35〜37 問/2013・2015・2020 年度のみ)
読んだ年: 2013・2015・2020 年度。国語は著作権処理の関係で掲載されない年が多く、資料があるのは 2010・2013・2015・2020 年度の 4 年だけです。2010 年度の冊子は転写が途中で畳まれていて設問の実数と合わないため、この分析には使いませんでした。ここに書いたのは 2013・2015・2020 年度に限った話で、直近の形は市販の過去問集で確かめてください。
大問の並び(精読した 3 回とも同じ)
| 大問 | 小問数 | 中身 |
|---|---|---|
| 大問一 | 5 | 漢字の読み(――線部をひらがなに) |
| 大問二 | 5 | 漢字の書き取り(――線部のカタカナを漢字に) |
| 大問三 | 5 | 漢字・語句の知識(2013 は共通する漢字一字を入れることわざ、2015 はことわざの意味、2020 は部首の異なる漢字選び) |
| 大問四 | 5 | 四字熟語(2013 は一字の誤りを直す、2015 は空欄に漢字を入れる、2020 は 2 つの四字熟語に共通する漢字一字) |
| 大問五 | 8 | 長文読解 その 1 |
| 大問六 | 7〜9 | 長文読解 その 2 |
知識問題 4 大問 20 問(全体の 55% 前後)+ 長文読解 2 大問という並びが、精読した 3 回とも変わりません。この配分は中学入試の国語としてかなり知識寄りで、読解が苦手でも 20 問の知識で立て直せる作りになっています。逆に言えば、漢字・ことわざ・四字熟語を落とすと取り返しがつきません。
(2015 年度の冊子は、転写では大問一に 15 問がまとめて入っています。ただし設問番号が「1(1)〜1(5)」「2(1)〜2(5)」「3(1)〜3(5)」と枝番で残っており、実際には漢字の読み・漢字の書き取り・四字熟語の 3 大問です。ここでは実体どおり 6 大問として数えました。)
長文読解の題材と出典
| 年度 | 大問五 | 大問六 |
|---|---|---|
| 2013 | 説明文(クジラ・イルカと海の生態)※出典表記なし | 随筆(ブラジルのアメリカン・スクールでの社会科の授業)※出典表記なし |
| 2015 | 小説(初めて一人でバスに乗る少年と父)=重松清 | 説明文(クモの巣と造網性・徘徊性)※出典表記なし |
| 2020 | 小説(北海道の山間の村から出て勉強する中学二年生「ぼく」)=小檜山博 | 説明文(太陽とハビタブルゾーン、スノーボール・アース)=渡部潤一 |
出典は本文末尾に「(◯◯の文章による)」と書かれているものだけを載せています。作品名は冊子に記載がありません。小説と説明文が 1 本ずつという組み合わせは 3 回とも共通で、順番だけ入れ替わります(2013 は説明文が先、2015・2020 は小説が先)。説明文は 3 回とも自然科学系(海の生態・クモ・宇宙と気候)でした。
問い方のくせ
- 記述は「〜から。」に続く形で書かせます。2020 年度の大問五は問 4・問 5・問 6 の 3 問すべてが「本文を参考に『〜から。』に続く形で答えなさい」です。文末を指定されるので、途中で切り上げる書き方の練習が要ります。
- 使う言葉を指定してくる記述があります。2020 大問五 問 5 は「『遠慮』『腹の足し』『心配』『たくさん水』『おばさん』の語句を必ず一回ずつ使用して」。5 つの語を全部使い、しかも「〜から。」で終えるという重い条件で、この 1 問だけ別格の難しさがあります。
- 抜き出しには細かい字数指定がつきます。2013「八字で抜き出しなさい」「十一字(符号も字数に入れる)で抜き出して」、2015「五十字以内の一文を本文から」、2015「五字で抜き出しなさい」。符号を字数に入れるかどうかまで書いてあるので、指示を読み飛ばさないことが大切です。
- 自分の考えを書かせる問いが 2020 年度にあります。大問六 問 7「現在の地球環境の良い点、または悪い点に関するあなたの考えを五十字程度で自由に書きなさい」。精読した 3 回でこの形は 1 回だけですが、理科・社会にも同じ性格の問いがあるので、科目をまたいで「自分の考えを書く」練習をしておく価値があります。
- 空欄に接続語や擬態語を入れる問題が 3 回とも出ます(「ア もしろ イ まるで ウ すでに」「ア ぐるぐる イ …」など)。
- 文法(品詞・活用)は 2015 大問四 問 6 の「られ」の用法 1 問だけです。古文・漢文は精読した 3 回でゼロです。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
資料のある年に出ていて、直近の年で確認できなかったものを挙げます。2021・2022 年度と 2024 年度以降の資料が無いので、断定はしません。最終確認年度は、その単元を資料の中で最後に確認できた年度です。
| 科目 | 単元 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 速さとグラフの大問 | 2019 年度 | 2011・2019 の 2 回 |
| 算数 | 円とおうぎ形の大問 | 2015 年度 | 2012・2013・2015 のあと確認できず |
| 算数 | 水量(大問として) | 2018 年度 | 2015・2017・2018 のあと確認できず |
| 算数 | 食塩水 | 2020 年度 | 11 年で 2020 の大問 2 に 1 問だけ |
| 理科 | 星と星座・月と太陽の位置関係 | 2015 年度 | 2013・2015 のあと大問としては 2020 の惑星まで空いた |
| 理科 | 水溶液の性質と判別(リトマス紙・気体の発生) | 2014 年度 | 2014 の「謎の液体 A〜F」が最後 |
| 理科 | 気象(天気図・雲・風) | 2018 年度 | 2014・2018 のあと確認できず |
| 理科 | ふりこ | 2013 年度 | 2010・2013 のみ。てこは 2012 のあと 2023 に戻った実績がある |
| 社会 | 地図に道すじを描く作図 | 2012 年度 | 2010〜2012 の 3 年連続のあと出ていない。グラフを描かせる形は 2017 まで続いた |
| 社会 | 雨温図と気候の判別 | 2018 年度 | 2011・2015・2018 のあと確認できず |
| 社会 | 世界地理 | 2023 年度 | 2011・2012・2013・2015・2023 と間をあけて戻ってくる。2023 はワールドカップからブラジル・カタール・北米へ広がった |
| 社会 | 三権分立・国会・内閣・裁判所 | 2020 年度 | 2010・2012・2017・2019・2020 と 2〜3 年おきに出る |
| 社会 | 選挙制度 | 2019 年度 | 2019 に大問 1 題ぶん(参議院の定数・投票年齢・期日前投票)。それ以前は 2010 の新聞記事のみ |
| 国語 | ― | ― | 資料が 3 回ぶんしかないため、この観点では何も言えない |
10. 形式面の注意
算数
- 円周率は 3.14。冊子に明記があったのは 2010・2011・2012・2013・2015・2019・2023 の 7 年。ほかの年は図形問題の中に指示が見当たりませんでした。
- 作図は 11 年ゼロです。
- 「説明しなさい」が資料のある 2017 年度以降の 5 冊すべてにあります(2017 大問 5(3) 見えない面の目の合計と求め方、2018 大問 2(6) 競走の結果と求め方、2019 大問 2(6) 値引きの考え方のどこが誤りか、2020 大問 2(6) 乗車率の求め方・大問 5(3) 少子高齢化のグラフ読み、2023 大問 2(6)「『逆数』とはどのような数ですか」)。いっぽう 2010〜2015 の 6 冊はすべて答えのみ(2014 に記号選択が 1 問あるだけ)です。ただし冊子に回の表記が無いため、これが年による変化なのか、回による違いなのかは確認できませんでした。どちらであっても「1〜2 問は言葉で説明させられる」つもりで練習しておくのが安全です。式を日本語に直す練習を週 1 回しておくと安心です。
- 図のある小問は 23 問中 6〜11 問(読んだ 11 年)。方眼・展開図・グラフなど、図を正確に読むことが前提の問題が常に 3 割前後あります。
- 配点は、読んだどの冊子にも印字されていませんでした。
理科
- 記述の量が年によって大きく違います。読んだ 11 年で 0 問(2011・2014・2015)から 6 問(2012・2023)まで。直近の 2023 年度は 22 問中 6 問(27%)が記述で、いちばん記述が重い年でした。
- 記述はすべて「簡単に説明しなさい」で、字数指定は 11 年で 1 つもありませんでした。解答らんの大きさで分量が決まります。
- 使う言葉を指定してくる記述があります。2023 大問 2(5)「『花粉』『めしべ』『受粉』という言葉を使って」、大問 3(6)「『下り坂』『平らかな道』『上り坂』という言葉を使って」。指定語を全部入れないと点になりません。指定語を先に並べてから文にする練習をしておくと書きやすくなります。
- 理由を書かせる問いが定番です。2020 大問 1(6)「(5) の番号を選んだ理由を簡単に説明しなさい」、2023 大問 2(3)「(2) の答えを選んだ理由は何ですか」のように、直前の答えの根拠を続けて書かせる組み合わせが繰り返し出ます。
- 「適当なものを次からすべて選び、記号で答えなさい」が毎年数問あります。部分点の付かない答え方になります。
- 作図は 2013(水の温度変化のグラフ)と 2014(ナナホシテントウの黒い点の位置)の 2 回だけ。ほとんど出ませんが、ゼロではありません。
- 図・写真・グラフのある小問が 20〜22 問中 12〜17 問(読んだ直近 3 年)。理科の半分以上が図つきです。
- 小問数は 2013 年度までが 27〜29 問、2014 年度以降が 20〜23 問と、はっきり少なくなっています。ただし冊子に回の表記が無いため、年による変化と断定はできません。古い年度を解くときは問題数が多めであることだけ意識しておけばよいです。
社会
- 記号選択と短答が主軸で、選択が 20〜63%、短答が 27〜68%(読んだ 11 年)。記述は 0〜3 問です。
- 答えを書き込ませる作図が 11 年中 6 年あります。前半は「地図に道すじを描く」形で 3 年連続(2010 東海道を日本橋から京都まで、2011 利根川を河口から水源まで、2012『おくのほそ道』の場所を記号で書き込み線でつなぐ)、後半は「表の数値を棒グラフ・折れ線グラフにする」形(2014 中京工業地帯の生産額、2015、2017 将来人口)。2018・2019・2020・2023 では確認できませんでした。定規を使う練習は要りませんが、「地図に線を描く」「グラフのめもりを読んで棒を立てる」作業には一度は触れておきたいところです。
- 「漢字 2 文字で」「漢字 4 文字で」「カタカナ 4 字で」といった答え方の指定があります(2012・2015・2023 で確認)。これは記述の字数指定ではなく、答えの書き方の指定です。読んだ 11 年に記述の字数指定は一つもありませんでした。
- 図・地図・写真・グラフのある小問が 19〜30 問中 6〜22 問。2017 年度は 24 問中 20 問、2023 年度は 30 問中 22 問が図つきで、近年ほど資料の量が多いです。
- 配点は、読んだどの冊子にも印字されていませんでした。
国語(2013・2015・2020 年度)
- 短答が 49〜67%、記号選択が 31〜38%、記述が 3〜14%。記述は 1〜5 問で年によって差が大きいです(2013 が 1 問、2015 が 3 問、2020 が 5 問)。
- 図・写真は 3 回ともゼロ。純粋に文章だけの試験です。
- 記述の字数指定は「五十字程度」(2020 の自由記述)だけで、ほかは字数ではなく文末の形と使う語で分量が決まります。
- 配点は、読んだどの冊子にも印字されていませんでした。
試験時間・配点の全体注記
試験時間と配点は、読んだどの冊子にも印字されていません。学校が公表している最新の要項では、国語・算数が各 45 分 100 点、理科・社会が各 30 分 100 点。2 科・4 科の選択制で、得意 1 科目だけで受ける回や英語で受ける回もあり、各回とも試験後に面接があります(→ 1 節)。過去問を解くときの時間はこの要項の数字で代用するしかありません。理科は 20〜23 問を 30 分、社会は 19〜30 問を 30 分で解く計算になり、社会は年によって問題数が 1.5 倍違います。多い年(2023 年度の 30 問)で一度は計っておきたいところです。
11. 学年別ロードマップ
小 4(土台)
- 計算の正確さ。この学校の算数は大問 1 の計算 8 問が 11 年とも同じ作りです。小 4 のうちに整数・小数の四則と、くふう計算(4046×4−2023×7 のようにまとめる形)をミスなく速くできるところまで。
- 漢字と語彙。国語の大問一・二は読み 5 問・書き 5 問で固定です。送り仮名込みで書く習慣を小 4 から。
- 図形の入口。角度、正方形・長方形の面積、立方体と直方体の体積。大問 3〜5 に必ず図形が入ります。
- 身のまわりの理科。理科の大問 1 は電気製品・ふりこ・てこ・光と、身近な道具から入ります。台所や家電を「何のはたらきを使っているか」で見る習慣がそのまま効きます。
- ニュースを家で話す。理科と社会で毎年 1 大問ぶんが去年の話題から作られる学校なので、小 4 から食卓でニュースの話をしているだけで差になります。
- 時間を計るのはまだ先でよいです。
小 5(幅)
週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。
- 単元を一巡させる。平日 15 分は算数の計算・一行問題の型に。週末 60 分で、算数の大問 2 に入る平面図形・割合と比・数の性質・規則性・縮尺・円・速さ・売買損益・場合の数・立体・平均・推理・集合を 1 問ずつ一巡させます(8-1 節の配合表が「小 5 で一巡する単元リスト」として使えます)。
- 規則性を表で追う練習。11 年中 8 年で大問 1 題ぶんです。難しい発想は要らず、表を書いて差や周期を見つける手順の練習で足ります。
- 理由を 2〜3 文で書く習慣。4 科目すべてで問われます。小 5 のうちから、口で言えたことを紙に書く練習を。
- 都道府県と地図・写真。社会の資料量は近年ほど多く、2023 年度は 30 問中 22 問が図つきです。白地図・特産品・有名な建造物を写真とセットで。
- 自然科学系の読み物に慣れる。国語の説明文は精読した 3 回とも理科寄りの話題(海の生態・クモ・宇宙と気候)でした。
- 四字熟語とことわざ。国語の大問三・四で 10 問。小 5 のうちに一巡しておくと小 6 が楽になります。
小 6(仕上げ)
- 上の 7 節「今からやるなら」の 8 項目をそのまま。
- 同じ座席を縦に解く。「11 年分の算数の大問 1 だけ」「11 年分の理科の大問 1 だけ」と、大問の番号ごとに横断して解きます。この学校は座席が動かないので、この解き方がいちばん効率がよいです。
- 前年 1 年間のニュースの棚卸しを秋以降に。理科・社会の大問 1 題ぶんが確実にここから出ます。
- 記述をまとめて集中演習。社会の理由説明、理科の指定語つき説明、国語の「〜から。」、算数の求め方の説明。4 科目の記述を同じ週に並べて解くと、共通する書き方(事実 → 意味 → 結論)が体に入ります。
- 要項の時間で通す。国語・算数 45 分、理科・社会 30 分。社会は問題数の多い年(2023 年度の 30 問)で必ず一度。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか
差がつくのは小 5 の「幅」ではなく、小 4 から積んだ「毎日の 10 分」と「食卓のニュース」の側です。この学校には、算数の計算 8 問・国語の漢字 10 問・国語の四字熟語 5 問という、毎年ほぼ同じ作りで量がまとまっている場所が三つあります。合わせると算数の 3 分の 1、国語の半分以上がここに集まります。特別な単元を先取りするより、この三つを小 4 から毎日ぶん回した子が、小 6 の秋にいちばん楽になる構造をしています。加えて、理科と社会の各 1 大問が前年のニュースから作られるので、ニュースを日常の会話にしている家は、直前期の時事対策がほとんど要らなくなります。そのうえで小 5 に単元の幅を作り、小 6 で座席ごとの解き方と記述の書き方を仕上げる、という順序が無駄がありません。
12. この学校と併願するなら
観点は 過去問演習が二重に効くか だけです。入試日程の重なり・通学圏・難易度・お子さんとの相性は扱いません。並べたのは、大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の多さ・同じ位置に出る単元・単元の分布から出した「出題の作りの近さ」で、同じ問題が出るという意味ではありません。国語はどの学校とも比較できていません(相洋の国語は資料が 3 回ぶんしかないため)。
- 昭和学院中学校(千葉県)— 4 科目そろって近い。算数の作りがいちばん近く、相洋の過去問演習がそのまま効きやすい。
- 茗溪学園中学校(茨城県)— 算数と理科で特に近い。社会はやや離れる。
- 目黒日本大学中学校(東京都)— 理科の作りが近い。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
併願先が 4 科目校の場合、理社は本校の準備とは別に立てる必要があります(第 1 回 B・第 2 回 B は 2 科・得意 1 科目のため)。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。相洋中学校の入試は複数回に分かれていますが、読んだ冊子には表紙・実施日・回の表記が残っていません。したがって「◯年から変わった」という言い方は、原理的に「回が違うだけ」の可能性を排除できません。本文で年による変化に触れた箇所(算数に説明を求める問いが 2017 年度以降の 5 冊にある/理科の小問数が 2014 年度以降減っている)には、すべてその但し書きを付けてあります。
- 2016・2021・2022 年度と 2024〜2026 年度の資料がありません。この分析は 2023 年度までの話です。直近 3 年の形は市販の過去問集で確かめてください。
- 国語は 4 年ぶんしかありません。著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです。しかも 2010 年度の冊子は転写が途中で畳まれ、設問の実数と合わないため使いませんでした。実際に精読したのは 2013・2015・2020 年度の 3 回だけです。
- 試験時間と配点が冊子から確認できません。本文で使った 45 分・30 分・各 100 点は、学校が公表している最新の要項の数字であって、ここで読んだ年度の数字ではありません。
- 図そのものは転写されません。図形問題・地図問題・グラフ問題の細部は、設問文と図の説明文からの推定を含みます。特に社会は近年ほど図が多く(2023 年度は 30 問中 22 問)、この制約の影響を受けやすいです。
- 単元の名前は自動的に付けられたもので、小問集合(算数の大問 2、国語の知識問題)ではまとまりの代表名が実態とずれることがあります。本文の単元の数え方は、代表名ではなく小問 1 問ずつを数え直した結果です。
- 転写の読み落としの可能性は残ります。「11 年ゼロ」と書いた箇所(算数の作図、記述の字数指定など)は、あくまで読んだ転写の範囲でゼロという意味です。
- 難易度・偏差値・合格可能性・学校の理念・入試結果には触れていません(別のページの領分です)。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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