桐蔭学園中等教育学校 の過去問分析
桐蔭学園中等教育学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
桐蔭学園中等教育学校 過去問分析(2019〜2026 年度・資料に入っている 1 冊ずつ・算数/理科/社会 8 年分ほか)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県横浜市青葉区 |
| 男女 | 共学(2019 年度より男女共学化。それ以前は男子のみ) |
| 中学校か中等教育学校か | 中等教育学校です。高校へは合流しない完全 6 年一貫校です |
| 2027 年度の入試 | 下の表のとおり 7 つの回・方式があります |
| 名前の似た別の学校 | 同じ「桐」の字を持つ桐朋・桐光学園・桐朋女子とは別の学校です |
| 回 | 日程 | 科目 | 試験時間 | 配点 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第 1 回午前(4 科目入試) | 2027 年 2 月 1 日 午前 | 4 科 | 国語 50 分・算数 50 分・社会 40 分・理科 40 分 | 国語 150・算数 150・社会 100・理科 100(合計 500 点満点) | 男子 35 名・女子 35 名(同じ枠の探究型(みらとび)入試と合算の表記で、内訳は不明)。集合 8:10 |
| 第 1 回午前(探究型(みらとび)入試) | 2027 年 2 月 1 日 午前 | 探究型(みらとび)入試 | 総合思考力 50 分 | 総合思考力 100 | 総合思考力問題(思考力・判断力・表現力等を評価)。4 科目入試と同じ枠・集合 8:10 |
| 第 1 回午後(2 科目入試) | 2027 年 2 月 1 日 午後 | 2 科 | 国語 50 分・算数 50 分 | 国語 100・算数 100(合計 200 点満点) | 男子 35 名・女子 35 名(同じ枠のグローバル入試と合算の表記で、内訳は不明)。集合 15:30 |
| 第 1 回午後(グローバル入試) | 2027 年 2 月 1 日 午後 | グローバル入試(英語資格等の加点あり) | 国語 50 分・算数 50 分 | 国語 100・算数 100 | 英検 3 級以上程度が対象。英検 2 級以上 100 点/準 2 級プラス 90 点/準 2 級 80 点/3 級 60 点の加点があります |
| 第 2 回(特別奨学生選抜) | 2027 年 2 月 2 日 午後 | 2 科 | 国語 50 分・算数 50 分 | 国語 100・算数 100 | 特別奨学生選抜。成績優秀者約 20 名は 1 年次授業料免除(最長 6 年間、要継続審査)。集合 15:30 |
| 第 3 回(2 科目入試) | 2027 年 2 月 5 日 午前 | 2 科 | 国語 50 分・算数 50 分 | 国語 100・算数 100 | 男子 10 名・女子 10 名(同じ枠の 4 科目入試と合算の表記で、内訳は不明)。集合 8:10 |
| 第 3 回(4 科目入試) | 2027 年 2 月 5 日 午前 | 4 科 | 国語 50 分・算数 50 分・社会 40 分・理科 40 分 | 国語 150・算数 150・社会 100・理科 100 | 2 科目入試と同じ枠・集合 8:10 |
配点は回によって大きく違います。4 科目入試は国語 150・算数 150・社会 100・理科 100 の合計 500 点満点、2 科目入試は国語 100・算数 100 の合計 200 点満点です。どの回を受けるかで、算数・国語の重みも、理社を用意する必要があるかどうかも変わります。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 大問の並びが動きません。算数は 2021〜2026 の 6 年連続で 3 大問・小問 19〜22 問、理科は 6 年連続で 4 大問・小問 20〜24 問、社会は 6 年連続で 3 大問・小問 29〜36 問です。
- 一方で中身は毎年作り直されています。精読した 6 年のあいだで設問文がそのまま同じだった問題は 3 科目のどれにも見つかりませんでした。同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出る学校です。
- 3 科目すべてに「答えだけでなく考え方を書かせる問題」が入っています。算数は 6 年すべてに 2〜4 問、社会は記述が毎年 3〜5 問、理科も理由記述や解答用紙への書き込みが 6 年中 5 年にあります。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1(一行問題の小問集合)を 15 分で取り切る練習をします。6 年とも同じ場所にあり、ここが崩れると大問 3 の途中式まで手が回りません。
- 理科の 4 分野(生物・化学・物理・地学)を均します。1 題ずつ出る作りなので、1 分野の穴がそのまま 1 大問ぶんの失点になります。
- 社会の「誤っているものを 1 つ選び」と、語句指定つきの記述を手順にします。前者は 6 年とも最も多い形式、後者は 2024〜2026 の 3 年連続です。
今週やる 1 つ
- 算数の「どのように考えて求めたのか、式や考え方も答えなさい」を、直近 3 年(2024・2025・2026)ぶん続けて解き、式 → 一言の説明 → 答えの 3 行で書き切れるか確かめます。
注意
- 分野をまんべんなく出す作りなので、苦手分野を得意分野で埋め合わせる作戦が使いにくい学校です。
4. 資料の状況
転写=過去問の紙面を文字データに起こしたものです。読んだ深さを次の 3 語で書き分けます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの主要単元を数えただけの年)/資料のある年(転写が手元にある年)。
| 科目 | 資料のある年 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2019〜2026 の 8 年 | 2021〜2026 の 6 年 | なし | 大問 3 題・小問 19〜22 問で安定 |
| 理科 | 2019〜2026 の 8 年 | 2021〜2026 の 6 年 | なし | 大問 4 題・小問 20〜24 問。図表が多い |
| 社会 | 2019〜2026 の 8 年 | 2021〜2026 の 6 年 | なし | 大問 3 題・小問 29〜36 問。導入文が長い |
| 国語 | 2019 のみ の 1 年 | 2019 の 1 年 | なし | 2020 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い) |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回は特定できません。この資料は 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊で、冊子に回の表記が残っていません。1 節のとおり 2027 年度の入試は複数回ありますが、資料には 4 科目そろっているので 4 科目で実施する回のものと考えられる、という以上のことは言えません。「みらとび入試」の総合思考力問題は、この資料には入っていません。
- 試験時間と配点は学校が公表している 2027 年度 4 科目入試の値(国語 50 分 150 点・算数 50 分 150 点・社会 40 分 100 点・理科 40 分 100 点・合計 500 点)です。精読した年度の冊子から時間を確かめたわけではないので、年度によって違う可能性はあります。
- 「6 年連続」「毎年」と書いたところは、その年の設問文を実際に読み直して確認したものだけです。確認できなかったことは「読めた年に限れば」と弱めるか、書いていません。
- 資料には 2019・2020 も入っていますが、本文の「〜年連続」はすべて 2021 年以降の話で、2019・2020 は含めていません。
- 図そのものは資料に写らないため、図形問題の細部は設問文と図の説明文からの読み取りを含みます。
5. 一番大きな結論
桐蔭学園中等教育学校は「大問の並びが何年も動かず、中身は毎年作り直される」学校です。そのうえで、3 科目すべてに「答えだけでなく考え方を書かせる問題」が入っています。
- 算数は 2021〜2026 の 6 年連続で「大問 1=一行問題(数行で終わる短い文章題)の小問集合/大問 2=図形の小問集合/大問 3=テーマ 3 本立ての総合問題」です。大問数 3・小問 19〜22 問も動きません。
- 理科は 6 年連続で大問 4 題・小問 20〜24 問です。精読した 6 年のうち 5 年で生物・化学・物理・地学が 1 題ずつそろっていました。ただし分野が来る順番は毎年ちがうので、「大問 1 は生物」といった位置の固定はありません。
- 社会は 6 年連続で大問 3 題・地理・歴史・公民が 1 題ずつです。公民が最後の大問だったのが 2021〜2025 の 5 年連続で、2026 で初めて順番が入れ替わりました。
- 一方で中身は毎年作り直されています。精読した 6 年のあいだで、設問文がそのまま同じだった問題は算数・理科・社会のいずれにも見つかりませんでした。数字・図・題材はすべて別物です。
- 全科目に共通するのが「書かせる」ことです。算数は「どのように考えて求めたのか、式や考え方も答えなさい」が 6 年すべてに 2〜4 問、社会は記述が毎年 3〜5 問(うち語句指定つきが 2024〜2026 の 3 年連続)、理科も理由を書かせる問題や解答用紙に描き込ませる問題が 6 年中 5 年にあります。
したがって、この学校の過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではありません。①決まった並びの中で時間配分を身につける、②各単元の解き方の手順を習得する、③答えの根拠を書く練習をする——この 3 つに近いと言えます。とくに③は、4 科目のうち 3 科目で配点に直結します。
科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。3 大問・19〜22 問・50 分。大問 1=一行問題/大問 2=図形/大問 3=総合が 6 年不変 | 大問 3 は「規則性・立体・水量・場合の数・速さ」から 3 テーマを選んで誘導つきで並べる。同じ問題の再出は無し | 大問 1 を 15 分で取り切る速さと、式・考え方を書く答案(毎年 2〜4 問) |
| 理科 | 高い。4 大問・20〜24 問・40 分。4 分野 1 題ずつ(順番は毎年変わる) | 実験・観察の文章と表を読ませる。天体は 6 年すべてに登場 | 苦手分野をゼロにすること。とくに月(6 年中 3 年が大問まるごと) |
| 社会 | 高い。3 大問・29〜36 問・40 分。地理・歴史・公民 1 題ずつ(6 年) | 長い会話文・レポートを読ませ、下線部を順に問う。前年のニュースが毎年入る | 「誤っているものを選ぶ」の精度と、語句指定つきの記述(3 年連続) |
| 国語 | 2019 年の 1 年ぶんしか精読できていない | 2019 年は漢字 10 問+論説文 1 題の 16 問 | 漢字の書き取り。直近の形式は市販の過去問集で確認を |
科目ごとの競技の違いがはっきりしています。算数と理科は「読んで・考えて・手を動かす」試験、社会は「長文を読み、根拠を指定語で書く」試験です。
6. この学校らしさが出る場所
- 地元(神奈川・横浜・青葉区)が題材になります。社会では精読した 6 年のうち 5 年で登場しました。2021 は神奈川県の小学校の給食、2022 は横浜から始まった日本のラグビー、2023 は桐蔭学園周辺の鉄道と美しが丘の住宅地、2024 は横浜市南区の貝塚から始まる神奈川県の歴史、2026 は青葉区の農業(「青葉区探究」の授業で作った本まで資料に使われています)。理科でも 2024 に「横浜で見えた月」、2021 に「横浜市で棒の影を観察」と地元が出てきます。
- 学校の生徒が登場人物になります。社会の導入文は、2023 が桐蔭学園周辺を歩く設定、2025 が「修学旅行で大阪府に行くことになった桐蔭学園中等教育学校の生徒たち」の発表と「受験をひかえたカゲオ君と在校生の姉キリコさん」の会話、2026 が「『私のおし世界遺産』探究レポート」と「中学 2 年生の A さんのはてなノート」です。自分で問いを立てて調べるという場面が繰り返し設定として使われているように見えます。
- 生活の場面から理科に入ります。お墓参りの線香(2022・2023)、階段とろう下の照明スイッチ(2024)、はさみ(2025)、保冷剤(2025)、肉野菜いための食材(2026)、キャベツの葉のつき方(2026)。教科書の実験装置ではなく、家庭で見るものから始める作りが目立ちます。
- 答えが一つに決まらない問いを混ぜます。社会の「政治参画の数値を上げるために必要なことは何だと思いますか」(2024)、「地図と写真を比較しながら、あなたの考えを述べなさい」(2025)、「なぜその取組みが必要だと思うか。ただし例とは異なることを書くこと」(2022)。算数でも解き方を説明させるので、結論より過程を見る姿勢が全科目に共通しているように見えます。
- 前年のニュースを資料つきで出します。2024 は処理水の海洋放流と G7 広島とジェンダー・ギャップ指数、2025 は世界遺産委員会と佐渡、2026 は令和の米騒動・ノーベル平和賞・安全保障理事会。用語を覚えているかではなく、地図や統計と組み合わせて読めるかを問う形になっています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前の方は 11 節(学年別ロードマップ)を先に読んでください。
各項目の根拠(年度・大問・数字)は 8 節の科目別を参照してください。
- [週末 60 分] 算数の大問 1 を 15 分で 7〜9 問取り切る。計算 2 問+一行問題で、ここが全体の土台です。6 年とも同じ場所にあります。ここが崩れると大問 3 の途中式まで手が回りません。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 算数の「式や考え方も答えなさい」の答案作り。6 年すべてに 2〜4 問あります。式 → 一言の説明 → 答えの 3 行で書き切る書き方を決めておきます。配点は小さくありません。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会の「誤っているものを 1 つ選び」。6 年とも最も多い形式で、2026 大問 1 は 12 問中 5 問がこれです。正しい 1 つを選ぶより時間がかかるので、選択肢 4 文を線を引きながら読む練習をします。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会の語句指定つき記述。2024〜2026 の 3 年連続です。指定語をすべて使う・指示があれば下線を引く・理由の形で終える、を手順として身につけます。指定語を 1 つ落とすだけで失点する作りです。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科の 4 分野を均し、月を仕上げる。1 分野の穴が 1 大問(20〜25%)の失点に直結する作りで、得意分野では埋め合わせられません。月は 2023・2024・2026 に大問まるごと出ていて、「見える形 → 位置 → 時刻 → 方位」を相互に変換できるところまで、さらに月から地球を見る向き(2024・2026 に出題)まで練習します。あわせて、グラフに点を打って線で結ぶ・月の形を塗るといった解答用紙への書き込み(指示は点は●、直線は定規なし、影は斜線と細かいです)に慣れ、「すべて選び」「3 つ選び」では選ぶ個数を最初に丸で囲む習慣をつけます。理由は 40 字前後で言い切る練習を。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数の図形(大問 2)と大問 3 の 5 テーマ。角度は 6 年中 5 年、円周率 3.14 を使う求積は 6 年すべてにあります。円とおうぎ形を含む組合せ求積と多角形の角度を、6 年ぶんまとめて 1 日で解き直します。大問 3 は「テーマ 3 本」なので、規則性・立体・水量・場合の数・速さの 5 つを ①②③ の誘導つき問題で練習します。食塩水は「蒸発させる」「水を足す」「食塩を足す」「混ぜる」の 4 通りを式で整理しておきます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 社会の歴史を通史で 1 周し、前年のニュースを 10 件まとめる。1 大問で縄文から戦後まで下る作りが 6 年とも共通なので、時代を絞った勉強では足りません。並べかえ問題に備えて出来事の前後関係を年表で押さえます。ニュースは用語+場所+なぜ話題になったかの 3 点でまとめます。地理は雨温図・統計表・地形図の 3 点セットで、とくに雨温図は 2024・2025 の 2 年連続で出ています。神奈川・横浜・青葉区に関する題材が 6 年中 5 年で出ている(6 節)ので、地元の地理と歴史も一度まとめておくと効きます。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 国語の漢字。2019 年は 16 問中 10 問が漢字の書き取りで、10 問すべてがカタカナを漢字に直す形、小学校配当漢字の熟語が中心でした。4 択の内容説明は選択肢どうしの差が細かいので、本文の言い換えとして正しいかを一つずつ照合する練習を。記述は 80 字(=解答らん 3〜4 行)で、理由を「〜だから」で言い切る形にまとめます。直近の形式は資料から分からないので、市販の過去問集で最新 3 年の大問構成(物語文の有無・記述の字数)を必ず自分で確認してください。(確認: 〜2019 年度)
8. 科目別の詳細
特殊算(つるかめ算・ニュートン算・和差算・仕事算・年齢算・通過算など、受験用教材で扱う解き方)の語は 用語集 を参照してください。
8-1. 算数(50 分・大問 3 題・小問 19〜22 問。精読したのは 2021〜2026 の 6 年)
同じ場所に同じ種類の問題が出る(この学校で一番はっきりしている固定)
精読した 6 年(2021〜2026)すべてで、算数は次の 3 部構成でした。大問の数は 3 で 6 年変わらず、小問の合計も 19〜22 問に収まっています。
| 大問 | 中身 | 小問数(2021→2026) |
|---|---|---|
| 大問 1 | 一行問題の小問集合。先頭 2〜4 問が計算、そのあとが割合・食塩水・速さ・場合の数などの一行問題 | 7 / 7 / 9 / 8 / 8 / 7 |
| 大問 2 | 図形の小問集合。角度・面積・円とおうぎ形の求積が中心 | 4 / 6 / 3 / 3 / 5 / 5 |
| 大問 3 | 3〜4 つのテーマを (1)(2)(3) に並べた総合問題。各テーマが ①②③ と続く誘導つき | 8 / 9 / 9 / 10 / 8 / 9 |
これは「同じ問題が出る」という意味ではありません。同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味です。実際、6 年のあいだで設問文がそのまま同じだった問題は見つかりませんでした(数字も図も毎年作り直されています)。ただし出る場所と出る種類はほぼ動かないので、過去問は「年度通しで 50 分」と「大問 3 だけ縦に 6 年」の二通りで使えます。
- 大問 1(1)(2) は毎年計算問題です(2021〜2026 の 6 年連続)。(1) が整数の四則、(2) が分数と小数の混じった四則、という並びが 2023〜2026 の 4 年連続です。
- 工夫して解く計算(分配法則でくくる形)が 2021〜2024 の 4 年連続で大問 1 に入っていました。2021 は 35×67+65×67、2022 は 8×3.14+12×1.57−2×6.28、2023 は 12×28+12×2−12×20、2024 は 3.14×7+3.14×6−3.14×3 です。2025・2026 では見当たらないので、復活を警戒しておきたい枠です(9 節)。
- 大問 2 は 6 年すべてが平面図形中心の小問集合です。角度を求める問題は 6 年中 5 年(2021・2022・2023・2024・2026)に入り、円周率 3.14 を使う求積は 6 年すべてにありました。2026 だけは展開図と回転体(立体)も大問 2 に混ざっています。
- 大問 3 は「テーマ 3 本立て」が 2022〜2026 の 5 年連続です(2021 だけ 4 本)。各テーマは ①→②→③ と数値や条件を変えて重ねる誘導形式で、③ が式や考え方を書かせる問題になることが多くなっています。
年度×大問の題材表(精読した 6 年)
逆算(□にあてはまる数を求める計算)は、表では「逆算」と書いています。
| 年度 | 大問 1(一行問題) | 大問 2(図形) | 大問 3(総合・テーマ 3〜4 本) |
|---|---|---|---|
| 2021 | 計算 4 問/損得の割合・売買損益・つるかめ算 | 平行線と正三角形の角度/角の合計/正三角形と正方形の面積/同心円の求積 | 立方体をはり合わせた表面積/2 つ・3 つの整数の積から数を特定/シャンプーの残量(仕事算)/3 つの水そう |
| 2022 | 計算 3 問+逆算/秒を時間に直す/食塩水/二重の円グラフ | 正五角形と正三角形の角度 4 問/円が三角形の外側を転がる/半円とおうぎ形の組合せ求積 | 立方体を 125 個に切り分けて塗り分け/正方形が直角三角形を通り過ぎる(図形の移動)/円周上 500 個の電球の規則性 |
| 2023 | 計算 3 問/分を日時に直す/文具の値段の割合/和差算/食塩水/3 人の平均 | 正五角形の角度/正方形と半円の求積/2 つの正方形を結んだ面積 | メダル 5 回投げの場合の数/6 個くり返す数列 207 個/水そうに柱 2 本と穴(ニュートン算) |
| 2024 | 計算 2 問+逆算/仕事算/本を読む割合/3 人の所持金比/食塩水を煮つめる/バスの速さの比 | 3 つの半円の組合せ求積/対角線を 5 等分した平行四辺形/直角三角形と正方形の角度 | 1,2,1,3,3,1,… の数列/長方形を動く 2 点 P・Q/しきりとおもり入りの水そう |
| 2025 | 計算 2 問/3 の 30 乗の一の位/12 の倍数の個数/サッカー場の割合/売買損益/縮尺/両端に大人が並ぶ場合の数 | 3 つの円の組合せ求積/対角線を 2 等分・3 等分した図形の面積/立体に巻いたひもの長さと面積の比較 | 道順の場合の数(工事で通れない点あり)/直方体と円柱に巻いたひもの最短/電車の通過算 |
| 2026 | 計算 2 問/年齢算/食塩水の混合/5 けたの整数の場合の数/黒石と白石の規則性/池の周りの追いつき | 正五角形の角度 2 問/台形の斜線部の面積/展開図で重なる点/長方形の回転体 | 4 つの数と記号で 10 を作る約束記号/円柱を重ねた立体の体積の規則性/正五角形・正六角形の辺上の点の数 |
頻出単元と周期(6 年分)
- 食塩水の濃度: 2021 を除く 5 年(2022・2023・2024・2026 は大問 1、2021 は出題なし)。濃度を上げる/下げる/混ぜるの 3 パターンが順に回っています。
- 割合と比: 6 年すべての大問 1 に 1〜2 問。所持金の比・残りのページ・売買損益・円グラフの読み取りなど、比を 2 段重ねる作りが多くなっています。
- 規則性・数列: 2022・2023・2024・2025(一の位の周期)・2026 の 5 年連続。大問 3 か大問 1 のどちらかに必ず現れます。
- 平面図形の面積・面積比: 6 年すべて(大問 2)。円周率 3.14 を使う組合せ求積が 6 年連続です。
- 立体図形: 2021(表面積)・2022(切り分け)・2025(ひもと展開)・2026(回転体・体積の規則性)の 4 年。
- 速さ: 2024(動点)・2025(通過算)・2026(池の周りの追いつき)の 3 年連続。2021〜2023 では大問 1 にも大問 3 にも出ていません。
- 水量とグラフ: 2021・2023・2024 の 3 年に大問 3 の最後のテーマとして出て、2025・2026 では出ていません。
問い方のくせ
- 「どのように考えて求めたのか、式や考え方も答えなさい」が精読した 6 年すべてに 2〜4 問あります(2021 は 3 問・2022 は 4 問・2023 は 3 問・2024 は 3 問・2025 は 2 問・2026 は 4 問)。答えだけでなく途中式を書かせる問題が毎年ある、というのがこの学校の算数の一番の特徴です。2023 年までは 3 問とも大問 3 に固まっていましたが、2024 以降は大問 1・大問 2 にも出ています(2026 は大問 1(7)・大問 2(2)・大問 2(4)・大問 3(3)③)。
- 誘導が細かい作りです。大問 3 は 1 テーマにつき ①②③ と条件を少しずつ変える形で、①が具体、②が一般化、③が「式や考え方も」という並びになりやすくなっています。①を落とすと②③が続けて崩れる作りなので、最初の 1 問を確実に取る練習が効きます。
- 答えが 2 つ以上の問題がときどきあります(2024 の角度 3 つ、2022 の角度 4 つ、2025 の「ひもの長さと面積」同時、2026 の「重なる点」)。1 問の中に複数の答えを書かせるので、書き落としに注意してください。
- 記号選択はごく少なくなっています(2025 で 1 問、2026 で 1 問、2021〜2024 では 0 問)。ほぼ全問が答えを自分で書く形式です。
8-2. 理科(40 分・大問 4 題・小問 20〜24 問。精読したのは 2021〜2026 の 6 年)
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問は 6 年(2021〜2026)とも 4 題、小問は 20〜24 問です。この入れ物は算数と同じくらい動きません。
- 4 つの大問が生物・化学・物理・地学に 1 題ずつという作りが、精読した 6 年のうち 5 年ではっきり確認できました(2025 年だけは水よう液・気体を扱う大問がなく、代わりに「水を加熱したときの温度変化」が入っています)。ただし分野が来る順番は毎年ちがいます。2024 は生物→化学→地学→物理、2025 は生物→物理→熱→地学、2026 は地学→化学→物理→生物。「大問 1 は必ず生物」といった位置の固定はありません。
- したがって理科の過去問は「大問 1 を縦に」ではなく、「4 分野を必ず 1 題ずつ、40 分で回す」練習として使うのが合っています。1 分野に穴があるとその年は必ず 1 大問ぶん落ちる作りになっています。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2021 | 水田・草原の食物連鎖(生物・6 問) | 空き缶とろうそくの燃え方(化学・5 問) | 棒の影で太陽の動きを調べる(地学・5 問) | 豆電球と電池の回路(物理・8 問) |
| 2022 | ブザーの音の伝わり方(物理・4 問) | 川の侵食・運搬・堆積と蛇行(地学・5 問) | 口から胃までの消化(生物・6 問) | 線香 70 本の束に火をつける(化学・5 問) |
| 2023 | 線香 4 本の束の燃え方(化学・6 問) | 8cm×8cm の板のつり合い(物理・2 問) | 太陽・月・星の動き(地学・6 問) | インゲンマメの発芽(生物・6 問) |
| 2024 | アゲハチョウの休眠蛹(生物・5 問) | 水酸化ナトリウム水よう液と塩酸の中和(化学・5 問) | 月の満ち欠けと昭和基地から見た月(地学・7 問) | 手回し発電機・回路・電熱線(物理・6 問) |
| 2025 | マメゾウムシと豆の飼育実験(生物・4 問) | 棒で石板を持ち上げる/はさみ(物理・7 問) | 水の加熱とふっとう・ドライアイス(5 問) | 2023 年の台風 7 号の経路と風速(地学・4 問) |
| 2026 | 月の見え方と月から見た地球(地学・6 問) | 水道水・炭酸水・水の硬度(化学・4 問) | ゴムののびとおもりの数(物理・5 問) | 肉野菜いための食材とキャベツの葉のつき方(生物・5 問) |
頻出単元と周期(6 年分)
- 天体は 6 年すべて。うち月そのものが 2023・2024・2026 の 3 年、太陽の動きが 2021・2023 の 2 年。2024 の月は 7 問、2026 の月は 6 問と、出た年は大問まるごと使います。
- 燃焼は 2021・2022・2023 の 3 年連続。しかも 2022 の「線香 70 本の束」と 2023 の「線香 4 本の束」は題材までつながっています(設問文は別物で、同じ問題の再出ではありません)。2024 以降は中和・水よう液に移りました。
- てこ・つり合いは 2023(板のつり合い)・2025(棒とはさみ)の 2 回。
- 電気は 2021(豆電球と回路)・2024(手回し発電機と電熱線)の 2 回。
- こん虫・動物の分類は 2024(アゲハチョウ)・2025(マメゾウムシ)の 2 年連続。
- 植物は 2023(発芽)・2026(キャベツの葉序)の 2 回。
問い方のくせ
- 記号選択が主軸です(精読した 6 年で 45〜85%)。ただし「1 つ選び」だけでなく「3 つ選び」「すべて選び」が混ざります(2024 大問 1 問 1 は 7 択から 3 つ、2025 大問 1 問 1・問 2 は 8 択からすべて)。数を数え落とすと 1 問まるごと失う形式です。
- その場で読んで考える実験・観察文が入口になります。表やグラフを渡され、「この結果から何が言えるか」を選ぶ、あるいは空らんに言葉を入れる問題が毎年あります(2024 大問 1 問 5、2025 大問 1 問 3、2026 大問 4 問 3〜5)。知識だけでは進めず、その場の表を読む必要があります。
- 理由を書かせる短い記述が 2021・2022・2023 にあり、2022 は「30 字以内・『酸素』の 2 字を必ず入れる」、2023 は「40 字以内」と字数と条件が指定されていました。2024〜2026 では純粋な記述は減り、2025 は「記号を選び、その理由も答えなさい」という選択+理由の複合が 1 問です。
- 計算させる問題も入ります(2024 の中和で残った固体の重さ、2026 の水の硬度を小数第 1 位まで、2026 のゴムののび)。「整数または小数第一位まで答えなさい」「四捨五入して小数第 1 位まで」と答え方が指定されます。
- 身近な生活の場面から入る導入文が多くなっています(お墓参りの線香、階段の照明スイッチ、はさみ、保冷剤、肉野菜いため、横浜で見えた月)。
8-3. 社会(40 分・大問 3 題・小問 29〜36 問。精読したのは 2021〜2026 の 6 年)
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問は 6 年(2021〜2026)とも 3 題、小問は 29〜36 問です。1 大問あたり 7〜15 問と幅があります。
- 3 つの大問が地理・歴史・公民に 1 題ずつ。これは精読した 6 年すべてで確認できました。
- 公民が最後の大問(大問 3)だったのが 2021〜2025 の 5 年連続でした。2026 だけは国連を扱う公民・国際の大問が 2 番目に来て、地理(お米)が最後に回っています。地理と歴史は大問 1・大問 2 のどちらに来るかが年ごとに入れ替わります。
- 各大問は長めの導入文(会話文・発表原稿・レポート)を読ませてから、下線部について問うという作りで 6 年とも共通です。下線部が①②③…と 10 個前後つき、それを順に問う形式です。
年度×大問のテーマ表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2021 | 神奈川県の小学校の給食の会話文(地理・食料と食品ロス・11 問) | 終戦 75 年から振り返る争いの歴史(歴史・13 問) | 日本国憲法と権利の制限(公民・10 問) |
| 2022 | 横浜から始まった日本のラグビーの歴史(歴史・13 問) | 中国四国地方と九州地方(地理・工業・11 問) | SDGs の 17 の目標(公民・8 問) |
| 2023 | 桐蔭学園周辺の鉄道と住宅地・地形図(地理・10 問) | 多様な立場をこえた共生の歴史(歴史・12 問) | 地方自治と住民の決定(公民・7 問) |
| 2024 | 神奈川県の歴史(資料 A〜G・縄文から関東大震災まで・14 問) | 東北地方の発電・水産業・雨温図(地理・9 問) | 矢島楫子の映画の感想文と人権・ジェンダー(公民・9 問) |
| 2025 | 世界遺産と地形図・グーグルアース画像(地理・15 問) | 修学旅行の事前学習として調べた大阪の史跡(歴史・13 問) | 受験生カゲオ君と在校生キリコさんの会話(公民・AI と情報・8 問) |
| 2026 | 「『私のおし世界遺産』探究レポート」(歴史・12 問) | 国際連合のしくみと分担金(公民・国際・7 問) | 「令和の米騒動」をめぐるはてなノート(地理・農業・11 問) |
頻出テーマと周期(6 年分)
- 農業・食料は 2021(給食と食品ロス)・2023(都市近郊の農地)・2026(米の生産と備蓄・輸出国)の 3 回。2026 は大問まるごと 11 問を米に使っています。
- 地形図や写真から場所を読む問題は 2023・2025 の 2 回ですが、いずれも大問の中心に置かれました(2023 は写真の撮影地点、2025 は地図記号・流れる方向・撮影位置)。
- 国際社会・国際協力は 2024・2025・2026 の 3 年連続。2026 は大問まるごと国連です。
- 人権・多様性は 2021・2022・2023・2024 に登場(憲法・SDGs・共生・ジェンダー)。
- 歴史は通史でまとめて問われます。1 つの大問で縄文・古代から昭和・戦後まで一気に下る作りが 6 年とも共通で、時代を絞った出題ではありません。並べかえ(古い順)が 2024・2025 に出ています。
- 前年の出来事が必ず入ります。2024 は 2023 年の処理水放出・G7 広島・ジェンダーギャップ指数、2025 は 2024 年の世界遺産委員会と佐渡、2026 は 2024 年のノーベル平和賞と 2025 年 4 月の関税をめぐる安全保障理事会。ニュースの丸暗記ではなく、資料と一緒に読ませる形で出ます。
問い方のくせ
- 記号選択が主軸です(精読した 6 年で 53〜75%)。中でも「誤っているものを 1 つ選び」が非常に多く(2026 大問 1 では 12 問中 5 問がこの形)、4 つの文の細部を照合する力が要ります。
- 記述が毎年 3〜5 問あります(2021 は 3 問・2022 は 4 問・2023 は 3 問・2024 は 4 問・2025 は 3 問・2026 は 5 問)。理由説明が中心で、行数はおおむね 1〜3 行です。
- 使う語句を指定する記述が 2024〜2026 の 3 年連続です。2024 は【季節風・奥羽山脈・雪】、2025 は【屋根に積った雪・午前・午後】(しかも「使用する 3 つのキーワードには全て下線を引くこと」)、2026 は【他国・貿易・国内】。指定語をすべて使い、指示どおり印をつけるところまでが採点対象になっています。
- 自分の考えを書かせる問題が精読した 6 年のうち 4 年にあります(2022「なぜその取組みが必要だと思うか。ただし例とは異なることを書くこと」、2024「政治参画の数値を上げるために必要なことは何だと思いますか」、2025「地図と写真を比較しながら、あなたの考えを簡潔に述べなさい」、2021「もう 1 つの食品ロスとはどのようなものか」)。正解が一つに決まらない問いです。
- 漢字指定の短答(語句や数値を短く答える形式)が毎年あります(「漢字 8 字で」「漢字 2 字で」「漢字 4 字で」「漢字 5 字で」)。字数は文字数ではなく漢字何字かの指定なので、書き方を間違えると点になりません。
- 資料が多彩です。雨温図・統計表・グーグルアースの画像・国旗・地図記号・新聞記事・シミュレーション画像まで出ます(2025 大問 1 はほぼ全問が画像や図つき)。
8-4. 国語(50 分。資料に入っているのは 2019 年度の 1 年ぶんだけ)
国語は 2020 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ため、ここに書いたのは 2019 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してほしいところです。1 年ぶんしか精読できていないので、「毎年」と言える内容は一つもありません。
2019 年度に精読して分かったこと
| 大問 | 中身 | 小問数 |
|---|---|---|
| 大問 1 | カタカナを漢字に直す書き取り 10 問(補給・拝見・探検・装置・指揮・勤勉・意義・豊富・複製・提案) | 10 |
| 大問 2 | 言葉とリテラシーをめぐる論説文 1 題 | 6 |
- 小問は合計 16 問。漢字が 10 問と、全体の 6 割を占めていたのがこの年の一番の特徴です。
- 大問 2 の 6 問の内訳は、慣用句の用法を選ぶ問題 1 問、傍線部の内容説明を 4 択で選ぶ問題 3 問、理由を 80 字以内で書く記述 1 問、そして「本文の内容を誤って理解している生徒を 1 人選ぶ」問題 1 問です。
- 最後の「4 人の生徒の議論から、誤読している生徒を選ぶ」形式は、読み取りの正確さを別角度から測る作りで、2019 年に出ていたことは確認できました。ほかの年に出ているかは資料が無いので分かりません。
- 物語文は 2019 年度には出ていません(論説文 1 題のみ)。ただし 1 年ぶんの観察なので、物語文が出ない学校だとは言えません。
- 出典(著者・作品名)は、原本の本文末尾に表記を確認できなかったので書いていません。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した 6 年(2021〜2026)で、続いていたのに直近で空白になっているものを挙げます。出るという予告ではなく、空白が長いので一度は触れておきたいという意味です。
| 科目 | 単元・題材 | 出た年 | 最終確認年度 | 空白 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 工夫して解く計算(分配法則でくくる) | 2021・2022・2023・2024 の 4 年連続 | 2024 | 2025・2026 |
| 算数 | 水量とグラフ(しきり・柱・穴・おもり) | 2021・2023・2024 | 2024 | 2025・2026 |
| 算数 | 図形の移動(転がる円・通り過ぎる正方形) | 2022 に 2 問 | 2022 | 2023〜2026 |
| 算数 | つるかめ算(個数を合計から逆算) | 2021 | 2021 | 2022〜2026 |
| 算数 | ニュートン算(増えながら減る量の計算) | 2023 | 2023 | 2024〜2026 |
| 理科 | 燃焼・ものの燃え方 | 2021・2022・2023 の 3 年連続 | 2023 | 2024〜2026 |
| 理科 | 食物連鎖・生態系 | 2021(大問まるごと) | 2021 | 2022〜2026 |
| 理科 | 音・流水のはたらき | 2022 | 2022 | 2023〜2026 |
| 理科 | 人体 | 2022(大問)・2026(1 問) | 2026 | 大問としては 2023 年度以降なし |
| 社会 | 地形図・写真の読図 | 2023・2025 | 2025 | 2026 |
| 社会 | SDGs・環境 | 2022(大問まるごと)・2024(発電と防災) | 2024 | 2025・2026 |
| 社会 | 地方自治 | 2023 | 2023 | 2024〜2026 |
| 社会 | 選挙のしくみ | 2025(1 問) | 2025 | 大問としては 6 年で一度もなし |
| 社会 | 世界地理 | 2025(国旗・各国の都市画像) | 2025 | 2026 は国連の分担金のみ |
補足です。
- 算数の工夫して解く計算は、3.14 を共通因数にする形が 2022・2024 に出ており、戻ってくる可能性が高い枠です。図形の移動は、転がる円・通り過ぎる正方形の 2 種類が同じ年に出た例があります。つるかめ算は 2021 のみ、ニュートン算は 2023 のみと、6 年で 1 回ずつです。
- 理科の燃焼は空き缶・線香という道具立てで 3 年続いたので、戻るなら実験装置つきで来る可能性があります。2022 の 4 大問(音・流水・消化・線香)はその後あまり再登場していません。気象は 2025 の台風で出た後、2026 は空白です(前年の実際の台風データを使う作りでした)。
- 社会の地形図・写真の読図は 2 年おきに大問の中心に来ています。公民は憲法・人権・国際・情報が厚く、地方自治と選挙は薄い年が続いています。
10. 形式面の注意
- 記述・説明を書かせる問題が算数・理科・社会のすべてにあります。算数は「どのように考えて求めたのか、式や考え方も答えなさい」(6 年で 2〜4 問)、社会は理由説明と自分の考え(6 年で 3〜5 問)、理科は理由記述(2021〜2023)と選択+理由(2025)です。
- 字数指定は理科(2022 の 30 字以内・2023 の 40 字以内)と国語(2019 の 80 字以内)で確認できました。2024〜2026 の理科では、精読した範囲に字数指定つきの記述は見当たりません。社会は字数ではなく使う語句の指定と解答らんの大きさで長さが決まります。
- 語句指定つきの記述は社会の 2024・2025・2026 の 3 年連続。2025 は「使用する 3 つのキーワードには全て下線を引くこと」という指示までついています。
- 答え方の指定が細かい試験です。社会は「漢字 8 字で」「漢字 2 字で」「カタカナで」、理科は「整数または小数第一位まで」「四捨五入して小数第 1 位まで」、算数は「何分何秒ですか」。指定を外すと正解でも点になりません。算数は単位が設問文に印字され(「何 cm ですか」「何分何秒後ですか」)、「何分何秒」「何日何時間何分」のように 2 つ以上の単位で答えさせる問題が 2022・2023・2024・2026 にあります。
- 作図・書き込みは理科だけです。精読した 6 年のうち 5 年にあり、多くは解答用紙にすでにある枠への書き込みです。内訳は「グラフに点を打って結ぶ」(2023・2024・2026)、「月の形を点線をなぞって描く」(2023・2024)、「回路のつなぎ方を線で引く」(2024)、「川底の断面を描く」(2022)、「太陽の動きを線で図示」(2021)、「燃え残った線香の絵を描く」(2022)。2025 だけは描かせる問題がありませんでした。算数と社会には作図がありません(精読した 6 年で確認)。
- 円周率は 3.14 です(算数。設問文または大問 2 の導入文に明記される年が多く、図は【図 1】【図 2】…と番号つきで示されます)。
- 複数選ぶ選択肢が理科と社会にあります(「3 つ選び」「すべて選び」「2 つ選び」)。個数の読み落としに注意してください。
- 図・表・グラフの量は理科と社会で多くなっています。理科は精読した 6 年とも、ほぼすべての大問に【図】〔表〕が付きます。社会の 2025 大問 1 はほぼ全問に画像や図がつきます。社会の記述の解答らんは「解答欄に合うように書きなさい」と形が決まっている年があります(2025 大問 3 問 2)。
- 時間配分の目安です。算数は 50 分・150 点で小問 19〜22 問なので、単純割りで 1 問 2 分半ほど。理科は 40 分・100 点で小問 20〜24 問、読む文章と図表の量が多くなっています。社会は 40 分・100 点で小問 29〜36 問に加えて導入文が長いので、読む量が 4 科目の中で一番多い科目です(いずれも学校が公表している 2027 年度 4 科目入試の値)。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | この学校で何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(算数の大問 1 は 6 年とも計算から始まります)、図形の基礎(角度・面積)、説明を 2〜3 文で書く習慣、漢字語彙。理科は月の満ち欠けを実物で見る経験が後で効きます。時間計測はまだしません。 |
| 小 5(幅) | ここが本体です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は漢字語彙と「理由を 1 文で言い切る」記述の練習に、週末 60 分は各科目の単元の一巡に割り付けます。算数は「規則性・立体・水量・場合の数・速さ」の 5 つを、社会は地理・歴史・公民の 3 分野を、理科は生物・化学・物理・地学の 4 分野をそれぞれ一巡します(全分野をひととおり学び終える、という意味です)。この学校は 4 分野・3 分野をまんべんなく 1 題ずつ出すので、小 5 での全分野の一巡がそのまま点になります。算数の一巡には、つるかめ算・ニュートン算・和差算・仕事算・年齢算・通過算といった受験用教材の単元も含めます。国語は 2020 年度以降の資料が無いため、この段の国語は本校の過去問ではなく一般的な読解と漢字で進めることになります(→ 13 節)。 |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目。過去問は「年度通しで時間を計る」使い方を基本にしつつ、算数の大問 3 と理科の天体だけは「同じ場所を縦に 6 年」で解きます。 |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか: 差がつくのは小 5 での全分野の一巡と、小 4 から積む「説明を書く」習慣です。理科は 4 分野 1 題ずつ、社会は 3 分野 1 題ずつと決まっているので、苦手分野を得意分野で埋め合わせる作戦が使いにくくなっています。逆に言えば、小 5 のうちに全分野を平らにしておけば、小 6 で削る作業が要りません。もう一つは記述で、算数の「式や考え方も」・社会の「指定語を使って理由を説明」・理科の「理由を 40 字で」は、いずれも小 6 から始めると練習量が足りなくなりやすいところです。小 4 のうちから、答えを出したあとに「どうしてそうしたか」を口で言う習慣をつけておくと効きます。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、だけを見る)
観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか」だけです。難易度・偏差値・通学圏・合格可能性は扱いません(男女・日程の注記は自動集計の表をそのまま写しました)。数字は科目ごとの出題構造の近さで、同じ問題が出るという意味ではありません。
- 目黒日本大学中学校(東京都・共学/2027 年度は 02/01 の同じ時間帯に入試が重なる回あり)— 算数・理科・社会の 3 科目とも満遍なく近く、4 科目の演習をそのまま流用しやすい候補です。
- 白梅学園清修中学校(東京都・女子校)— 理科の作りが最も近い学校です。社会はやや離れます。
- 駒込中学校(東京都・共学)— 理科・社会が近く、算数は離れるので算数は別立てで用意します。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 国語はどの学校とも比べられていません。この学校の国語は 2019 年の 1 年ぶんしか資料が無いためです。
- 実際に併願を考えるときは、それぞれの学校の過去問を 1 年ぶん解いてから判断してください。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。この資料は 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊で、冊子に回の表記が残っていません。学校は 2 月 1 日午前・午後、2 月 2 日午後、2 月 5 日午前と複数回の入試を行っており、本文の分析がどの回のものかは断定できません。4 科目がそろっているので 4 科目で実施する回のものと考えられる、という以上のことは言えません。回によって出題の作りが違う可能性は残ります。
- 「みらとび入試」の総合思考力問題と、グローバル入試は、この資料に入っていません。それらを受ける場合、本文の分析はそのままでは当てはまりません。
- 国語は 2019 年度の 1 年ぶんしか精読できていません(2020 年度以降は著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。国語について「毎年」と言えることは一つもありません。出典(著者・作品)も、原本の本文末尾で表記を確認できなかったので書いていません。直近の形式は市販の過去問集で確認してほしいところです。
- 設問文まで精読したのは算数・理科・社会の 2021〜2026 の 6 年です。資料には 2019・2020 も入っていますが、本文の「〜年連続」はすべて 2021 年以降の話で、2019・2020 を含めていません。
- 図そのものは資料に写りません。図形問題・回路図・地形図の細部は、設問文と図の説明文からの読み取りを含みます。図の形が結果を左右する問題については、原本の図を見て確かめてください。
- 転写の読み落としの可能性があります。小問の数え方(1 問で複数の答えを書かせる問題を 1 問と数えるか複数と数えるか)によって、本文の小問数は 1〜2 問ずれることがあります。
- 試験時間・配点は学校公表の 2027 年度の値で、精読した年度の冊子から確かめたものではありません。年度によって違う可能性があります。
- 6 節で「〜のように見えます」と書いた箇所は、題材からの推測で、裏づけ資料はありません。
- 難易度・偏差値・合格可能性・お子さんとの相性・学校の理念や入試結果には、この文書では触れていません。
- 学校の公表資料と原本のあいだで食い違う記述は見つかりませんでした。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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