公文国際学園中等部 の過去問分析

公文国際学園中等部の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。

公文国際学園中等部 過去問分析(2009〜2026 年度・4 科目実施の回・18 年分)

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

項目 内容
所在地 神奈川県横浜市戸塚区
男女 共学
入試回と日程・科目 帰国生入試 2025 年 12 月 13 日 — 適性検査・英語・面接/A 入試 2 月 1 日 — 2 科(国語・算数)/B 入試 2 月 3 日 — 4 科(国語・算数・理科・社会)
試験時間・配点(A 入試) 国語 50 分・100 点/算数 50 分・100 点
試験時間・配点(B 入試) 国語 50 分・100 点/算数 50 分・100 点/理科 40 分・75 点/社会 40 分・75 点
試験時間・配点(帰国生入試) 適性検査 50 分・100 点/英語 50 分・100 点/面接 10 分(面接の配点は要項に記載がありません)
面接 帰国生入試のみ面接があります(A 入試・B 入試に面接はありません)

上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。A 入試と B 入試で科目が違います(A 入試は 2 科、B 入試は 4 科)。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。

このレポートが分析したのは 4 科目を実施する回の問題です。A 入試だけの問題があるかどうか、帰国生入試の適性検査・英語がどんな問題かは、この資料からは分かりません(→ 4 節・13 節)。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

結論

  1. 大問の数と役割(座席=問題の置き場所)が長く変わらず、中身は毎年ぜんぶ作り直されます。「同じ問題が出る」のではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出る学校です。
  2. 4 科目すべてに「自分の考えを書く」設問が入ります。正解が一つに決まらない記述が、どの科目でも最後に置かれます。
  3. 算数は大問 1〜5 の役割と、記述(途中の式)2 問の位置が 3 年連続(2024〜2026)で一致しています。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 1 と大問 2 の 11 問(計算 5 問+一行問題 6 問)を、毎日 17 分で。
  2. 4 科目に共通の「事実 → 自分の考え → その理由」の 3 文型で書く練習を続けます。
  3. 社会は社説を週 1 本、理科は長い会話文を読み切る練習を週 1 回。

今週やる 1 つ

  1. 直近 3 年(2024・2025・2026)の算数の大問 4(4)・5(4) の記述 2 問だけを解き、「何を求めるか → 式 → 答え」の 3 行で書けるか確かめます。

注意

  1. 国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2016 年度までのものです(→ 13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 備考
算数 3 年(2024・2025・2026) 13 年 16 年(2009〜2026 のうち 2012・2013 を除く) 大問 5 題が資料のある全年度で一定
理科 3 年(2024・2025・2026) 15 年 18 年(2009〜2026) 抜けなし。2013 年以降は大問 3 題で一定
社会 3 年(2024・2025・2026) 14 年 17 年(2009〜2026 のうち 2012 を除く) 大問数は 3〜5 で年により動く
国語 3 年(2012・2014・2016) 2 年(2009・2010) 5 年(2009・2010・2012・2014・2016) 2017 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)

5. 一番大きな結論

公文国際学園は「箱(大問の数と役割)が長く変わらず、中身は毎年ぜんぶ作り直す」学校です。そして 4 科目すべてで「自分の考えを書かせる」のが顔になっています。

(1) 同じ種類の問題が同じ場所に出る(座席の固定)

「同じ問題が出る」のではありません。同じ種類の問題が同じ場所に出る——これがこの学校でいちばん確かな手がかりです。科目によって固さがはっきり違います。

科目 固まっているもの 何年ぶん確認できたか
算数 大問 5 題。大問 1 = 計算 5 問((5) は逆算(□にあてはまる数を求める計算))/大問 2 = 一行問題(数行で終わる短い文章題)6 問/大問 3 = ①②形式の小問 4 題/大問 4・5 = 誘導つきの大きな問題。さらに記述(途中の式)はちょうど 2 問で、必ず大問 4 の最終小問と大問 5 の最終小問 大問 5 題は 16 年。大問 1 が計算なのは 13 年連続(2014〜2026)。大問 1〜5 の役割と記述 2 問の位置は 3 年連続(2024〜2026)で一致
国語 大問 3 題。大問 1 = 物語・小説/大問 2 = 説明文・随筆/大問 3 = 漢字を含む知識。読解の最後に 100 字級の意見作文 大問の役割は資料のある 5 年すべて(2009・2010・2012・2014・2016)。意見作文は精読した 3 年連続
理科 大問 3 題・小問 31 前後という数だけ。中に入る分野は毎年入れ替わる 大問 3 題は 14 年連続(2013〜2026)。小問 31〜33 は 3 年連続
社会 大問の並びは固まらない。代わりに素材の種類が固定: 新聞記事の大問・地図 2 枚の見比べ・「あなたの考え」の記述・◯× の正誤判定 大問 4 題は直近 3 年(17 年全体では 3〜5 題で動く)。4 つの素材は 3 年連続でどこかに必ず入る

(2) 4 科目すべてに「自分の考えを書く」設問がある

精読した 3 年(国語は 2012・2014・2016)で、4 科目すべてに、正解が一つに決まらない記述が入っていました。

(3) だから過去問はこう使う

同じ問題がそのまま再登場した例は、精読した範囲では見つかりませんでした。したがって「出る問題を覚える」使い方は効きません。効くのは次の二つです。

  1. 座席ごとに時間の使い方を身につける — 算数なら「大問 1 を 5 分・大問 2 と 3 に 24 分・大問 4 と 5 に 20 分」、国語なら「読解 2 題で 40 分・作文に 10 分」。大問の役割が固定されているぶん、時間配分を先に設計できます。
  2. 単元ごとの解き方の手順を習得する — 算数の逆算・工夫計算・影と相似、理科の濃度と湿度、社会の地形図と憲法条文、国語の字数指定つき記述。座席が決まっているので、時間をかける価値のある先も決まります。

(4) 科目横断の要点

科目 形式の固まり方 中身の性格 最優先で時間をかける価値があること
算数 非常に高い。大問 5・小問 23 前後・50 分。大問 1〜5 の役割と記述 2 問の位置が 3 年連続で一致 前半 3 大問(小問 15〜19 問)は答えのみの標準題。後半 2 大問は長い設定を読む思考問題 大問 1・2 の完答(計算 5 問+一行問題 6 問)と、大問 5 の「影・見通し」(2011・2018・2024・2026)
理科 高い(数だけ)。大問 3・小問 31 前後・40 分 1 つの大問の中で物理・化学・生物・地学をまたぐ。会話文と生活の場面から出発する 長い会話文を読み切る速さと、濃度の計算(3 年連続)
社会 中くらい。大問 3〜5・小問 33〜38・40 分 前年のニュースが毎年素材になる。地図・史料・新聞を「読ませる」分量が 4 科目で最大 「課題→提案→理由」の 3 文で書く練習と地形図の読図
国語 高い(役割まで)。大問 3・小問 21〜28・50 分。※2016 年度までの資料による 物語+説明的文章+知識の 3 本柱。字数の下限つき記述が多い 100 字級の意見作文と下限つき字数の記述

算数は「決まった座席を速く正確に処理し、最後の 2 問で考えを書く」試験、理科と社会は「長い文章と資料を読んで、自分の頭で考えたことを書く」試験、国語は「読んでから 100 字で意見を述べる」試験です。4 科目とも、最後に書かせます。


6. この学校らしさが出る場所


7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に。過去問を使った演習は小 6 の夏以降が目安です。

根拠(年度と題材)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。(確認: 〜20XX 年度)は、その施策の根拠を原本で確認できた最後の年度です。

  1. [毎日 10 分] 算数の大問 1 と大問 2 を落とさない。計算 5 問(うち (5) は逆算)+一行問題 6 問=11 問で、小問の半分近くを占めます。1 日 11 問を 17 分で。大問 1 の (3) は分配法則でくくる工夫計算、(5) の逆算は小数と分数が混ざるので、分数に統一して逆算する手順を固定します。(確認: 〜2026 年度)
  2. [毎日 10 分] 大問 2 の一行問題を、年齢算・割合・過不足算(配り方を変えたときの余り・不足から数を求める)・食塩水・数の性質(余り・既約分数・最小公倍数)・集合・角度の 7 分野で回す。1 問 2 分。(確認: 〜2026 年度)
  3. [週末 60 分] 4 科目の「自分の考え」記述を、共通の 3 文型で書く練習 — 「事実(資料・実験結果・本文)→ 自分の考え → その理由」。算数の途中式も、理科の予想も、社会の条例案も、国語の作文も、この骨組みで形になります。この学校で最も時間をかける価値がある一手です。(確認: 〜2026 年度)
  4. [週末 60 分] 算数の後半 2 大問。大問 5 の「影・見通し」(2011・2018・2024・2026)は、光源と棒・厚紙の相似、建物のかげで見えない範囲の面積で、「相似比で伸ばす」「頂点から直線を引く」の 2 手で足ります。作図つきで解きます。大問 4 の規則性は n 番目の式を作るところまで。記述 2 問(大問 4(4)・5(4))は「何を求めるか → 式 → 答え」の 3 行で固定し、時間配分に組み込みます。大問 3 の「①②」形式は 2 段構えなので、①を取って②を捨てる判断が点になります。(確認: 〜2026 年度)
  5. [週 1 回] 理科の長い会話文を読む速さ。40 分で 31 問、しかも導入文が数百字あります。1 大問 3〜5 分で状況を把握する練習を。計算は濃度(3 年連続。「%→ g」「うすめて指定の濃度にする」「1 滴に含まれる量」の 3 パターン)と、湿度・飽和水蒸気量(2026)・南中高度(2025)。数値が表で与えられるので、公式より「表のどこを見るか」です。グラフを描く作業(2024)も、軸のとり方・単位・ルールの読み落としで落としやすいので一度は通します。(確認: 〜2026 年度)
  6. [週 1 回] 理科の予想を書く練習と、分野の穴つぶし。実験結果の表を見て「観察した事実 → だから〜と考えられる」の 2 段で 2 文。身の回りの理科(洗剤と汚れ、ボトルアクアリウム、水飲み鳥、レールのすき間、ホタルの光)は題材で拾います。1 大問に 3 分野が入るので、苦手分野が 1 つあると必ず当たります。分野で山を張らず穴を埋めるのが最優先です。(確認: 〜2026 年度)
  7. [週 1 回] 社会は新聞を読む。3 年連続で前年のニュースが素材です(2026 は参院選・豊明市の条例・大阪万博、2025 は能登半島地震)。社説を週 1 本、「この話はどの制度・どの地域の話か」に翻訳します。あわせて、「課題(何が困っているか)→ 提案 → その理由」の 3 文の型、地形図の読図(2014・2021・2024・2026。2024「A から東側 50m 先を見た時、何が見えるか」、2026 の新旧 2 枚の比較、2024 の氾濫しやすい場所)、憲法の条文を語句レベルまで、選挙のしくみ(投票率・小選挙区と比例代表・ドント式・被選挙権年齢・両院の違い)、正誤 ◯× の判定(1 問で 3〜7 文。年号・人名・因果の 3 か所が狙われやすい)、表から県を当てる形(農産物・工業製品の生産量トップ 5。桃・林の面積・米・サツマイモなど上位県の顔ぶれを)を回します。(確認: 〜2026 年度)
  8. [毎日 10 分] 国語の漢字と語句(大問 3)を毎日。読解の出来と無関係に取れる独立した大問で、資料のある 5 年すべてに置かれています。四字熟語・ことわざ・慣用句(体の部位の語)・辞書の並び順まで。あわせて週末に、100 字級の意見作文を週 2 本(「本文の内容 → 自分の体験や案 → その理由」の 3 段で 100〜120 字。「もしあなたなら」に答える形(2016)と「本文をふまえて社会への影響を述べる」形(2014)の 2 種類)と、下限つきの字数指定に合わせた 30 字・50 字・80 字の 3 サイズの記述を。物語文(大問 1)と説明的文章(大問 2)は必ずセットで演習し、擬態語・接続語の語感も鍛えます。2017 年度以降の形式は市販の過去問集で必ず確認してください。(確認: 〜2016 年度)

理科と社会は 40 分に対して小問が多く、理科 31 問・社会 38 問を 40 分で解くと 1 問 1 分では足りません。記述に何分残すかを決めて、通しで練習しておきます。(確認: 〜2026 年度)


8. 科目別の詳細

形式面の注意は 10 節、しばらく出ていない単元は 9 節、家でやることは 7 節にまとめました。

8-1. 算数(50 分・100 点・大問 5・小問 23 前後)

年度×大問の題材表

年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2026 計算 5 問(工夫計算に 3.14 を仕込む・(5) 逆算) 一行問題 6(年齢算/分配算/既約分数/歯車の最小公倍数/食塩水/集合) ①②式の小問 4(燃費と代金/覆面算の推理/6 点から作る三角形/正方形と長方形のすれ違い) 規則性(正六角形に並べた黒白コイン・すき間の弧の長さ) 影と見通し(建物のかげで見えない範囲の面積・作図つき)
2025 計算 5 問(工夫計算・(5) 逆算) 一行問題 6(過不足算/流水算/割合/余りの数の性質/比のやりとり/回転移動の角度) ①②式の小問 4(仕事算/直方体の水そう/シール交換の規則性/正六角形の面積比) 水量とグラフ(仕切り 2 枚+排水口) 推理(コイン取りゲーム・必勝の枚数)
2024 計算 5 問(工夫計算に 2024 を仕込む・(5) 逆算) 一行問題 6(平均算/売買損益/年齢算/集合/循環小数/角度) ①②式の小問 4(正方形と円の求積/おもりの場合の数/ニュートン算/通過算) 場合の数(正六角形をサイコロで回る点 P) 影(棒と厚紙の影・壁に映る面積)

精読した 3 年(2024・2025・2026)はいずれも 大問 5 題・小問 23〜29 問です。転写の範囲では 2009 年以降 16 年分すべてが大問 5 題で、大問 1 が計算という並びは 2014〜2026 の 13 年連続で確認できます。

同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)

この学校の算数でいちばんはっきりしているのは、大問 1〜5 の役割が毎年同じという点です。「同じ問題が出る」のではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出ます。

座席 役割 確認できた年
大問 1 計算 5 問。(1)(2) が整数の四則(かっこ・中かっこ)、(3) が分配法則でまとめる工夫計算、(4) が分数・小数の混合、(5) が □ を求める逆算 (1)〜(5) の並びは 2024・2025・2026 の 3 年連続。大問 1 が計算なのは 2014〜2026 の 13 年連続
大問 2 一行問題 6 問。文章題(年齢算・割合・過不足・食塩水)+数の性質+集合+角度から 6 つ 2024・2025・2026 の 3 年連続で 6 問
大問 3 「①・②にあてはまる数を答えなさい」の 2 段構えの小問 4 題。1 題ごとに単元が違い、図形・速さ・規則性・仕事算が混ざる 2024・2025・2026 の 3 年連続
大問 4 規則性・場合の数の大きな問題。誘導つきで (1)→(4) と重くなる 2024(場合の数)・2025(水量とグラフ)・2026(規則性)。3 年とも「設定を読んで数え上げる/規則を見つける」系
大問 5 長い設定文で 1 つのテーマを掘る大きな問題。影と光・見通しが指定席になりつつある 影は 2024・2026 のほか 2011・2018 でも大問 5。2025 だけコイン取りゲームの推理

もう一つの座席が記述です。 精読した 3 年とも「途中の式や考え方も書きなさい」はちょうど 2 問で、必ず大問 4 の最終小問と大問 5 の最終小問に置かれていました(2024 は 4(4)・5(4)、2025 は 4(4)・5(4)、2026 は 4(4)・5(4))。3 年連続で位置・問数とも一致しました。

頻出単元と周期

問い方の型


8-2. 理科(40 分・75 点・大問 3・小問 31 前後)

年度×大問の題材表

年度 大問 1 大問 2 大問 3 小問数 記述
2026 ものの重さ比べ → 密度 → 食塩水と色水の対流(作図) 「光るもの」— 恒星と惑星・冬の大三角・ホタルとカラスザメの発光 水飲み鳥のおもちゃ — ふりこの周期 → 蒸発と気圧 → 湿度 31 3
2025 朝ご飯のパンと米 — 植物のつくり → イネの品種改良と遺伝 校外学習の電車 — レールのすき間(金属の膨張) → 冬至の南中高度 水にとける仕組み — コーヒーのしみ → 泥の堆積 → 浄水場 33 4(+理由つき選択 2)
2024 ボトルアクアリウム — 水草・巻貝・熱帯魚の関係(作図) 鏡の反射 → 光の三原色 → 凸レンズと目 → 太陽光パネル 大そうじ — 汚れと洗剤・クエン酸の濃度計算・界面活性剤 31 7(+作図 1)

精読した 3 年は 大問 3 題・小問 31〜33 問で完全に一致しました。転写できた 18 年でも、2013 年以降は 14 年連続で大問 3 題です(2009〜2012 は 4 題)。

同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)

理科は「箱は 3 つで動かないが、中身は毎年ぜんぶ作り直す」のが最大の特徴です。大問の数(3)と小問数(31 前後)は 3 年連続で一致したのに、大問 1・2・3 に入る分野は毎年入れ替わります。精読した 3 年で「大問 1 は生物」のような固定は見当たらず、2026 は大問 1 が密度(物理・化学)、2025 は大問 1 が生物、2024 も大問 1 が生物、大問 2 は 2024 が光、2025 が熱と天体、2026 が天体と発光——並び順に規則は見つけられませんでした。

代わりに、1 つの大問の中で分野をまたぐという作りが 3 年とも共通しています。

つまり「大問 = 単元」ではありません。大問 = 一つの場面で、その場面から物理・化学・生物・地学へ横に伸びていきます。分野で山を張る対策が効きにくいのはこの構造によります。

頻出単元と周期(18 年集計)

単元 出現 傾向
熱と状態変化 最頻。2013・2015・2017・2023・2025・2026 蒸発・膨張・状態変化。2025・2026 と 2 年連続で中心にある
気象 2010・2012・2014・2016・2018・2020、2026 大問 1・3 の後半 飽和水蒸気量・湿度の計算がからむ
水溶液の性質・濃度 2009・2011・2024・2025・2026 3 年連続で濃度の計算が出た(クエン酸/コーヒー/海水の食塩)
天体(太陽・月・惑星・星) 2009・2011・2021・2025・2026 2 年連続。南中高度・惑星の見え方・恒星の色と温度
生態系・食物連鎖 2014・2019・2023・2024・2026 「生き物どうしのつながりを予想して書く」形
ふりこ・物体の運動 2009・2012・2020・2021・2026 周期は「長さで決まる」の確認が定番
浮力・密度 / 遺伝・DNA 2017・2026 / 2017・2021・2025 密度は 9 年ぶりに主役へ。遺伝は品種改良・交配の組み合わせ

問い方の型


8-3. 社会(40 分・75 点・大問 4・小問 33〜38)

年度×大問の題材表

年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 小問数
2026 日本の地理(林の面積と桃の生産・「桃太郎」の川・大阪万博の木造建築・地形図 2 枚の比較) 京都新聞 2025 年 5 月 18 日の社説(憲法・参院選・多様性・地方の条例) 世界遺産のスライド発表(古代〜近代の通史・浮世絵・富岡製糸場) 原爆ドームの新聞記事(戦争と戦後・スライド作成) 38
2025 災害史(自然災害と人災への対応・蒙古襲来・関東大震災・北里柴三郎) 横浜の古地図 2 枚(居留地の設計・火災後の復興計画) 新聞記事 2 本(能登半島地震から半年・内閣と省庁・地方自治・選挙) 人と自然のつながり(農業と雨温図・南海トラフ・南三陸町の地図) 33
2024 日本の地理(都道府県・利根川・農産物と工業製品の表) 架空の「公文市」の地形図(洪水・森林・インターチェンジ) 公文国際学園の歴史の授業(憲法の会話文・十七条の憲法〜日本国憲法) 新聞記事(選挙と投票率・ドント式・憲法 15 条) 37

精読した 3 年はいずれも 大問 4 題・小問 33〜38 問です。ただし転写できた 17 年で見ると大問数は 3〜5 の間で動いており(2016・2017・2019・2022・2023 は 3 題、2010・2011・2018・2021 は 5 題)、4 題で揃ったのは直近 3 年です。

同じ場所に同じ種類の問題が来るか(座席)

社会は大問の並びを毎年作り直します。大問 1 が地理なのは 2024・2026 の 2 年で、2025 は大問 1 が歴史・大問 4 が地理でした。歴史・地理・公民のどれが何番目に来るかは年で入れ替わり、3 年で固定と言える並びは見つかりませんでした。

代わりに、素材の種類の座席が 3 年続いています。

素材 2024 2025 2026
新聞記事を丸ごと読ませる大問 大問 4(選挙) 大問 3(能登半島地震) 大問 2(京都新聞の社説)・大問 4(原爆ドーム)
2 枚の地図・地形図を見比べる大問 大問 2(公文市の地形図) 大問 2(横浜の古地図 2 枚) 大問 1 問 4(地形図 2 枚の新旧比較)
「あなたの考え」を書かせる記述 大問 2 問 5・大問 4 問 14 大問 4 問 5 大問 2 問 9
正誤を ◯×(A・B)で答える形 大問 4 問 11(ア〜キの 7 つ) 大問 3 問 6(2)(①〜④) 大問 2 問 12(ア〜ウ)

この 4 つは位置は動きますが、3 年連続で必ずどこかに入っています。

頻出単元と周期(17 年集計)

分野 出現 傾向
憲法・政治(公民の柱) 最頻。2011(日本国憲法 2 題)・2020・2022・2024・2026 条文の空欄補充が定番。2024 は憲法 15 条 4 項の条文そのもの、2026 は条文の語句を語群から選ぶ形
近代の戦争と大正・昭和前期 2014・2015・2016・2017・2018・2022・2025・2026 戦争と戦後処理が歴史の中心。2026 は「戦後 80 年」を正面から扱った
選挙制度 2015・2024・2025・2026 2024・2025・2026 の 3 年連続。投票率・ドント式・参院選の仕組み
環境問題・防災 2013・2024・2025 洪水・南海トラフ・復興。2025 は大問 4 全体が防災
地形図の読図 2014・2021・2024・2026 等高線と見通し、新旧比較。出ると大問の入口を塞がれる
農業・畜産 2016〜2019・2025 生産量トップ 5 の表から県を当てる形
国際社会・国際協力 2011・2013・2016・2018・2019・2021・2026 国連・略語(NAFTA・ODA・NGO・LGBTQ など)の識別
江戸時代 / 地方自治 2018・2023・2025・2026 / 2024〜2026 の 3 年連続 横浜開港・参勤交代 / 条例・首長・議会(2026 は条例案を自分で作る記述)

問い方の型


8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 21〜28。2009〜2016 の 5 年分のみ)

国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2009・2010・2012・2014・2016 の 5 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。精読したのは 2012・2014・2016 の 3 年度です。

年度×大問の題材表

年度 大問 1 大問 2 大問 3 小問数
2016 物語(いじめのある五年一組・図書室・吉多美『チェンジング』) 説明文(地産地消と給食・小泉武夫『いのちをはぐくむ農と食』) 知識(漢字の書き取り・ひらがなの語句補充・四字熟語) 21
2014 小説(父の死と母の失踪・北杜夫『幽霊』) 説明文(コーヒーハウスと砂糖・奴隷貿易・川北稔『砂糖の世界史』) 知識(漢字 4・述語の形式・ことわざ・辞書の並び順) 28
2012 物語(小 5 の二人の旅・関口尚『はとの神様』) 随筆(『徒然草』の一節から説く「変えること」の是非) 知識(漢字の書き取り・誤字直し・慣用句・文の組み立て) 23
2010 中沢けい『うさぎとトランペット』 加藤秀俊『人間関係』 漢字ほか知識 28
2009 江國香織『僕はジャングルに住みたい』 池澤夏樹『明るい旅情』 漢字ほか知識 19

同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)

国語は 4 科目のなかで座席がいちばんはっきりしています

座席 中身
大問 1 文学的文章(物語・小説)。小学生が主人公の年(2012・2016)と大人の回想の年(2014)がある
大問 2 説明的文章(説明文・評論・随筆)。食・文化・社会のテーマ
大問 3 知識の独立大問。漢字の書き取りを必ず含み、慣用句・ことわざ・四字熟語・文法・辞書の並び順などを組み合わせる

いずれも資料のある 5 年(2009・2010・2012・2014・2016)すべてで一致しました。さらに「読解大問の最後の設問は、自分の考えを長く書かせる作文」という座席が、精読した 3 年すべてにありました。

100 字を超える作文が読解の締めに置かれる形が 3 年連続で、この 1 問だけで解答用紙の相当部分を占めます。

頻出と型

設問の種類 5 年での比重 中身
記号選択 選択が全体の 43〜61% 傍線部の理由・心情・内容説明。選択肢は 4〜5 択で長い
記述 全体の 14〜35% 20 字・30 字・40 字・50 字・80 字・100 字・150 字と幅広い
抜き出し・空欄補充 毎年 3〜6 問 抜き出しは字数つき。空欄は接続語・体の部位を使った慣用句(頭・目・鼻・首・肩)・擬態語
漢字(大問 3) 5/5 年 カタカナ→漢字が 4〜6 問。送り仮名つき(「イサギヨイ」2014)が定番
語句・慣用句・ことわざ 5/5 年 大問 3 の後半。2014 は辞書の並び順、2012 は誤字探し、2016 は四字熟語の漢字を組み合わせて三字熟語を作る

問い方の型


9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

精読した年(算数・理科・社会は 2024〜2026、国語は 2012・2014・2016)と、転写できた年の位置の並びから見た話です。最終確認年度は、その単元を最後に確認できた年度を指します。とくに間隔が空いているのは、理科のてこ・つり合い、理科の電気回路、社会の国際社会と国際協力、算数の立体の切断、算数の水量の 5 つです。

科目 単元 出ていた年 最終確認年度 状況
理科 てこ・つり合い 2011・2014 2014 年度 最後の大問位置から 10 年以上出ていない
理科 電気回路 2010・2022 2022 年度 2024 大問 2 の太陽光パネルで触れられただけで、豆電球・回路の計算そのものは出ていない
理科 地層・岩石 2019・2022 2022 年度 精読した 3 年では出ておらず、2025 大問 3 の堆積作用が最も近い
理科 地震・火山 2015・2023 2023 年度 同上
理科 気体の性質 2010・2018・2019 2019 年度 単独の大問としては間隔が空いている
理科 人体 2012・2013・2018 2018 年度 単独の大問としては間隔が空いている
社会 国際社会・国際協力 2011・2013・2016・2018・2019・2021 2021 年度 繰り返し大問位置にあったが、2022 以降は大問の主役から外れている(2026 は大問 2 の 1 問)
社会 人口・都市問題 2021・2022 2022 年度 2024・2026 では扱われていない
社会 貿易・資源/工業 2010・2011・2014 2014 年度 長く大問位置から遠ざかっている
社会 史料・資料の読解(古文書・古地図そのものを読む) 2013・2019・2024・2025 2025 年度 2 年連続で出た後の 2026 は世界遺産のスライドに形を変えた
算数 立体の切断 2010・2020 2020 年度 大問で現れて以降、精読した 3 年には出ていない。2025 大問 3(2) の直方体の水そうが立体の最も近い出番
算数 水量 2021・2023・2025 2025 年度 2 年おきで、周期上は次が近い位置
算数 ダイヤグラム・速さのグラフ 2019・2023 2023 年度 精読した 3 年では 2025 大問 4 の水量グラフだけ
算数 食塩水 2011・2022(縮尺の年に併走)・2026 大問 2(5) 2026 年度 大問 2 の一行問題枠には戻り続けている

逆に、直近で出たばかりで当面は続く可能性があるのは社会の雨温図です(2024・2025 と 2 年連続)。


10. 形式面の注意

項目 算数 理科 社会 国語
時間・配点 50 分・100 点 40 分・75 点 40 分・75 点 50 分・100 点
大問数・小問数 5(16 年一定)・23〜29 3(2013〜2026)・31〜33 3〜5(直近 3 年は 4)・33〜38 3(資料のある 5 年)・21〜28
記述 毎年 2 問(大問 4・5 の最終小問) 3〜7 問 2〜4 問 3〜8 問
作図 出る(2026 は斜線で範囲を示す。フリーハンド可と明記) 出る(2024 グラフ・2026 斜線) 出る(2026 はスライド作成) なし
字数・文字種の指定 字数はほぼ無し。「漢字 3 文字で」は毎年 2026 は 48〜60 字。「漢字 2 字で」「〜議員という形で」が多数 下限と上限の両方を指定。送り仮名まで含めて答える指示
円周率 3.14(2026 に明記)

算数

理科

社会

国語


11. 学年別ロードマップ(小 4 から始める場合)

小 4(土台)

小 5(幅)

週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。

小 6(仕上げ)

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか

差がつくのは小 5 での全分野の一巡と、小 4 から積んだ「書く習慣」です。中身を毎年作り直す学校なので、直前に詰め込む形が効きにくくなります。一方で大問の座席は動かないため、どこに時間をかければよいかは早い段階から分かります。とくに「自分の考えを 100 字で書く」「予想とその理由を書く」「途中の式を書く」の 3 つは、小 4・小 5 の日常会話と作文の習慣から育つもので、小 6 の数か月では作りにくいものです。逆に言えば、早く始めた家庭の積み上げがそのまま形になりやすい出題です。


12. この学校と併願するなら

観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか」だけです。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は見ていません。同じ問題が出るという意味ではありません。

8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。


13. 資料の限界


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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。

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