アレセイア湘南中学校 の過去問分析
アレセイア湘南中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
アレセイア湘南中学校 過去問分析(2011〜2026 年度・掲載されている 1 回分・算数/理科/社会 11 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県茅ヶ崎市富士見町 |
| 男女 | 共学 |
| 旧称 | 平和学園中学校・高等学校(2000 年まで) |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 教科入試 2 科 — 2 月 1 日・2 科(国語・算数)/第 1 回 教科入試 4 科 — 2 月 1 日・4 科(国語・算数・社会・理科)/第 1 回 ポテンシャル入試 — 2 月 1 日午前・2 科+面接 |
| 試験時間・配点 | 教科入試 2 科は国語 50 分・算数 50 分で各 100 点(適性検査の入試とあわせて男女 50 名)。教科入試 4 科は国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 50 点・理科 50 点で、理科と社会の実施時間帯は募集要項に明記されていません。ポテンシャル入試は国語 50 分・算数 50 分で各 100 点 |
| 面接 | ポテンシャル入試には面接があります |
上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートが分析できたのは、掲載されている 1 回分(第 1 回相当)の教科入試の問題だけです。ポテンシャル入試・適性検査の入試の傾向は、この資料からは分かりません(→ 4 節・13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)・一行題(数行で終わる短い文章題)・短答(語句や数値を短く答える形式)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 大問の並びが 4 科目とも固定されていて、その座席(問題の置き場所)に毎年新しい問題を入れ直す学校です。算数は 2022〜2026 の 5 年間、大問 7 題・小問ちょうど 20 問で一度も崩れていません。
- 理科は大問 4 題を物質・生物・物理・地学の順に 1 題ずつ、社会は大問 1 = 歴史・大問 2 = 公民・大問 3 = 地理が 5 年連続です。国語(2016〜2018)は大問 1 = 知識 20 問・大問 2 と 3 = 読解でした。
- 理科の人体(2022・2024・2026)と社会の公民には、前に出した設問をほとんどそのまま使い直す動きがあります。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1(計算 6 問)を 5 年分・30 問、まとめて解きます。位置が固定なので、これだけで本番と同じ形の計算演習になります。
- 理科の人体の大問を 3 年分(2022・2024・2026)続けて解きます。同じ設問が何度も出てくることを自分の目で確かめます。
- 社会の大問 3(地理)を、地方ごとの 1 枚まとめに作り直します。すでに出た中国・四国/近畿/中部/関東に加えて、まだ出ていない北海道・東北・九州も同じ形で用意します。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 2(一行題 6 問)を 5 年分・30 問解いて、単位換算(5 年連続)と食塩水(4 年連続)が手から出てくる状態か確かめます。
注意
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2016〜2018 年度のものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
転写(過去問の紙面を文字データに起こしたもの)から読み取りました。年の数え方は 3 つに分けています。精読した年は設問文まで読んだ年、構成だけ数えた年は大問の並びと数だけを数えた年、資料のある年はその両方を含む年です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 資料の無い年 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 5(2022〜2026) | 6(2011・2012・2016〜2019) | 11(2011・2012・2016〜2019・2022〜2026) | 2013〜2015・2020・2021 |
| 理科 | 5(2022〜2026) | 6(2011・2012・2016〜2019) | 11(同上) | 同上 |
| 社会 | 5(2022〜2026) | 6(2011・2012・2016〜2019) | 11(同上) | 同上 |
| 国語 | 3(2016〜2018) | 2(2011・2012) | 5(2011・2012・2016・2017・2018) | 2019 年度以降 |
精読した 5 年では、算数は大問 7・小問 20、理科は大問 4、社会は大問 3 が 5 年とも同じでした。国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。この学校は 2000 年に平和学園中学校からアレセイア湘南中学校へ改称しており(学校の公表資料の記載を確認)、ここで扱った資料はすべて改称後の年度で、表紙の校名は「アレセイア湘南中学校」で一致していました。
- 入試回について: 収録元のデータベースは 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊しか載せていません。表紙に回の表記は残っていなかったため、第 1 回相当の 1 冊として扱っています。同じ年の第 2 回・第 3 回、および適性検査・グローバル・ポテンシャルの各入試の問題はここには含まれません。
- 試験時間と配点は募集要項どおり、国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・理科 50 点・社会 50 点(2026 年度の教科入試 4 科)です。理科と社会の試験時間は募集要項に明記が無かったため、本文では時間に触れていません。
- 「毎年」「〜年連続」と書いた箇所は、その年度の問題文を原本で読み直して確認したものだけです。確認できなかったことは「精読した年に限れば」と弱めるか、書いていません。
- 判読の限界: 図そのものは転写されず、図の説明文しか残りません。図形問題の細部は設問文と図の説明文からの推定を含みます。
5. 一番大きな結論
アレセイア湘南は「大問の並びが 4 科目とも固定されていて、その枠に毎年新しい問題を入れ直す」学校です。 ただし理科と社会の一部には、前に出した設問をほとんどそのまま使い直す動きがはっきり見えます。
- 算数は 2022〜2026 の 5 年間、「大問 7 題・小問ちょうど 20 問」で一度も崩れていません。大問 1 は計算 6 問、大問 2 は一行題 6 問、大問 3〜5 は図形の一行題、大問 6 は誘導つき 2 問、大問 7 はグラフ問題です。どこに何が来るかが事前に完全に読めます。全問が答えのみで、記述も記号選択もありません。
- 理科は 5 年間、「大問 4 題を物質・生物・物理・地学の順に 1 題ずつ」です。しかも大問 2 の生物は人体が 1 年おき(2022・2024・2026)で、その 3 年の設問文はかなりの部分が同じです。
- 社会は 5 年間、「大問 1 = 歴史・大問 2 = 公民・大問 3 = 地理」です。大問 3 は 2023 年度から 4 年連続で「日本の一つの地方の地図」を見る形で、扱う地方だけが毎年入れ替わっています。
- 国語(2016〜2018)は「大問 1 = 知識 20 問・大問 2 と 3 = 読解」です。知識 20 問の内訳(漢字の書き 10・読み 5・語句 5)も 3 年で同じでした。
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | きわめて高い。大問 7・小問 20 が 5 年不変、小問配分も 4 年連続同じ | 大半は毎年作り直し。数値だけ変えた再登場が 5 年で 2 組 | 大問 1〜2 の 12 問(計算+一行題)を確実に取る速さ |
| 理科 | 高い。大問 4・分野の並びが 5 年不変 | 人体は 1 年おきに設問がほぼそのまま使い直される。他分野は作り直し | 人体 3 年分(2022・2024・2026)の読み込み、記述 1 文 |
| 社会 | 高い。大問 3・分野の並びが 5 年不変 | 憲法・三権と地理の地図は問い方が繰り返される | 地方ごとの地図まとめ、憲法の条文番号と日付 |
| 国語 | 高い(2016〜2018)。大問 3・知識 20 問が 3 年不変 | 出典は毎年別。知識問題の語彙帳は限られている様子 | 漢字 15 問セットの速さ、短い記述 |
「同じ場所に同じ種類の問題が出る」ことと「同じ問題が出る」ことは別です。この学校では前者がきわめて強く、後者は理科の人体と社会の公民に部分的にある、という読み方が正確です。
過去問の使い方としては、「同じ座席(問題の置き場所)を縦に読む」が最も効く学校になります。年度ごとに 1 セット解くよりも先に、「5 年分の大問 1 だけ」「5 年分の大問 7 だけ」のように同じ位置の問題を横に並べて解くほうが、この学校の作り方が体に入ります。
6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
地元が問題に入ってきます。 2026 年度の社会 大問 1問6 は「アレセイア湘南中学校の所在地は茅ヶ崎市である。茅ヶ崎市は律令制の時代には何国と呼ばれていたか」と、校名と所在地をそのまま設問に使っています。同じ年の理科 大問 4(5) は「神奈川県茅ヶ崎市の、洪水・土砂災害が起こった際の災害の程度と安全な場所を知るための地図」を読ませる設問でした。社会 大問 3 の地理も 2026 年度は関東地方で、大問 1問8 では横浜の開港が問われています。自分たちの足元から問題を作る姿勢が、少なくとも 2026 年度にははっきり出ています。
生活のなかの数字と場面が素材になります。 算数では「二次元バーコードで支払うと購入金額の 4% 分が還元される」(2026)、「駅から学校までの通学にバスを利用する/自転車を利用する」(2025)、「42.195km は何 m か」(2024)、「500 円玉・100 円玉・1 円玉をおもりにしたてこ」(2022 理科)。理科では「からあげとアジフライをたどるとどの生き物に行きつくか」(2023)、「ご飯を口の中でよくかむとあまく感じる」(2022・2024・2026)。教科書の抽象語ではなく、子どもが実際に見ている場面から入る作り方が 4 科目に共通しています。
答えが一つに決まらない設問を、少数だが必ず入れています。理科の「海水は、なぜ食塩とは少しちがう味がしたのでしょうか。あなたの考えを答えなさい」(2022)、「あなたの考える、地層以外の過去を知る方法を答えなさい」(2022)。正解を当てる設問ばかりではない、と示しているように見えます。
会話文・語りの文章をよく使います。社会 2024 年度の大問 1 は「翔平さんと和子の会話」、2023 年度の大問 1 は 5 人の人物が「私は…」と自分を語る形でした。理科 2022 年度の大問 1 も生徒と先生の会話文です。読む量そのものは多くありませんが、誰が何を言っているかを追う読み方が要ります。
7. 今からやるなら(優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階です。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は 11 節の学年別ロードマップを先に見てください。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数の大問 1(計算 6 問)と大問 2(一行題 6 問)を、5 年分・30 問ずつまとめて解く — 位置が固定なので、過去問の大問 1 だけを縦に 5 年分並べれば、そのまま 30 問の計算ドリルになります。かっこが二重・三重の 6 問目まで必ずやり切ります。大問 2 は 5 年分で 30 問しかないので、単元別に潰しても短時間で終わります。単位換算(5 年連続)と食塩水(4 年連続)が最優先で、単位換算は速さの単位換算まで含めます(時速 ↔ 分速の往復が 2023・2026 と 2 度出ています。km ↔ m、時間 ↔ 分 ↔ 秒、L ↔ mL も 1 問ずつ確認しておきます)。循環小数の第 n 位は 2 度出た問い方なので、5/7・5/37 の 2 問を必ず自分で計算して、循環の長さの数え方を体で覚えます。全問が答えのみなので、途中式を書く練習より検算の速さに時間をかける価値があります。20 問を 50 分なら 1 問 2 分半ですが、大問 1〜2 の 12 問を 15 分で抜けられれば残り 8 問に 35 分使えます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科の人体の大問(2022・2024・2026)を 3 年分続けて解く — 消化・血液の循環・肝臓・呼吸が繰り返し出ます。同じ設問がそのまま出てくるので、ここは覚えてしまってよいところで、この学校でいちばん確実な得点源になります。血液の循環の図は、酸素側からも二酸化炭素側からも言えるようにします(2026 年度は問う向きが逆になりました)。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 社会の大問 1(歴史)と大問 2(公民)を、年号の日付まで詰める — 日本国憲法は条文の番号と日付ごと覚えます(9 条・三大原則・国民の三つの義務・公布 1946 年 11 月 3 日・施行 1947 年 5 月 3 日・憲法記念日)。2024 年度と 2025 年度の大問 2 を並べて解くと、何が繰り返されているかが見えます。三権のしくみ(国会の二院制と任期・被選挙権、内閣総理大臣の指名、違憲審査、民事裁判と刑事裁判、裁判員制度)は 2022・2023・2026 の 3 年で出ています。歴史は人物と年号をセットで覚えます(渋沢栄一・北里柴三郎・津田梅子といった新紙幣の人物、犬養毅ら昭和初期の首相、平清盛・北条時宗など、教科書の太字レベルで足ります)。憲法の公布・施行、震災の日付など、月日を聞かれる設問が複数年で出ているので、年号は日付まで押さえます。導入文に使われる前年の大きな出来事は 5 つだけ確認しておけば足ります(ニュースの見出しレベルで、細部までは問われません)。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 社会の大問 3(地理)を、地方ごとの 1 枚まとめに作り直す — すでに出た中国・四国/近畿/中部/関東に加えて、まだ出ていない北海道・東北・九州も同じ形で用意します。各地方について「県名と県庁所在地」「主な山地・河川・平野」「主な農産物と工業」を 1 枚にまとめる作業が、そのまま大問 3 の対策になります。県名と県庁所在地は 2 年連続で出ており漢字指定の年もあるので、漢字で書けるようにします。社会は記述が無いので、書く練習より用語を漢字で正確に書く練習に時間を回します。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 算数の大問 3〜5(図形の一行題 3 つ)を 5 年分・13 問解く — 角度の折り返しと立体の体積が繰り返し出ています。大問 3 の角度は「長方形の折り返し」が 2025・2026 と 2 年続いたので落とせません。大問 5 の立体の体積は 4 年分(2023〜2026)まとめてやると、回転体・柱体・積み重ね・くりぬきの 4 通りが出てきます。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 算数の大問 7(グラフ問題)を、3 問セットで時間を計って 5 回解く — 5 年分で 5 セットです。(1) は毎年やさしいので確実に取り、(2)(3) で崩れないところまで持っていきます。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 理科の大問 3(物理)・大問 4(地学)と記述を回す — 豆電球の回路(2023・2026)は同じ設問が出た実績があるので、直列と並列、豆電球が切れたときの他の球のふるまい、電池と球を 1 つずつ足して明るくする方法の 3 つを押さえます。大問 4 の地学は地層・月・地震の 3 本柱で準備します(地層は「新しいのはどれか」「断層の名前」「れきが丸い理由」、月は「満ち欠けと位置関係」「クレーター」が繰り返し出ています)。記述は毎年 1〜3 問あり多くが最後の大問に置かれるので、「〜だから。」で終わる 1 文が書ければ足ります。「あなたの考えを答えなさい」は正解が一つに決まらない設問なので、白紙にせず習ったことばを使って言い切る練習をしておきます。実験の表を読む練習(条件を 1 つだけ変えた 2 行を比べる)は、2024 年度のふりこ 1 題で通しておきます。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 国語の知識 20 問と短い記述 — 漢字は「書き 10・読み 5」の 15 問セットで練習します。3 年とも同じ配分なので、市販の漢字問題集を 15 問ずつ区切って解けば本番と同じリズムになります。読みは「敬う」「営む」「奏でる」「従える」のような送りがなつきの訓読みが中心です。四字熟語とことわざは、漢字 1 字を埋める形(「自□自在」「絶□絶命」「雨降って□固まる」)で、意味だけでなく表記まで正確に覚えます。知識 20 問を 10 分以内で抜ける速さを作れば、残り 40 分を読解 2 題に回せます。「二つ選ぶ・二つ書く」設問が多いので、答えを一つ見つけたら必ずもう一つ探す習慣をつけます。記述は十字〜四十字と短いので、長文記述の練習より指定字数ぴったりに収める練習が直結します。論説と小説・随筆を 1 題ずつという組み方なので、どちらかに偏らせません。2019 年度以降の形は資料で確認できないので、市販の過去問集で直近 3 年の大問構成だけは必ず自分で確かめてください。(確認: 〜2018 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 7・小問 20。精読したのは 2022〜2026 の 5 年)
この科目でいちばん先に知っておくこと
算数は、大問の並びが 5 年間ひとつも動いていません。 2022 年度から 2026 年度まで、毎年「大問 7 題・小問ちょうど 20 問」で、内訳も次のとおり固定されています。
| 大問 | 中身 | 小問数(2022 → 2026) |
|---|---|---|
| 大問 1 | 計算だけ 6 問 | 6・6・6・6・6 |
| 大問 2 | 「□に入る数を求めなさい」の一行題 6 問 | 6・6・6・6・6 |
| 大問 3 | 図形の一行題(多くは角度) | 1・1・1・1・1 |
| 大問 4 | 図形の一行題(面積・回転・移動) | 1・1・1・1・1 |
| 大問 5 | 立体(体積)の一行題 ※2022 のみ場合の数 | 2・1・1・1・1 |
| 大問 6 | 誘導つきの 2 問セット | 2・2・2・2・2 |
| 大問 7 | グラフを読む問題(3 問) | 2・3・3・3・3 |
小問の配分「6・6・1・1・1・2・3」は 2023〜2026 の 4 年連続でまったく同じです。2022 年度だけ「6・6・1・1・2・2・2」で、大問 5 が場合の数の 2 問セットでした。合計 20 問という点は 5 年とも共通です。
注意してほしいのは、これは「同じ問題が出る」という意味ではないということです。同じ種類の問題が同じ場所に出る、という意味です。数値だけ変えた同じ問題も少数見つかりましたが(後述)、20 問のうち 1〜2 問という規模で、大半は毎年作り直されています。
年度×大問の題材表(精読した 5 年・前半の大問)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2022 | 計算 6 問 | 一行 6 問(時間の単位換算・対角線・三角形の面積・平均・食塩水・つるかめ算(個数を合計から逆算・受験用教材の単元)) | 角度 | 回転体の体積 |
| 2023 | 計算 6 問 | 一行 6 問(約分・速さの単位換算・比と人数・売買損益・循環小数・食塩水) | 角度(半円) | 円とおうぎ形(弧を 3 等分) |
| 2024 | 計算 6 問 | 一行 6 問(長さの単位換算・時間の単位換算・売買損益・食塩水・比と割合・数の性質) | 3・4・5 の直角三角形の長さ | 長方形の回転移動 |
| 2025 | 計算 6 問 | 一行 6 問(体積の単位換算・速さ・つるかめ算・食塩水・時計算・循環小数) | 角度(長方形の折り返し) | 円とおうぎ形(3・4・5 の直角三角形の 90 度回転) |
| 2026 | 計算 6 問 | 一行 6 問(逆算(□にあてはまる数を求める計算)・速さの単位換算・速さ・還元ポイントの割合・和差算・平均) | 角度(長方形の折り返し) | 平面図形の面積(厚紙の重さと面積) |
年度×大問の題材表(精読した 5 年・後半の大問)
| 年度 | 大問 5 | 大問 6 | 大問 7 |
|---|---|---|---|
| 2022 | 場合の数(硬貨 3 枚) | 速さ(車と徒歩の組合せ) | 速さとグラフ(長方形上を動く点 P) |
| 2023 | 回転体の体積 | 平面図形(正方形 18 枚の重ね) | 速さとグラフ(自転車・休憩あり) |
| 2024 | 立体の体積(おうぎ形をつけた柱) | 数の性質(36 分の何の約分) | 速さとグラフ(台形上を動く点 P) |
| 2025 | 立体の体積(立方体の積み重ね) | 集合(バスと自転車の通学) | 速さとグラフ(自転車で登校・追いつき) |
| 2026 | 立体の体積(円柱から四角柱をくりぬく) | 規則性(白黒の碁石の列) | 水量とグラフ(仕切りのある水そう) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
原本で数えた結果、次の 5 つが「同じ場所」の固定として確認できました。
- 大問 1 = 計算 6 問: 5 年連続(2022〜2026)。導入文も 5 年とも「次の計算をしなさい。」で同じです。整数のひき算 1 問 → 小数のわり算 → 分数の加減 → 分数と小数の混合 → 工夫して計算する 1 問 → かっこが二重・三重の 1 問、という難度の上がり方も 5 年でほぼ共通です。
- 大問 2 = 一行題 6 問: 5 年連続。導入文は「次の□に入る数を求めなさい」(2024 年度だけ「次の にあたる数を求めなさい。」)。
- 大問 3〜5 = 図形の一行題が 3 つ並ぶ: 5 年連続。うち大問 3 は角度が 4 年(2022・2023・2025・2026)で、2024 年度だけ長さを求める問題でした。大問 5 は立体の体積が 4 年連続(2023〜2026。2023 は回転体、2024〜2026 は柱体)です。
- 大問 6 = 誘導つきの 2 問セット: 5 年連続で必ず 2 小問。(1) で数えて (2) でその答えを使う、という組み方も 5 年で共通です。
- 大問 7 = グラフを読む問題: 5 年連続。うち 4 年(2022〜2025)が速さとグラフ、2026 年度だけ水量とグラフでした。この大問だけは 2023 年度以降ずっと 3 小問で、20 問の最後の 3 問がここに集まります。
大問 2 の 6 問の中身にも固定があります。単位換算が 5 年連続で入ります(2022「7 時間 30 分は□分」/2023「時速 5.4km は分速□m」/2024「42.195km は□m」と「2 時間 1 分 39 秒は□秒」/2025「819mL は□L」/2026「分速 200m は時速□km」)。また食塩水の濃度が 4 年連続(2022〜2025)で入り、2026 年度だけ入りませんでした。
数値だけ変えた同じ問題
両年の設問文を原本で突き合わせて確認できたのは、次の 2 組です。
- 循環小数の第 n 位: 2023 年度 大問 2(5)「5/37 を小数で表したとき、小数第 20 位は□です。」/ 2025 年度 大問 2(6)「5/7 を小数で表したとき,小数第 16 位の数字は□です。」— 分数と位の数字が違うだけで、問い方は同じです。
- 平均を上げるのに最低いくつ必要か: 2022 年度 大問 2(4)「4 人の身長の平均は 155cm です。身長の平均を 3cm あげるためには、5 人目の人は少なくとも□cm 以上でなければなりません。」/ 2026 年度 大問 2(6)「9 回目までの平均点が 78 点だった算数のテストにおいて,平均点を少なくとも 2 点上げるためには,10 回目のテストで□点以上とらなければなりません。」— 身長か点数かの違いだけで、考え方は同じです。
素材の再登場もあります。3cm・4cm・5cm の直角三角形が 2024 年度 大問 3((あ) の長さを求める)と 2025 年度 大問 4(点 C を中心に 90 度回転させた斜線部の面積)に、2 年続けて出ました。図は違いますが同じ三角形を土台にしています。
また、水そうにグラフをつけた問題の導入文は 2011 年度「下の図のような水そうに, 一定の割合で水を入れました。」と 2026 年度「次の図のような水そうに,一定の割合で水を入れました。」がほぼ同じ言い回しでした。ただし図(2011 は五角柱、2026 は仕切りのある水そう)も設問も違うので、同じ問題が復活したのではなく、同じ書き出しが使い回されていると読むのが正確です。
問い方のくせ
- 答えのみです。精読した 5 年すべてで、記号を選ばせる設問も、説明を書かせる設問も、途中式を書かせる設問も 1 問もありませんでした。20 問すべてが答えだけを書く形式です。
- 単位が設問文で必ず指定されます。「何 cm ですか」「何 cm² ですか」「何分後ですか」「分速何 m ですか」の形で、そもそも答える単位が決まっています。
- 大問 7 の (1) は毎年やさしいところです。2025 年度なら「花子さんが学校につくのは何時何分ですか」、2026 年度なら「毎分何 L の水を入れていますか」で、グラフの最初の折れ点を読むだけで答えられます。最後の大問だからと飛ばすのはもったいないところです。
- 「すべて求めなさい」「複数ある場合は最も小さいものを答えなさい」という指定が大問 7 の最後に入る年があります(2022・2024)。答えが 2 つある形を想定した書き方です。
8-2. 理科(50 点・大問 4・小問 18〜21。精読したのは 2022〜2026 の 5 年)
この科目でいちばん先に知っておくこと
理科は「大問 4 題を、物質・生物・物理・地学の順に 1 題ずつ」が 5 年連続で動いていません。 分野の並びが決まっているので、どの大問で何が問われるかが事前に読めます。
| 年度 | 大問 1(物質) | 大問 2(生物) | 大問 3(物理) | 大問 4(地学) | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022 | 海水と食塩のとけ方(会話文) | 人体(消化・血液の循環・心拍) | てこのつり合い(硬貨をおもりに) | 地層のスケッチ(崖の観察) | 20 |
| 2023 | 4 つの水溶液の判別 | 生態系(からあげとアジフライの食物連鎖) | 豆電球のつなぎ方 | 月と太陽 | 18 |
| 2024 | ろうそくの燃焼(集気びん) | 人体(消化・呼吸・血液の循環) | ふりこ(5 往復の時間) | 地層と断層 | 21 |
| 2025 | 食塩のとけ方(メスシリンダー) | ヘチマの花のつくりと受粉 | 3 種類の金属の温まり方 | 月の満ち欠け(2024 年夏の観測) | 20 |
| 2026 | 水の三態(グラフ) | 人体(消化・肝臓・血液の循環) | 豆電球の回路 3 つ | 地震(カムチャツカ半島地震) | 19 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は物質分野(水溶液・ものの溶け方・燃焼・状態変化)が 5 年連続(2022〜2026)です。うち 3 年(2022・2023・2025)が水溶液・とけ方でした。
- 大問 2 は生物が 5 年連続です。さらに人体が 2022・2024・2026 と 1 年おきに 3 回入っています。あいだの 2023 は生態系、2025 は花のつくりでした。
- 大問 3 は物理が 5 年連続です。電気回路が 2 回(2023・2026)、力学(てこ・ふりこ)が 2 回(2022・2024)、熱が 1 回(2025)。
- 大問 4 は地学が 5 年連続です。地層が 2 回(2022・2024)、月が 2 回(2023・2025)、地震が 1 回(2026)で、地層と月が交互に来る並びが 2022〜2025 の 4 年間続いていました。2026 でその並びが地震に切り替わっています。
- 記述は毎年 1〜3 問あり、その多くが大問 4 の最後に置かれます(2022 は大問 1 と大問 4、2024 は大問 1 と大問 4 に 2 問、2025 は大問 4 の (5)、2026 は大問 4 の (4)(5))。
数値だけ変えた同じ問題・同じ問い方
以下はいずれも、両年の設問文を原本で突き合わせて確認できたものです。
- だ液とデンプンの書き出しが 3 年で同じでした。2022 年度 大問 2(1)「ご飯にはデンプンが多く含まれていて、口の中でよくかんでいると、だんだんとあまく感じることがあります。」/2024 年度 大問 2(1) は同じ文/2026 年度 大問 2(3)「お米にはデンプンが多く含まれており, 口の中でよくかんでいると, だんだんと甘く感じることがあります.」— 「ご飯」が「お米」に、「あまく」が「甘く」に変わっただけです。
- 血液の循環の図で A と B を比べさせる設問が 3 年あります。2022 年度 大問 2(3) と 2024 年度 大問 2(5) は「二酸化炭素を多く含んでいる血液はどちらですか」で同文です。2026 年度 大問 2(5) は同じ図で「酸素を多く含んでいる血液はどちらですか」と、問う向きだけを裏返しています。
- 肝臓のはたらきを選ばせる設問が 2 年あります。2022 年度 大問 2(4) は「ア〜エから選び」、2026 年度 大問 2(2) は「ア〜エからすべて選び」で、選び方だけが厳しくなっています。
- 豆電球を増やして明るくする問題が 2 年あります。2023 年度 大問 3(4)「上の図 1 の回路に電池を 1 つ, 豆電球を 1 つ付け加えて接続するとき, 豆電球 2 つを図 1 の時よりも明るく点灯させるにはどうしたら…」/2026 年度 大問 3(4)「図 A において, 電池を 1 つ, 豆電球を 1 つ付け加えて接続するとき, 豆電球 2 つを前よりも明るく点灯させるには…」— 図の名前が変わっただけの、ほぼ同じ設問です。
- 消化を漢字二字で答えさせる設問も 2022 年度 大問 2(2) と 2024 年度 大問 2(2) の 2 年で出ています。
つまり人体の大問は、出た年ごとに前回の設問をかなりの部分そのまま使い直しています。2022・2024・2026 の人体 3 セットを並べて解くと、同じ設問が何度も出てくることが自分で確認できます。
問い方のくせ
- 記号選択が主軸です(精読した 5 年で全体の 5〜6 割)。「ア〜エから 1 つ選び, 記号で答えなさい」が基本形で、2026 年度は「すべて選び」が混ざる年もあります。
- 短答は「漢字二字で」「カタカナ 7 字で」「2 文字で」といった答え方の指定つきが多くあります。字数を数えて文章を書かせる指定ではなく、語句を書くときの文字種・文字数の指定です。
- 「あなたの考えを答えなさい」という形の記述が出ます。2022 年度 大問 1(3)「海水は、なぜ食塩とは少しちがう味がしたのでしょうか。あなたの考えを答えなさい。」、大問 4(5)「あなたの考える、地層以外の過去を知る方法を答えなさい。」— 正解が一つに決まらない問い方です。
- 書き出しを指定する記述もあります。2023 年度 大問 2(4)「『植物は水を取り入れないと〜』のあとに続くように」、2026 年度 大問 4(5)「『川に沿って』に続くような書き出しで」。
- 実験の手順を読ませる導入文が長くなります。大問 1 と大問 3 は【実験方法】【実験】という見出しつきの手順が本文の前に置かれることが多く、表を読んで条件を比べる作業が入ります(2024 年度のふりこは表 A〜G の 7 条件、2025 年度の金属は 3 種類の比較)。
8-3. 社会(50 点・大問 3・小問 19〜26。精読したのは 2022〜2026 の 5 年)
この科目でいちばん先に知っておくこと
社会は「大問 1 = 歴史・大問 2 = 公民・大問 3 = 地理」の 3 題が 5 年連続で動いていません。 大問の数は 3 で固定、小問数だけが 19〜26 の幅で年ごとに動きます。分野の配分がここまで読める科目は珍しいところです。
| 年度 | 大問 1(歴史) | 大問 2(公民) | 大問 3(地理) | 小問数 |
|---|---|---|---|---|
| 2022 | 平安末〜鎌倉(保元の乱・平清盛・御恩と奉公・元寇) | 感染症の流行を題材に、行政組織・国際機関・内閣 | 世界地理(「この国」を 5 つ当てる) | 22 |
| 2023 | 近代の政治家 5 人が「私は…」と語る文章 | 国会(二院制・任期・被選挙権・国会議事堂) | 中国・四国地方の地図 | 26 |
| 2024 | 新しいお札の人物(渋沢栄一・北里柴三郎ほか) | 日本国憲法(公布と施行・9 条・三大原則・自由権) | 近畿地方の地図 | 19 |
| 2025 | 国際博覧会の歴史(ロンドン万博〜大阪・関西万博) | 日本国憲法(三大原則・国民の義務・9 条・憲法記念日) | 中部地方の地図 | 23 |
| 2026 | 21 世紀から律令制・鎌倉文化・開港の横浜まで通史 | 裁判所と三権(違憲審査・民事裁判・裁判員) | 関東地方の地図 | 20 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 = 歴史が 5 年連続(2022〜2026)です。形は「長い文章に下線部と空欄がついていて、下線部ごとに問う」で 5 年とも共通です。人物を語群から選ばせる設問が 5 年のうち 3 年(2023・2024・2025)に入っています。
- 大問 2 = 公民が 5 年連続です。うち日本国憲法そのものが 2024・2025 の 2 年連続、三権のしくみが 2022・2023・2026 の 3 年。憲法と三権のどちらかで必ず組まれます。
- 大問 3 = 地理が 5 年連続です。そして 2023 年度から 4 年連続で「日本の一つの地方の地図」を見る形になっています。導入文もほぼ同じで、2024「次の『近畿地方』の地図を見ながら、あとの問題に答えなさい。」/2025「次の『中部地方』の地図を見ながら, あとの問題に答えなさい。」/2026「次の『関東地方』の地図を見て,あとの問いに答えなさい。」
- 扱う地方は毎年入れ替わります: 中国・四国(2023)→ 近畿(2024)→ 中部(2025)→ 関東(2026)。この 4 年で北海道・東北・九州(沖縄を含む)はまだ扱われていません。2022 年度は日本の地方ではなく世界地理でした。
- 記述はゼロです。精読した 5 年すべてで、文章を書かせる設問は 1 問もありませんでした。全問が記号選択か語句の短答です。
同じ問い方が繰り返される
両年の設問文を原本で突き合わせて確認できたものです。
- 「空欄( A )に入る適切な語句を漢字 5 字で答えなさい。」— 2022 年度 大問 1問5 と 2024 年度 大問 2問1 でまったく同じ一文が使われています。答えは前者が「鎌倉幕府ほか」の歴史語、後者が「大日本帝国(憲法)」で違います。
- 地図中の X・Y・Z の地域を説明文と結ぶ設問が 2 年連続です。2024 年度 大問 3問4「図中の X ・ Y ・ Z の地域の自然と産業について説明している文章として正しいものを 1 つずつ選び、記号で答えなさい。」/2025 年度 大問 3問5「図中の X ・ Y ・ Z の地域について適切な文章を次の(ア)〜(エ)の中から 1 つずつ選び, 記号で答えなさい。」
- 県名と県庁所在地をセットで答えさせる設問が 2 年連続です。2025 年度 大問 3問3「B の県名と県庁所在地を答えなさい。」/2026 年度 大問 3問2「A の県名と県庁所在地を漢字で答えなさい。」
- 憲法 9 条を第何条かで答えさせる設問が 2 年連続です。2024 年度 大問 2問4「戦争の放棄や戦力を保持しないことなどについて書かれたのは日本国憲法の第何条ですか、答えなさい。」/2025 年度 大問 2問4「日本国憲法の条文の中で戦争を放棄すると定めているのは憲法何条か数字で答えなさい。」
- 国民の三つの義務も 2024 年度 大問 2問5 と 2025 年度 大問 2問2 の 2 年連続です。三大原則の空欄補充も同じ 2 年に入っています。
2024 年度と 2025 年度の大問 2 は、聞いていることのかなりの部分が重なります。憲法を扱う年に当たった場合、前年の大問 2 がそのまま予習になります。
問い方のくせ
- 記号選択が主軸です(精読した 5 年で 5〜6 割)。残りは語句を書く短答で、記述はありません。
- 短答は書き方の指定つきが多くあります。「漢字 5 字で」「漢字 2 字で」「漢字 4 字で」「漢字で答えなさい」「数字で答えなさい」。字数を数えて文章を書かせる指定ではありません。
- 長い文章に下線部と空欄を仕込む形が大問 1・大問 2 の基本です。文章そのものは平易ですが、下線部が 7〜9 か所つく年(2026 年度 大問 1 は下線部 9 か所)は読む量が増えます。
- 年号・数字を答えさせる設問が多くあります。「1946 年」「1947 年の何月何日」「憲法記念日は何月何日か数字で」「令和 8 年の前の和暦」など。年号を漠然と覚えるのではなく、日付まで押さえる必要があります。
- 前年〜当年の出来事が導入文に入ります。2022 年度は感染症の流行、2024 年度は新紙幣の発行、2025 年度は大阪・関西万博、2026 年度は「2026 年現在」の領土をめぐる課題。ただし問われるのは教科書の基本事項であることがほとんどで、ニュースの細部を暗記しないと解けない設問は少ないところです。
8-4. 国語(50 分・100 点。資料のある年は 2011・2012・2016〜2018 の 5 年で、精読したのは 2016〜2018 の 3 年)
国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2016〜2018 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。2011・2012 年度は大問 4 題・小問 23 問で、2016 年度以降とは形が違っていました(この 2 年は構成だけ数えた年です)。
年度×大問の題材表(2016〜2018)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|
| 2016 | 漢字 15 問+四字熟語 5 問 | 高野秀行『またやぶけの夕焼け』(カブトムシ捕り・随筆) | 外山滋比古『なんのために「学ぶ」のか』(論説) | 35 |
| 2017 | 漢字 15 問+四字熟語 5 問 | やなせたかし『わたしが正義について語るなら』(論説) | 瀬尾まいこ『天国はまだ遠く』(小説) | 37 |
| 2018 | 漢字 15 問+ことわざ 5 問 | 日高 敏隆『世界を、こんなふうに見てごらん』(論説) | 畑 正憲『ムツゴロウの事件簿』(随筆) | 42 |
出典はいずれも本文末尾の表記を原本で確認したものです。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 = 知識問題ちょうど 20 問が 3 年連続(2016〜2018)です。内訳も 3 年とも同じで、問一が漢字 15 問(カタカナを漢字に直すもの 10 問 → 漢字の読みをひらがなで書くもの 5 問)、問二が 5 問。導入文も 3 年とも「次の——部のカタカナを漢字に、漢字をひらがなにしなさい。」でそろっています。
- 問二の中身だけが年で入れ替わります。2016・2017 は四字熟語の空欄(自□自在・千差万□・単刀直入/針□棒大・絶□絶命・異□同音…)、2018 はことわざの空欄(雨降って□固まる・石の上にも□年…)でした。
- 大問 2・大問 3 = 読解 2 題が 3 年連続です。3 年とも「論説・随筆」と「小説・随筆」を 1 題ずつ組む形になっています。
- 本文の内容に合うものを選ぶ設問が、読解の最後に 3 年とも入ります(2016 大問 3問七「二つ選び」、2017 大問 2問八「二つ選び」、2018 大問 2問八は〇×で答える形)。
- 接続語の空欄補充が 3 年とも入ります(2016 大問 3問一、2017 大問 2問四、2018 大問 2問二)。
繰り返し出た語
漢字の出題語まで両年で突き合わせたところ、「敬う」が 2017 年度 問一(11) と 2018 年度 問一(12) の 2 年連続で出ていました。3 年のうち 2 年で同じ語が出るのは、出題の元になる語彙帳が限られていることを示しています。ただし他の語で 2 年重なったものは見つかっていないので、漢字が丸ごと使い回されているとまでは言えません。
問い方のくせ
- 記号選択と抜き出しが中心で、記述は 1〜3 問しかありません(2016 は 3 問、2017 は 2 問、2018 は 1 問)。
- 「二つ選びなさい」「二つ答えなさい」が多くあります。2016 大問 2問七「『僕』が嬉しくなった理由を二つ書きなさい」、2017 大問 3問四「二つ選び」、2018 大問 2問六「二つ答えなさい」、大問 3問四「二つ選び」。一つ見つけて満足すると落とします。
- 抜き出しは字数指定つきです。「本文中より七字で」「本文から八字で抜き出しなさい」「六字以内で考え、書き抜きなさい」。
- 語句を自分で考えて書かせる設問があります。2017 大問 2問七「文中のエ、オにあてはまる言葉を、考えて書きなさい」、2018 大問 2問七「B にあてはまる言葉を考えて、十字以内で答えなさい」、大問 3問五「省略されているのはどのような言葉ですか…十字」。抜き出しではなく自分のことばで埋める形です。
- 会話文の話し手を当てさせる設問が 2018 年度 大問 3問一に 4 問まとめて入っていました(A〜D はそれぞれ誰の言葉か)。会話中心の文章が出た年の作り方です。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した年(算数・理科・社会は 2022〜2026、国語は 2016〜2018)で数えたものです。最終確認年度は、その単元を資料の中で最後に確認できた年度を指します。
| 科目 | 単元 | 出た年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 場合の数 | 2022 | 2022 年度 | 大問 5 で出たきり 4 年空いています。大問 5〜6 の枠に戻ってくる可能性があります |
| 算数 | 回転体 | 2022(大問 4)・2023(大問 5) | 2023 年度 | 連続して出たあと 3 年空いています。大問 5 は立体の体積の枠なので、そこに回転体が戻る形はあり得ます |
| 算数 | つるかめ算(個数を合計から逆算・受験用教材の単元) | 2022・2025 | 2025 年度 | どちらも大問 2。3 年おきという間隔なら 2028 年度あたりが次ですが、大問 2 は 6 問しか枠が無いので順番待ちの単元が多いところです |
| 算数 | 時計算(時計の長針と短針の角度・受験用教材の単元) | 2025 | 2025 年度 | 大問 2 で 1 度だけ。1 回しか確認できていないので、周期は読めません |
| 理科 | てこ・ばね(力学) | 2022(てこ)・2024(ふりこ) | 2024 年度 | てこは 2022 年度以降 4 年出ていません。大問 3 の物理枠は電気・力学・熱で回っているので、力学の番が来れば戻る位置にあります |
| 理科 | 月 | 2023・2025 | 2025 年度 | 1 年おきに出ていましたが 2026 年度は地震でした。2027 年度の大問 4 に戻る形は十分あり得ます |
| 理科 | 生態系・食物連鎖 | 2023 | 2023 年度 | 1 回のみ。大問 2 の生物枠は人体が 1 年おきに入るため、人体でない年の枠を花・生態系・植物が分け合っています |
| 理科 | 溶解度・再結晶 | 2022・2025 | 2025 年度 | 3 年おき。大問 1 の物質枠の常連です |
| 社会 | 地理・まだ出ていない地方(北海道・東北・九州(沖縄を含む)) | — | — | 2023 年度から 4 年で中国・四国 → 近畿 → 中部 → 関東と回りました。この 4 年では扱われていないので、次に回ってくる可能性がある地方として準備しておく価値があります |
| 社会 | 世界地理 | 2022 | 2022 年度 | 大問 3 を丸ごと使って出たあと 4 年出ていません |
| 社会 | 選挙・地方自治・財政 | 2023(選挙制度) | 2023 年度 | 選挙制度は 1 回のみ。公民の枠は憲法と三権で埋まる年が多く、選挙・地方自治・財政は順番待ちの状態にあります |
| 社会 | 原始・古代(縄文〜奈良) | 2026 | 2026 年度 | 2026 年度に大宝律令と遣唐使で戻ってきました。2023〜2025 は近現代中心だったので、大問 1 の時代は年ごとに大きく振れます |
| 国語 | 四字熟語 | 2016・2017 | 2017 年度 | 2 年続いたあと 2018 はことわざでした。大問 1 問二の 5 問枠は、四字熟語・ことわざ・慣用句が順に回っている可能性があります(2019 年度以降は資料が無く確認できません) |
| 国語 | 文法(品詞)・語彙・季語 | 2011・2012 | 2012 年度 | これらを扱う大問がありましたが、2016〜2018 では見当たりませんでした |
ここに挙げた国語の内容は 2018 年度までの観察です。2019 年度以降に形が変わっていないかどうかは、この資料では確認できません(→ 13 節)。
10. 形式面の注意
4 科目に共通すること
- 記述の総量が少ないところです。算数と社会は精読した 5 年で記述ゼロ。理科が毎年 1〜3 問、国語が 1〜3 問(2016〜2018)。しかも字数指定は「十字程度」「四十字以内」「簡単に説明しなさい」と短いものです。
- 作図はどの科目にもありません(精読した年の範囲で)。
- 答え方の指定が細かくあります。「漢字 5 字で」「漢字二字で」「カタカナ 7 字で」「数字で」「ひらがなでも可」。これは字数を数えて文章を書く指定ではなく、語句の書き方の指定です。
- 一つの小問で複数を答えさせる形が多くあります。社会の語群選択(A〜E の 5 語をまとめて)、国語の「二つ選び」、理科の「すべて選び」。小問数の見た目より、実際に書く答えの数は多くなります。
- 図に頼る度合いは理科がいちばん高いところです(有図の小問がおよそ 6 割)。算数は 3 割、社会は 3 割で、社会の図は地方の地図が中心です。
算数
- 円周率は 3.14 です。精読した 5 年すべてで本文中に円周率の指定がありました(例: 2025 年度 大問 4「ただし,円周率は 3.14 とします。」)。
- 字数を数えさせる指定はありません(算数なので当然ですが、記述が無いことの裏返しでもあります)。
- 図がつく小問は大問 3〜5 と大問 7 に集中し、大問 1〜2 にはほぼ図がありません。
理科
- 図なしで設問文だけ読んでも答えられない問題が多くあります。
- 記述の解答欄に字数の指定はありません。「簡単に説明しなさい」という言い方が使われます。
- 前年の出来事が導入文に入ることがあります。2025 年度は「2024 年の夏に月の動きと満ち欠けを観測しました」、2026 年度は「2025 年 7 月末, ロシアでカムチャツカ半島地震が発生し」。ただしニュースの知識そのものを問うのではなく、理科の基本事項を聞くための入り口として使われています。
社会
- 地形図の読図(等高線をたどるような設問)は精読した 5 年でありませんでした。地図は都道府県の位置と記号を読む使い方が中心です。
- 統計の数字が問題文に添えられる年があります(2026 年度 大問 3問4「収穫量(33,700 トン)が国内 1 位(2022 年の農林水産省統計)」、問5「流域面積が日本一(16,840km²)」)。数字を覚えるのではなく、数字から県や川を特定させる使い方です。
- 語群から選ぶ形の設問では、一つの設問で 3〜5 個をまとめて答えさせることがあります(2024 年度 大問 1問1 は A〜D の 4 人、2026 年度 大問 2問1 は A〜E の 5 語)。小問 1 つあたりの答えの数が多くなります。
国語(2016〜2018 で確認)
- 記述の字数指定は「十字程度」「十字以内」「四十字以内」と短いところです。長い記述は精読した 3 年で 1 問もありませんでした(最長が 2017 年度の四十字以内)。
- 作文・意見文はありません。図表を読む設問もありません。
- 小問数が 35〜42 と多くなります。50 分でこの数をさばくので、知識問題の 20 問をどれだけ速く抜けるかが時間配分の要になります。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
小 4(土台): 計算の正確さ・平面図形の基礎・音読と語彙・漢字の 4 本でよいところです。この学校で最後まで効くのは、算数なら「かっこが二重・三重の四則計算」と「単位換算」、国語なら「漢字の読み書きを 15 問続けて間違えない集中力」です。時間を計る練習はまだ不要です。理科は身のまわりの観察(月の形、水のすがた、植物のつくり)を実物で見ておくと、後で図の設問に強くなります。
小 5(幅): 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は計算と漢字(書き 10・読み 5 の 15 問セット)に充て、週末 60 分でその週の単元を 1 つずつ進めます。この学校は毎年の枠が決まっている代わりに、その枠に入る単元のプールが広いところです。算数なら大問 2 の一行題に入りうる単元を、単位換算 → 割合 → 食塩水 → 売買損益 → つるかめ算(個数を合計から逆算・受験用教材の単元) → 平均 → 時計算(時計の長針と短針の角度・受験用教材の単元) → 規則性 → 数の性質 → 集合 の順に一巡させます。理科は物質・生物・物理・地学の 4 分野をまんべんなく学び終えます。社会は地理を地方ごとに一巡させ、公民は憲法と三権を通します。国語の語彙もここで全分野を一巡しますが、国語は 2019 年度以降の資料が無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください。小 5 でこの一巡を終えられると、小 6 で「枠に対して単元を当てはめる」だけになります。
小 6(仕上げ): 7 節の 8 項目をそのまま実行します。夏以降は「同じ座席(問題の置き場所)を縦に」を優先し、秋以降に年度通しで 50 分を計ります。理科の人体・社会の公民は、繰り返しが確認できている領域なので、暗記に振り切ってよいところです。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 出題の枠が固定されているぶん、小 5 で単元プールを一巡できたかどうかが最も大きいところです。枠が読めても、その枠に入る単元を知らなければ点になりません。逆に、小 6 の 1 年で慌てて全部を詰め込む必要は薄い学校でもあります。算数は 20 問すべてが答えのみ、社会は記述ゼロ、国語の記述も四十字以内なので、書く訓練より、正確に速く処理する訓練のほうが最後まで効きます。
12. この学校と併願するなら
観点は過去問演習が二重に効くかだけです。難易度・偏差値帯・通学圏・お子さんとの相性は扱いません。
- 浦和実業学園中学校(埼玉県・共学)— 4 科目すべてで近く、総合でいちばん近い相手です(近さ 87)。算数・理科・社会・国語のどれを解いても転用が効きます。
- かえつ有明中学校(東京都・共学)— 算数がいちばん近く、国語も近い相手です(近さ 81)。理科の作りはやや離れます。
- 北鎌倉女子学園中学校(神奈川県・女子校)— 国語が最も近く、同じ神奈川県内の相手です(近さ 81)。理科は離れています。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- この学校には 2 科(国語・算数)で受けられる回があります。2 科で受けるつもりでも、併願先が 4 科目校の場合、理科と社会はこの回の準備とは別に立てる必要があります。
- 近さは「大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図の多さ・同じ位置に同じ単元が来るか・設問文の使い回し」と単元の分布から自動集計で出したもので、同じ問題が出るという意味ではありません。この学校の算数は全問が答えのみ・記述ゼロという点が際立っているので、記述の多い学校と併願する場合は、算数の答案の書き方だけ別に用意する必要があります。
13. 資料の限界
- 入試回は 1 冊のみです。収録元は 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊しか載せていません。この学校は第 1 回・第 2 回・第 3 回の教科入試のほか、適性検査・グローバル・ポテンシャル・小学校長推薦と複数の入試がありますが、ここで分析できたのはそのうち 1 つ(第 1 回相当)だけです。他の回や適性検査の入試の傾向は、この分析からは何も言えません。
- 年が飛んでいます。2013〜2015 年度と 2020・2021 年度の資料がありません。本文で「5 年連続」と書いたのは 2022〜2026 の連続する 5 年で、そこに欠けはありません。ただし 2019 年度と 2022 年度のあいだの 2 年が見えないため、2020・2021 年度に一時的な変化があったかどうかは確認できません。
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。8-4 の内容は 2016〜2018 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
- 図は転写されません。図の説明文しか残らないため、算数の図形問題や理科の実験装置の細部には推定が混じります。図そのものを見ないと解けない設問について、「どの程度むずかしいか」はここでは判断していません。
- 試験時間は募集要項に国語 50 分・算数 50 分の記載がありますが、理科・社会は明記がありませんでした。8-2・8-3 で時間配分に触れていないのはそのためです。
- 転写の読み落としがあり得ます。小問の数え方(一つの設問で複数を答えさせる形をどう数えるか)によって、小問数は 1〜2 問ずれることがあります。本文の小問数はすべて原本を数え直したものですが、この幅は残ります。
- 難易度・偏差値・合格可能性・学校の方針や理念には触れていません。ここで扱ったのは過去問の作りだけです。
- 「毎年」「〜年連続」は、原本で確認したものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
資料どうしの食い違い
- 2020 年度は社会の解答用紙だけがあり、問題がありません。問題が読めないので 2020 年度は分析にいっさい使っていません。他の 3 科目は 2020 年度・2021 年度とも資料がありません。
- 自動集計で作った下読み資料では、算数の大問 1〜2 が「先頭の小問の単元」で代表されていて、年ごとに単元が入れ替わっているように見えていました。原本を開くと大問 1 は 5 年とも計算 6 問、大問 2 は 5 年とも「□に入る数を求めなさい」の一行題 6 問で、入れ替わっていたのは大問の性格ではなく、たまたま先頭に来た小問の単元でした。本文はすべて原本で数え直した結果で書いています。
- 国語の出典を集めた一覧では、2017 年度の大問 2 が瀬尾まいこ『天国はまだ遠く』とされていましたが、原本の本文末尾は「(やなせたかし『わたしが正義について語るなら』より)」でした。本文では原本の表記を採っています。
- 同じ下読み資料では、社会の「字数指定のある冊 46%」という数字が出ていましたが、原本を開くと字数を数えさせる設問はひとつも無く、すべて「漢字 2 字で」「カタカナで」のような文字種の指定でした。本文ではこの数字を採りませんでした。
- 校名の照合について: この学校は 2000 年に平和学園中学校から改称しており、同じ「湘南」を含む湘南学園中学校・湘南白百合学園中学校・慶應義塾湘南藤沢中等部とは別の学校です。本文の分析にそれらの資料は一切混ぜていません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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