芝国際中学校 の過去問分析
芝国際中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
芝国際中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・第 1 回相当・算数 12 年/理科 13 年/社会 13 年/国語 6 年)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都港区 |
| 男女 | 共学(2023 年 4 月に東京女子学園中学校から改称し、共学になりました) |
| 旧称 | 東京女子中学校(1948 年に改称)、東京高等女学校(1922 年に改称) |
| 入試回と日程・科目 | 帰国生 第 1 回(本科)11 月 20 日午前 — 国語・算数/帰国生 第 1 回(国際)11 月 20 日午前 — 英語・国語・算数(算数は英語で出題)・面接/帰国生 第 2 回(本科・国際)12 月 19 日午前 — 第 1 回と同じ時間割/第 1 回(本科)2 月 1 日午前 — 4 科(国語・算数・理科・社会) |
| 試験時間・配点 | 第 1 回(本科)は国語 45 分・算数 45 分、理科と社会はあわせて 60 分(11:05〜12:05)。配点は国語 100 点・算数 100 点・理科 50 点・社会 50 点。帰国生(本科)は国語・算数が各 45 分・各 100 点で募集は若干名、帰国生(国際)は国語 30 分 50 点・算数 30 分 50 点・英語 60 分 100 点 |
| 面接 | 帰国生の国際は約 10 分の面接があります |
上の表は 2027 年度の募集要項として渡された範囲の内容です。本科にはこのほかにも回があります(→ 4 節)。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
校名が似ていますが、芝中学校・芝浦工業大学附属中学校とは別の学校です。改称の前後で変わったところは各節で明記しました。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)・一行問題(数行で終わる短い文章題)・逆算(□にあてはまる数を求める計算)・短答(語句や数値を短く答える形式)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校は「同じ問題」を出さない代わりに、同じ座席(問題の置き場所)に同じ種類の問題を置きます。算数の大問 1 は計算、大問 2 は一行問題の集合、大問 3 は平面図形という並びが、精読した 3 年(2023・2024・2025)で崩れていません。
- 社会は大問 1 が地理でその中に地形図の読図が 3 年連続、大問 2 が幕末・明治維新で 3 年連続、最後の大問が「いまの社会の課題」の総合で 3 年連続です。
- 理科は 4 大問に物理・化学・生物・地学を 1 題ずつ置く形が 3 年連続ですが、並ぶ順番は動きます。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 2 の一行問題だけを年度をまたいで縦に解きます(2024・2025 は 19 小問中 8 問がここです)。
- 社会の大問 1 の地形図だけを 3 年分、大問 2 の近代史だけを 3 年分、縦に解きます。
- 理科と社会をあわせて 60 分の通し演習をします。この 2 科目で 45〜60 問を 60 分で処理する配分が、いちばん練習しにくいところです。
今週やる 1 つ
- 直近 2 年(2024・2025)の算数の大問 2 を 1 問 90 秒で解いて、整数のあまり・割合と比・角度・円で止まらないかを確かめます。
注意
- 国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2019 年度までのものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
このレポートは過去問の転写(過去問の紙面を文字データに起こしたもの)をもとにしています。年の数え方は次の 3 つに分けました。精読した年は設問文まで読んだ年、構成だけ数えた年は大問の並びだけを記録から数えた年、資料のある年はその合計です。
| 科目 | 資料のある年 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2010、2014〜2021、2023〜2025 の 12 年 | 2023・2024・2025 の 3 年 | 9 年 | 高。ただし 2010・2021・2023・2024 は図がぼやけていると記録されています |
| 理科 | 2010、2012〜2020、2023〜2025 の 13 年 | 2023・2024・2025 の 3 年 | 10 年 | 中。2010・2015・2023・2024・2025 は確度が低いと記録されています。2016 は「別の学校(芝中学校)の問題ではないか」という記録が付いており、本文では使っていません |
| 社会 | 2010〜2015、2017〜2020、2023〜2025 の 13 年 | 2023・2024・2025 の 3 年 | 10 年 | 高(2024・2025 は確度が低いと記録されています)。2014 の解答用紙は別の学校のものと判定され、集計から外されています |
| 国語 | 2010、2014、2015、2016、2018、2019 の 6 年 | 2016・2018・2019 の 3 年 | 3 年 | 中。2020 年度以降は問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。2019 の冊子にも別校の疑いの記録が付きますが、2018 と同文の設問(漢字の部首・『新漢語林』による)があり、他の年と作りが揃っているのでこの学校のものとして扱いました |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 2022 年度は 4 科目とも資料がありません。 改称の直前の年が抜けているため、「いつ作りが変わったか」は 2021 と 2023 の間としか言えません。
- 入試回は各年・各科目 1 冊のみで、回の区別ができません。2012・2013 の理科の表紙には「第 1 回・午前」の記載があり、第 1 回相当として読みました。
- 現在の募集は本科が 2 月 1 日午前・午後、2 日、6 日の 4 回、ほかに国際(英語あり)と帰国生があります。資料はそのうち 1 回分であり、他の回の傾向は分かりません。
- 試験時間・配点は本科第 1 回で国語 45 分 100 点・算数 45 分 100 点・理科と社会をあわせて 60 分(各 50 点)です。第 2〜4 回は国語・算数の 2 科目です。設問別の配点はどの冊子にも印刷されていません。
5. 一番大きな結論
この学校は「同じ問題」を出さない代わりに、「同じ場所に同じ種類の問題」を置きます。 原本で確かめた直近 3 年(2023・2024・2025)で、次の並びが崩れていません。
- 算数: 大問 1 は計算だけ(3 年連続。記録では 12 年すべて先頭が計算)。大問 2 は単元をまたぐ一行問題の集合(3 年連続、導入文まで同文)。大問 3 は平面図形(3 年連続)。
- 社会: 大問 1 は地理で、その中に地形図の読図が 3 年連続。大問 2 は幕末・明治維新(3 年連続)。最後の大問は「いまの社会の課題」を地理・公民・時事にまたいで問う総合(3 年連続)。
- 理科: 4 大問に物理・化学・生物・地学を 1 題ずつ(3 年連続)。ただし並ぶ順番は動くので、「何番に何分野」では構えません。
- 国語: 長文読解 1 題 → ことわざ・部首などの語句 → 漢字の読み書き 10 問、という並びが資料のある 6 年すべてで同じです(ただし国語は 2019 年度までしか資料がありません)。
したがって過去問の使い方は、「単元ごとの解き方を身につける」と「時間の使い方を身につける」の 2 つに近くなります。「出る問題を覚える」やり方ではありません。具体的には、同じ座席の問題を年度をまたいで縦に解くのがよく効きます。算数の大問 2 だけを 6 年分、社会の大問 1 の地形図だけを 3 年分、社会の大問 2 の近代史だけを 3 年分、というやり方です。そのうえで、理科と社会は必ずあわせて 60 分の通し演習をします。この 2 科目で 45〜60 問を 60 分で処理する配分こそが、この学校でいちばん練習しにくく、いちばん差が出るところに見えます。
一方で「毎年作り直す」ものもはっきりしています。算数の大問 4(2023 仕事算(何人かで分担したときの日数)・2024 立体・2025 水量)、理科の 4 分野の順番と単元、社会の大問 3 の分野(2023・2024 は公民、2025 は歴史)です。ここは幅を持って準備します。
改称・共学化の前後で変わった点も押さえておきたいところです。社会は理科とあわせて 50 分・50 点だった年(2014)から 60 分・各 50 点になり、問題数が増え、記述がほぼ消え、古代・中世が出なくなりました。算数は 2019 年に大問 1 が計算専用に分かれ、2024 年から 5 大問 19 小問に落ち着きました。理科は分野の並び順が動くようになりました。
四科目の見取り図
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 高い。2024・2025 は 5 大問 19 小問(4・8・3・2・2)まで一致。すべて答えのみで記述・作図はゼロ | 大問 2 の一行問題 8 問が得点の柱。大問 3 は平面図形で固定。最後は「その場で規則を見つける」問題 | 大問 2 の一行問題を 1 問 90 秒で。整数のあまり・割合と比・角度・円は毎年 |
| 理科 | 中。4 大問・4 分野 1 題ずつは 3 年連続だが、順番と単元は動く。選択 41〜60%・短答 35〜48%・説明記述が毎年 1 問 | 計算が芯。血液循環・金属の燃焼・中和・湿度・速さの計算が毎年どこかにある。リード文で新しい語を説明してから問う作り | 電気回路(2 年連続で同じ問い方)と理科の計算。知らない語をリード文から読み取る練習 |
| 社会 | 中。大問 4〜5・小問 27〜35。記号選択が主軸(63〜70%)で記述はほぼ無い | 大問 1 の地理に地形図、大問 2 に近代史、最後に現代の課題。古代・中世は 3 年間ゼロ | 地形図の読図と近代史(幕末〜昭和前期)。出来事の並べ替えが 3 年連続 |
| 国語 | 資料のある 6 年では高い(読解 1 題+語句+漢字 10 問)。ただし 2020 年度以降は資料が無い | 小説だけ。記述 2〜5 問、漢字の部首という珍しい設問 | 漢字 10 問と語句を確実に。記述は 20〜70 字で本文の語を使って言い換える |
6. この学校らしさが出る場所
科目別の詳細(8 節)から、この学校でしか見られない作りをここにまとめました。
- 登場人物の名前に校名が入っています。 社会 2024 の会話文は「芝野くん」と「国村さん」、2025 の会話文は「しばえ」と「くにと」で、改称後の 2 年連続で校名を分けた名前が使われています。女子校時代は「東子さん・京子さん・梅子さん」(理科 2017・2018)、算数の登場人物も「美代子さん」「梅子さん」「好子さん」「京子さん」でした。改称後は「兄と妹」「姉と妹」「A 君」「太郎さん」に変わっています。
- 学校の立地そのものが問題になります。 社会 2025 の大問 2 は「今日学校に来るときに、こんな石碑を発見したの」から始まり、会話の中で「ぼくたちの学校がある田町」「わたしたちの学校は薩摩藩の蔵屋敷の跡地にある」と説明され、西郷隆盛と勝海舟の会見(江戸無血開城)→ 薩摩藩 → 藩閥政治 → 普通選挙法へつながります。港区という土地の歴史を、そのまま近代史の入口にしています。
- 現代の技術と世界の課題を入口にします。理科はカーボンニュートラルと水素エンジン(2023)、SDGs の目標 13 と 2023 年の記録的な暑さ・気候モデル(2024)、光ファイバー通信と通信速度 Gbps・南海トラフとプレート(2025)。社会は SDGs の 17 項目図(2023)、1972 年の環境会議と WHO(2024・2025)、国土面積を他国と比べる(2023)、原爆と平和(2025)。理科・社会とも、少なくとも 1 題は「いま話題になっていること」から入るのが 3 年続いています。
- 世界とのつながりを繰り返し問います。国際連合の専門機関を扱う設問が 2024・2025 にあり、国際協力・国際社会の設問が 3 年とも入ります。
- 科学者の名前と学説の歴史が出ます。気候の物理的モデリングの業績(理科 2024)、ヴェゲナーの大陸移動説(理科 2025)。記録では 2014 のアリストテレスとガリレイ、2015 のアルキメデスも同じ作りです。人名と学説を読み物として示し、そこから理科の内容を問う作りが長く続いているように見えます。
- 教科書を越えた語をリード文で説明してから問います。フロリゲン(2025)、屈折率とコア・クラッド(2025)、フェーン現象(2023)、昼夜間人口比率(社会 2023)、線状降水帯(社会 2025)。知らない語でも、リード文と図を読めば答えられる作りになっており、知識を思い出す試験ではなく、その場で読んで考える試験に寄っているように見えます。
- 自校を題材にする作りは改称の前後を通して残っています。女子校時代(2017)には、旧称の「東京女子学園では、高校 2 年生が九州地方へ修学旅行に出かけます」というリード文で社会の大問 1 が作られていました。扱う内容は修学旅行から校地の歴史へ移っています。
- 国語は資料のある 6 年とも小説 1 題だけです。芥川龍之介「蜘蛛の糸」(2016)、宮沢賢治「注文の多い料理店」(2018)のような近代文学と、現代の児童文学が交互に来ます。漢字の部首を『新漢語林』で問う設問(2014・2018・2019)は珍しい形です。
7. 今からやるなら
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先にしてください(→ 11 節)。
各項目の根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。末尾の(確認: 〜20XX 年度)は、その項目の根拠が確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数の大問 2(一行問題 6〜8 問)を落とさない。(確認: 〜2025 年度)2024・2025 はここが 19 小問中 8 問で、配点の 4 割強を占めます。整数のあまり、割合と比、速さ、角度、円とおうぎ形、つるかめ算(個数を合計から求める)、年齢算(年の差から求める)、売買損益(原価と利益の計算)、場合の数を 1 問 90 秒で確実に。
- [週末 60 分] 理科と社会をあわせて 60 分の通し演習。(確認: 〜2025 年度)理科 17〜27 問・社会 27〜35 問を合計 60 分で解く配分(理科 30 分・社会 30 分が目安)を体に入れます。年によって問題数が 1.5 倍違うので、「何分で何問」ではなく「詰まったら飛ばす」判断を鍛えます。社会は 35 問の年もあるので 1 問 50 秒の感覚を。ここが最大の練習不足になりやすいところです。
- [週 1 回] 社会の地理。(確認: 〜2025 年度)地形図が 3 年連続で大問 1 に出ています(2023 広島城跡・2024 関ヶ原・2025 長崎の 2 万 5000 分の 1)。地図記号、等高線と三角点、縮尺(2 万 5000 分の 1 で何 m)、「読み取れることとして正しくないもの」を選ぶ形。あわせて 47 都道府県を「形」で覚えます(県の形のシルエットを選ぶ問題が 2 年連続。県境・隣接県の数・県庁所在地・特産も)。統計グラフの読み取り(製造品出荷額の割合で都県を当てる、税収の推移で税目を当てる、雨温図で地方を当てる)も練習します。
- [週 1 回] 社会の近代史(幕末〜昭和前期)と公民・時事。(確認: 〜2025 年度)近代史は 3 年連続で大問 2 の柱です。ペリー来航 → 明治維新 → 不平等条約改正 → 日清日露 → 大正デモクラシー → 満州事変までを、人物・出来事・年代の 3 点セットで。出来事の並べ替えが 3 年連続で出るので、年代順は必須です。公民は憲法と三権分立が 3 年とも 1 題あり、基本的人権の分類(自由権・社会権・参政権)、憲法第 9 条・第 96 条、議院内閣制、弾劾裁判、国民投票を押さえます。前年 1 年間のニュースは「制度・地理・歴史」に翻訳します — 周年(鉄道 150 年・原爆 80 年・創立 100 周年)、値上げや制度改正(郵便料金・新紙幣)、統計の更新(合計特殊出生率)。線状降水帯、超高齢社会、再生可能エネルギー、6 次産業化、バリアフリー、ケアラーといった語は、意味とともに書けるように(カタカナ指定・漢字指定があります)。
- [毎日 10 分] 算数の計算。(確認: 〜2025 年度)工夫して解く計算が大問 1 に毎年 1 問入ります。共通因数でくくる(2024)、隣どうしの積の差にまとめる(2025)、同じ数をまとめる(2023)。年号の数を使った計算は毎年入ると見てよいところです。あわせて「◯で割っても△で割っても□あまる」を手順として持っておきます(最小公倍数+あまりで一般形を作り、条件(2 けた・100 に最も近い・個数)に合わせて答えるところまで)。
- [週末 60 分] 算数の大問 3 以降。(確認: 〜2025 年度)平面図形を年度縦断で(円の転がり=中心の軌跡・通過部分の面積、動く点と面積の変化、半円に内接する図形の角度)。3 年とも (1) が土台になるので、(1) を確実に。立体(切断面の見取り・分割した体積・水位の変化)は 2023〜2025 で毎年 1 題あり、とくに水面の高さがブロックで上がる問題(2025)は、立体を沈めたときの水位計算として練習します。最後の大問は「その場で規則を見つける」練習を — 手を動かして数回試し、周期や規則を見つけて 100 回目・2025 番目を出す作業に慣れます(答えは 2 問しかないので、時間切れなら (1) だけ取る判断も含めて)。速さのグラフは捨てません。直近 2 年は一行問題に降りましたが、それ以前は大問の柱でした(ダイヤグラムの読み取りと、往復・引き返しの図をかく練習を)。食塩水も復習しておきます(→ 9 節)。
- [週 1 回] 理科。(確認: 〜2025 年度)電気回路を最優先の 1 単元に(直列・並列の明るさ比較、電池の持ち、電流計の端子、電磁石と方位磁石の向き、LED の向き。2 年連続で同じ問い方が出ています)。理科の計算は単元別に — 血液の循環(血液量÷1 回拍出量÷心拍数)、金属の燃焼(銅・マグネシウムと酸素の重さの比、混合物のつるかめ算)、中和(過不足と発生気体)、湿度と気温(100m で何 ℃ 下がるか、雲ができる高さ)、速さと単位換算(km・秒・Gbps)。リード文を読んで考える練習も必要です(知らない語が出ても、定義文と図から条件を拾って答える。対照実験の考え方は必須で、2025 のフロリゲンは A〜H のどれとどれを比べるかを問われます)。1〜2 行の説明は、原因と結果を 1 文でつないで短く言い切る形に慣れます。天体(月の満ち欠け・星の日周と年周)と水溶液の判別(塩酸・炭酸水・食塩水・石灰水・アンモニア水・砂糖水を実験で見分ける手順)も復習しておきます(→ 9 節)。
- [毎日 10 分] 国語。(確認: 〜2019 年度)漢字の読み書きを毎日 10 問(書き 5・読み 5 の形で。読みは訓読み・熟字訓が多く、「仕業」「度重なる」「気後れする」「蚕」「潮流」などが出ています)。部首を書けるようにします(3 回出ていて 2 回は同文。漢和辞典で部首を引く習慣を付けると確実に取れます)。ことわざ・慣用句・四字熟語は「意味とセット」で(意味を語群から選ばせるので、意味まで言えることが必要)。物語文の記述は 20〜70 字で、傍線部の内容を本文の語で言い換える練習を軸に。字数自由の設問があるので、「私は〜と思う。なぜなら本文で〜だからだ」という 2 文の形も作っておきます。ただし 2020 年度以降の形式は市販の過去問集で必ず確認してください。
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(45 分・100 点・答えのみ)
年度×大問の題材表
精読したのは 2023・2024・2025 の 3 年です。比較のため、記録に残る 2010〜2021 の大問構成も後ろに併記します(題材の一言は原本の導入文から起こしたものです)。
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 6 / 24 | 計算 6 問(四則 4・逆算 1・単位換算 1) | 一行問題 6 問 あまりの整数/正方形と四分円の角度/台形の二等分/時計算/硬貨の払い方/数列 |
図形の移動(長方形の外側と内側を転がる半径 1cm の円) | 仕事算(A・B・C の 3 人と「働いて休む」サイクル) | 速さとグラフ(兄が忘れ物に気づいて家に戻る) | 立体の切断(赤白の小立方体 32 個ずつを市松に積んだ 4cm 立方体の切り口) |
| 2024 | 5 / 19 | 計算 4 問(四則 3・逆算 1) | 一行問題 8 問 あまりの整数/氷の体積/年齢算/カードの比/円周上 5 点/売買損益/姉妹の速さ/正五角形と正三角形の角度 |
正方形の 2 辺を動く点 M・N と面積 | 立方体を 3 等分点で切った立体の体積 | 規則性(カード 10 枚のシャッフルを 100 回) | — |
| 2025 | 5 / 19 | 計算 4 問(四則 3・逆算 1) | 一行問題 8 問 つるかめ算/縮尺/あまりの整数/分母 21 の分数/のぼり坂とくだり坂/画用紙の割合/入学者数の増減/円周 12 等分と四角形 |
半円に内接する台形(面積・角度・黒くぬった部分) | 水量とグラフ(円柱の容器に立方体ブロックを積み上げる) | 数の性質(各位の和が 3 倍になる連続 2 整数) | — |
記録に残る過去の構成(構成だけ数えた年)は次のとおりです。2010・2014・2015・2017 は 4 大問 24〜25 小問で、大問 1 が「計算 4〜6 問+一行問題」を合わせた 15 小問、そのあとに規則性・集合・図形小問・速さとグラフが並ぶ形でした。2016・2018 は 5 大問で同じ作りです。2019 年に大問 1 が計算だけ(8 問)に分かれ、一行問題が大問 2 に独立しました。2020(6・6・2・3・3)、2021(6・6・2・2・3)も同じ 2 段構えで、2024・2025 の形(4・8・3・2・2)につながっています。速さとグラフは 2014・2015・2016・2017・2019・2021 で最後か終盤の大問、図形だけを集めた大問(角度・円・立体を 2〜4 問)は 2010・2015・2016・2017・2018・2021 にあります。
何が固定されているか(同じ場所に同じ種類の問題が来る)
- 大問 1 は計算です。精読した 2023・2024・2025 の 3 年連続で、大問 1 は四則計算 3〜5 問+逆算 1 問だけでした。導入文は 2024 と 2025 が同文(「次の □ に当てはまる数を答えなさい。」)、2023 は語尾だけ違います(「…求めなさい。」)。記録上は 2010〜2021 も先頭が計算で、先頭が計算という並びは資料のある 12 年すべてで崩れていません。
- 大問 2 は一行問題の集合です。2023 は 6 問、2024・2025 は 8 問。導入文は 3 年連続で同文(「次の問いに答えなさい。」)。単元は毎年入れ替わりますが、整数のあまり(2023・2024)・割合と比(2024 に 2 問、2025 に 2 問)・角度または円(2023・2024・2025)が芯です。
- 大問 3 は平面図形です。3 年連続(2023 円の転がり、2024 動く 2 点と面積、2025 半円と台形)。図が付き、(1) で面積、(2) で角度や面積比、(3) で難しい合成、という段差の付け方も 3 年同じです。
- 最後の大問は「その場で規則を見つける」問題です。2024(カードのシャッフル 100 回)と 2025(各位の和が 3 倍の連続 2 整数)は 2 年連続で 2 小問だけ、単元名としては規則性・数の性質。2023 は立体の切断が最後に来ていて、ここは 3 年ではまだ固まっていません。
- 2024 と 2025 は大問数・小問数・大問ごとの小問数まで完全に一致します(5 大問/19 小問/4・8・3・2・2)。2023 は 6 大問 24 小問で、2024 から今の形に落ち着いたように見えます。
一方、大問 4 は毎年作り直されます。2023 仕事算、2024 立体の体積、2025 水量とグラフで、単元がそろっていません。
頻出単元と周期
- 計算(大問 1)は 12 年すべてにあります。工夫して解く計算が毎年 1 問入ります(2023「36×2+24×6+48×3+60×4」、2024「2×12×1.23+3×8×1.45−4×6×1.43」、2025「2025×2024−2024×2023+2023×2022−2022×2021」)。共通因数でくくる・差の形にまとめる、の 2 手だけで解ける作りが 3 年連続です。
- 速さは 12 年ほぼ毎年あります。大問としての速さとグラフは 2014・2015・2016・2017・2019・2021・2023 に、一行問題としての速さは 2024(姉妹の出発時刻差)・2025(のぼり坂とくだり坂の比)に出ました。2024・2025 は大問から一行問題へ降りています。
- 平面図形は 3 年連続で大問 3 です。円とおうぎ形は 2023(転がる円)・2025(円周 12 等分・半円)で、2024 は正方形と直線図形でした。
- 立体は 2023(切断)・2024(立方体の分割体積)に大問、2025 は大問 4 の水量(円柱+立方体ブロック)で立体の求積を使います。3 年連続で立体が絡む大問が 1 題あります。
- 数の性質・規則性は 3 年連続で最終盤に置かれます(2023 大問 2 の数列と大問 6、2024 大問 5、2025 大問 5)。
- 記録上、2010〜2018 に多かった約束記号(2010・2015・2018)・ニュートン算(水そうに入れながら出す計算・2017)・流水算(川の流れと船の速さ・2018)・集合(2014)は、2023〜2025 の 3 年では出ていません。
問い方
- すべて答えのみです。精読した 3 年は 62 小問すべてが答えを書くだけで、途中式・考え方・記述の要求は 1 問もありません。作図もありません。
- 大問 3 以降は 2〜3 小問の誘導つきです。(1) を使って (2)、(2) を使って (3) を出す作りで、(1) を落とすと連鎖します。
- 一行問題(大問 2)は 1 問 1 単元で独立しています。ここが最大の得点源で、2024・2025 は 19 小問中 8 問(4 割強)を占めます。
同じ問題の作り直し(原本で両方の設問文を確認したもの)
- 「◯で割っても△で割っても□あまる整数」 — 2016 大問 3「3 でわっても 7 でわっても 1 あまる整数について答えなさい」、2023 大問 2 (1)「3 で割っても 7 で割っても 2 あまる整数のうち、100 に最も近い整数」、2024 大問 2 (1)「6 で割っても、8 で割っても 1 あまる 2 けたの整数は何個ありますか」。割る数とあまりを変えただけの同じ問題が 3 回出ています。
- 速さの追いかけ(家 → 学校・駅) — 2015 大問 4「梅子さんは駅に(忘れ物)…」、2016 大問 5「家から 1200m はなれた公園に妹は歩いて向かいました。姉は遅れて自転車で…」、2023 大問 5「兄と妹はいっしょに家を出て…途中で兄が忘れ物に気づき」。設定の骨格(同時または時間差で出発 → 一方が引き返す・追う → グラフや文章から時刻と道のりを逆算)が繰り返されています。
8-2. 理科(社会とあわせて 60 分・50 点)
年度×大問の題材表
精読したのは 2023・2024・2025 の 3 年です。
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4 / 20 | 生物・血液の循環(心臓の断面図・A〜D の血管・成人の血液量 4.6L と拍動の計算) | 物理・電気回路(同じ豆電球とかん電池で A〜F の 6 回路) | 地学・気象(フェーン現象・標高と気温の計算 4 問) | 化学・燃焼(フタの開いたかんの中で木を燃やす・水素エンジンとカーボンニュートラル) |
| 2024 | 4 / 27 | 生物・ヒトのからだ(骨の数・血液循環の図・体重から血液量・心拍と流速の計算) | 化学・金属の燃焼(銅とマグネシウムのグラフ・比・混合物 17g の計算 7 問) | 物理・電気(方位磁石・電流計の端子・6 つの回路図・LED) | 地学・気候変動(太郎さんの自由研究・SDGs・温室効果ガス・エネルギー収支の数値) |
| 2025 | 4 / 17 | 物理・光(光ファイバー通信・往復の所要時間・屈折率の表・全反射の作図・2Gbps のデータ量) | 化学・中和(塩酸と水酸化ナトリウム水よう液 12 個のビーカー・発生気体・表の穴埋め) | 生物・植物(フロリゲンと花芽形成・A〜H の実験の比較・道管と師管) | 地学・大陸移動説とプレート(ハワイ諸島の形成年代・室戸岬の隆起で 10 万年後の海抜) |
記録に残る過去の分野配分(構成だけ数えた年)は次のとおりです。2010 ふりこ/気体と金属/ヒトの目/日食、2012 電気回路/液体ちっ素/ヒトの器官/星座、2013 音・リコーダー/燃焼の 3 条件/動物の体温/月、2014 ふりこ/水溶液の判別/光合成と光の色/地震、2015 てこ/水溶液と濃度/セキツイ動物/温暖化、2017 電磁石/気体の発生/顕微鏡/生態系、2018 モーター/水溶液の判別/葉の断面/森のしくみ、2019 浮力/5 種類の水溶液/こん虫/月。この 8 年はすべて物理→化学→生物→地学(2017・2018 は地学がなく生物 2 題)の順でした。2020 だけは 3 大問で、うち 2 題が 4 分野の一問一答という別の作りです。
何が固定されているか
- 4 大問です。2020 の 3 大問を除き、記録のある 12 年すべてが 4 大問で、精読した 2023・2024・2025 も 4 大問でした。
- 1 つの大問に 1 つの分野が入ります。大問 1 題がまるごと 1 単元で、複数分野をまたぐ大問がありません(2020 の一問一答形式だけが例外)。3 年連続で「物理 1・化学 1・生物 1・地学 1」を分け合っています。
- 並ぶ順番は動きます。記録のある 2010〜2019 は物理→化学→生物→地学の順でしたが、2023 と 2024 は生物(ヒトのからだ)が先頭に来て、2025 は再び物理→化学→生物→地学に戻りました。順番の固定は 3 年では言えないので、「何番に何分野」で構えず「4 分野すべて」で構えます。
- 説明を書かせる設問が毎年 1 問あります(2023 大問 4 (5) 水素エンジンの課題、2024 大問 1 (3)③ 毛細血管で流れが遅い理由、2025 大問 2 (4) 測定値が小さくなる原因への対策を 2 つ)。字数指定はなく、解答らんは 1〜2 行です。
- 計算が芯にあります。3 年とも、大問のうち少なくとも 2 題は数値計算が主役です(2023 血液量と拍動・フェーン現象、2024 金属の燃焼の比・血流量・エネルギー収支、2025 通信時間とデータ量・中和の表・隆起量)。理科というより「理科の題材を使った算数」に近い小問が毎年あります。
同じ問い方の繰り返し(原本で両年の設問文を確認したもの)
- 電気回路の 4 点セット — 2023 大問 2 は「豆電球がつかない回路はどれですか」「A の豆電球と同じ明るさの豆電球はどれですか」「豆電球が最も明るくついている回路はどれですか」「かん電池が最も長持ちする回路はどれですか」の 4 問。2024 大問 3 (3) は「回路図 1 の豆電球と同じ明るさの豆電球を含む回路」「電池が一番長持ちする回路」「導線の上に方位磁石を置いたとき一番ふれはばが大きいもの」。「同じ明るさ」「電池が長持ち」は 2 年連続で同じ問い方です。図の回路は作り直されています。
- 血液循環の計算 — 2023 大問 1 (6)「成人の体内の血液量は約 4.6L。心臓は 1 分間に 70 回くらい拍動して、1 回につき約 70mL」、2024 大問 1 (3)②「1 秒あたり心臓から送られる血液の量は 75cm³、1 分あたりの心拍数は 80 回」。血液量・1 回拍出量・心拍数の 3 つで割り算する問題が 2 年連続です。心臓の部屋の名前(2023 は逆流を防ぐ「弁」を漢字 1 字、2024 は B の部屋の名前を漢字)も 2 年連続でした。
- 燃焼の 3 条件 — 2013 大問 2 が「燃えるものがあること/…」を条件 1〜3 として提示し、2023 大問 4 (2) が「燃焼の 3 条件」の語で選択肢を作っています。10 年空いて同じ枠組みが戻っています。
8-3. 社会(理科とあわせて 60 分・50 点)
年度×大問の題材表
精読したのは 2023・2024・2025 の 3 年です。
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4 / 30 | 地理・国土と森林 面積の比較/天然三大美林/広島城跡の地形図/三角州/中国地方の昼夜間人口比率 |
歴史・鉄道 150 年(新橋—横浜・徴兵令・富岡製糸場・文明開化・大隈重信) | 公民・基本的人権(自由権と社会権の表・治安維持法・労働三権・国民投票と憲法 96 条) | 総合・SDGs 17 項目図 食品ロス/再生可能エネルギー/6 次産業化/バリアフリー/三陸の港と海流/ナショナルトラスト |
— |
| 2024 | 4 / 27 | 地理・大河ドラマ「どうする家康」 瀬戸焼/岐阜県の隣接県/製造品出荷額のグラフ/雨温図/県の形/日光東照宮/関ヶ原の地形図 |
歴史・4 枚の歴史カード(不平等条約改正・『西洋事情』・政党・2024 年の新紙幣の肖像・岩倉使節団) | 公民・三権分立と財政(弾劾裁判・衆議院の特徴・一般会計税収のグラフ・所得税と消費税・国債) | 総合・会話文 ディズニー創立 100 周年から 55 年体制/りんごの生産量/サンゴ/1972 年の環境会議/映画館の興行収入/ケアラー |
— |
| 2025 | 5 / 35 | 地理・原爆投下 80 年 広島と長崎/三角州/県の位置/真珠の養殖/島/雨温図/2 万 5000 分の 1 の地形図で三角点の標高 |
歴史・学校の近くの石碑(西郷隆盛と勝海舟の会見・薩摩藩の位置と県の形・藩閥政治・前島密の 1 円切手・1925 年のラジオと普通選挙法) | 歴史・戦争のカード A〜D(三国干渉・八幡製鉄所・リットン調査団・成金・反戦を訴えた人物・出来事の並べ替え) | 公民・憲法(社会権・議院内閣制・国民主権・WHO・憲法第 9 条) | 総合・人口減少 合計特殊出生率/超高齢社会/線状降水帯/山形県の河川と平野/阪神淡路大震災/火山 |
記録に残る過去の構成(構成だけ数えた年)は次のとおりです。2010〜2015 の 6 年は、大問 1 が地方別の地図問題(関東・東北・九州・中部・近畿…)、大問 2 が「次の時事に関する文を読み」で始まる時事、大問 3 が歴史の年表や通史、大問 4 が前年の国政選挙や内閣という並びで固定されていました(2010 衆院選、2011 参院選、2012 新内閣、2013 消費増税、2014 参院選、2015 都知事選)。2017 は自校の修学旅行を題材にした地理で記述 3 問、2018 は宗教史、2019 は 2 大問だけ、2020 は国土と林業/鎖国とペリー/参院選/駅のバリアフリーでした。この「大問 4=前年の国政選挙」という座席は、2023 年以降は無くなっています。
何が固定されているか(同じ場所に同じ種類の問題が来る)
- 大問 1 は地理です。3 年連続(2023 国土と森林、2024 東海・中部、2025 広島と長崎)。記録では 2010〜2015 も大問 1 が地方別の地図問題で、地理が先頭という並びは長く動いていません。
- 大問 1 に地形図の読図が 3 年連続で入ります(2023 広島城跡、2024 関ヶ原、2025 長崎の 2 万 5000 分の 1)。この「大問 1 に地形図」は、関東の学校の中でも 3 年続けている例が少ないものです。地形図は必ず出ると構えてよいところです。
- 大問 2 は近代(幕末・明治維新)です。3 年連続(2023 鉄道 150 年、2024 不平等条約改正と新紙幣、2025 江戸無血開城と薩摩藩)。しかも 3 年とも、明治維新から昭和前期までの範囲に収まっています。歴史は近代から出ると考えてよいところです。
- 最後の大問は「いまの社会の課題」の総合です。3 年連続(2023 SDGs の 17 項目、2024 会話文で環境と福祉、2025 人口減少と防災)。地理・公民・時事をまたいで 5〜10 問並びます。
- 公民(憲法・三権分立・財政)が毎年 1 題あります(2023 大問 3、2024 大問 3、2025 大問 4)。位置は動きますが必ずあります。
- 一方、古代・中世は 3 年間ほぼ出ていません。2023〜2025 の 3 年で、飛鳥・奈良・平安・鎌倉・室町を正面から扱った大問はゼロです。記録では 2011〜2018 に毎年ありました。近現代に大きく寄せた作りに変わったように見えます。
頻出単元と周期(精読した 3 年)
- 都道府県・地域の同定: 2023 に 2 問、2024 に 2 問、2025 に 3 問。県の形のシルエットを選ぶ問題は 2024(上越・北陸新幹線の分岐駅がある県)と 2025(薩摩藩=鹿児島県)の 2 年連続で、記録では 2010 の大問 1 も県の形でした。
- 地形図の読図: 3 年連続(上記)。等高線と三角点の標高(2025)、「読み取れることとして正しくないもの」(2024・2025)が 2 年連続です。
- 雨温図: 2024(静岡・岩手・富山・長野)と 2025(九州地方)の 2 年連続。
- 幕末・明治維新: 3 年連続で大問の柱です。近代の戦争と大正・昭和前期は 2023・2024・2025 の 3 年とも小問で登場し、2025 は大問 3 が丸ごとこの範囲です。
- 日本国憲法: 2023 大問 3、2025 大問 4。三権分立・国会・内閣・裁判所: 2023・2024・2025 の 3 年連続で小問あり。財政・税・社会保障: 2024 大問 3 (2)。
- 環境・防災・持続可能性: 3 年連続(2023 SDGs とナショナルトラスト、2024 サンゴと環境会議、2025 線状降水帯と震災・火山)。
- 時事: 前年(またはその年)の出来事が 3 年とも入口にあります。2023 は鉄道 150 年と 2022 年 7 月の参議院選挙・岸田内閣、2024 は 2023 年の大河ドラマ・2024 年発行の新紙幣・ディズニー創立 100 周年・2023 年の猛暑、2025 は原爆投下 80 年・2023 年の合計特殊出生率・2024 年 10 月のはがき郵便料金 85 円への値上げ。記録では 2010〜2015 も大問 2 が毎年「時事に関する文」でした。時事を入口にする作りは 10 年以上変わっていません。
問い方
- 記号選択が主軸です。精読した 3 年の比率は、選択 63%(2023)・70%(2024)・69%(2025)。短答が残りのほとんどです。
- 選択肢の作りは 4 択の「正しいもの/正しくないもの/誤っているもの」です。誤りを選ばせる形が 3 年とも複数あります(2023 森林のはたらき、2024 関ヶ原の地形図、2025 長崎県の島・地形図・火山)。設問文の「正しくない」を読み飛ばすと落とします。
- 記述はほとんどありません。3 年で 1 問だけです(2024 大問 4 (5)「『塔の上のラプンツェル』を映画館で見る人が少なく、興行収入が低くなった理由を、簡単に説明しなさい」)。記録では 2017 に 4 問あり、女子校時代のほうが記述が多いつくりでした。
- 文字種・字数の指定が細かく付きます。「漢字で」「漢字 2 字」「漢字 5 字」「カタカナで」「算用数字で」「解答欄に合うように」。3 年ともこの指定が複数あります。
- 並べ替えが出ます(2023 大問 2 (1) 明治初期の出来事を起きた順に、2024 大問 2 (7) カード A〜D を古い順に、2025 大問 3 (6) カード A〜D を古い順に)。3 年連続です。
- 2 つ選ばせる設問(2023 三陸海岸の港を 6 択から 2 つ、三陸沖の海流を 2 つ)があります。
- 資料は、グラフ(製造品出荷額の割合・一般会計税収の推移・所得税と消費税の税率)、表(昼夜間人口比率)、地形図、雨温図、写真・図(石碑・切手・新紙幣)。表やグラフを読んで県や税目を当てる問題が毎年あります。
8-4. 国語(45 分・100 点。2010〜2019 の 6 年のみ)
この節は改称・共学化より前の話です。 国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2010・2014・2015・2016・2018・2019 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。精読したのは 2016・2018・2019 の 3 年です。
年度×大問の題材表
| 年度 | 【一】長文読解 | 【二】【三】語句・知識 | 【四】漢字 |
|---|---|---|---|
| 2010 | 誘拐された「私」の話(16 問・記述 4) | 俳句の鑑賞文を書く(例に「古池や蛙飛び込む水の音」)/四字熟語・慣用句・ことわざ 5 問 | 読み書き 10 問 |
| 2014 | 母への手紙を預かる場面の小説(15 問・記述 3) | 慣用句(同じ漢字が入る)5 問/漢字の部首 5 問 | 読み書き 10 問 |
| 2015 | 剣道に打ち込む高校生・早苗の話(19 問・記述 2) | ※記録上は読解の中に混ざっています | 読み書き 10 問 |
| 2016 | 極楽の蓮池と地獄(芥川龍之介「蜘蛛の糸」・12 問・記述 3) | ことわざ・成句 5 問(□をひらがなで+意味を語群から) | 読み書き 10 問 |
| 2018 | 山奥の料理店に入る二人の紳士(宮沢賢治「注文の多い料理店」・16 問・記述 2) | ことわざ・成句/漢字の部首 5 問(『新漢語林』による) | 読み書き 10 問 |
| 2019 | 渋谷のビルの四階を訪ねるハセカンの話(記述 5) | 成句と意味の語群/漢字の部首 5 問(『新漢語林』による) | 読み書き 10 問 |
出典は、原本の本文で確かめられたものだけを挙げました(2016 の芥川龍之介「蜘蛛の糸」、2018 の宮沢賢治「注文の多い料理店」)。別に用意されている出典の一覧には、作者名や書名の記録が誤っている行が混じっているため、本文で確認できない年の作者名はここには書いていません。
何が固定されているか(同じ場所に同じ種類の問題が来る)
- 並びは「長文読解 1 題 → 語句・ことわざ・部首 → 漢字の読み書き 10 問」です。資料のある 6 年すべてでこの順でした。読解は 1 題だけで、説明文・論説文・詩・古文は 6 年間ゼロ。小説(物語)だけです。
- 最後は必ず漢字 10 問です。カタカナを漢字に直す 5 問+漢字の読みをひらがなで書く 5 問。導入文は 2010・2015・2016 が同文で、「次のカタカナを漢字に直し、漢字は読みをひらがなで答えなさい。」。2019 も同じ言い方です。
- 漢字の部首が 2014・2018・2019 の 3 回出ています。2018 と 2019 は同文(「次の漢字の部首を例にならって答えなさい。(『新漢語林』による)」)。中学入試では珍しい設問なので、対策の有無で差が出ます。
- ことわざ・成句の空欄をひらがなで埋め、意味を語群から選ぶという 2 段構えが 2016・2019 で同じ作りです。2010・2014 も同種の語句大問があります。
問い方
- 読解の設問は、空欄に入る語(擬態語・接続語)の選択、傍線部の内容説明、抜き出し(字数指定つき)、心情・理由の説明、語句の意味の選択、というのが柱です。
- 記述は毎年 2〜5 問あります。字数の指定は年によって違います(2016「七十字以内」「四十字程度」「字数は自由」、2018「十字以内」「二十字以内」、2019「二十字以内」と指定なしの併用)。
- 自分の考えを書かせる設問があります(2016 問十二「御釈迦様の考えに対して、あなたはどのような感想を持ちますか。理由を必ずつけて説明しなさい。(字数は自由)」、2010 の俳句の鑑賞文を書く設問)。読み取りだけでなく、感想を筋道立てて書く力を見ています。
- 文章全体を段落に分ける設問(2016 問八「この物語は、大きく三段落に分けることができます。第二段落と第三段落の初めの七字をそれぞれぬき出して答えなさい」)、題名を選ぶ設問(2018 問十六 A)など、全体を俯瞰させる問いがあります。
- 表現技法(2018 問一 擬音語・反復法・比ゆ・擬人法・強調法)や語句の意味も出ます。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
周期が上限に達しているものを 1 か所にまとめました。最終確認年度は、その単元が出たことを記録で確認できる最後の年度です。
| 科目 | 単元 | 出題年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 社会 | 古代・中世(飛鳥〜室町) | 2011〜2018 はほぼ毎年 | 2018 年度 | 2023〜2025 の 3 年でゼロ。全科目で最も大きな空きです。近現代偏重が続く保証はありません |
| 理科 | 月・星座などの天体 | 月 2013・2019、星座 2012・2016 | 2019 年度 | 2023〜2025 の地学は気象 2・地震 1 で天体ゼロ。最も警戒すべき空き枠です |
| 理科 | 水溶液の判別(何が入っているか当てる) | 2010・2014・2015・2018・2019・2020 | 2020 年度 | 6 回と最多ですが、直近 3 年は中和(2025)だけ。判別する形が戻る余地は大きいところです |
| 算数 | 食塩水の濃度 | 2014〜2021 はほぼ毎年(2020 は大問 5 が丸ごと食塩水) | 2021 年度 | 2023〜2025 の 3 年でゼロ。戻る余地が大きいところです |
| 算数 | 速さとグラフの大問 | 2014・2015・2016・2017・2019・2021・2023 | 2023 年度 | 2014〜2023 で 7 回あったのに、2024・2025 は一行問題に降りました。大問として戻る候補です |
| 理科 | てこ・ふりこ・浮力 | てこ 2015、ふりこ 2010・2014、浮力 2019 | 2019 年度 | 直近 3 年の物理は電気 2・光 1。力学が長く空いています |
| 社会 | 選挙制度を丸ごと 1 題 | 2010・2011・2012・2014・2015・2020 | 2020 年度 | 2023〜2025 は小問のみ(2025 大問 2 で普通選挙法)。国政選挙のある年は戻りやすいところです |
| 算数 | 約束記号 | 2010・2015・2018 | 2018 年度 | 3〜5 年周期。2018 が最後です |
| 算数 | 場合の数の大問 | 2020 大問 3 | 2020 年度 | 一行問題では 2023 大問 2 (5)・2024 大問 2 (5) と続いていますが、大問としては 2020 が最後です |
| 算数 | 集合(ベン図)・ニュートン算・流水算 | 2014・2017・2018 に 1 回ずつ | 2018 年度 | 頻度は低いものの、一行問題での再登場はあり得ます |
| 社会 | 記述(理由を説明する) | 2010・2017・2020・2024 | 2024 年度 | 3〜4 年に 1 回。書けないと落とします |
| 理科 | こん虫・動物の分類 | 2013・2015・2019 | 2019 年度 | 4〜6 年周期。2019 が最後です |
| 理科 | 実験器具の操作(顕微鏡・ろ過など) | 2017・2019 | 2019 年度 | 単独の大問として空きが長く続いています |
| 理科 | 生態系・食物連鎖 | 2017・2018 | 2018 年度 | 2 年連続の後、空いています |
| 社会 | 地方自治 | 2015 | 2015 年度 | 長く空いています |
| 社会 | 世界地理(各国の位置・特徴) | 2010・2013 | 2013 年度 | 2023 で国土面積の比較として復活。地図での国当ては空いています |
| 社会 | 情報・メディア | 2011 | 2011 年度 | 長く空いています |
| 国語 | 説明文・論説文 | 資料のある 6 年でゼロ | 確認できず | 共学化後は資料が無く、出ないとは言い切れません。説明文が出ないと決めてかからないほうがよいところです |
| 国語 | 俳句・短歌の鑑賞 | 2010 | 2010 年度 | 数年おきに顔を出します |
| 国語 | 四字熟語 | 2010・2018 | 2018 年度 | 数年おきに顔を出します |
| 国語 | 表現技法 | 2018 | 2018 年度 | 数年おきに顔を出します |
10. 形式面の注意
4 科目に共通すること
- 理科と社会はあわせて 60 分・各 50 点です。科目ごとの時間は自分で決めます。小問数は理科 17〜27・社会 27〜35 で年ごとの幅が大きく、あわせると 60 分で 45〜60 問を処理することになります。時間配分の練習がいちばん大事なところです。
- 選択肢の記号が年で変わります。理科は 2023 が「ア〜エ」、2024・2025 が「1〜4」の番号。社会は 3 年とも番号です。指示を読み違えないようにします。
- 文字種・字数の指定が細かく付きます(社会「漢字 2 字」「漢字 5 字」「カタカナで」「算用数字で」「解答欄に合うように」、理科「漢字 1 字」「漢字 2 字」「整数で答えなさい」、2024 の理科は「漢字で答えなさい」)。
- 「すべて選びなさい」「2 つ選びなさい」があります(理科 2025 大問 1 (3)「すべて選び、番号で答えなさい」、社会 2023 の三陸の港・海流)。1 つとは限りません。
- 解答用紙は問題冊子の巻末に同梱される形です(資料のある年で確認、社会は 3 年とも同梱を確認)。設問別の配点はどの冊子にも印刷されていません。
算数
- 45 分・100 点(本科の各回)。2024・2025 の形(19 小問)なら 1 問 2 分強、2023 の形(24 小問)なら 2 分弱です。
- 答えのみです。途中式・考え方・記述・作図の要求はありません(→ 8 節)。
- 2024 年度の冊子の表紙に「国際 ADVANCED コースの受験者は、5 を答えません。」と印刷されています。 同じ問題冊子を本科と国際で使い、最後の大問だけ扱いが違う年があるということです。国際コースの受験を考えるなら、最終大問の扱いを募集要項で確認してください。
- 円周率は、但し書きが確認できた年(2010・2014〜2019・2021 の 8 年)はすべて 3.14 です。2023〜2025 の転写には但し書きが見当たりませんが、円やおうぎ形の求積は毎年出るので 3.14 で練習しておけばよいところです。
- 単位の指定は設問文の中にあります(「何 cm ですか」「何 cm² ですか」「何通り」「何組」)。答えの単位を自分で選ぶ場面はありません。
- 分数は帯分数で書かれます(2023 大問 1「2¼」、2025 大問 1「3½」)。仮分数のまま答えてよいかは冊子に指示がなく、原本からは分かりません。
理科
- 理科だけの時間は自分で決めます。小問数は 17〜27 で年ごとの幅が大きく(2024 は 27 問)、社会と合わせた配分の練習が要ります。
- 説明を書く設問が毎年 1 問あります(1〜2 行・字数指定なし)。作図は年によります(2025 大問 1 (2) は光ファイバー内の光の道筋の続きをかく問題で、記録では作図のある年とない年があります)。
- 単位つきの答えを求められます(何秒・何 g・何 Gb・何 m・何 ℃)。桁の指定(2025「整数で答えなさい」)も出ます。
- 表・グラフ・図の読み取りが 3 年とも複数題あります。2024 大問 2 の重さのグラフ、2025 大問 1 の屈折率の表と大問 2 のビーカー 12 個の表は、表を正しく読めるかどうかで丸ごと決まります。
社会
- 社会だけで 27〜35 問あり、4 科目の中でいちばん問題数が多くなります。2025 は 35 問でした。
- 「正しくないもの」「誤っているもの」を選ばせる形が毎年複数あります。読み飛ばすと落とします。
- 記述は 3 年で 1 問だけです。女子校時代(2017)は 4 問ありました。
- 大問の中がいくつかの節に分かれ、小問の番号が途中で振り直される年があります(2023 の大問 1 は (1)(2) → 問 2・問 3 → (1)(2)(3) という並び)。実際の冊子で番号の付き方を確かめてから解く習慣をつけてください。
- 記録では、女子校時代は理科と社会をあわせて 50 分・50 点だった年があります(2014)。現在は 60 分・各 50 点で、社会の問題数も増えています。
国語
- 45 分・100 点。小問は 23〜35 問と幅があります。漢字 10 問と語句 5〜10 問が確実に取れる枠なので、先にそこを片づけてから読解に時間を回す配分が有効です。
- 抜き出しに字数指定が付きます(「十二字で」「十字以内で」「初めの五字」「初めと終わりの五字」)。数え方を間違えないようにします。
- 記述には「七十字以内」「四十字程度」「二十字以内」「字数は自由」が混在します。
- 選択肢は 5 択の年(2016・2018)と 4〜6 択が混ざる年があります。番号で答える形です。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | この学校でやること |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(四則・逆算・分数小数の混合)、角度と面積の基礎、物語文の読解、漢字の読み書きを毎日。この学校で最後まで効くのは「大問 1 の計算」と「大問 2 の一行問題」なので、その入口を作る時期です。都道府県を白地図と形で覚え始めるとよいでしょう(社会で県の形を選ぶ問題が 2 年連続)。時間を計るのはまだ不要です |
| 小 5(幅) | 単元を一巡させる時期です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日の 15 分は、月〜金で算数の計算・漢字と語句・理科の 4 分野の順に回し、週末の 60 分は算数の単元演習と社会(地理 → 近代史)に充てます。算数は 8 節の「年度×大問の題材表」を単元リストとして使い、割合と比 → 速さ → 数の性質 → 平面図形 → 立体 → 規則性 → 場合の数の順にひととおり(つるかめ算・年齢算・売買損益・約束記号などの特殊算は受験用教材の単元です)。理科は 4 分野すべてを均等に(この学校は毎年 4 分野から 1 題ずつ出るので、苦手分野を作ると必ず 1 題落とします)。社会は地理と近代史を厚めに。国語は漢字と語句(ことわざ・部首)を習慣にします。ただし国語は 2020 年度以降の資料が無いので、ここに書いた形式が今も同じかは分かりません(→ 13 節) |
| 小 6(仕上げ) | 上の「今からやるなら」8 項目。夏以降は ①同じ座席を縦に解く(算数の大問 2 と大問 3、社会の大問 1 の地形図と大問 2 の近代史)と、②理科・社会をあわせて 60 分の通し演習を並行させます。算数は 45 分で 19〜24 問の配分を体に入れます |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 いちばん効くのは小 5 での全分野の一巡(全分野をひととおり学び終えること)です。理科は毎年 4 分野から 1 題ずつ出るので、苦手分野が 1 つあるとそこで確実に落ちます。社会も地理・歴史・公民・時事のすべてから出ます。算数の大問 2 も単元をまたぐ一行問題の集合で、穴があるとそのまま失点になります。「どこが出るか分からないから全部やる」のではなく、「毎年すべての分野から 1 題ずつ出ると分かっているから全部やる」というのが、この学校の準備の考え方になります。そのうえで小 6 では、地形図・近代史・電気回路・平面図形という「同じ座席に来ると分かっているもの」に集中して時間をかける価値があります。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏・お子さんとの相性は扱いません。下の学校の過去問はこちらでは精読していません。
- 埼玉栄中学校(埼玉県・共学)— 4 科目すべてが均等に近く、8 校の中でいちばん近い組み合わせです。4 科そろって演習を転用しやすくなっています。
- 昭和学院中学校(千葉県・共学)— 4 科目均等で、とくに国語・算数・理科が近く、理科・社会の作りも近い組み合わせです。
- 星野学園中学校(埼玉県・共学)— 算数の近さが最も高い組み合わせです。国語はやや離れます。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- この学校は第 2〜4 回が国語・算数の 2 科目です。2 科で受けるつもりでも、併願先が 4 科目校の場合、理社は本校の準備とは別に立てる必要があります。
- 近さは「大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ位置に同じ単元が来るか・設問文の使い回し」の距離と、単元の分布の似方を合わせた自動集計です。同じ問題が出るという意味ではありません。
13. 資料の限界
分かる範囲そのものの限界
- 入試回が特定できません。 各年・各科目 1 冊しか資料がなく、表紙に回の記載があるのは 2012・2013 の理科(「第 1 回・午前」)だけです。現在は本科 4 回・国際・帰国生の複数回があり、ここに書いたのはそのうち 1 回分の傾向にすぎません。2 科目入試の回(第 2〜4 回)で算数・国語の作りが違うかどうかは分かりません。
- 2022 年度が 4 科目とも無いため、作りが変わった時点を 2021 と 2023 の間としか言えません。改称・共学化の直前の年が抜けています。
- 国語は 2019 年度までしかありません。2020 年度以降の問題文は資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。共学化後の国語については何も言えません。出典(作者・作品)も同じ制約を受けます。
- 転写データは画像からの読み取りで、式・数値・図の細部に読み落としがあり得ます。算数は 2010・2021・2023・2024、理科は 2010・2015・2023〜2025、社会は 2011・2024・2025 が確度の低い冊として記録されています。
- 配点は科目単位だけで、設問別の配点はどの冊子にも印刷されていません。ここに書いた「比重」はすべて設問数から見たものです。
別の学校の問題が混じっている疑い
- 別の学校の問題が混じっている疑いのある冊があります。2016 年度の理科と 2019 年度の国語に「芝中学校の問題ではないか」という記録が付いています。2016 の理科は本文で使いませんでした。2019 の国語は、2018 と同文の設問(漢字の部首・『新漢語林』による)があり他の年と作りが揃っているので、この学校のものとして扱いました。
- 2014 年度の社会の解答用紙は別の学校(東京女学館中学校)のものと判定され、集計から外されています。
転写のまとめ方のばらつき
- 大問数・小問数の記録をそのままは使えません。2016 年度の国語は【一】【三】【四】しか記録がなく、【二】が丸ごと落ちています。2018 年度の国語は同じことわざの設問が 2 か所に記録されています。2019 年度の国語は 4 つの大問が 1 つにまとめて記録されています。2023 年度の社会は 1 つの大問の中で小問の番号が途中から振り直されています。本文の大問数・小問数は、原本の設問文を数え直したものを使いました。「国語は年によって大問数が変わる」という見方は、この転写のばらつきによる面が大きいものです。実際には資料のある 6 年とも「読解 1 題 → 語句 → 漢字 10 問」で揃っています。
自動集計と原本が食い違った箇所
- 集計では算数の記号選択が 0% とされていますが、原本には 2017・2021 に 1 問ずつあります。
- 理科は「時事の語彙 0・前年の年号 0」とされていますが、2024 年度の大問 4 は 2023 年の夏の暑さが主題です。
- 国語は「字数指定のある冊 0%」とされていますが、2016・2018・2019 に「七十字以内」「四十字程度」「二十字以内」などの指定があります。
- 本文はいずれも原本を採りました。
- 同じ場所に同じ種類の問題が来るという一覧(索引)には、算数の大問 1・大問 3 と社会の大問 1・大問 2 の 4 行しか載っていません。しかし原本を読むと、理科の「4 大問に 4 分野 1 題ずつ」と国語の「読解 → 語句 → 漢字 10 問」も同じ並びの固定です。索引に無いから固定が無い、とは言えません。
書き方について
- 「毎年」「〜年連続」は、原本の設問文で 3 年以上の反復を確認したものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題の意図を裏づける資料はありません。
芝国際中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方
数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
芝国際中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値(4 出所併記) / 過去問分析 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 校風・理念
索引: 出題スタイル別 / 単元別 / 問い方別 / 同じ場所に同じ種類の問題 / 入試結果の公表状況 / 国語の出典 / 校風キーワード / 旧称 / 入試日程 ・ 共通: 過去問の使い方 / 用語集 / 資料の限界 / 方法論 / トップ