神田女学園中学校 の過去問分析

神田女学園中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。

神田女学園中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・第 1 回相当・算数 14 年分/理社は 2017 年度まで)

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

項目 内容
所在地 東京都千代田区
男女 女子校
旧称 神田高等女学校(1890 年創立)→ 神田女子高等学校(1948 年に改称)→ 現在の校名
入試回と日程・科目 帰国生入試 第 1 回 2026 年 11 月 21 日/第 2 回 2026 年 12 月 12 日 — 国語・英語。一般入試 1 2027 年 2 月 1 日午前/一般入試 2(特待生選抜)2 月 1 日午後/一般入試 3(特待生選抜)2 月 2 日午前 — いずれも国語・算数・英語から 2 科選択
試験時間・配点 どの回も各科目 45 分・各 100 点
面接 帰国生入試は面接があります(日本語・英語)。一般入試 1〜3 に面接はありません
募集人数 帰国生入試は「特に定めず」

上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。一般入試には理科・社会がなく、国語・算数・英語から 2 科を選ぶ形です。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

結論

  1. 算数は、大問の並びが座席(問題の置き場所)のように決まっています。精読した 4 年(2022〜2025)で、大問 1 = 計算 8 問、大問 2 = 小問集合 6 問(その (1) は食塩水)、大問 3 = 回転体の体積 1 問、大問 4 = 平面図形の面積 1 問、大問 5 = 角度 1 問、大問 6 = 数え上げ、大問 7 = 速さ・割合の 2 問が動いていません。
  2. 大問 7・小問 21〜22 という量も 4 年同じです。これは同じ問題が出るという意味ではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味です。
  3. 国語は大問の数も小問の数も年で変わります(精読した 3 年で 30〜33 問)。ただし最後の設問は 3 年とも「あなたの◯◯は何ですか」という作文です。

家でやること 3 つ

  1. 算数の計算 8 問を 8 分で全問正解にする練習をします。100 点中のおよそ 3 分の 1 がここです。
  2. 同じ座席を縦に解きます。2022〜2025 の大問 3 だけを 4 年分続けて、次に大問 5 だけを 4 年分続けて、というやり方です。
  3. 国語は年度通しで時間を計り、最後の作文に 5 分を残す練習をします。

今週やる 1 つ

  1. 食塩水を 4 パターン(濃度を求める/水を加える/食塩を加える/混ぜ合わせる)でひと通り解きます。大問 2 の (1) は 4 年連続で食塩水です。

注意

  1. 一般入試に理科・社会はありません。理科・社会の節は「かつてこの学校がどう問題を作っていたか」を知るための参考です。英語の問題は資料にないので、英語については何も言えません(→ 13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年
算数 4 年(2022・2023・2024・2025) 10 年(2010〜2021) 14 年(2010〜2025)
国語 3 年(2016・2017・2018) 5 年(2010〜2015) 8 年(2010〜2018)
理科 3 年(2014・2016・2017) 2 年(2012・2013) 5 年(2012〜2017)
社会 3 年(2014・2016・2017) 2 年(2012・2013) 5 年(2012〜2017)

資料のある冊数は合計 32 冊(2010〜2025 年度)です。「毎年」「◯年連続」と書いたのは、精読した年の中で数えた数字です。

収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。


5. 一番大きな結論

算数は、大問の並びが座席(問題の置き場所)のように決まっています。 精読した 4 年(2022〜2025)で、大問 1 = 計算 8 問、大問 2 = 小問集合 6 問(その (1) は食塩水)、大問 3 = 回転体の体積 1 問、大問 4 = 平面図形の面積 1 問(うち 3 年は円とおうぎ形)、大問 5 = 角度 1 問、大問 6 = 数え上げ(場合の数か規則性)、大問 7 = 速さ・割合の 2 問、が動いていません。大問 7・小問 21〜22 という量も 4 年同じです。

これは「同じ問題が出る」という意味ではありません。同じ種類の問題が同じ場所に出る、という意味です。数値と設定は毎年作り直されています。ただし大問 1 の計算 8 問は、2022・2024・2025 の 3 年で位置ごとの作りまでほとんど同じで、(4) は 3 年とも「整数−小数」(10−7.9784−1.97612−9.975)、(7) は 4 年とも中かっこを含む式、(8) は 4 年とも工夫すると速くなる計算でした。

国語は逆に、大問の数も小問の数も年で変わります(精読した 3 年で 30〜33 問)。ただし 1 つだけ固定があって、最後の設問は 3 年とも「あなたの◯◯は何ですか。くわしく書きなさい」という作文です。

過去問の使い方としては、算数は「同じ座席を縦に解く」が最も効きます。2022〜2025 の大問 3 だけを 4 年分続けて解く、大問 5 だけを 4 年分続けて解く、という読み方で、この学校がその枠で何を聞きたいのかがはっきり見えます。国語は逆に年度通しで時間を計り、最後の作文に 5 分を残す練習をする形です。


6. この学校らしさが出る場所


7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)

想定学年は受験学年(小 6)の過去問演習期です。小 5 以前の方は、この 8 項目を「小 6 でやることの一覧」として眺め、11 節の学年別ロードマップの方を見てください。2 科選択なので、ここでは国語と算数を選ぶ前提で並べます。根拠は 8 節の科目別を参照してください。

  1. [毎日 10 分] 算数の計算 8 問を 8 分で全問正解にする。100 点中のおよそ 3 分の 1 がここです。中かっこの式(4 年連続で (7))と工夫のいる計算(4 年連続で (8)。分配法則・部分分数)を、この 2 種だけ 20 問続けて解く日を作る。(確認: 〜2025 年度)
  2. [週末 60 分] 食塩水を 4 パターンで固める(濃度を求める/水を加える/食塩を加える/混ぜ合わせる)。大問 2 の (1) は 4 年連続で食塩水です。(確認: 〜2025 年度)
  3. [週末 60 分] 回転体の体積を 10 問。大問 3 は 4 年連続でこれ 1 問だけです。正方形を組み合わせた図形、長方形、240 度など一部だけ回すもの、の 3 通りを見ておく。(確認: 〜2025 年度)
  4. [週末 60 分] 円とおうぎ形の複合求積を 10 問。円が重なる形、正方形に半円が乗る形。3 年連続(2023〜2025)です。(確認: 〜2025 年度)
  5. [毎日 10 分] 角度 1 問を毎日。正三角形・二等辺三角形・円の中心角の組み合わせ。4 年連続です。(確認: 〜2025 年度)
  6. [週 1 回] 国語の作文を週 1 本、200 字・5 分。3 年とも最後の 1 問が「あなたの考える親友とは」「あなたが好きな学校行事」「あなたが今まで最も打ち込んだこと」でした。字数指定がないので、解答らんを埋め切る速さが要ります。(確認: 〜2018 年度)
  7. [週末 60 分] 国語の記述と知識をまとめて一巡する。理由説明の記述は「〜から。」で 40〜60 字にまとめ、傍線部の直前直後 3 行から根拠を拾う手順を固める(2018 年度は 15 問中 7 問が記述、うち 4 問が理由説明)。漢字は読みと書き取りの両方+誤字訂正(2016 年度は「熱い本を読んだ」の誤字を直す形が大問 1 つ分。同音異義語をセットで覚える)。語句の意味(慣用句・故事成語・四字熟語)と類義語・対義語(2018 年度は類義語だけで独立した大問)、文法(助動詞「られる」「ない」「そうだ」「らしい」「だろう」の用法識別)と敬語(2016 年度に大問 1 つ分)、表現技法(比喩・擬人法・倒置法・体言止め)の名前と見分け方まで。(確認: 〜2018 年度)
  8. [週末 60 分] 算数の小問集合(大問 2)に出る文章題と、大問 6・7 を仕上げる。仕事算(仕事の速さから日数を出す。3 年連続)・速さの基本(3 年連続。時速から時間、流水算=川の流れと船の速さ)・つるかめ算(個数を合計から逆算)・平均算・年齢算・数の性質を 1 問 2 分で一巡し、場合の数(同じものを何人かに分ける・道順)と規則性(周期の数列)を交互に解く。大問 6 は 4 年連続でこのどちらかです。最後に速さ・割合の 2 小問(通過算=列車が通り過ぎる時間・出会いと追いこし・比を使った差の処理)。(確認: 〜2025 年度)

8. 科目別の詳細

まず 4 科目を横に並べておきます。

科目 形式の固定度 中身の性格 最優先で時間をかける価値があること
算数 非常に高い(大問 7・小問 21〜22 が 4 年同じ。位置ごとの単元も 4 年同じ) 数値は毎年作り直すが、位置ごとの問題の作りは変わらない 計算 8 問の完答、食塩水、回転体、円とおうぎ形、角度の 5 点セット
国語 低い(大問数 1〜4、小問 15〜33 と年で動く) 物語文 1 題+漢字+語句・文法。最後は必ず自分のことを書く作文 200 字の作文を 5 分で書く力、理由説明の記述
理科(2017 年度まで) 高い(大問 5・小問 19〜25 が 3 年同じ) 大問 4 は天体、大問 5 は身のまわりの話題 天体、ふりこと運動、水溶液(当時の話)
社会(2017 年度まで) 高い(大問 4・小問 30〜35 が 3 年同じ) 分野で大問が分かれず、読み物・時事から地理歴史公民を横断 前年のニュース、近現代史、産業の統計(当時の話)

試験時間は 4 科目とも 45 分・各 100 点です(2027 年度の募集要項)。

8-1. 算数(2022〜2025 年度の 4 冊を原本で確認・自動集計は 2010〜2025 の 14 年分)

年度×大問の題材表(原本で確認した 4 年)

年度 大問 1(8 問) 大問 2(6 問) 大問 3(1 問) 大問 4(1 問) 大問 5(1 問) 大問 6(2〜3 問) 大問 7(2 問)
2022 計算 8 問 小問集合(食塩水・和差算・数の性質・年齢算・速さ・トーナメント) 回転体(長方形を 240 度回転) 平面図形の面積(台形としゃ線部分) 角度(角ア) 規則性(3 色の玉の並び 300 個) 割合(水族館の入館者・ニュートン算)
2023 計算 8 問 小問集合(食塩水・流水算・仕事算・和差算・場合の数・つるかめ算) 回転体(正方形を並べた図形) 円とおうぎ形(長方形の中に同じ円) 角度(正三角形 2 つ) 場合の数(道順・P 地点経由) 割合と比+速さ(180m 走の差)
2024 計算 8 問 小問集合(食塩水・速さ・仕事算・数の性質・時計算・平均算) 回転体(しゃ線部分の体積) 円とおうぎ形(半径 10cm の円 7 個) 角度(円の一部・中心 O) 規則性(189020241890… の数列) 通過算(列車 A と列車 B)
2025 計算 8 問 小問集合(食塩水・速さ・仕事算・つるかめ算・年齢算・平均算) 回転体(1cm の正方形 4 枚) 円とおうぎ形(正方形と半円) 角度(正三角形と二等辺三角形) 場合の数(4 個のボールを 3 人に分ける) 速さ(3 人が PQ 間を移動)

大問 7・小問 21〜22 が 4 年とも同じです。

同じ場所に同じ種類の問題が出る(4 年連続)

この学校の算数でいちばん大きな特徴は、大問の並びが座席(問題の置き場所)のように決まっていることです。精読した 4 年(2022〜2025)で次が動いていません。

これは「同じ問題が出る」という意味ではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味です。数値と設定は毎年作り直されています。

作りが同じ問題(原本で両年を突き合わせたもの)

頻出単元

自動集計(2010〜2025 の 14 年)では、算数の出題は計算 33%・割合と文章題 24%・平面図形 13%・速さ 11%・数の性質と規則性 10% です。上位 3 分野で 7 割を占め、分野の偏りは関東の中でも大きい方に入ります。原本で見た 4 年もこの比率どおりで、立体は大問 3 の回転体だけ、資料の読み取りやニュートン算(増え続ける量を減らしていく問題)は 2022 の大問 7(2) など単発です。

家でやることは 7 節に、形式面は 10 節に、しばらく出ていない単元は 9 節にまとめました。

8-2. 国語(2016・2017・2018 年度の 3 冊を原本で確認・自動集計は 2010〜2018 の 8 年分)

国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。ここに書いたのは 2016〜2018 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してほしいと思います。なお 2017 年度の冊子は、漢字の大問の導入文だけが残って設問が抜け落ち、読解の大問とひとつながりに転写されていました。この年の大問の数え方は使えませんので、以下では設問の中身だけを使っています。

年度×大問の題材表(原本で確認した 3 年)

年度 大問 1 大問 2 大問 3
2016 漢字の誤字訂正 8 問(同じ読みの誤字を直す) 文法・敬語 5 問(「られる」「ない」「そうだ」「らしい」「だろう」の用法識別) 物語文 1 題・20 問(画材店に行く二人の少女)
2017 (資料が壊れており確認できず) (同上) 物語文 1 題・15 問(合唱コンクールと歌)
2018 漢字の読み 4 問・書き取り 6 問 類義語の組み合わせを選ぶ 5 問 物語文 1 題・15 問(音楽室・先生・歌声)

3 年とも 「漢字 → 語句か文法 → 物語文 1 題」 の 3 部構成で、読解は 1 題だけです。説明文・論説文は精読した 3 年に 1 度も出ていません。

3 年連続で最後の設問が作文

いちばんはっきりした固定は、読解の最後の 1 問が、本文から離れて自分のことを書く作文である点です。3 年とも問い方の言葉づかいまでそろっています。

3 年とも字数の指定がありません。解答らんの大きさに合わせて書く形なので、150〜200 字くらいを 5 分で書き切る練習が要ります。本文の内容とゆるくつながる題(親友・学校行事・打ち込んだこと)が選ばれています。

問い方の特徴

出典

原本の末尾表記と資料の記録が一致したのは 2017 年度(宮下奈都『よろこびの歌』・合唱コンクールを扱った小説)と 2018 年度(初野晴『ひとり吹奏楽部』ハルチカ番外篇)です。2016 年度は本文が確認できるのに出典の記録が抜けており、突き合わせができなかったので書きません。さかのぼると 2012 年度 瀬尾まいこ『図書館の神様』、2013 年度 村山早紀『コンビニたそがれ堂』、2015 年度 有川浩『阪急電車』と、中高生が主人公の現代の日本の小説が続いています。

8-3. 理科(2014・2016・2017 年度の 3 冊を原本で確認・自動集計は 2012〜2017 の 5 年分)

2027 年度の入試では理科は課されません(国語・算数・英語から 2 科選択)。資料も 2017 年度で止まっています。以下は 2014〜2017 年度当時の話で、いまの入試対策としてではなく、この学校の問題の作り方を知る材料として読んでください。

年度×大問の題材表(原本で確認した 3 年)

年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2014 人体(消化器官の図) 気体の発生(酸素・水素・二酸化炭素・アンモニア) てこのつり合いとふりこ 星の日周運動・年周運動 富士山(成り立ち・気圧・気温)
2016 メダカの飼育と卵の成長 ものの燃え方(ろうそくの炎) ふりこと電磁石 太陽の高さと気温のグラフ 火山の噴火と地震の波
2017 顕微鏡の各部の名称と使う順番 すべり台の運動と音の高さ 5 種類の水溶液の判別 夏の星座と夏の大三角 ごみの分別とリサイクル

3 年とも大問 5・小問 19〜25 で、物理・化学・生物・地学が 1 題ずつという配分でした。

同じ場所に同じ種類の問題が出る(3 年連続)

2016 の大問 3 と 2017 の大問 2 は、書き出しが「ふりこと電流について、あとの各問に答えなさい。」でそろっています。ただし中身は 2016 がふりこと電磁石、2017 がすべり台と音の高さで別物です。書き出しの文だけを前年から引き継いだように見えます。

当時の柱(参考)

天体(星の動き・太陽の高さ・季節)、ふりこと物体の運動、水溶液の判別と気体の発生、人体と生き物の観察の 4 本を柱にし、最後に身のまわりの科学(ごみ・環境・防災)を足す形でした。

8-4. 社会(2014・2016・2017 年度の 3 冊を原本で確認・自動集計は 2012〜2017 の 5 年分)

2027 年度の入試では社会は課されません(国語・算数・英語から 2 科選択)。資料も 2017 年度で止まっています。理科と同じく、当時の作り方を知る材料として読んでください。

年度×大問の題材表(原本で確認した 3 年)

年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2014 3 人が旅先から出したはがき(地理+歴史) キーワードを書いたカードのグループ分け(歴史・地理・公民の横断) 富士山の歴史年表と世の中の動き マララ・ユスフザイさんの国連演説
2016 世界の観光地についてのメモ 新渡戸稲造をめぐる会話文 ノルウェーの女性役員比率を伝える新聞記事 家族の温泉めぐりの行程表
2017 学校のある千代田区猿楽町周辺の紹介 2016 年 5 月のアメリカ大統領の広島スピーチ ある家の 1 週間の献立表 上野散策の地図(国立西洋美術館の世界文化遺産登録)

3 年とも大問 4・小問 30〜35 です。

いちばんの特徴は「大問が地理・歴史・公民で分かれていない」こと

精読した 3 年の 12 大問すべてが、日常や時事の読み物・資料から入り、そこから地理・歴史・公民をまたいで問う作りでした。たとえば 2014 の大問 1 は 3 枚のはがきを読ませて、都道府県の同定 → 作物の生産量グラフ → 空港 → 風向き → 富岡製糸場 → 県境をまたぐ地形、と 6 問で地理と歴史を行き来します。分野別に大問が立っていないので、単元ごとの学習だけでは形に慣れられません。

もうひとつはっきりしているのが、前年の出来事を素材にすること(3 年連続)。2014 はマララ・ユスフザイさんの国連演説(2013 年)と世界文化遺産になった富士山(2013 年)、2016 はノルウェーの女性役員比率をめぐる新聞記事、2017 は 2016 年 5 月 27 日のアメリカ大統領の広島スピーチと、2016 年に世界文化遺産となった国立西洋美術館。入試の前年に新聞の 1 面に載った話題が、そのまま大問の導入文になります。

頻出の分野

自動集計(2012〜2017 の 5 年)では、歴史の近現代 20%・地理の産業 20%・地図と地形と気候 14%・公民の憲法と政治 9%・古代〜中世 8% です。原本で見た 3 年もこの通りで、近代以降の歴史と、産業(農業・水産業)の統計が繰り返し出ます。

当時の柱(参考)

近現代史(幕末から戦後まで)を年表で押さえること、都道府県と主要作物の生産量を結びつけること、そして前年 1 年間のニュースを月ごとにたどれるようにしておくことが中心でした。記述は「グラフのこの部分だけが違う理由」を 2 文で書く練習が効きます。


9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

算数は大問 6・7 の枠が入れ替わりの場所です。精読した 4 年で 1 回だけ出たものは、次の年に戻ってきておかしくありません。

単元 最終確認年度 戻り得る枠
ニュートン算 2022(大問 7(2)) 大問 7
道順の場合の数 2023(大問 6) 大問 6
時計算 2024(大問 2(5)) 大問 2
通過算 2024(大問 7) 大問 7
平均算 2025(大問 2) 大問 2
立体図形(回転体以外) 2020(自動集計。2018・2020 年度に大問へ入っていた) 大問 3
水量の変化(グラフ) 2020(自動集計。2010・2020 年度に出ている) 大問 7
国語の文法・敬語 2016(大問 1 つ分・助動詞の用法識別 5 問) 国語の知識の大問

10. 形式面の注意

算数

国語

理科(2017 年度まで)

社会(2017 年度まで)


11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)

やること
小 4(土台) 計算の正確さがそのまま点になる学校なので、四則計算・分数と小数の混合・かっこの外し方を毎日 10 問。国語は漢字と、物語文を読んで「なぜそう思ったか」を 2 文で言う練習。時間はまだ計らなくてよい。図形は円とおうぎ形、正三角形・二等辺三角形の角度の入口だけ。
小 5(幅) 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日の 15 分は、大問 2 に入る文章題を食塩水 → 仕事算 → つるかめ算 → 平均算 → 年齢算 → 速さの順に 1 つずつ一巡(つるかめ算・平均算・年齢算は受験用教材の単元です)。週末の 60 分は平面図形の求積と回転体を通す。この学校の算数は分野が偏っていて、計算・割合と文章題・平面図形・速さで 8 割です。国語は「あなたはどう思うか」を 200 字で書く習慣をここで作る(ただし 2019 年度以降は国語の資料が無いので、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。→ 13 節)。理科・社会を使わない受け方を選ぶなら、その分をこの一巡に回せます。
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目。夏以降は同じ座席を縦に解く。2022〜2025 の大問 3 を 4 年続けて、次に大問 4 を 4 年続けて、というやり方です。秋からは 45 分の通し演習で、算数は計算 8 分・小問集合 12 分・図形 3 問 10 分・大問 6/7 に 15 分という配分を体に入れる。

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 の一巡ではなく、小 4 からの計算の正確さです。算数は 21〜22 問のうち 8 問が計算で、残りも短答(答えのみ)なので、途中の考え方が合っていても計算が 1 つずれれば 0 点になります。記述で部分点を拾える科目構成ではありません。小 4 のうちに「見直しをしなくても合っている」状態を作れた子は、小 6 で図形と文章題に時間を回せます。


12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、の観点だけ)

ここで見るのは過去問演習が二重に効くかどうかだけです。難易度・偏差値帯・通学圏・入試日程の有利不利は扱いません。近さの数字は、科目ごとの大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置に出る単元の一致・設問文の使い回しの距離と、単元分布の類似を合成したものです(100 に近いほど出題の構造が近い。同じ問題が出るという意味ではありません)。近い順に 3 校だけ挙げます。

8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。

この学校の一般入試は国語・算数・英語から 2 科を選ぶ形なので、併願先が 4 科目校の場合、理科・社会はこの学校の準備とは別に立てる必要があります

算数を軸に併願するなら啓明学園・かえつ有明・捜真女学校、社会も含めて転用したいなら法政大学第二・桜美林、という並びになります。ただし神田女学園の算数は「大問の並びが 4 年動かない」という点が強い個性なので、座席をたどる練習そのものは他校に転用できません。転用できるのは単元の中身(食塩水・回転体・円とおうぎ形・角度)の方です。


13. 資料の限界

資料どうしの食い違い(気づいたもの)


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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。

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