東京農業大学第一高等学校中等部 の過去問分析
東京農業大学第一高等学校中等部の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
東京農業大学第一高等学校中等部 過去問分析(2009〜2026 年度・第 1 回相当・算数 17 年分ほか)
更新 2026-08-20。
この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都世田谷区 |
| 男女 | 共学 |
| 入試回と科目 | 全 4 回。第 1 回 2 月 1 日午前・4 科/第 2 回 2 月 1 日午後・2 科(算数必須+理科または国語を出願時に選択)/第 3 回 2 月 2 日午後・2 科(第 2 回と同じ組み合わせ)/第 4 回 2 月 4 日午前・4 科 |
| 試験時間・配点 | 第 1 回 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・理科 40 分 80 点・社会 40 分 80 点/第 2 回 算数 40 分・理科 40 分・国語 40 分で各 100 点/第 3 回 算数 50 分 150 点・理科 40 分 100 点・国語 40 分 100 点/第 4 回 4 科各 40 分 100 点 |
| 集合時刻 | 第 2 回は 15:20 または 16:00、第 3 回は 14:30 または 15:30 の 2 グループ制 |
第 2 回・第 3 回に社会はありません。算数が必須で、もう 1 科目を理科と国語から出願のときに選ぶ形です。算数の配点も回で変わり、第 3 回だけ 150 点です(以上は 2026 年度の学校の公表資料による)。
東京農業大学第三高等学校附属中学校とは別の学校です(所在地も入試も別)。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このページでわかること
このページは、どんな問題が出るかと家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの進め方(何年分をいつ解くか等)は過去問の使い方に、用語は用語集にまとめてあります。
まず結論だけ(10 行)
結論
- 算数は同じ種類の問題が同じ場所に出ます。大問 5 題という数は資料のある 17 年で動かず、大問 1 に計算 3 問、大問 5 に速さという座席(問題の置き場所)が続いています。
- 理科・社会・国語には算数ほどの座席の固定がありません。毎年作り直されると考えて準備するほうが安全です。
- 4 科目を通して記述がとても少なく、そのかわり理科は 40 分で小問 37〜52 問、社会は 40 分で 32〜34 問という密度です。
家でやること 3 つ
- 算数は、同じ座席の問題を年度をまたいで縦に並べて解きます(大問 1 の計算だけを 3 年分、大問 2 の約束記号だけを 3 年分、大問 5 の速さだけを 3 年分)。
- 理科・社会は年度通しで時間を計り、「捨てる問題を決める」練習をします。
- 前年 1 年間のニュースを月ごとに整理します。時事は理科と社会の両方で効きます。
今週やる 1 つ
- 算数・大問 5 の速さとグラフを 3 年分、縦に並べて解いてみてください。グラフをかいてから設問に入る手順が、この学校の算数の中心です。
注意
- 資料からは入試回の区別が付きません。ここに書いたのは 4 科がそろう第 1 回相当の話で、第 2 回・第 3 回・第 4 回の傾向は分かりません(→資料の限界の節)。
資料の状況
転写(=過去問の紙面を文字データに起こしたもの)をもとに、次の年度を見ています。
| 科目 | 精読した年(設問文まで読んだ) | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2024・2025・2026) | 14 年 | 17 年(2009〜2012、2014〜2026) | 高。式は転写に揺れがある箇所があるが、大問構成と題材の読み取りに支障はない |
| 理科 | 3 年(2024・2025・2026) | 14 年 | 17 年(2009〜2013、2015〜2026) | 高。図・写真の中身は文字説明からの読み取りになる |
| 社会 | 3 年(2020・2025・2026) | 10 年 | 13 年(2009〜2013、2015〜2020、2025・2026) | 高。2021〜2024 年度の資料が無いため、直近 3 年を 2020・2025・2026 に読み替えた |
| 国語 | 3 年(2015・2016・2018) | 4 年 | 7 年(2009〜2012、2015・2016・2018) | 2019 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。ここに書けるのは 2018 年度までの話 |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回: 資料は学校×年×科目で 1 冊ずつしか無く、回の区別が付きません。4 科がそろう第 1 回のものと考えて読んでいます。
- 試験時間と配点は「この学校の基本情報」の節にまとめました。算数の比重は回によって変わります。
- 設問ごとの配点は、どの科目・年度の冊子にも印刷されていません。
一番大きな結論
この学校でいちばんはっきりしているのは、算数の「座席(問題の置き場所)の固定」です。大問 5 題という数は資料のある 17 年で動かず、大問 1 に計算 3 問、大問 5 に速さという並びが続いています。資料全体では、大問 1 が計算で始まる並びが 2014 年度から 13 年、大問 5 が速さになる並びが 2022 年度から 5 年。精読した 2024〜2026 年度の 3 年でも崩れていません。さらに大問 2 には約束記号が 3 年連続で入り、大問 5 にはグラフをかき込む作図が 3 年とも 1 問あります。これは「同じ問題が出る」という意味ではありません。同じ種類の問題が同じ場所に出る、という意味です。
一方、理科・社会・国語には算数ほどの座席の固定はありません。理科は 4 大問に物理・生物・地学・化学が 1 題ずつ入る枠が 3 年とも同じですが、並び順は 2026 年度に入れ替わりました。社会は 3 大問という数は同じで、地理 → 歴史の通史 → 前年の出来事を軸にした公民という並びが 2025・2026 の 2 年でそろっていますが、2020 年度は順序が違います。国語は大問 1 の漢字だけが 7 年とも固定で、その後ろは 2018 年度に大問数ごと組み替えられています。この 3 科目は毎年作り直されると考えて準備するほうが安全です。
したがって過去問の使い方は、科目で分けるのがよいと考えられます。算数は「同じ座席の問題を年度をまたいで縦に並べて解く」(大問 1 の計算だけを 3 年分、大問 2 の約束記号だけを 3 年分、大問 5 の速さだけを 3 年分)。理科・社会は「年度通しで時間を計る」。理科は 40 分で小問 37〜52 問、社会は 40 分で 32〜34 問という密度で、1 問あたり 45〜75 秒しかありません。知識の有無より処理の速さで差がつく作りになっています。
もう一つ、4 科目を通した特徴として記述がとても少ないことがあります。算数と国語は精読した 3 年で記述ゼロ、理科は毎年 1〜3 問、社会は毎年 1〜2 問で、いずれも字数指定ではなく「簡潔に」「1 行程度で」という指示です。記述の練習に時間を割くより、選択肢を消去法で最後まで詰める練習と、資料(表・グラフ・地図・新聞記事)から数値を読む練習のほうが直接効きます。
この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
- 自校の生徒が問題文に登場します。理科は「農太くん」が 2024・2025・2026 の 3 年連続(2025 は「農太郎くん」、2026 は「農子さん」も)。しかも「農大一中の課題研究で『豆電球の性質』について実験をして調べる」(2025 大問 1)、「農大一中の生物部の部室には、次のような動物がいます」(2025 大問 2)と、校内の活動そのものが実験の設定になっています。
- 農・食・生き物が題材の中心にあります。算数は大根リレー(2025 大問 4)、フラミンゴ・ライオン・タランチュラの足の数(2026 大問 3)。理科は釣りと魚の浮力(2024)、カブトムシの体重と引っ張る力(2024)、田んぼの生態系と食物連鎖(2026)。社会は大問まるごと米と稲作の通史で、導入文が「農大一中では『稲作』や『お米の科学』など、米をテーマにした学習活動を実施しています」(2026 大問 2)。理科・社会・算数の 3 科目に農と食の題材が散っているのは、この学校の資料を通して見たときにいちばん目につく色です。
- 実験を自分で設計させる問いがあります。「なめらかな板の上にカブトムシを置くと正しい調査ができない理由」(2024 大問 2)、「0.1g きざみの電子天びんでクロヤマアリ 1 匹 0.005g を確かめるには最低何匹必要か」(2024 大問 2 問 9)。器具の限界から逆算する問い方で、知識では答えられません。
- ニュースがそのまま導入文になります。理科は「令和 6 年 8 月 8 日午後 4 時 42 分頃に日向灘…マグニチュード 7.1」(2025)、「月面に原子炉を作る計画がある」という記事の引用(2026)。社会は新聞記事の引用が 2025・2026 に複数(中国の水産物輸入停止、2025 年 4 月 8 日の朝日新聞夕刊、減反の記事)。前の年に起きたことを、そのまま理科と社会の両方で使う作りに見えます。
- 科目の境目をまたぎます。社会で蒸気機関の状態変化を問い(2020 大問 3)、時差計算をさせ(2026 大問 1)、理科で比例計算を連鎖させる(2026 大問 1)。算数の大問 2 でも「ノット」の換算(2026)が出ます。理科・社会・算数を別々の引き出しに入れていると取りこぼします。
- 合格祈願が算数の文章題になります(2024 大問 4「N 小学校の先生が受験生の合格祈願のために、東京から 1040km 離れた太宰府天満宮まで車で行きました」)。学校名を N 中学校・N 小学校と伏せた形で自校を登場させる書き方が、算数と理科の両方にあります。
今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前の方は、この節を「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に進めてください。座席を縦に解く演習は小 6 の夏以降が目安です。
根拠(何年に何が出たか)は、科目別の詳細の節を参照してください。
- [週末 60 分] 算数・大問 5 の速さとグラフを 3 年分、縦に解く。2024 は 6km の道を往復する 2 台のバスと歩く人、2025 は 35m の 2 地点を往復する 2 人、2026 はスキー場のリフトと滑降。3 年とも作図が 1 問あり、その後の設問がグラフに依存します。グラフを描いてから数える手順を体に入れます。すれ違い・追い越しの回数を数える問いは 2024・2025 に続けて出ています。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 算数・大問 2 の約束記号(2024〈a〉=2 回かけて a になる整数/2025 =各位の数の和の 3 倍/2026 ≪ ≫=約数の和)。3 年連続です。定義を読む → 例で検算 → 一般化、の 3 手順を固定します。同じ週 1 回の枠で、大問 3 に 2 年続けて入っている平均算(表から平均を出す・欠席者の点数を逆算する)と回転体(立方体を辺で回す・直角三角形を斜辺以外の辺で回す)も回してください。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 3 問を 5 分以内。多重の逆算(2026 は 4 重かっこ)と 3 単位をまたぐ換算(2025 dL・mL・L・cm³/2026 mg・kg・t・g)が入ります。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科・40 分で 40〜50 問の時間感覚。2026 は 52 問ありました。1 問 1 分をこえたら飛ばす判断を練習します。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科・化学の量的計算を 3 通りそろえる — 塩酸と金属の過不足(2024)、気体の反応量(2025)、溶解度と再結晶(2026)。精読した 3 年とも、化学の大問はこのどれかです。あわせて、生物と地学にも計算が来る前提で準備します(2026 大問 1 は食物連鎖で kg と mg の比例計算を 6 問続け、2024 大問 3 は地学なのに比例計算が中心)。理科の計算=化学、と思い込まないことです。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・前年 1 年間のニュースを月ごとに整理する。2020 は 2019 年 1〜7 月の年表、2025 は「2024 年の世の中の動き」、2026 は「2025 年から○○年前」。理科でも 2025 は日向灘の地震、2026 は月面原子炉のニュースが大問の導入文になっています。地震・火山・エネルギー・宇宙開発の見出しは、そのまま大問の導入文になります。時事は理科と社会の両方で効きます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 社会・「適切でないものを 1 つ選び」の消去法と、統計表の 4 択(どの県か・どの工業地帯か・どの発電方式か・卸売/小売/製造品出荷額のどれか)。2025 大問 2 は 4 問連続でこの形です。2025 と 2026 の大問 2 問 5 は同じ一文で出ています。統計表の 4 択は精読した 3 年すべてにあります。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字(書き 5・読み 5)と、内容合致の 1/2 判定。大問 1 は資料のある 7 年すべて漢字です。内容合致は精読した 3 年すべての長文の最後にあり、「同じ数字を用いてはいけません」という条件が付きます。(確認: 〜2018 年度)
科目別の詳細
はじめに 4 科目を並べて見ておきます。
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 大問 5・小問 18〜20。大問 1 が計算 3 問、大問 5 が速さで固定。記述 0%、記号選択もほぼ 0%。作図は毎年 1 問(大問 5 のグラフ) | 同じ場所に同じ種類の問題。約束記号・平均算・回転体・縮尺が繰り返す | 大問 5 の速さとグラフ、大問 2 の約束記号、大問 1 の計算 3 問を、それぞれ年度をまたいで縦に |
| 理科 | 大問 4・小問 37〜52(40 分)。物理・生物・地学・化学が 1 題ずつ。並び順は動く。選択 49〜57%、記述 1〜3 問、作図は年による | 分野の枠は毎年同じ、単元は入れ替わる。全分野に数値計算が入る | 化学の量的計算(過不足・溶解度・反応量)と、40 分で 40〜50 問を解く速度 |
| 社会 | 大問 3・小問 32〜34(40 分)。選択 68〜69%、記述 1〜2 問、作図なし | 前年の出来事を軸にした大問が毎年 1 題。歴史は 1 テーマの通史 | 前年ニュースの整理と、「適切でないものを選ぶ」問いの消去法、統計表の 4 択 |
| 国語 | 大問 1 が漢字で固定。その後ろは 2018 年度に 4 大問→3 大問へ組み替え。記述 0%、選択 58〜65% | 長文は説明的な文章(新書系の評論)。最後は必ず内容合致の 1/2 判定 | 漢字(書き・読み)、論説文の読解、内容合致の判定 |
算数(第 1 回 50 分・100 点・大問 5・小問 18〜20)
年度×大問の題材表(精読したのは 2024〜2026 年度)
| 年度 | 大問 1(計算 3 問) | 大問 2(小問 4 問) | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5(速さ・作図) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 四則計算 2 問+逆算(□÷5+(4+□)÷7=(2+□)÷3) | 1×2×…×2024 の末尾に並ぶ 0 の個数/時計算(2 時台に 180 度)/じゃんけん 5 人のあいこ/約束記号〈a〉=2 回かけて a になる整数 | 図形 2 問・記号で選ぶ(折り紙を 3 回折って切った形/正八角形の頂点を結んで斜線部が最大になる図) | 小問 8 問 仕事算=夏休みの宿題 割合と比=池に立てた 3 本の棒 最大公約数 12・最小公倍数 144 の組 速さ=東京から太宰府天満宮まで 1040km 食塩水 二等辺三角形の角度 正方形の中の面積 |
6km の道を往復する 2 台のバスと歩く A 君(グラフ作図・すれ違いと追い越しの回数) |
| 2025 | 四則計算/逆算(1/3×□+1/5×□+1/15×□=2025)/単位換算(dL・mL・L・cm³) | 縮尺 1/25000 の地図上 15cm を時速 30km で/2031 年 3 月 1 日は何曜日/約束記号(各位の数の和を 3 倍)2 問 | 小問 8 問 正方形の中の面積 立方体を辺 CG を軸に 1 回転させた体積 3 つのランプ A・B・C の点灯周期 売買損益 3 つの整数の積の比 平均算=欠席者 1 人 2 問 展開図から体積 |
大根リレーの着順を条件から推理し、表のクラス欄に A〜E を記入(1 問) | 35m の P・Q 間を往復する A と B(グラフ作図・初めて同じ地点に同時に着くまでのすれ違い回数) |
| 2026 | 分数の和のくふう/多重の逆算(7−6÷[5−4÷{3−2÷(1−□)}]=0)/単位換算(mg・kg・t・g) | 50 ノットの高速船が縮尺 1:50000 の地図上で毎分何 cm/1 時台に長針と短針が重なる時刻/約束記号≪ ≫=約数の和 2 問 | 小問 6 問(正六角形と対角線/直角三角形の回転体/和差算=2 日で読んだ本のページ/つるかめ算(個数を合計から逆算)=フラミンゴ・ライオン・タランチュラ/集合=39 人の冬休みの行き先/平均算=18 人のシュート成功数の表) | 円周上に等間隔に並ぶ 8 点 A〜H を結ぶ直線と交点(場合の数 3 問) | スキー場のリフトと滑降(A 時速 9km・B 時速 7.2km、グラフ作図) |
同じ場所に同じ種類の問題が来る
大問 1 が計算 3 問、大問 5 が速さという並びは、精読した 3 年で一度も崩れていません。資料全体(2009〜2026 年度の 17 年分)で見ても、大問 1 が計算で始まる並びは 2014 年度から 13 年続き、大問 5 が速さになる並びは 2022 年度から 5 年続いています。同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るという意味の固定です。
- 大問 1(3 問): (1) は計算のくふうを見る式(2026 は分数の対称な和、2025 は帯分数と小数の混在、2024 は部分分数)。(2)(3) は逆算(□にあてはまる数を求める計算)と単位換算がほぼ交代で入ります。2025・2026 は 2 年続けて (3) が単位換算(2025 は dL→mL→L→cm³、2026 は mg→kg→t→g)で、単位を 3 種類またぐ作りが共通です。
- 大問 2(4 問): 約束記号が 3 年連続です(2024〈a〉=2 回かけて a になる整数、2025 =各位の数の和の 3 倍、2026 ≪ ≫=約数の和)。記号の定義は毎年違いますが、例示を読んで定義を自分で運用する、という問い方は同じです。ほかに時計算(2024・2026 の 2 回)と、縮尺と速さの複合(2025・2026 の 2 年連続。2026 は「ノット」の換算まで含む)。
- 大問 3〜4: 片方が小問(大きなかたまりの中の一問)の詰め合わせ、もう片方が 1 つのテーマを掘る大問(問題の大きなかたまり)、という組み合わせです。並び順は年で入れ替わります(2024 は大問 3 が図形 2 問・大問 4 が小問 8 問、2025・2026 は大問 3 が小問集合)。テーマ側は 2024 が図形の見取り、2025 が推理(大根リレーの着順)、2026 が場合の数(円周上の 8 点)。
- 大問 5(速さ・グラフ): 3 年とも速さで、3 年ともグラフをかき込む作図が 1 問あります。2024・2025 は「往復する 2 者のすれ違い回数」を問う点まで同じで、2026 はリフトと滑降で上りと下りの速さが違う設定に変えています。
頻出単元と周期(精読した 3 年で確認)
| 単元 | 出た年 | 場所 |
|---|---|---|
| 計算のくふう・逆算 | 2024・2025・2026 | 大問 1 |
| 約束記号 | 2024・2025・2026 | 大問 2 |
| 速さ(グラフつき) | 2024・2025・2026 | 大問 5 |
| 平均算 | 2025・2026 | 大問 3 |
| 回転体(円周率 3.14) | 2025・2026 | 大問 3 |
| 縮尺・単位換算 | 2024・2025・2026 | 大問 1(3) と大問 2 |
| 時計算 | 2024・2026 | 大問 2 |
| 場合の数 | 2024・2026 | 大問 2・大問 4 |
| 数の性質(約数・倍数・末尾の 0) | 2024・2026 | 大問 2・大問 4 |
問い方の特徴
- 定義を読んでその場で運用させる問いが大問 2 に必ず入ります。約束記号は 3 年とも「例えば〜」で 1〜2 例が示され、そこから規則を読み取ります。知識ではなく読解と試行の速さを見ている作りに見えます。
- 答えをすべて挙げさせる設問があります(2024 大問 4(3)「最大公約数が 12、最小公倍数が 144 になる 2 つの整数の組をすべて求めなさい。ただし、使わない解答欄には × を書きなさい」)。解答欄の数より答えが少ないことがある形式なので、埋めきろうとすると誤答になります。
- 表に記入して答える設問があります(2025 大問 4 は順位 1〜5 の表にクラス記号 A〜E を書き込む)。1 問で大問 1 つぶんの配点になる可能性があるので、条件整理の練習が要ります。
- 速さの大問は、答えの数値より先にグラフの形を決めさせます(3 年とも作図が (1) か (3) にあり、その後の設問がグラフに依存する)。グラフを間違えると後続がまとめて落ちる構造です。
理科(第 1 回 40 分・80 点・大問 4・小問 37〜52)
年度×大問の題材表(精読したのは 2024〜2026 年度)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | ばね付き釣り竿と魚の浮力、2 本のばねの連結、組み合わせ滑車と輪軸(9 問・グラフ作図 1) | 昆虫(不完全変態、口の形、カブトムシの幼虫と成虫の体重、引っ張る力の実験、電子天びんでアリの体重を量る)(10 問) | 地球の大きさと月までの距離(エラトステネスのスタジア、ヒッパルコスの視差)(10 問) | 塩酸 50cm³ とアルミニウム 0.1〜0.8g の過不足、濃度を 2 倍・半分にしたグラフ、アルミと銅の混合物(10 問) | 39 |
| 2025 | 豆電球の性質(定格電圧、直列・並列、スイッチの組み合わせで明るさを比べる)(5 問) | 動物と温度(せきつい動物の分類、体表温度の表、額と手の表面温度、電熱線で水温を上げる実験)(11 問) | 令和 6 年 8 月 8 日の日向灘の地震(プレート、逆断層、トラフ、南海トラフ地震臨時情報、巨大地震の発生間隔、富士山の形と宝永噴火)(14 問) | 気体①〜⑩の分類と反応(発生方法、性質による分類、反応量の計算、BTB 溶液の色)(7 問) | 37 |
| 2026 | 生態系と食物連鎖(数量ピラミッド、田んぼの生物、食べた量の kg 計算、DDT の生物濃縮の mg 計算)(17 問) | 浮力・密度(おもり X・Y、上皿はかりとばねばかり)と電磁石・方位磁針(9 問) | 「とける」の 3 種類、ホウ酸の溶解度と再結晶、水溶液 a〜i の判別、気体の集め方(13 問) | 月面原子炉のニュース記事から、衛星・日食・月の満ち欠けと方角・南中時刻、日本の発電割合(13 問) | 52 |
同じ場所に同じ種類の問題が来るか
4 大問という数は 3 年とも同じで、物理・生物・地学・化学が 1 題ずつ入る構成も 3 年とも同じです。ただし分野の並び順は固定ではありません。2024・2025 は物理→生物→地学→化学の順で 2 年一致しましたが、2026 は生物→物理→化学→地学に入れ替わりました。算数のような座席の固定は理科には無いと考えて、どの分野が何番に来ても動じない練習をしておくのが安全です。
固定されているのはむしろ分量と作りのほうで、40 分に対して小問 37〜52 問(2026 は 52 問)という密度が 3 年とも続いています。1 問あたり 45〜65 秒しかありません。
頻出単元と周期(精読した 3 年で確認)
| 単元 | 出た年 | 出方 |
|---|---|---|
| 気体の性質 | 2024・2025・2026 | 3 年連続。2025 は大問まるごと(①〜⑩の 10 種を分類)、2024・2026 は化学の大問の中の 1〜2 問 |
| こん虫・動物の分類 | 2024・2025・2026 | 3 年連続。分類の名称を答える問いが毎年ある |
| 月・太陽 | 2024・2026 | 2024 は月までの距離の測定、2026 は満ち欠けと方角・南中時刻 |
| 浮力・密度 | 2024・2026 | 2024 は魚の浮力、2026 はおもりと上皿はかり |
| ばね | 2024・2026 | 連結ばね(2024)、ばねばかりの読み(2026) |
| 電気回路・電磁石 | 2025・2026 | 2025 は豆電球の明るさ、2026 は電磁石と方位磁針 |
| 水溶液の量的計算 | 2024・2025・2026 | 3 年連続。過不足(2024)、反応量(2025)、溶解度・再結晶(2026) |
問い方の特徴
- 理科の中で計算がとても多いです。化学だけでなく生物・地学にも数値計算が入ります。2026 大問 1 は食物連鎖で「小さな魚は何 kg 食べられたか」「プランクトンは最低何 kg 必要か」「DDT は何 mg 蓄えられたか」を 6 問続けて計算させます。2024 大問 3 は地学なのに「1 スタジアは何 m か」「地球の半径は何 km か」という比例計算が中心です。
- 月の満ち欠けを方角・時刻と結ぶ問いがあります(2026 大問 4 問 6〜問 10)。「日没直後に南西の空」「午前 3 時に南中」を図の位置と結ぶ練習が要ります。
- 桁の指定が付きます(「小数第 1 位を四捨五入し、整数で答えなさい」2024 大問 3 問 3(2)・大問 4 問 5、2026 大問 3 問 2(2))。
- 円周率が問題ごとに違う年があります。2024 大問 3 は問 3(2) が「円周率は 3.14 とします」、問 6・問 8 が「円周率は 3 とします」。指示を読み飛ばすと合いません。
- 「すべて選びなさい」「正しくないものを選びなさい」が毎年入ります(2024 大問 4 問 2・問 3、2025 大問 4 問 2、2026 大問 3 問 4・問 6)。数が指定されないので、消去法を最後まで通す必要があります。
- 表に記号を書き込ませる形式があります(2025 大問 1 問 2 は 4 つの文に〇×、問 5 は明るさを〇△×で表に記入)。
- 前の年の出来事が地学・時事の入口になります。2025 大問 3 は「令和 6 年 8 月 8 日午後 4 時 42 分頃に日向灘…マグニチュード 7.1」から始まり南海トラフ地震臨時情報まで問います。2026 大問 4 は「月面に原子炉を作る計画がある」というニュース記事の引用から始まり、最後は日本の発電割合のグラフ読み取りで終わります。
社会(第 1 回 40 分・80 点・大問 3・小問 32〜34)
年度×大問の題材表(精読したのは 2020・2025・2026 年度)
社会は 2021〜2024 年度の問題が資料に無いため、直近 3 年を 2020・2025・2026 に読み替えて確認しました。
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|
| 2020 | 2019 年 1〜7 月の出来事の年表(10 問) 北方領土 直接請求権 各国の行政のリーダー 景気循環 通貨の 3 機能 世界遺産 天皇の退位 内閣不信任 人口推移 参議院選挙 |
地名の由来から地理と歴史を横断(14 問) 多賀城と蝦夷 みどり市と笠懸 台場とペリー 調布と調・防人 甲州市の地形図 四日市と工業地帯 唐津と佐賀の農産物 |
イギリス(蒸気機関、産業革命、植民地とインド、明治の制度移入、EU 離脱の国民投票)(8 問) | 32 |
| 2025 | 日本周辺の海洋(12 問) 湾・半島・列島の名称 県別統計 中国の水産物輸入停止の新聞記事 漁獲量のグラフ 潮目と暖流 貿易港 石油化学コンビナート 天橋立 現在と 1970 年代の地形図の比較 竹島 |
SDGs を切り口にした通史(12 問) 律令と大仏造立の詔 江戸の古着と改革 廃藩置県 日清・日露の間 労働歌 選挙権の拡大 足尾の史料 |
「2024 年の世の中の動き」の調べ学習(10 問) RCEP 女性の政治参加のグラフ 円安 新紙幣と貨幣流通 物価 法律名 予算の決定過程 地方自治 政治リーダーの決め方 |
34 |
| 2026 | 冬季オリンピックとサッカーワールドカップから世界地理へ、後半は日本地理(13 問) 時差 雨温図 輸入品目 発電所の数 高齢化と単身世帯 四大公害病 新聞記事の穴埋め アニメの舞台の踏切 卸売・小売・製造品出荷額 地形 |
米と稲作の通史(11 問) 銅鐸の農作業 宇治殿の史料 壇ノ浦 楮と製紙 生類憐みの令 田沼意次 日清戦争前後の年表 戦後のグラフ 減反の新聞記事 |
「2025 年から○○年前」の調べ学習(9 問) ラジオとインターネット 山手線 1925 年以降初の衆議院選挙 国際会議の宣言 紛争地域 沖縄の米軍施設 京都議定書と郵政選挙 |
33 |
同じ場所に同じ種類の問題が来るか
大問 3 題という数は 3 年とも同じです。並びは 2025・2026 の 2 年が地理 → 歴史の通史 → 前年の出来事を切り口にした公民・国際でそろっています。2020 は前年の出来事の年表が大問 1 に置かれており、位置は動きます。ただし「前年(あるいは数年前)の出来事を軸にした大問が毎年 1 題ある」という点は、精読した 3 年すべてで確認できました。
もう一つ 3 年で共通しているのは、歴史の大問が単独で立つときは通史になることです。2025 は SDGs、2026 は米という 1 つのテーマで古代から現代まで縦に走ります。時代を絞った出題ではないので、通史の抜けがそのまま失点になります。
頻出単元と周期(精読した 3 年で確認)
| 単元 | 出た年 | 出方 |
|---|---|---|
| 国際社会・国際協力 | 2020・2025・2026 | 3 年連続。2020 は EU 離脱、2025 は RCEP と竹島、2026 は紛争地域と国際会議の宣言 |
| 前年の出来事 | 2020・2025・2026 | 3 年連続。新聞記事の引用つきが 2025・2026 |
| 三権分立・国会・内閣・予算 | 2020・2025・2026 | 3 年連続 |
| 選挙制度 | 2020・2025・2026 | 参議院選挙(2020)、女性参政権と選挙権の拡大(2025)、1925 年以降初の衆議院選挙(2026) |
| 飛鳥・奈良時代 | 2020・2025 | 調と防人(2020)、大仏造立の詔と墾田永年私財法(2025) |
| 江戸時代 | 2025・2026 | 古着と寛政の改革(2025)、生類憐みの令と田沼意次(2026) |
| 幕末・明治維新 | 2020・2025 | ペリーと台場(2020)、廃藩置県(2025) |
| 地形図の読図 | 2020・2025 | 甲州市周辺(2020)、同じ地域の現在と 1970 年代を並べて比べる(2025) |
| 工業・産業構造 | 2020・2025・2026 | 工業地帯の出荷額(2020)、石油化学コンビナート(2025)、卸売・小売・製造品出荷額(2026) |
| 環境問題・公害 | 2020・2025・2026 | 世界遺産(2020)、防災と地形図(2025)、四大公害病と京都議定書(2026) |
問い方の特徴
- 記号選択が主軸です(2020 69%、2025 68%、2026 68%)。残りの多くは語や地名の記入で、記述は毎年 1〜2 問しかありません。
- 「適切でないものを 1 つ選び、記号で答えなさい」が非常に多いです。2025 大問 2 では問 1・問 3・問 4・問 5 が 4 問続けてこの形。2025 と 2026 の大問 2 問 5 は「下線部⑤に関連する説明として適切でないものを、次のア〜エのなかから 1 つ選び、記号で答えなさい」という同じ一文で、両年の原本で確認しました。選択肢の中身は別ですが、問い方の枠は使い回されています。
- 表・グラフ・地図・写真・史料から読ませます。統計表の 4 択(どの県か・どの工業地帯か・どの発電方式か)が毎年あります。2026 大問 1 問 12 は卸売業・小売業・製造品出荷額のどれかを表から判断させます。
- 新聞記事をそのまま引用します(2025 大問 1 問 3 の中国の水産物輸入停止、2026 大問 1 問 10 の 2025 年 4 月 8 日朝日新聞夕刊、2026 大問 2 問 10 の減反)。記事の内容を地図上の海域や県に結び付ける問い方です。
- 理科・算数と地続きの設問が混じります。2020 大問 3 は蒸気機関の仕組みから「水蒸気の状態変化と同じ変化を選べ」と聞き、2026 大問 1 問 2 はイタリアの現地時間から日本時間を求める時差計算です。
- 自校の活動が導入文になります(2026 大問 2「農大一中では『稲作』や『お米の科学』など、米をテーマにした学習活動を実施しています」)。
国語(第 1 回 50 分・100 点。2015・2016・2018 年度で確認)
国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)、ここに書いたのは 2015・2016・2018 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。資料のあるのは 2009・2010・2011・2012・2015・2016・2018 の 7 年で、そのうち最新 3 年が 2015・2016・2018 にあたります。記述が加わっている可能性もあるので、市販の過去問集で最新の解答用紙を必ず見てください。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2015 | 漢字(書き 5・読み 5=10 問) | 四字熟語の空欄に入る漢字を選ぶ(5 問) | ことわざを文の空欄に入れる(ア〜コから 5 問・同じ記号は不可) | 論説文(婉曲表現と日本語のコミュニケーション)12 問 | 32 |
| 2016 | 漢字(書き 5・読み 5=10 問) | 四字熟語(空欄の漢字を選ぶ+意味を 1〜10 から選ぶ、5 語×2=10 問) | ことわざ(ア〜コから 5 問・同じ記号は不可) | 論説文(永井均『〈子ども〉のための哲学』/思想と思考) 12 問 | 37 |
| 2018 | 漢字(書き 4・読み 4=8 問) | 論説文(笠井奈津子『甘いものは脳に悪い』/食べることと記憶) 8 問 | 論説文(上田紀行『かけがえのない人間』/心理主義と「私探し」) 8 問 | — | 24 |
同じ場所に同じ種類の問題が来るか
大問 1 が漢字という並びは、資料のある 7 年すべてで崩れていません。導入文も「次の(1)〜(5)の傍線部のカタカナを漢字に直し、(6)〜(10)の傍線部の漢字の読みをひらがなで答えなさい」が 2015 と 2016 で同じ一文で、2018 は番号が ①〜④/⑤〜⑧ に変わるだけで作りは同じです(資料のある最も古い 2009 年度から続く言い回し)。
一方で大問 2 以降は動きます。2015・2016 は「漢字 → 四字熟語 → ことわざ → 長文 1 題」の 4 大問でしたが、2018 は語句の独立大問が消えて「漢字 → 長文 → 長文」の 3 大問になりました。四字熟語とことわざは長文の中の 1 問として残っています(2018 大問 2 問三でことわざ、大問 3 問三で四字熟語)。算数のような座席の固定は、大問 1 の漢字を除けば国語にはありません。
毎年ほぼ同じ問い方(原本で確認)
- 最後の設問が必ず内容合致の 1/2 判定です。「本文の内容と合致するものは 1、合致しないものは 2 と答えなさい。ただし、(すべて)同じ数字を用いてはいけません」という一文が、2015 大問 4 問十二・2016 大問 4 問十二・2018 大問 2 問八・大問 3 問八と、精読した 3 年すべての長文の末尾にあります。「同じ数字を用いてはいけない」という条件が付くので、1 と 2 の両方が必ず混ざります。
- 二重傍線部の語の意味を選ぶ(2015 大問 4 問七「ほのめかし」「下策」、2018 大問 3 問六「調停」「是正」)。
- 抜けている一文を戻す(2015 大問 4 問五、2018 大問 3 問二)。2015 は加えて問四に「囲み部分は文の順序が正しくありません。入るべき箇所を①〜⑤から選べ」があります。
- 空欄 A〜D に入る接続語・語を選ぶ(2015・2016・2018 の 3 年とも)。
- 本文からの抜き出しに字数指定(「漢字二字」2015、「二字」「三字」「十一字」2016)。
長文の中身
長文は説明的な文章に寄っています。精読した 3 年(2015・2016・2018)の長文はすべて論説・評論で、物語文は出ていません。資料のある 7 年の出典も、養老孟司『いちばん大事なこと』(2010)、上田紀行『生きる意味』(2011)、本川達雄『生物学的文明論』(2012)、永井均『〈子ども〉のための哲学』(2016)、上田紀行『かけがえのない人間』(2018)と新書系の評論が並びます。上田紀行は 2011 と 2018 の 2 回です。題材は「人間とは何か」「コミュニケーション」「生きる意味」「食と身体」といった、小学生には抽象度の高い話題が多くなっています。
しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した年で空きが目立つものを並べます。「最終確認年度」は、その単元を最後に確認できた年度です。
| 科目 | 単元 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 立体の切断・展開図 | 2025 | 2025 に展開図から体積を求める 1 問があるだけで、大問としては 3 年間出ていません。資料全体では大問 3 の位置に立体・切断が入る年が繰り返しあるので、空きが長いほうの単元にあたります |
| 算数 | 流水算・水量とグラフ | 精読した 3 年では確認できず | 大問 5 の速さがバス・徒歩・リフトと来ているので、水そう系に振れる余地があります |
| 算数 | 食塩水 | 2024 | 2024 大問 4(5) の 1 問のみ。2025・2026 は出ていません |
| 算数 | 仕事算 | 2024 | 2024 大問 4(1) の 1 問のみ。2025・2026 は出ていません |
| 理科 | 星・星座 | 精読した 3 年では確認できず | 地学の枠を月・太陽・地震・火山が占めました |
| 理科 | 音・光 | 精読した 3 年では確認できず | 精読した 3 年で出ていません |
| 理科 | 植物のつくり・光合成 | 2026 | 2026 に田んぼの植物として登場するのみ。大問としては 3 年間出ていません |
| 理科 | てこ・輪軸 | 2024 | 2024 大問 1 の後半(組み合わせ滑車と輪軸)だけ。力のつり合いは 2026 に浮力で戻ってきているので、てこ本体はいつ来てもおかしくない位置にあります |
| 理科 | 地層・岩石 | 2025 | 2025 に富士山の岩石として 2 問あるのみ |
| 社会 | 鎌倉・室町時代 | 2026 | 正面から扱う大問が無く、2020 の笠懸(流鏑馬と並ぶ武芸)と 2026 の壇ノ浦のように選択肢の中に出るだけ。中世は薄い状態が続いています |
| 社会 | 安土桃山時代 | 2020 | 2020 の唐津の由来 1 問のみ |
| 社会 | 地形図の読図 | 2025 | 2020・2025 にあり 2026 に無い。隔年に近い出方をしているので、戻ってくる可能性がある位置にあります |
| 社会 | 雨温図 | 2026 | 2020(仙台)・2026(アテネ・アトランタ・ペキン・ロンドン)にあり 2025 に無い。国内・国外の両方で準備しておきます |
| 社会 | 憲法の条文 | 精読した 3 年では確認できず | 条文そのものを問う設問は見当たらず、仕組み・手続きの側から問われています |
| 国語 | 四字熟語・ことわざの独立大問 | 2016 | 2015・2016 にあり 2018 で消えました。長文の中の 1 問としては 2018 にも残るので、語彙の学習をやめる理由にはなりません |
| 国語 | 物語文 | 精読した 3 年では確認できず | 精読した 3 年の長文はすべて説明的な文章です。ただし 2019 年度以降の資料が無いため「今も出ない」とは言えません |
形式面の注意
4 科目に共通すること
- 記述はどの科目も少なく、字数指定はほぼ使われません。算数と国語は精読した 3 年で記述ゼロ、理科は毎年 1〜3 問で「簡潔に答えなさい」「解答欄の書き出しに続くように答えなさい」。社会は毎年 1〜2 問で「1 行程度で説明しなさい」という行数の指示です(2026 大問 2 問 10)。書く量より、1 文で言い切る形を練習します。
- 円周率の指示が問題ごとに書かれます。算数は「ただし、円周率は 3.14 とします」が回転体などの問題文の末尾に都度付きます(2025 大問 3(2)、2026 大問 3(2) で確認)。理科は同じ年の同じ大問の中で 3.14 と 3 が混在する年があります(2024 大問 3)。冒頭の注意書きだけ見て決め打ちすると合いません。
- 桁の指定が理科・算数にあります(「小数第 1 位を四捨五入し、整数で答えなさい」)。
- 「すべて選びなさい」「適切でないものを選びなさい」「2 つ選び」が理科・社会に毎年あります(社会の複数選択は 2020 大問 1 問 2・問 6)。個数が指定されない設問があるので、消去法を最後まで通します。
- 表や解答欄に記号を書き込ませる設問があります。算数は順位表にクラス記号を記入(2025)、理科は表に〇△×を記入(2025)。
- 使わない解答欄に × を書く指示があります(算数 2024 大問 4(3))。解答欄の数=答えの数ではありません。
- 漢字指定が理科(「漢字 5 文字で」2024 大問 2 問 1)と社会(2020 大問 1 問 1「漢字で」、2025 大問 3 問 7「漢字で答えなさい」、大問 3 問 8「それぞれ漢字で」)にあります。
- 作図は算数が毎年 1 問(大問 5 のグラフ)、理科は年による(2024 にグラフ 1 問、2025・2026 は無し)。社会・国語は無しです。
算数
- 記述・途中式の要求は、精読した 3 年でゼロ。答えのみです。
- 作図はいずれも大問 5 のグラフで、解答欄に軸と目もりが用意されています。
- 記号で選ぶ設問はごく少なく(2024 の 2 問のみ、2025・2026 は 0)、ほぼ全問が数値・語の記入です。
- 単位(cm³・通り・度・時何分…)は設問文で指定されます。「何時何分ですか」「何通りありますか」と答えの形が問われるので、単位の付け忘れに注意します。
理科
- 記述は毎年 1〜3 問(2024 は 2 問、2025 は 3 問、2026 は 1 問)。字数指定は無く、「理由を答えなさい」のほか、書き出しに続けさせる形もあります(2024 大問 2 問 8(2))。1〜2 文で書きます。
- 2024 の作図は大問 1 問 4「接点 P の動いた距離とばね A の伸びの関係をグラフに示しなさい」の 1 問です。
- 記号選択がおよそ半分(2024 49%、2025 57%、2026 50%)で、残りは語・数値の記入です。
- 第 2 回・第 3 回では理科は 40 分・100 点で、算数と組み合わせる 2 科の一方として選べます(国語との選択)。第 1 回とは配点の重みが変わります。
社会
- 記述は毎年 1〜2 問(2020 は 1 問、2025 は 2 問、2026 は 1 問)。理由や目的を問うものが中心で、2025 大問 1 問 11 は「日本が竹島を領有することでこのような『価値』が得られる理由を説明しなさい」です。
- 作図は精読した 3 年で無しです。
- 社会は第 1 回・第 4 回でしか課されません(第 2 回・第 3 回は算数+理科または国語の 2 科)。
国語
- 記述問題は精読した 3 年でゼロ。選択が 58〜65%、残りは漢字と抜き出しです。字数指定は抜き出しにだけ付きます。
- 選択肢はア〜オの 5 択が基本です。ことわざはア〜コの 10 択で、同じ記号を二度使えません(2015・2016)。四字熟語の意味は 1〜10 から選びます(2016)。
学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
- 小 4(土台): 計算の正確さ・図形の基礎・読解・漢字語彙の 4 本です。この学校で最後まで効くのは、分数と小数の混じった計算を式変形で軽くする力(大問 1 の (1) は毎年くふうを要求します)と、速さの基本(大問 5 が速さで固定)です。理科は生き物・天体を実物と写真で見ておくと、後の大問の導入文が読みやすくなります。時間の計測はまだしません。
- 小 5(幅): 全分野をひととおり学び終える年です。1 週間の割り振りは「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。
- 平日 15 分は、計算(分数と小数の混じった式・逆算・単位換算)に 10 分、漢字と語彙に 5 分。
- 週末 60 分は、単元の一巡に 40 分、残り 20 分をニュースを家庭で話題にする時間と、新書レベルの評論を読み始める時間にあてます。
- 算数の単元は、科目別の詳細の節の「年度×大問の題材表」をそのまま一巡する単元リストとして使ってかまいません。順番は、約束記号 → 平均算 → つるかめ算(個数を合計から逆算)→ 和差算 → 集合 → 場合の数 → 時計算 → 縮尺。大問 2〜3 に入る小問の単元が広いので、ここで幅を作ります(つるかめ算・和差算・平均算・時計算は受験用教材の単元です)。
- 理科は 4 分野を均等に。社会は地理と歴史の通史を一巡します。ただし社会は 2021〜2024 年度の資料が無く、この 4 年の形式には追随できていません(→資料の限界の節)。
- 国語は新書レベルの評論を読み始めます。ただし国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無いので、直近の形式は市販の過去問集で確認してください(→資料の限界の節)。
- 小 6(仕上げ): 「今からやるなら」の節の項目です。夏以降、算数は同じ座席を縦に、理科・社会は年度通しで時間を計るという 2 種類の演習を並行させます。理科・社会は時間内に終わらないところから始まるので、「捨てる問題を決める」練習を早めに入れます。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 算数の座席が固定なので、小 6 の反復で追い込める部分は確かにあります。しかし配点の重い理科(第 1 回 80 点・第 2 回と第 3 回は 100 点)が 40 分で 40〜50 問という密度で、しかも全分野に計算が入ります。ここは短期の詰め込みが効きにくく、小 5 での分野の一巡と計算の速さがそのまま出ます。加えて時事が理科・社会の両方の入口になるため、ニュースに触れる習慣という、直前期に作れないものが効きます。小 4 から始める利点は、算数の反復よりむしろ「理科の広さ」と「世の中への関心」を時間をかけて育てられる点にあります。
この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、の観点だけ)
観点は同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方かどうかだけです。過去問演習が二重に効くか、という話に限ります。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏・お子さんとの相性は扱いません。入試日程の重なりは、資料に注記がある分だけ写します。
- 聖ヨゼフ学園中学校(神奈川県・共学): 理科・社会が近く、算数は遠い相手です。資料・図表から読ませる社会と、小問数の多い理科の作りが近いためで、算数の座席の固定は共通しません。2027 年度は 2 月 1 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
- 東京農業大学第三高等学校附属中学校(埼玉県・共学): 国語・社会が近い相手です。国語と社会の作りが近いという意味で挙がっています。
- 春日部共栄中学校(埼玉県・共学): 4 科すべてで中程度に近い相手です。理科の小問数の多さと社会の資料の量が近いためです。
8 校の一覧・記述量・注意は併願候補ページへ。
近い科目には偏りがあります。理科と社会は多くの学校と作りが似ており、過去問演習が転用しやすい一方、算数はどの候補校とも遠くなります(大問 1 に計算 3 問・大問 5 に速さという並びと、記述も記号選択もほぼ無い形式が珍しいためです)。算数だけは他校の過去問で代替できないと考えて、この学校の過去問そのものに時間を割くのが実際的です。
第 2 回・第 3 回は算数+(理科または国語)の 2 科目入試なので、併願先が 4 科目校の場合、社会はこれらの回の準備とは別に立てる必要があります。
資料の限界
- 入試回の区別ができません。資料は学校×年×科目で 1 冊ずつしか無く、表紙に回の表記が読み取れません。4 科がそろうことから第 1 回のものとして読みましたが、第 2 回・第 3 回(算数必須+理科または国語の 2 科)と第 4 回の傾向は、この資料からは何も分かりません。算数の配点が第 3 回で 150 点になるなど、回ごとの重みは大きく違うので、受ける回の過去問は市販の問題集で必ず確認してください。
- 精読したのは各科目 3 年分です(算数と理科は 2024・2025・2026、社会は 2020・2025・2026、国語は 2015・2016・2018)。それ以外の年について書いた数字は、資料全体の自動集計から出したものです。「3 年連続」と書いたものは、その 3 年の設問文を実際に読んで確かめています。
- 社会は 2021〜2024 年度の資料がありません。この 4 年のあいだに形式が変わっていた場合、ここに書いたことは追随できていません。
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。2018 年度に大問構成が 4 題から 3 題へ組み替えられているので、その後さらに変わっている可能性は十分あります。国語については、直近の形式を市販の過去問集で確認することを強くすすめます。
- 転写の読み落としがありえます。図・写真・地形図の中身は文字の説明として記録されているため、実際の図から読み取る難しさはここには現れません。とくに社会の地形図・雨温図・統計表と、理科の実験装置の図は、本物を見ないと分からない部分が残ります。
- 設問ごとの配点はどの年度にも印刷されていないため、「どこで何点取れるか」はこの資料からは言えません。
- 難易度・偏差値・合格可能性・入試結果・学校の理念には、この分析はいっさい触れていません。それらは別のページの領分です。
資料どうしの食い違い
- 併願候補の集計では、東京農業大学第三高等学校附属中学校を埼玉県の学校として扱っています。本校(東京都世田谷区)とは別の学校です。
東京農業大学第一高等学校中等部 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方
数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
東京農業大学第一高等学校中等部 のページ: 学校トップ / 偏差値(4 出所併記) / 過去問分析 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 校風・理念
索引: 出題スタイル別 / 単元別 / 問い方別 / 同じ場所に同じ種類の問題 / 入試結果の公表状況 / 国語の出典 / 校風キーワード / 旧称 / 入試日程 ・ 共通: 過去問の使い方 / 用語集 / 資料の限界 / 方法論 / トップ