東京女学館中学校 の過去問分析
東京女学館中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
東京女学館中学校 過去問分析(2010〜2026 年度・4 科目の回・原本の精読は直近 3 年)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都渋谷区 |
| 男女 | 女子校 |
| 入試回 | 全 7 回。一般学級 第 1〜4 回/国際学級 第 1〜2 回/帰国生入試 |
| 一般学級の日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日午前 4 科(国語・算数・社会・理科)/第 2 回 2 月 1 日午後 2 科(国語・算数)/第 3 回 2 月 2 日午後 2 科(国語・算数)/第 4 回 2 月 3 日午前 4 科(第 1 回と同じ) |
| 一般学級の試験時間・配点 | 4 科の回(第 1 回・第 4 回)は国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 30 分 50 点・理科 30 分 50 点。2 科の回(第 2 回・第 3 回)は国語・算数が各 50 分・各 100 点 |
| 国際学級の日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日午前/第 2 回 2 月 2 日午後。どちらも 2 科(国語・算数)で、国語・算数が各 50 分・各 100 点。英検準 2 級以上に 5〜15 点の加点があります。第 2 回には帰国生の若干名枠があり、合格判定は別に行われます |
| 帰国生入試 | 2026 年 11 月 28 日午後。①算数+英語資格 ②算数+国語 の選択制。算数 30 分・国語 30 分で算数 50 点・国語 50 点、英語資格は 50 点(①は英検準 2 級以上の取得者のみ選べ、級に応じて 40〜50 点) |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートが分析したのは、4 科目がそろう回(一般学級第 1 回相当)の問題です。2 科目の回・国際学級・帰国生入試の傾向はこの資料からは分かりません(→ 4 節・13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校は「大問の並びと座席(問題の置き場所)が固まっていて、中身は毎年作り直す」学校です。座席の固定とは「同じ種類の問題が毎年同じ場所に出る」という意味で、「同じ問題が出る」という意味ではありません。
- 算数は大問 7・小問 24 が 3 年(2024〜2026)とも 1 問も動きません。大問 1 は計算、大問 2 の (2) は食塩水、(4) は平面図形の面積、(5) は立体が 3 年連続です。
- 理科は大問 1 が 3 年連続で地学、社会は大問 1 が 3 年連続で歴史の近現代を骨にした大テーマ、国語は大問 3 が漢字の書き取り 10 問で、この座席は資料のある 8 冊すべてで動いていません。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 の計算 4 問(計算 2 問+逆算 2 問)を、年度をまたいで縦に解きます。
- 算数の大問 2 の (2)(4)(5)(食塩水/平面図形の面積/立体)を、同じく年度をまたいで縦に解きます。
- 社会の「資料から『なぜ』を書く記述」を、「図表から読み取れること」+「だから〜」の 2 文で書く形にそろえます。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 2(2) の食塩水を、「混ぜる・加える・蒸発させる」の 3 通りで解き直します(2024・2025・2026 で 1 通りずつ出ています)。
注意
- 国語は 2023 年度以降の問題文がこの資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2011〜2022 年度のものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2024・2025・2026) | 11 年(2012〜2023 のうち 2013 を除く年) | 14 年(2012〜2026。2013 を除く) | 高。式の細部(分数・単位)に転写の揺れがある年がありますが、大問構成と題材の読み取りには支障がありません |
| 理科 | 3 年(2024・2025・2026) | 12 年(2012〜2023) | 15 年(2012〜2026) | 高。図・写真は文字の説明に置き換えられているため、図そのものの細部は推定を含みます |
| 社会 | 3 年(2024・2025・2026) | 14 年(2010〜2023) | 17 年(2010〜2026) | 高。図表は「図表 1-1」のような番号と説明で残っており、何を読ませたいかは追えます |
| 国語 | 3 年(2019・2021・2022) | 5 年(2011・2013・2014・2015・2018) | 8 年(2011・2013・2014・2015・2018・2019・2021・2022 の 8 冊) | 高。ただし 2023 年度以降の問題文はこの資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです) |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回について: この学校は一般学級第 1〜4 回・国際学級第 1〜2 回・帰国生入試と回が多く、4 科目(国語・算数・社会・理科)で行われるのは第 1 回と第 4 回で、他は 2 科目(国語・算数)です。資料は 1 年 1 科目につき 1 冊しかなく、冊子に回の表記が無いため、この分析は「4 科目がそろう回」に当てはまるものとして書いています。2 科目の回の傾向はこの資料からは分かりません。
- 試験時間と配点は学校の公表資料から: 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 30 分 50 点・理科 30 分 50 点。社会と理科は国算の半分の配点で、時間も 30 分と短くなっています。
- 「3 年連続」と書いた箇所は、その 3 年の設問文を原本で読み直して確認したものです。それより長い年数を書いた箇所は資料全体の集計(何年目に何が来たかの並び)にもとづきます。確認できなかったことは「精読した年に限れば」と弱めるか、書いていません。
- 小問ごとの配点は、どの科目・年度にも印刷されていません。
5. 一番大きな結論
この学校は「大問の並びと座席が固まっていて、中身は毎年作り直す」学校です。 座席の固定というのは「同じ種類の問題が毎年同じ場所に出る」という意味で、「同じ問題が出る」という意味ではありません。3 年分を原本で読んで、同じ問題がそのまま再登場した例は 4 科目とも見つかりませんでした。
座席の固定は、算数がとくに強く出ています。
- 算数は大問 7・小問 24 が 3 年(2024〜2026)とも 1 問も動きません。小問の内訳まで「4・5・3・3・3・3・3」で 3 年同じです。集計では 2012〜2026 の 14 年すべてで大問 7 題、小問は平均 24.3 問でした。
- 算数の大問 1 は計算です(2014〜2026 の 13 年連続)。しかも 3 年とも (1)(2) が計算、(3)(4) が □ を求める逆算(□にあてはまる数を求める計算)でした。
- 算数の大問 2 は 5 問の小問集合で、その (2) は 3 年連続で食塩水、(5) は 3 年連続で立体、(4) は 3 年連続で平面図形の面積です。
- 理科は大問 3 題で、大問 1 が 3 年連続で地学です。残り 2 題は生物(植物)と物理が 1 題ずつで、化学の独立大問は 3 年ともゼロでした。
- 社会は 2 大問(2018 年度から 9 年連続)で、大問 1 は 3 年連続で歴史の近現代を骨にした大テーマです。分野で大問を分けず、一つのテーマに地理・歴史・公民を差し込む書き方をします。
- 国語は大問 3 題で、大問 3 が漢字の書き取り 10 問です。この座席は資料のある 8 冊(2011〜2022)すべてで動いていません。
一方で毎年変わるものもはっきりしています。算数の大問 3〜7 の単元、理科の各大問の題材、社会の歴史の切り口とテーマ、国語の文章そのものです。座席は当てにできますが、問題は当てにできません。
したがって過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではありません。①同じ座席の問題を年度をまたいで縦に解く(算数の大問 1 だけを何年分、大問 2(2) だけを何年分…)、②単元ごとの解き方を身につける、の二つに近くなります。時間の使い方の練習は、読む量の多い理科・社会(30 分)と国語(50 分で本文 2 本+漢字 10 問)で必要になります。
6. この学校らしさが出る場所
過去問でしか掴めない題材の色を並べます。
- 「ことばと伝えること」を論じた説明文。国語の大問 2 は、2019 が齋藤孝『読書力』(読書力と会話の質)、2021 が外山滋比子『思考の整理学』(既知の再認・未知の理解・新しい世界への挑戦)、2022 が飯間浩明『つまずきやすい日本語』(多義的なことばを排除する)。3 年とも「読むこと・書くこと・伝えること」そのものを論じた文章で、書き手が読者に読み方を説く形が続いています。2015 の池内了『疑似科学入門』、2018 の内山節『自然と労働』も、ものの見方を問い直す方向で同じ畑にあります。
- 社会の「一つのテーマで全分野を回す」書き方。北海道(2024)、紙幣に描かれた女性(2025)、大阪・関西万博(2026)。どのテーマも縄文から現代まで、地理・歴史・公民を一続きの読み物にして通します。しかも入口は前年の大きな出来事(ホタテの価格下落、アメリカ大統領選と佐渡島の金山、万博と保護主義)に置かれます。時事そのものを問うのではなく、そこから歴史と地理へ降りていく作りに見えます。
- 社会の「生徒の文章」を素材にする形。2024 は生徒と先生の会話文、2025 は「将来の夢について書いた作文」でした。制度の話に入る前に、身近な語り手を立てます。2025 のそうじ当番をめぐる事例からルール作りを考えさせる設問は、その延長にあります。
- 理科の「身近な場面や空想から入る」大問。虹のアーチをくぐれるか(2024)、朝顔市で聞いた江戸時代の変化アサガオ(2025)、火星に持って行ったふりこ時計(2026)。光の屈折を「舗装道路と砂浜を斜めに進む行列」でたとえて、「ガラスは舗装道路と砂浜のどちらにあたるか」と問う 2024 の設問は、理屈を別の言葉に置き換える力を見にきています。
- 判断+根拠を書かせます。 理科 2024 は「できる・できない」に○をつけて理由を書く形を 1 年に 2 回(インゲンの収かく量、虹のアーチ)使いました。社会は「あなたが大切だと思うこと」「スローガンを 15 字以内で考えて」「文章中の▲と★に入る文を考えて」と、正解が一つでない設問が毎年あります。自分の言葉で答えを作る場面が、理科と社会の両方に用意されています。
- 国語の物語は家族と成長です。陶工の父と子(2019)、崖の上の姉妹と星の話をする老人(2021)、初めて一人でバスに乗る少年と父(2022)。子どもが一段大人になる場面が選ばれています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。過去問を使った縦の演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の入り方は 11 節に書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 4 問を全年度分(計算 2 問+逆算 2 問)。24 問中 4 問が 13 年間同じ場所にあり、確実に取れる位置です。時間を計って、まず落とさないことを目標にします。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 2 の (2)(4)(5) — 食塩水/平面図形の面積/立体の 3 枠を、年度をまたいで縦に解きます。食塩水は「混ぜる・加える・蒸発させる」の 3 通り(2024・2025・2026 で 1 通りずつ)。立体は展開図・動かしてできる立体・転がりの 3 通りで。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・資料から「なぜ」を書く記述と、時代順の並べかえ — 記述は毎年 4〜6 問。「図表から読み取れること」+「だから〜」の 2 文で書く形を身につけます。2024 のホタテ価格下落、2025 の信濃川の横田、2026 の関税と保護主義がそのまま教材になります。並べかえは毎年 1〜2 問で、江戸・明治・戦前の 3 か所が繰り返し狙われるので、年表ベースで練習します。あわせて、「漢字 2 字」「漢字 4 字」で答える重要語を字数つきで覚えること、前年の大きな出来事を歴史・地理・公民のどれかに接続する習慣(出来事そのものより接続先が問われます)、地図の新旧比較(埋め立て・鉄道・道路の由来)を 1 セット、公民の 3 分野(国会・内閣・裁判所/憲法/地方自治)を 2025 の大問 2 を教材にして一巡することも入れておきます。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字 10 問 — 資料のある 8 冊すべてで大問 3 に固定されています。四字熟語(一心不乱・単刀直入・創意工夫)と慣用句(白羽の矢・猫の額)も混じるので、短文の形で毎日。精読した 3 年で 100 点中の一定量がここに固定されています。(確認: 〜2022 年度)
- [週末 60 分] 理科・化学 4 単元(気体の発生と性質・燃焼・溶解度・金属と水溶液)— 直近 3 年で独立大問ゼロです。実験の手順ごと押さえます。出たときに一番差がつく位置にあります。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・面積比とグラフと途中の計算 — 「もっとも簡単な整数の比で」答える面積比は 2024 大問 6・2025 大問 4・2026 大問 4 と 3 年連続で、三角形と台形の組み合わせで反復します。グラフを読む問題(速さ・水量)は 3 年連続で大問 6 か 7 にあり、「グラフの空欄にあてはまる数」を求める形で練習します。途中の計算を書く練習は毎年 1〜2 問ぶん。難所ではなく大問の入口に置かれるので、大問の (1) レベルの易しい問題で書き慣れておきます(書き慣れていないと時間を食います)。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 国語・字数指定つきの記述と抜き出し — 記述は 15・25・30・40・50 字の 5 段階で書き分けます。上限ぎりぎりまで使う書き方と、下限を割らない書き方の両方を。「〜ように。」「〜という工夫」のように形を指定される記述は、形から逆算して埋める練習を。抜き出しは指定された字数の幅に入る一続きを探す訓練を。接続語の空欄補充は説明文で毎回。素材は「ことば・読書・伝えること」を論じた説明文から選びます(3 年とも同じ畑から取られています)。(確認: 〜2022 年度)
- [週末 60 分] 理科・条件をそろえて比べる実験と、地学・植物 — 「何を調べたいならどれとどれを比べるか」を口に出して言えるようにします。2026 のふりこがそのまま教材になります。地学の大問 1 対策は厚く、地層・岩石・気象・天体を「図を読む」形で。植物のからだのつくり(発芽・葉脈・道管と師管・蒸散・受粉)は実験セットで。「できる・できない+理由」を 2 文で書く訓練は、理科の記述がここに集約されているので直接効きます。その年の自然現象・気象のニュースを一つ二つ、理屈まで説明できるようにしておきます。(確認: 〜2026 年度)
8. 科目別の詳細
まず 4 科目を一覧にします。
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。大問 7・小問 24(3 年とも同一)・50 分・100 点。答えのみが 9 割、途中の計算を書かせる小問が毎年 1〜2 問 | 座席は固定、単元は毎年入れ替わる。大問 3〜7 は「(1) 基本 →(2) 応用 →(3) 逆向き」の 3 段 | 大問 1 の計算 4 問と、大問 2 の (2) 食塩水・(4) 平面図形・(5) 立体 |
| 理科 | 高い。大問 3・小問 25〜30・30 分・50 点。記号選択 43〜54%/短答(語句や数値を短く答える形式)35〜37%/記述 8〜17% | 大問 1 は地学、あと 2 題が生物(植物)と物理。1 題 8〜12 小問の読み物形式 | 化学 4 単元(3 年出ていない)と、条件をそろえて比べる実験の読み方 |
| 社会 | 高い。大問 2・小問 23〜31・30 分・50 点。記号選択 42〜48%/短答 28〜39%/記述 17〜24% | 一つのテーマに地理・歴史・公民を織り込む。前年のできごとが毎年入り口にある | 資料から「なぜ」を書く記述(毎年 4〜6 問)と、時代順の並べかえ |
| 国語 | 高い(2022 年度まで)。大問 3・小問 30〜39・50 分・100 点。短答 47〜51%/記号選択 29〜33%/記述 15〜30% | 物語 1 本+説明文 1 本+漢字 10 問。説明文は 3 年とも「ことば・読書・伝えること」が題材 | 漢字 10 問と、字数指定つきの記述の書き分け |
配点は国算が各 100 点、社理が各 50 点で、合計 300 点のうち 3 分の 2 が国語と算数です。ただし社理は 30 分で 25〜31 問と密度が高く、取りこぼしがそのまま響きます。
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 7・小問 24)
年度×大問の題材表(2024〜2026 は原本の設問文で確認)
| 年度 | 大問 1(4 問) | 大問 2(5 問) | 大問 3(3 問) | 大問 4(3 問) | 大問 5(3 問) | 大問 6(3 問) | 大問 7(3 問) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 年度 | 計算 2 問+□を求める逆算 2 問 | 小問集合(和差算/食塩水/分数の数列/半円の斜線部の面積/正八面体の展開図に作図) | 平均算(10 回のテストの平均を 90 点にする) | 集合(40 人のクラス・英語と算数の好ききらい) | 円とおうぎ形(半径 1cm・2cm…の円を重ねた図形の面積比) | 平面図形の面積比(BD:DC、AE:ED からの比) | 水量とグラフ(注水管 A と排水管 B・C) |
| 2025 年度 | 計算 2 問+□を求める逆算 2 問 | 小問集合(場合の数/食塩水/割合と比(図書館の男女)/長方形の内部の点と面積/台形+半円を動かした立体の体積) | 場合の数(クッキー 3 枚とチョコ 2 個を食べる順) | 割合と比(平行線と台形・面積比) | 速さ(駅から学校・2 つの横断歩道の信号待ち) | 速さとグラフ(長方形の周上を動く 2 点) | 規則性(直角三角形を並べたときの周) |
| 2026 年度 | 計算 2 問+□を求める逆算 2 問 | 小問集合(速さ(姉が妹を追いかける)/食塩水/時計算/円の色つき部分/円すいを転がす・表面積) | 場合の数(5 人が横 1 列に並ぶ) | 平面図形の面積比(三角形と台形が等しい) | 規則性(黒石と白石を並べる) | 速さとグラフ(3 つのバス停を往復する 2 台のバス) | 仕事算(4 階と 6 階の教室にワックスを塗る) |
座席の固定 — この学校で最も強い特徴
- 大問 7・小問 24 が 3 年とも 1 問も動きません。 小問の内訳まで「4・5・3・3・3・3・3」で 3 年同じです。集計では 2012〜2026 の 14 年分すべてで大問は 7 題、小問は平均 24.3 問(ばらつき 3.7%)で、大問ごとの小問数の並びの年次一致は 0.99 を超えます。
- 大問 1 は計算です。索引の集計では 2014〜2026 の 13 年連続で大問 1 の位置に四則計算が来ます。原本で見た 3 年では、いずれも (1)(2) が計算の答えを出す問題、(3)(4) が □ を求める逆算で、導入文も「次の □ にあてはまる数を答えなさい」の 1 文で 3 年とも同じでした。
- 大問 2 は 5 問の小問集合です。導入文は 3 年とも「次の各問いに答えなさい。」の 1 文。中でも (2) は 3 年連続で食塩水の濃度(2024 は 10% の食塩水 300g に 3% を混ぜる、2025 は 8% の食塩水 250g に食塩 10g を加える、2026 は 17% の食塩水 210g から水を蒸発させる)。(5) は 3 年連続で立体(正八面体の展開図に辺をかき入れる/台形と半円を上に動かした立体の体積/円すいを転がして表面積を出す)。(4) も 3 年連続で平面図形の面積(半円・長方形・円)です。
- 大問 6 または 7 にグラフを読む問題が 3 年連続で置かれています(2024 は水量とグラフ、2025・2026 は速さとグラフ)。3 年とも「グラフの空欄にあてはまる数を求める」小問が最後の (2)(3) にあります。
- 一方、大問 3〜7 の単元そのものは毎年入れ替わります。3 年の間に平均算・集合・場合の数(2 回)・割合と比・平面図形の面積比(2 回)・速さ・速さとグラフ(2 回)・規則性(2 回)・水量・仕事算が回っており、同じ問題がそのまま再登場した例は見つかりませんでした。座席は固定、中身は毎年作り直しというのがこの科目の姿です。
頻出単元と周期
- 食塩水の濃度: 大問 2(2) に 3 年連続。混ぜる・食塩を足す・水を蒸発させるの 3 通りが 1 年ずつ出ており、3 通りとも押さえる価値があります。
- 立体: 大問 2(5) に 3 年連続。展開図への作図(2024)、動かしてできる立体の体積(2025)、転がる円すいの表面積(2026)と、毎年別の切り口です。
- 速さとグラフ: 2025・2026 の 2 年連続で大問 6。2024 も同じ形式の水量とグラフが大問 7 にあります。
- 場合の数: 2025 大問 3・2026 大問 3 の 2 年連続で、いずれも「並べ方・順番」を数え上げる形です。
- 平面図形の面積比: 2024 大問 6・2025 大問 4(3)・2026 大問 4 と 3 年連続で、「もっとも簡単な整数の比で表しなさい」という答え方まで共通しています。
- 規則性・数列: 2025 大問 7(直角三角形を並べる)・2026 大問 5(黒石と白石)の 2 年連続。14 年分の集計でも細かい単元では最多で、全小問の 1 割を占めます。
問い方の特徴
- 比で答えさせます。「もっとも簡単な整数の比で表しなさい」が 3 年とも複数問。面積を数値で出さず比のまま最後まで持っていく設計が多くなっています。
- 途中の計算を書かせる小問が毎年 1〜2 問。2024 は大問 5(1)(円を重ねた図形の面積の和)、2025 は大問 7(1)(三角形 2 個の周の長さ)、2026 は大問 2(5)(円すいの表面積)。いずれも大問の入口の小問に置かれており、難所ではなく「手順を見せられるか」を見る位置にあります。
- 理由・状況を言葉で説明させる小問も 3 年に 2 回。2025 大問 5(1)『遅くとも何時何分に出発すればよいか、理由もあわせて答えなさい』、2026 大問 6(2)『グラフの ア のとき、バス P・Q はそれぞれどのような状況か説明しなさい』。算数でありながら短い記述が要ります。
- 大問 3〜7 は 3 小問の階段です。(1) が定義どおりの計算、(2) が条件を 1 つ足した応用、(3) が逆向き(「〜になるのは何番目か」「初めて〜をこえるのは」)という並びが 3 年とも共通。(3) は逆から数える問題が多く、(1)(2) を確実に取る設計が有効です。
8-2. 理科(30 分・50 点・大問 3・小問 25〜30)
年度×大問の題材表(2024〜2026 は原本の設問文で確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2024 年度 | 地層(9 問)— 柱状図・不整合・示相化石・ぎょう灰岩と自然災害・地層のできかたの実験 | 植物(8 問)— インゲンの発芽と成長・葉脈・子葉の作図・鉢あたりの種子数とグラフ 2 本 | 光(8 問)— 屈折を「舗装道路と砂浜」でたとえる・プリズムの分散・虹の色の順と主虹 |
| 2025 年度 | 岩石(12 問)— 写真の 6 種類 A〜F を観察して分類・火成岩の組織・石灰岩とフズリナ・軽石の穴 | 電流と発熱(7 問)— 電熱線で水を温める・時間と上昇温度・電熱線の太さ・直列と並列 | 植物(11 問)— 朝顔市と江戸時代の変化アサガオ・葉のつき方・くきの毛・成長点の実験・花びらの形の遺伝 |
| 2026 年度 | 気象(9 問)— 都市部の気温上昇・海風と陸風・2025 年 8 月の国内最高気温 41.8℃・空気の下降と気温 | 植物(8 問)— でんぷんとヨウ素液・道管と師管・蒸散の実験 3 種 | ふりこ(9 問)— 科学者の名前・条件をそろえた比較実験・火星に持って行ったふりこ時計 |
小問数は 25・30・26 でした。集計では 2012〜2026 の 15 年で大問は 3 題が最頻(4 題の年もあります)、小問は平均 26.7 問です。
座席の固定
- 大問 1 は 3 年連続で地学です(地層 → 岩石 → 気象)。索引の集計でも「大問 1 の位置に地学」が 2024〜2026 の 3 年続いており、これが当てはまる学校は関東で 7 校しかありません。ただし 3 年なので「毎年」とまでは言えません。
- 生物(植物)が 3 年連続で 1 大問あります。2024 は大問 2、2025 は大問 3、2026 は大問 2 と場所は動きますが、必ず 1 題あります。しかも 3 年とも「種子・発芽・葉・くき」といった植物のからだのつくりが軸で、動物・人体は 3 年とも独立大問になっていません。
- 物理が 3 年連続で 1 大問あります(光 → 電流と発熱 → ふりこ)。
- したがって並びは「地学 → 生物と物理を 1 題ずつ」の 3 題です。化学の独立大問は 3 年ともゼロで、化学は 2025 の大問 1(5)①(石灰岩に塩酸をかけて出る気体)のように地学の中の 1 小問として顔を出すだけでした。ここは 9 節の警戒につながります。
- 大問の中身そのものは毎年作り直されます。3 年で同じ問題がそのまま出た例は見つかりませんでした。
問い方の特徴
- 1 つの題材を読み物として最後まで引っぱります。3 年とも『次の文章を読んで、後の問いに答えなさい』で始まり、1 つの大問が 8〜12 小問。設問文の総量は 1 年あたり 3000 字前後あり、30 分の試験としては読む量が多くなっています。
- 実験の条件をそろえて比べさせます。2026 大問 3 の (4)(5)(6) は「ふりこの長さ/おもりの重さ/ふれはばを調べるには、あ〜かのどれとどれを比べればよいか」を 3 連続で問いました。2024 大問 2 も鉢あたりの種子数を変えたグラフ 2 本を読ませる形で、条件の統制そのものが出題対象になっています。
- 「できる・できない」に○をつけて理由を書かせる形が 2024 に 2 回ありました(大問 2(8) インゲンの収かく量を種まきの工夫で増やせるか、大問 3(8) 虹のアーチをくぐれるか)。同じ問い方を 1 年の中で 2 度使っており、判断+根拠を書く練習が直接効きます。
- 短い記述が毎年 2〜5 問(2024 は 2 問、2025 は 5 問、2026 は 3 問)。集計では記述は小問の 8%。字数指定は 15 年を通して無く、解答欄の大きさで分量が決まります。
- 「誤っているもの」「正しくないもの」を選ばせる設問が毎年あります(2024 大問 2(5)・2026 大問 1(2)・大問 3(7))。選択肢は 4 つが基本で、「2 つ選び」も混ざります。
- 記号選択が 43〜54%、短答が 35〜37%。記号選択が主軸ですが、単に語句を選ぶのではなく文章の正誤を判定する形が多くなっています。
この科目らしさ
- その年のできごとを題材の入口に使います。2026 の大問 1 は「2025 年 8 月 5 日、群馬県伊勢崎市で観測史上最高の 41.8℃」から入り、都市部の気温上昇と空気の上昇下降に話をつなぎます。ただし年号や用語を覚えているかを問うのではなく、そこから理科の理屈へ降りていく作りです。
- 生活・文化の題材から入る大問が毎年あること、たとえを使って説明させることは 6 節にまとめました。
8-3. 社会(30 分・50 点・大問 2・小問 23〜31)
年度×大問の題材表(2024〜2026 は原本の設問文で確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 |
|---|---|---|
| 2024 年度 | 北海道(15 問)— 生徒と先生の会話文。 縄文の遺跡から蘭学・日米和親条約・屯田兵・沖縄戦・憲法の三大原則・大豆・ホタテの価格下落・フードマイレージ・雪の観光まで |
明治と現在の同じ場所の地図(10 問)— 東京都港区周辺。 東海道五十三次・台場・旧新橋停車場・築地・やみ市・首都高速がまっすぐでない理由・地図を公開しない国 |
| 2025 年度 | 紙幣に描かれた女性(16 問)— 平等院鳳凰堂と北里柴三郎から、 財務省・熊本の半導体工場・遣唐使・岩倉使節団・福島の果物と水産物・アメリカ大統領選・樋口一葉・キャッシュレス化 |
将来の夢の作文(15 問)— 法律ができる過程・条例・そうじ当番の事例からルール作り・ 憲法公布日・戦前の出来事の並べかえ・判決文の読解・佐渡島の金山・信濃川の横田・裁判員制度・裁判の公開・再審 |
| 2026 年度 | 大阪・関西万博(12 問)— パビリオンと万博史から、 大阪の地理・愛知県と濃尾平野・公害・SDGs・江戸時代の並べかえ・鎖国・地租改正・自由民権運動・パリ万博の図面 |
貿易(11 問)— 遣唐使から日明貿易・不平等条約と金の流出・ 輸入品目のグラフ・自動車工業地帯・関税と国内産業・アメリカの保護主義 |
座席の固定
- 2 大問という枠が動きません。 2018 年度からの集計では 9 年連続で 2 大問です(それ以前は 3〜4 大問でした)。小問は 23〜31 問で、年による差は理科より大きくなっています。
- 大問 1 は歴史の近現代を骨にした大テーマです。索引の集計でも「大問 1 の位置に歴史の近現代」が 2024〜2026 の 3 年続きます。原本で見ると、3 年とも大問 1 は「一つのテーマ(北海道/紙幣の人物/万博)を長いリード文で立て、そこに古代から現代までの歴史と、地理・公民を差し込む」作りでした。分野で大問を分けないのがこの学校の書き方で、地理だけの大問・公民だけの大問という並びにはなっていません。
- 前年のできごとが必ず入り口か軸にあります。2024 はホタテの価格下落(2023 年 8 月)、2025 はアメリカ大統領選と佐渡島の金山(2024 年)、2026 は大阪・関西万博とアメリカの保護主義(2025 年)。ただし「その出来事を知っているか」ではなく、そこから歴史や地理の知識へ降ろす設計です。
- 中身は毎年作り直されます。3 年で同じ問題がそのまま出た例は見つかりませんでした。歴史の切り口(北方・貨幣と人物・万博と貿易)が毎年入れ替わるため、テーマを当てにいく勉強は効きにくくなっています。
頻出単元と問い方の特徴
- 時代順の並べかえが 3 年連続で毎年 1〜2 問(2024 大問 1 問 3、2025 大問 1 問 11・大問 2 問 4(2)、2026 大問 1 問 5・大問 2 問 9)。A〜D の 4 つを古い順に並べ、記号で答える形で統一されています。
- 資料から理由を書かせる記述が毎年 4〜6 問(2024 は 25 問中 6 問、2025 は 31 問中 6 問、2026 は 23 問中 4 問。集計では記述は 20%)。『なぜホタテの価格が下落したのか、図表を参考にして説明しなさい』『首都高速がまっすぐにつくられなかったのはなぜか、明治の地図と見比べて答えなさい』『なぜ高い関税をかけると国内の産業が守られるのか説明しなさい』のように、必ず資料か地図とセットで問います。
- 正解が一つでない設問も毎年あります。2024『正確な地図を公開していない国があるのはなぜか』、2025『ルールを作るときにあなたが大切だと思うこと』『福島の水産物をPRするスローガンを 15 字以内で』、2026『パリ万博の会場図を参考に、文章中の▲と★に入る文を考えて書きなさい』。自分の言葉で答えを作る訓練が直接点になります。
- 漢字と字数の指定が多くあります。「漢字 3 字で」「漢字 4 字で」「漢字 2 字で」「姓名を漢字で」が毎年複数。集計では字数の指定がある年が 76%。指定を外すと正しい語でも取れません。
- 誤りを選ばせる設問と、すべて選ぶ形が毎年あります(2024 大問 1 問 7『正しい文章をすべて選び』、大問 2 問 4『下線部が誤っているものを 2 つ』)。
- 記号選択が 42〜48%、短答が 28〜39%、記述が 17〜24%。3 つがほぼ均等にあり、どれか一つに偏った準備は効きません。
- 生徒の会話文(2024)や生徒の作文(2025)を素材にする年があり、身近な題材から制度の話へ入る作りが多くなっています。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 30〜39)
この節は 2019・2021・2022 年度の 3 年分を原本で読んで書いています。国語は 2023 年度以降の問題文がこの資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2011〜2022 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(2019・2021・2022 は原本の設問文で確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2019 年度 | 物語(11 問)— 岡野薫子『桃花片』。陶工の父と子、窯と焼き物 | 説明文(9 問)— 齋藤孝『読書力』。読書力と会話の質 | 漢字の書き取り 10 問(下に一覧) |
| 2021 年度 | 物語(17 問)— 崖の上の家に住む姉妹と、星の話をするお爺さん(出典表示なし) | 説明文(12 問)— 外山滋比子『思考の整理学』。既知の再認・未知の理解・新しい世界への挑戦という三つの読み | 漢字の書き取り 10 問(下に一覧) |
| 2022 年度 | 物語(14 問)— 重松清「バスに乗って」。初めて一人でバスに乗る少年と、回数券と父 | 説明文(11 問)— 飯間浩明『つまずきやすい日本語』。多義的なことばを避ける書き方 | 漢字の書き取り 10 問(下に一覧) |
大問 3 に出た書き取りは次のとおりです。
- 2019 年度: チョウ紙・キョウテキ・カクダイ・一心フラン・キシュ・ノウリツ・イト・ハイシャク・ヒタイ・ハグクむ
- 2021 年度: リンキ・タントウチョクニュウ・フセイイ・ハッコウ・レンチュウ・トクサンブツ・サクリャク・シラハ・オウライ・ナンパ
- 2022 年度: ゴウイン・スバコ・エンジる・ソウイクフウ・ジョキョ・キセイ・ショウヒゼイ・ホケン・ハンソク・ハカマイリ
座席の固定
- 大問 3 が漢字の書き取り 10 問という座席は、集計で確認できる 2011〜2022 年度の 8 冊すべてで動いていません。 原本で見た 3 年はいずれも「短文中の――線部のカタカナを漢字に直す」形で、10 問ちょうどでした。100 点満点のうち、この 10 問は形が読めます。
- 大問 1 が物語、大問 2 が説明文という並びも精読した 3 年で共通です。集計上も 8 冊すべて大問数 3・小問 30〜39 で、大問ごとの小問数の並びの年次一致は 0.99 を超えます。
- 中身は毎年作り直されます。同じ文章・同じ設問が再登場した例は見つかりませんでした。
- 一方で、説明文の話題に強い一貫性があります。2019 は読書と会話、2021 は読書の三つの段階、2022 は多義的なことばを排除する書き方。3 年とも「ことばと読書」が題材で、書き手が読者に「読み方・伝え方」を説く文章が選ばれています。物語のほうは家族(父と子・姉妹)と、子どもが一段成長する場面で共通していました。
問い方の特徴
- 記述が毎年 6〜9 問(2019 は 30 問中 9 問、2021 は 39 問中 6 問、2022 は 35 問中 8 問)。字数指定が非常に細かいのが特徴で、「十五字以内」「二十字以内」「二十五字以内」「三十字以内」「二十字以上三十字以内」「三十字以上四十字以内」「四十字以上六十字以内」「五十字以内」と、1 年の中でも幅が広くなっています。上限だけの指定と、下限つきの指定の両方があります。
- 書き出しや形を指定する記述が毎年あります。2021『「妹が……ように。」という形で二十字以内』、2022『「〜という工夫」につづく形で、それぞれ二十字以内で二つ』。形を守れているかがそのまま採点になります。
- 抜き出しの条件が細かくなっています。『本文中より十字以上二十字以内で抜き出して』『「から」に続く形で二十字以上二十五字以内で抜き出して』『その文の最後の五字を抜き出して』。字数と接続の形をセットで見る癖をつけたいところです。短答が全体の 47〜51% を占め、その中心が抜き出しです。
- 空欄に接続語を入れる問題が 3 年連続(2019 大問 2 問一の A〜D、2021 大問 1 問三と大問 2 問四、2022 大問 2 問一の I〜IV)。2021 は「A〜D のうち一つだけ他と違う語が入るものを選び、その語も答える」という一段ひねった形でした。
- 本文の内容合致が最後に来ます。2021 大問 1 問十四は「正しいものには〇、誤っているものには×」、2022 大問 2 問十一は「正しいものを二つ選び」でした。
- 語句の意味・季節を問う小問があります(2021「果して」「いまさら」の本文中での意味、「小春日」があらわす季節)。語彙の知識が読解の中に埋め込まれています。
- 自分で考えて書く設問も混じります。2022 大問 1 問八『「とんちんかん」でない答え方をするとしたらどのような答えになりますか。自分で考え、三十字以内で』。
- 一文を挿入する位置を答える形(2019 大問 2 問七)、意味段落に分ける形(2019 大問 2 問八)もあり、説明文は文章の組み立てそのものを問う設問が入ります。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
直近 3 年の原本では見ていませんが、資料全体の並びでは繰り返し出ているものです。座席は固定でも中身は毎年入れ替わるので、いつ戻ってきてもおかしくありません。「最終確認年度」は、その単元を資料の並びの中で最後に確認できた年度です。
| 科目 | 単元 | 出ている年の並び | 最終確認年度 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 理科 | 化学の独立大問 | 2022 に気体の性質、2021 に燃焼、2020 に溶解度、2019・2017 に金属と水溶液 | 2022 年度 | 最有力。4 年出ていません |
| 理科 | 人体 | 2015・2018・2020 の並び | 2020 年度 | 6 年。生物の大問が 3 年連続で植物に寄っているぶん、戻ったときの落差が大きくなります |
| 理科 | 星と星座、太陽 | 2018・2019・2022 の並び | 2022 年度 | 大問 1 の地学が地層・岩石・気象で 3 年回ったので、天体の順番はいつ来てもおかしくありません |
| 理科 | てこ・ばね・浮力 | 2018・2020・2023 の並び | 2023 年度 | 物理は 3 年で光・電気・ふりこを一巡した形です |
| 理科 | 生態系・食物連鎖 | 2013・2016・2019・2021・2022・2023 の並び | 2023 年度 | 15 年の単元集計では上位ですが、直近 3 年の原本では大問として見ていません |
| 社会 | 公民のまとまった出題 | 2015・2016・2025 に三権分立や国会・裁判所が大きく出る | 2025 年度 | 2026 は SDGs と関税に触れる程度でした。三権分立・国会・内閣・裁判所は 17 年の集計でも上位で、周期的に大きく出ます |
| 社会 | 地形図と新旧地図の読図 | 2024 大問 2・2025 の信濃川 | 2025 年度 | 2026 では見ていません |
| 社会 | 環境問題・防災 | 2021・2022 に大問、2024・2025 に記述で登場 | 2025 年度 | 2026 は公害の選択 1 問のみでした |
| 社会 | 地方自治 | 2010 の並び、2025 は条例の小問のみ | 2025 年度 | 大問として長く出ていません |
| 社会 | 世界地理・国際社会 | 2013・2017 の並び | 2017 年度 | 直近は万博・貿易の中で断片的に出る形です |
| 算数 | つるかめ算(個数を合計から逆算) | 2012・2015・2016・2023 に大問で確認できる並び | 2023 年度 | 大問 2 の小問集合か大問 3〜7 に戻る余地があります |
| 算数 | 売買損益(原価・定価・売値) | 2015・2018・2019・2022 の並び | 2022 年度 | 直近 3 年の原本では確認できませんでした |
| 算数 | 流水算(川の流れと船の速さ) | 2017・2021 の並び | 2021 年度 | 大問 2 の小問集合か大問 7 に戻る余地があります |
| 算数 | ニュートン算(増えながら減る量) | 2018・2023 の並び | 2023 年度 | 同上 |
| 算数 | 約束記号(自分で決めた記号の計算) | 2012・2014・2019 の並び | 2019 年度 | 近年は見ていませんが、大問 2 の小問集合に入りやすい形です |
| 算数 | 図形の移動・転がり | 2014・2017・2018 の並び | 2018 年度 | 2026 の円すいの転がしは立体側で、平面の転がりは 3 年見ていません |
国語については、精読した 8 冊の並びでは、大問 1 と大問 2 のどちらが物語でどちらが説明文かが入れ替わる年があります(集計上、大問 1 の主軸が抜き出しの年と記号選択の年が交互に近い形で並びます)。文章の種類が入れ替わっても大問 3 の漢字は動いていません。語彙・慣用句をまとめて問う独立の大問は、精読した 3 年では見ていません。
10. 形式面の注意
4 科目に共通する点から書きます。
- 答え方の指定が細かくなっています。 算数は『もっとも簡単な整数の比で表しなさい』『答えは分数で求めなさい』(ほかに「何時何分」で答えさせる形)、社会は「漢字 2 字で」「漢字 4 字で」「姓名を漢字で」、国語は『〜という形で二十字以内』『「から」に続く形で二十字以上二十五字以内で抜き出して』。指定を外すと中身が合っていても取れない設問が全科目にあります。
- 短い記述が全科目にあります。算数でさえ『理由もあわせて答えなさい』『どのような状況か説明しなさい』が 3 年に 2 回。理科は毎年 2〜5 問、社会は毎年 4〜6 問、国語は毎年 6〜9 問です。字数指定は国語だけが細かく、理科・社会は解答欄の大きさで分量が決まります(社会は 2025 に「15 字以内」、2026 に「一行以内」と欄の行数で示す形の指定がありました)。
- 図・資料の量が科目で大きく違います。理科は図を伴う小問が 63%、算数は 46%、社会は 30%、国語は 0%。理科と算数は図を飛ばすと解けない設計で、理科の図の説明は 1 点あたり 100 字前後あります。
- 作図があります。算数は 2024 に正八面体の展開図へ辺をかき入れる問題、理科は 2024 に解答欄の図で子葉を○で囲む問題(大問 2(3))。社会・国語には作図がありません。
- 読む量が多くなっています。設問文だけで理科 3019 字・社会 3117 字・国語 3299 字(1 年あたりの中央値)。社会はさらにリード文(導入文・本文)が 1 年あたり 2074 字あり、設問文と合わせると 5000 字を超える年もあります。理科・社会は 30 分なので、読む速さそのものが得点に直結します。
- 円周率・単位の印字については、原本の転写からは確認できませんでした。市販の過去問集で確かめてください。
科目ごとの補足です。
- 算数: 答えのみの短答が全体の 9 割前後(2024 は 88%、2025・2026 は 92%)。作図は 2024 の展開図 1 問で確認しており、集計では 14 年を通して作図の設定があります。図の説明文が長く(中央値 145 字)、図を見て条件を拾う力が要ります。
- 理科: 図を伴う小問が 63%(15 年の集計)。写真・グラフ・回路図・柱状図と種類が多く、2025 の大問 1 は 6 種類の岩石の写真を見比べる問題でした。集計でも作図の設定がある年があります。計算は毎年数問(2025 の上昇温度と電流、2026 の気温と標高)で、桁の指定は原本に見当たらず、割り切れる数で作られています。30 分で 25〜30 問。1 問 1 分強しかないので、読み物の導入を先に読み切るか設問から入るかを決めておくと安定します。
- 社会: 図表は「図表 1-1」「図表 2-4」のように番号がふられ、1 年に 6〜8 点。写真・グラフ・地図・判決文・ステッカーの図案と種類が広くなっています。作図は集計上 17 年を通してありません。
- 国語: 集計では本文が 1 年あたり 7562 字、設問文が 3299 字。50 分で本文 2 本と漢字 10 問なので、大問 3 の漢字を先に片づける順番を決めておくと安定します。図・グラフは 8 冊を通してゼロで、純粋な文章の試験です。古文・漢文・文法用語(品詞・活用・敬語)は精読した 3 年では見ていません。記号選択は 29〜33%。選択肢は 4 つが基本で、心情説明の選択肢が長くなっています。漢字は四字熟語や慣用句も混じるので、単漢字の書き取りだけでは足りません。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
小 4(土台)
計算の正確さを最優先にします。この学校は算数の大問 1 が 13 年間ずっと計算 4 問で、そのうち 2 問は □ を求める逆算です。逆算は小 4 で「わり算の逆はかけ算」という感覚を作っておくと後が楽になります。あわせて、漢字の書き取りを毎日 5〜10 問(国語の大問 3 がこの形で 8 冊固定です。ただし国語は 2023 年度以降の資料がありません → 13 節)、図形は円とおうぎ形・三角形の面積の入口まで。理科・社会は「観察して図やグラフを見る」経験を増やす段階で、暗記に急ぐ必要はありません。時間の計測はまだしません。
小 5(幅)
単元をひととおり回す年です。この学校は座席が固定でも中身は毎年入れ替わるので、大問 3〜7 に入りうる単元の在庫を持っているかどうかがそのまま得点になります。
1 週間の枠は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にすると、この学校の出題に合います。平日 15 分は算数の計算と逆算(毎日)+漢字の書き取り 5〜10 問(毎日)に充て、週末 60 分を単元の在庫づくりに回します。週末の 60 分で回す順番は、この 3 年で実際に回った順に並べると、平均算・集合・場合の数・割合と比・平面図形の面積比・速さ・速さとグラフ・規則性・水量・仕事算です。ここに、直近 3 年では見ていないつるかめ算(個数を合計から逆算)・売買損益・流水算・ニュートン算(増えながら減る量)・約束記号・図形の移動を足すと、大問 3〜7 の在庫はほぼ埋まります(つるかめ算・ニュートン算・流水算・約束記号は教科書に出てこない、受験用教材の単元です)。
理科は物理・化学・生物・地学の 4 分野を偏りなく全分野ひととおり学び終えます(とくに化学は近年出ていないぶん、学校の出題だけを見ていると手薄になります)。社会は、出来事を年表の上に置く習慣(並べかえが毎年出ます)と、地図・グラフから理由を一言で言う習慣を。国語は説明文を読んだら 30 字程度でまとめる練習を(ただし国語は 2023 年度以降の資料がありません → 13 節)。
小 6(仕上げ)
上の「今からやるなら」8 項目です。夏以降は ①同じ座席を縦に解く(算数の大問 1・大問 2 の (2)(4)(5)、国語の大問 3)と、②年度を通しで時間を計る(理科・社会 30 分、国語 50 分)を分けて回すのが効率がよくなります。算数は 50 分で 24 問なので 1 問 2 分の配分ですが、大問 1 の 4 問と大問 2 の 5 問を 15 分で抜けられるかが後半の余裕を決めます。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか
差がつくのは小 5 の幅と、小 6 の縦の演習の両方ですが、比重は小 5 の幅にあります。座席が固定されているぶん「どこに何が来るか」は早い段階で分かってしまうので、当日の勝負はその座席に入ってきた単元を持っているかどうかになります。小 4 から始めるなら、計算と逆算・漢字という「毎年必ず同じ場所にある」ものを早く自動化してしまい、小 5 で単元の在庫を厚くし、小 6 は縦の演習と記述の書き分けに時間を割く——という配分が、この学校の出題にはいちばん噛み合います。
12. この学校と併願するなら
観点は過去問の勉強が二重に効くかだけです。難易度・偏差値帯・通学圏・入試日程の重なり・お子さんとの相性は扱いません(男女と日程の注記は資料のとおり写しました)。
- 日出学園中学校(千葉県・共学)— 4 科目とも近く、とくに国語と算数です。国語の文章の選び方と記述の量が近く、国語の演習がそのまま転用しやすい組み合わせです。
- 安田学園中学校(東京都・共学)— 国語と算数が近い組み合わせです。2027 年度は 2 月 1 日・2 月 2 日・2 月 3 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。理科はやや離れており、理科は別に準備が要ります。
- 茗溪学園中学校(茨城県・共学)— 国語と理科が近く、理科の読み物形式と記述の比重が近い組み合わせです。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- この学校は一般学級の第 2 回・第 3 回と国際学級の 2 回が 2 科(国語・算数)です。これらの回で受けるつもりでも、併願先が 4 科目校の場合、理社はこれらの回の準備とは別に立てる必要があります。
- 近さの数字は、科目ごとの「大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元の一致・設問の言い回しの近さ」と単元の分布の似かたを合わせた自動集計で、100 に近いほど出題の作りが近くなります。同じ問題が出るという意味ではありません。
- この学校の側から見ると、転用しやすいのは社会と理科の「資料を読んで理由を書く」練習です(開智・晃華学園・茗溪学園・桐朋女子と重なります)。逆に、算数の座席の固定はこの学校に固有で、大問 7・小問 24 の並びをそのまま持つ学校は併願候補の 8 校にはありません。算数は東京女学館の過去問そのものを縦に使うのが早くなります。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。 資料は 1 年 1 科目につき 1 冊で、冊子に回の表記がありません。この学校は一般学級 4 回・国際学級 2 回・帰国生入試と回が多く、うち 4 科目で行われるのは 2 回だけです。ここに書いたことは「4 科目がそろう回」に当てはまるものとして読んでください。2 科目(国語・算数)の回、国際学級、帰国生入試(30 分・50 点)の傾向はこの資料からは分かりません。
- 国語は 2023 年度以降の問題文がこの資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたのは 2011〜2022 年度、とくに原本を読んだ 2019・2021・2022 に限った話で、直近 4 年の形式は市販の過去問集で確認してください。算数は 2013 年度、理科・社会は資料のある年に切れ目がありません。
- 原本を設問文まで読んだのは各科目 3 年分です(算数・理科・社会は 2024〜2026、国語は 2019・2021・2022)。「3 年連続」より長い年数を書いた箇所は、資料全体の並びの集計にもとづいており、その年の設問文そのものを読んで確かめたわけではありません。
- 図・写真は文字の説明に置き換えられています。算数の図形問題の細部、理科の岩石の写真や回路図、社会の図表とグラフの中身は、設問文と説明文からの推定を含みます。とくに 2025 理科の大問 1(6 種類の岩石の写真を見比べる)は、写真そのものを見ないと答えにくい設問が含まれていると思われます。
- 転写の誤りが混じります。2025 算数の大問 6(1) は「辺 BC の数を求めなさい」となっており、文脈から「長さ」の誤りと見られます。原本側の誤植か転写の揺れかは判断できません。
- 配点が分かりません。小問ごとの配点はどの科目・年度にも印刷されていません。科目の満点(国算 100 点・社理 50 点)は学校の公表資料によります。
- 「同じ問題の使い回し」は見つかっていません。読んだ 3 年の範囲では、数値まで同じ問題の再登場は 4 科目とも確認できませんでした。より古い年度まで遡れば例があるかもしれませんが、それはこの資料からは言えません。
- 「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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