早稲田大学高等学院中学部 の過去問分析
早稲田大学高等学院中学部の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
早稲田大学高等学院中学部 過去問分析(2010〜2026 年度・一般入試〈2 月 1 日〉・原本を精読したのは各科目 3 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都練馬区 |
| 男女 | 男子校 |
| 入試回と日程・科目 | 一般入試 2 月 1 日午前・4 科(国語・算数・社会・理科)。試験は年 1 回のみで、募集は男子 120 名です |
| 試験時間・配点 | 国語 50 分・100 点/算数 50 分・100 点/社会 40 分・80 点/理科 40 分・80 点 |
| 面接 | あります(本人のみ・グループ形式) |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
この学校は 早稲田大学高等学院中学部(東京都練馬区・男子校)です。早稲田中学校・早稲田実業学校中等部とは別の学校で、出題も別物です。同じ「早稲田」で検索して辿り着いた方はご注意ください。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 4 科目とも大問の並びが決まっていて、その枠の中身を毎年作り直す学校です。同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出ます(以下、この置き場所を「座席」と呼びます)。
- 算数は大問 1 = 小問集合(先頭は計算)・大問 4 = 立体図形が 3 年連続、理科は大問 3 = 物理(最も計算の重い大問)が 3 年連続です。
- 社会は大問 1 = 統計図表の読み取り、大問 2 = 地理の長文、大問 3 = 古代〜中世の歴史、大問 4 = 近現代の歴史、大問 5 以降 = 公民が 3 年連続です。
家でやること 3 つ
- 算数の立体図形を「作る/削る/切る」の 3 動作で練習します(大問 4 に 3 年連続)。
- 社会の統計から県を当てる練習をします(大問 1 に 3 年連続)。
- 理科の物理の計算大問を、表を読む所から通しで解きます(大問 3 に 3 年連続)。
今週やる 1 つ
- 2026 年度の算数の大問 4(立方体を削って作った 3 つの立体)を解き、体積と削り面の面積を最後まで出し切れるか確かめます。
注意
- 国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2016・2018・2019 年度のものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(自動集計の年度別の単元一覧で大問の題材だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2024・2025・2026 | 精読した 3 年を除く年 | 2010〜2026(14 年) | 大問 4 題・小問 15〜18 問がほぼ全年で共通 |
| 理科 | 2024・2025・2026 | 精読した 3 年を除く年 | 2010〜2026(14 年) | 小問 31〜35 問と多い。2010 年度だけ大問 10 題と記録が異なる |
| 社会 | 2024・2025・2026 | 精読した 3 年を除く年 | 2010〜2026(14 年) | 大問 5〜6 題・小問 37〜38 問 |
| 国語 | 2016・2018・2019 | 精読した 3 年を除く年 | 2011〜2019(7 年) | 2020 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い) |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。名前の似た早稲田中学校・早稲田実業学校中等部の内容が混入している形跡もありませんでした。
- 各科目とも精読した年(国語は資料のある最後の 3 年)の設問文を原本で読み直し、そこで確認できたことだけを「3 年連続」と書いています。それ以前の年については、自動集計の年度別の単元一覧を根拠に「〜年の大問にある」という言い方に留めました。
- 判読の限界: 図そのものは転写できないため、図形・天体・地層などの細部は設問文と図の説明文からの推定を含みます。2024・2025 年度の社会、2026 年度の理科、2024〜2026 年度の算数は転写の確からしさが低めと記録されており、選択肢の文言などに読み落としの可能性があります。大問の構成・題材・設問の骨格には支障がありませんでした。
- 資料そのものの異常(別の学校の問題が混ざる・同じ設問が二重に記録される・年度がまるごと無い)は、精読した範囲では見つかりませんでした。
5. 一番大きな結論
早稲田大学高等学院中学部は「4 科目とも大問の並びが決まっていて、その枠の中身を毎年作り直す」学校です。
同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ場所(座席)に出ます。精読した 3 年で確認できた並びは次のとおりです。
- 算数: 大問 4 題。大問 1 = 小問集合(先頭は計算)、大問 4 = 立体図形が 2024・2025・2026 の 3 年連続。間の大問 2・3 に速さ・規則性・平面図形が入れ替わりで入ります。
- 社会: 大問 1 = 統計図表の読み取り、大問 2 = 地理の長文、大問 3 = 古代〜中世の歴史、大問 4 = 近現代の歴史、大問 5 以降 = 公民が 3 年連続。座席の索引では大問 3・大問 4 の歴史の並びが 2020 年度から記録されています。
- 理科: 大問 4 題で 4 分野(生物・地学・物理・化学)が毎年そろいます。2025・2026 は並びまで一致し、大問 3 が物理(最も計算の重い大問)は 3 年連続です。物理の中の領域だけは毎年変わります(ふりこ → てこ → 音)。
- 国語(2019 年度まで): 大問 1 = 説明的文章、大問 2 = 文学的文章、各大問の問一が漢字、が 3 年連続です。
一方、中身は毎年作り直されています。同じ問題がそのまま再登場した例は、精読した 3 年では 4 科目とも見つかりませんでした。設問文の言い回しが繰り返されるのは社会の「〜の説明として誤っているものを 1 つ選び、記号で答えなさい」くらいです。
したがって、この学校の過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではありません。①大問ごとに違う競技だと知って、座席ごとに縦に練習する、②長い導入文つきの設定を読み解く手順を身につける——この二つに近い形になります。とくに算数の大問 4(立体)と理科の大問 3(物理計算)は、毎年そこに来ると分かっているぶん、集中的に時間をかける価値があります。
科目ごとの性格の違いは次のとおりです。
| 科目 | 形式の決まり方 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に固い。大問 4・小問 15〜18・50 分・答えのみ(記述の大問なし) | 大問 1 と大問 4 が柱、間の 2 題は毎年組み替え。長い導入文で設定を作る | 立体図形(削る・切る・中点を結ぶ)と、設定を読んで自分で例を作る力 |
| 理科 | 固い。大問 4・小問 31〜35・40 分。4 分野が毎年そろう | 実験を最後まで追わせる。作図・ぬり分けが毎年 3〜4 問 | 物理の計算大問を通しで解く練習と描く手 |
| 社会 | 非常に固い。地理 2 → 歴史 2 → 公民 1〜2 の並びが不変 | 統計から県を当てる問題が毎年。前年 9〜12 月のニュースまで拾う | 統計の読み取りと、理由を 1 文で書く力 |
| 国語 | 固い(2019 年度まで)。大問 2・小問 20〜22・50 分 | 記号選択が主軸。漢字と語彙の知識問題が各大問の頭 | 抜き出しの字数処理と 40 字前後の理由記述 |
科目ごとに要求が違います。算数と理科は「長い設定を読み、手を動かして最後まで計算する」試験、社会は「統計と資料から判断し、短く理由を書く」試験、国語は「選択肢を精読し、字数を守って書く」試験です。4 科目に共通するのは「導入文が長い」ことで、読む速度そのものが得点を左右します。
6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
- 算数: 「作られた立体」を扱う。既製の円錐・角柱ではなく、立方体を削る(2026、A くん・B くん・C くんがそれぞれ削り方を変える)、立方体の辺の中点 12 個を結ぶ(2025)、正四角すいを条件つきで動かす(2024)。「与えられた立体の体積を求めよ」ではなく「この操作でできる立体を想像せよ」という設問です。
- 算数: ルールを文章で定義して追わせます。2025 大問 2 は整数の桁を処理する 2 つの手順 A(n)・B(n) を文章だけで定義し、5 問かけて追わせます。2026 大問 1 は単位分数の分解(1/あ − 1/(あ+1) = 1/156)。数の世界の規則を自分で言語化する作業が毎年入ります。
- 理科: 身近な道具と探究の場面から入ります。スマホの「音感ストップウォッチ」アプリで音速を測る(2026)、吸湿発熱繊維の肌着(2026)、夏休みの自由研究として蒸発熱を測る山田君(2025)、夏の雑木林での自然観察(2024)。理科室の外にある現象から入る大問が毎年あります。
- 理科: 生き物を「描かせて」確かめます。カブトムシとクモのアシを描き加える(2024)、メダカの雌雄をひれで見分けてぬる(2026)、種子のはい・はい乳をぬり分ける(2025)、マツのりんぺんのはいしゅをぬる(2025)。知っていることを図で示せるかを繰り返し問われます。
- 社会: 統計を「読ませて」から「説明させる」。散布図の点がどの県かを当てさせ(2025・2026)、さらに 2026 は「そう判断した理由」を書かせます。桜の開花予想の等値線図(2024)、東京中央卸売市場の月別取扱量(2025・2026)と、既製の統計表よりも「加工されたグラフ」が好まれています。
- 社会: 歴史を一本のテーマで貫きます。情報の伝わり方の歴史(2024 大問 3)、専制と合議制(2025 大問 3)、地震と災害の歴史(2026 大問 3)、日米関係(2025 大問 4)、選挙権の拡大(2026 大問 4)。年代順の並べ替えではなく、一つの問いで時代を縦断する構成が続いています。
- 社会: 公民が現在進行形です。トランスジェンダー職員のトイレ使用制限をめぐる 2023 年の最高裁判決(2024)、SNS とメディアリテラシー(2025)、需要曲線と供給曲線を実際に動かす(2026)、国際刑事裁判所の分担金(2026)。新聞を読んでいるかどうかが問われる設問が毎年あります。
- 国語: 昭和の文学が選ばれています(2019 年度まで)。新美南吉「川」(2016)、安岡章太郎「逆立」(2018)、吉屋信子「鈴蘭」(2019)。少年少女が主人公ですが、書かれた時代が古いのが特徴です。説明的文章の側は、対話・仕事・生命観といった「どう生きるか」に触れるものが選ばれています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に進めてください(→ 11 節)。
各項目の根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。
- [週末 60 分] 算数・立体図形を「作る/削る/切る」の 3 動作で(大問 4 に 3 年連続)。立方体と正四角すいを土台に、中点を結ぶ・角を削る・斜めに切る操作を、体積と表面積の両方で計算できるようにします。2024 大問 4・2025 大問 4・2026 大問 4 がそのまま教材になります。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・長い導入文から自分で例を作る。2025 大問 2 の「手順 A(n)・B(n)」のような定義を読んだら、まず小さい数で 2〜3 回試します。この一手が大問 2・3 の入口を開けます。あわせて、速さは「重なる回数・追い越す回数」まで練習します(2025 大問 3(3)②、2026 大問 2(4) が「何回目に重なるか」を問う形)。「式や考え方を書いて求めなさい」の 1 問には 5 分を確保し、答えだけの設問と分けて時間配分を練習します。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科・物理の計算大問を 8 問通しで解きます(大問 3 に 3 年連続)。2024 のふりこ、2025 のてこ、2026 の音速。表を読み、値を出し、条件を変えて再計算する流れを止めずにやり切ります。重さと体積の比の計算(2024 大問 3 の酸化、2025 大問 4 の気体)は、比を立てて表を埋める同じ手順で解けます。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 理科・作図とぬり分け(毎年 3〜4 問)。グラフを描き加える、断面図を描く、指定部分だけをぬる。知っていても描けないと点になりません。気象と地層(天気図・柱状図・湿度計算)は 3 年とも大問のどこかに必ず入っています。指定語句つきの記述は、渡された語を主語・目的語に据えて 2 文で組む練習をします。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・統計から県を当てる練習(大問 1 に 3 年連続)。可住地面積・卸売販売額・海上輸送・人口 1 位と 2 位の差など、教科書に出ない指標が使われます。2025 大問 1、2026 大問 1 を繰り返します。漢字指定・字数指定を丸で囲んでから解く癖もここでつけます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 社会・歴史を「古代〜中世」「近現代」の 2 ブロックで仕上げます。大問 3 と大問 4 の役割が 3 年連続で固定なので、時代を分けた復習がそのまま大問対策になります。人名・年代・場所の入れ替えを見抜く誤文選択の練習も、通史のテキストで繰り返します。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・30〜50 字で理由を言い切る練習。「なぜそう判断したか」を 1〜2 文で書きます。長く書く練習より削る練習です。前年 9 月〜12 月のニュース(選挙・国際会議・環境行政・予算)まで押さえます。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字を毎日 4 問(各大問の問一)+反対語・同音異義語・慣用句の知識を一巡します。抜き出しは指定字数を先に確認してから探し、40 字前後の理由記述は毎週 2 本、「理由 → 結果」の 2 要素を入れて書きます。説明的文章は段落ごとに一言でまとめる(見出しをつけながら読む)読み方を、文学的文章は 1930〜60 年代の言い回しに慣れることを目標にします。(確認: 〜2019 年度)
8. 科目別の詳細
各科目の形式面の注意は 10 節、しばらく出ていない単元は 9 節、家でやることは 7 節にまとめてあります。
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 4・小問 15〜18)
年度×大問の題材表(原本で精読した 2024〜2026)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 小問集合 4 問(分数の計算・分数の逆算・ボールペンのセット買い・正七角形を転がす) | 分数の数列(グループに分けて並べる) | 長方形上を動く 3 点 P・Q・R(面積と速さ) | 正四角すいを条件つきで動かす(体積・真上から見た図) |
| 2025 | 小問集合 5 問(分数の計算・逆算・複利の利息・直角三角形と中点・円と正方形 3 個) | 数の性質(2 つの処理手順 A(n)・B(n) を追う) | 長方形の周回コースを走る 2 人(速さ・分割された面積) | 立方体の辺の中点 12 個を結んだ立体(面の数・切断) |
| 2026 | 小問集合 4 問(四則計算・単位分数の分解・長いすの過不足算) | 正三角形の辺上を速さを変えて動く 2 点 | 半円 3 つをつないだ曲線を回転させる(通過部分の面積) | 立方体を削って作った 3 つの立体(体積・削り面の面積) |
表の中の逆算は□にあてはまる数を求める計算、過不足算は余りと不足から人数や個数を求める問題(受験用教材の単元)です。
「小問集合」と書いた大問 1 は、3 年とも先頭が計算・逆算で、そのあとに独立した小問が 2〜3 問続く形です。2024 は 4 問、2025 は 5 問、2026 は 4 問でした。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
同じ問題が出るという意味ではなく、同じ種類の問題が同じ大問番号に来るという並びの固定です。
- 大問 4 = 立体図形が 2024・2025・2026 の 3 年連続。2024 は正四角すい、2025 は立方体の辺の中点でできる立体、2026 は立方体を削った立体。いずれも「立方体・角すいを土台に、そこから何かを足す/削る/切る」形で、体積か表面積の計算に落ちます。
- 大問 1 = 小問集合、その (1) は計算が 3 年連続。2024・2025 は「計算 1 問+逆算 1 問」、2026 は「四則計算 1 問」で始まります。
- 速さの大問が 1 つあります(2024 は大問 3 に組み込み、2025 は大問 3、2026 は大問 2)。3 年とも「動く点/走る人が 2 つ以上あり、速さが途中で変わるか場所によって違う」設定で、単純な旅人算(追いかけ・出会いの速さの問題)ではありません。
- 大問 2・大問 3 の位置は年で入れ替わります。2024 は数列 → 図形上の点の移動、2025 は数の性質 → 速さ、2026 は速さ → 回転。大問 1 と大問 4 が固定の柱、間の 2 つは毎年組み替えると読めます。
頻出単元と周期(精読した 3 年 + 自動集計の年度一覧)
- 立体図形(体積・表面積・切断): 2024〜2026 の 3 年連続で大問 1 題。自動集計の単元集計でも 2 番目に大きい塊です。
- 規則性・数列: 2024 大問 2(分数の数列)、2026 大問 1(2)(単位分数の分解)。数の並びの規則を自分で言葉にする作業が毎年どこかにあります。
- 速さ: 3 年連続。2025・2026 は「周回・往復で 2 人が重なる回数」を数える形です。
- 平面図形: 2024 大問 3(動く点と面積)、2025 大問 1(3)(4)(角度・円と正方形)、2026 大問 3(回転して通過する部分)。
- 数の性質: 2024 大問 1(2)(セット買いで最安を作る)、2025 大問 2(桁を処理する手順を 5 問追う)。
問い方の特徴
- 一つの設定を 3〜5 問で掘り下げます。大問 2〜4 は導入文が長く(正四角すいの体積公式の説明、プログラム A(n)・B(n) の定義、立体の作り方の説明)、その設定を共有したまま小問が段階的に難しくなります。設定を読み違えると大問まるごと落ちる作りです。
- 「式や考え方を書いて求めなさい」が年 1 問あります。2024 大問 2(2)、2026 大問 2(3) で確認しました。答えだけの解答欄ではないので、途中の説明を短く書く練習が要ります。
- 自分でルールを翻訳させます。2025 大問 2 は「整数の各桁にこういう処理をする手順」を文章だけで説明し、その通りに手を動かせるかを見ます。2026 大問 1(2) は 1/あ − 1/(あ+1) = 1/156 の形で、単位分数の分解に気づけるかを問います。
- 立体は「見取り図を自分で描き直せるか」が中心です。2024 は正四角すいを地面に置いて条件を満たしながら動かす、2025 は最も遠い 2 頂点を選んで切る、2026 は削った跡の面積から元の削り方を逆算します。図を渡されて終わりではなく、頭の中で立体を作り直す作業が中心になります。
8-2. 理科(40 分・80 点・大問 4・小問 31〜35)
年度×大問の題材表(原本で精読した 2024〜2026)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 乾湿計と露点(湿度の表を読む)+ 川の流れと川底の断面 | ふりこ(10 往復の測定表・くぎを打つ・2 つのふりこがそろう時刻) | 金属の酸化(銅・マグネシウム、結びつく酸素の重さとグラフ) | 雑木林の生き物観察(セミ・アリジゴク・トンボの目・プランクトン) |
| 2025 | 種子と花のつくり(はい・はい乳をぬり分ける、シダ植物の数) | 火山とカルデラ + 水が蒸発するときの温度低下(自由研究の形) | てこ(棒とばねばかり・モビールを何段もつるす) | アンモニア(ハーバー・ボッシュ法・体積比から重さを出す計算 4 連) |
| 2026 | メダカの雌雄・ネコの骨格・セキツイ動物の数 + 人の消化器官 | 天気図 2 枚(台風と冬の気圧配置)+ ボーリング調査の柱状図 | 音速(花火・やまびこ・スマホのアプリ・メトロノーム) | 物質の三態(氷の加熱グラフ・吸湿発熱繊維・ドライアイス) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問の並びが「生物 → 地学 → 物理 → 化学」に近い形で 3 年続いています。2024 は地学・物理・化学・生物、2025 は生物・地学・物理・化学、2026 は生物・地学・物理・化学。2025・2026 の 2 年は 4 分野の並びが完全に一致し、2024 も生物と地学の位置が入れ替わっただけです。分野は毎年 4 つそろいます。
- 大問 3 が物理(計算が最も重い大問)が 2024・2025・2026 の 3 年連続です(ふりこ → てこ → 音速)。
- 大問 4 の最後が「重さや体積を比で計算する化学」になります。2025 大問 4 の問 7(1)〜(4)、2026 大問 4 の問 4(3)(4) が該当し、2024 は大問 3 に置かれました。
- 一つの大問に I・II の 2 テーマを入れる形が 2024 大問 1(湿度/川の流れ)、2025 大問 2(火山/蒸発熱)、2026 大問 1(動物分類/人体)・大問 2(天気図/柱状図)に見られます。40 分で 4 大問ですが、実質のテーマ数は 5〜6 になります。
頻出単元と周期(精読した 3 年 + 自動集計の年度一覧)
- 気象: 2024 大問 1(湿度)・2026 大問 2(天気図)、さらに 2026 大問 4 問 7(湿度計のしくみ)。自動集計の年度一覧では 2014・2022・2024 にも大問があります。
- 地層・岩石・化石: 2025 大問 2(火山)・2026 大問 2(柱状図)の 2 年連続。
- 熱と状態変化: 2025 大問 2 の II(蒸発で下がる温度)・2026 大問 4(三態)の 2 年連続。
- 質量保存・量的関係(重さの比の計算): 2024 大問 3(金属の酸化)・2025 大問 4(アンモニアの生成と燃焼)の 2 年連続。
- こん虫・動物の分類: 2024 大問 4・2026 大問 1 の 2 回。自動集計では単元集計の 1 位です。
- 物理は毎年ちがう領域から出ます(ふりこ → てこ → 音)。物理の中の単元は固定されていません。
問い方の特徴
- 作図・ぬり分けが毎年 3〜4 問。精読した 3 年で 2024 は 3 問、2025 は 4 問、2026 は 4 問。中身は「川底の断面図を描く」「グラフを描き加える」「はい乳を斜線でぬる」「カブトムシとクモのアシを描き加える」「前線の記号を描く」「柱状図に火山灰の層を示す」など。「それ以外はぬりつぶさないこと」という指示つきの塗り分けが 2025・2026 で確認できます。
- 記述は年 0〜3 問と少ないのですが、使う言葉を指定してきます。2026 大問 2 問 4 は「解答には『山脈』『水蒸気』という二つの言葉を必ず使用すること」。2025 は大問 2 で「カルデラのでき方」「火山灰が東へ積もった理由」の 2 問。2024 は記述ゼロでした。
- 短答(語句や数値を短く答える形式)が全体の 4〜7 割です。数値を出す計算問題が多く、「小数第 1 位を四捨五入して整数で」のような桁の指定がつきます。
- 一つの実験を最後まで追わせます。2024 大問 2 のふりこは測定表 → 表の空欄 → 1 分間の往復数 → 2 つのふりこがそろう時刻 → くぎを打った場合、と 8 問が地続きです。2026 大問 3 の音速も花火 → やまびこ → アプリ → メトロノームと同じ一郎さんの探究が続きます。実験の流れを読む力がそのまま得点になります。
- 身近な道具・現象を題材にします。スマホのストップウォッチアプリ(2026)、吸湿発熱繊維の肌着(2026)、夏休みの自由研究(2025)、SDGs の目標 7(2025)、雑木林の自然観察(2024)。教科書の実験装置よりも生活の場面から入る設問が毎年あります。
8-3. 社会(40 分・80 点・大問 5〜6・小問 37〜38)
年度×大問の題材表(原本で精読した 2024〜2026)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 桜の開花予想図(等値線の読み方) | 日本の海岸線(湾・水産・港湾・工業) | 情報の伝え方の歴史(飛鳥〜江戸) | 鉄道研究部の活動報告(幕末〜戦後の各地) | 児童手当と少子化(財政・M 字カーブ・トイレ訴訟) | — |
| 2025 | 総面積と可住地面積の散布図/卸売・小売の表 | 日本の平野と盆地 5 か所(位置・産物・保存食) | 専制と合議制の歴史(平安〜幕末) | 日米関係の歴史(開国〜戦後) | 表現の自由(憲法・選挙・国会・SNS) | — |
| 2026 | 3 県の海上輸送の表/人口 1 位・2 位の都市の散布図 | 資源と農業(化学工業・干鰯・トマトの出荷・新潟) | 地震と災害の歴史(『日本書紀』〜江戸) | 選挙権の拡大と戦後(大正〜高度成長) | 需要曲線と供給曲線(ガソリン・キャベツ) | 国際連合・ICC(安保理・分担金) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 = 統計図表の読み取りだけでできた短い地理の大問が 2024・2025・2026 の 3 年連続(等値線図・散布図・表)。小問 2〜4 問と短く、いきなり「グラフの点ア〜エがどの県か」を当てさせます。座席の索引でも大問 1 に地図・地形・気候の設問が来ることが記録されています。
- 大問 2 = 地理の長文読解が 3 年連続。空欄補充で語句を入れつつ、下線部から統計・地形・産業へ枝を伸ばす形です。
- 大問 3 = 古代〜中世を軸にした歴史、大問 4 = 近現代を軸にした歴史が 3 年連続。座席の索引では同じ並びが 2020 年度から記録されています(原本で読み直して確認したのは 2024〜2026 の 3 年)。
- 大問 5 以降 = 公民が 3 年連続。2026 だけ公民が 2 つ(経済と国際)に分かれて大問 6 まで伸びました。
- したがって社会は「地理 2 題 → 歴史 2 題 → 公民 1〜2 題」の並びが動きません。分野ごとの得意不得意がそのまま大問単位の得点差になる構造です。
頻出単元と周期
- 都道府県・地域の同定: 2024 大問 2 問 2・問 5、2025 大問 1・大問 2 問 1、2026 大問 1・大問 2 問 5 と、3 年とも複数問あります。統計から県名を当てる作業が社会の入口に置かれます。
- 鎌倉・室町時代: 2024 大問 3・2025 大問 3・2026 大問 3 の 3 年連続で設問あり。
- 近代の戦争と大正・昭和前期: 2024 大問 4 問 5・2025 大問 4・2026 大問 4 の 3 年連続。
- 日本国憲法・人権: 2024 大問 5 問 1・2025 大問 5・2026 大問 4 問 6/大問 6 問 2 の 3 年連続。
- 環境問題・防災: 2024(赤潮・線状降水帯)・2025(マングース根絶)・2026(南海トラフの地震年表・持続可能な資源利用)の 3 年連続。
- 前年のニュースが毎年入ります。2024 は 2023 年 7 月の最高裁判決、2025 は 2024 年 11 月のアメリカ大統領選挙と 2024 年 9 月のマングース根絶宣言、2026 は 2025 年度予算の社会保障費。入試前年の 9 月〜12 月の出来事まで拾われています。
問い方の特徴
- 統計から県を特定させる問題が毎年出ます。散布図の点ア〜エ、表の 3 県 A〜C を当てる形が 2025・2026 の大問 1 に連続し、2026 はさらに「そう判断した理由を述べなさい」(大問 1 問 1(2))と理由まで書かせます。「ただし、他の県についての言及には加点しない」という条件つきです。
- 「誤っているものを 1 つ選び、記号で答えなさい」が歴史の定番です。2024 大問 3 問 2・問 5、2025 大問 3 問 1、2026 大問 3 問 1 で確認しました。選択肢 4 つのうち 1 つに人名や年代の入れ替えが仕込まれます。
- 文字種の指定が多くあります。「漢字で」「漢字 2 字」「カタカナ 2 字」「ひらがなで」が精読した 3 年すべてに複数あります(2026 大問 2 問 1 は 1 問で「カタカナ 2 字・漢字 2 字・漢字 1 字」を同時に指定)。指定を外すと 0 点になる種類の失点です。
- 記述は年 2〜4 問で、字数か解答欄で長さが決まります。「30 字以内」(2025 大問 3 問 6)、「50 字以内」(2026 大問 3 問 9)、「解答欄に合うように」(2024 大問 2 問 10、2026 大問 1 問 1(2))。長い論述ではなく、1〜2 文で理由を言い切る形です。
- 記号選択と記述を 1 問に組み合わせる設問が毎年あります。2024 大問 5 問 4・問 5、2025 大問 2 問 7(島を選ぶ+「根絶」という語を使った理由)、2026 大問 1 問 2(2)・大問 2 問 3。記号だけ当てても半分しか取れません。
- 数を答えさせる形も出ます。2025 大問 5 問 6 は「3 つの記述のうち適切なものの数を 0〜3 の数字で答えなさい」。正誤を全部判定しないと答えが出ません。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 2・小問 20〜22。原本で精読したのは 2016・2018・2019 年度)
国語は 2020 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ため、ここに書いたのは 2016・2018・2019 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(原本で精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1(説明的文章) | 大問 2(文学的文章) |
|---|---|---|
| 2016 | 河野哲也『「こども哲学」で対話力と思考力を育てる』(対話とは何か) | 新美南吉「川」(少年 3 人が冷たい川で我慢比べをする) |
| 2018 | 西村佳哲『自分をいかして生きる』(「どんな仕事に就きたいか」への問い返し) | 安岡章太郎「逆立」(逆立ちだけが特技の「僕」と少女) |
| 2019 | 中村桂子「水も土も生きものの視点から」(ダーウィンのミミズ研究から生命論へ) | 吉屋信子「鈴蘭」(少女たちの語りとピアノの場面) |
2011 年度も同じ 2 題構成で、山下正男『論理的に考えること』と『嵐・ある女の生涯』でした。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 = 説明的文章、大問 2 = 文学的文章が、精読した 2016・2018・2019 の 3 年連続です(2011 年度も同じ)。大問は 2 題のみで、知識だけを問う独立した大問はありません。
- 各大問の問一が漢字(読みをひらがなで示して漢字に直す形、a〜d の 4 問)で 3 年連続。1 回の試験で漢字だけで 8 問前後になります。
- 各大問の問二が語句の知識(反対の意味の語・語句の意味)で 2018・2019 の 2 年連続。2016 は大問 1 の問二が「同じ語の使われ方の違い」で、位置は同じです。
- 各大問の終盤に記述が 1 問あります(2018・2019 は大問 2 の問八・問九、2019 は大問 1 の問七にも)。字数は 31 字以上 40 字以内が中心です。
- 最後の設問が「本文全体をどう捉えたか」(作品の主題・登場人物像・筆者の主張の説明を選ぶ)で 3 年連続です。
頻出と特徴
- 記号選択が主軸です。精読した 3 年で選択の比率は 52%・59%・70%。傍線部の理由・内容を 4〜5 択から選ぶ形が最も多くなります。
- 選択肢は「最も適切なもの」だけでなく「適切でないものを一つ」「適切なものを二つ」が毎年あります(2016 大問 1 問十、2018 大問 1 問十一・大問 2 問九、2019 大問 2 問七)。
- 抜き出しは字数と場所の指定が細かいのが特徴です。「漢字二字で抜き出して」(2016)、「十五字で抜き出して」「三十三字で抜き出して、はじめとおわりの五字を答えなさい」(2018)、「十三字で抜き出し、はじめの五字」(2019)。字数を数える作業そのものが得点になります。
- 文章の並べ替え・見出しづけが出ます。2016 大問 1 は「四つの文を正しい順に並べる」問七と「三つの小見出しを正しい順にする」問九、2019 大問 1 問十は「四つの見出しで本文を分けたときの段落の最初の五字」。論の展開そのものを問う設問が説明的文章の側にあります。
- 語彙の知識が独立した小問で出ます。同音異義語(2016・2018)、慣用句の体の一部(2016「手に汗を握る」)、動物の入る慣用句(2018)、季節を表す漢字一字(2016)、当て字(2019「伊太利」)。知識問題を落とさない準備が要ります。
- 記述は 31〜50 字です。2016 は「40 字以上 50 字以内」1 問、2018 は「31 字以上 40 字以内」1 問、2019 は「31 字以上 40 字以内」2 問。いずれも傍線部の理由か心情を説明する形です。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した 3 年(算数・理科・社会は 2024〜2026、国語は 2016・2018・2019)に出ておらず、自動集計の年度別の単元一覧では大問として扱われている単元です。最終確認年度は、その単元が大問として確認できている最後の年度です。
| 科目 | 単元 | 大問として出ている年 | 最終確認年度 | 見立て |
|---|---|---|---|---|
| 理科 | 電流と電磁石 | 2010・2015・2021 | 2021 | 物理の大問が毎年別領域から選ばれる学校なので、次に来る候補としては最も自然です |
| 理科 | 光 | 2018・2020 | 2020 | 6 年出ていません |
| 理科 | 天体(太陽・惑星) | 2016・2020 | 2020 | 地学が地層と気象に寄った 3 年が続いているぶん、警戒しておきたいところです |
| 理科 | 浮力・密度 | 2014 | 2014 | 長く出ていません |
| 理科 | 中和・水溶液の判別 | 2011・2023 | 2023 | 精読した 3 年では 2025 大問 4 の気体の性質が近い程度です |
| 算数 | 水量(容器に水を入れる・傾ける) | 2011・2021・2023 | 2023 | 立体図形が毎年大問 4 に来る学校なので、その中身が水量に振れる年は十分ありえます |
| 算数 | 場合の数 | 2018 | 2018 | 精読した 3 年では独立した大問になっていません |
| 算数 | 仕事算(何人で何日かかるかの計算) | 2023 | 2023 | 精読した 3 年では見ていません |
| 算数 | 食塩水・割合の文章題 | 2010・2014 | 2014 | 精読した 3 年では 2025 大問 1(2) の複利(利息)が近い程度です |
| 社会 | 地形図の読図 | 大問としては確認できず | — | 統計図表は毎年出ますが、2 万 5 千分の 1 の地形図そのものは別の技術です。出れば大問 1 か大問 2 の入口を塞ぎます |
| 社会 | 三権分立・裁判所のしくみ | 2018・2020 | 2020 | 精読した 3 年では 2025 大問 5 問 6・問 8 に小問として顔を出す程度です |
| 社会 | 選挙制度 | 2014・2021・2023 | 2023 | 精読した 3 年では 2025 大問 5 問 7・2026 大問 4 問 2 の小問。制度そのものを問う大問に戻る余地があります |
| 社会 | 交通・通信網 | 2011・2012 | 2012 | 精読した 3 年では 2025 大問 2 問 3(空港の有無)のみです |
| 社会 | 人口・都市問題 | 2015・2018 | 2018 | 2026 大問 1 問 2 で散布図として復活しています。人口ピラミッド・過疎過密の形でも警戒しておきたいところです |
国語は精読した年が 2019 年度までなので、ここは弱く書きます。2011〜2019 年の記録では大問 2 題の構成が一貫しており、詩・短歌・俳句を独立した大問にした年、古文を独立した大問にした年は確認できませんでした。知識問題を独立した大問にする形(2011〜2019 では大問内の小問として出ていました)に変わる可能性は、直近の過去問集で確かめてください。
10. 形式面の注意(4 科目共通)
- 算数: 50 分・100 点。精読した 3 年はいずれも大問 4 題・小問 15〜18 問で、1 問あたり 3 分前後の配分になります。記述の大問は無く答えのみですが、「式や考え方を書いて求めなさい」が年 1 問あります(2024 大問 2(2)、2026 大問 2(3))。精読した 3 年で記号選択の設問はゼロで、記号を選ぶ練習より数値を出し切る練習が要ります。図に依存する小問が 6 割前後を占めます(自動集計では有図小問 60%)。作図の指示がある年もあり、精読した 3 年では 2026 大問 3 のように「色をぬられる部分」を自分で図示して考える必要のある設問が出ています。円周率の指定は転写では読み取れなかったので、過去問集で確認してください。
- 理科: 40 分・80 点。精読した 3 年の小問数は 31〜35 問で、1 問あたり 70 秒前後。理科としては小問が多い部類です。選択肢は「1 つ選びなさい」が基本ですが、「すべて選びなさい」(2025 大問 4 問 3、2026 大問 1 問 3)、「2 つ選びなさい」(2024 大問 3 問 9)が混ざります。図に依存する小問が多く(自動集計では有図小問 65%)、天気図・柱状図・骨格図・スケッチなど図を見ないと答えられない設問が本体です。解答用紙に図が印刷されていて、そこへ描き込む形の設問が毎年あります。定規を使うかどうかの指示は転写では読み取れませんでした。
- 社会: 40 分・80 点。精読した 3 年の小問数は 37〜38 問で、1 問あたり 65 秒前後。記述が 2〜4 問混じるため、知識問題は即答で通す必要があります。作図は精読した 3 年でゼロですが、図表を読む設問は多くあります(自動集計では有図小問 20%)。大問数は 5 か 6 でぶれ、2020・2022・2024・2025 が 5、2021・2023・2026 が 6 と、記録上も年によって変わります。分野の並びは動きませんが、公民が 1 題か 2 題かで総数が変わると読めます。
- 国語(2019 年度まで): 50 分・100 点。精読した 3 年の小問数は 20〜22 問で、文章 2 本ぶんの読解に十分な時間が取れる配分です。図や資料は精読した 3 年でゼロで、文章と設問だけで構成されます。古文・漢文の独立した大問は精読した 3 年で確認できませんでしたが、文学的文章に旧仮名づかいに近い文体(1930〜50 年代の作品)が使われる年があります(2018 安岡章太郎・2019 吉屋信子)。記述の字数指定は「◯字以上◯字以内」の形で下限もあり、書き足りないと減点になる種類の指定です。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | 何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(分数・小数の混じった四則)、図形の基礎(角度・面積・立体の見取り図)、読む量、漢字。この学校で最後に効くのは「立方体を頭の中で回せるか」と「長い文章を最後まで読み切れるか」なので、その入口だけ作ります。時間計測はまだしません。 |
| 小 5(幅) | 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日は、算数の単元を立体 → 速さ → 規則性 → 数の性質の順に一巡(2 日)、理科の 4 分野を均等に回す(1 日)、社会は都道府県と地形・産業の基礎を統計の表とセットで覚える(1 日。この学校は統計から県を当てさせます)、国語は説明的文章の段落要約を習慣にする(1 日)。週末 60 分は算数の立体にあて、「切る・削る」まで触れておきます。国語について書いたこの指示は 2019 年度までの資料にもとづくもので、ただし 2020 年度以降は資料が無い(→ 13 節)ことを踏まえて進めてください。 |
| 小 6(仕上げ) | 上の「今からやるなら」8 項目(7 節)。過去問は年度通しで時間を計るのと、同じ座席(算数の大問 4・理科の大問 3・社会の大問 1)を縦に何年分も解くの両方をやります。座席が固定なので、縦解きの効率がとくに高い学校です。 |
小 5 で一巡する単元のうち、つるかめ算(個数を合計から逆算)・過不足算(余りと不足から人数を出す)・仕事算・旅人算などは教科書には無い受験用教材の単元です(→ 用語集)。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか: 差がつくのは小 5 での全分野の一巡ではなく、小 4〜小 5 で作る「長い文章を読み切る体力」と「立体を頭の中で扱う感覚」です。4 科目とも導入文が長く、算数でさえ大問 2〜4 は数百字の設定を読んでから解き始めます。理科は 40 分で 31〜35 問、社会は 40 分で 37〜38 問と、読む速度が足りないと知識があっても手が回りません。立体は算数の大問 4 に毎年来るうえ、平面図形の回転(2026 大問 3)や投影(2024 大問 4)にも形を変えて現れるので、小 4 のうちに積み木や展開図で遊んだ経験がそのまま効きます。逆に、細かい単元の一巡は小 5 で間に合います。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、の観点だけ)
観点は過去問演習が二重に効くかだけです。難易度・偏差値帯・通学圏・合格可能性は扱いません。入試日程の重なりは、自動集計が出した注記をそのまま写しています。
出題構造の近さで選ばれた上位 3 校は次のとおりです(近さは「大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置の単元の一致・設問文の言い回し」の距離と単元分布の類似を合成したもので、同じ問題が出るという意味ではありません)。
- 市川中学校(千葉県・共学): 4 科目とも近く、理科の小問数の多さと図表依存が近いので、理科の過去問はそのまま演習量になります。
- 早稲田中学校(東京都・男子校): 国語の設問の作り方が近い相手です。同じ「早稲田」でも別の学校で、出題は別物です。2027 年度は 2 月 1 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
- 立教新座中学校(埼玉県・男子校): 長い文章を読ませる点が近く、算数の大問構成はこちらより多めです。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
使い方の目安として、理科の演習量を増やしたいなら市川・本郷・千葉日大一、国語の設問の作りに慣れたいなら早稲田・西武学園文理・立教新座、算数の立体重視に近い相手を探すなら早稲田・市川、という組み合わせになります。社会は「地理 2 → 歴史 2 → 公民」の並びと統計読み取りの重さがこの学校に特有で、そのまま転用できる相手は併願候補ページの 8 校の中では市川・千葉日大一に限られます。
13. 資料の限界
- 入試回は 1 つだけです。この学校は年 1 回入試なので回の取り違えは起きませんが、そのぶん「別の回で練習する」という選択肢もありません。
- 国語は 2020 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ため、8-4 節に書いたのは 2016・2018・2019 年度に限った話です。直近の形式・出典・記述の字数は、市販の過去問集で必ず確認してください。
- 原本を読み直したのは各科目 3 年分(算数・理科・社会は 2024〜2026、国語は 2016・2018・2019)です。「3 年連続」と書いたものはすべてこの範囲で自分の目で確認したものです。それ以前の年について書いた「◯年に大問がある」は、自動集計の年度別の単元一覧を根拠にしており、設問文までは読み直していません。
- 図は転写できません。図形問題・天体・地層・天気図などは、設問文と図の説明文からの推定を含みます。とくに算数の立体と理科の作図は、実物の図を見ないと難度の実感が掴めません。
- 転写の確からしさが低めと記録されている冊があります(算数 2024〜2026、社会 2024・2025、理科 2026)。選択肢の細かい文言や記号の振り方には読み落としの可能性があります。大問の構成・題材・設問の骨格については支障ありませんでした。
- 配点の内訳は分かりません。科目ごとの満点(国算 100・理社 80)は学校の公表資料によりますが、大問別・設問別の配点は問題冊子にも解答用紙にも記載が確認できませんでした。
- 難易度・偏差値・合格可能性・入試結果・学校の理念や校風には触れていません。それらは別のページの領分です。
資料側の食い違い
- 4 節の表で、算数・理科・社会は「資料のある年 2010〜2026」に対して年数が 14 年、国語は「2011〜2019」に対して 7 年と記録されています。範囲の年数と一致しないので、範囲の中に転写の無い年が混じっていることになります。どの年が抜けているかは、この資料からは特定できませんでした。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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