成蹊中学校 の過去問分析
成蹊中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
成蹊中学校 過去問分析(2009〜2026 年度・第 1 回相当・最大 17 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都武蔵野市 |
| 男女 | 共学 |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2026 年 2 月 1 日・4 科(国語・算数・社会・理科)/第 2 回 2026 年 2 月 4 日・4 科(同じ 4 科目) |
| 試験時間 | 両回とも国語 50 分・算数 50 分・社会 30 分・理科 30 分 |
| 配点 | 両回とも国語 100 点・算数 100 点・社会 50 点・理科 50 点 |
| 募集 | 第 1 回は男子約 45 名・女子約 45 名の合計、第 2 回は男子約 20 名・女子約 20 名の合計 |
| 面接 | 第 1 回・第 2 回とも面接はありません |
上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 並びは変えず、中身は毎年作り直す学校です。大問の数と、どの位置にどの種類の問題が来るかはほとんど動きませんが、同じ問題が再登場することはほとんどありません。
- 算数は 16 年すべてで 6 大問、理科は 17 年すべてで 4 大問、社会は 17 年すべてで 2 大問、国語は資料のある 11 年すべてで「物語 → 論説 → 漢字書き取り 5 問」の並びです。
- 理科と社会は 30 分に対して読む文章が長く、そのうえ理科の記述は 3 年ともちょうど 3 問あります。時間内に読み切って書き切る練習が要ります。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1・2(計算 2 問+小問集合 6〜7 問)だけを、年度をまたいで縦に解きます。
- 社会の憲法の条文の空欄補充(2024 第 41 条・2025 第 14 条・2026 第 13 条)だけを、続けて見ます。
- 国語の大問 1 の最後の長い記述(75〜100 字)だけを、続けて書きます。
今週やる 1 つ
- 2024・2025・2026 の算数の大問 1・2 を 15 分で解き、8〜9 問を全問正解できる状態か確かめます。
注意
- 国語は 2023 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2022 年度までのものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの主要単元だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2024・2025・2026 | 精読した年をのぞく残りの年 | 2009〜2026・16 年 | 図のある小問が 45%。図そのものは転写できないため、図の説明文からの推定を含みます。転写の読み取り確度が低めの年が 16 年中 9 年(2024・2025 を含む) |
| 理科 | 2024・2025・2026 | 精読した年をのぞく残りの年 | 2009〜2026・17 年 | 写真・グラフ・表が多くなっています。転写の読み取り確度が低めの年が 17 年中 9 年(2024・2025 を含む) |
| 社会 | 2024・2025・2026 | 精読した年をのぞく残りの年 | 2009〜2026・17 年 | 資料番号([資料 1] など)まで読めます。転写の読み取り確度が低めの年が 17 年中 7 年(2024・2025 を含む) |
| 国語 | 2018・2021・2022 | 精読した年をのぞく残りの年 | 2009〜2022・11 年 | 2023 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。精読した 3 年は本文・設問とも読めます |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回について: この学校の一般入試は第 1 回(2 月 1 日・募集 90 名)と第 2 回(2 月 4 日・募集 40 名)の 2 回で、国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 30 分 50 点・理科 30 分 50 点の 4 科です(2026 年度募集要項)。両回とも同じ時間・同じ配点です。ところが過去問の転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、どちらの回のものかを区別できません。ここでは第 1 回相当として扱います。第 2 回の問題は市販の過去問集で別に確認してください。このほか帰国生を対象とする入試もありますが、この分析では扱っていません。
- 「毎年」「〜年連続」は、原本の設問文で 3 年以上の反復を確認したものに限って書きました。それ以前の年については、転写データの単元分類(大問ごとの主要単元)を数えたものだけを「転写の分類では」と断って書いています。
- 満点・設問別の配点は問題冊子に印刷されていません(精読した年で確認しました)。
5. 一番大きな結論
成蹊は「並びは変えず、中身は毎年作り直す」学校です。 大問の数と、どの位置にどの種類の問題が来るかは驚くほど動きません。しかし同じ問題が再登場することはほとんどありません。
- 算数は 16 年すべてで 6 大問です。しかも並びが固定されています。大問 1 は計算 2 問(精読した 3 年とも導入文が「次の計算をしなさい」。転写の分類では 2014〜2026 の 13 年続けて大問 1 が計算)、大問 2 は 6〜7 問の小問集合(文章題から入って後半 2 問が図形)、大問 3 以降が 1 テーマを 2〜4 問で掘る大問です。食塩水は 3 年ともどこかに必ずあり、速さは 3 年とも大問 5 か 6 にあります。
- 理科は 17 年すべてで 4 大問です。分野の並び順は毎年入れ替わりますが、「10 問ある大きな大問が 1 つ、残り 3 つが 3〜5 問」という配り方が 3 年連続で、その 10 問の大問は 3 年とも生き物・人体の長い読み物です(2024 トキ・2025 マングース・2026 胃のはたらき)。記述は 3 年ともちょうど 3 問です。
- 社会は 17 年すべてで 2 大問、小問 11〜17 問です。30 分でこの問題数なので 1 問あたり 2 分前後かけられます。歴史の大問は 3 年とも近現代で、そして憲法の条文の空欄補充が 3 年連続です(第 41 条 → 第 14 条 → 第 13 条)。
- 国語は資料のある 11 年すべてで「物語 → 論説 → 漢字書き取り 5 問」の並びです。記述と記号選択が拮抗し、字数指定は大問 1 の最後の 1 問だけに付く年が続きます(2018 百字以内・2021 七十五字以内・2022 七十五字以内)。
したがって過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではなく、①同じ座席(問題の置き場所)に来る問題を年度をまたいで縦に解く(算数の大問 1・2 と食塩水、社会の憲法条文、国語の大問 1 最後の長い記述)、②与えられた文章・資料から理由を組み立てて書く練習(理科と社会の記述)、の二つに近くなります。ここで言っているのは「同じ問題が出る」ではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ということです。特に①は、この学校の並びの固定を知っていればそのまま得点計画になります。
科目ごとの要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。16 年すべて 6 大問・小問 14〜22(精読した 3 年は 19〜22)・50 分。答えだけを書く短答(語句や数値を短く答える形式)がほぼ 100%、記号選択も記述も無い | 前半(計算 2 問+小問集合 6〜7 問)で 4 割強。後半は食塩水・速さ・水量・立体・平面図形・数の性質から 4 題 | 前半 8〜9 問を 15 分で確実に取ること。次に食塩水の「やりとり」と速さの追いかけ |
| 理科 | 高い。17 年すべて 4 大問・30 分。小問 22〜30。記述は 3 年とも 3 問 | 長い読み物(生き物・人体が 10 問)+物理・化学・地学が 3〜5 問ずつ。学校の中で撮った写真や学校の実習が題材になる | 記号選択で「ふさわしくないもの」を 1 文ずつ判定する練習と、資料から理由を書く記述 3 問 |
| 社会 | 高い。17 年すべて 2 大問・30 分。小問 11〜17 | 近現代史と憲法・国際が柱。地理は資料の中に混ざって出る。前年〜当年の話題が入口になる | 近現代史(明治以降)を年表でと、本文・資料を根拠に理由を書く記述 |
| 国語 | 高い(資料のある 11 年では)。物語 → 論説 → 漢字 5 問・50 分・小問 15〜20 | 同時代の日本の作家の物語と、中学生向けの新書・エッセイ。記述が設問の 3〜5 割 | 理由・内容説明の記述と、指定語を入れて書く練習。字数指定のある 1 問(75〜100 字)の書き方 |
科目ごとに求められる作業が違います。算数は「速く正確に」、理科は「読んで判断して 3 問書く」、社会は「少ない問題数を深く読んで書く」、国語は「条件どおりに書く」。4 科目のうち 3 科目で「文章や資料を読んでから答える」構えが共通しています。
6. この学校らしさが出る場所
- 理科に学校そのものが出てきます。 2024 は「成蹊気象観測所(設立 99 年目)」と理科棟屋上の全天カメラで撮った雲の写真、百葉箱の乾湿計、生物フロアの標本コーナー。2025 は学校から見えたダイヤモンド富士。2026 は高校 2 年生が校内を歩いて地図を作る実習とクリノメーター。3 年連続で、学校で実際に撮った写真や学校の設備を読ませています。市販の問題集では代わりが利かないので、過去問そのもので慣れておく価値があります。
- 「自分はどう考えるか」を書かせる設問が理科・社会に入ります。2024 理科「オオカミの再導入に賛成か反対か、理由も」、2026 理科「あなたがこれからできることを考え、文で書きなさい」、2026 社会「削減目標を明記した厳しいルールと明記しない緩いルールでは、それぞれなぜ効果が低くなると考えられますか」。知識の再生ではなく、読んだ内容を材料にして自分の言葉で答えを組む設問です。
- 社会は「今起きていること」から歴史・憲法へ渡ります。 2024 はウクライナ侵攻とドイツでの生活からエネルギー政策と憲法第 41 条へ、2025 は前年放映のテレビドラマから憲法第 14 条と一票の格差へ、2026 はプラスチック条約の交渉から憲法第 13 条と SDGs へ。時事そのものを問うのではなく、時事を入口にするという作り方が続いています。
- 国語の題材が「人と人・人と生き物のつながり」に寄っているように見えます。物語は老犬の看取り(2018)、自分の名前と母(2021)、養蜂場と意見を言うこと(2022)。論説は動物園と人間(2021)、まちと人のつながり(2022)、働くこと(2017)。理科の生き物の大問(トキ・マングース)や社会の環境の大問とも響き合っていて、4 科目を通して「人と自然・人と社会の関わり」という色が見えます。
- 算数だけは色がありません。文章題の設定は買い物・水そう・家から駅へ、と標準的で、凝った設定や長い読み物は出ません。算数は正統的な処理力を素直に測る作りになっています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。過去問を使った縦の演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の道筋は 11 節にまとめました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数の前半 8〜9 問を「15 分・全問正解」の基準で — 大問 1 の計算 2 問と大問 2 の小問集合 6〜7 問は、16 年すべて同じ位置にあります。ここだけを 2024・2025・2026 と年度をまたいで縦に解き、時間を計ります。全体の 4 割強がここにあります。あわせて、答えの形の指定(「最も簡単な整数の比で」「何分何秒」「何倍」「毎分何 m」)を最後に見直す 1 分を残してください。計算が合っていても形式で落とすのが最ももったいないところです。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・食塩水を「移す・加える」まで — 2025 は容器 3 つの間でやりとり、2026 は食塩と水を 2 容器に分ける、2024 は水を毎分 120g 加え続ける、という設定です。単純な混合では足りません。てんびん図か食塩の重さの表で管理する手順を固めます。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・近現代史を年表で — 歴史の大問は 3 年とも明治以降です(2024 沖縄の年表、2025 第一次世界大戦〜満州事変、2026 明治百年と昭和 100 年)。転写のある 17 年で見ても近世以前が大問の柱になった年は見当たりません。幕末から現代までを、条約名・戦争名・首相名まで年表で押さえます。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 社会・憲法の条文を文言で — 第 41 条(2024)、第 14 条(2025)、第 13 条(2026)と 3 年連続で条文の空欄補充が出ています。前文・第 9 条・第 25 条を含め、主要条文は音読して文言で覚えます。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 理科・「ふさわしくないもの」を選ぶ練習 — 3 年とも複数出ます。4 つのうち 3 つが正しい文なので消去法が効きません。選択肢を 1 文ずつ ○ × で判定して記録する解き方に切り替えます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科・記述 3 問を書き切る — 3 年ともちょうど 3 問、字数指定なしです。①現象の理由(「朝に虹が見えると天気が悪くなるのはなぜか」2025)、②資料から筋道を立てる(「胃を切除した人はどんな食事が好ましいか」2026)、③自分の意見(「あなたがこれからできることを書きなさい」2026)。30 分の中で 3 問書く時間配分を先に決めておきます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 社会・「本文を参考にして」の記述 — 記述は年 1〜4 問と幅がありますが、3 年とも「本文・資料を参考にして」が付きます。知識を書く記述ではなく、渡された文章から理由を取り出して並べる作業です。線を引きながら読む習慣がそのまま得点になります。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 国語・記述は指定語を入れて、大問 1 の最後は 75〜100 字で — 条件つきの記述が続きます。「『権利』という言葉を使って」(2022)、「『正しい』・『状況』の二語を用いて」(2018)、「『そのとき』の状況もふくめて」(2021)。条件を満たさないと内容が合っていても届かないので、書き終えたら条件に線を引いて確認する手順を癖にします。大問 1 の最後の長い記述は 2018 百字以内、2021・2022 七十五字以内で、しかも 2021・2022 は気持ちの「変化」の理由を書かせています。前の状態・後の状態・変えたきっかけの 3 点を必ず入れる書き方を決めておきます。(確認: 〜2022 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(50 分・100 点)
年度×大問の題材表(2024〜2026 を設問文で精読)
| 年 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 計算 2 問(1 問目に「2024÷11」) | 小問集合 6 問(食塩水に水を加える・つるかめ(バス)・角度(正方形と正五角形)・売買損益・割合と比(アメ玉)・立体(立方体から角柱をくり抜く)) | ニュートン算(水そうとポンプ) | 規則性(各位を並べかえた最大数−最小数を繰り返す・2024 回目) | 平面図形(直角三角形に内接する円・角度→面積→周の長さ) | 速さとグラフ(長方形の周上を動く点 P・Q と三角形の面積) |
| 2025 | 計算 2 問 | 小問集合 7 問(つるかめ(サンドイッチとおにぎり)・仕事算(A 管 B 管)・和差算・資料の読み取り+平均・角度(正方形の回転)・円とおうぎ形(半円を 12 等分)) | 食塩水(容器 A・B・C の間でやりとり) | 数の性質(4 桁のクーポン番号・手順で計算した数が 10 で割り切れる) | 速さとグラフ(家から 3200m の駅・忘れ物で走って戻る A さん) | 水量とグラフ(仕切りとおもりの入った容器) |
| 2026 | 計算 2 問(1 問目に「2026÷2」) | 小問集合 6 問(売買損益(りんごとみかんの割引)・和差算(本を読む)・割合と比(兄と弟の所持金)・角度(正方形と直角三角形)・仕事算(A・B・C の 3 人)・円とおうぎ形(直角二等辺三角形と円の一部)) | 食塩水(食塩 30g と水 220g を 2 容器に分ける) | 平面図形(2 種類のタイルを敷き詰めた面積と周の長さ) | 速さ(家から 3600m の駅・弟の忘れ物に気づいた兄が自転車で追う) | 立体(立方体 3 個を並べた立体の切断・体積+切り口の作図) |
大問の並びが固定されています
- 精読した 3 年とも 6 大問です。小問は 19・22・20 問。転写のある 16 年(2009〜2026)すべてで大問 6 で、小問数も 14〜22 の幅に収まります。
- 大問 1 は計算 2 問です。導入文は 3 年とも「次の計算をしなさい」。1 問目が四則混合の整数式、2 問目が分数・小数の混じった式という並びも 3 年同じです。2024 は式の中に「2024÷11」、2026 は「2026÷2」と西暦がそのまま入ります(2025 は入りませんでした)。
- 大問 2 は 6〜7 問の小問集合です(転写の分類では 2016〜2026 の 11 年続けて大問 2 が文章題系)。3 年とも文章題(つるかめ・売買損益・和差算・割合と比・仕事算)から入り、後半 2 問が図形(角度 → 円とおうぎ形/立体)という並びまで揃っています。角度は 3 年連続で、しかも 3 年とも「正方形と別の図形を組み合わせた図の角ア」(2024 正五角形・2025 正方形の回転・2026 直角三角形)という同じ作り方です。
- 大問 3 以降は 1 テーマを 2〜4 問で掘る大問です。食塩水は大問 3 に 2 年連続(2025・2026)、2024 は大問 2(1) に入っていて、3 年とも必ずどこかに食塩水があります。転写のある 16 年で見ても食塩水は最も多く出る細かい単元です。
- 最後の 2 大問は「速さ・水量・立体」から 2 つです。3 年とも大問 5 か 6 に速さが入り(2024 大問 6・2025 大問 5・2026 大問 5)、残りが水量とグラフ(2025)か立体(2026)か平面図形(2024)です。
同じ種類の問題が同じ場所に来る、の実例
2025 大問 5 と 2026 大問 5 は設定まで似ています。2025 は「A さんと B さんが一緒に家を出て 3200m 離れた駅に向かったが、A さんが忘れ物に気づいて走って家に戻り、しばらく探してから追いかける」。2026 は「弟が 8 時に家を出て 3600m 離れた駅に 8 時 45 分に着くよう歩き、弟の忘れ物に気づいた兄が自転車で追う」。同じ問題ではありませんが、「家 → 駅・忘れ物・戻る/追う」という骨組みを 2 年続けて作り替えています。設問の聞き方も「速さは毎分何 m ですか」「比を最も簡単な整数の比で表しなさい」で共通します。
単元ごとの中身
- 計算 2 問 — 3 年とも大問 1 は分数・小数・かっこの混じった四則計算 2 問です。逆算(□にあてはまる数を求める計算)はこの 3 年では出ていませんが、括弧が三重(2025 は { } を含む)になる年があります。
- 小問集合の 6〜7 問 — つるかめ・売買損益・和差算・割合と比・仕事算・平均・資料の読み取り。ここが 6〜7 問あり、大問 1 と合わせて 8〜9 問。全体の 4 割強がこの前半にあります。
- 「正方形+別の図形」の角度 — 3 年連続です。正多角形の内角、二等辺三角形の底角、回転による合同の 3 手で解ける形が続いています。
- 食塩水 — 2025 は容器 3 つの間で移す、2026 は 1 つの食塩と水を 2 容器に分ける、2024 は水を毎分 120g 加え続ける。単純な混合ではなく移動・追加を伴う設定なので、てんびん図か食塩の重さの表で管理する練習が効きます。
- 速さは「グラフ」と「追いかけ」の両方 — 2024 は点の移動とグラフ(ア・イに入る数)、2025 はグラフつきの追いかけ、2026 はグラフなしの追いかけです。ダイヤグラムを自分で描いて解く手順を作っておきます。
- 水量とグラフ(仕切り・おもり入り)— 2025 大問 6 は仕切りの片側に円柱のおもりです。転写のある 16 年で水量は 6 回出ており、2022・2023・2025 と 3 年で 2 回のペースです。
- 立体の切断 — 2026 大問 6 は立方体 3 個を並べた立体を 3 点で切る問題で、体積と切り口の作図です。切り口を「面ごとに直線で結ぶ」手順を手で描けるようにします。
- 数の性質・規則性の「操作をくり返す」問題 — 2024 大問 4(各位を並べかえた最大数−最小数を繰り返す)、2025 大問 4(4 桁の番号に手順を施して 10 で割り切れるか)。どちらも初見の手順書を読んで実行する問題で、小さい数で試して規則を見つける進め方が共通です。
- 平面図形は面積比と周の長さ — 2024 大問 5(内接円と直角三角形)、2026 大問 4(タイルの敷き詰め・周の長さがタイル 1 枚の何倍か)。面積だけでなく周の長さを聞く問題が 2 年で 2 回出ています。
形式面
- 精読した 3 年で記号選択も記述もゼロです。答えだけを書く短答が 2024・2025 は 100%、2026 は 19 問中 18 問。
- 作図は 2026 の 1 問だけです(大問 6(2)「3 点 A, C, F を通る平面で切ったときの切り口の図形を解答欄の図に書き入れなさい」)。ただし転写のある年をさかのぼると作図はときどき現れ、定規・コンパスの但し書きも見えます(→ 10 節)。定規・コンパスは持って行く前提で用意しておきます。
- 単位・書き方の指定が細かくなっています。「最も簡単な整数の比で表しなさい」(2025 大問 5(1)・2026 大問 3(2))、「何分何秒」(2024 大問 2(1)・2026 大問 5(3))、「毎分何 m」「毎秒何 cm」。答えの形を読み落とすと計算が合っていても取れません。
- 図のある小問が 45%(16 年平均)。図 1・図 2 …と番号が振られ、本文から図を参照する形が固定しています。
8-2. 理科(30 分・50 点)
年度×大問の題材表(2024〜2026 を設問文で精読)
| 年 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | トキ(10 問)— 里山・水田の減少・絶滅危惧種のリスト・食物連鎖のつり合い・逃避距離のグラフ・オオカミの再導入への賛否 | 電気回路(スイッチ 2〜4 個と豆電球 3〜5 個・点灯のしかたは何通りか・回路図の作図) | 燃焼(アルコール・温度計の液体・アルコールランプの使い方・2 種類のアルコールの重さと発生量) | 気象(成蹊気象観測所・理科棟屋上の全天カメラで撮った雲・百葉箱の乾湿計と湿度表) |
| 2025 | 気象(学校から見えたダイヤモンド富士・気象衛星画像の動く向き・夕焼けと天気・朝の虹) | マングース(10 問)— 動物の分類の順・ハブとネズミの関係・世界自然遺産・捕獲数の表・根絶宣言 | ふりこ(先生と生徒の会話文・糸の長さとの関係・400cm のとき・間違った仮説だといくつになるか) | 溶解度と再結晶(食塩とミョウバン・結晶の形・ふたつき容器の重さ・40℃ と 10℃) |
| 2026 | 金属と資源(レアメタル・都市鉱山・スチールウールと塩酸・「電気のかんづめ」・自分にできることを書く) | 車 A と車 B の追い越し(距離のグラフ・相手から見た速さ)→ 浅くなる海の波 | 校内を歩いて地図を作る実習(クリノメーターと方位磁針・棒磁石を近づけた写真・針が同じ向きを向く理由) | 胃のはたらき(10 問)— 18 世紀の胃の研究史・実験 1〜5 から胃と胃液のはたらきを順に絞る・胃を切除した人の食事 |
形の固定と、中身の入れ替わり
- 精読した 3 年とも 4 大問、小問は 23・23・25 問です。転写のある 17 年(2009〜2026)すべてで 4 大問、小問 22〜30 問。30 分で 23〜25 問なので 1 問 1 分強です。
- 一方、物理・化学・生物・地学の並び順は毎年入れ替わります。3 年で見ると生物が大問 1(2024)→ 大問 2(2025)→ 大問 4(2026)と動きます。「大問 1 は必ず◯◯」という並びはありません。
- ただし小問の配り方には固定があります。3 年とも「10 問ある大きな大問が 1 つ、残り 3 つが 3〜5 問」という形です。しかもその 10 問の大問は 3 年とも生き物・人体の話(トキ・マングース・胃)で、長い読み物を読ませてから設問が続きます。ここが理科の 4 割を占めます。
- 記述は 3 年ともちょうど 3 問です(2024・2025・2026)。字数指定はなく、「説明しなさい」「理由を答えなさい」「文で書きなさい」という聞き方です。
問い方
- 記号選択が主軸です(60%・52%・70%)。言い回しがほぼ固定で、「最もふさわしいものを、次のア〜エの中から 1 つ選び、記号で答えなさい」と、「ふさわしくないものを」1 つ選ばせる形が 3 年とも複数出ます。後者は選択肢 4 つのうち 3 つが正しい文なので、消去法が効かず 1 文ずつ真偽を判定する必要があります。
- 短答は語句だけでなく「実験 3 からわかる胃のはたらきを答えなさい」「実験 4 で 37℃ に保った理由を答えなさい」(2026)のように短い文で答えさせるものが混じります。
- 記述 3 問の中身は 3 年とも似た性格です。①現象の理由を説明する(2025「朝に虹が見えると天気が悪くなる理由」、2024「温度計の液体が上がるとどうなる性質か」、2026「方位磁針の針が同じ向きを向くのはなぜか」)、②資料から筋道を立てて考える(2025「根絶を宣言しなかった理由」、2026「胃を切除した人はどんな食事が好ましいか」)、③自分の意見を書く(2024「オオカミの再導入に賛成か反対か、理由も」、2026「あなたがこれからできることを考え、文で書きなさい」)。
- 数値計算は多くありません。3 年で目立ったのは 2025 のふりこ(糸の長さ 400cm のときの周期を表から推定)と 2024 の電気回路(点灯のしかたが何通りか)くらいで、計算より「読んで判断する」設問が中心です。
この学校らしさ
学校の中にあるものが題材になります(実例は 6 節)。写真が図として貼られ、その写真から読み取らせる作りなので、市販の問題集では代わりが利きません。
形式面
- 作図は 2024 の 1 問(大問 2(5) 回路図に豆電球 1 つと導線を描き加える)。2025・2026 にはありませんでした。転写のある年をさかのぼると作図はときどき現れます。
- 字数指定のある年は 17 年で 1 冊のみです。解答欄の大きさが分量の目安になります。
- 図のある小問が 47%(17 年平均)。写真・グラフ・表がよく出ます。
8-3. 社会(30 分・50 点)
年度×大問の題材表(2024〜2026 を設問文で精読)
| 年 | 大問 1 | 大問 2 |
|---|---|---|
| 2024 | 社会科の先生のドイツ滞在記(2022 年 4 月〜2023 年 3 月)— ウクライナ侵攻とエネルギー・「9 ユーロチケット」・家賃・2011 年の脱原発・憲法第 41 条の空欄・新首相の写真(7 問) | 沖縄(琉球)の年表 — 1609 年の薩摩侵攻から皇太子の沖縄訪問まで(4 問) |
| 2025 | 戦争と国際秩序 — 第一次世界大戦・日英同盟・パリ講和会議・ルール占領と満州事変の比較・国際連盟規約(6 問) | 「虎に翼」と日本国憲法第 14 条 — 女性差別・参議院選挙・一票の格差の違憲判決・選挙区の県の位置と県庁所在地・JR 西日本の資料(5 問) |
| 2026 | プラスチックごみと国際条約 — 憲法第 13 条の空欄・SDGs の目標アイコン・産油国が規制に反対する理由・世界の生産量のグラフ・漂着ごみの観測地点と言語表記(11 問) | 「昭和 100 年」— 1968 年の「明治百年」記念行事・当時の首相・製糸業・資源をめぐる対立・この 100 年の出来事(6 問) |
形の固定
- 精読した 3 年とも 2 大問です。転写のある 17 年(2009〜2026)すべてで 2 大問。小問は 11・11・17 問で、17 年平均が 11.8 問。30 分で 11〜17 問なので 1 問に 2 分前後かけられます。他校に比べて問題数が少なく、1 問あたりの読む量と書く量が多い構成です。
- 3 年とも「長い文章・年表・資料を読ませてから設問を並べる」形です。1 大問 = 1 分野ではなく、1 つの読み物の中で歴史・公民・地理がつながって出ます(2026 大問 1 はプラスチックの話から憲法第 13 条 → SDGs → 国際会議の立場 → 世界の生産量グラフ → 漂着ごみの県、と渡っていきます)。
- [資料 1][資料 2][地図 1] のように番号を振った資料が 3 年とも付きます。
中身は近現代史と憲法・国際に大きく偏ります
- 歴史の大問は 3 年とも近現代です(2024 は幕末〜戦後の沖縄、2025 は第一次世界大戦〜満州事変、2026 は明治百年と昭和 100 年)。転写のある 17 年の分類でも、大問の主要単元は「近代の戦争と大正・昭和前期」「幕末・明治維新」「戦後・現代」がほとんどを占め、古代・中世が大問の柱になった年は見当たりません。歴史は明治以降に集中して時間をかける価値がある学校です。
- 憲法の条文の空欄補充が 3 年連続です(2024 第 41 条「国権の( )機関であって、国の唯一の( )機関」、2025 第 14 条、2026 第 13 条)。条文そのものを読ませる形なので、主要条文は文言で覚えておく価値があります。
- 地理は単独の大問にならず、資料の中に混ざって出ます。2025 は選挙区の県の位置と県庁所在地、2026 は漂着ごみの観測地点が何県かと海流・言語表記。純粋な地形・農業・工業の出題は 3 年で目立ちませんでした。
問い方
- 記号選択が主軸です(71%・45%・45%)。「2 つ選びなさい」が 3 年とも出ます(2024 は地図から 3 か国、2025 大問 1 問 6A「異なるものを 2 つ」・大問 2 問 2「当てはまらないものを 2 つ」、2026 問 2A「ふさわしいものを 2 つ」)。1 つだけ選ぶ問題と混在するので、指示の読み落としが失点になりやすいところです。
- 記述は年によって 1〜4 問と幅があります(2024 は 11 問中 4 問、2025 は 11 問中 1 問、2026 は 17 問中 3 問)。字数指定はありません。
- 記述の中身は 3 年とも「本文・資料を参考にして」が付きます。2026「産油国であるサウジアラビアは、なぜプラスチックの生産規制に反対していますか。考えられる理由について本文を参考にして説明しなさい」、2024「政府が『9 ユーロチケット』などの割安チケットの販売をはじめたのはなぜですか。本文と[資料 1]を参考にして 2 つ答えなさい」。知識を書き出す記述ではなく、渡された文章から理由を組み立てる記述が中心です。
- 2025 大問 1 問 5 のように、A・B・C と枝分かれして「ルール占領はどうなったか」「満州事変はどうなったか」「なぜ異なる結果になったか」と比較して説明させる設問もあります。
- 地図に位置を記す設問が 2025 にあります(選挙区の県の位置を記号で記し、県庁所在地名を漢字で)。
この学校らしさ
- 前年〜当年の出来事が入口になるのが 3 年連続です。2024 はウクライナ侵攻とドイツの生活、2025 は 2024 年放映の NHK 連続テレビ小説「虎に翼」とその年の夏の参議院選挙、2026 は「昭和 100 年」と国際的なプラスチック条約の交渉。ただし時事そのものを問うのではなく、時事を入口にして憲法・近現代史・国際関係につなげます。
- 大問 1 が「一人の書き手の体験談」(2024 のドイツ滞在記)という年もあり、教科書の順ではなく読み物から入る姿勢が続いています。
8-4. 国語(50 分・100 点)
国語は 2023 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2009〜2022 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。以下は設問文を精読した 2018・2021・2022 の 3 年を中心に、転写のある 11 年(2009〜2022)の分類を添えたものです。
年度×大問の題材表(2018・2021・2022 を設問文で精読)
| 年 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2018 | 物語(10 問)— 老犬を看取る施設で働き始めた智美。記述 6 問(うち「百字以内」1 問) | 論説(9 問)— 「問い方のマジック」。接続語・空欄補充・記述 3 問(うち「第三のアイデアを提案してみましょう」)・末尾に漢字 5 問 | (大問 2 の中に漢字) |
| 2021 | 物語(8 問)— 「なまえのゆらい」という作文の宿題から、自分の名前をめぐる母娘の話。記述 3 問(うち「七十五字以内」1 問) | 論説(7 問)— なぜ人間は動物園をつくるのか。記述 2 問 | 漢字の書き取り 5 問 |
| 2022 | 物語(8 問)— 養蜂場のおじさんを訪ねる雅也。記述 4 問(うち「七十五字以内」1 問) | 論説(7 問)— ふるさと・商店街・人と人のつながり。記述 2 問 | 漢字の書き取り 5 問 |
形の固定(精読した年に限れば)
- 「物語 → 論説 → 漢字」の並びが固定しています。転写のある 11 年すべてで大問 1 が文学的文章、大問 2 が説明的文章です。漢字は独立した大問 3 になる年(2016・2021・2022)と、大問 2 の最後の 1 問にまとめられる年(2018)があります。どちらでも書き取り 5 問という数は変わりません。
- 小問は 15〜20 問。大問 1 が 8〜10 問、大問 2 が 7〜9 問です。
- 漢字は書き取りのみ 5 問(読みは出ていません)。2021「ソンガイ・エンソウ・ツクエ・ヒミツ・ソめる」、2022「オウボウ・ロウドク・ニンショウ・ナンイド・マカせる」。訓読みの送り仮名を含む問題が両年とも 1 問ずつあります。
問い方
- 記述と記号選択が拮抗します。精読した 3 年で記述は 9 問(2018)・5 問(2021)・6 問(2022)、記号選択は 8 問・8 問・5 問。設問の半分近くが書く問題という年(2018 は 19 問中 9 問)もあります。
- 字数指定は「1 問だけ」付く年が続きます。2018 大問 1 問七「百字以内」、2021 大問 1 問七「七十五字以内」、2022 大問 1 問八「七十五字以内」。それ以外の記述には字数指定がなく、解答欄の大きさが分量の指示になります。大問 1 の最後の記述が一番長いという並びが 3 年とも共通です。
- 記述の聞き方が決まった形になっています。「――線部◯『……』とあるが、それはなぜか。理由を説明しなさい」がいちばん多く、次いで「……とはどういうことか、説明しなさい」。さらに条件つきの記述が加わります —「『権利』という言葉を使って説明しなさい」(2022)、「『正しい』・『状況』の二語を用いて」(2018)、「『そのとき』の状況もふくめて」(2021)、「『不景気ネイティブ』ということばの意味を考えて」(2022)。指定語を必ず入れる練習が要ります。
- 登場人物の気持ちの「変化」を追わせる記述が 2 年連続です(2021 大問 1 問七「捉え方が変化した理由を七十五字以内で」、2022 大問 1 問八「雅也の気持ちの変化を中心に七十五字以内で」)。前と後の 2 点を書いて、その間に何があったかをつなぐ形です。
- 語句の意味を選ばせる設問が 3 年とも入ります(「きぜんと」2022、「拍車をかけた」2021、「あからさまに」「気がおけない」2018)。慣用句・副詞の意味を知識として持っているかを聞いています。
- 抜き出しは字数指定つきです(「四字で」「十五字で」「二字で」)。空欄補充の接続語(ア あるいは/イ つまり/ウ では …)は 2018・2021・2022 の 3 年とも大問 2 に入ります。
- 2018 大問 2 問七は「『第三のアイデア』を提案してみましょう」という自分の考えを書かせる設問です。11 年で 1 度しか確認できていませんが、社会・理科でも意見を書かせる設問が近年出ているので、頭の隅に置いておきたいところです。
出典(資料のある年)
物語は重松清『きみのともだち』(2009)『砲丸マグマ』(2017)、江國香織(2011)、伊集院静(2014)、加藤千恵(2016)、近藤史『さいごの毛布』(2018)、角田光代「名前」(2021)、村上しいこ『みつばち5と少年』(2022)。同時代の日本の作家が中心で、中学生前後の子どもが人や動物との関わりの中で考えを変えていく話が多くなっています。論説は鷲田清一(2009)、斎藤孝『コミュニケーション力』(2011)、西江雅之『食べる』(2013)、竹内一郎(2014)、小田嶋隆『13 歳のハードワーク』(2017)、苫野一徳『勉強するのは何のため?』(2018)、岸田秀(2021)、山崎亮『ふるさとを元気にする仕事』(2022)。中学生に向けて書かれた新書・エッセイが繰り返し選ばれ、テーマは「働くこと」「コミュニケーション」「人と自然」「まちと人のつながり」に寄っています。2023 年度以降の出典は資料にありません。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
転写の単元分類(2009〜2026・国語は 2009〜2022)で大問の主要単元として数えたものです。精読していない年の細部は保証しません。最終確認年度は、その単元を最後に確認できた年度です。
| 科目 | 単元 | 大問で出た年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 流水算 | 2011・2021・2023 | 2023 年度 | 2023 以来 3 年なし。速さ系の中では最も長く空いている |
| 算数 | つるかめ算を大問に | 2011・2018・2021・2022・2025 | 2025 年度 | 2025 は大問 2 の 1 問目。単独の大問としては 2022 が最後 |
| 算数 | 場合の数 | 2016(2025 大問 4(2) に小問) | 2016 年度(大問) | 大問としては 10 年空いている |
| 算数 | 規則性・数列 | 2017・2021・2022・2024 | 2024 年度 | 3〜4 年周期。2024 以来 2 年 |
| 算数 | 平均算・資料の読み取り | 2014・2015・2019(2025 大問 2(4)) | 2019 年度(大問) | 大問としては長く空き、小問集合の中に入る形に落ち着いている |
| 算数 | 立体図形 | 2010・2015・2016・2022(切断)・2026 | 2026 年度 | 4〜6 年周期だが 2026 に戻った。切断+作図の形は 2022 と 2026 |
| 理科 | 光(鏡・レンズ・屈折) | 2009・2012・2020・2023 | 2023 年度 | 3〜8 年周期。2023 以来 3 年なし |
| 理科 | 水溶液の性質・判別 | 2009・2011・2019・2022 | 2022 年度 | 2022 以来 4 年。化学は 2024 燃焼 → 2025 溶解度 → 2026 金属と回っており、水溶液の判別が空いている |
| 理科 | 地層・岩石/流水のはたらき | 2012・2017・2023 | 2023 年度 | 5〜6 年周期。2023 以来 3 年 |
| 理科 | 星・星座 | 2009・2018 | 2018 年度 | 9 年周期で、2018 以来 8 年空いている。地学は 2024 気象 → 2025 気象 → 2026 磁石と回っている |
| 理科 | 月 | 2014・2022 | 2022 年度 | 8 年周期。2022 以来 4 年 |
| 理科 | 地震・火山 | 2015・2016・2020 | 2020 年度 | 2020 以来 6 年 |
| 理科 | てこ・つり合い | 2015・2017・2022 | 2022 年度 | 2022 以来 4 年。物理は 2024 電気 → 2025 ふりこ → 2026 運動と波・磁石と回っている |
| 理科 | 植物のつくりとはたらき | 2009・2011・2012・2014・2023 | 2023 年度 | 生物の大問は 2024〜2026 が動物・人体で 3 年続き、植物が 2023 以来 3 年なし |
| 理科 | 気体の性質 | 2011・2015・2017 | 2017 年度 | 2017 以来 9 年 |
| 社会 | 三権分立・国会・内閣・裁判所を大問の柱に | 2010・2013(2024 大問 1 問 5(2) に憲法第 41 条の小問) | 2013 年度(大問) | 大問としては 2013 以来 13 年なし。憲法の空欄補充とセットなので戻る余地はある |
| 社会 | 地方自治 | 2015・2018(2026 大問 1 問 1 に条例の小問) | 2018 年度(大問) | 大問としては 2018 以来 8 年 |
| 社会 | 選挙制度 | 2014・2025 | 2025 年度 | 11 年空いて 2025 に戻った |
| 社会 | 農業・畜産 | 2009 | 2009 年度 | 17 年で 1 回。産業分野は大問の柱になりにくい |
| 社会 | 人口・都市問題 | 2017(2025 大問 2 問 5 に一票の格差と過疎の小問) | 2017 年度(大問) | 大問としては 2017 以来 9 年 |
| 社会 | 貿易・資源・エネルギー | 2024 | 2024 年度 | 2024 に初めて大問の柱になった。エネルギーは 2026 の産油国の設問にも顔を出す |
| 社会 | 江戸時代(近世) | 2019 | 2019 年度 | 17 年で 1 回。歴史の大問はほぼ近現代 |
| 国語 | 漢字を独立した大問 3 にする | 2016・2021・2022 | 2022 年度 | 2018 のように大問 2 の末尾に置く年もある。どちらでも 5 問 |
| 国語 | 自分の考え・提案を書かせる設問 | 2018 | 2018 年度 | 資料のある 11 年で 1 回。理科・社会では 2024〜2026 に出ている |
| 国語 | 学校文法・敬語の設問 | 資料のある 11 年では確認できず | — | 語句の意味を選ばせる設問はあるが、品詞・敬語は見当たらない |
10. 形式面の注意
- 試験時間と配点(2026 年度募集要項・第 1 回/第 2 回とも同じ): 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 30 分 50 点・理科 30 分 50 点。社会と理科が 30 分で、しかも読む文章が長くなっています。時間配分の練習が要ります。
- 算数は答えだけを書きます。精読した 3 年で記号選択も記述もゼロ。途中式の欄は見当たりません。
- 算数の答えの形の指定が細かくなっています。「最も簡単な整数の比で表しなさい」「何分何秒」「何倍」「毎分何 m」「毎秒何 cm」。
- 円周率の指定は精読した 3 年の設問文からは確認できませんでした。冊子の冒頭の注意書きにある可能性が高いので、過去問集で確認してください。
- 定規・コンパス: 転写のある年に「なお、定規・コンパスを使用してもしなくてもかまいません」という但し書きが 2010・2014 に見えます。持参の指示は募集要項で確認してください。
- 作図: 算数は 2026 に 1 問(立体の切り口を解答欄の図に書き入れる)、理科は 2024 に 1 問(回路図に豆電球と導線を描き加える)。毎年ではありませんが、出たときに手が止まらないよう練習しておきたいところです。
- 字数指定: 国語は大問 1 の最後の記述 1 問だけに付く年が続きます(75 字・100 字)。理科・社会の記述には字数指定がなく、解答欄の大きさが分量の指示になります。
- 漢字指定: 社会に「県庁所在地名を漢字で答えなさい」(2025)があります。
- 複数選択: 社会は「2 つ選びなさい」が 3 年とも出ます。1 つだけ選ぶ問題と混在するので指示の読み落としに注意してください。
- 図・資料の番号: 算数は「図 1」「図 2」、社会は「[資料 1]」「[地図 1]」と番号が振られ、本文から参照する形が固定しています。
11. 学年別ロードマップ
| 段 | 何をするか | この学校での重み |
|---|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(分数・小数・かっこの混じった四則)、図形(正方形と正多角形を組み合わせた図で角度を求める)、読解(線部の言い換えを口で言う)、短い記述(理由を 1 文で)、漢字語彙の 5 本です。成蹊で最終的に効く単元の入口は「割合と比」「正方形+別の図形の角度」「水そうと水の量」 | 差はほぼありません。時間計測はまだしません。ただし算数の計算は 2 問で 1 点も落とせない位置にあるので、計算の正確さだけは早くから積みます |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終えることが目標です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は、算数は 8-1 の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として次の順に回します(つるかめ算(個数を合計から逆算・受験用教材の単元)→ 売買損益 → 和差算 → 割合と比 → 仕事算(何人・何台で分担したときの日数を求める・受験用教材の単元)→ 平均 → 食塩水 → 速さとグラフ → 水量とグラフ → 平面図形の面積比 → 立体 → 数の性質 → 規則性)。平日のうち 1 日は社会にあて、明治以降の通史を年表で一巡し、憲法の主要条文を音読します。週末 60 分は理科と国語で、理科は 4 分野を一巡しつつ長い読み物を読んでから答える問題に慣れ、国語は物語と論説を 1 本ずつ、理由の記述を書いて直してもらう回数を稼ぎます。ただし国語は 2023 年度以降は資料がありません(→ 13 節) | 算数の単元の幅がそのまま大問 2 以降に対応するので、ここが本体です。社会は近現代に絞れる分、他校より軽くなります |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目です。夏以降、過去問は二通りに使います。(a)同じ座席を縦に: 算数の大問 1・2 だけを 3 年分続けて解く、社会の憲法条文の設問だけを続けて見る、国語の大問 1 最後の記述だけを続けて書く。(b)年度通しで時間を計る: 特に社会 30 分・理科 30 分は、読む量に対して時間が短いので配分の練習が要ります | 並びが固定されている学校なので、(a)の縦の演習が効きやすくなります。理科・社会の記述は添削の回数がそのまま伸びになります |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 小 5 の算数で全分野をひととおり学び終えたかどうかと、小 6 での「読んでから書く」訓練の量です。算数は 6 大問の並びが決まっているぶん、単元の穴がそのまま大問 1 つ分の失点になります。小 5 で一巡しておけば小 6 は縦の演習に時間を回せます。理科・社会は 30 分に対して読む文章が長く、制限時間内に読み切って 3 問前後の記述を書くという作業に慣れているかどうかが分かれ目になります。これは知識量ではなく練習量で埋まる部分なので、小 5 の後半から「長い文章を読んで理由を 2 文で書く」を週 1 回でも続けると小 6 が楽になります。国語は物語の「気持ちの変化」を 75 字で書く形が固定されているので、小 6 の秋以降にここへ集中して時間をかけられます。
12. この学校と併願するなら
観点は「勉強が転用できるか」だけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は見ていません。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100・100 が最も近い)で、同じ問題が出るという意味ではありません。
- 学習院中等科(東京都・男子校)— 算数と国語が特に近く、算数の演習を相互に回せます。社会は離れます。
- 啓明学園中学校(東京都・共学)— 算数が近く、理科・社会は比較できていません。
- 三輪田学園中学校(東京都・女子校)— 算数・国語・理科の 3 科目が近く、社会だけ離れます。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
読み方: 算数(6 大問・計算+小問集合から入る並び・答えだけを書く形式)は学習院中等科・三輪田学園・駒込・法政大学中学校と構造が近く、前半を速く正確に処理する演習を相互に回せます。国語(物語+論説+漢字・記述と記号選択が拮抗)は桐朋・駒場東邦・学習院中等科が近くなっています。社会はどの候補とも離れており(52〜72)、2 大問で近現代史と憲法に絞る成蹊の作りが独特であることを示しています。社会だけは成蹊の過去問そのもので練習するしかないと考えておくとよいでしょう。
近さは自動集計によるものです。
13. 資料の限界
- 入試回が区別できません。一般入試は第 1 回(2 月 1 日)と第 2 回(2 月 4 日)の 2 回ありますが、手元の転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、どちらの回のものか分かりません。ここでは第 1 回相当として扱いました。第 2 回の問題の並びが同じかどうかは、この資料では確かめられません。市販の過去問集で両回を見比べてください。帰国生を対象とする入試も扱っていません。
- 国語は 2023 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。8-4 に書いたのは 2009〜2022 年度に限った話で、直近の形式・出典は市販の過去問集で確認してください。特に「漢字を独立した大問にするか」「字数指定を 1 問だけにするか」は 2023 年以降に変わっている可能性があります。
- 図・写真そのものは転写されていません。算数は図のある小問が 45%、理科は 47%。図の説明文から内容を推定した箇所があり、特に理科の「学校で撮った写真を読ませる」設問は、写真を見ないと難しさが分かりません。
- 転写の読み取り確度が低めの年があります。算数は 16 年中 9 年、理科は 17 年中 9 年、社会は 17 年中 7 年。精読した 2024・2025 もこれに含まれるため、小問数や単元の細部に読み落としがある可能性があります。年度×大問の題材表の「どの大問に何が来るか」は複数の設問文で確認したので信頼してよいのですが、小問 1 つ単位の数え上げには誤差があり得ます。
- 満点・設問別の配点は問題冊子に印刷されていません。どの大問が重いかはこの資料からは分かりません。
- 円周率・持ち物・解答用紙の様式は、設問文の転写からは確認できませんでした。募集要項と市販の過去問集で確認してください。
- 2009 年より前の年度は資料がありません。ここに書いた「並びの固定」は 2009 年以降について言えることで、それ以前がどうだったかは分かりません。
- 「毎年」「〜年連続」は、原本で 3 年以上の反復を確認したものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
成蹊中学校(東京都武蔵野市・共学・1914 年設置)。この分析は過去問の転写データだけを材料にしており、学校の教育内容・入試結果・難易度には触れていません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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