富士見中学校 の過去問分析
富士見中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
富士見中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・回の区別のない 1 冊・原本の精読は直近 3 年)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都練馬区 |
| 男女 | 女子校 |
| 旧称 | 富士見高等女学校 |
| 入試回と日程 | 第 1 回 2 月 1 日午前(100 名)/第 2 回 2 月 2 日午前(80 名)/第 3 回 2 月 3 日午前(40 名)— 3 回とも 4 科(国語・算数・社会・理科) |
| 試験時間・配点 | 3 回とも国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 40 分 60 点・理科 40 分 60 点 |
| このほかの入試 | 第 2 回と同じ日に算数 1 教科入試(女子 20 名・試験 15:00〜16:00・60 分 100 点)。各回と同じ日に英語資格を使う入試(第 3 回は若干名) |
上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
富士見丘中学校(東京都渋谷区)・横浜富士見丘学園中学校(神奈川県)とは別の学校です。過去問集を買うときに取り違えないよう注意してください。
このレポートが分析した資料は回の区別のない 1 冊(第 1 回に相当すると考えています)で、第 2 回・第 3 回や算数 1 教科入試の傾向はこの資料からは分かりません(→4 節・13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 大問の並びがはっきり決まっていて、そこに入る中身は毎年作り直す学校です。 理科は大問 1 地学・大問 2 生物・大問 3 化学・大問 4 物理の並びが精読した 3 年(2023〜2025)で完全に一致し、大問 4 の物理は資料の並びをたどると 2012〜2025 の 14 年続いています。
- 算数は大問 1 が 8 問の一行問題(数行で終わる短い文章題)で、(1) 四則計算・(2) 逆算(□にあてはまる数を求める計算)・(6)(7)(8) 図形という枠が 3 年とも同じです。社会は大問 2 つだけで、記述はちょうど 2 問、雨温図が 3 年連続です。
- 「出る問題を覚える」学校ではありません。単元の解き方と時間の使い方を身につける練習がいちばん効きます。
家でやること 3 つ
- 場所が決まっている枠を年度をまたいで縦に解きます(算数の大問 1 の (1)(2) と (6)(7)(8)、理科の大問 4、社会の雨温図)。
- 社会と理科は時間を計って通しで解きます(社会 40 分で 40 問前後、理科 40 分で 30 問超。この 2 科目がいちばん時間が厳しい)。
- 国語は文末を指定された記述(「〜気持ち。」「〜こと。」)を、先に文末を書いてから内容を詰める手順で練習します。
今週やる 1 つ
- 直近 1 年ぶんの社会を 40 分計って解き、40 問前後を時間内に最後まで解き切れるか確かめます(→7 節の 1)。
注意
- 国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2018〜2020 年度のものです(→13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びと題材だけを読み取った年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | 13 年(2010〜2022) | 16 年(2010〜2025) | 高。図の細部(角度・長さの数値)は転写の揺れがある年がありますが、大問構成と題材の読み取りに支障はありません |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2025) | 12 年(2010・2012〜2022) | 15 年(2010〜2025 の 15 年。2011 は無し) | 高。図に依存する小問が 6 割近くあり、図そのものは文章での説明として残っています |
| 社会 | 3 年(2023・2024・2025) | 13 年(2010〜2022) | 16 年(2010〜2025) | 高。統計グラフの数値は一部が読み取れていません |
| 国語 | 3 年(2018・2019・2020) | 4 年(2011・2014・2015・2016。出典と大問の並びを確認した年です) | 7 年(2011・2014・2015・2016・2018・2019・2020) | 高。ただし 2021 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い) |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 資料の冊子は 1 年につき 1 冊で、第 1 回・第 2 回・第 3 回の区別が付いていません(第 1 回に相当するものと考えています)。第 2 回・第 3 回の傾向はこの資料からは分かりません。いま行われている入試の回・時間・配点は 1 節にまとめました。
- 算数 1 教科入試の問題は資料に無いので、本レポートは 4 科目入試についてのものと読んでください。
5. 一番大きな結論
この学校は「大問の並び」がはっきり決まっていて、「そこに入る中身」は毎年作り直します。 ここを取り違えないことが、過去問の使い方を決めます。
決まっているほう(同じ種類の問題が同じ場所に出るということで、同じ問題が出るという意味ではありません)は、次のとおりです。
- 理科は大問 1 が地学、大問 2 が生物、大問 3 が化学、大問 4 が物理です。精読した 2023・2024・2025 の 3 年で完全に一致しました。大問 4 に物理が来るのは、資料にある並びをたどると 2012〜2025 の 14 年続いています。
- 理科の大問 2 は「富士子さん」と弟の「太郎くん」の会話文から始まります(2023 キャンプ、2024 動物園、2025 アサガオ)。3 年連続です。
- 算数は大問 4 つで、大問 1 が 8 問の一行問題、その (1) が四則計算・(2) が逆算です。3 年連続。大問 1 の後半 3 枠((6)(7)(8))が図形というのも 3 年とも同じです。大問 2 は [A][B] の 2 本立て、大問 4 の中に「考え方や途中の式も書きなさい」が 1 問。これも 3 年連続です。
- 社会は大問 2 つだけで、記述がちょうど 2 問、記号選択が 64〜67%。この数字が 3 年でほとんど動きません。雨温図の読み取りが 3 年連続です。
- 国語は大問 1 が説明文・論説文、大問 2 が物語文です(精読した 3 年)。漢字 5 問と接続語の空欄補充が枠として入ります。
毎年作り直すほうは、算数の大問 3・大問 4 の単元(3 年で一巡もしていません)、理科の各分野の中のテーマ、社会の 2 つの大問のテーマ(山崎種二の生涯/土木技術/住居の歴史/木おけ/食べ物/産業技術)です。とくに社会は、1 つの大問の中で地理・歴史・公民をまたぐので、分野ごとに区切った準備がそのままでは効きにくくなっています。
したがって過去問の使い方は、「単元の解き方を身につける」と「時間の使い方を身につける」の合わせ技にいちばん近くなります。「出る問題を覚える」学校ではありません。具体的には、
- 場所が決まっている枠は縦に解く — 算数の大問 1 の (1)(2) と (6)(7)(8)、理科の大問 4(物理)、社会の雨温図。同じ種類の問題が同じ場所に出るので、年度をまたいで同じ枠だけ続けて解けます。
- 場所が決まっていない大問は、時間を計った通し演習で慣らす — とくに社会(40 分で 40 問前後)と理科(40 分で 30 問超)。この 2 科目の時間配分が、この学校でいちばん練習が要ります。
6. この学校らしさが出る場所
- 「富士子さん」と弟の「太郎くん」が問題文に出てきます。 理科の大問 2 は 2023(キャンプでこん虫の話)・2024(動物園でホッキョクグマと消化の話)・2025(アサガオの夏休みの宿題)と 3 年連続で二人の会話文から始まり、2025 は大問 3 も富士子さんとお母さんの会話でした。社会にも 2025 大問 2 問 4(1) に「授業のときに富士子さんが大事だと思って書きとめたメモ」が出ます。科目をまたいで同じ名前の登場人物が使われているのは、この学校の作りの特徴のひとつです。
- 身のまわりの場面に理科・算数を載せます。鉛筆削り 2 機種と芯の減り方(算数 2025)、通信販売のパッケージに何個入るか(算数 2024)、リレーの走順(算数 2024)、富士山の登山ルート(算数 2023)、製氷皿と砂糖水(理科 2023)、熱気球(理科 2024)、紫キャベツ液でパンケーキの色を説明する(理科 2025)、体重計と計算のずれ(理科 2025)。教科書の内容を、家庭や屋外の場面へ置き直して問う方向がはっきりしています。
- 読書がそのまま入試問題になります。社会 2024 の大問 2 は「社会の課題図書『巨大おけを絶やすな! 日本の食文化を未来へつなぐ』(竹内早希子著、岩波書店、2023 年)を読んだ生徒 X と生徒 Y の会話文」で始まり、書名・著者・出版社・刊行年まで示されています。国語の説明文も『植物はすごい』(2018)『読む力は生きる力』(2019)と、読書そのものや自然を扱う新書系が続きます。
- 答えがひとつに決まらない問いを、根拠つきで書かせます。 社会 2023 大問 2 問 8 は、種子島に漂着した船が「中国船」か「ポルトガル船」かを史料から判断させ、どちらかに〇をつけて根拠を示して説明させます。理科 2025 大問 2 問 3 も「根拠をもとにあなたの考えを述べなさい」で、書き出しの例が示されています。判断そのものより、根拠の示し方を見ているように見えます。
- 調べ方・情報の扱いを問う設問が 3 年連続で出ています(2023 調べ学習の情報源として適切か、2024 SNS のデマ、2025 農産物の流通経路を追える仕組み)。
- 環境と持続可能性が締めに来ます。SDGs のメモ(社会 2024 大問 2 の最終問)、食品ロス(社会 2025)、電動車 100% 目標(社会 2025)、海氷と南極の氷(理科 2023)、地球温暖化と動物のからだ(理科 2024)。
- 自校を題材にした年があります。社会 2023 大問 1 は「今みなさんが入学試験を受けている富士見中学校」に関わりのある実業家から書き起こし、その人物ゆかりの土地を全国に追う構成になっています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前の方は、この節を「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に固めてください。学年別の順序は 11 節にまとめました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を精読で確認できている最後の年度です。
- [週末 60 分] 社会と理科を、時間を計って通しで解く — 社会は 40 分で 40 問前後、理科は 40 分で 30 問超。両方とも長い文章や会話文を読みながら解く形なので、知識が足りていても時間で落とすのがいちばんもったいないところです。過去問演習の最初にここを確認します。通しで時間を計る練習がいちばん必要なのは社会です。設問だけ拾い読みすると会話文の条件を落とすので、通して読む練習を兼ねます。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の (6)(7)(8) と回転体 — 角度(折り返しを含む)・平面図形の面積・立体の体積表面積の 3 枠が 3 年とも同じ位置なので、年度をまたいで「(6) だけ」「(8) だけ」とまとめて解けます。大問 1 の最後の「直線 ℓ(エル)の周りに 1 回転させてできる立体」は 2024・2025 の 2 年連続で、同じ言い回しが 2014・2019 にも見えます。直線のまわりを 1 回転させる図の分解に慣れておきます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・規則性・速さ・立体図形 — 規則性は大問 2 [B] に 2024・2025 の 2 年連続で、操作を繰り返して周期を見つける形(カードを切る・カードをめくる)が多め。速さは 3 年とも場所を変えて必ず入っています(2023 大問 2[B]、2024 大問 4、2025 大問 1(5) と大問 2[A]。グラフと結ぶ形も 2025 に)。立体図形も 2023 大問 2[A] 切断・2024 大問 3 箱詰め・2025 大問 4 円すいと、3 年連続でどこかに大きく入ります。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 理科・てこ+浮力と、湿度・溶解度の計算 — てこ・つり合いは大問 4 の中心で、2023(浮力と組み合わせ)と 2025(板の重さまで考える)の 2 回。湿度・飽和水蒸気量の計算は 2023・2025 の大問 1、溶解度と濃度の計算は 2023・2025 の大問 3 に各 2 回で、表から読み取って引き算・割り算する手順は毎回同じです(2025 のホウ酸のほう和水よう液は 4 問続けて計算)。間の 2024 は電気回路(豆電球と LED)が大問 4 を丸ごと占め、LED の向きで点灯が変わる問いが 9 問中 6 問でした。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 社会・雨温図と統計グラフ — 雨温図は 3 年連続で、毎年 4 地点前後を並べて日本海側・太平洋側・内陸・南西諸島を見分ける練習をします。農業産出額の推移(2023)・野菜の生産量の都道府県割合(2024)・工業地帯の出荷額割合(2024)・貿易港の品目(2024・2025)・産業別就業者数(2025)など、定番の統計を先に頭へ入れておくと時間が浮きます。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 社会・理由記述と公民の基本 — 理由を 1〜2 文で書く記述が毎年 2 問。図・グラフ・地図が必ず添えられていて、そこから読める数値や位置を根拠として文に入れるのが答え方です。年代の並べ替えと「まちがっているもの」探しは、選択肢の細部(人名・年号・地名の入れ替え)を見る目を鍛えておきます。公民は毎年どこかに必ず入ります(三権と法律の制定過程 2023・2024・2025、基本的人権と憲法条文の穴埋め 2024・2025、選挙制度 2024、地方自治 2023・2024)。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語・文末指定と条件つき記述 — 「〜気持ち。」「〜こと。」「〜書き方。」に続ける形が精読した 3 年すべてにあります。先に文末を書いてから内容を詰める手順で練習します。字数・指定語・禁止語・文末が同時に来る年もあるので(2020 は「文末は『〜こと。』/五十字以内/『能力』『人間』『精神性』を含む」)、条件を数えてから書きます。抜き出しの「最初と最後の五字」は範囲を確定してから数える、接続語は逆接・言い換え・例示を見分ける、漢字 5 問×大問 2 つ(同音異義語の書き分け(2020)まで)と慣用句・四字熟語・擬態語の語彙も合わせて回します。(確認: 〜2020 年度)
- [毎日 10 分] 理科・計算の桁指定と理由記述 — 「割り切れない場合は小数第 1 位を四捨五入して」「小数第 3 位を四捨五入して小数第 2 位まで」。似た但し書きは 2012・2017・2021・2022 にも見え、この学校の定番の言い回しになっているように見えます。四捨五入の位置に印を付ける習慣を。理由の記述は「〜だから。」を 1〜2 文で書く練習を合わせます。(確認: 〜2025 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(精読した年: 2023・2024・2025)
50 分・100 点(第 1 回〜第 3 回とも同じ)です。精読した 3 年はいずれも大問 4 つ・小問 22〜25 問でした。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 一行問題 8 問 | [A] 立方体の切断(辺上を動く 2 点 P・Q)/[B] 速さ(富士山の登山ルート) | 数の性質(電卓の小数表示から元の割り算を当てる会話文) | 規則性(カードを「切る」操作と移動先) |
| 2024 | 一行問題 8 問 | [A] 円とおうぎ形(半径 2cm の円が図形の外側を 1 周)/[B] 規則性(正方形を継ぎ足す図形の列と約束記号) | 立体図形(通信販売の箱詰め・何個まで入るか) | 速さ(3 区間のリレー・走者の順番と追い抜き) |
| 2025 | 一行問題 8 問 | [A] 速さとグラフ(台形の辺上を動く点 P と面積の変化)/[B] 規則性(白黒のカード 4 枚をめくる操作と暦) | 平面図形と比(正六角形の中の交点と面積比) | 立体図形(鉛筆削り 2 種と芯の円すいの体積) |
場所が決まっているもの(3 年連続で確認)
- 大問 1 は 8 問の一行問題で、(1) が四則計算、(2) が逆算です。これは 3 年とも同じです。(自動集計の一覧では大問 1 の四則計算が 2021〜2025 の 5 年続いていると出ていますが、精読して確かめたのは 2023〜2025 の 3 年ぶんです。)
- 大問 1 の後半 3 枠((6)(7)(8))が図形です。角度・平面図形の面積・立体図形または回転体という並びが 3 年とも崩れていません。前半((3)〜(5))は文章題で、単元は年ごとに入れ替わります(2023 平均算・場合の数・年齢算/2024 和差算・食塩水・売買損益/2025 売買損益・集合・速さ。これらの単元の中身は 用語集 にあります)。
- 大問 1 の最後は「直線 ℓ の周りに 1 回転させてできる立体」が 2024・2025 の 2 年連続です(2024 は直角二等辺三角形 2 枚、2025 は平行四辺形)。同じ言い回しの問題は 2014・2019 にも見えますが、精読して確認したのは 2024・2025 の 2 年です。
- 大問 2 は [A] と [B] の 2 本立てです。 これも 3 年とも同じで、[A] は図形か図形の上を動く点、[B] は規則性・数列です([B] が規則性なのは 2024・2025 の 2 年連続。2023 の [B] は速さ)。
- 大問 4 の中に、途中の考え方を書かせる問題が 1 問あります(2023 大問 4(3)、2024 大問 4(3)、2025 大問 4(4))。3 年とも文言が「考え方や途中の式も書きなさい」で揃っています。算数で答え以外を書かされるのは、この 1 問だけです。
同じ場所に同じ種類の問題が来るという意味では、大問 1 と大問 2 の骨組みははっきり固定されています。一方で大問 3・大問 4 に何の単元が来るかは毎年作り直されています(3 年で 数の性質→立体→平面と比、規則性→速さ→立体 と一巡もしていません)。ここは単元を絞らず、長い問題文を読み解く力そのものを鍛える場所と考えたほうがよいところです。
問い方の特徴
- 設定を長い文章で説明してから小問が続く作りが大問 2〜4 の標準です。富士山の登山ルート(2023)、通信販売のパッケージ(2024)、リレーの走順(2024)、鉛筆削り 2 機種(2025)、カードを切る操作(2023)、白黒カードと暦(2025)と、実生活の題材に算数を載せます。設定の読み違いがそのまま失点になるので、条件を図や表に書き出してから解く手順を練習しておきたいところです。
- 会話文の空欄補充が 2023 大問 3 に出ました(先生と生徒のやりとりで、ア・イには数、ウ〜カには式を入れる)。式そのものを答えさせる欄がある点は他の年と違います。
先に手を打つ順は 7 節(今からやるなら)に、形式面の注意は 10 節にまとめました。
8-2. 理科(精読した年: 2023・2024・2025)
40 分・60 点です。精読した 3 年はいずれも大問 4 つ・小問 30〜37 問で、40 分で 30 問超なので 1 問あたり 1 分強しかありません。解答形式は選択が 20〜46%、短答(語句や数値を短く答える形式)が 38〜63%、記述が 3〜11% です。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1(地学) | 大問 2(生物) | 大問 3(化学) | 大問 4(物理) |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 火山の形とマグマ/湿度と水蒸気量の計算/地軸の傾きと南中高度 | こん虫と動物の分類(キャンプの会話文・カブトムシのスケッチ・交尾行動の実験) | 製氷皿と砂糖水の凍り方(濃度・とけ残り・海氷と南極の氷) | 浮力とてこ(ばねはかりと沈めた深さ・棒のつり合い) |
| 2024 | 台風の風向き/火成岩の分類/初期微動継続時間 | 動物園の会話文(せきつい動物・消化と吸収・柔毛・体重と食事量) | 熱気球と空気の流れ/エタノールの燃焼と質量/銅粉の加熱 | 電気回路(豆電球・LED の向き・電熱線と水温) |
| 2025 | 湿度と水滴の計算/昼の長さと緯度/流水のはたらき | アサガオの観察(つるの巻き方・花のつくり・顕微鏡の倍率と動かす向き) | 卵のから・重曹・紫キャベツ液の色/ホウ酸の溶解度計算 | てこ(60cm の板とおもり・重さの不均一な板・体重計との差) |
場所が決まっているもの
- 大問 1 が地学、大問 2 が生物、大問 3 が化学、大問 4 が物理です。 この 4 分野の並びが精読した 3 年で完全に一致しています。自動集計の一覧では大問 4 に物理が 2012〜2025 の 14 年続いていると出ており、精読した 2023〜2025 の 3 年もそのとおりでした。地学が大問 1、生物が大問 2 は 2023〜2025 の 3 年で確認しています。
- 大問 1 だけは I・II・III と中で分かれ、地学の複数分野をまたぎます。3 年とも「気象・天体・大地」から 2〜3 テーマが 6 問前後に詰まっています。ほかの大問はひとつのテーマを 8〜11 問で掘り下げる作りで、性格がはっきり違います。
- 大問 2 は「富士子さん」と弟の「太郎くん」の会話文から始まります(2023 キャンプ、2024 動物園、2025 アサガオの宿題)。3 年連続です。2025 は大問 3 も富士子さんとお母さんの会話でした。会話文を読みながら空欄と設問に答えていく形なので、文章量そのものが多く、設問だけ拾い読みすると条件を落とします。
- 物理(大問 4)は「てこ・つり合い」が 2023・2025 の 2 回、間の 2024 が電気回路(豆電球と LED。LED の向きで点灯が変わる問いが 9 問中 6 問)。てこは 2023 が浮力と組み合わせ、2025 が板の重さを考えるところまで進みます。
問い方の特徴
- 実験の結果と現実がずれた原因を考えさせる設問があります(2025 大問 4 問 8「体重計の結果と計算がずれた原因を…」)。単に公式を当てるだけでは届きません。
- 湿度(2023・2025 の大問 1)や溶解度(2023・2025 の大問 3)のように、表から読み取って引き算・割り算する同じ手順の計算が年をまたいで繰り返し出ます(→7 節の 4)。
出題の色
身のまわりと環境の話題が多いこと(製氷皿・熱気球・紫キャベツ液・体重計・海氷・地球温暖化など)は 6 節にまとめました。教科書の内容を、家庭や屋外の場面に置き直して問う傾向が 3 年を通して読み取れます。ほかに、翌年度から指定野菜に入る野菜(2025)のように時事へ寄せた小問も見えます。
先に手を打つ順は 7 節に、記述・作図・桁指定などの形式面は 10 節にまとめました。
8-3. 社会(精読した年: 2023・2024・2025)
40 分・60 点です。精読した 3 年はいずれも大問 2 つ・小問 36〜42 問。40 分で 40 問前後という配分は、この学校の 4 科目のなかでいちばん厳しいものです。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 |
|---|---|---|
| 2023 | 実業家・山崎種二の生涯をたどりながら全国を回る(群馬・東北・宮崎・伊豆諸島…) | 土木技術の歴史(古墳時代から現代まで) |
| 2024 | 日本の住居の歴史(竪穴住居から現代まで)+農業のグラフ読み | 木おけと食文化(課題図書『巨大おけを絶やすな!』を読んだ生徒 X・Y の会話文) |
| 2025 | 食べ物(何を食べてきたか・水産業・食料自給率・食品ロス) | 日本の産業技術の歴史(古墳の鉄剣から電動車まで) |
場所が決まっているもの
- 大問が 2 つだけです。 これは 2011 年以降 2025 年まで、3 つの年が 1 回(2012)あるほかはずっと 2 つで、精読した 2023〜2025 の 3 年も 2 つでした。1 つの大問が 16〜22 小問と長くなっています。
- どちらの大問も、地理・歴史・公民をまたぎます。「歴史の大問」「地理の大問」という分け方をしていません。たとえば 2025 大問 1 は縄文の食生活から食料自給率・憲法 25 条・食品ロスまで、2025 大問 2 は古墳の鉄剣から労働三法・電動車まで通します。分野で切って対策すると、この形に対応しづらくなります。
- 記号選択が主軸で 64〜67%、短答 26〜31%、記述 5〜6%。この比率が 3 年でほとんど動いていません(記述は毎年ちょうど 2 問。→10 節)。
- 雨温図の読み取りが 3 年連続です(2023 秋田・盛岡・宮古、2024 金沢・長野・静岡・神戸、2025 上越・松本・静岡・那覇)。毎年 4 地点前後を比べる形です。
問い方の特徴
- 資料を読ませてから問う設問がとても多くなっています。史料の現代語訳(2023『鉄砲記』)、新聞記事(2024 日本経済新聞 2022 年 9 月 27 日)、明治期の『地理教育鉄道唱歌』(2025)、当時の人の回想録(2025)、生徒が作ったカード・メモ(2023・2024・2025)。初めて見る資料から答えを組み立てるのが基本の作りになっています。
- 意見を選んで根拠を書かせる問題があります。2023 大問 2 問 8 は、種子島に漂着した船が「中国船」か「ポルトガル船」かを史料から判断させ、どちらかに〇をつけて根拠を示して説明させます。正解がひとつに決まらないことを前提にした問い方で、この学校らしいところです。
- 記述は「理由・目的・そこから分かること」を答えさせます。高知県からの入荷が多い理由を栽培方法に着目して(2023)、江戸幕府が役職を複数・1 か月交代にした目的(2023)、縄文人が交易をしていたと考えられる理由(2024)、小豆島の気候からオリーブの栽培条件(2024)、鉄剣の同じ文字から分かる政権の力(2025)、承久の乱後の支配の広がり(2025)。図・地図・グラフが必ず添えられています。
- 調べ方・情報の扱いを問う設問が 3 年連続で出ました。調べ学習の情報源として適切か(2023 大問 1 問 8)、SNS のデマにどう向き合うか(2024 大問 2 問 2(2))、農産物の流通経路を追える仕組み(2025 大問 1 問 16)。
出題の色
読書・富士子さん・自校・環境の話題は 6 節にまとめました。ほかに、同じ土地が続けて出ることがあります(小豆島とオリーブが 2024 大問 2 問 5(記述)と 2025 大問 1 問 12(2) の 2 年連続)。
先に手を打つ順は 7 節に、形式面の注意は 10 節にまとめました。
8-4. 国語(精読した年: 2018・2019・2020)
50 分・100 点です。国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2018〜2020 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。本文まで資料のある年は 2011・2014・2015・2016・2018・2019・2020 の 7 年ぶんで、精読したのはそのうち新しい 3 年です。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1(説明文・論説文) | 大問 2(物語文) |
|---|---|---|
| 2018 | 田中修『植物はすごい—生き残りをかけたしくみと工夫』(窒素とアミノ酸・食べるということ)/8 問 | 岩城けい『ジャパン・トリップ』(オーストラリアの小学生の日本訪問・ホームステイ)/12 問 |
| 2019 | 脇明子『読む力は生きる力』(本を読むことと想像力・パソコンの三択)/11 問 | 幽霊にとりつかれた「私」と入院中の母(本文中の会話から)/12 問 |
| 2020 | アニミズムと擬人法(「草にも命がある」という言い方をめぐって)/12 問 | 宮下奈都『終わらない歌』(音大で声楽を学ぶ玲とミュージカル)/12 問 |
場所が決まっているもの(精読した 3 年で確認)
- 大問 2 つ。大問 1 が説明文・論説文、大問 2 が物語文です。 3 年とも同じで、小問は 20〜24 問、大問 2 のほうがやや多くなっています。
- 漢字の書き取り 5 問(a〜e)が固定の枠として入ります。2018 は大問 1 の最終設問に 5 問、2019 と 2020 は大問 1 と大問 2 の両方に 5 問ずつです。
- 空欄に接続語を入れる選択問題が 3 年とも大問 1 にあります。「同じ記号を二度使ってはいけません」という但し書きも 3 年で共通です。
- 記述に文末の形が指定されます。「『……気持ち。』という形で」(2018)、「『…書き方。』に続くように」(2019)、「『に変えた。』に続くように」(2020)、「文末が『〜こと。』に続くようにすること」(2020)。3 年とも複数あります。
- 抜き出しに字数と位置の指定が付きます。「二十五字以上三十五字以内でぬき出し、最初と最後の五字を答えなさい」(2019)という形です。
問い方の特徴
- 記述には必ず字数の枠があります(七十字以内・五十字以内・四十字以上五十字以内・四十字以内・三十字以内・二十五字以内・十五字以内)。数が少ない年で 2 問、多い年で 5 問(2020)です。
- 条件が複数重なる記述が出ます。2020 大問 1 問 8 は「1 文末が『〜こと。』に続く/2 五十字以内/3 『能力』『人間』『精神性』の三つの語を含む」と 3 つの条件を並べます。2020 大問 2 問 9 は逆に「『三角』という語を用いてはならない」。条件を読み落とすと内容が合っていても点にならない形なので、書く前に条件へ印を付ける習慣が要ります。
- 自分で文を作らせる設問があります(2020 大問 1 問 7「擬人法を用いた文を自分で考えて答えなさい。指定の語のうち一語を使い、主語と述語を含む文で。本文の例は使わない」)。本文の読み取りだけでなく、日本語を組み立てる作業を求めています。
- 本文の内容と合うか合わないかを 5 つの文で判定させます(2020 大問 1 問 9、「全て同じ記号を書いてはいけない」の但し書き付き)。
- 語彙の知識問題が混ざります。慣用句(2020「雲泥の差」)、四字熟語(2020「前途有望」の完成)、語句の意味(2019「しゃあしゃあとした調子」、2020「踵を返した」)、擬態語・擬音語の選択(2018「カリカリ/パリパリ/ねちねち」)。
- 表現技法を問います(2018 大問 2 問 2 は「ポカッ!」「パコッ!」「ポコン!」という表記の効果、問 6 は複数の比喩表現をまとめて扱います)。
- 並べ替えもあります(2018 大問 1 問 5、5 つの文から 1 つ使わないものを含めて順序を決める)。
出典の傾向
資料のある範囲での出典は、説明文が自然科学や読書・言葉をめぐる新書系(田中修『植物はすごい』2018、脇明子『読む力は生きる力』2019、アニミズムの文章 2020、斎藤孝『コミュニケーション力』2015、森真一『友だちは永遠じゃない』2016、高信男『考えないヒト』2011)、物語が同世代の少女・少年の成長を描く現代作品(岩城けい『ジャパン・トリップ』2018、宮下奈都『終わらない歌』2020、原田マハ『生きるぼくら』2016、石井睦美『皿と紙ひこうき』2015、井上ひさし『春休み』2011)です。理科・社会の題材と近い方向を向いているのが読み取れます(植物・言葉・つながり)。
先に手を打つ順は 7 節に、形式面の注意は 10 節にまとめました。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
資料にある 2010〜2025 年度の大問ごとの題材の並びから、周期が空いている単元を挙げます。次に出ると決まっているわけではありませんが、演習の穴になりやすいところです。最終確認年度は、その単元を大問として最後に確認できた年度です。
| 科目 | 単元 | 大問として出た年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 理科 | 音 | 2014・2022 | 2022 年度 | 8 年ぶりに戻った。2023 以降は出ていない |
| 理科 | ばね | 2015 | 2015 年度 | 10 年空き |
| 理科 | ふりこ | 2014・2018 | 2018 年度 | 2019 以降は大問として出ていない |
| 理科 | 電磁石 | 2021 | 2021 年度 | 4 年空き。電気回路(2024)とは別に押さえる |
| 理科 | 星・星座 | 2019 | 2019 年度 | 6 年空き。地学の大問 1 は 2023〜2025 で気象・大地・太陽が中心 |
| 理科 | 月 | 2016・2018 | 2018 年度 | 2019 以降は大問として出ていない |
| 理科 | 中和 | 2018・2019 | 2019 年度 | 化学の大問では 2020 以降出ていない(2025 は溶解度と水溶液の判別) |
| 算数 | 場合の数を大問に | 2017・2020 | 2020 年度 | 2021 以降は大問 1 の 1 問(2023)だけ |
| 算数 | 水量とグラフ | 2021 | 2021 年度 | 4 年空き。速さとグラフ(2025)とは手順が違う |
| 算数 | 約束記号 | 2022 | 2022 年度 | 2024 大問 2[B] に近い形が入ったが、単独の大問としては 3 年空き |
| 算数 | 時計算 | 2020 | 2020 年度 | 5 年空き |
| 社会 | 三権分立を大問の柱に | 2016・2020・2023 | 2023 年度 | 3〜4 年周期。2024・2025 は小問での登場 |
| 社会 | 地形図の読図 | 2023(25000 分の 1・新島村) | 2023 年度 | 2024・2025 では確認できなかった。地形図は一度出ると配点がまとまるので準備しておきたい |
| 社会 | 環境問題を大問の柱に | 2015 | 2015 年度 | 近年は SDGs・食品ロス・電動車として小問に分散している |
10. 形式面の注意
共通
- 試験時間と配点は 3 回とも同じで、国語・算数(各 50 分 100 点)のほうが社会・理科(各 40 分 60 点)より時間も配点も大きくなっています(→1 節)。ただし 1 問あたりの時間がいちばん厳しいのは社会と理科です(社会は 40 分で 40 問前後)。
- 「まちがっているものはどれですか」「あてはまらないものを」という消去法で答える設問が全科目に混ざります。設問の最後の一文を読み飛ばさないことです。
- 「すべて選びなさい」「2 つ選び」「考えられるものをすべて求めなさい」が算数・理科・国語に出ます(算数は 2024 大問 4(4)・2025 大問 4(1) など)。ひとつ見つけて終わりにしない癖づけが要ります。
算数
- 記述は 3 年とも 1 問だけ(大問 4 の中の「考え方や途中の式も書きなさい」)です。それ以外は答えのみを書く短答が 87〜95%、記号選択は 0〜9% とごく少なめです。
- 図を見ないと解けない小問が半分以上あります(2025 は 78%)。図形が大問 1 の後半・大問 2・大問 3 か 4 のどこかに必ず入ります。
- 桁の指定が付く計算があります(2025 大問 4「小数第三位を四捨五入して」)。
- 円周率の指定、定規・コンパスの可否は精読した 3 年の転写に残っていません。市販の過去問集の表紙で確認してください。
理科
- 説明の記述が毎年あります(2023 は 2 問、2024 は 4 問、2025 は 1 問)。指定語句つき(2023「『マグマ』という用語を用いて」)、理由とセット(2024「夏と冬ではどちらが浮かびやすいか、理由とともに」)、書き出しの例つき(2025「細かい毛が逆向きに生えることで (根拠) なり、…」)と、条件の形はその年で違います。
- 計算の四捨五入の桁指定がほぼ毎回付きます。「答えが割り切れない場合は小数第 1 位を四捨五入して整数で」(2023 大問 3)のように設問ごとに付く年も、大問の冒頭に一括で書かれる年(2023 大問 4「小数第 3 位を四捨五入して小数第 2 位までで」)もあるので、設問だけ見ていると見落とします。四捨五入の位置を読み落とすと正答が合いません。
- 作図が 2023 に 2 問(グラフ: 沈めた深さとばねはかりの値/スケッチの塗りつぶし: カブトムシの頭部)、2024 に 2 問(グラフ: 銅粉の重さと生成物の重さ・水温の変化)。2025 は作図なしです。
- 正誤の組み合わせが出ます(2023 大問 2 問 8「正しい場合は〇、間違っている場合は×を答え、さらにそう判断した理由となる実験を選ぶ」)。「2 つ選び」(2025 大問 1 問 6)、「すべて選び」(2024 大問 4 問 6)も混じります。
社会
- 記述は毎年ちょうど 2 問(2023・2024・2025 の 3 年とも)で、精読した 3 年に字数指定は付いていません(解答欄の大きさが分量の目安になります)。
- 短答に「漢字で答えなさい」の指定が多くあります(各年に複数)。語句指定も付きます。
- 年代の並べ替え(2023 大問 2 問 4、2025 大問 1 問 3)、2 つの文の正誤の組み合わせ(2023 大問 1 問 5、2025 大問 1 問 4(2))が各年に入ります。「まちがっているものはどれですか」と問う消去法は各年 5 問以上です。
- 作図は精読した 3 年にありません。
国語
- 記述には必ず字数の枠が付きます(十五字以内〜七十字以内)。文末の形の指定(「〜気持ち。」「〜こと。」「〜書き方。」に続ける)も 3 年とも複数あります(→8-4 節)。
- 指定語を含める/特定の語を使わない、という条件が重なる年があります(2020)。
- 抜き出しは「最初と最後の五字」形式が定番です。
- 漢字は a〜e の 5 問です(枠の詳細は 8-4 節)。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 学年 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ・図形の基礎・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本です。この学校で最後に効いてくるのは、算数なら角度と面積を図から読む力、理科なら表とグラフを読む力、社会なら地図と雨温図に慣れること、国語なら文の終わりを整える力です。時間を計るのはまだ先でかまいません。理科・社会の会話文形式に触れる意味では、身のまわりのことを「なぜそうなるか」で話す習慣がそのまま準備になります |
| 小 5(幅) | 単元をひととおり回す時期です。この学校は算数の大問 3・4 と理科・社会のテーマを毎年作り直すので、穴を作らないことが直接効きます。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の計算と一行問題(大問 1 の枠の順に、四則計算 → 逆算 → 文章題 → 図形)と、国語の記述の文末(〜こと。/〜から。/〜気持ち。)の書き分けに割り付けます。週末 60 分はその週の単元 1 つで、8-1 節の年度×大問の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として、そこに出てくる単元(数の性質・立体図形・平面図形と比・規則性・速さ)を順にひとつずつ回します。理科は 4 分野を均等に(大問 1 つずつ出るので、苦手分野があるとそのまま 8〜11 問落ちます)。社会は地理・歴史・公民を分野で区切らず、ひとつのテーマから横につなぐ読み方に慣れます。ただし国語は 2021 年度以降の資料が無いので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください(→13 節) |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目です。夏以降は「同じ枠を年度をまたいで縦に」と「年度通しで時間を計る」の両方をやります。縦に解くのは算数の大問 1 の枠と理科の大問 4、社会の雨温図。通しで解くのは社会と理科(時間が最も厳しい 2 科目)です。国語は 2021 年度以降の資料が無いので(→13 節)、市販の過去問集で直近の形を確認したうえで、条件つき記述の練習に時間を割きます |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 での全分野の一巡と、小 6 の時間配分の 2 か所です。理科は 4 分野が必ず 1 大問ずつ出るので苦手分野を残せず、社会は 1 つの大問が地理・歴史・公民をまたぐので分野の穴が連鎖して響きます。ここは小 5 のうちに均していくしかありません。一方、算数の大問 1 と理科の大問 4 のように場所が決まっている枠は小 6 で集中的に詰められるので、早く始めた時間は「幅」に使うのが合理的です。国語も、条件を数えて書く読み方は一朝一夕には身につかないので、小 4・小 5 のうちから「文の終わりを指定どおりに揃える」書き方を習慣にしておくと、小 6 で記述に費やす時間が短くなります。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。出題の構造(大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ場所に来る単元・単元の分布)が近い学校を挙げます。難易度・偏差値帯・通学圏・入試日程の重なりは扱いません(男女と日程の注記だけ添えます)。同じ問題が出るという意味ではありません。なお本校の国語は 2020 年度以前の資料で計算されているため、国語の近さは参考程度に見てください。
- 東京純心女子中学校(東京都・女子校)— 国語・理科・社会の 3 科目がとくに近い組み合わせです。算数は離れているので、算数の演習は転用しにくくなっています。
- 香蘭女学校中等科(東京都・女子校)— 社会と国語が近く、理科もそこそこです。2027 年度は 2 月 1 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
- 頌栄女子学院中学校(東京都・女子校)— 国語と理科が近く、社会もそれに次ぎます。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
読み方としては、社会と理科の演習は近い学校どうしで回しやすい一方、算数はこの学校に固有の形が強く、転用が効きにくい、というのが 8 校の一覧全体から見える傾向です(算数の近さだけが軒並み低い)。算数は富士見の過去問そのものを繰り返すほうが早くなります。
13. 資料の限界
- 入試回の区別が付きません。資料の冊子は 1 年に 1 冊で、第 1 回・第 2 回・第 3 回のどれかが明示されていません(第 1 回相当と考えています)。第 2 回・第 3 回、および算数 1 教科入試については、このレポートからは何も言えません。
- 精読した(=設問文まで読んだ)のは各科目 3 年ぶんです(算数・理科・社会は 2023〜2025、国語は 2018〜2020)。それ以前の年について本文で触れた箇所は、大問ごとの題材の並びから読み取ったもので、設問文まで確認したわけではありません。「3 年連続」と書いたものだけが、精読で確かめた反復です。
- 国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。8-4 節に書いたことは 2018〜2020 年度に限った話で、直近 5 年の形式は変わっている可能性があります。市販の過去問集で確認してください。
- 図が文章の説明として残っています。理科と算数は図に依存する小問が半分以上あり、図そのものの細部(目盛りの数値・角度)は読み取れていないところがあります。題材と問い方の判断には支障がありませんが、図から読む数値を使った具体的な解法までは追えていません。
- 転写の読み落としの可能性があります。2020 年度の国語では、大問 2 の末尾の 3 問が大問 1 の設問と同じ内容で記録されているように見える箇所があり、本文ではそこに触れていません。
- 「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、裏づけ資料はありません。
- 難易度・偏差値・合格可能性・お子さんとの相性・学校の理念や入試結果には触れていません。これらは別のページの領分です。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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