国学院大学久我山中学校 の過去問分析
国学院大学久我山中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
国学院大学久我山中学校 過去問分析(2009〜2025 年度・回の区別なし・最大 17 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都杉並区 |
| 男女 | 男女別学です。男子部と女子部が校舎もクラスも別で、募集は男女とも行われます |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2 月 1 日午前(男子一般 45 名・女子 CC 30 名)/第 2 回 2 月 2 日午前(男子 75 名・女子 40 名)/ST 第 2 回 2 月 3 日午後(男子 25 名・女子 20 名)/ST 第 3 回 2 月 5 日午前(男子約 15 名・女子約 10 名)は 4 科。ST 第 1 回 2 月 1 日午後(男子 40 名・女子 20 名)は 2 科(2027 年度募集要項。CC は女子部のクラス名として募集要項に出る表記です) |
| 試験時間・配点 | 4 科の回は 国語 50 分 100 点/算数 50 分 100 点/社会 40 分 50 点/理科 40 分 50 点。ST 第 1 回だけ 国語 50 分 100 点/算数 60 分 150 点です |
| 帰国生入試 | 1 月 10 日・若干名。算数+国語、または 算数+英語+面接(各科目 100 点。試験時間は募集要項で確認してください) |
| 面接 | 面接なし(帰国生入試の英語受験のみ面接あり) |
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 算数は大問 4・小問 19〜21 で、大問 1 = 計算、大問 2 = 小問集合、大問 3 = 規則性か数の性質、大問 4 = 速さか水量とグラフという座席(問題の置き場所)が、精読した 3 年とも同じです。
- 理科は大問 2 が地学、大問 4 が化学という分野の座席が 3 年連続です。ただし大問の数そのものは 5 から 4 へ動いています。
- 社会は大問の数が動く一方、大問 1 が会話文かインタビューから始まる形が 4 年連続、1 つの題材から地理・歴史・公民へ枝分かれする作りと記述 5 問以上が 3 年共通です。国語は資料のある 7 年の範囲では並びが最も固いところです。
家でやること 3 つ
- 算数の前半 11 問(大問 1 の計算 4 問+大問 2 の小問集合 7 問)を、時間内に取り切る練習をします。
- 算数の大問 2(7)(立体)、理科の大問 2(地学)と大問 4(化学)、国語の大問 3(知識)を、年度をまたいで縦に解きます。
- 社会の資料つき記述を、「表のどこを使うか」を先に指さしてから 2〜3 文で書く練習をします。
今週やる 1 つ
- 2023・2024・2025 の算数の大問 2(7) を続けて解き、切り取ってできた立体の体積・表面積が手で復元できるか確かめます。
注意
- 資料の冊子は 1 年 1 科目につき 1 冊だけで、6 つの入試の機会のどれか・男子部か女子部かが分かりません。ST 第 1 回は算数 60 分 150 点の 2 科で条件が大きく違います。国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びと単元だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | 14 年(2009〜2022) | 17 年(2009〜2025) | 大問 4・小問 18〜21 で 17 年安定。読み取り確度が低めの年が 17 年中 6 年(精読した 3 年はいずれも高い) |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2025) | 14 年(2009〜2022) | 17 年(2009〜2025) | 大問 4〜6・小問 25〜31。読み取り確度が低めの年が 17 年中 14 年で、精読した 3 年も一部の小問を確定できません(各年 1 問) |
| 社会 | 3 年(2022・2024・2025) | 13 年(2009〜2021) | 17 年(2009〜2025) | 資料(表・地図・グラフ・写真)が多く、図そのものは転写できないため図の説明文からの推定を含みます。読み取り確度が低めの年が 17 年中 11 年。2023 年度は転写に 3 問しか残っておらず題材表に載せていないので、代わりに 2022 年度を精読しました |
| 国語 | 3 年(2014・2015・2016) | 4 年(2009・2010・2011・2013) | 7 年(2009〜2016 のうち 2012 年度なし) | 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。本文・設問がそろって残っている年に限って書いています |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- どの回・どちらの部か分かりません。 この学校には第 1 回・第 2 回・ST 第 1 回・ST 第 2 回・ST 第 3 回・帰国生入試の 6 つの機会があります(1 節)。ところが手元の転写データは 1 年・1 科目につき 1 冊しかなく、学校名・年度・科目しか付いていないため、それがどの回のものか、男子部・女子部のどちらのものかを判別できません。
- したがって、このレポートに書いた「大問 4 つ」「小問 20 問前後」などの形は、6 つの機会のうちどれか 1 つ(複数年を通して同じ回である可能性が高いものの、確認はできていません)についての話として読んでください。とくに ST 第 1 回は算数が 60 分・150 点で 2 科目と条件が大きく違うので、その回を受けるなら市販の過去問集で回ごとの問題を必ず確認してください。
- 「毎年」「〜年連続」は、原本で 3 年以上の反復を確認したものに限って書いています。それ以前の年(2009〜2022)については、転写データの単元分類を数えたものだけを「転写の分類では」と断って書き、細部には触れていません。
5. 一番大きな結論
国学院大学久我山は、同じ種類の問題が、毎年同じ場所に出る学校です。 ただし科目によって固さが違います。
- 算数がいちばん固いところです。大問 4・小問 19〜21 で、大問 1 = 計算 4 問、大問 2 = 小問集合 7 問、大問 3 = 規則性か数の性質、大問 4 = 速さか水量とグラフという並びが 2023・2024・2025 の 3 年とも同じです。大問 2 の中でも (6) が平面図形、(7) が立体図形という位置まで 3 年一致しています。転写の分類では大問数 4 が 2009〜2025 の 17 年すべてで変わりません。ここで言っているのは「同じ問題が出る」ではなく、同じ種類の問題が同じ座席に出る、ということです。
- 理科も分野の座席が決まっています。大問 2 が地学、大問 4 が化学は 3 年連続です。物理・地学・生物・化学が 1 大問ずつという構成も 3 年に共通します。ただし大問数は 5(2023)から 4(2024・2025)に減り、2023 まで大問 1 にあった知識の小問集合(語句 5 問+記号 5 問)は 2024・2025 では見当たりません。大問の数そのものは動いています。
- 社会は大問の数が動きます(大問 2〜3・小問 27〜29)。固いのは中身の作り方のほうで、大問 1 が会話文かインタビューから始まるのが 2022〜2025 の 4 年連続、1 つの題材(スポーツチーム名・鉄道時刻表・日本の島)から地理・歴史・公民をまたいで 13〜17 問を出す作りも 3 年共通、記述が 5 問以上も 3 年連続です。
- 国語は資料のある 7 年の範囲では最も並びが固いところです。大問 1 = 物語文(問一〜問六)、大問 2 = 説明文か随筆(問一〜問六)、大問 3 = 知識(漢字 6 問から始まり敬語で終わる)。ただし 2017 年度以降の問題文が資料に無いので、直近については断言できません。
したがって過去問の使い方は、単元ごとの解き方を身につけることと、同じ座席の問題を年度をまたいで縦に解くことの組み合わせがいちばん効きます(回し方は 過去問の使い方)。算数の大問 2(7)(立体)、理科の大問 2(地学)と大問 4(化学)、国語の大問 3(知識)は、年度をまたいで縦に解ける座席です。一方、「出る問題を覚える」使い方は効きません(精読した 3 年で同じ問題の再登場は見つかりませんでした)。
6. この学校らしさが出る場所
- 社会は、身の回りのモノから日本全体へ広げます。 スポーツチーム名(2022)、お札と切手(2024)、1925 年の鉄道時刻表(2024)、こけし(2025)、日本の島(2025)。手に取れる 1 つのモノを入口に、地理・歴史・公民へ枝分かれさせる作りが繰り返されます。教科書の目次順ではなく、モノの側から入ります。
- 社会は、あなたに考えさせる設問を置きます。「もしあなたが地域に根ざしたスポーツチームを立ち上げることになったとしたら」(2022)、「あなたも日本の島について発表することになりました」(2025)。正解が一つに決まらない設問を最後の問に置く形が見られます。授業の発表やインタビューの場面設定(2025 大問 2 は「クラスの発表会」、2025 大問 1 は「職人へのインタビュー」)も同じ色に見えます。
- 社会に学校自身が顔を出します。「国学院大学久我山中学高等学校では昨年『書き損じはがきを寄付するプロジェクト』の呼びかけを実施しました」(2024 大問 1 問 6)、國學院大學博物館の特別展(2022 大問 3 問 3)。
- 理科は、学校や家庭にある装置から入ります。火災報知器のベルの仕組み(2025 大問 1)、家庭用コンロのプロパン(2025 大問 4)、モノコード(2024 大問 1)、光電池とモーター(2023)。実験室の器具ではなく、生活の中の装置が題材になりやすいところです。
- 理科の生物が、食べもの・産地に寄ります。長野県川上村のレタス栽培(2023 大問 5)、わさび田とヤマハンノキ(2024 大問 3)、ミツバチとエサ場のダンス(2025 大問 3)。生物と地理が地続きになっているように見えます。
- 算数の大問 3・大問 4 の設定が日常の場面です。倉庫からトラックへ荷物を運ぶ(2023)、段差のある水そう(2024)、円形の道路を走る人と歩く人(2025)、正方形の周に石を並べる(2024)。特殊な設定で驚かせるのではなく、状況を素直に読めば手が動く作りに見えます。
- 国語の説明文が日本の生活文化に寄ります(資料のある年に限れば)。森と里山(2014 只木良也)、日本人の時間感覚(2015 辰濃和男)、茶の入れ方とお札の並べ方(2016 赤瀬川原平)、日本の村(2010 宮本常一)。日本人のものの見方・作法を論じた文章が繰り返し選ばれています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に進めてください。学年別の入り方は 11 節に書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数の前半 11 問を時間内に取り切る — 大問 1 の計算 4 問(3 年とも「次の計算をしなさい」)と大問 2 の小問集合 7 問。ここが全 21 問の半分強を占めます。計算 4 問は帯分数のかけ算わり算(3 年連続)と中かっこ入りの 3 段の式(3 年連続)が入ります。目標は計算 3 分・小問集合 12 分です。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数の大問 2(7)(立体)を年度をまたいで縦に解く — 立方体の各辺の中点で切った立体の辺の数(2023)、円柱を斜めに切った立体と半分に切った円柱(2024)、直方体を階段状に切り取った立体(2025)。3 年連続で同じ座席にあります。「元の立体から一部を取り除いた形」の体積・表面積を、切断面から復元する練習です。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数の大問 3・大問 4 を誘導つきで解く — 大問 3 は規則性か数の性質(2023 分数の並ぶ表、2024 素数の定義から始まる数列、2025 ピラミッド状のカード)、大問 4 は速さか水量とグラフ(2023 荷物を運ぶ 2 人、2024 段差のある水そう、2025 円形の道路を走る太郎と歩く次郎)。初見の設定でも (1) から順に読めば手が動く作りなので、(1)(2) を落とさない訓練が効きます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 理科の「表から法則を見つけて表に無い値を出す」と、選択肢の読み分け — 2023 大問 3(長さと断面積の違う電熱線 A〜J)、2024 大問 1(モノコードの弦の長さ・太さ・おもりと振動数)、2024 大問 4(炭酸カルシウムと二酸化炭素)、2025 大問 4(プロパンの完全燃焼)と、3 年とも 1 大問はこの形です。四捨五入の桁指定(「小数第一位を四捨五入して整数で」「小数第二位を四捨五入して小数第一位まで」)まで含めて練習してください。あわせて「1 つ選び」「すべて選び」「ふさわしくないものを選び」が 3 年とも混在するので、設問文の末尾に線を引いてから選択肢を読む癖をつけます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 社会の記述を 5 問セットで — 資料つき記述は 2025 大問 1 問 3(伝統工芸品の発展した理由を気候や農業と関連させて)、2024 大問 2 問 6(2)(廃線の理由を表と鉱産資源に関連させて)、2022 大問 3 問 5(大井川に橋をつくらなかった理由)。「表のどこを使うか」を先に指さしてから 2〜3 文、という手順を固定します。3 年とも記述が 5 問以上あります。あわせて「あなたならどうするか」の記述(2022 大問 2 問 13 地域に根ざしたチーム名を考える、2022 大問 1 問 5 何を無料で配布するか、2025 大問 2 問 16 日本の島を 1 つ選んで紹介文を書く)は、①具体的に何を挙げるか ②なぜそれか、の 2 点をそろえます。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語の大問 3(知識)をまるごと 1 セットで — 漢字の書き取り 6 問 → 熟語の成り立ち/熟語パズル → 四字熟語・ことわざ・対義語同義語 → 敬語の書き直し、という並びが 2014・2015・2016 の 3 年とも同じです。ここは配点が読みやすく、失点が痛いところです。ただし直近の形式は市販の過去問集で確認してください。(確認: 〜2016 年度)
- [週 1 回] 社会の資料の型を一巡する — 雨温図(2022・2025)、円グラフ(2025)、地形図(2025)、地形断面図(2024)、統計表(3 年すべて)。どの資料が来ても 30 秒で読み方が分かる状態にしておきます。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 国語の 30〜45 字記述 — 「解答らんに合うように四十字以内で」「次の『 』を 30 字以上 35 字以内で埋め」のように、前後が用意されていてそこに合う形で書きます。自由作文ではないので、字数を削る作業を練習すれば形になります。(確認: 〜2016 年度)
8. 科目別の詳細
8-0. 科目ごとの見取り図
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最初に時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。大問 4・小問 19〜21・50 分(精読した 3 年)。転写の分類では 17 年すべて大問 4 | 大問 1 計算 4 問、大問 2 小問集合 7 問(末尾 2 問が平面図形・立体図形)、大問 3 規則性か数の性質、大問 4 速さか水量。誘導が丁寧で (1) から順に手が動く | 前半 11 問(計算 4+小問集合 7)を速く正確に。次に大問 2(7) の立体(切り取った立体の体積・表面積)と、大問 3・4 の誘導つき大問 |
| 理科 | 中程度。大問 4〜5・小問 25〜30・40 分 | 物理・地学・生物・化学が 1 つずつ。表から法則を読んで表に無い値を出す設問が 3 年とも中心。身近な題材(火災報知器・モノコード・ミツバチ・レタス栽培)から入る | 表・グラフからの比例計算(四捨五入の桁指定つき)と、「1 つ選び/すべて選び/ふさわしくないもの」の読み分け |
| 社会 | 中程度。大問 2〜3・小問 27〜29・40 分 | 1 つの題材から全分野へ枝分かれ。記述 5〜7 問で、資料のどこを使うかまで設問文が指定する。「あなたならどうするか」を書かせる年もある | 資料つき記述を 2〜3 文で書く練習と、雨温図・円グラフ・地形図・地形断面図の読み取り |
| 国語 | 高い(資料のある 7 年に限れば)。大問 3・小問 18〜24・50 分 | 物語文 1 本+説明文か随筆 1 本+知識 1 大問。記述は年 2〜3 問で 30〜45 字、解答らんの形が指定される | 漢字 6 問と語句の知識セット(大問 3 まるごと)と、30〜45 字の記述を解答らんの形に合わせて書くこと |
科目ごとにやることが違います。算数は「決まった座席を速く回る」、理科は「表を読んで計算する」、社会は「資料を使って理由を書く」、国語は「知識で確実に取り、短い記述をきっちり埋める」です。
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 4・小問 19〜21・答えだけを書く形式)
年度×大問の題材表(精読した 3 年・原本の設問文で確認)
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4/19 | 計算 4 問 | 小問集合 7 問(木の植え方/長方形の縦横の増減/食塩水の混合/所持金の比/正方形 3 つの面積和/ 平行四辺形の 3 等分点と線分比/立方体の角を落とした立体の辺の数) |
規則性(1/(2×3)、1/(4×5) … の分数が A 欄と B 欄に並ぶ表を読む) | 速さ(倉庫とトラックの間を 2 人で荷物を運ぶ・持つと遅くなる) |
| 2024 | 4/21 | 計算 4 問 | 小問集合 7 問(正方形の周に並べた石の数/10% 減らして 11% 増やす/6 時台の長針と短針/ケーキを 2 日で食べる/ 原価 600 円の売買損益/5×5 の方眼の斜線部分/円柱を斜めに切った立体) |
数の性質(素数の定義を読んでから、素数でない数の列 A について 5 問) | 水量とグラフ(段差のある水そう・給水管 A と排水管 B と穴) |
| 2025 | 4/21 | 計算 4 問 | 小問集合 7 問(4 でも 6 でも割り切れる整数/6 割の利益と 35% 引き/食塩水の混合と水の追加/流水算/ 電車の乗客の 3 分の 1 が降りる推理/おうぎ形 3 つと三角形/直方体を階段状に切り取った立体) |
規則性(1 段目 1 枚・2 段目 3 枚 … とカードをピラミッド状に並べる) | 速さ(1 周 1440 m の円形の道路を太郎が走り次郎が歩く・出会いと追い越し) |
座席が 3 年そろって同じ
- 大問 1 は 3 年とも「次の計算をしなさい」の 4 問です。 並びも 3 年で同じ性格で、(1) 整数の四則、(2) 小数と分数の混じった 2 段の式、(3) 帯分数のかけ算とわり算、(4) 大きな中かっこ・小かっこの入った 3 段以上の式。転写データの分類では 2009〜2025 の 17 年すべてで大問 1 が四則計算に分類されています。
- 大問 2 は 3 年とも小問集合で、しかも 7 問ちょうどです。中の並びまで似ていて、(6) が平面図形(面積・面積比・線分比)、(7) が立体図形(体積・表面積・辺の数)という、最後の 2 問が図形という順序が 3 年連続で同じです。
- 大問 3 と大問 4 は「長い設定文を読んで 4〜5 問に答える」大問です。3 年で 大問 3 = 規則性・数の性質(2023 規則性/2024 数の性質/2025 規則性)、大問 4 = 速さ・水量とグラフ(2023 速さ/2024 水量/2025 速さ)で固まっています。転写データの分類では 2009〜2025 の 17 年で大問 4 が「速さ」または「水量とグラフ」に分類された年が 17 年中 15 年あります。
- 大問数は 17 年すべて 4、小問数は 18〜21 の間に収まります(精読した 3 年では 19・21・21)。
頻出単元と周期
- 四則計算 4 問(大問 1): 転写の分類では 17 年連続。
- 食塩水の濃度: 2023 大問 2(3)・2025 大問 2(3) と、3 年のうち 2 年で大問 2 の (3) の位置に出ました。
- 売買損益: 2024 大問 2(5)・2025 大問 2(2)。
- 立体図形(体積・表面積): 2023・2024・2025 の 3 年とも大問 2 の (7) に入っています。立方体の角を落とした立体(2023)、円柱を斜めに切った立体(2024)、直方体を階段状に切り取った立体(2025)と、元の立体を切って一部を取り除いた形が 3 年続きます。
- 平面図形の面積・面積比: 2023 大問 2(5)(6)・2024 大問 2(6)・2025 大問 2(6)。
- 規則性・数列: 3 年とも大問 3 か大問 2 のどこかに入ります(2023 大問 3・2024 大問 2(1) と大問 3(2)・2025 大問 3)。
- 速さ: 2023 大問 4・2025 大問 4。2024 は水量とグラフが同じ座席に入りました。
問い方の性格
- 3 年とも記述式の答案を求める設問は無く、答えの数値・比・個数だけを書きます。式や考え方を書かせる欄は精読した 3 年では見つかりませんでした。
- 大問 3・大問 4 は誘導が丁寧で、(1) が定義や状況の確認、(2)(3) が計算、(4)(5) が応用という段になっています。2024 大問 3 は「1 とその数以外に約数をもたない数を素数といいます」という定義から始まり、(1)「2 けたの素数で一番小さい数」を答えさせてから、(3)「2 つの素数をかけてできる一番大きい 2 けたの数」へ進みます。初見のルールでも、頭から順に読めば手が動く作りです。
- 3 年で見ると図は大問 2 の後半(図形)と大問 3・大問 4 の設定図に集中し、表・グラフ・見取図を読む力が要ります。図を自分で描かせる設問は精読した 3 年では見つかりませんでした。
- 答えの単位・形式の指定(「何 cm²」「もっとも簡単な整数の比で」「毎分何 m」「何個」)が設問文の末尾に必ず付く形です。単位の書き忘れは起きにくい代わりに、問われている量を取り違えると全部落ちます。
8-2. 理科(40 分・50 点・大問 4〜5・小問 25〜30・記号選択が主軸)
年度×大問の題材表(精読した 3 年・原本の設問文で確認)
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 5/30 | 知識の小問集合 10 問(I 語句を答える 5 問: 光電池・石灰水・じん臓・たい積岩・関節/ II 記号で選ぶ 5 問: 音の伝わり方・気体・北斗七星と北極星・水中で生活する時期・月の形と向き) |
気象(台風の風向きの変化・予報円・4 観測点の風の記録) | 電気回路(長さと断面積の違う電熱線 A〜J の表を読んで直列・並列の電流を計算) | 金属と水溶液の反応(アルミニウム・鉄・銅に塩酸/発生した気体の体積から重さを逆算) | 植物(長野県川上村のレタス栽培・畝の白いビニールシート・結球までの日数と重さのグラフ) |
| 2024 | 4/28 | 音(モノコードの弦の長さ・太さ・おもりと振動数の表) | 地層(地形図とボーリング調査・火山灰の層の標高・断面図の選択) | 植物(ワサビ・わさび田とヤマハンノキ・根茎を食べる植物) | 質量保存(塩酸と炭酸カルシウム・貝殻とチョークの割合計算) | — |
| 2025 | 4/25 | 電磁石(火災報知器のベルの仕組み・コイルと磁石・回路の選択) | 月と惑星(月の満ち欠けと南中時刻・惑星食) | こん虫(ミツバチのなかま・はねとあしのつき方・8 の字ダンスとエサ場の方向) | 燃焼(プロパンの完全燃焼と不完全燃焼・二酸化炭素と水と一酸化炭素の重さ) | — |
座席の傾向
- 大問 2 は 3 年とも地学、大問 4 は 3 年とも化学です。 地学は 2023 気象・2024 地層・2025 月と惑星、化学は 2023 金属と塩酸・2024 質量保存・2025 燃焼。この 2 つの座席は 3 年連続で分野が一致しています。
- 大問 1 は物理(2023 は知識の小問集合の中に光と電気、2024 音、2025 電磁石)、大問 3 は生物(2024 植物、2025 こん虫。2023 は大問 5 が植物)。物理・地学・生物・化学が 1 大問ずつという構成は 3 年に共通します。
- 大問数と小問数は動いています。2023 は 5 大問 30 問で、冒頭に「語句を答える 5 問+記号で選ぶ 5 問」の知識セット(大問 1)が付いていました。2024・2025 はこの知識セットが無くなり 4 大問 28 問・25 問です。転写データの分類では 2009〜2023 の 15 年は 5〜6 大問だったのが、2024・2025 は 4 大問になっています。知識の小問集合が戻る可能性は残るので、市販の過去問集で最新年の構成を確かめてください。
頻出単元と周期
- 地学(気象・地層・月・星・地震)は毎年 1 大問。精読した 3 年では気象 → 地層 → 月とすべて別分野で、地学の中では同じ単元が 2 年続きません。
- 化学は 3 年とも「表の数値を使って重さや体積を計算する」形です。2023 は塩酸に溶ける金属の量、2024 は炭酸カルシウムと二酸化炭素、2025 はプロパンの完全燃焼。比例計算が核という点で 3 年とも同じです。
- 生物は 3 年とも身近な題材から入ります(レタス栽培・ワサビ・ミツバチ)。図鑑的な暗記より、その場の図や表を読む設問が多いところです。
- 転写データの分類で 17 年通して数えると、植物のつくりとはたらき・電気回路・気象・地層・こん虫と動物の分類が上位です。特定単元への偏りは強くなく(17 年で最も多い単元でも全体の 9%)、4 分野を満遍なくという作りに見えます。
問い方の性格
- 記号選択が主軸です。精読した 3 年の選択の割合は 60%(2023)・57%(2024)・72%(2025)で、残りは語句や数値を短く答える短答です。答えを文章で説明させる設問は精読した 3 年では見つかりませんでした。
- 「次の①〜⑤の中から 1 つ選び、番号で答えなさい」という言い回しが 3 年とも繰り返し使われます。「すべて選び」の指示が混ざる(2023 大問 3(1)、2024 大問 2(6)・大問 3(6)、2025 大問 2(7))ので、1 つなのか全部なのかを毎回読み分ける必要があります。
- 「ふさわしくないものを選びなさい」という否定形の問いが 3 年とも入ります(2023 大問 5(1)(4)、2024 大問 3 の並び、2025 大問 2(7))。
- 計算問題には四捨五入の指定が付きます。「答えが割り切れない場合は小数第一位を四捨五入して整数で答えること」(2023 大問 3・2024 大問 4(6))、「小数第二位を四捨五入して小数第一位まで」(2025 大問 4)。桁の指定を読み落とすと、合っていても外れます。
- 表から法則を見つけて、表に無い値を予測する設問が 3 年とも中心にあります(2023 電熱線 A〜J、2024 モノコードの弦、2025 プロパンの燃焼)。
8-3. 社会(40 分・50 点・大問 2〜3・小問 27〜29・記述が 5〜7 問)
年度×大問の題材表(精読した 3 年・原本の設問文で確認)
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|---|
| 2022 | 3/27 | 気候と暑さ対策(A さんと K 先生の会話文。扇風機の普及率・団扇の産地・越後屋の傘・COP26 の記事) | スポーツチーム名と地域(岩手・仙台・水戸・千葉・横浜・大阪・徳島・香川・群馬・富山・石川・島根の 12 チームから地理と歴史へ) | 橋(B くんと K 先生の会話文。小田原の北条氏・寿能遺跡・日本書紀・吾妻鏡・大井川に橋を架けなかった理由・本州四国連絡橋) |
| 2024 | 3/29 | お札と切手(A さんと K 先生の会話文。紙幣発行機関・切手の年代並べ・万国博覧会・2024 年問題・書き損じはがき・エコマーク) | 1925 年の鉄道時刻表(当時の路線図から台湾・朝鮮半島・樺太、北海道の炭鉱路線の廃線理由、旭川からの地形断面図、四国の鉄道、関門トンネル、路線図の描き方) | 犬と日本の歴史(加曽利貝塚・奈良時代の税制・枕草子の翁丸・鎌倉武士の武芸・生類憐みの令・天然記念物の犬種・災害救助犬) |
| 2025 | 2/29 | こけしと伝統工芸(こけし職人 O さんへのインタビューの会話文。訪日外国人旅行・カプセルトイ・平安の「雅」・川崎港の貨物・ご当地キャラクター) | 日本の島(発表会形式。妙見島の地形図・徳川家康・長篠の戦い・縄文の住居・江島大橋・鳥取県・ 漁業種類別漁獲量・奄美市の雨温図・正倉院・日蓮・太平洋戦争の並べ替え・玉ねぎとみかんの円グラフ) |
— |
2023 年度は転写に大問 1 の 2 問と大問 2 の 1 問しか残っておらず、この年は題材表に載せていません(残っている分はトウモロコシの収穫量の地図と会話文で、他の年と同じ作りに見えます)。
座席の傾向
- 大問 1 は会話文かインタビューから始まります。 2022(A さんと K 先生)・2023(A さんと K 先生)・2024(A さんと K 先生)・2025(こけし職人 O さんへのインタビュー)と 4 年連続です。先生と生徒の対話の中に下線部が振られ、そこから地理・歴史・公民へ枝分かれする作りが繰り返されています。
- 大問 1 は地理・産業が中心です。同じ場所に同じ種類の問題が来る学校を集めた索引でも、「大問 1 に地理・産業」が 2021〜2025 の 5 年続く並びとして拾われています。
- 1 つの大問が 1 つのテーマで全分野を貫きます。2022 のスポーツチーム名、2024 の鉄道時刻表、2025 の日本の島は、いずれも 1 本の題材から地理・歴史・公民をまたいで 13〜17 問を出しています。地理の大問・歴史の大問と分かれてはいません。
- 大問数は 2〜3 で年により動き、小問は 27〜29 でほぼ一定です。2025 は大問 2 つで 29 問(12 問と 17 問)と、1 大問あたりが長くなりました。
頻出単元と周期
- 農業・畜産: 2022 大問 2 問 1(前沢牛)、2023 大問 1(トウモロコシの収穫量)、2024 大問 3、2025 大問 1 問 9(3)・大問 2 問 13。転写の分類でも 17 年を通じて最上位です。
- 交通・通信網: 2022(本州四国連絡橋)・2024(鉄道時刻表 1 冊まるごと)・2025(江島大橋)と 3 年とも登場します。
- 観光・地域おこし: 2022 大問 2(チーム名と地域)、2025 大問 1(伝統工芸品とインバウンド)・大問 2 問 16。
- 環境問題・防災・エネルギー: 2022 大問 1 問 6・問 7(COP26)、2022 大問 2 問 9(地熱発電)、2024 大問 1 問 7(エコマーク)。
- 歴史は通史で薄く広く出ます。2024 大問 3 は縄文(加曽利貝塚)→ 奈良(税制)→ 平安(枕草子)→ 鎌倉(武芸)→ 江戸(生類憐みの令)→ 近代 → 現代と 7 問で全時代を通ります。2025 大問 2 も縄文・安土桃山・江戸・奈良・鎌倉・近代と飛び石に並びます。1 時代を深く掘る大問は精読した 3 年で見当たりません。
- 前年〜当年の出来事が入口になります(2022 の東京オリンピックと COP26、2024 の新紙幣と「2024 年問題」、2025 の第 103 代内閣総理大臣)。
問い方の性格
- 記号選択が主軸で、記述が 5〜7 問付きます。2022 は 27 問中 選択 16・記述 7・短答 4、2024 は 29 問中 選択 14・記述 5・短答 10、2025 は 29 問中 選択 21・記述 5・短答 3。記述が 5 問以上あるのは 3 年連続です。
- 記述は「資料を読んで理由を説明する」型が中心です。2025 大問 1 問 3「東北・北陸地方で伝統工芸品の生産が発展してきた理由を同地方の気候や農業と関連させて説明しなさい」、2024 大問 2 問 6(2)「路線の多くが廃線となった理由を、表および解答した鉱産資源と関連させて説明しなさい」、2022 大問 3 問 5「大井川などに橋をつくらなかったのはなぜか説明しなさい」。与えられた表・グラフ・記事のどこを使うかまで設問文で指定されるのが特徴です。
- 「あなたなら」を書かせる記述が入る年があります。2022 大問 2 問 13「もしあなたが地域に根ざしたスポーツチームを立ち上げることになったとしたら、どのようなチーム名をつけますか。チーム名とともに、その由来を、ホームタウンとする地域の特徴がわかるように」、2022 大問 1 問 5「もしあなたが経営者であったならば、何を無料で配布もしくは貸し出すことで宣伝効果を生み出しますか」、2025 大問 2 問 16「あなたも日本の島について発表することになりました。…『島の名称』『簡単な紹介文』をそれぞれ書きなさい」。正解が一つに決まらない設問で、知識ではなく組み立てを見ています。
- 選択肢の問いには「ふさわしくないものを選び」(2024 大問 1 問 5、2025 大問 1 問 7・大問 2 問 1)という否定形が混ざります。
- 資料の量が多いところです。地形図(2025 大問 2 問 1)、雨温図(2025 問 9、2022 問 10)、円グラフ(2025 問 13)、地形断面図(2024 大問 2 問 7)、写真からの同定(2025 問 10 正倉院、問 15 長崎県)と種類も広くあります。
- 学校自身に関わる話題が設問に入ることがあります(2024 大問 1 問 6 の書き損じはがきのプロジェクト、2022 大問 3 問 3 の國學院大學博物館の特別展)。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 18〜24・2009〜2016 年度の資料に限った話)
先に断っておくことがあります。国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。ここに書いたのは 2009〜2016 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。以下の題材表は 2014・2015・2016 の 3 年を原本の設問文で精読して起こしたものです。
年度×大問の題材表(精読した 3 年・原本の設問文で確認)
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1(物語文・問一〜問六) | 大問 2(説明文・随筆・問一〜問六) | 大問 3(知識) |
|---|---|---|---|---|
| 2014 | 3/23 | 戦時中を舞台にした物語(母と山口の奥さん・デザインの勉強) | 只木良也『森の文化史』(木・森林・里山と人間) | 漢字の書き取り 6 問+熟語パズル+誤字訂正+四字熟語+ことわざ+敬語 |
| 2015 | 3/24 | 太宰治『黄金風景』(青森の旧家・お慶と「私」) | 辰濃和男『ぼんやりの時間』(岸田衿子の詩・サンソムの日本論) | 漢字の書き取り 6 問+空欄に漢字 1 字+同義のことわざ+熟語の成り立ち+四字熟語 2 問+敬語 |
| 2016 | 3/18 | 太田治子『ベレー帽の少女』(十五歳のあざみ・美術教師の遠山先生) | 赤瀬川原平『千利休 無言の前衛』(茶の入れ方・お札の並べ方・日本人の作法) | 漢字の書き取り 6 問+空欄に漢字 1 字+同義語+熟語の成り立ち+対義語と同義語+敬語 |
座席が 3 年そろって同じ
- 大問 1 = 物語文、大問 2 = 説明文か随筆、大問 3 = 知識という並びが 3 年とも同じです。 転写の分類では 2009〜2016 の 7 年すべてで大問 3 が漢字・語彙の知識問題に分類されています。
- 大問 1・大問 2 はどちらも問一〜問六の 6 問です(2014・2015・2016 の 3 年連続)。設問文の冒頭に「〈問題は問一から問六まであります。〉」と書かれています。
- 大問 3 の 1 問目は漢字の書き取り 6 問です(3 年連続)。「次の①〜⑥について——線部のカタカナを漢字に直しなさい」という言い回しは、転写データでは 2009・2010・2011・2013 でも同じ形で現れます。同じ問い方が長く使われている枠です。
- 大問 3 の最後は敬語の書き直しです(2014・2015・2016 の 3 年連続)。「【学校で、生徒が先生に】『明日、父が先生のお宅に……』」(2014)、「(招待客に対して)明日三時に来てください」(2016)のように、場面が指定され、線部を直す形です。
頻出単元と周期(資料のある 7 年に限れば)
- 漢字の書き取り 6 問: 大問 3 の冒頭に固定。
- 熟語の成り立ち・熟語パズル: 2014(□に漢字 1 字を入れて熟語を 4 つ作る)・2015(成り立ちが他と違うものを選ぶ)・2016(同じ形式)と 3 年連続。
- 四字熟語: 2014 問四(付和□□□□)・2015 問五(対になる漢字を入れる)。
- ことわざ・慣用句: 2014(住めば□□□□□)・2015(忠言耳に逆らう ⇄ 良薬は口に苦し)。
- 敬語: 3 年連続で大問 3 の最後。
- 読解側では、空欄補充(接続語・語句)が大問 1 か大問 2 の問一に来ます(2014 大問 1 問一・2015 大問 2 問三と問五・2016 大問 2 問一)。
- 脱落文の挿入位置を選ぶ設問が 2016 に 2 問(大問 1 問六・大問 2 問二)出ています。
問い方の性格(精読した 3 年に限れば)
- 記号選択と抜き出しが中心で、記述は年 2〜3 問です。2014 は 23 問中 記述 2、2015 は 24 問中 3、2016 は 18 問中 3。
- 記述には字数指定が付きます。「四十字以内」(2014 大問 1 問三、2015 大問 1 問五)、「三十五字以内」(2014 大問 2 問五)、「四十五字以内」(2015 大問 2 問二)、「30 字以上 35 字以内」(2016 大問 1 問五)、「25 字以上 30 字以内」(2016 大問 2 問六)。30〜45 字がほぼすべてで、長い記述は出ていません。
- 解答らんの形が指定されます。「解答らんに合うように四十字以内で記しなさい」(2014・2015)、「次の『 』を 30 字以上 35 字以内で埋め、答えを完成させなさい」(2016)のように、文末や前後が用意されていて、そこに合う形で書きます。自由に構成を作る記述ではありません。
- 抜き出しにも字数指定が付きます(「十二字で」「七字で」「二十字前後で抜き出し、はじめと終わりの四字」「3 字で」「12 字で抜き出し、はじめと終わりの 3 字」)。指定字数と、はじめ・終わりだけを書く形式の読み分けが要ります。
- 本文の長さは 7 年平均で 5900 字ほどです。物語文と説明文が 1 本ずつなので、それぞれ 2500〜3000 字を読む計算になります。
出典(資料のある年に限る)
川上弘美『あるようなないようなような』(2009)、伊藤整「子供暦」・宮本常一「日本の村・海をひらいた人々」(2010)、新美南吉「久助君の話」・湯川秀樹「学問と人生」(2011)、重松清「ねじれの位置」・臼井吉見「自分をつくる」(2013)、只木良也「森の文化史」(2014)、太宰治「黄金風景」・辰濃和男「ぼんやりの時間」(2015)、太田治子「ベレー帽の少女」・赤瀬川原平「千利休 無言の前衛」(2016)。物語文は近代文学と現代の児童文学が混ざり、説明文・随筆は日本の自然観・生活文化・ものの見方を論じたものが多いところです。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
しばらく出ていない、あるいは 1 回しか出ていない単元を挙げます。最終確認年度は、その単元を最後に確認できた年度です。
| 単元 | 出ていた年 | 最終確認年度 | なぜ警戒するか |
|---|---|---|---|
| 算数・場合の数 | 転写の分類では 2019・2022 の大問 3 | 2022 年度 | 大問 3 は精読した 3 年とも規則性か数の性質で埋まっていますが、転写の分類では過去に場合の数・論理がこの座席に入っています。大問 3 の座席に戻る余地があります |
| 算数・水量とグラフ | 転写の分類では 2018・2019・2020・2021・2022、原本では 2024 大問 4 | 2024 年度 | 大問 4 は速さと水量が入れ替わる座席です。2023・2025 が速さだったので、次に水量が来る余地があります |
| 算数・時計算(長針と短針のつくる角度)/流水算(川の流れの中を進む船の速さ) | 2024 大問 2(3) が時計算、2025 大問 2(4) が流水算。どちらも受験用教材の単元 | 2025 年度 | 大問 2 の小問集合は「1 年おきに顔を出す単元」を入れる枠として使われています。精読した 3 年で 1 回ずつ |
| 理科・知識の小問集合(語句 5 問+記号 5 問) | 2023 大問 1 | 2023 年度 | 2023 まで大問 1 に置かれていましたが、2024・2025 では見当たりません。転写データでは「次の 1〜5 の文中の A にあてはまる語句を答えなさい」という同じ言い回しが 2016・2020・2023 に現れており、数年おきに戻ってくる枠に見えます |
| 理科・ふりこ・てこ・ばね | 転写の分類では 2009〜2022 に繰り返し | 2022 年度(転写の分類) | 精読した 3 年では出ていません。転写の分類では繰り返し大問になっており、物理の座席(大問 1)が空いています |
| 理科・人体 | 2023(知識セット内に 2 問。じん臓・関節) | 2023 年度 | 2024・2025 の大問では出ていません。転写の分類では 2013・2020・2022・2023 と繰り返し出ています |
| 理科・水溶液の性質・中和 | 2023・2024 に小問として | 2024 年度 | 大問としては精読した 3 年で出ていません |
| 社会・地形図の読図 | 2025 大問 2 問 1 | 2025 年度 | 精読した 3 年で 1 回。転写の分類では 2011 の大問 2 が中心でした。地図記号と等高線は準備しておきたいところです |
| 社会・まとまった公民の大問 | 2022 の COP26、2024 の書き損じはがき、2025 の内閣総理大臣(いずれも小問) | 2025 年度 | 公民は小問として散る形が 3 年続きます。国際協力・人権・政治のしくみが大問として戻る余地はあります |
| 社会・世界地理 | 2023 大問 2、2024 大問 1 問 3(万国博覧会の国)、2025 大問 1 問 4(中国・韓国・フランスの旅行支出) | 2025 年度 | 精読した 3 年とも 1〜2 問で、大問にはなっていません |
| 国語・誤字訂正 | 2014 大問 3 問三(文中の誤った漢字 2 つを直す) | 2014 年度 | 2015・2016 には無し。大問 3 と読解の設問枠に、年によって出入りします |
| 国語・段落の脱落文挿入 | 2016 大問 1 問六・大問 2 問二 | 2016 年度 | 2014・2015 には無し |
| 国語・短歌・俳句 | 2016 大問 1 問二に関わる形 | 2016 年度 | 資料のある 7 年では 1 回のみ |
「復活」といっても、この学校は同じ問題を再び出すのではなく、同じ座席に同じ種類の問題を置きます。 上の表は「その座席にこの単元が戻る可能性がある」という意味で読んでください。受験用教材の単元の中身は 用語集 にあります。
10. 形式面の注意
- 記述の有無: 社会に年 5〜7 問(資料を使った理由説明と、「あなたならどうするか」)。国語に年 2〜3 問(30〜45 字)。算数と理科には、答えを文章で説明させる設問が精読した 3 年では見つかりませんでした。
- 字数指定: 国語の記述はすべて字数指定つき(30〜45 字)。社会の記述には字数指定が付かない年があり、代わりに解答らんの大きさと「[消費地] という語句を用いて」(2025 大問 1 問 9(3))のような使う語句の指定が付きます。精読した 3 年で読んだ社会の記述に「〇〇字以内」の指定はありませんでした。転写データでは字数指定のある冊が社会で 17 年中 59% です。
- 字種の指定: 社会に多くあります。「漢字 4 字で」(2024 大問 1 問 1)「漢字 2 字で」(2022 大問 1 問 3)「カタカナ 6 文字で」(2025 大問 1 問 1)。国語の知識問題にも「漢字一字を入れ」の形が並びます。
- 桁・単位の指定: 理科の計算に必ず付きます。「小数第一位を四捨五入して整数で」(2023 大問 3・2024 大問 4)、「小数第二位を四捨五入して小数第一位まで」(2025 大問 4)。算数の単位・形式の指定は 8-1 節に書きました。
- 作図: 精読した 3 年では算数・理科とも作図の指示は見つかりませんでした。理科は読み取りと計算に集中してよいところです。
- 円周率: 精読した 3 年では指定の記載を確認できませんでした。おうぎ形の面積(2025 大問 2(6))が出るので、答案の書き方は市販の過去問集で確認してください。
- 図・資料の量: 図表のある小問の割合は 社会 58% > 理科 53% > 算数 32% > 国語 0%(転写データの 17 年平均。国語は資料のある 7 年を通して 0% で、文章と設問だけです)。社会と理科は読む量が多い試験です。
- 試験時間と問題量: 算数 50 分で 20 問前後(1 問 2 分半)、理科 40 分で 25〜30 問(1 問 80〜95 秒)、社会 40 分で 27〜29 問のうち記述 5 問以上、国語 50 分で 18〜24 問。理科と社会は時間が厳しいところです。国語 50 分・100 点は全回共通で、ST 第 1 回だけ算数が 60 分・150 点になります(1 節)。
- 算数の時間配分: 大問 1 の計算 4 問と大問 2 の小問 7 問で 11 問。ここが全体の半分強を占めるので、前半の 11 問をどれだけ速く正確に抜けるかが中心になります。
- 理科の導入文が長いところです。設問文の総量は 17 年平均で 3800 字ほどあり、問題文を読む時間そのものが得点を左右します。
- 社会の時間配分: 小問 27〜29 問のうち 5 問以上が記述なので、選択と短答を 1 問 40 秒前後で抜けて、記述に時間を残す配分になります。
11. 学年別ロードマップ
| 段 | 何をするか | この学校での重み |
|---|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(分数・小数・帯分数のかけ算わり算・中かっこ)、図形(立方体や直方体を切ったらどんな形が残るかを実物やスケッチで見る)、読解(物語文と説明文を 1 本ずつ読み切る)、漢字語彙。この学校で最終的に効く入口は「四則計算を速く正確に」「立体を切って残った形を思い浮かべる」「表を書いて規則を探す」の 3 つです | 差はほぼありません。ただし算数の大問 1 が 17 年すべて計算 4 問なので、計算練習の習慣だけは早くから効き続けます |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終える段です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は国語の漢字と語句の知識を毎日、週末 60 分はその週の算数の単元 1 つ。算数は 8-1 節の題材表を「小 5 で一巡する単元リスト」として使い、単元はこの順に置きます: 食塩水 → 売買損益(原価・定価・利益の計算・受験用教材の単元)→ 比の変化 → 平面図形の面積比 → 立体の体積・表面積 → 規則性 → 数の性質 → 速さ → 水量とグラフ(受験用教材の単元)。理科は 4 分野を 1 周し、「表を見て比例か反比例かを言う」習慣を。社会は都道府県の統計(農業・工業・貿易)と通史を一巡し、雨温図とグラフの読み方を入れます。国語は記述を 40 字で書く練習も。ただし国語は 2017 年度以降の問題文が資料に無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください | 座席が決まっている学校なので、小 5 のうちに「どの座席に何が来るか」を知っておくと小 6 の演習の効率が変わります。とくに算数の大問 2 の小問集合 7 問は、小 5 の単元がそのまま並びます |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目。夏以降は 2 通りの使い方を併用します。①年度通しで時間を計る(算数 50 分・社会 40 分の配分が特に効きます)、②同じ座席を縦に解く(算数の大問 2(7) と大問 3・4、理科の大問 2 と大問 4、国語の大問 3)。社会は記述だけを縦に集めて添削してもらいます。ただし国語は 2017 年度以降の資料が無い(→ 13 節)ので、大問 3 を縦に解けるのは 2016 年度までです | ②が効きやすい学校です。座席が決まっているので、同じ座席を 3〜5 年分続けて解くと「この座席では何を聞かれるか」が体で分かります |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 での全分野の一巡と、小 6 で同じ座席を縦に解いたかどうかです。算数の大問 1・大問 2 は小 5 までの単元がそのまま並ぶので、小 5 で穴を残すとそこが毎年そのまま失点になります。逆に、座席が決まっている分だけ、小 6 でかけた時間が点に返りやすい学校でもあります。社会の記述と国語の 30〜45 字記述は一人では直しにくいので、添削してもらう回数が差になります。理科は暗記より「表を読んで計算する」作業なので、小 5 のうちに「表の 2 つの列がどう関係しているか」を言葉にする習慣をつけておくとよいところです。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・通学圏は見ていません。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100・100 が最も近い)です。
- 新島学園中学校(群馬県・共学)— 算数と国語がよく似ています。理科・社会は比較できません。
- 二松学舎大学附属柏中学校(千葉県・共学)— 算数が最も近く、理科・社会も中程度です。国語は比較できません。
- 日本大学藤沢中学校(神奈川県・共学)— 4 科ともまんべんなく近く、社会だけやや離れます。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 使い方の目安: 算数の演習量を増やしたいなら跡見学園・二松学舎大学附属柏・トキワ松学園・東洋大学京北、理科なら東京成徳大学・日本大学藤沢、国語なら新島学園・トキワ松学園が転用しやすいところです。社会は東洋大学京北以外はやや離れており、この学校の社会(資料つき記述と 1 題材で全分野)は他校で代替しにくいところです。
- 2027 年度は、トキワ松学園(2 月 1 日・2 月 3 日)、東京成徳大学(2 月 1 日・2 月 2 日・2 月 5 日)、東洋大学京北(2 月 1 日・2 月 2 日)で、この学校と同じ時間帯に入試が重なる回があります。同じ日の同じ時間帯に重なる回は、どちらか一方しか受けられません。
- この学校は第 1 回・第 2 回・ST 第 2 回・ST 第 3 回が 4 科、ST 第 1 回が 2 科です。ST 第 1 回だけを受ける場合でも、4 科の回や 4 科目校を併願するなら、理科・社会の準備は別に立てる必要があります。
- 近さは出題構造の近さであって、同じ問題が出るという意味ではありません。
13. 資料の限界
- どの回・どちらの部か判別できません。この学校は男子部・女子部の別学で、2027 年度の募集要項では 第 1 回・第 2 回・ST 第 1 回・ST 第 2 回・ST 第 3 回・帰国生入試 の 6 つの機会があります。一方で手元の転写データは 1 年・1 科目につき 1 冊のみで、学校名・年度・科目しか付いていません。それがどの回のものか、男子部・女子部のどちらのものかを特定できていません。複数年で大問構成がそろっていることから同じ回のものが並んでいる可能性は高いものの、確認はできていません。受ける回が決まっているなら、その回の問題を市販の過去問集で必ず確認してください。とくに ST 第 1 回は算数 60 分・150 点の 2 科入試で、条件が大きく違います。
- 国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。8-4 節に書いたのは 2009〜2016 年度に限った話で、直近 10 年ほどの形式・出典については何も言えていません。出典の一覧も同じ制約を受けます(2012 年度は問題が資料にありません)。
- 社会の 2023 年度は転写に 3 問しか残っていません。この年を題材表から外し、代わりに 2022 年度を精読しました。2023 年度の実際の構成は分かりません。
- 図そのものは転写されていません。図・グラフ・地図・写真は説明文に置き換わっており、そこからの推定を含みます。社会(図表のある小問 58%)と理科(53%)では、実際の資料を見たときの印象が変わる可能性があります。
- 読み取り確度が低めの年があります。理科は 17 年中 14 年、社会は 17 年中 11 年、算数は 17 年中 6 年です。精読した 3 年でも、理科は各年 1 問ずつ内容を確定できない小問がありました。
- 満点・設問別配点は問題冊子に印刷されていません(精読した年で確認)。科目の配点は募集要項の数字です。
- 2026 年度の問題は資料にありません(算数・理科・社会は 2025 年度まで)。直近 1 年の変化は反映できていません。
- 各科目 3 年分の原本を精読して書いています。それ以前の年は転写データの単元分類を数えただけで、設問の細部までは確認していません。「3 年連続」と書いたものは 3 年しか見ていないという意味でもあります。
- 「〜に見えます」と書いた箇所は題材からの推測で、裏づけになる資料はありません。
国学院大学久我山中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方
数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
国学院大学久我山中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値(4 出所併記) / 過去問分析 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 校風・理念
索引: 出題スタイル別 / 単元別 / 問い方別 / 同じ場所に同じ種類の問題 / 入試結果の公表状況 / 国語の出典 / 校風キーワード / 旧称 / 入試日程 ・ 共通: 過去問の使い方 / 用語集 / 資料の限界 / 方法論 / トップ