かえつ有明中学校 の過去問分析
かえつ有明中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
かえつ有明中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・4 科がそろう回・算数 13 年分ほか)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都江東区 |
| 男女 | 共学 |
| 改称・共学化 | 2006 年に嘉悦女子から改称して共学になり、江東区有明へ移りました |
| 入試回と日程・科目 | 2 科・4 科入試 2 月 1 日午前/特待入試 2 月 1 日午後・2 月 2 日午後・2 月 3 日午後。いずれも 2 科(国語・算数)か 4 科(国語・算数・理科・社会)を選びます(2027 年度募集要項) |
| 試験時間・配点 | 国語 50 分・100 点/算数 50 分・100 点/理科 25 分・50 点/社会 25 分・50 点 |
| 合否の判定 | 2 科は 200 点満点、4 科は 300 点を 200 点に換算して、高いほうで判定します。教科による足切りはありません |
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 算数・社会・国語の 3 科目は「どの場所で何を測るか」が長く固定されていて、理科だけが毎年作り直されます。
- 理科と社会が 25 分しかありません。社会は 25 分で本文つきの 25 問、理科は 25 分で 15〜19 問で、4 科目の中でここがいちばん厳しいところです。
- 題材には、学校のある江東区・有明という土地が繰り返し出てきます。
家でやること 3 つ
- 理科と社会を 25 分で通す演習を、他校より多く積みます。
- 算数の大問 1(計算 5 問)を毎日。工夫計算・単位換算・逆算(□にあてはまる数を求める計算)の 3 本立てです。
- 算数の食塩水を厚くやります(資料のある 13 年のうち 10 年で出ています)。
今週やる 1 つ
- 2025 年度の社会を 25 分で計って解き、最後の 25 問目まで手が届くか確かめます。
注意
- 資料の冊子には入試回(同じ学校が日を変えて行う入試のそれぞれ)の表記が読み取れず、ここに書いたことがどの回のものかは分かりません。国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | 10 年(2010・2014〜2022) | 13 年(2010・2014〜2025) | 高。2024 年度は読み取り確度が低めと記録されていますが、大問の並びと題材の読み取りに支障はありませんでした |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2025) | 11 年(2012〜2022) | 14 年(2012〜2025) | 高。ただし 2024 年度の大問 2 の設問文に、日本語以外の文字が 1 か所混じる転写の乱れがあります。その 1 問は選択肢の中身を使わずに扱いました |
| 社会 | 3 年(2023・2024・2025) | 10 年(2013〜2022) | 13 年(2013〜2025) | 高。2024 年度は読み取り確度が低めで、大問 2 の小問 1 つが転写の欠けとして記録されています。その 1 問は数に入れていません |
| 国語 | 3 年(2015・2016・2018) | 3 年(2010・2013・2014) | 6 年(2010・2013・2014・2015・2016・2018) | 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。国語について書いたことは 2018 年度までの話です |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 社会 2022 年度は例外で、設問文の枠を照らし合わせるために原本の一部だけを確認しました。国語も例外で、資料のある 6 年すべてについて本文末尾の出典表記だけを原本で確認しています。
- 資料は 1 年・1 科目につき 1 冊で、入試回の表記が読み取れません。2027 年度の募集要項では、4 科目の回が 2 月 1 日午前の「2 科・4 科入試」と 2 月 1 日・2 日・3 日午後の「特待入試」に分かれ、ほかに探究の回(テオリア・ポリフォニー)と英語を使う選考があります。資料の冊子がこのうちどの回のものかは特定できません。探究の回と英語の選考の問題は、この資料に含まれていません。
- 試験時間・配点と判定の方法は 2027 年度の募集要項によるもので、1 節にまとめました。過去の年度がこれと同じだったかは確認していません。
- 設問ごとの配点は、精読した 4 科目・どの年度の冊子にも印刷されていません。
- この学校は 2006 年に改称して江東区有明へ移り、共学になりました。資料のいちばん古い年度は 2010 年度なので、旧称の時代の問題は含まれていません。
- 「毎年」「〜年連続」と書いた箇所は、その年度の設問文を原本で読み直したか、年度別の並びで確認したものです。確認できなかったことは書いていません。
5. 一番大きな結論
この学校は、算数・社会・国語の 3 科目で「どの場所で何を測るか」が長く固定されていて、理科だけが毎年作り直されます。そして題材には、学校のある江東区・有明という土地が繰り返し出てきます。
- 算数は資料のある 13 年(2010・2014〜2025)すべてで大問 6 題・小問 20 問です。大問 1 が計算 5 問、大問 2 が一行題(数行で終わる短い文章題)5 問という並びは精読した 3 年(2023〜2025)で共通で、大問 1 が計算であることは 13 年動いていません。一方、大問 3〜6 の単元は毎年入れ替わります。
- 社会は 2016 年度以降の 10 年間ずっと大問 2 題で、大問 1 が現代(地理・公民)、大問 2 が歴史です。しかも大問 2 は「祈り」(2023)「建物」(2024)「あかり」(2025)のように、1 つのテーマで縄文から現代までを貫く形が 3 年連続しています。
- 国語は資料のある 6 年すべてで大問 3 題、説明的文章 → 文学的文章 → 知識(漢字を含む)の並びです。
- 理科は大問 4 題が 3 年続いていますが、分野の座席(問題の置き場所)は決まっていません。生物・地学・化学・物理がどの位置に来るかは毎年入れ替わり、2025 年度は地学が 2 題入って化学の大問が消えました。
ここで言っている固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ということで、「同じ問題が出る」ではありません。精読した 3 年分の設問文を突き合わせても、数値だけ変えた同じ問題は見つかりませんでした。同じなのは問い方の文だけです。たとえば社会には「空らん( )にあてはまる□□として正しいものを、次のア〜エより 1 つ選び、記号で答えなさい」という文の枠があり、2022 年度は □□ が「地名」と「語句」、2025 年度は「国名」で、どちらの年の設問文も原本で確認しました。枠は同じでも聞かれることは別です。
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。大問 6・小問 20 が 13 年(2010〜2025)不変。大問 1 は計算 5 問、大問 2 は一行題 5 問 | 前半 10 問は毎年同じ枠、後半 4 大問は毎年入れ替え。食塩水が 13 年で 10 回といちばん厚い | 大問 1 の計算・単位換算・逆算/食塩水の 3 パターン/流水算とダイヤグラム |
| 理科 | 中くらい。大問 4・小問 15〜19。分野の座席は無く毎年作り直す。記述 1 問と選択が中心 | 4 分野を 1 題ずつ配る年が多い。実験の組み立てを問う設問が芯にある | 4 分野を捨てない/理由記述 1 問/浮力・圧力の計算/気象 |
| 社会 | 高い。大問 2・小問 25。大問 1 が現代、大問 2 が通史(10 年不変) | テーマは毎年入れ替え。全問が「下線部①について」の形。前年の出来事が入口 | 通史の一巡/年代順の並べかえ/25 分で 25 問を解く速さ/地図と資料の読み取り |
| 国語 | 高い(2018 年度まで)。大問 3・小問 23〜38。説明文 → 物語 → 知識 | 記号選択と抜き出しが主軸。記述は 2〜5 問で条件つき。知識大問は毎年作り直し | 漢字を毎日/知識分野の一巡/抜き出しの字数指定/条件つき記述 |
科目ごとに測っているものが違います。算数と国語は「決まった枠を正確に処理する」試験、社会は「読みながら短時間でさばく」試験、理科は「実験の考え方を説明できるか」を見る試験です。
したがって過去問の使い方は、「決まっている席を縦に押さえる」と「時間の使い方を身につける」の 2 本立てになります。
- 縦に押さえる席は 4 つあります — 算数の大問 1(計算 5 問)と大問 2(一行題 5 問)、社会の大問 2(テーマで貫く通史)、国語の大問 3(知識)。この 4 つは何年も同じ場所にあり、しかも「その席に何が来るか」がはっきりしているので、年度をまたいで縦に解く練習がそのまま効きます(手順は 過去問の使い方)。
- 時間の使い方です — 理科と社会が 25 分である点がこの学校の最大の特徴で、社会は 25 分で本文つきの 25 問、理科は 25 分で 15〜19 問。1 問あたり 1 分前後しかありません。
「出る問題を覚える」使い方は、この学校ではどの科目でも効きません。
6. この学校らしさが出る場所
- 学校のある江東区・有明が、そのまま問題になります。 2024 年度の社会は大問 1 が「かえつ有明中学校の『社会』の時間に、周辺の建物を見に行って調べる授業」から始まり、学校から有明体操競技場までの直線距離を地図で測る問題、新木場の貯木場、旧深川区の関東大震災、新木場駅から東へ出たところの川を答える問題が並びます。2025 年度の社会は大問 1 が「かえつ有明中学 1 年生が江東区役所へ行って区の広報誌を調べる」設定で、江東区の昼間人口比率、夢の島、豊洲市場、清澄庭園、深川エリアが順に出てきます。しかも地形図の中央の十字の記号が学校の位置です。理科でも 2025 年度の大問 2 が「東京都江東区に住むサンクロウ君」の山へのドライブ、算数でも 2024 年度の大問 2 が有明アリーナの縮尺でした。3 科目で自分の学校の周りが題材になるのは、この学校をはっきり特徴づけています。
- 1 つのテーマで縄文から現代まで貫く社会の大問 2 があります。「祈り」(2023・土偶から憲法の信教の自由まで)、「建物からみる日本の歴史」(2024・カード A〜H を最後に年代順に並べる)、「あかり」(2025・縄文の炉から明治のガス灯、第一次世界大戦の照明弾、核兵器禁止条約まで)。時代を輪切りにするのでなく、1 つのものを縦にたどる作りです。
- 理科は「探究」の形をとります。2023 年度は大問 1 が「あいなさんの探究レポート」(サンマの不漁を調べる)、大問 4 が「たすくくんが夏休みに行った探究Ⅰ・Ⅱ」(アサガオの色水がせっけんで青くなった理由を追う)。2025 年度は大問 3 でインゲンマメの発芽実験を読ませ、「同じ条件の種子を 2 つ以上設定しているのはなぜか」「エンドウマメで同じことを調べるならどんな実験方法が考えられるか」と、実験の組み立てそのものを問います。答えを知っているかでなく、確かめ方を考えられるかを見ているように見えます。
- 暮らしの中の出来事から原理へ運ぶ理科です。炭酸飲料のふたを開けたときの音、山道でふくらむスナック菓子の袋、山頂で閉めたペットボトルが下山後にどうなるか(2025)、チョークの主成分とホタテの貝殻(2024)、雨上がりの虹の見える方角(2025)。教科書の外にある場面を、教科書の中の原理で説明させます。
- 社会の公民は憲法・国際・人権に寄ります。信教の自由(2023)、アイヌ文化振興と国連総会と G7(2024)、日本国憲法の空欄・3R・核兵器禁止条約(2025)。財政や税は薄いところです。
- 算数にも生徒の名前が出ます。2025 年度の大問 5 は「新川くんと小宮くん」が学校からカフェへ向かう設定、大問 6 は「サトシさんとタスクさん」のハンドボール投げの記録比べです。社会・理科の会話文にも「有子さん」「明さん」「学さん」「有紗さん」「サンクロウ君」「たすくくん」「あいなさん」が登場します。
- 国語は「自分で考える・自分で選ぶ」を主題にした説明的文章が並びます。かたづけを「モノを選ぶチカラ」として説く文章(2016)、〈考える〉のが面倒くさいという風潮を批判する文章(2018)、外来魚を放す「無知なる善意」を扱う文章(2015)。文学的文章はいずれも小学生・中学生が主人公で、大人や友達との距離を測り直す場面が選ばれています。
7. 今からやるなら(優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に進めてください。過去問を時間を計って解く演習は小 6 の夏以降が目安です。学年別の入り方は 11 節に書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本または年度別の並びで確認できている最後の年度です。
- [週 1 回] 理科と社会を 25 分で通す練習を、他校より多く積む。 社会は 25 分で会話文・メモつきの 25 問、理科は 25 分で 15〜19 問に記述 1 問。この 2 科目の時間切れがいちばん起きやすいところです。本文を全部読んでから設問に入るのではなく、下線部から設問へ飛ぶ読み方に慣れてください。通し演習の回数は、他の科目より多めに確保します。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 5 問。 工夫計算(分配法則でくくる・小数と分数の相互変換。2023 の 17×119−7×187−11×63、2025 の 2340−2304÷32×4×2)、単位換算(面積・体積・時間・ha と km²)、逆算の 3 本立てです。資料のある 13 年で動いていない枠で、20 問中 5 問を占めます。ここは時間をかける価値が確実に返ってきます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・食塩水と速さ 3 通り、平面図形の面積比 — 食塩水は資料のある 13 年で 10 回。「うつしかえ」(2023)、「混ぜて濃度を作る」(2025 の (1)(2))、「蒸発させて濃くする」(2025 の (3))の 3 パターンを、てんびん図でも面積図でも解けるようにします。速さは流水算(川の流れの中を進む船の速さ・2023・2024 とも一行題)、周回する点の周期(2024 大問 4)、グラフから読むダイヤグラム(2025 大問 5)の 3 通り。平面図形は 2025 大問 3 が辺の比だけから面積比をたどる問題で、補助線ではなく比の連鎖で解きます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 2 の一行題プールを一巡し、説明を書く練習を少し入れる — 流水算・仕事算(何人かでやると何日かかるか)・売買損益・つるかめ算(個数を合計から逆算)・通過算(電車が橋やトンネルを通り抜ける時間)・角度・場合の数・縮尺・消費税をふくむ割合。あわせて 2025 大問 6 の「計算して理由をつけて説明しなさい」に備え、平均値・中央値・順位づけのような資料の比べ方を、言葉で説明できるようにしておきます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 社会・通史の一巡と年代順の並べかえ、資料の読み取り — 大問 2 は 3 年連続で縄文から現代までを 1 テーマで貫きます。どの時代も 1〜2 問は必ず来るので、抜けがそのまま失点になります。年代順の並べかえも 3 年連続で、年号の暗記ではなく出来事どうしの前後関係で覚えます。地図と資料の読み取り(縮尺の計算・地図記号・雨温図・統計グラフ)は 2024・2025 とも大問 1 の前半に固まっています。短い記述(10〜20 字)は「〜のため」「〜だから」で終わる 1 文を、字数を数えながら書く練習を。江東区と東京湾岸の地理(埋め立て地の成り立ち、貯木場、市場、昼間人口)も軽く見ておくと効きます。前年 1 年ぶんのニュースは、憲法・国際・人権へ振り分けてください(関東大震災 100 年、核兵器禁止条約)。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 理科・4 分野すべてに手を入れ、実験の組み立てと理由記述を言葉にする — 分野の座席が読めない以上、どこかが空白だと 50 点満点のうち 12 点前後が固定で落ちます。理由記述は毎年 1 問ぶん練習し、「条件が指定された記述」(2024 はグラフ 2 枚から読めることを必ず入れる指定)と「短く説明する記述」(2025)の両方を。字数指定が無いので、解答らんの大きさで分量を決める練習をしてください。実験の組み立ては「何を変えて何をそろえるか」「同じ条件を 2 つ以上作るのはなぜか」を口で説明できるように。浮力・密度・圧力の計算(台ばかりとばねばかりの読みの合計、圧力=重さ÷面積、沈んだ深さと浮力のつり合い)は 2023・2024 の 2 年連続で物理の大問になりました。気象は飽和水蒸気量と湿度の計算(2023)、積乱雲と線状降水帯(2024)、気圧と体積(2025)と 3 年連続で大問に入っています。前年 1 年ぶんの科学ニュース(サンマの不漁とマイクロプラスチック、線状降水帯)は、覚えるのではなく、その裏にある教科書の原理に結びつける読み方を。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字と知識分野の一巡 — 大問 3 は資料のある 6 年すべてにあり、漢字が必ず入ります。送り仮名まで書く練習を必ず入れてください。中身(ことわざ・故事成語・慣用句・敬語・品詞・文節のかかり受け・語の関係)は毎年入れ替わるので、範囲を絞るやり方が効きません。薄く広く一巡しておきます。(確認: 〜2018 年度)
- [週 1 回] 国語・抜き出しの精度と条件つき記述 — 「はじめとおわりの◯字」「◯字以上◯字以内でさがす」という細かい指定を、読んだ瞬間に守れるようにします。条件つき記述は、指定語を使う・指定の観点をふまえる・字数を守るの 3 つを同時に処理する練習で、25 字・50 字・60 字・80 字の 4 段階。段落の並べかえと脱文挿入は、接続語と指示語を手がかりに流れを復元します。50 分の中の配分(知識の大問を先にやるか後にやるか)も、あらかじめ決めて演習してください。(確認: 〜2018 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 6・小問 20)
精読したのは 2023・2024・2025 年度です。資料は 2010・2014〜2025 年度の 13 年分あり、そのすべてで大問 6 題・小問 20 問でした。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 計算 5 問(0.85 日=□時間□分/逆算) | 一行題 5 問(ハワイの移動距離と単位/おうぎ形の中の図形の移動/流水算/仕事算/お小遣いの割合) | 食塩水(2 容器のうつしかえ) | 売買損益(250 円×20 個・売れ残り 7 個) | 場合の数(縦 5 横 5 の道順・チェックポイント) | 回転体(三角形の 1 回転・展開図の角) |
| 2024 | 計算 5 問(20000mm²=□m²/部分分数の和/逆算) | 一行題 5 問(有明アリーナの縮尺 5000 分の 1/消費税 10% と 8%/流水算/長方形と正三角形の角度/硬貨の支払い方) | 水量とグラフ(直方体の水そう+立方体のおもり) | 速さ(正六角形上を回る 3 点 P・Q・R) | 約束記号(2 種類の記号の組み合わせ) | 図形の移動(円板が正三角形+長方形の周りを転がる) |
| 2025 | 計算 5 問(500ha=□km²/分母 2025 の数列の和/逆算) | 一行題 5 問(つるかめ算のめがね/男女交互に並ぶ/速さと時間のグラフ選択/通過算/円すいに巻いた糸) | 平面図形(辺の比から面積比・BP:CP) | 食塩水(A と B を混ぜる・蒸発させる) | 速さとグラフ(徒歩と自転車・コンビニ寄り道) | 資料の読み取り(ハンドボール投げ 10 回の記録を 3 通りの方法で比べる) |
表に出てくる流水算・仕事算・つるかめ算・通過算・売買損益・約束記号などの中身は 用語集 にあります。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 1 は計算 5 問です。設問文は 3 年とも「次の □ にあてはまる数を求めなさい」で同じ。資料のある 13 年(2010〜2025)のすべてで大問 1 が計算であることを、年度別の並びで確認しました。
- 大問 1 の (5) は逆算です。中かっこ・小かっこの入った式の中に □ が 1 つある形で、2023・2024・2025 の 3 年連続。
- 大問 1 に単位換算が 1 問混ざります。2023 は (4) の 0.85 日、2024 は (3) の 20000mm²、2025 は (3) の 500ha。位置は前後しますが、3 年とも大問 1 の中にあります。
- 大問 2 は一行題 5 問です。設問文は 3 年とも「次の問いに答えなさい」。単元は毎年入れ替わり、3 年で重なったのは流水算(2023・2024)と場合の数(2023 の道順は大問 5 ですが、2024・2025 は大問 2 の中)だけでした。
- 大問 3〜6 は毎年作り直されます。3 年で同じ位置に同じ単元が来た例はありません。食塩水は 2023 が大問 3、2025 が大問 4 と場所が動いています。
つまり算数は「枠は完全に固定、中身は前半だけ固定、後半は毎年入れ替え」という作りです。ここで言う固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ことで、「同じ問題が出る」ことではありません。実際、精読した 3 年分の設問文を突き合わせても、数値だけ変えた同じ問題は見つかりませんでした。
頻出単元と周期
年度別の並び(2010〜2025 の 13 年)で数えると次のとおりです。
| 単元 | 出現 | 傾向 |
|---|---|---|
| 計算(大問 1) | 13/13 | 5 問構成。工夫計算(2023 の 17×119−7×187−11×63、2025 の 2340−2304÷32×4×2)と単位換算と逆算がセット |
| 食塩水 | 10/13 | 2014〜2021 は毎年、直近は 2023(大問 3)・2025(大問 4)。この学校でいちばん厚い単元 |
| 速さ(グラフつきを含む) | 10/13 | 2025 は大問 5 でダイヤグラム、2024 は大問 4 で正六角形上の周期、2023 は大問 2 の流水算 |
| 平面図形(円とおうぎ形・面積比) | 8/13 | 2025 大問 3 の面積比、2024 大問 2(4) の角度、2023 大問 2(2) のおうぎ形 |
| 規則性・数の性質 | 7/13 | 2025 は大問 1(4) の数列の和に吸収されている |
| 立体図形(回転体・水量) | 7/13 | 2023 大問 6 の回転体、2024 大問 3 の水そう |
| 場合の数 | 4/13 | 2023 大問 5(道順)、2024 大問 2(5)、2025 大問 2(2) |
| 約束記号 | 3/13 | 2014・2024。2024 は 2 種類の記号を入れ子にする形 |
| 資料の読み取り | 3/13 | 2020・2025。2025 は大問 6 の丸ごと 1 題 |
問い方の特徴
- 答えのみが基本です。2023・2024 は 20 問すべてが答えを書くだけの形で、記号選択も記述もありません。
- 2025 年度に「理由をつけて説明しなさい」が 2 問出ました。大問 6 のハンドボール投げの記録比較で、(2)(3) が「2 人のポイントをそれぞれ計算し、理由をつけて説明しなさい」。精読した 3 年ではこの年だけです。同じ 2025 年度には大問 2(3) にグラフを選ぶ記号選択も 1 問あり、この年から答え以外を書かせる問いが入り始めたように見えます。2026 年度の資料が無いので、続いているかどうかは確認できません。
- 大問 3〜6 は「短い設定文+(1)(2)(3)」の 2〜3 段構えです。(1) は設定を読めば届く水準で、(2)(3) が本体になります。
- 分数で答えさせる指示(2024 大問 6(3)「分数で答えなさい」)、比で答えさせる指示(2025 大問 3(2)「BP:CP を求めなさい」)が混ざります。
8-2. 理科(25 分・50 点・大問 4・小問 15〜19)
精読したのは 2023・2024・2025 年度です。資料は 2012〜2025 年度の 14 年分あります。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | サンマの不漁(食物連鎖・マイクロプラスチック)— あいなさんの探究レポート | 浮力(水中のおもり・ばねばかりと台ばかり) | 湿度と飽和水蒸気量(きりの発生) | アサガオの色水とせっけん/水よう液 5 種の判別 — たすくくんの探究Ⅰ・Ⅱ | 19 |
| 2024 | チョークの炭酸カルシウムと塩酸(発生する気体・量的関係) | 8 種類の生物のなかま分け(イカはどこに入るか) | 線状降水帯と積乱雲(2023 年夏の大雨) | 圧力と水圧(床への圧力・沈む深さ) | 15 |
| 2025 | 虹(光の屈折と分散・電磁波) | 江東区に住む生徒の山へのドライブ(気圧とスナック菓子の袋・ペットボトル) | インゲンマメの発芽実験(条件制御) | 地震(P 波・S 波・緊急地震速報) | 16 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 4 題は 3 年連続です。資料のある 14 年では 3〜5 題の間で動いており(2016・2017・2022 が 3 題、2020 が 5 題)、4 題の年がいちばん多くなっています。
- 分野の座席は決まっていません。生物・地学・化学・物理がどの位置に来るかは毎年入れ替わり、2023 は生物 → 物理 → 地学 → 化学、2024 は化学 → 生物 → 地学 → 物理、2025 は物理 → 地学 → 生物 → 地学でした。「大問 2 は必ず物理」のような並びは無く、理科は毎年作り直されると考えたほうがよさそうです。
- ただし 4 分野を 1 題ずつ配るという枠は、精読した 3 年でほぼ守られています。例外は 2025 で、地学が 2 題(気象・地震)入るかわりに化学の大問がありません(水よう液は大問 2 の小問に 1 問だけ)。どこか 1 分野を捨てると、50 点満点のうち 12 点前後が固定で落ちる作りです。
- 気象は 3 年連続で大問に入っています(2023 大問 3 の湿度、2024 大問 3 の線状降水帯、2025 大問 2 の気圧)。年度別の並びで見ると 2013 以来しばらく間があき、2023 から 3 年続いています。
頻出単元と周期
年度別の並び(2012〜2025 の 14 年)で数えると、いちばん厚いのは浮力・密度(2016・2018・2023・2024)と星・星座(2014・2017・2018・2020)、人体(2013・2014・2015・2016・2017・2020)、気象(2013・2023・2024・2025)です。次いで地層・岩石・化石(2012・2013・2022・2023)、気体の性質(2012・2013・2014・2019)が続きます。
- 浮力・圧力は 2023・2024 の 2 年連続で物理の大問になりました。2023 は「水中のおもりとばねばかり・台ばかり」、2024 は「圧力の定義から水圧へ」で、どちらも計算を積み上げる形です。
- 人体は 2010 年代に厚かったのですが、2021 年度以降は大問で見当たりません。
- 電気(電磁石・回路)は 2020 の大問以来、5 年ぶりの空きがあります。
問い方の特徴
- 記号選択が主軸です。精読した 3 年で選択の割合は 53%(2023)・33%(2024)・69%(2025)と年ごとに揺れます。「すべて選び」(2024 大問 4(1)、2025 大問 3(1))と「それぞれ 1 つずつ選び」(2023 大問 1(3))が混ざります。
- 理由を書かせる記述が毎年 1 問あります。2023 は「きりが発生した日としなかった日の違いは何か」、2024 は「大雨が増えているのはなぜか(グラフ②・グラフ③から読み取れることを必ずふくむこと)」、2025 は「緊急地震速報が間に合わないのはどういう場合か」。字数指定はどれにも付いていません。条件を指定して書かせる形(2024)と、短く説明させる形(2025)の両方があります。
- 実験を設計させる・評価させる問いがあります。2025 大問 3(2)「同じ条件の種子を 2 つ以上設定しているのはなぜか」、同 (4)「エンドウマメの発芽と温度の関係を調べるにはどのような実験方法が考えられるか」、2023 大問 4(1) はせっけん以外の可能性を検討させる形です。条件をそろえて比べるという考え方そのものを問うのが、この学校の理科の芯になっています。
- 探究レポートの形をとる大問があります。2023 は大問 1 が「あいなさんの探究レポート」、大問 4 が「たすくくんが夏休みに行った探究Ⅰ・Ⅱ」。生徒が自分で立てた問いを追いかける文章を読ませて、その途中に設問を挟む作りです。
- 作図が出る年があります。2025 大問 1 は (3)(4) が続けて図示問題で、水滴の中の光の道すじを紫色について描き加える、赤と紫の光が観測者の目に届くまでを矢印で描く、という 2 問でした。
8-3. 社会(25 分・50 点・大問 2・小問 25)
精読したのは 2023・2024・2025 年度です。資料は 2013〜2025 年度の 13 年分あります。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1(現代の地域・くらし) | 大問 2(テーマで貫く通史) | 小問数 |
|---|---|---|---|
| 2023 | 少子化と人口ピラミッド(生徒 3 人と先生の会話・保育所・ひのえうま・沖縄と辺野古) | 「祈り」をテーマにしたメモ(縄文の土偶から憲法の信教の自由まで 13 問) | 25(12+13) |
| 2024 | かえつ有明中学校の授業で周辺の建物を見に行く(有明体操競技場・国立競技場のカラマツ・新木場の貯木場・旧深川区の関東大震災) | 「建物からみる日本の歴史」カード A〜H のグループ学習(最後にカードを年代順に並べる) | 25(13+12) |
| 2025 | かえつ有明中学 1 年生が江東区役所へ調べに行く(区の広報誌・ふるさと納税・平泉の雨温図・昼間人口比率・夢の島・豊洲市場・清澄庭園) | 「あかり」の歴史(東京ガスの科学館・縄文の炉から明治のガス灯・第一次世界大戦・核兵器禁止条約まで 13 問) | 25(12+13) |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 2 題・小問 25 問が 3 年連続です。年度別の並びで見ると、2016 年度以降の 10 年間ずっと 2 大問で、小問は 22〜27 の間に収まっています。
- 大問 1 は現代(地理・公民)、大問 2 は歴史です。この分担は 2016〜2025 の 10 年間変わっていません。大問 1 が歴史だった年、大問 2 が地理だった年はありません。
- 大問 2 は「1 つのテーマで縄文から現代まで貫く」形が 3 年連続です。祈り(2023)、建物(2024)、あかり(2025)。時代ごとのメモ・カード・発表原稿に下線を引き、各時代から 1〜2 問ずつ聞いていきます。縄文・飛鳥奈良・鎌倉室町・安土桃山・江戸・明治・戦争・戦後という順に必ず一巡するので、通史のどこかが空白だと、その年は必ず失点します。
- 年代順に並べかえる設問が 3 年連続で出ています。2023 大問 2 問 10(キリスト教への対応 A〜C)、2024 大問 2 問 4(源頼朝の挙兵から平氏滅亡)と問 11(カード A〜H の全体)、2025 大問 2(9)(第二次世界大戦に関連する A〜C)。
- 全問が「下線部①について」の形です。会話文・メモ・発表原稿の本文に番号つきの下線が引かれ、その語を入口に設問が立ちます。3 年とも例外がありません。
ここで言う固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ということで、「同じ問題が出る」ではありません。テーマは毎年入れ替わっています。ただし問い方の文だけはほぼそのままで、「空らん( )にあてはまる□□として正しいものを、次のア〜エより 1 つ選び、記号で答えなさい」という枠は、2022 年度(□□ が「地名」「語句」)と 2025 年度(「国名」)の両方の原本で確認できました。
頻出テーマと周期
年度別の並び(2013〜2025 の 13 年)で数えると、大問 1 の側は国際社会(2014・2017・2020・2022)、人口・都市問題(2023・2025)、地理の産業(2014・2016・2024)、三権分立・政治(2015・2018)が回っています。大問 2 の歴史側は飛鳥・奈良(2016・2019)、近代の戦争(2014・2015・2022・2025)、鎌倉・室町(2020)、江戸(2013・2018)、平安(2021)と、時代の重心が年ごとに移ります。
- 前年〜前々年の出来事が必ず入口になります。2023 は少子化と辺野古、2024 は関東大震災 100 年と国立競技場、2025 は核兵器禁止条約と江東区の在留外国人でした。
- 公民は憲法・国際・人権が中心です。2023 は信教の自由、2024 はアイヌ文化・国連総会・G7、2025 は日本国憲法の空欄・3R・核兵器禁止条約。財政・税・労働は 2023 の保育所(社会保障)くらいで薄いところです。
問い方の特徴
- 記号選択が主軸です。精読した 3 年で 84%(2023)・72%(2024)・64%(2025)。「正しいもの」「誤っているもの」を 4 択から選ぶ形がほとんどで、正誤の組み合わせを選ぶ形(2025 大問 1(3) の a〜d の組み合わせ)も混ざります。
- 記述は毎年 1〜2 問で、短いものです。2024 は「15 字以内」(高床の建物の理由)と字数指定なし 1 問(公園の防火帯としての働き)、2025 は「10 字程度」が 2 問(人口を増やしたい理由・核兵器禁止条約の資料の読み取り)。2023 は第 3 次ベビーブームが起きなかった理由 1 問。長い記述は 3 年とも出ていません。
- 資料を読ませてから聞きます。人口ピラミッドと出生数のグラフ(2023)、木材価格と需要量のグラフ・森林認証マーク(2024)、雨温図・地図・卸売市場の統計・世界地図上の核弾頭数(2025)。
- 文字種の指定があります。「漢字 4 字で」(2025 大問 2(3))、「カタカナで」(2025 大問 2(5))、「漢字で」(2024 大問 2 問 10、2025 大問 2(12))。守れないと失点します。
- 地図の読み取りが毎年入ります。2024 は縮尺の計算(画面上 16cm が実際 624m)と森林管理署の地図記号、2025 は学校の位置に十字の記号が入った地形図の読み取りでした。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 23〜38。2010〜2018 年度の資料のみ)
2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。ここに書いたのは 2010・2013・2014・2015・2016・2018 年度の 6 年分、精読したのは 2015・2016・2018 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1(説明的文章) | 大問 2(文学的文章) | 大問 3(知識) | 小問数 |
|---|---|---|---|---|
| 2015 | 山崎充哲『タマゾン川』(多摩川の水温上昇と外来魚・「無知なる善意」) | 竹内真『自転車冒険記』(ガラス工房でトンボ玉を作る少年) | 文法(品詞・用法)3/敬語 2/ことわざの言い換え 5/漢字 10 | 38(9+9+20) |
| 2016 | 杉田明子・佐藤剛史『中高生のための「かたづけ」の本』(モノを選ぶチカラ) | 三浦哲郎『遠出』(郷子とヒロ子の日曜日・先生を見に行く) | 反対の意味のことわざ/語の種類分け/関係の類推/漢字 | 23(9+10+4) |
| 2018 | 齋藤孝『考え方の教室』(〈考える〉のが面倒くさい・ガンディーの塩の行進) | 森絵都『宇宙のみなしご』(陽子・リン・七瀬さんの屋根のぼり) | 漢字の読み 4/書き取り 4/文節のかかり受け/故事成語 3 | 31(9+10+12) |
出典は資料の記録と原本の末尾表記を突き合わせ、6 年分すべてで一致しました。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
- 大問 3 題で、大問 1 が説明的文章、大問 2 が文学的文章、大問 3 が知識です。この並びは資料のある 6 年(2010・2013・2014・2015・2016・2018)すべてで変わりません。
- 大問 3 に漢字が必ず入ります。6 年とも大問 3 の中に漢字の読み書きがあり、読みと書きの混合、送り仮名を書かせる語(2015「日がクレル」、2018「現役をシリゾく」)が入ります。
- 読解 2 題は 9〜10 問ずつです。3 年とも大問 1 が 9 問、大問 2 が 9〜10 問で、揺れているのは大問 3 の問題数(4〜20 問)だけでした。
- 大問 3 の中身は毎年入れ替わります。文法・敬語・ことわざ・故事成語・語の関係・文節のかかり受けが、年によって入ったり抜けたりします。
頻出と問い方
- 記号選択と抜き出しが主軸です。精読した 3 年で選択が 43〜47%、短答(語句や数値を短く答える形式。多くが抜き出し)が 39〜48%。とくに 2016 の大問 1 は 9 問中 6 問が抜き出しで、「四十五字以上五十字以内でさがし、はじめとおわりに四字をぬき出しなさい」のように字数と抜き出し方が細かく指定されます。
- 記述は 2〜5 問で、字数指定つきが多くなっています。2015 は「五十字以内」1 問と字数指定なし 4 問、2016 は「六十字以内」「二十五字以内」、2018 は「八十字以内」「五十字以内」。2018 大問 1 問五は「文中のことばを使い、〈考えることの喜び〉〈学問の目的〉をふまえて、八十字以内で」と条件が 3 つ付きます。条件を数えて 1 つずつ拾う書き方が要ります。
- 本文の順序を扱う問いが 3 年連続で出ます。2015 は抜けた一文を戻す(直後の 7 字を答える)、2016 は A〜E の段落を並べかえる、2018 は文を (a)〜(d) のどこに入れるかを選ぶ。形は違いますが、いずれも「文章の流れを追えているか」を測る問いです。
- 語句の意味を選ばせる問いも 3 年連続です(2015 大問 1 問三、2016 大問 2 問一、2018 大問 2 問六)。
- 文章を二つに分ける・過去の場面を探すといった、構成を答えさせる問いがあります(2016 大問 1 問九・大問 2 問八)。
- 説明的文章は「考える・選ぶ・自分で決める」を主題にしたものが 3 年とも並びます(かたづけの選択、考えることの喜び、外来魚をめぐる善意)。文学的文章は小学生・中学生が主人公で、友達や家族との距離を扱うものが選ばれています。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した 3 年と、年度別の並びで構成だけ数えた年の範囲での話です。最終確認年度は、その単元を最後に確認できた年度を指します(算数・理科・社会は 2025 年度、国語は 2018 年度までを見ています)。
| 科目 | 単元 | 出ていた年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 理科 | 人体(呼吸・消化・血液) | 2013〜2017・2020 | 2020 年度 | 2010 年代の主力でした。2021 年度以降 5 年、大問では出ていません |
| 理科 | 星・星座/月 | 2020・2021 | 2021 年度 | 地学の枠が 2023〜2025 は気象と地震に寄っています。4 年空き |
| 理科 | 電気(電磁石・回路・豆電球) | 2020 | 2020 年度 | 5 年空き |
| 理科 | てこ・ふりこ・ばね | 2021 | 2021 年度 | 物理の枠が浮力・圧力・光に寄っています。4 年空き |
| 理科 | 地層・岩石・化石 | 2012・2013・2022・2023 | 2023 年度 | 2022・2023 と続いたあと 2 年空き |
| 算数 | 約束記号 | 2014・2024 | 2024 年度 | 2024 は 2 種類の記号を入れ子にする形で復活した実例です。この形は準備しておく価値があります |
| 算数 | 仕事算 | 2010(大問)・2023(一行題) | 2023 年度 | 大問に戻る余地があります |
| 算数 | 売買損益 | 2016・2023 | 2023 年度 | どちらも大問。2 年空き |
| 算数 | 回転体・立体の切断 | 2015・2023 | 2023 年度 | どちらも大問 6。2 年空き |
| 算数 | 場合の数の道順 | 2023 | 2023 年度 | 2023 大問 5 のあと、大問では出ていません |
| 社会 | 三権分立・国会と内閣・選挙 | 2015・2018 | 2018 年度 | 大問 1 の主題として 7 年空き |
| 社会 | 財政・税・社会保障 | 2023(小問 1 つ) | 2023 年度 | 主題としては長く出ていません |
| 社会 | 農業・畜産/貿易・資源 | 2014(主題)・2024・2025(小問) | 2025 年度 | 主題になったのは 2014 で、2024・2025 は小問レベルの登場です |
| 社会 | 都道府県の同定を主題にした地理 | 2021 | 2021 年度 | 4 年空き。地図と地形図の読み取り自体は毎年あります |
| 社会 | 平安時代・鎌倉室町を重心にした歴史 | 2020・2021 | 2021 年度 | 直近 3 年は縄文と近現代に重心があります |
| 国語 | 文法(品詞・用法)・敬語 | 2015 | 2015 年度 | 大問 3 は毎年作り直されるので、いずれも準備の対象です |
| 国語 | 大問 3 のその他の知識 | 2015・2016・2018 | 2018 年度 | 大問 3 で出たことがあるのは、文法(品詞・用法)・敬語・ことわざ・故事成語・語の関係・文節のかかり受け・漢字の読み書きです。精読した年数が少なく周期の話はしにくいので、どれが来ても取れる状態にしておくのが唯一の対策になります |
10. 形式面の注意
- 理科と社会が 25 分です。 これがこの学校の形式面でいちばん大きいところです。社会は 25 分で 25 問(会話文・メモ・発表原稿を読む時間を含む)、理科は 25 分で 15〜19 問(記述 1 問を含む)。4 科目の中でいちばん時間が厳しいのは社会で、本文を先に全部読む前に、下線部から設問へ飛ぶ読み方に慣れておきたいところです。
- 算数は 50 分で 20 問です。1 問あたり 2 分 30 秒の計算になりますが、大問 1 の計算 5 問と大問 2 の一行題 5 問で半分を占めるので、前半 10 問をどれだけ速く正確に抜けるかが時間配分の全部になります。
- 記述はあります。ただし短いものです。社会は毎年 1〜2 問で「15 字以内」「10 字程度」のような短いもの、理科は毎年 1 問で字数指定なし、国語は 2〜5 問で 25〜80 字。算数は 2025 年度に「理由をつけて説明しなさい」が 2 問出ましたが、2023・2024 は 0 問でした。「記述が重い学校」という構えで準備すると、時間配分を誤ります。社会の記述は短いので書くこと自体で時間を失う設計ではありませんが、「10 字程度」を守る訓練は要ります。
- 記号選択が主軸です。社会 64〜84%、理科 33〜69%、国語 43〜47%。算数は 2025 年度に 1 問出ただけでした。
- 国語は小問数が年によって大きく動きます(23〜38 問)。50 分で 38 問だった年(2015)は、知識の 20 問を先に片づける組み立てが要ります。
- 文字種の指定があります。社会で「漢字 4 字で」「カタカナで」「漢字で」。国語で「漢字一字で」。守れないと失点します。
- 抜き出しの字数指定が細かくなっています(国語)。「四十五字以上五十字以内でさがし、はじめとおわりに四字を」のような形です。国語は選び方の指示も細かく、情景描写の色を漢字 1 字で答えさせる(2016 大問 2 問十)、あてはまらないものを「すべて選び」(2016 大問 2 問九)、主張を「二つ選び」(2018 大問 1 問九)といった形が混ざります。
- 国語に古文・漢文は、精読した 3 年では出ていません。文法(品詞・用法)と敬語は 2015 の大問 3 に出ています。
- 作図が出る年があります。2025 年度の理科は大問 1 に光の道すじを描く問題が 2 問続きました。算数の作図は精読した 3 年では見当たりません。
- 桁や単位の指定は設問ごとに書かれます(2024 の理科・大問 4 は「g/cm²」で答えさせる)。算数には分数で答えさせる指示・比で答えさせる指示も混ざります。
- 図・グラフ・資料が多くなっています。理科は図 1〜図 5 が本文に埋め込まれ(2023 は図 1〜図 4、2024 はグラフ①②③を並べて比べさせ、2025 は電磁波の帯の図と光路の図)、社会は地図・雨温図・統計グラフ・世界地図・写真を行き来します。
- 算数の円周率の指定は、精読した 3 年の設問文からは確認できませんでした。市販の過去問集で表紙の注意書きを確認してください。
- 設問ごとの配点は 4 科目とも印刷されていません。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | 何をやるか |
|---|---|
| 小 4(土台) | ①計算の正確さ — 整数・小数・分数の四則と、□ を含む逆算。この学校は大問 1 が 13 年ずっと計算なので、ここが最終的にいちばん効きます。②単位に強くなる — 長さ・面積・体積・時間・ha。算数の大問 1 に毎年 1 問混ざります。③漢字と語彙 — 読みと書きを混ぜたセットで解く形に慣れる。送り仮名まで書く。④身のまわりの理科 — 種をまく、雲を見る、水にものを浮かべる。この学校の理科は身近な場面から入ります。⑤地図と日本 — 都道府県と地形、地図記号、雨温図の見方。時間計測はまだしなくてかまいません |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終える年です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の計算と単位換算、漢字と知識分野を日替わりで。週末 60 分はその週の単元 1 つに充てます。算数は一行題のプールを次の順に一巡し、食塩水にはとくに厚く時間を取ります — 割合と比 → 食塩水 → つるかめ算 → 流水算 → 通過算 → 仕事算 → 売買損益 → 角度 → 場合の数(つるかめ算・流水算・通過算・仕事算は受験用教材の単元です)。理科は 4 分野の主要単元を漏らさず(生物なら発芽・花と受粉・食物連鎖・人体、地学なら気象・地震・星・地層、化学なら水よう液・気体・燃焼、物理なら光・浮力と圧力・てこ・電気)。社会は通史を一巡し、資料(地図・グラフ・雨温図)を読む練習をここから始めます。国語は説明的文章を読む習慣と、知識分野(ことわざ・故事成語・慣用句・敬語・品詞)の一巡。ただし国語は 2019 年度以降の問題文が資料に無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目。夏以降は理科と社会を 25 分で通す演習を軸に据えます。同時に、決まっている 4 つの席(算数の大問 1・大問 2、社会の大問 2、国語の大問 3)は年度をまたいで縦に解きます。この 2 種類の演習を並行させるのが、この学校の形に合います。記述は理科・社会・国語のいずれも短めなので、書く量より「条件を拾えているか」を人に読んでもらって確認してください |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは、小 4 から積む計算と漢字の速さ・正確さです。この学校は 4 科目のうち 2 科目が 25 分しかなく、算数も 50 分で 20 問のうち前半 10 問が計算と一行題という設計になっています。考える時間を作れるかどうかが、手が自動で動く部分をどれだけ用意できたかで決まります。一方で、後半の大問(算数の大問 3〜6、理科の全部)は毎年作り直されるので、小 5 で全分野をひととおり学び終えていないと、当日に出会う単元で止まります。難問を 1 問じっくり解く力に早くから時間をかけても、この学校ではあまり返ってきません。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏は扱いません。
- 日本大学豊山中学校(東京都・男子校)— 算数の「計算+一行題で前半を固める」枠がよく似ています。
- 東洋大学京北中学校(東京都・共学)— 4 科目がそろって近く、1 校ぶん通しで演習を重ねるならここです。
- 鶴見大学附属中学校(神奈川県・共学)— 算数と理科が近い組み合わせです。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 近さは「大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ位置に同じ単元が来るか・設問文の使い回し」の距離と、単元の分布の似方を合成したものです。同じ問題が出るという意味ではありません。
- 本校の国語は 2018 年度以前の資料で計算されているため、国語の近さは参考程度に見てください。国語の数字だけを根拠に演習計画を立てないほうが安全です。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。 資料は 1 年・1 科目につき 1 冊で、表紙に回の名前が読み取れる形で残っていません。この学校は 4 科目の回だけで 2 月 1 日午前・2 月 1 日午後・2 月 2 日午後・2 月 3 日午後の 4 つがあります(2027 年度要項)。ここに書いたことが、受ける回の問題にそのまま当てはまるとは限りません。探究の回(テオリア・ポリフォニー)と英語を使う選考の問題は、この資料には 1 冊も含まれていません。
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。8 節の 4 に書いたことは 2018 年度までの話で、直近の形式・出典・記述の分量は市販の過去問集で確認してください。なお、資料に記録されている出典(森絵都『永遠の出口』2010、小野有五『ヒマラヤで考えたこと』・椰月美智子『しずかな日々』2014、山崎充哲『タマゾン川』・竹内真『自転車冒険記』2015、杉田明子・佐藤剛史『中高生のための「かたづけ」の本』・三浦哲郎『遠出』2016、齋藤孝『考え方の教室』・森絵都『宇宙のみなしご』2018)は、原本の末尾表記と 6 年分すべて一致しました。
- 精読したのは各科目 3 年分だけです。それより前の年については、年度別の大問の並びを見て単元の移り変わりを追いました(構成だけ数えた年)。したがって「2016 年度の大問 3 で何を聞かれたか」といった細部は、この分析では確認していません。
- 2024 年度の理科と社会には転写の乱れがあります。理科の大問 2 の設問文に日本語以外の文字が 1 か所混じり、社会の大問 2 の小問 1 つが欠けとして記録されています。どちらもその 1 問を使わずに分析しました。2024 年度の理科・社会の小問数(15 問・25 問)には、この分だけ誤差が乗っている可能性があります。
- 2015 年度の国語は、大問 2 の小問番号が通し番号になっていません(「問二①②③」のようにまとめられ、「問三」が飛んでいます)。原本の番号の振り方をそのまま写した結果か、転写の側でまとめられた結果かは区別できません。小問数 38 という数字は、この点を含んだものです。
- 図そのものは資料に写りません。図形問題・地形図・グラフの細部は、設問文と図の説明文からの読み取りを含みます。算数の円周率の指定や、解答用紙に単位が印字されているかどうかは、この資料からは確認できませんでした。
- 同じ場所に同じ種類の問題が出るという話は、あくまで大問の並びの話であって、同じ問題が出るという意味ではありません。年度をまたいで数値だけを変えた同じ問題は、精読した 3 年の範囲では見つかっていません。
- 学校の名称は学校の公表資料の記録(かえつ有明中学校)と一致しています。旧称の時代(2006 年の改称より前)の問題は資料に含まれていません。
- 「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、裏づけ資料はありません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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