麗澤中学校 の過去問分析
麗澤中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
麗澤中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・第 1 回相当・科目により 7〜16 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県柏市 |
| 男女 | 共学 |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 1 月 21 日午前(4 科、または 3 科〈国語・算数・英語〉を選択)/第 2 回 1 月 25 日午後(2 科〈国語・算数〉、または 3 科〈国語・算数・英語〉。3 科は本校会場のみ)/第 3 回 1 月 28 日午後(算数 1 科のみ)。いずれも 2027 年度募集要項 |
| 試験時間・配点 | 第 1 回は国語・算数が各 50 分 100 点、理科・社会が各 30 分 50 点、英語が 60 分 100 点。第 3 回の算数は 65 分 120 点 |
| 同名・類似名の学校 | 岐阜県の麗澤瑞浪中学校は姉妹校にあたる別の学校です。このレポートは千葉県柏市の麗澤中学校の問題だけを見ています |
いまの小 6 は 2027 年 1 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 4 科目とも「何番にどんな問題が来るか」が固まっています。算数は大問 4、理科は大問 5、社会は大問 5、国語は大問 3 で、この並びが何年も動きません。
- とくに算数は、大問の並びだけでなく大問 1・2 の中の小問の順番と問い方まで 3 年そろっており、前半 14 問は数字を入れ替えただけの同じ問題と言ってよい水準です。
- 動くのは各分野の中の単元と題材だけです(理科の物理なら電気回路 → 磁界 → 運動、社会の大問 5 の公民の主題、国語の文章そのもの)。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1(計算 8 問)と大問 2(一行問題 6 問)を、3 年分まとめて縦に解きます。
- 社会の大問 1(地図から都道府県を当てる)と、大問 3 前半の一問一答 5 問・大問 4 の近現代 5 問を 3 年分解きます。
- 国語の漢字 10 問(書き取り 8 問+熟語パズル 2 問)を毎日やります。
今週やる 1 つ
- 算数 2023・2024・2025 の大問 1 を横に並べて、(2)(3)(6) が数字違いの同じ問題になっていることを目で確かめます。
注意
- この資料は第 1 回に相当する 1 冊だけで、第 2 回・第 3 回の問題は含まれていません。国語は 2024 年度で止まっています(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | 13 年(2010〜2022) | 16 年(2010〜2025) | 高。数式の細部(分数・かっこ)に転写の揺れがある年があるが、大問構成と題材の読み取りには支障がない |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2025) | 12 年(2010〜2022、2011 を除く) | 15 年(2010〜2025、2011 を除く) | 中〜高。図が多く、図そのものは文字に置きかえられている。実験の設定は設問文から読める |
| 社会 | 3 年(2023・2024・2025) | 11 年(2010〜2022、2011・2012 を除く) | 14 年(2010〜2025、2011・2012 を除く) | 高。統計表・地図・写真の中身は要約されているが、設問の作りと題材は読める |
| 国語 | 3 年(2022・2023・2024) | 4 年(2010・2014・2015・2016) | 7 年(2010・2014・2015・2016・2022・2023・2024) | 2024 年度で止まっている。2025 年度以降の問題文は資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。直近の形式は市販の過去問集で確認してほしい |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 資料は 1 校 1 年 1 科目につき 1 冊で、第 1 回に相当するとみて読んでいます。第 2 回(国語・算数の 2 科)、第 3 回(算数 1 科・65 分・120 点)の問題はこの資料には含まれていません。
- 試験時間と配点は学校の公表資料(募集要項)によるもので、問題冊子には印刷されていません。設問ごとの配点も、どの科目・年度にも印刷されていません。
- 「3 年連続」と書いた箇所は、その 3 年の問題文を原本で読み直して確認したものです。原本を読んでいない年について述べるときは「転写の分類では」と断っています。
5. 一番大きな結論
この学校の入試は、4 科目とも「何番にどんな問題が来るか」が固まっています。とくに算数は、大問の並びだけでなく大問 1・2 の中の小問の順番と問い方まで 3 年そろっています。
- 算数は大問 4・小問 18〜22。大問 1 の四則計算 8 問は、(1) 工夫計算 → (2)「2 けた×2 けた+整数−3 けた÷2 けた」→ (3) かっこ 2 つの割り算 → (4)(5) 小数 → (6) 帯分数 3 つの加減 → (7)(8) 分数と小数の混合、という並びが 2023〜2025 の 3 年とも同じです。続く大問 2 の 6 問も、規則性 → 食塩水 → 速さ → 割合 → 平面図形 → 立体図形の順で 3 年変わりません。前半 14 問は、数字を入れ替えただけの同じ問題と言ってよい水準です。
- 理科は大問 5・小問 24〜25。大問 1 が 4 分野をまたぐ小問集合、大問 2 が物理、大問 3 が化学、大問 4 が生物、大問 5 が地学という並びが、転写の分類では 2022〜2025 の 4 年連続です。大問数 5 は資料のある 15 年すべてで変わりません。
- 社会は 5 大問が 14 年不変です。地理 2 大問 → 歴史 2 大問 → 公民 1 大問で、大問 4 に歴史の近現代が来るのは 2018〜2025 の 8 年連続。大問 3 の前半は毎年「一問一答 5 問」から始まります。
- 国語は 3 大問(漢字 → 説明文 → 物語)。大問 1 の指示文と内訳(書き取り 8 問+熟語パズル 2 問)が 2022〜2024 の 3 年とも同じで、最後の設問が「50 字以内で説明しなさい」なのも 3 年連続です。
ここでいう固定は「同じ問題が出る」ではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」という意味です。つまり、問題の置き場所(以下これを座席と呼びます。大問 4 が地学、というような置き場所のことです)が決まっている、ということです。ただし算数の大問 1 の (2)(3)(6) と大問 2 の 6 問、国語の大問 1 については、問い方の文までほぼ同じで「出る問題が分かっている」枠に近い状態です。
一方で「毎年変わるもの」もはっきりしています。理科の各分野の中の単元(物理なら電気回路 → 磁界 → 運動)、社会の大問 3 の時代と大問 5 の公民の主題、算数の大問 3・4 の題材、国語の文章そのものは年ごとに入れ替わります。
したがって過去問の使い方は、「同じ座席を年度をまたいで縦に解く」のが最も効率がよいことになります。算数の大問 1・2 を 3 年分、理科の大問 1 を 3 年分、社会の大問 3 前半と大問 4 を 3 年分、国語の大問 1 を 3 年分(手順は 過去問の使い方)。年度通しで時間を計る練習は、問題数の多い社会(30 分で 36〜44 問)と理科(30 分で 24〜25 問)で必要になります。
科目横断のまとめ
| 科目 | 形式の固定の度合い | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数(50 分・100 点) | 非常に高い。大問 4・小問 18〜22。大問 1 が 8 問、大問 2 が 6 問。ほぼ全問が答えのみ | 前半 14 問が計算と一行問題(数行で終わる短い文章題)で、単元も並び順も 3 年同じ。後半は図形の総合と「理由を言葉で追う」大問 | 大問 1・2 の 14 問を 3 年分縦に解いて 20 分以内に |
| 理科(30 分・50 点) | 高い。大問 5・小問 24〜25。小問集合 → 物理 → 化学 → 生物 → 地学。記号選択が主軸(46〜72%)、記述は精読した 3 年でゼロ | 分野の偏りが 4 科目でいちばん小さく、最多の単元でも 6%。実験の表から言えることを選ぶ問題が毎年 | 大問 1 の小問集合と、実験の条件をそろえて比べる考え方 |
| 社会(30 分・50 点) | 高い。5 大問で 14 年不変・36〜44 小問。地理 2・歴史 2・公民 1。選択 53〜57%・記述 1〜3 問 | 歴史が 4 割強。大問 1 は地図から都道府県を当てる入口、大問 3 前半は一問一答 5 問 | 都道府県の同定と、歴史の基本用語を漢字で書けること |
| 国語(50 分・100 点。2024 年度まで) | 高い。3 大問・26〜29 小問。漢字 → 説明文 2 本 → 物語 | 字数指定つきの抜き出しと記号選択が二本柱。記述は最後の 1 問(50 字以内)だけ | 漢字 10 問(うち熟語パズル 2 問)と、字数を数える抜き出し |
4 科目に共通するのは「決まった場所を速く正確に処理する」試験だということです。ひねった発想を要求する問題は少なく、そのぶん取りこぼしが響きます。
6. この学校らしさが出る場所
- 「学んだことを人に説明させる」問い方が 3 科目に共通して出ます。 算数 2024 は「分数のわり算をなぜひっくり返すのかを、初めて習う小学生に説明してください」、理科 2024 は「6 年生がカシオペヤ座の見え方を 4 年生に教える」場面、国語は 3 年連続で「生徒どうしが本文について話し合う」場面を読ませます。答えを出すだけでなく、答えの理由を人に伝わる形にする作業が、科目をまたいで顔を出します。
- 登場人物に校名がそのまま入ります。理科 2023 の回路を作る生徒は「麗太さん」「麗美さん」、社会 2024 の選挙権を数える家族は「麗子さん」、社会 2025 の工場見学記も「麗子さん」です。社会 2024 の大問 1 は「麗澤中学校の 1 年生が行った調べ学習」という設定でした。
- 地元・千葉が題材に入ります。理科 2023 は千葉県市原市で見つかった地層(チバニアン)、理科 2025 は千葉市の最高気温、社会 2024 は柏市での直接請求の手続きでした。
- 前年の出来事が理科と社会の両方に入ります。理科は大問 1 の後ろ(2022 年のノーベル物理学賞、2023 年のエルニーニョ現象、2024 年 7 月の猛暑と小惑星探査機)、社会は資料や設問の題材(ウクライナと安保理、2022 年の貿易赤字、令和 6 年能登半島地震)。3 年とも例外がありません。ニュースの暗記ではなく「それはどの単元の話か」で仕分ける練習が対策になります。
- 算数に「言葉で考えさせる大問」が置かれています。大問 4 は 3 年とも、誘導文を読んで規則を見つけるか、理由を説明するかのどちらかでした。計算 8 問で始まり説明で終わるという構成が、この学校の算数の顔になっています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々は 11 節の学年別ロードマップを先に見てください。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の四則計算 8 問を 3 年分(24 問)縦に解く。 (2)(3)(6) は数字を入れ替えただけの同じ問題です。並び順ごと覚えて、8 問を 10 分以内に。あわせて計算の工夫(分配法則でくくる・小数と分数の変換・平方数の和)を (1) 用に練習してください。3 年とも「そのまま足すと時間を取られる」作りになっています。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数・大問 2 の一行問題 6 問を 3 年分(18 問)縦に解く。 — 規則性 → 食塩水 → 速さ → 割合 → 平面図形 → 立体図形の順は 3 年とも同じで、この 6 単元だけを徹底的に回せば足ります。大問 1 とあわせた前半 14 問で、全体の 3 分の 2 以上の設問数になります。単独で足すとよいのは 2 つ。数列の穴埋め(「1, 2, 2, □, 8, 32」のように積・商の規則が混ざるものが 3 年とも出るので、差だけを見る癖を外す)と、食塩水を「比で混ぜる」「濃度を逆算する(□ にあてはまる数を求める計算)」「食塩と水の比で与えられる」の 3 通りで解く練習です。3 年とも聞き方が違うのに位置は同じです。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 3 の図形と大問 4 の「言葉で追う」枠。 — 大問 3 は (1) から順に積み上がる誘導つきなので、(1) から順番に解く練習を、平面(面積比・相似)と立体(切断・回転体)を半々で。大問 4 は「なぜそうなるか」を言葉で説明する枠で、分数のわり算・あまりの意味・倍数の個数の数え方を、下級生に教えるつもりで 2〜3 文で書きます。2023・2024 と 2 年続けて出ています。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 社会・大問 1 の都道府県の同定と、大問 3 前半(一問一答 5 問)・大問 4(近現代 5 問)を 3 年分。 — 大問 1 は 3 年とも「地図と統計から都道府県を特定する」入口で、ここでつまずくと後ろの小問まで連鎖します。県庁所在地と県名が違う県、地形(山地・平野・半島)、雨温図、農産物・畜産の生産上位を白地図の上でつないでください。大問 3 前半の一問一答は古代 → 中世 → 近世を 1 問ずつ、語句を漢字で書かせるだけなので、歴史の基本用語を漢字で書ける状態にしておけば無条件で取れる枠です。大問 4 は 8 年連続で同じ座席にあり、幕末の開国から戦後の講和・高度成長までを風刺画・年表・資料の形で読む練習が効きます。30 分で 40 問前後を処理するため、先に設問を読んでから資料に戻る順を決め、記述は最後に回します。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 社会・毎年出る問い方をまとめて練習する。 — ①X・Y の 2 文の正誤の組み合わせ(2 文を別々に○×する練習。毎年複数)、②時代順の並べかえ(政治史・外交史・文化史の 3 本で。年号そのものより「どちらが先か」)、③文字種の指定(「漢字で」「漢字 2 字」「カタカナ 3 字」「アルファベット」が各年に複数あるので、過去問を解くときに指定を丸で囲む癖を)、④記述を 3 年分書いて添削してもらう(「資料から読めること 1 つ + だから〜」の形で 1〜2 文。年 1〜3 問しかないぶん、書き慣れていないと空欄になります)、⑤前年の出来事を制度と地理に翻訳する(3 年とも前年のニュースが入っており、災害・エネルギー・国際情勢が入口になりやすい)。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字 10 問。 — 大問 1 の 10 問は無条件の得点源です。書き取り 8 問には送り仮名つきの訓読み(テラス・ケワしい)が毎年混ざります。熟語パズル 2 問(中央の空欄に漢字 1 字を入れ、上下左右の 4 字とそれぞれ二字熟語ができるようにする)は 3 年連続で同じ形です。漢字の意味と組み合わせで考える力が要るので、市販の漢字パズル教材で慣らしておくとよい枠です。(確認: 〜2024 年度)
- [週 1 回] 国語・抜き出しと 50 字記述、読解の下ごしらえ。 — ①字数指定つきの抜き出しを、字数を数える作業として速くする(「二十一字」と指定されたら本文の該当箇所を数えて確認)、②50 字記述を 3 年分書く(「〜こと。」「〜ということ。」で締める形を固定し、使う語を指定されたら必ず入れる。3 年連続で最後の設問がこれです)、③接続語の選択(しかし・つまり・たとえば・また)を前後の関係を言葉にしながら、④傍線部の語句の意味を文脈から選ぶ練習(辞書的な意味ではなく「本文中の意味」を問われます。建前・自治・厄介・仏頂面のような大人向けの語彙が出ます)、⑤説明文 2 本を突き合わせて「共通して言っていること」「片方にしか無いこと」を口で言う練習と、抽象度の高い説明文の多読(労働・宗教・政治思想)。小学生には遠い題材が続いているので、大人向けの新書レベルの文章に触れておくと楽になります。(確認: 〜2024 年度)
- [週末 60 分] 理科・大問 1 の小問集合を 3 年分(15 問)縦に解き、あわせて 4 分野を回す。 — 大問 1 は 4 分野が混ざり、後ろに前年の出来事が入るという形が 3 年とも同じで、分野をまたいで頭を切り替える練習になります。前年のニュースは「それはどの単元の話か」で仕分けてください。分野ごとには、物理(大問 2)を電気回路 → 磁界 → 運動と単元横断で(回路図の読み取り、方位磁針のふれ方、斜面と木片の実験は 3 年で全部出ました)、化学は計算 3 本(中和の比・溶解度と再結晶・濃度。3 年ともこのどれかが大問 3)、生物は人体・植物・生態系の 3 本を用語が漢字で書けるところまで、地学は天体と地震(P 波・S 波の速さと到着時刻の計算は 2025 大問 5 で 2 問。星座の日周運動は図の上で追えるように)。さらに「実験の表から言えることを選ぶ」練習を毎回入れてください。「この実験だけでは何が言えないか」「もう 1 つ何を確かめれば証明できるか」を問う設問が毎年あります(2023 大問 4 (2) が代表例)。30 分の時間配分は、導入文が長いので大問 1 を 6 分で抜けて残り 4 大問に 6 分ずつが目安です。社会(40 問前後)も理科(25 問前後)も資料と導入文が長く、「読み切れずに終わる」のが最大の失点要因になるため、通し演習で配分を決めておいてください。(確認: 〜2025 年度)
8. 科目別の詳細
家でやることは 7 節、形式面は 10 節、しばらく出ていない単元は 9 節に一本化しました。この節はその根拠にあたる観察です。
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 4・小問 18〜22)
年度×大問の題材表(精読した 3 年・2023〜2025)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 小問計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | 四則計算 8 問 | □ を求める一行問題 6 問(規則性/食塩水/速さ/割合/平面図形/立体図形) | 台形 ABCD の面積と辺の比(4 問) | 分数の差と積が等しくなる 2 数(誘導つき 4 問) | 22 |
| 2024 | 四則計算 8 問 | □ を求める一行問題 6 問(規則性/食塩水/速さ/売買損益/円 2 つの重なり/おうぎ形の立体) | 立方体 19 個を組んだ立体の切断(3 問) | 分数のわり算をなぜひっくり返すのかを小学生に説明(記述 1 問) | 18 |
| 2023 | 四則計算 8 問 | □ を求める一行問題 6 問(規則性/食塩水/速さ/売買損益/正方形の中の白い部分/回転体) | 長方形 ABCD と辺上の点でできる図形の面積(4 問) | 5 の倍数の個数を求める式の、商とあまりの意味を説明(記述 1 問) | 19 |
転写の分類では、大問 1 が四則計算なのは 2010〜2025 の 16 年すべて、大問 2 が規則性から始まる一行問題なのは 2021〜2025 の 5 年連続です。大問が 4 つになったのも 2021 年からで、それ以前は 5〜6 大問でした。売買損益(仕入れ値・定価・割引から利益を求める形)や回転体の中身は 用語集 にあります。
同じ場所に同じ種類の問題が出る
この学校の算数でいちばん大きい特徴は、大問 1 と大問 2 の中の小問の並びまでそろっていることです。ここでいう固定は「同じ問題が出る」ではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」という意味ですが、算数の前半 14 問についてはその精度がかなり高い状態です。
大問 1(四則計算 8 問)の中の並び(3 年とも同じ):
| 番号 | 3 年に共通する形 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 数をたくさん並べた加減の工夫計算 | 1+4+9+…+64(平方数の和) | 16−11+13−9+… の交互 | 25+4+21+8+… の組み合わせ |
| (2) | 「2 けた×2 けた + 整数 − 3 けた÷2 けた」 | 5×7+9−136÷17 | 8×13+7−629÷17 | 11×12+5−378÷14 |
| (3) | かっこ 2 つの割り算(片方が積の差) | (18×7−21×5)÷(47−29−15) | (66×12−72×9)÷(59−28−19) | (139−26−29)÷(23×28−11×58) |
| (4) | 小数の加減または乗加 | 3.82+5.69−2.07 | 14.3×2.4−9.75−5.67 | 1.9×2.5+2.6×1.9 |
| (5) | 中かっこ入りの小数計算 | 11+0.12×5−0.5×0.74 | {2.7×1.5−(2.5−0.7)}÷2.5 | 12.6÷{(11.2−3.7)×0.48} |
| (6) | 帯分数 3 つの加減 | 2⅓+3¾−4⅚ | 4⅕−3⅔+2 2/7 | 4⅔−3½+2 4/7 |
| (7) | 分数のかっこつき四則 | (5¼−3⅔)×7/24÷… | (1¾−7/9)÷1⅙−… | 10/11×(4⅓−1⅙) |
| (8) | 小数と分数の混合四則 | 6⅔−(1.75×6/7−1.5×…) | (1.2×1.2+1⅖÷2½)÷1.25 | (1 16/25+3)−3.75÷(2.75×…) |
(2) と (3) と (6) は、数字を入れ替えただけの同じ問題といってよい水準です。とくに (3) は「かっこの中を先に計算すると答えが 1 けたの整数になる」作りが 3 年とも共通で、(2) は「3 けた÷2 けたが割り切れる」形が 3 年とも変わりません。
大問 2(□ を求める一行問題 6 問)の中の並び(3 年とも同じ):
| 番号 | 単元 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 規則性・数列 | 1, 2, 2, □, 8, 32, … | 初めて 24 が現れるのは左から □ 番目 | 1, 1, 2, □, 8/3, … |
| (2) | 食塩水の濃度 | A の濃度は B の 3 倍、2:3 で混ぜて 4.5% | 食塩と水が 3:22 の食塩水 100 g | 4% の食塩水 200 g に □% を加える |
| (3) | 速さ | 家から 1 km の駅へ分速 80 m | P から Q へ折り返すマラソン | 兄が分速 80 m・弟が分速 40 m |
| (4) | 割合(売買損益) | 定価 150 円・25 個売れ残り □% 引き | 仕入れ 500 円・3 割の利益を見こむ | お小遣いの 30% と 15% |
| (5) | 平面図形の面積 | 対角線 12 cm の正方形の白い部分 | 互いの中心を通る 2 つの円 | 斜線部分の面積 |
| (6) | 立体図形の体積・表面積 | 直線 ℓ(エル)で 1 回転させた回転体 | おうぎ形を 6 等分してつくる立体 | 立体の表面積(円周率 3.14) |
(1) の書き出しは 3 年とも「下の数字の列は、ある規則にしたがって並んでいます。」で始まります。転写の分類ではこの言い回しは 2020・2022・2023・2024・2025 に現れます。
大問 3 は図形の総合(3〜4 問)で、平面(2023・2025)と立体(2024)が入れ替わります。大問 4 は「なぜそうなるのかを言葉で追う」枠です。2023 と 2024 は説明を書かせる 1 問だけの大問、2025 は誘導文を読んで分数の性質を自分で見つける 4 問構成でした。
頻出単元と周期(転写の分類・2010〜2025 の 16 年で数えたもの)
- 四則計算 16/16 年(大問 1 の指定席。全体の 3 割強がここ)/規則性・数列 2021〜2025 の 5 年連続(大問 2 (1) の指定席)。
- 食塩水の濃度 2012・2015・2016・2019・2020 に大問、2023〜2025 は大問 2 (2)。16 年でもっとも安定して出続けている文章題です。
- 平面図形の面積・面積比 2011・2014・2017・2018・2020・2023・2025 ほか(大問 3 の主役)/立体図形(水量・切断・回転体)2011・2013・2017・2019・2022・2024 ほか。
- 速さ 2010〜2016 は大問、2021 年以降は大問 2 (3) の一行問題/割合・売買損益 2014・2018・2019・2021 ほか、近年は大問 2 (4)。
- 数の性質 2013・2016・2017・2020・2023・2025。大問 4 の題材になりやすい単元です。
上位 3 分野(計算・平面図形・割合と文章題)で全体の 7 割を占めます。分野の広さより、決まった分野を速く正確に処理する力が問われる作りです。
問われ方の特徴
- 前半 14 問(大問 1 の 8 問+大問 2 の 6 問)は答えのみで、ここで全体の 3 分の 2 以上の設問数を占めます。
- 大問 2 は「次の □ にあてはまる数を答えなさい。」という共通の指示文の下に 6 問が並びます。3 年とも同じ書き出しです。
- 大問 3 は (1) から (4) へ積み上がる誘導つきです。2025 は (1) で長さ → (2) で面積 → (3) で比 → (4) で面積、と 1 問ずつ前を使います。前を落とすと後ろも落ちる作りなので、(1) の確保が最優先になります。
- 大問 4 は「小学生に説明してください」「意味を説明しなさい」という、答えではなく理由を書かせる問い方です。2023・2024 で 2 年続けて確認しました。
- 「四角すいの体積は(底面積)×(高さ)÷3 で求められます」のように、中学範囲に近い公式は問題文の中で与えられます(2024 大問 3)。知らない公式が出てきても、その場で読めば足ります。
8-2. 理科(30 分・50 点・大問 5・小問 24〜25)
年度×大問の題材表(精読した 3 年・2023〜2025)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 小問計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | 小問集合 5 問(凸レンズ/食塩水の濃度/フラミンゴの脚/小惑星の探査機/千葉市の最高気温) | 物理|斜面を転がるおもりと木片の移動(実験 2 つ) | 化学|ミョウバンの再結晶とトマトの糖度(会話文 2 本) | 生物|アブラナの花のつくりと受粉・花芽形成 | 地学|プレートと地震(P 波の速さ・到着時刻) | 24 |
| 2024 | 小問集合 5 問(音の速さ/ろうそくの燃焼/体温と外気温/台風の風/エルニーニョ現象) | 物理|磁界(棒磁石・U 字磁石の鉄粉・回路と方位磁針) | 化学|5 種類の水よう液の判別(実験 1・実験 2) | 生物|心臓と血液の流れ(矢印の作図つき) | 地学|カシオペヤ座の見え方を 4 年生に教える | 25 |
| 2023 | 小問集合 5 問(シーソーのつり合い/卵の浮き沈みと密度/発芽条件/チバニアン/ノーベル物理学賞) | 物理|電気用図記号と豆電球の回路 | 化学|濃さの違う 2 種類の塩酸の中和 | 生物|岩場の食物連鎖とヒトデの除去実験 | 地学|太陽系と小惑星(はやぶさ・リュウグウ) | 25 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
理科は 4 科目のなかでもっとも並びが固い科目です。大問 1 が分野をまたぐ小問集合、大問 2 が物理、大問 3 が化学、大問 4 が生物、大問 5 が地学という並びが、転写の分類では 2022〜2025 の 4 年連続でした。精読した 3 年(2023・2024・2025)はすべてこの並びです。大問数 5 は資料のある 15 年すべてで変わっていません。
- 大問 1 は「以下の問いに答えなさい。」の一行だけで始まり、5 問がそれぞれ別の分野から出ます。3 年とも 4 分野(物理・化学・生物・地学)が混ざり、後ろの 1〜2 問に前年の出来事が入ります(2023=2022 年のノーベル物理学賞・千葉県市原市のチバニアン、2024=2023 年に発生したエルニーニョ現象、2025=2024 年 7 月の最高気温・小惑星探査機の試料)。
- 大問 2〜5 は 1 大問 4〜6 問で、実験や会話文の導入がつきます。分野は固定ですが、その中の単元は毎年入れ替わります(物理は電気回路 → 磁界 → 運動、地学は太陽系 → 星座 → 地震)。
ここでいう固定も「同じ問題が出る」ではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」という意味です。理科は分野の座席だけが固まっていて、中の題材は毎年作り直されています。
頻出単元と周期(転写の分類・2010〜2025 の 15 年)
分野の偏りが 4 科目でいちばん小さく、もっとも多い単元でも全体の 6% しかありません。「この単元だけ捨てる」が効かない作りです。
- 物理: 電気回路・電流のはたらき(2010・2013・2019・2020・2022・2023・2024)、てこ・つり合い(2013・2017・2021・2022・2023)、光(2012・2018・2025)。
- 化学: 水溶液の性質と判別(2013・2014・2024)、金属と水溶液の反応(2015・2017・2018・2022)、燃焼(2012・2015・2021)。
- 生物: 植物・花のつくり(2010・2012・2013・2015・2020・2022・2025)、人体(2012・2019・2024)、こん虫・動物の分類(2016・2017・2018)。
- 地学: 星・星座(2016・2017・2018・2019・2021・2024)、地層・岩石・化石(2010・2013・2020)、気象(2014・2018・2024)。
問われ方の特徴
- 記号選択が主軸で、精読した 3 年では選択が 46〜72%、短答(語句や数値を短く答える形式)が 28〜54%。記述はゼロでした。
- 選択肢は「ア〜オから 1 つ選び、記号で答えなさい」が基本です。「すべて選び」も年に 1〜2 問あります(2024 大問 3 (5)・大問 4 (4))。
- 実験の結果の表を読んで、そこから言えることを選ぶ問い方が毎年あります。2023 大問 3(中和の体積比の表)、2024 大問 3(【実験 1】【実験 2】の結果表)、2025 大問 2(斜面の高さと木片の移動距離の表)はいずれも同じ作りです。
- 計算は年 3〜6 問。中和の比、密度と浮き沈み、音の速さ、拍動と血液量、溶解度、P 波の速さと到着時刻など、比例と割合で処理できるものが中心です。
- 会話文・場面設定の導入が近年増えています。2024 大問 5 は「6 年生が 4 年生にカシオペヤ座の見え方を教える」設定、2025 大問 3 は会話 2 本を読んで空欄を埋める形でした。
- 空欄に自分で言葉を考えて入れる問題があります(2025 大問 3 (4)「( B )( C )に入る語句を考えて答えなさい」)。用語の暗記だけでは届きません。
8-3. 社会(30 分・50 点・大問 5・小問 36〜44)
年度×大問の題材表(精読した 3 年・2023〜2025)
| 年度 | 大問 1(地理 1) | 大問 2(地理 2) | 大問 3(歴史・前近代) | 大問 4(歴史・近現代) | 大問 5(公民) | 小問計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | 令和の災害が起きた 8 都道府県の地図(山地名・雨温図・輪島市の地形図・エネルギー) 7 問 | 麗子さんの工場見学記(工業地帯の出荷額・埋め立て地・公害・貿易品目) 6 問 | 一問一答 5 問+古代〜近世の下線部 8 問(908 年の偽籍の記述つき) 13 問 | 2 枚の風刺画(1898 年の中国分割・1941 年の情勢) 5 問 | 平和活動と社会参加の発表原稿(憲法 9 条・国会・選挙) 9 問 | 40 |
| 2024 | 麗澤中学校 1 年生の都道府県調べ学習(統計・日照時間) 5 問 | 日本の貿易(石炭の輸入先・産業の空洞化・2022 年の貿易赤字) 4 問 | 一問一答 5 問+古代〜近世の下線部 10 問(天保の改革と双六の記述つき) 15 問 | ガソリン価格から燃料の歴史へ(石炭・石油をめぐる近代) 5 問 | 選挙制度(投票率の表・麗子さんの家族の選挙権・柏市の直接請求) 7 問 | 36 |
| 2023 | 日本地図から 9 都道府県の同定(世界遺産の写真・農産物の統計) 9 問 | 世界の国々(三大宗教・ブラジルの農産物・豚肉の統計・マンデラ) 7 問 | 一問一答 5 問+古代〜近世の下線部 10 問(菅原道真の記述つき) 15 問 | 北海道開拓の年表(開拓使・札幌農学校・戦後処理) 5 問 | 国際連合(主要機関・専門機関・安保理の記述つき) 8 問 | 44 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
社会は 5 大問が資料のある 14 年すべてで変わりません。中身の並びも固い作りです。
- 大問 1・2 が地理、大問 3・4 が歴史、大問 5 が公民。この配分は精読した 3 年で同じでした。転写の分類では、大問 4 に歴史の近現代が来るのは 2018〜2025 の 8 年連続、大問 3 に古代〜中世が来るのは 2022〜2025 の 4 年連続です。
- 大問 1 は「地図を見せて都道府県を当てる」枠です。転写の分類では 2013〜2024 のほとんどの年で大問 1 が都道府県の同定になっており、2025 も入口は「県庁所在地と県名が異なる都道府県を全て答えなさい」でした。
- 大問 3 の中の作りが 3 年とも同じです。前半【1】が一問一答 5 問(古代 → 中世 → 近世と時代順に 1 問ずつ)、後半【2】が長い文章の下線部について 8〜10 問。前半 5 問は語句を書くだけの短答で、ここは確実に取れます。
- 大問 4 は 3 年とも 5 問ちょうどです。年表・調べ学習・風刺画と入口は変わりますが、幕末から戦後までを 5 問で通す形が共通しています。
- 大問 5 は公民 7〜9 問。国際連合(2023)→ 選挙制度(2024)→ 憲法と国会と選挙(2025)と主題は動きます。
ここでいう固定も「同じ問題が出る」ではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」という意味です。
頻出テーマと周期(転写の分類・2010〜2025 の 14 年)
- 大問 1: 都道府県・地域の同定(2010・2013〜2019・2021〜2024 ほか)。
- 大問 2: 世界地理(2013・2014・2016・2018・2019・2023)、貿易・資源・エネルギー(2020・2022・2024・2025)、工業・産業(2010・2017・2025)。
- 大問 3: 飛鳥・奈良時代(2010・2013・2014・2017・2023・2024)、鎌倉・室町時代(2015・2016・2018・2019・2022・2025)、江戸時代(2020・2021)。
- 大問 4: 近代の戦争と大正・昭和前期(2013・2015・2016・2018〜2022・2024・2025)、幕末・明治維新(2010・2014・2023)。
- 大問 5: 選挙制度(2014・2024・2025)、国際社会・国際協力(2013・2016・2017・2023)、財政・税・社会保障(2020・2021)。
歴史が全体の 4 割強を占め、そのなかでも古代(飛鳥・奈良)と近現代が二本柱です。
問われ方の特徴
- 記号選択が主軸(精読した 3 年で 53〜57%)、短答 39〜42%、記述 1〜3 問。
- X・Y の 2 文の正誤の組み合わせを選ぶ問い方が毎年あります(2023 大問 3 問 11、2024 大問 3 問 9、2025 大問 3 問 10・大問 5 問 6)。転写の分類では 2021・2022 にも同じ言い回しがあります。片方だけ正しい選択肢が用意されるので、2 文を別々に判定する練習が要ります。
- 時代順の並べかえも毎年出ます(2023 大問 3 問 14、2024 大問 3 問 8、2025 大問 3 問 9・大問 4 問 5)。
- 統計の表・グラフから当てはまるものを選ぶ問題が地理で毎年複数あります。きゅうり・トマト・小麦・肉用牛(2023)、豚・ブロイラー・肉牛(2025)、豚肉の頭数と生産量(2023)と、畜産・農産物の統計が繰り返し出ます。
- 記述は「なぜそうなったのか、資料と結びつけて説明しなさい」の形です。2023 は安保理で可決できなかった理由、2024 は天保の改革と双六の禁止、2025 は 908 年の戸籍が偽りである理由と税負担。資料 1 点と本文をつないで書かせるのが 3 年に共通します。
- 「誤っているものを 1 つ選びなさい」「ふさわしくないものを」の形が毎年複数あります。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 26〜29。2022〜2024 年度で確認)
国語は 2024 年度までの資料しかありません。2025 年度以降の問題文は資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)、ここに書いたのは 2022〜2024 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(精読した 3 年・2022〜2024)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2(説明文・論説) | 大問 3(物語) | 小問計 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 漢字の書き取り 8 問+熟語パズル 2 問 | 〈文章 1〉〈文章 2〉|社会契約と「一般意志」(汐見稔幸『教えから学びへ』ほか) 9 問 | 神社で働く奥山希美と宮司の対話 10 問 | 29 |
| 2023 | 漢字の書き取り 8 問+熟語パズル 2 問 | 〈文章 1〉〈文章 2〉|仏教の智慧と慈悲(五木寛之『無意味な人生など、ひとつもない』ほか) 8 問 | 戦時下の列車と葬儀(竹西寛子『蘭』) 9 問 | 27 |
| 2022 | 漢字の書き取り 8 問+熟語パズル 2 問 | 【文章 1】【文章 2】|日本人の労働観・仕事と稼ぎ(内山節『よみがえる日本的労働観』ほか) 8 問 | 小学 4 年生の永野信夫とおばけの噂(三浦綾子『塩狩峠』) 8 問 | 26 |
同じ場所に同じ種類の問題が出る
大問 1=漢字、大問 2=説明文・論説、大問 3=物語の 3 大問が 3 年とも同じです。転写の分類では、大問 1 が漢字の書き取りなのは 2015・2016・2022・2023・2024 の 5 年で確認できます。ここでも固定は「同じ問題が出る」ではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」という意味です。
その上で、問い方の言葉づかいまで 3 年そろっている箇所がいくつもあります。
- 大問 1 の指示文は 3 年とも同じです: 「次の①〜⑩の各文について、傍線部のカタカナを漢字に直しなさい。また、⑨・⑩については、二字の熟語が四つ完成するように、空欄に当てはまる漢字を書きなさい。」書き取り 8 問+熟語パズル 2 問(中央の空欄に漢字 1 字を入れ、上下左右の 4 字とそれぞれ二字熟語ができるようにする)という内訳も 3 年とも同じです。
- 大問 2 は 2 本の文章を読ませます。3 年とも〈文章 1〉〈文章 2〉が並び、最後の問(問七)が「生徒・児童が書いたメモ/レポート/話し合い」を読ませる形で、①字数指定つきの抜き出し ②本文の内容と合わないものを選ぶ の 2 種類が入ります。
- 接続語の空欄 I・II を選ぶ問題が 3 年とも大問 2 にあります。「空欄 I ・ II に入る語として最も適当なものを次の中からそれぞれ一つずつ選び、記号で答えなさい。ただし、同じ記号は一度しか選べません」という文面まで共通します。
- 傍線部の語句の意味を選ぶ問題が 3 年とも大問 2・大問 3 の問一に置かれています(「内在化」「風土」「洗練」「仏頂面」「建前」「自治」「はぐらかされた」「厄介」など、2 語ずつ)。
- 最後の設問は 50 字以内の記述です。2022 大問 3 問七、2023 大問 3 問六 (3)、2024 大問 3 問七 (3) と 3 年連続で、いずれも「五十字以内で説明しなさい(句読点等も字数に含む)」でした。2024 は「『魔』・『強さ』という語を必ず使い」と使用語の指定までついています。
頻出と傾向(資料のある 7 年に限った話)
- 漢字の書き取りは大問 1 の指定席です。カタカナを漢字に直す 8 問で、送り仮名つきの訓読み(テラス・ケワしい)が毎年混ざります。熟語パズルは (9)(10) に 3 年連続。
- 説明文・論説(大問 2)は労働観・仏教・社会契約と、抽象度の高い題材が続きます。物語(大問 3)は少年の心の動き(2022)、戦時下の家族(2023)、大人の仕事の悩み(2024)と幅が広い状態です。
- 生徒どうしの話し合いを読む問題が 3 年連続で大問 2・大問 3 の最後に入ります。記述は年 1〜2 問で 50 字以内が中心(2022 は 60 字以内も 1 問)。
- 詩・短歌・俳句は 2010 年度に確認できますが 2022〜2024 では出ていません。古文・漢文は精読した年ではゼロでした。
問われ方の特徴
- 短答が 52〜55%、記号選択が 38〜44%、記述が 1〜2 問。字数指定つきの抜き出しが得点の中心になります。
- 抜き出しは「五字で」「二十一字で」と字数が細かく指定され、「句読点等も字数に含む」と明記されます。
- 読解の設問は「傍線部 A に〜とありますが、なぜですか。理由として最も適当なものを次の中から一つ選び」の形が基本で、理由・心情はほとんど記号選択です。書かせるのは最後の 1 問だけになります。
- 説明の文の空欄【 a 】【 b 】を本文から抜き出して埋める形が毎年複数あります。設問自体が本文の要約になっているので、埋めながら内容を整理できます。
- 2023 大問 3 問一は「本文冒頭の場面を絵に表しました。最も適当なものを選びなさい」という、描写を絵に置きかえる問題でした。
- 2 本の文章の内容を突き合わせて「合わないもの」を選ぶ問題が大問 2 に毎年あります。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
転写の分類で大問の主要な単元として数えたものです。最終確認年度は、資料の中でその単元を最後に確認できた年度を指します(算数・理科・社会は 2025 年度、国語は 2024 年度までを見ています)。精読していない年の細部は保証できません。
| 科目 | 単元 | 出ていた年 | 最終確認年度 | なぜ警戒するか |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 速さの大問 | 2010〜2016 | 2016 年度 | 大問として毎年のように出ていたが、2021 年以降は大問 2 の一行問題に降りている。旅人算・グラフを読む形が大問として戻る余地がある |
| 算数 | 水量とグラフ | 2011・2013・2017・2019 | 2019 年度 | 周期的に出ていた。6 年なし |
| 算数 | 場合の数 | 2013・2020 | 2020 年度 | 5 年なし |
| 算数 | 約束記号 | 2018・2020 | 2020 年度 | 5 年なし。大問 4 の「誘導を読んで規則を見つける」枠と相性がよい |
| 算数 | 時計算 | 2012・2014 | 2014 年度 | その後は出ていない |
| 理科 | こん虫・動物の分類 | 2016・2017・2018 | 2018 年度 | 3 年連続だった。7 年空いている |
| 理科 | 熱と状態変化 | 2010・2015・2016 | 2016 年度 | 9 年なし |
| 理科 | 滑車 | 2019 | 2019 年度 | 6 年なし |
| 理科 | 浮力・密度(大問として) | 2020 | 2020 年度 | 2023 は大問 1 の小問で顔を出した。大問としては 5 年なし |
| 理科 | 燃焼 | 2012・2015・2021 | 2021 年度 | 近年は小問だけで、大問としては空いている |
| 理科 | 月の満ち欠け | 2022 | 2022 年度 | 地学の大問 5 が 3 年続けて太陽系・星座・地震に寄っている |
| 理科 | 金属と水溶液の反応 | 2015・2017・2018・2022 | 2022 年度 | 定番だが空いている |
| 理科 | 地層・岩石・化石 | 2010・2013・2020 | 2020 年度 | 同じく定番だが空いている |
| 社会 | 三権分立・国会・内閣・裁判所(大問の柱として) | 2015・2019 | 2019 年度 | 2025 は小問で顔を出した。柱としては 6 年なし |
| 社会 | 日本国憲法(大問の柱として) | 2018 | 2018 年度 | 2025 は憲法 9 条が小問だけ。7 年なし |
| 社会 | 江戸時代(大問 3 の柱として) | 2020・2021 | 2021 年度 | 2 年連続で柱だった。4 年なし |
| 社会 | 財政・税・社会保障 | 2020・2021 | 2021 年度 | 4 年なし |
| 社会 | 人口・都市問題 | 2021 | 2021 年度 | 4 年なし |
| 社会 | 人権・多文化共生 | 2022 | 2022 年度 | 3 年なし |
| 社会 | 世界地理 | 2013・2014・2016・2018・2019・2023 | 2023 年度 | 大問 2 の定番。2 年なし |
| 社会 | 国際社会・国際協力 | 2013・2016・2017・2023 | 2023 年度 | 大問 5 の定番。2 年なし |
| 国語 | 詩・短歌・俳句 | 2010 | 2010 年度 | 2022〜2024 では出ていない。2025 年度以降は資料が無く不明 |
| 国語 | 知識問題のふくらみ | 2024(読解の中の語句) | 2024 年度 | 現在の大問 1 は漢字 8 問+熟語パズル 2 問だが、四字熟語・ことわざ・慣用句が語句の空欄補充として読解の中に入り込むことがある(2024 大問 2 問六の四字熟語、大問 3 問五の二字熟語) |
国語の 2 点については、2025 年度以降の資料が無いため「戻るかどうか分からない」としか言えません。
10. 形式面の注意
- 記述の量は 4 科目とも少ない入試です。 社会が年 1〜3 問、国語が年 1〜2 問、算数が年 0〜1 問(2023・2024 は各 1 問、2025 は 0 問)、理科は精読した 3 年でゼロ。合わせて年 3〜7 問です。書く量より読む量が問われると考えてよい作りです。
- 字数指定: 国語の記述は 50 字以内(2022 は 60 字以内も 1 問)で「句読点等も字数に含む」と明記され、使う語を指定される年もあります。抜き出しも「五字で」「二十一字で」と細かく指定されます。社会の記述に字数指定は原則なく、2024 大問 5 問 2 の「20 字以内で」が例外で、ふだんは解答欄の大きさで分量が決まります。算数・理科の記述に字数指定はありません(算数の説明を書く欄は行で区切られており、2〜3 文で収まる分量です)。
- 文字種の指定は社会でとくに多く、「(漢字で)」「(漢字 2 字で)」「(カタカナ 3 字で)」「(アルファベットで)」が各年に何問もあります。理科でも用語を漢字で書かせることがあります(2025 大問 4 (2)「柱頭」「受粉」)。守らないと点になりません。
- 作図は理科に年 0〜1 問です。2024 大問 4 (3) は心臓の模式図に血液の流れる向きの矢印を 4 本書き入れる問題でした。算数・社会・国語では精読した 3 年で出ていません。
- 円周率は 3.14(算数 2025 大問 2 (6) に明示)。「四捨五入して小数第 1 位まで」のような指示がつく年があります。理科では単位を書かせる問題があるので、答えの数字だけで止めないでください。
- 問題数と時間: 算数 50 分で 18〜22 問(1 問あたり 2 分半弱ですが、前半 14 問を 20 分で抜ければ後半に 30 分残せます)、国語 50 分で 26〜29 問(漢字 10 問を 5 分で抜けて、残り 45 分を 2 つの読解に分ける配分)、理科 30 分で 24〜25 問(1 問あたり 1 分 15 秒。導入文と表の読み取りに時間を取られます)、社会 30 分で 36〜44 問。社会がいちばん忙しく、1 問あたり 40〜50 秒しかありません。
- 社会は資料の量も多く、地図・写真・雨温図・統計表・グラフ・地形図・風刺画・絵巻物と、ほぼ全大問に何かが添えられています。
- 設問ごとの配点は 4 科目とも印刷されていません(算数は問題冊子にも解答用紙にも印刷がありません)。
- 回ごとの科目: 理科・社会は第 1 回のみの科目です。国語は第 1 回・第 2 回の両方にあります(いずれも 50 分・100 点)。第 3 回は算数 1 科(65 分・120 点)で、この分析が見ている 1 冊とは別の問題です。
11. 学年別ロードマップ
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ・図形の基礎・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本が土台です。この学校でとくに効く入口は 3 つ。①四則計算の速さと正確さ(算数の 18〜22 問のうち 8 問が計算そのもの)、②地図を見る習慣(社会の大問 1 は毎年地図から始まります)、③漢字の書き取りと送り仮名。時間を測るのはまだ早い段階です。地図帳を開いて「この県はどこか」を話すだけでも、後の大問 1 に効きます |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終える学年です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の一行問題と国語の漢字を毎日。算数の単元は大問 2 の並びと同じ順に置いてください。規則性 → 食塩水の濃度 → 速さ → 割合と売買損益(仕入れ値・定価・割引から利益を求める・受験用教材の単元)→ 平面図形の面積 → 立体図形の体積と表面積の 6 つを、一行問題として回せる形に早めに持っていきます(大問 2 がこの 6 つで固定されているためです)。週末 60 分はその週の理科の 1 分野に充てます。理科は分野の偏りが小さいので、ここで全分野を一巡しておくのが効きます。単元の一覧としては 8 節の年度×大問の題材表をそのまま使えます。社会は歴史の基本用語を漢字で書けるようにし、都道府県と統計を結びつける練習を始めます。国語は説明文を 2 本並べて「共通点」を言う習慣を。ただし国語は 2025 年度以降の資料が無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目に取り組みます。夏以降は同じ座席を縦に解く形(算数の大問 1・2 を 3 年分、社会の大問 3 前半と大問 4 を 3 年分、理科の大問 1 を 3 年分、国語の大問 1 を 3 年分)を主にし、年度通しで時間を計る演習は社会・理科を中心に置きます。記述は 4 科目合わせて年 3〜7 問と少ないので、書く練習より読む速さに時間を配分してかまいません |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差が出るのは小 6 の反復です。前半の座席が固まっているぶん、同じ場所の問題を何年分も解いた経験がそのまま点になります。ただし理科だけは事情が違います。いちばん多い単元でも全体の 6% しかなく、「この単元だけ捨てる」が効きません。理科の全分野の一巡は小 5 のうちに済ませ、小 6 は算数・社会の座席の反復に時間を回す配分が、この学校の形に合います。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は扱いません。
- 国府台女子学院中学部(千葉県・女子校)— 理科が非常に近い組み合わせです。分野を分けた大問構成と記号選択の比率が共通します。
- 二松学舎大学附属柏中学校(千葉県・共学)— 理科と社会が近く、同じ柏市内で社会の 5 大問構成も重なります。
- 淑徳巣鴨中学校(東京都・共学)— 4 科がまんべんなく近く、どの科目の演習も回せます。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 科目ごとに見ると、この学校の理科(5 大問・分野ごとの座席・記号選択が主軸)は国府台女子学院・青稜・二松学舎大附属柏・横須賀学院と構造が近く、社会(5 大問・地理 2 と歴史 2 と公民 1・統計と資料が多い)は昭和女子大附属昭和・国府台女子学院・二松学舎大附属柏、算数(計算 8 問+一行問題 6 問で前半を固める形)は東海大付属相模・淑徳巣鴨・鎌倉国際文理が近い並びです。国語は 8 校とも「—」で、比較できるだけの資料がそろわなかったという意味です。
- 近さの数字は出題構造の距離からの自動集計です。同じ問題が出るという意味ではありません。
13. 資料の限界
- 入試回は 1 冊のみで、第 1 回に相当するとみて読んでいます。第 2 回(国語・算数の 2 科/本校会場のみ 3 科)と第 3 回(算数 1 科・65 分・120 点)の問題はこの資料に含まれておらず、この分析はそれらには当てはまりません。
- 国語は 2024 年度で止まっています。2025 年度以降の問題文は資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)、学校が出していないわけではありません。国語について書いたのは 2022〜2024 年度に限った話です。2010・2014・2015・2016 年度も資料はありますが、精読したのは直近の 3 年に絞りました。
- 算数・理科・社会も精読したのは 2023〜2025 年度の 3 年です。それ以前の年について「大問 ◯ に ◯◯ が来る」と書いた箇所は転写の分類にもとづくもので、原本を読み直してはいません。
- 転写の読み落としの可能性があります。図・写真・地図は文字情報に置きかえられているため、理科の実験装置の細部、社会の地形図・統計表・風刺画の読み取り、算数の図形の細部は、設問文からの推定を含みます。
- 「数字を入れ替えただけの同じ問題」と書いたのは、両年の設問文を原本で読み比べて確認したものだけです。数値まで完全に同一の再出題は、今回見た範囲では見つかっていません。
- 設問ごとの配点は 4 科目とも印刷されておらず、小問ごとの重みは推定に頼っています。
- 難易度・偏差値・合格可能性・学校の理念・入試結果はこの分析では扱っていません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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