藤嶺学園藤沢中学校 の過去問分析

藤嶺学園藤沢中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。

藤嶺学園藤沢中学校 過去問分析(2010〜2026 年度・4 科がそろう回・社会 17 年分ほか)

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

項目 内容
所在地 神奈川県藤沢市西富
男女 男子校
旧称 私立藤嶺中學校(1916〜1918)、私立藤澤中學校(1918〜1921)、藤澤中學校(1921〜1948)、藤沢高等学校・藤沢中学校(1948 新制〜1995)、藤嶺学園藤沢高等学校(1995〜2001)、藤嶺学園藤沢中学校・高等学校(2001〜)
入試回と日程・科目 2 科・4 科 2 月 1 日 — 2 科(国算)または 4 科(国算社理)/2 科① 2 月 1 日 — 2 科(国算)/2 科② 2 月 2 日 — 2 科(国算)/得意 2 科目選択型 A 2 月 3 日 — 複数科目から得意な 2 科目を選択/得意 2 科目選択型 B 2 月 5 日 — 複数科目から得意な 2 科目を選択/帰国生入試 2025 年 12 月 13 日 — 国語・算数+面接(募集人員は若干名)
試験時間・配点 6 回とも確かな出典が取れていません。三次情報源(塾系アグリゲータの 2026 年度実績)にしか記載が無く、学校の募集要項では確認できていないため、この文章では時間・配点の数字を載せていません。正確な時間・配点は学校の最新の募集要項で確認してください

上の表は 2026 年度実績にもとづく内容です(出典は三次情報源。試験時間・配点は未確認のため空欄にしています)。4 節・13 節で見るとおり、過去問の分析(本文)の側からも試験時間・配点は確定できていません。両方の情報源で一致して未確認、ということです。

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

結論

  1. 4 科目とも、どの大問で何を測るかという座席(問題の置き場所)がきわめて強く固定されていて、その枠の中で題材だけが毎年新しく作られます。算数は大問 5、理科は大問 4(16 年不変)、社会は大問 3(17 年不変)、国語は大問 4 という構成が、資料のある年すべてで共通しています。
  2. 理科・社会・国語は小問数が多く(理科 45〜58 問、社会 35〜45 問、国語 31 問)、算数だけが 19〜21 問と少なめです。理科・社会・国語は 1 問あたり 1 分前後で最後まで走り切れるかが結果を左右します。
  3. 社会は大問 1 が歴史・大問 2 が地理・大問 3 が公民と時事という並びが 2016〜2026 年度の 11 年続き、理科は大問 2 が化学・大問 3 が生物・大問 4 が地学という配置が 2012〜2026 年度の 15 年続いています。

家でやること 3 つ

  1. 算数の大問 1(計算・逆算〈□にあてはまる数を求める計算〉5 問)と大問 2(一行題〈数行で終わる短い文章題〉8 問)を最優先で固めます。この 13 問だけで算数の小問の 6 割を超えます。
  2. 理科の 4 分野(物理・化学・生物・地学)を 1 つも空けません。大問 1〜4 に 1 題ずつという座席が 15 年動いていません。
  3. 社会の公民を歴史と同じ重さで扱います。大問 3 は全体の 4 割前後で、憲法・三権分立・選挙・財政・地方自治が 3 年連続で出ています。

今週やる 1 つ

  1. 算数の大問 1・大問 2 だけを、直近 3 年分続けて解きます。同じ座席を縦に解くと、聞かれ方の共通点が数年分でつかめます。

注意

  1. 国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2010〜2020 年度のものです(→ 4 節・13 節)。試験時間・配点も 6 回とも確かな出典が取れていません(→ 1 節・13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数と単元だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 判読の確度
算数 3 年(2024〜2026) 11 年(2010・2014〜2023 のうち資料のある年) 14 年(2010・2014〜2026) 高。分数・小数の表記に転写の揺れがある年があるが、大問構成と題材の読み取りに支障はない
理科 3 年(2024〜2026) 13 年(2010・2012〜2023 のうち資料のある年) 16 年(2010・2012〜2026。2011 年度は資料が無い) 高。2011 年度は資料が無い
社会 3 年(2024〜2026) 14 年(2010〜2023) 17 年(2010〜2026) 高。3 年とも設問文が最後まで読める
国語 3 年(2017・2019・2020) 4 年(2010・2014〜2016) 7 年(2010・2014〜2017・2019・2020) 2021 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。国語について書いたことは 2020 年度までの話

5. 一番大きな結論

この学校の入試は「どの大問で何を測るか」がきわめて強く固定されていて、その枠の中で題材だけが毎年新しく作られます。

4 科目すべてで座席(問題の置き場所)が決まっています。

ここで言っている固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ということで、「同じ問題が出る」ではありません。実際、社会の歴史の入口はマンガ雑誌(2024)→ 新紙幣(2025)→ 米(2026)と毎年違い、理科の地学は 3 年で 6 単元を回っています。ただし算数だけは境目に近い例が一つあり、年齢算が 3 年連続で大問 2 に入り、2024 と 2025 は「花子さんとお父さん」という同じ登場人物で数値と条件だけを変えた作りになっていました。

もう一つの大きな特徴が小問数の多さです。理科は 45〜58 問、社会は 35〜45 問、国語は 31 問(精読した年)。算数だけが 19〜21 問と少ないです。理科・社会・国語は「1 問あたり 1 分前後で最後まで走り切れるか」が結果を左右する構造になっています。

したがって、この学校の過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではなく、①どの座席で何を測られるかを知って準備の枠を決める、②その枠の中の単元を一巡させる、③多い小問数を時間内にさばく速さを作る——この三つになります。


6. この学校らしさが出る場所

社会の題材の選び方に、はっきりした色があります。

国語にも自校とつながる題材が出たことがあります。2017 の大問 4 は永井陽介『僕らはソマリアギャングと夢を語る』からの出題で、設問文に「筆者は藤嶺学園藤沢高校の卒業生で」と明記され、その生き方を受けて自分の考えを書かせる作文が最後に置かれていました。

算数にも生活の題材が入ります。2024 の大問 5 は「ある中学校の茶室の図面」で、畳が敷かれた部分・板の間・床の間の面積を求める問題でした。2024 の大問 4 は 400 m トラックを 2 周する設定、2025 の大問 1 (5) は「縮尺 10 万分の 1 の地図で神奈川県の面積」。抽象的な設定より、実際にありそうな場面を使う傾向が見えます。

理科は「1 つの装置・1 つの実験で 10 問前後」という作りが色になっています。2024 の豆電球 10 通りの回路、2026 の 9 通りの回路で消える順、2026 の中和実験。1 つの設定を読み切る力を測ろうとしているように見えます。


7. 今からやるなら(優先順)

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に進めてください。学年別の道筋は 11 節にまとめました。

各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。

  1. [毎日 10 分] 算数の大問 1(計算・逆算 5 問)と大問 2(一行題 8 問)を最優先で固める — この 13 問だけで算数の小問の 6 割を超えます。大問 1 は (1) 分数と小数の混じった割り算、(2) 分配法則や部分分数を使う工夫計算、(3)(4) が □ を含む逆算、(5) が単位換算・縮尺・図形の量という並びが 3 年連続。とくに (2) は 2024 が「1/2+1/4+1/8」型、2026 が「5.8×(19+26)+5.8×(31+14)」型で、「くくり出す・組み替える」発想が毎年問われます。大問 2 は一行題 8 問ちょうどが 3 年連続で、和差算・分配算・つるかめ算(2 種類のものの個数を合計から求める・受験用教材の単元)・過不足算(配り方を変えたときの余り・不足から数を求める・受験用教材の単元)・年齢算・通過算・流水算・時計算・売買損益・数の性質・平面図形という標準的な単元を「見た瞬間に手が動く」状態にすることが必要です。年齢算は 3 年連続で大問 2 に入り、うち 2024・2025 は「花子さんとお父さん」という同じ設定の数値違いでした。(確認: 〜2026 年度)
  2. [週末 60 分] 算数の大問 3(規則性)と大問 4・5(速さ・食塩水・水量とグラフ・平面図形)を通しで解く — 規則性は大問 3 に 3 年連続(学校の索引では 5 年連続)。2024 は 6 番目・10 番目、2025 は 4 回・5 回・6 回、2026 は 3 枚・4 枚と、必ず小さい場合から順に問われるので、表を作って書き出す手順を型として持っておきます。大問 4・5 は「速さ/食塩水/水量とグラフ/平面図形」の 4 つのプールから 2 つが選ばれ、2026 の食塩水は「取り出す→加える」の操作 A・B、水量とグラフは「給水方法①〜④」と、どちらも手順を順に追う設定でした。各段階の量を表に書き出す解き方を身につけます。速さは 2024・2025 とも周回するコースの上で区間ごとに速さが変わる設定で、旅人算の基本よりも「1 周何分」「◯地点で出会う」の処理を優先します。(確認: 〜2026 年度)
  3. [週末 60 分] 理科の 4 分野(物理・化学・生物・地学)を 1 つも空けない — 大問 1〜4 に 1 題ずつという座席が 15 年動いていません。1 分野の空白がそのまま全体の 4 分の 1 の失点になります。この学校の理科は「1 つの設定で 10 問前後」という作りで、2024 の大問 1 は 1 つの回路図の設定で 10 問、2026 の大問 1 も同じ作りでした。回路図・実験装置の図を最初に丁寧に読み、条件(同じ乾電池・同じ豆電球など)を確認してから小問に入る練習をします。読み違いが最大の失点源です。(確認: 〜2026 年度)
  4. [週 1 回] 理科の実験操作の理由を 20〜25 字で書けるようにし、気体の判別・中和・地学の 4 単元を一巡させる — 2025・2026 の記述はすべて「なぜその操作をするのか」「どう確かめるのか」という、実験の手順の意味を説明させる記述でした(2026「発生した気体が何かを確かめる方法(20 字前後)」「最初の気体を集めない理由(25 字前後)」「百葉箱をその場所に置く理由(20 字前後)」)。気体の性質は 3 年連続、中和は 2 年連続で大問 2 に入っており最優先です。地学は気象(百葉箱・天気図・湿度)、地層と岩石、天体(月の満ち欠け・太陽)、地震と火山の 4 単元を一巡させます(大問 4 で 2 単元ずつ出るため)。(確認: 〜2026 年度)
  5. [週末 60 分] 理科・社会・国語で「時間内に最後まで届く」練習を、他校より多く回す — 理科 45〜58 問、社会 35〜45 問、国語 31 問。知識を思い出すのに時間をかけていると終わりません。過去問は必ず時間を計り、「即答できる問題を落とさない」訓練にします。(確認: 〜2026 年度)
  6. [週 1 回] 社会の公民を歴史と同じ重さで扱い、一問一答を漢字で書けるまで仕上げる — 大問 3 は 15〜17 問で全体の 4 割前後。憲法・三権分立・選挙・財政・地方自治が 3 年連続で出ています。「誤っているものを 1 つ選び」は原本を読んだ 3 年で 16 回登場し、「正しいものを選び」(10 回)より多いので、4 つの文を 1 つずつ○×で判定する読み方が必要です。「漢字で答えなさい」「漢字 2 字で」「漢字 4 字で」「漢字 5 字で」の指定が毎年あるので、読めるだけでなく書けることが要ります。大問 1 の歴史は「下線部の人物・寺院・戦い・制度の名前を答える」一問一答が中心で、飛鳥・奈良/江戸/近代の 3 つは 3 年連続で必ず出ているので、時代順の年表に人物と出来事を紐づけて覚えます。前年のニュース(2026 は参議院選挙の争点、2024 はマイナンバーと食料自給率)が公民用語の入口になるので、ニュースの見出しを教科書用語に言い換える練習も。地理は 6〜11 問と薄いですが、都道府県名を答える問題と気候・雨温図の問題は 3 年連続で入っているので、ここだけは確実に取ります。(確認: 〜2026 年度)
  7. [毎日 10 分] 国語の漢字 8 問と大問 2 の知識を毎日、抜き出しを「字数から逆算して探す」手順で — 大問 1 の指示文が 5 年以上同じ文言で反復しています。知識分野は総画数・音訓・対義語・四字熟語・慣用句・熟語の構成・品詞を一巡させます(大問 2 はこのプールから毎年入れ替わり)。抜き出しと空欄補充が国語の 3 分の 1 強を占めるので、指定字数を先に確認し、本文の該当箇所を字数で数えて照合する手順を作ります(字数が合わない候補は切れます)。(確認: 国語は〜2020 年度)
  8. [週 1 回] 国語の短い記述(15〜30 字)と自分の考えを書く作文に備え、文学的文章は「子どもどうしの関係」を読む — 記述は「それ」「これ」の指示内容を字数以内で言い換える問題が中心で、長文の記述より指示語の処理を確実にします。「あなたの長所は何ですか」(2019)のように、本文と自分の経験をつなげて書かせる設問が出る年があるので、100 字前後で自分の経験を 1 つ挙げて理由を添える書き方を用意しておきます。精読した年の大問 3 は、友だちとの張り合い(2019)、父と子の会話(2020)、研究をめぐるやりとり(2017)と、いずれも小学生・中学生の日常の人間関係が題材でした。心情の変化を追う読み方を重ねます。(確認: 国語は〜2020 年度)

8. 科目別の詳細

まず 4 科の概観です。

科目 形式の固定度 中身の性格 最初に時間をかける価値があること
算数 大問 5・小問 19〜21。大問 1 は計算 5 問、大問 2 は一行題 8 問、大問 3 は規則性(3 年連続、規則性は 5 年連続)。全問が答えのみで、記号選択も式を書かせる欄も作図も無い 大問の役割は固定、単元は毎年入れ替え。大問 2 は 10 数単元のプールから 8 つ 大問 1 の工夫計算と逆算/大問 2 の一行題を全単元/大問 3 の規則性
理科 大問 4(16 年不変)・小問 45〜58。物理→化学→生物→地学の座席が 15 年。1 大問が A・B に分かれ 8 単元に触れる 分野は固定、単元は毎年入れ替え。2025 年度から短答・記述が増えた 4 分野を捨てないこと/気体と中和/実験操作の理由を 20〜25 字で書く
社会 大問 3(17 年不変)・小問 35〜45。歴史→地理→公民の順。記述はどの年にも無い。選択 57〜65%・短答 35〜43% 文章か表を読ませて下線部について問う形。題材は毎年新作で、身近な生活や地元が入口 公民(大問 3 は全体の 4 割)/「誤っているものを選ぶ」/漢字指定の一問一答
国語 大問 4・小問 16〜31(精読した 3 年)。漢字→知識→文学的文章→説明的文章の順が 7 年すべて共通 抜き出しと漢字で 3 分の 2。大問 2 の知識分野だけが毎年入れ替わる 漢字 8 問/字数指定つきの抜き出し/知識分野の一巡

算数だけが小問数が少なく、他の 3 科目が多いというのが、この学校の科目間の一番大きな違いです。算数は 1 問 2 分以上かけられますが、理科・社会・国語は 1 問 1 分前後で処理する必要があります。

8-1. 算数(大問 5・小問 19〜21・すべて短答〈答えのみを書く形式〉)

年度×大問の題材表(2024〜2026)

年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4 大問 5
2024 計算・逆算 5 問(最後は円とおうぎ形の面積の関係) 一行題 8 問(同じ個数の売買・過不足・重さの割合・年齢算・通過算・循環小数・約数の個数・折り返した角度) 規則性(白石と黒石を交互に並べる) 速さ(400 m トラック 2 周・区間ごとに速さが変わる) 平面図形(茶室の図面・畳と板の間と床の間の面積)
2025 計算・逆算 5 問(最後は縮尺 10 万分の 1 の地図と実面積) 一行題 8 問(最小公倍数・2025 の素因数分解・売買損益・時計算・年齢算・水量とグラフ・流水算・直角三角形 4 つの正方形) 規則性(偶数なら半分・奇数なら 1 減らす操作を 1 になるまで) 食塩水(7% と 4% を混ぜて 6%・その後に蒸発) 速さ(1 周 600 m と 400 m の 2 コースを 2 人が回る)
2026 計算・逆算 5 問(最後は 0.01 m³ の単位換算) 一行題 8 問(21 と互いに素な数・分配算・つるかめ算・年齢算・和と積・過不足算・13 の倍数・円に内接する正方形) 規則性(3 本の棒と円盤の移し替えの最少回数) 食塩水(12% 500 g に操作 A・操作 B を順に行う) 水量とグラフ(水そう 2 つと給水管 2 本・4 通りの給水方法)

同じ場所に同じ種類の問題が出る

この学校の算数は、大問 5 題・小問 19〜21 問・全問が答えのみという枠が動きません。しかも「どの大問で何を測るか」の並びが、原本で読んだ 3 年(2024・2025・2026)で次のようにそろっています。

ここで言う固定は「同じ種類の問題が同じ場所に出る」ことで、「同じ問題が出る」ではありません。ただし算数だけは、その境目に近い例が一つあります。年齢算が 3 年連続で大問 2 の中に入り、2024 と 2025 は登場人物まで同じ「花子さんとお父さん」で、数値と条件だけを変えた作りになっています(2024 は「差が 26 才、5 年後に 3 倍」、2025 は「和が 54 才、3 年後に 3 倍」)。2026 は「兄と弟」に替わりましたが、「◯年後に◯倍」という問い方は変わっていません。

頻出単元と周期(原本で読んだ 3 年)

単元 出た年 出た場所
工夫計算(分配法則・部分分数) 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 1 (2)
□ を含む逆算 2024・2025・2026(3 年連続・各年 2 問) 大問 1 (3)(4)
規則性・数列 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 3
年齢算 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 2
平面図形(図つき) 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 2 (8)
数の性質(約数・倍数・素因数分解) 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 2
過不足算・差集め算 2024・2026 大問 2
和差算・分配算 2024・2026 大問 2
食塩水の濃度 2025・2026(2 年連続) 大問 4
速さ 2024・2025 大問 4 または 5
水量とグラフ 2025・2026 大問 2 または 5

長い年数で見ると、割合・文章題が全体の約 27%、計算が約 20%、数の性質・規則性が約 17%、速さが約 16%、平面図形が約 10%。立体図形と場合の数の比重が小さいのがこの学校の特徴で、原本を読んだ 3 年では立体の求積・場合の数の独立した大問は一度も出ていません。

問い方

8-2. 理科(大問 4・小問 45〜58)

年度×大問の題材表(2024〜2026)

年度 大問 1(物理) 大問 2(化学) 大問 3(生物) 大問 4(地学)
2024 A 豆電球と乾電池の回路 10 通りの明るさ/B 凸レンズと像(15 問) A 5 本の試験管の気体(水素・アンモニア・ちっ素・酸素・二酸化炭素)の判別/B 浮力と密度(15 問) A こん虫・動物の分類/B 植物のつくりとはたらき(13 問) A 流水のはたらき/B 地層・岩石・化石/惑星と太陽系(15 問)
2025 A てこのつり合い(5 問)/B 電磁石(5 問) A 中和と水溶液の判別/B 炭酸水素ナトリウムの加熱と実験器具(13 問) A 花のつくりと受粉/B 人体(10 問) A 地震・火山(8 問)/B 月の見え方(7 問)
2026 A 9 通りの回路で豆電球が消える順/B 滑車(10 問) A 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和実験/B 気体の発生と集め方(15 問) A ヒトの子どもの体重のグラフと動物の誕生/B 植物のつくりとはたらき(12 問) A 百葉箱と気象/B 太陽と月(8 問)

同じ場所に同じ種類の問題が出る

この学校の理科は、4 分野の並びが徹底して固定されています。

固定されているのは「その場所で何の分野を測るか」であって、「同じ問題が出る」ではありません。実際、地学は流水と地層(2024)→ 地震・火山と月(2025)→ 気象と太陽・月(2026)と 3 年で 6 単元を回っており、中身は毎年入れ替わっています。

頻出単元と周期

単元 出た年(原本で確認) 場所
中和・水溶液の判別 2025・2026(2 年連続) 大問 2
気体の性質 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 2
植物のつくりとはたらき 2024・2026 大問 3
電気回路 2024・2026 大問 1
2025・2026(2 年連続) 大問 4

長い年数で見ると、上位は電気回路(約 10%)・気象(約 8%)・植物のつくりとはたらき(約 8%)・気体の性質(約 7%)・こん虫と動物の分類(約 6%)。ただし全体の分布は非常に広く、特定の単元に集中するというより「理科の全単元をまんべんなく」という作りです。上位 3 分野で全体の 26% しか占めません。

問い方

8-3. 社会(大問 3・小問 35〜45)

年度×大問の題材表(2024〜2026)

年度 大問 1(歴史・通史) 大問 2(地理) 大問 3(公民・時事)
2024 『週刊少年ジャンプ』の掲載作品を入口にした通史(17 問・鎌倉〜近代) 観測史上の日本の最高気温を高い順に並べた表(11 問) 藤沢市役所ホームページの窓口一覧の表(17 問)
2025 新紙幣の肖像(渋沢栄一・樋口一葉ほか)を入口にした通史(14 問・飛鳥〜昭和) 藤嶺学園藤沢高校が過去 3 年の研修旅行で訪れた場所の地図(6 問) 日本国憲法の構成(前文と全 11 章)の一覧表(15 問)
2026 「令和の米騒動」からお米をたどる通史(18 問・原始〜戦後) 地域の特産品を使った有名な駅弁の表(8 問) 前年の参議院選挙で争点になった政策の一覧表(17 問)

同じ場所に同じ種類の問題が出る

社会は、この学校の 4 科目のなかで最も座席がはっきりしています。

固定されているのは「どの大問で何の分野を問うか」と「問い方」であって、題材は毎年新しく作られています。歴史の入口はマンガ雑誌(2024)→ 新紙幣(2025)→ 米(2026)と毎年違います。

頻出単元と周期

分野 出た年(原本で確認) 場所
財政・税・社会保障 2024・2026 大問 3
三権分立・国会・内閣・裁判所 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 3
日本国憲法 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 3
選挙制度 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 3
人権・多様性・共生 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 2 または 3
都道府県・地域の同定 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 2
飛鳥・奈良時代 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 1
近代の戦争と大正・昭和前期 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 1
江戸時代 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 1
気候・雨温図 2024・2025・2026(3 年連続) 大問 2
交通・通信網 2025・2026(2 年連続) 大問 2

長い年数で見ると、歴史の古代〜中世が約 17%、歴史の近現代が約 15%、公民の憲法・政治が約 13%、地理の産業が約 12%、地理の地図・地形・気候が約 12%。歴史が全体のおよそ 3 分の 1 を占めます。

問い方

8-4. 国語(大問 4・小問 16〜31。2017・2019・2020 年度で確認)

国語は 2021 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2010〜2020 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください

年度×大問の題材表(2017・2019・2020)

年度 大問 1 大問 2 大問 3(文学的文章) 大問 4(説明的文章・伝記)
2017 漢字の読み書き 8 問(ことわざを含む短文) 語句の知識(語群から二字熟語を作る・主語述語の抜き出し) 阿部夏丸『うそつき大ちゃん』(水槽とウシモツゴの研究・7 問) 永井陽介『僕らはソマリアギャングと夢を語る』(ツバルへ行く話・6 問)
2019 漢字の読み書き 8 問(収益・防災訓練・在宅ほか) 総画数 4 問+音訓の読みの組み合わせ 4 問 笹生陽子『ぼくらのサイテイターの夏』(罰として畑仕事をする「ぼく」と栗田・7 問) 小関智弘『道具にヒミツあり』(オリンピック選手の靴を作る三村さん・8 問)
2020 漢字の読み書き 8 問(官庁・住民・宣言ほか) 総画数 4 問+対義語 4 問(往復・禁止・用心・公開) 吉野万理子『チームふたり』(父と子の会話から始まる場面・8 問) 橋爪大三郎『正しい本の読み方』(近代社会と教育・7 問)

同じ場所に同じ種類の問題が出る

国語も、大問の役割が完全に決まっています。

頻出と型


9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

原本を読んだ 3 年で見ていないが、その前には出ていて、次に戻ってきやすいものです。最終確認年度は、その単元を資料の中で最後に確認できた年度を指します。

科目 単元 状況 最終確認年度
算数 立体図形(切断・求積) 原本を読んだ 3 年に無い。長い記録では 2019 年度の大問 4 に立体の切断が入っている。大問 4・5 のプールが 4 単元に固まっているのは 3 年分の観察なので、「毎年必ずこの 4 つ」とまでは言えない 2019 年度
算数 通過算 2024 の大問 2 に出たあと 2025・2026 で見ていない 2024 年度
算数 流水算・時計算・売買損益 2025 の大問 2 に出たあと 2026 で見ていない。直近に出ていないものほど警戒する 2025 年度
算数 場合の数 原本を読んだ 3 年で独立した設問が無い。長い記録では 2014 年度の大問 4 が場合の数だった 2014 年度
算数 円とおうぎ形 2024 の大問 1 (5)、2026 の大問 2 (8) と、場所を変えて出ている。図形の求積は大問 1 の最後・大問 2 の最後のどちらにも入りうる 2026 年度
理科 地層・岩石・化石 2024 の大問 4 B で出たあと 2025・2026 は天体(月・太陽)と気象が中心になった 2024 年度
理科 星と星座 原本を読んだ 3 年に出ていない。大問 4(地学)は 2〜3 年で 4 単元を一巡する作りなので、次に警戒するのはこの単元 不明(精読した 3 年に無し)
理科 人体 2025 の大問 3 B に出たあと 2026 は動物の誕生に替わった。長い記録では数年おきに戻る 2025 年度
理科 光・浮力・電磁石(大問 1 のプール) 光(2024)・浮力(2024)・電磁石(2025)。てこ(2025)・滑車(2026)は直近に出ているが、大問 1 のプールはこの 5 つを含めて広い 光・浮力は 2024 年度、電磁石は 2025 年度
理科 実験器具の操作(試験管の傾け方・加熱をやめる順序・気体の集め方) 2025・2026 の 2 年連続で問われている。単元の枠に入らない知識なので、対策から漏れやすい 2026 年度
社会 国際社会・国際協力 2026 に 1 問のみ。長い記録では 2011・2012 に大問 3 の主題だった 主題としては 2012 年度(単発の出題は 2026 年度)
社会 環境問題・持続可能性 2024 の大問 3 に複数問。2025・2026 では薄い。長い記録では 2019 年度の大問 3 の主題だった 2024 年度
社会 地方自治 2025・2026 に大問 3 で出た。長い記録では 2022 に大問 3 の主題だった年もある 2026 年度
社会 戦後・現代史 2026 の大問 1 の最後に 2 問入った。2024・2025 の大問 1 は近代(昭和前期)で止まっていた。通史の終着点が年によって動くので、戦後まで通しておく 2026 年度
社会 世界地理 2025・2026 に 1 問ずつ。少数だが毎年入っている 2026 年度
国語 文法(品詞・主語述語) 2017 の大問 2 に出たあと 2019・2020 では見ていない。文法は手薄になりやすいので一巡させておく 2017 年度
国語 四字熟語・慣用句・季語 それぞれ 2015・2010・2014 の大問 2 で扱われている。数年おきの循環に見える 四字熟語は 2015 年度、慣用句は 2010 年度、季語は 2014 年度
国語 大問 2 の知識分野全般 大問 2 の知識分野は毎年ちがう分野が選ばれる。これまでに慣用句・季語・四字熟語・熟語の構成・品詞・総画数・音訓・対義語が出ている。直近に出ていない分野ほど警戒するという読み方になる(→ 8 節) 直近の確認は 2020 年度(総画数・対義語)

公民の大問は「憲法・三権分立・財政・選挙・地方自治・国際」から毎年 5〜6 分野を選ぶ作りに見えるので、直近に出ていない分野が次に来やすいです。算数の大問 2 の 8 枠は「10 数単元のプールから毎年 8 つ」という作りに見えるので、大問 2 に出る単元は直近に出ていないものほど警戒するのが合理的です。


10. 形式面の注意

図やグラフのある小問の比率は科目でかなり違います。社会が約 57%、理科が約 34%、算数が約 30%、国語は 0%。社会は資料を読ませますが、1 つ 1 つの資料は短い表・地図で、長い統計を細かく分析させる作りではありません。円周率の指定は設問文の転写のどの科目にも現れませんでした。試験時間・配点とあわせて、市販の過去問集の表紙で確認してください。

算数

理科

社会

国語(2017・2019・2020 で確認)


11. 学年別ロードマップ

やること この学校ならではの点
小 4(土台) 計算の正確さ・平面図形の基礎・物語文の読解・漢字と語彙の 5 本。算数は分数と小数の相互変換、□を使った逆算の入口。理科は身のまわりの観察を分野の言葉に結びつける 算数の大問 1 が「計算 2 問+逆算 2 問+単位換算」で固定されているので、計算と逆算に早くから慣れておくと、そのまま入試の 5 問になる。時間計測はまだしない
小 5(幅) 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にする。平日 15 分は計算と、算数の一行題プール(和差算・分配算・つるかめ算・過不足算・年齢算・通過算・流水算・時計算・売買損益・数の性質)を種類ごとに一巡させる(=大問 2 の一行題プールそのもの)。週末 60 分は理科(4 分野を単元単位で一巡)と社会(歴史の通史と地理の都道府県)にあてる。国語は知識分野を一巡させるが、国語は 2021 年度以降の資料が無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてほしい この学校はここが本体になる。大問 2(算数)・大問 2(国語)・理科の 8 単元・社会の公民 5 分野は、いずれも「広く一巡させておく」ことでしか埋まらない。逆に言えば、深い難問より、全分野をひととおり学び終えることが効く
小 6(仕上げ) 上の「今からやるなら」8 項目。夏以降は年度通しで時間を計り、理科・社会・国語の小問数の多さに体を慣らす。算数は大問 1・2 の 13 問を 20 分以内で完答する練習 座席が固定されているので、「同じ座席を縦に」解く練習が有効。過去問 3 年分の大問 1 だけを続けて解く、大問 3 の規則性だけを続けて解く、という縦の使い方ができる

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。差がつくのは小 5 での全分野の一巡です。算数の一行題プール、理科の 8 単元、社会の公民 5 分野、国語の知識分野——どれも「一つ一つは標準的だが数が多い」という形をしています。小 6 になってから一巡させようとすると、時間内に処理する練習に回す時間が足りなくなります。小 5 のうちに幅を作っておけば、小 6 は「座席ごとの反復」と「速さ」に集中できます。


12. この学校と併願するなら

観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏・お子さんとの相性は扱いません。男女の別は学校情報で分かる範囲だけ添えます。

8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。

この学校は 2 科(国算)だけの回もあります。併願先が 4 科目校の場合、理科・社会は本校の準備とは別に立てる必要があります。

近さは、科目ごとの「大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元の一致・設問の言い回しの反復」と、単元分布の似かたを合成した自動集計で、同じ問題が出るという意味ではありません。理科については、「大問 4 題で 4 分野を 1 題ずつ・1 大問が A と B に分かれる・小問 45〜58 問」という作りが独特なので、他校の過去問で代替しにくいです。理科は自校の過去問を年度をさかのぼって使うのが現実的です。


13. 資料の限界


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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。

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