清泉女学院中学校 の過去問分析
清泉女学院中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
清泉女学院中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・1 期(4 教科)相当・14 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県鎌倉市 |
| 男女 | 女子校 |
| 要項年度 | 2027 年度 |
| 1 期(4 教科) | 2 月 1 日午前・4 科(国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・理科 40 分 100 点・社会 40 分 100 点) |
| 1 期(2 教科) | 2 月 1 日午前・2 科(国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点) |
| 1 期グローバル入試 | 2 月 1 日午後・英語 1 科(英語 50 分 100 点・募集若干名) |
| 2 期(4 教科) | 2 月 2 日午後・4 科(国語 50 分・算数 50 分。理科・社会はあわせて 60 分・計 100 点。国語 100 点・算数 100 点・理科社会あわせて 100 点) |
| 3 期(英語資格利用型) | 2 月 4 日午前・3 教科(国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・英語資格 100 点) |
| 3 期(2 教科) | 2 月 4 日午前・2 科(国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点。募集人員は 3 期(英語資格利用型)と合算枠、詳細記載なし) |
| AP 入試 | 2 月 4 日午前・適性検査型(適性検査 60 分 100 点。募集人員記載なし) |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。1 期(4 教科)は理科 40 分 100 点・社会 40 分 100 点で別々ですが、2 期(4 教科)は理科・社会をあわせて 60 分・合計 100 点で、扱いが異なります。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートが分析したのは、資料に回の表記が無いため 1 期(4 教科)に相当するものと見なした問題だけです。2 期(理科・社会が合科 60 分)・3 期・1 期グローバル入試・AP 入試の傾向は、この資料からは分かりません(→ 4 節・13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 清泉女学院は、大問の並びも大問の中の並びも何年も変わらない学校です。中身(数値・題材)は毎年作り直されますが、置き場所(座席=問題の置き場所)はほとんど動きません。
- 算数は大問 1 (1)(2) が計算 2 問、(3) が逆算(□ にあてはまる数を求める計算)、(5) が単位換算という並びが 3 年連続です。大問 2 に食塩水の濃さ、大問 3 は誘導つきの 1 テーマ長問というのも 3 年連続です。
- 理科は大問 4 題で物理・化学・生物・地学から 1 題ずつ、大問 3 が必ず物理という並びが 4 年連続です。社会は大問 1 が歴史、大問 2 が地理、大問 3 が公民+前年の出来事という並びが 3 年連続です。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 (1)〜(3)(計算 2 問+逆算 1 問)と単位換算((5) の枠)を 3 年分。全問が答えのみで部分点が無いので、ここを 0 ミスにします。
- 社会の正誤の組合せ(a・b)とできごとの並べ替え(ア〜カ)を 3 年分。あいまいな知識を潰す効果が大きい問い方です。
- 理科の「記号を選び、そう考えた理由を説明しなさい」の形と、国語の漢字(大問 3 の 6〜7 問)を毎日回します。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 1 (1)〜(3)・(5)、理科の大問 3(物理)、社会の正誤の組合せと並べ替え、国語の漢字を、3 年分並べて縦に解きます。同じ座席を縦に解くと、問い方の共通点がはっきり見えます。
注意
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2016〜2018 年度のものです(→ 13 節)。1 期(4 教科)以外の回についても、この資料からは何も言えません(→ 1 節・13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問ごとの単元の記録と 14 年分の集計値だけを見た年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | 11 年(2010〜2022 のうち資料のある年) | 14 年(2010〜2025 のうち 14 年) | 2011・2013 は資料なし。2025 は転写の一部(大問 1 (6) の図の説明)が読み取れなかった |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2025) | 11 年(2010〜2022 のうち資料のある年) | 14 年(2010〜2025 のうち 14 年) | 2011・2012 は資料なし |
| 社会 | 3 年(2023・2024・2025) | 11 年(2010〜2022 のうち資料のある年) | 14 年(2010〜2025 のうち 14 年) | 2013 は資料なし |
| 国語 | 3 年(2016・2017・2018) | 4 年(2010・2011・2014・2015) | 7 年(2010〜2018 のうち 7 年) | 2019 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。2012・2013 も無い |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。社会は 2011 年度として記録されていた冊が別の学校(女子聖学院中学校)のものだったため、分析から外しています(→ 13 節)。
- 入試回は、資料が校×年×科目それぞれ 1 冊しかなく回の表記も無いため、1 期(4 教科)に相当するものと見なして扱っています。2 期(理科・社会が合科 60 分)や 3 期、AP 入試の問題は含まれていません。
- 試験時間と配点は 1 節にまとめました。1 期(4 教科)は国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・理科 40 分 100 点・社会 40 分 100 点で、4 科目とも同じ 100 点です。
- 「3 年連続」と書いた箇所は、その 3 年の設問文を実際に読み直して確認したものです。それより長い年数の話は「大問ごとの単元の記録では」と断って書いています。
- 判読の限界: 図そのものは資料に含まれず、図の説明文からの推定を含みます。図の細部が効く問題(算数の角度・理科の装置図)では、実物の過去問集での確認をおすすめします。
5. 一番大きな結論
清泉女学院は「大問の並びも、大問の中の並びも、何年も変わらない」学校です。中身(数値・題材)は毎年作り直されますが、置き場所は動きません。
同じ場所に同じ種類の問題が出るという意味で、同じ問題がそのまま出るという意味ではありません。精読した 3 年分で確認できた並びの固定は次のとおりです。
| 科目 | 固定されている並び | 何年連続か |
|---|---|---|
| 算数 | 大問 1 (1)(2)=計算、(3)=逆算、(5)=単位換算 | 3 年連続(大問 1 が計算から始まる並び自体は 12 年) |
| 算数 | 大問 2 に食塩水の濃さ、大問 3 は誘導つきの 1 テーマ長問 | 3 年連続 |
| 理科 | 大問 4 題で、物理・化学・生物・地学から 1 題ずつ。大問 3 は物理 | 4 題構成は 14 年、大問 3 が物理なのは 4 年連続(2022〜2025) |
| 社会 | 大問 1=歴史(通史)、大問 2=地理、大問 3=公民+前年の出来事 | 3 年連続(大問 1 に歴史の近現代が来る並びは 4 年連続) |
| 社会 | 大問 2 に地形図の読図と雨温図 | どちらも 3 年連続 |
| 国語 | 大問 1=説明文、大問 2=物語文、大問 3=漢字 6〜7 問 | 3 年連続(大問 3 が漢字なのは 4 年連続・2015〜2018) |
一方で、理科の大問 1・2・4 の分野の並びだけは毎年入れ替わります(2023 は地学→化学→物理→生物、2024 は化学→地学→物理→生物、2025 は生物→地学→物理→化学)。「1 番目は必ず○○」という固定は理科にはありません。
したがって、この学校の過去問の使い方は「同じ座席を縦に解く」が第一です。「2023 年を 1 年分通す」より、「3 年分の大問 1 (5) を並べて解く」「3 年分の大問 3(理科の物理)を並べて解く」ほうが効率がよいです。そのうえで、社会と理科は 40 分に対して問題量が多いので、年度通しで時間を計る練習を後半に置きます。「出る問題を覚える」という使い方は、数値も題材も毎年入れ替わるため、この学校では効きにくいものです。
6. この学校らしさが出る場所
- 問題文の中に「清子さん」「泉さん」が住んでいます。 理科は 2023(清子さんと泉さんが気体のボンベを取り違える/泉さんの自由研究)、2024(清子さんがおばあさんの家で田んぼの生物を観察)、2025(清子さんが川でテナガエビをつかまえる/蛍光灯の下の影に気づく)と 3 年連続で登場し、算数 2023 の大問 2 (1) にも「泉さんが妹をだっこして体重をはかる」が出てきます。校名から取った名前を主人公にして、日常のふとした気づきから実験・調査に入る作りが定着しています。
- 神奈川が繰り返し題材になります。 社会 2023 は 3 県比較の表に神奈川県が入り(乗用車保有台数がなぜ少ないかを書かせる)、2024 は大問 2 全体が「神奈川県と高知県の比較」で、湘南海岸の防災施設の写真も出ました。歴史でも 2024 大問 1 でペリー来航を「現在の神奈川県の( )」と問います。地元を素材にすることに躊躇がありません。
- 「正解が一つでない判断」を書かせます。 社会 2023 は「ウィズコロナ/ゼロコロナ」を踏まえて飲食店の対応を考えさせ、2025 は「あなたは旅館の経営者です。人手不足の中で評判と利益をどう保つか」を新聞記事を参考に書かせます。理科でも 2024 は「カエル脱出用スロープをどの地点に設置するのが一番効果的か」を選んで理由を書かせます。立場を決めて根拠を示すタイプの設問が、理科と社会の両方に散らばっているように見えます。
- 社会の題材に女性の歩みが繰り返し出ます。 2024 は普通選挙が定められた年の国際比較グラフと、平塚らいてうの『青鞜』発刊の文章です。国語も 2016 が平安の女房勤めと『枕草子』、2017 が『堤中納言物語』の「虫めづる姫君」(世間の決まりにとらわれない姫君)で、女性の生き方を扱った文章が続きました。
- 理科は「実験の設計」に踏み込みます。 2024 大問 4 はカエルのスロープ実験の結果から読み取れることを○×で判定させ、2025 大問 1 は「ヒラテテナガエビを入れるつもりで作った水そうはどちらか、理由も」と、生き物の生態から飼育環境を逆算させます。知識よりも「条件をそろえて比べる」考え方を見ています。
- 国語の説明文は文学と科学を行き来します。 2016・2017 は古典を扱った評論、2018 は生命科学の評論、2010・2011・2015 は環境・生物系でした。読み慣れる範囲を片方に寄せないほうがよいでしょう。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前の方は、この節を「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に進めてください。学年別の順序は 11 節にまとめています。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の (1)〜(3)(計算 2 問+逆算 1 問)を 3 年分続けて解き、分数・小数の混合計算と逆算を 5 分以内で仕上げる練習 — ここが崩れると全体が崩れます。配点の 15〜17%にあたり、しかも全問が答えのみなので、部分点がありません。まずここを 0 ミスにします。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数・単位換算(毎年 (5) の枠)を 3 年分+市販の問題集で 20 問 — 2023 は dL と mL、2024 と 2025 は L・cm³・mL・dL の混合、2025 はさらに縮尺 1:250000 と速さが乗ります。3 年連続で同じ座席に置かれているので、時間をかける価値が確実にあります。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・売買損益と食塩水の濃さをそれぞれ 3 年分 — 売買損益は「定価→割引→売り値」(2023・2025)と「所持金の何%で支払うか」(2025)の両方向、食塩水は蒸発(2023)・混合(2024)・逆算で相手の濃さを出す(2025)の 3 操作をそろえます。どちらも大問 1・2 の中に 3 年連続で入る枠です。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 3 の誘導つき長問を 3 年分、時間を計って — (1) と (2) を確実に取るところまでを目標にします。前の答えを次で使う連鎖なので、最初でつまずくと後ろが全部落ちます。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 社会・正誤の組合せ(a・b)とできごとの並べ替え(ア〜カ)を 3 年分 — 正誤の組合せは精読した 3 年で年 2〜4 問、2015・2016・2019・2024 にも同じ問い方の記録があります。並べ替えは精読した 3 年すべてに年 1〜2 問。a と b の両方を判定しないと点にならない・6 択で当てずっぽうが効かないという理由で、あいまいな知識が全部あぶり出されます。近代(1853〜1945)の密度が高いので、年号より因果でつなぎます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 社会・地形図の読図と雨温図 3 点セット(日本海側・太平洋側・内陸/北海道/ヨーロッパ)を 3 年分+市販教材、あわせて世界地理も — どちらも大問 2 に 3 年連続で入ります。等高線から標高、地図記号、川の流れる方位、そして「選んだ理由をちがいが明らかになるように書く」(2024 大問 2 問 3)まで。世界地理(位置・赤道・標準時・主要国の産業と発電)も 2024・2025 で厚くなっているので、日本国内だけでは足りません。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 理科・「記号を選び、そう考えた理由を説明しなさい」の形を 3 年分、あわせて大問 3(物理)を縦に 3 年分 — 2023 大問 4 (5)、2024 大問 2 (4)・大問 4 (4)、2025 大問 1 (6)・大問 4 (3) と毎年あり、理科の記述枠のほぼ全部がこの形です。選ぶだけでは点になりません。 物理は運動(2023)・てこ(2024)・光(2025)と題材が違っても「装置図と数値表を突き合わせて比例関係を立てる」手順は共通です。化学の計算(水の混合の温度・溶解度の表・気体の体積)も、表から比例を読む練習を溶解度で行います。生物は「分類+生態系」でひとまとめにし、こん虫のあしのつき方・魚のスケッチの見分け・食物網の矢印の向きまで見ます。長い導入文(700 字前後)を 3 分で読む体力もあわせて作ります。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字(大問 3 の 6〜7 問)と抜き出しの字数指定 — 書き取りと読みが半々で、読みは「建立」「遊説」「出納」「厳か」「格子戸」のような特別な音読み・訓読みが狙われます。抜き出しは「始めと終わりの三字」「十字以上十五字以内」「六十字前後」と細かく、指定を読んだ瞬間に本文を機械的に探す訓練を。記述は精読した 3 年とも「本文中のことばを使って」の指示が入るので、自分の言葉で言い換えず本文から材料を取る書き方を優先します。古典を扱った評論(枕草子・堤中納言物語)と自然科学の評論の両方を読み慣れ、作品名と作者の基本(『枕草子』=清少納言、『源氏物語』=紫式部)は知識として押さえておきます。(確認: 国語は〜2018 年度)
8. 科目別の詳細
まず 4 科の概観です。
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。大問 3 題・18〜20 問・50 分・全問が答えのみ(記述も選択も 0%) | 大問 1 の 9 問と大問 2 の 6 問が一行問題(数行で終わる短い文章題)、大問 3 だけが誘導つきです。割合・文章題 28%/計算 22%で、立体と場合の数は薄い | 計算 3 問((1)(2)(3))を落とさない精度と、単位換算(毎年 (5)) |
| 理科 | 高い。大問 4 題・18〜26 問・40 分。4 分野 1 題ずつ | 記号選択 39%・短答 45%・記述 9%。「選んで、そう考えた理由を説明する」二段構えが毎年あります。図表のある小問が 69% | 理由を 1〜2 文で書く練習と、大問 3(物理)の装置図+数値表の読み |
| 社会 | 高い。大問 3 題・44〜50 問・40 分。歴史→地理→公民の順 | 記号選択が主軸(68〜76%)。歴史が単元の半分近く。正誤の組合せとできごとの並べ替えが毎年あります | 正誤の組合せ(a・b)と並べ替え(ア〜カ)の 2 種類を潰すこと |
| 国語 | 高い(2018 年まで)。大問 3 題・28〜31 問・50 分 | 記号選択 25%・抜き出し/空欄補充 25%・漢字 23%・記述 19%。本文は 2 題で 7000 字を超える年があります | 漢字(毎年 6〜7 問)と抜き出しの字数指定に機械的に従う訓練 |
4 科目の性格の違いがはっきりしています。算数だけが「答えだけを速く正確に」、理科と社会は「選んだうえで理由を書く」、国語は「長い文章を時間内に読み切る」。とくに、算数では途中式を一切書かせないのに、理科では「式や考え方も書きなさい」が出る(2023 大問 3 (2)、2024 大問 1 (3))という組み合わせは覚えておきたいところです。
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 3 題・小問 18〜20 問・すべて答えのみ)
年度×大問の題材表(2023〜2025 年度・原本で確認)
大問 1(計算 3 問+一行問題 6 問=9 問):
| 年度 | (1)(2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 四則計算(整数/分数小数混合) | 逆算 | 割り算のあまり(小数第 2 位まで) | 単位換算(dL と mL の牛乳) | 角度(長方形と直角三角形の重なり) | 年齢算(父と子・12 年後) | 売買損益(2 割増しの 1 割引で 1296 円) | 規則性(3 の倍数を除いた 79 番目) |
| 2024 | 四則計算(整数/分数小数混合) | 逆算 | 工夫する計算(4.5×103 + …) | 単位換算(L・cm³・mL) | 水量(直方体から三角柱へ移す) | つるかめ算(63 円と 84 円の切手 22 枚) | 数の性質(84×105×63 の直方体を立方体に分ける) | 仕事算(25 人・2 週間・途中で 10 人) |
| 2025 | 四則計算(整数/分数小数混合) | 逆算 | 数の性質(かけ算の筆算の虫食い) | 単位換算(L・cm³・dL) | 角度(4 分の 1 の円を折り返す)※転写が一部読めず | 数の性質(連続する積を 11 で割ったあまり) | 売買損益(30%引き・所持金の 72%) | 数の性質(3 けたで 4 と 6 の公倍数の個数) |
大問 2(一行問題 6 問)と大問 3(誘導つきの 1 テーマ):
| 年度 | 大問 2 の 6 問 | 大問 3(小問数) |
|---|---|---|
| 2023 | 和差算(だっこして体重をはかる)/平均算(2 グループ)/速さとグラフ(忘れ物を届ける)/円とおうぎ形(正方形と直角二等辺三角形)/食塩水(蒸発させて同量を足す)/速さ(池を回る 2 人) | 規則性(12cm ごとのゾーンを白玉と黒玉が進む・3 問) |
| 2024 | 和差算(3 人の身長の合計 4m82cm)/流水算(A 町 B 町 40km)/円とおうぎ形(半円と円の斜線部)/食塩水(8%を加える)/約束記号(商とあまりの和)/売買損益(3 割の利益・セール) | 時計算(長さの違う 2 本の針 A・B・3 問) |
| 2025 | 割合と比(姉妹の所持金 6:5・同額を使う)/速さ(走ってから歩く 1600m)/仕事算(水道管 A・B)/食塩水(10%に食塩水 A を加えて 15.5%)/単位換算と速さ(縮尺 1:250000 の地図)/規則性(正三角形を 12 個並べる) | 割合と比(クッキー 600 枚分の材料の分量・あ〜お の 5 問) |
座席の固定(同じ種類の問題が同じ場所に出る)
精読した 3 年(2023・2024・2025)で、大問 1 の中の並びまで固定されているのがこの学校の算数の最大の特徴です。
- 大問 1 (1)(2) は必ず計算 2 問((1) は整数の四則、(2) は分数と小数の混合)— 3 年連続です。
- 大問 1 (3) は必ず逆算(□ を求める形)— 3 年連続です。
- 大問 1 (5) は必ず単位換算(L・dL・mL・cm³ の間の換算、2025 は縮尺つき)— 3 年連続です。同じ座席に同じ種類が来るという意味で、数値まで同じ問題が出るわけではありません。
- 大問 1 (8) は売買損益が 2023・2025 の 2 回(2024 は大問 2 の最後に移動)。売買損益自体は 3 年連続でどこかにあります。
- 大問 2 には食塩水の濃さが 3 年連続で入ります(2023 は (5)、2024・2025 は (4))。
- 大問 3 は誘導つきの 1 テーマ長問が 3 年連続です。小問は 3〜5 問で、(1) が易しく (3) 以降で急に重くなります。
- 一方で、大問 1 (4) だけは「工夫して計算する」「あまりを小数第 2 位まで」など、年によって性格が変わる唯一の枠です。
大問 1 が計算から始まる並びは、2014〜2025 の 12 年間続いています(大問ごとの単元の記録による)。大問 2 に割合・文章題の枠が置かれる並びは 2021〜2025 の 5 年間です。
頻出単元と周期
- 計算の重さ: 18〜20 問のうち計算と逆算だけで 3 問(15〜17%)。分数・小数・かっこ 3 重の混合式が毎年出ます。
- 数の性質が 2025 に急増しました(大問 1 の (4)(7)(9) の 3 問)。2023・2024 は 1 問ずつだったので、この年だけ厚くなっています。
- 速さは 3 年とも登場します(2023 は 2 問、2024 は流水算、2025 は「走る→歩く」)。ダイヤグラムを読む形は 2023 のみです。
- 円とおうぎ形は 2023・2024 の 2 年連続で大問 2 に入り、2025 は角度(折り返し)に置き換わりました。
- 規則性は 2023(大問 3 全体)・2025(大問 2 の最後)と形を変えて出ます。
- 14 年分の単元の集計では、割合・文章題 28%/計算 22%/数の性質・規則性 16%/速さ 13%/平面図形 11%で、立体図形と場合の数の比重が小さくなっています。
問い方
- 全問が答えのみです。 精読した 3 年で記述・途中式の要求はゼロ、選択肢もゼロ。100%が短答(語句や数値を短く答える形式)です。
- 大問 1 の一行問題は「□ にあてはまる数を答えなさい」の穴埋め形式です。設問文が 1〜2 行と短く、条件を取り違えると即失点する作りです。
- 大問 3 は 2025 のように「あ・い・う・え・お にあてはまる数を求めなさい」と記号で聞く形もあります。前の答えを次で使う連鎖になっているので、最初でつまずくと後ろが全部落ちます。
- 図のある小問は全体の 12%前後と少なめです。図形問題でも「右の図のように」と短く述べて図に頼る作りで、図そのものは複雑ではありません。
8-2. 理科(40 分・100 点・大問 4 題・小問 18〜26 問)
年度×大問の題材表(2023〜2025 年度・原本で確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 地学: 流水のはたらき(蛇行・れき砂どろの沈み方のグラフ・河岸段丘の順序) | 化学: 気体 5 種の判別(ボンベの取り違え)+燃料電池自動車の水素の体積計算 | 物理: 物体の運動(斜面をころがるボール・速さと飛び出す距離) | 生物: マイクロプラスチックと食物網(カタクチイワシとイシダイ・三宅島との比較) |
| 2024 | 化学: 熱と状態変化(氷 100g の加熱グラフ・水の混合の温度計算)+浮力 | 地学: 気象(宮沢賢治『グスコーブドリの伝記』の会話文・二酸化炭素濃度のグラフ) | 物理: てこ・つり合い(11 部屋に仕切った容器に水を入れて傾きを調べる) | 生物: 田んぼの生物(カエルの分類・脱出用スロープの実験・設置場所を選ぶ) |
| 2025 | 生物: こん虫と甲殻類(テナガエビ 3 種の分布調査・あしのつき方) | 地学: 地層(露頭・断層・サンゴの化石・できごとの並べ替え) | 物理: 光(蛍光灯と影の大きさ・本影と半影の横はば) | 化学: 溶解度と再結晶(食塩とミョウバン・海水から食塩を取り出す) |
座席の固定(同じ種類の問題が同じ場所に出る)
- 大問は 4 題で固定されています。 精読した 3 年とも 4 題で、物理・化学・生物・地学から 1 題ずつ。大問ごとの記録では 14 年すべてが 4 題です。
- 大問 3 は物理が 2023・2024・2025 の 3 年連続です(運動→てこ→光)。大問ごとの単元の記録でも 2022〜2025 の 4 年連続で物理が大問 3 に置かれています。
- ただし大問 1・2・4 の分野の並びは毎年入れ替わります。2023 は地学→化学→物理→生物、2024 は化学→地学→物理→生物、2025 は生物→地学→物理→化学です。「1 番目は必ず○○」という並びはありません。
- 小問数は年により 18〜26 と振れます(2024 が 18 と最も少ないです)。大問あたり 4〜8 問です。
頻出単元と周期
- 14 年分の集計では、気体の性質 9%・人体 6%・地層/岩石/化石 6%・植物 6%・ばね 5%が上位で、特定単元への偏りが小さくなっています(4 分野をまんべんなく回します)。
- 精読した 3 年の物理は運動(2023)→てこ(2024)→光(2025)と毎年違います。電気は 2023 の水素の体積計算に顔を出す程度で、独立した回路の大問は 3 年とも出ていません。
- 化学は気体(2023)→熱と状態変化(2024)→溶解度(2025)。計算の入る化学が 3 年連続で、表やグラフから比例を読む形が共通です。
- 生物は 3 年とも生き物の分類+生態系が組み合わさります(食物網・カエル・エビ)。人体・植物のつくりは精読した 3 年に出ていません。
- 地学は流水(2023)→気象(2024)→地層(2025)。天体(月・太陽・星)は精読した 3 年で独立の大問になっていません。
問い方
- 記号選択が主軸ですが、短答と混じります。 精読した 3 年の内訳は、2023 が短答 42%・選択 38%・記述 15%、2024 が選択 44%・短答 44%・記述 11%、2025 が選択 45%・短答 41%・混合 9%・作図 5%。14 年の平均では選択 39%・短答 45%・記述 9%です。
- 「記号を選び、そう考えた理由を説明しなさい」の二段構えが毎年あります(2023 大問 4 (5) 三宅島と東京湾のどちらか、2024 大問 2 (4) グラフ A/B と理由、2024 大問 4 (4) スロープの設置地点と理由、2025 大問 1 (6) 水そう A/B と理由、2025 大問 4 (3) 出てきた固体と理由)。選ぶだけでは点になりません。 これがこの学校の理科の芯です。
- 「正しければ○、誤っていれば×」の正誤判定が 3 年連続です(2023 大問 4 (3)、2024 大問 4 (3)、2025 大問 1 (5))。5 項目前後をまとめて判定させます。
- 「式や考え方も書きなさい」が計算問題に付きます(2023 大問 3 (2)、2024 大問 1 (3))。算数では答えのみなのに、理科では途中を書かせます。
- 図・表・グラフを使う小問が 69%(14 年の中央値)と多く、とくに大問 3 の物理は、実験装置の図と数値表を突き合わせないと 1 問も解けない作りです。
- 長い導入文から条件を拾う形が定着しています。2023 は「ボンベの中身が分からなくなった」設定、2024 は宮沢賢治の小説の会話、2025 は「散歩で撮った写真」。設問に入る前の 700 字前後(14 年の中央値 729 字)を読み切る体力が要ります。
- 記述は 1〜2 文が基本で、理由を「〜だから」で締める形が中心です。字数指定は少なめです。作図が出る年もあります(2025 大問 1 (2)① でアリとクモのあしを描き加える)が、数年に 1 度の頻度です。
8-3. 社会(40 分・100 点・大問 3 題・小問 44〜50 問)
年度×大問の題材表(2023〜2025 年度・原本で確認)
| 年度 | 大問 1(歴史・20〜23 問) | 大問 2(地理・12〜20 問) | 大問 3(公民+前年の出来事・10〜12 問) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 通史 15 問(三内丸山の写真・卑弥呼・年表・南蛮屏風・岩倉使節団『米欧回覧実記』の史料 3 点・1877 年の歳入歳出グラフ・1895/1902/1905 の条約文・1972 年の共同声明) | 中部〜関東の地図(県名と県庁所在地・雲仙/火山・旧街道・リアス海岸の養殖・米とキャベツとももの生産上位・雨温図・発電方式・25000 分の 1「馬籠」の地形図・3 県比較の表) | 沖縄復帰 50 周年の式典と子どもの貧困(ウィズコロナ/ゼロコロナの判断・1960 年代か 1980 年代かを写真から判定・ヤングケアラー・憲法 9 条) |
| 2024 | 焼き物からたどる通史 20 問(弥生土器・正倉院・平氏と世界遺産・織田信長・『古事記伝』・鎖国下の注文・年表と資料・普通選挙のグラフ・『青鞜』・関東大震災・1954 年の映画ポスター) | 神奈川県と高知県の比較(人口・雨温図 3 点・4 県の地図・標準時子午線・海岸の防災施設の写真・高知の地形図 4 枚・訪日客の円グラフ・日米貿易の表) | ウクライナ侵攻と核(大統領名・地図で国を選ぶ・北方領土・広島サミット 2023・非核三原則・憲法・国会の役割・核使用の脅威を 2 つ) |
| 2025 | 城からたどる通史 20 問(吉野ヶ里・清少納言・源平・安土城・2024 年の世界遺産登録・日米和親条約・大日本帝国憲法・日露戦争の講和・国際連盟脱退・2024 年延伸の新幹線) | 6 道県の特色表(県木・農産物・水産物)+石狩川の地形図+世界の製鉄グラフ・自動車と石油の表・POS レジの記述 2 問・赤道と国・標準時・札幌/新潟/パリの雨温図・フランスと日本の農業と発電 | 郵便料金値上げの新聞記事 2 本(天然ガス価格の推移・税収の推移・災害時の SNS のデマ・憲法の条文の空欄・総務省の仕事・合計特殊出生率・2024 年都知事選・旅館経営の判断を書く) |
座席の固定(同じ種類の問題が同じ場所に出る)
社会は 4 科目の中で最も並びが固いです。
- 大問 1=歴史(原始から現代までの通史)、大問 2=地理、大問 3=公民+前年の出来事が 2023・2024・2025 の 3 年連続です。大問ごとの単元の記録でも、大問 1 に歴史の近現代が置かれる並びが 2022〜2025 の 4 年連続で続いています。
- 大問 1 は縄文・弥生から始めて戦後で終わる通し方が 3 年とも同じです。2024 は「焼き物」、2025 は「城」という 1 本のテーマで通史を貫く作りで、2 年連続で同じ設計です。
- 大問 2 には地形図の読図が 3 年連続で入ります(2023 の「馬籠」、2024 の高知 4 枚、2025 の石狩川)。雨温図も 3 年連続です(2023 福井/松本/水戸、2024 神奈川/高知/北海道、2025 札幌/新潟/パリ)。
- 大問 3 は前年のニュースを入口にするのが 3 年連続です(2022 の沖縄復帰 50 年、2022 のウクライナ侵攻と 2023 の広島サミット、2024 の郵便料金値上げ・都知事選・合計特殊出生率)。
- 小問数は 44〜50 問。40 分で 50 問は 1 問あたり 48 秒です。
頻出単元と周期
- 14 年分の集計は歴史-近現代 21%・歴史-古代〜中世 14%・地理-産業 14%・地理-地図/地形/気候 13%・歴史-近世 10%。歴史が半分近くを占めます。
- 歴史の中では近代の戦争と大正昭和前期が最大の塊(10%)です。精読した 3 年とも、日清・日露から太平洋戦争までの設問が 4〜6 問あります。
- 地理は「地図・地形図・雨温図」と「産業(農業・工業・貿易)」の 2 本立てです。都道府県の同定(県名を漢字で/県木・農産物・水産物から当てる)が 3 年連続です。
- 公民は憲法の条文(2023 の 9 条、2024 の憲法の正誤、2025 の条文の空欄)と三権(内閣・国会・省庁の仕事)が 3 年連続です。
- 世界地理が 2024・2025 で厚くなっています(ウクライナの位置、赤道と国、標準時子午線、フランスとの比較)。日本国内だけでは足りません。
問い方
固定された問い方が 3 種類あり、これが得点の大半を運びます。
- 「次の文 a・b の正誤の組合せとして正しいものを、ア〜エの中から選び」(2023 大問 1 問 13、2024 大問 1 問 2・問 11・大問 3 問 8、2025 大問 1 問 3・問 18・大問 2 問 12)。3 年連続、年 2〜4 問。a と b の両方を正しく判定しないと点になりません。同じ問い方は 2015・2016・2019・2024 にも記録があり、長く使われています。
- 「X〜Z(A〜C)を古いものから順に並べたとき、並べ方として正しいものを、ア〜カの中から選び」(2023 大問 1 問 5、2024 大問 1 問 8・問 14、2025 大問 1 問 5・問 14)。3 年連続、年 1〜2 問。選択肢が 6 通りなので当てずっぽうが効きません。同じ問い方は 2017〜2020 にも記録があります。
- 「正しくないものを 1 つ選び」(精読した 3 年すべて、年 3〜5 問)。「正しいものを」との読み違いが最大の失点源です。
そのほか:
- 「〜について知っていることを説明しなさい」という、条件をほとんど与えない記述が 2024(正倉院)・2025(安土城)の 2 年連続であります。教科書の知識を自分の言葉で 1〜2 文にまとめる練習が要ります。
- 写真・グラフ・表から「なぜそうなるか」を書かせる記述が毎年 3〜4 問あります。2023 は「神奈川県の乗用車保有台数が少ないのはなぜか(表の情報をもとに)」、2024 は「高知県の雨温図を選んだ理由を、ちがいが明らかになるように」「海岸の 2 つの施設の共通の目的」、2025 は「POS 導入前の問題点」「働く人の仕事内容の変化」です。
- 正解が一つでない判断を書かせる設問が 2023 と 2025 にあります。2023 大問 3 問 2 はウィズコロナ/ゼロコロナのどちらの立場かを踏まえて店の対応を書き、2025 大問 3 問 9 は「あなたは旅館の経営者です。人手不足の中で評判と利益をどう保つか」を新聞記事を参考に書かせます。
- 記述は年 4〜5 問(全体の 8〜10%)で、残りは記号選択が主軸(68〜76%)と短答(14〜23%)です。
- 設問文の総字数は 14 年の中央値で 6478 字と、この学校の 4 科目で最も長くなっています。地図・地形図・グラフ・写真・新聞記事が次々出るので、資料を見る時間の配分が点数を決めます。地形図は国土地理院の 25000 分の 1(電子地形図)がそのまま使われます。文字種の指定も多く(「正しい漢字で」「ひらがなで」「漢字 3 字で」)、字数指定のある冊は 14 年で 36%です。「解答欄に合うように答えなさい」(2024 大問 3 問 9 の非核三原則)のような、書き出しが決まっている形もあります。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3 題・小問 28〜31 問)
国語は 2018 年度までの資料しかありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2016〜2018 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(2016〜2018 年度・原本で確認)
| 年度 | 大問 1(説明文・論説) | 大問 2(物語文) | 大問 3(漢字) |
|---|---|---|---|
| 2016 | 高木和子『平安文学でわかる恋の法則』— 平安の女房勤めと『枕草子』の「香炉峰の雪」(15 問) | 小学生の虎太郎と父のネットゲーム・母とスマートフォン(9 問) | 書き取り 4・読み 3(オンド・ユウショウキ・サッシン・トトノえる/握手・建立・遊説)(7 問) |
| 2017 | 遠藤育枝編『子どもの本のちから―越境する児童文学』— 『堤中納言物語』の「虫めづる姫君」(11 問) | 広島の灯籠流し(原爆・「光のうつしえ」・希未)(11 問) | 書き取り 3・読み 3(タイショウ・ジュンエン・カジュウ/病巣・厳か・出納)(6 問) |
| 2018 | 生命の歴史性と機械論的世界観/生命的世界観(東日本大震災・38 億年)(10 問) | 少年と「三角形のペナント」・ヨッちゃんとおばさん(12 問) | 書き取り 5・読み 2(ハソン・リッコウホ・コウバイ・エイセイ・ツイやす/格子戸・河川)(7 問) |
参考までに、2010〜2015 年度の大問 1・2 の出典は次のとおりです(大問 3 は漢字)。2010 八太昭道『ごみから地球を考える』/本多明『幸子の庭』、2011 松永勝彦『森が消えれば海も死ぬ』/阿部夏丸『泣けない魚たち』、2014 養老孟司『解剖室へようこそ』/伊吹有喜『なでし子物語』、2015 田中修『ふしぎの植物学』/原田マハ『翔ぶ少女』。
座席の固定(同じ種類の問題が同じ場所に出る)
- 大問 1=説明文(論説・評論)、大問 2=物語文、大問 3=漢字の並びが 2016・2017・2018 の 3 年連続です。大問ごとの単元の記録では、大問 3 が漢字という並びは 2015〜2018 の 4 年連続で確認できます。
- 大問 3 の漢字はカタカナを漢字に/漢字をひらがなにの混合で 6〜7 問です。設問文も「次の―線部について、カタカナは漢字に、漢字はひらがなに、それぞれ改めなさい」とほぼ同じ言い回しが 3 年続きます。
- 小問数は 28〜31 問で安定しています(7 年分の平均 29.1、変動幅は小さいです)。
頻出単元と周期
- 7 年分の集計は、記号選択 25%・抜き出し/空欄補充 25%・漢字 23%・記述 19%・語彙知識 4%。記号選択と抜き出しで半分、漢字が 4 分の 1 です。
- 説明文(大問 1)の題材に古典文学を扱った評論が 2016(『枕草子』)・2017(『堤中納言物語』)と 2 年連続で入りました。古文そのものを読ませるのではなく、現代の書き手が古典を解説する文章です。作品名と作者を問う知識問題(2016 問一の紫式部、2017 問二の清少納言)が本文の中に混ざります。
- 2018 は自然科学の評論に切り替わり、2010・2011・2015 も環境・生物系の評論でした。理科寄りの評論と古典寄りの評論を行き来する形に見えます。
- 物語文(大問 2)は 3 年とも子どもが主人公で、大人との関係が動く話です(父とゲーム/原爆の記憶を継ぐ/友だちの引っ越し)。
問い方
- 抜き出しの指定が細かいです。 「始めと終わりの三字」(2016 問四)、「始めと終わりの五字」(2017 問四・六十字前後)、「十字以上十五字以内でぬき出しなさい」(2017 問一)、「本文中からすべてぬき出しなさい」(2017 問七)。字数と範囲の指定を読み違えると 0 点になります。
- 接続語・語句の空欄補充が毎年あります。2016・2018 は A〜D の 4 か所をまとめて組み合わせで選ぶ形、2017 は「同じ記号は一度しか使えません」の一対一対応です。
- 記述は年 2〜5 問。 字数指定が付く場合(2016 問六「五十字以内」、2018 問十「二十五字以上三十五字以内」)と、字数を指定せず解答欄の大きさで決まる場合(2017 は 4 問とも「説明しなさい」のみ)があります。2016 問十(2) は「普通は(三〇字以内)だが、清少納言は(一五字以内)から。」という解答欄に穴が開いた形で、埋める場所が決まっています。精読した 3 年とも記述の指示に「本文中のことばを使って」が入るので、自分の言葉で言い換えず本文から材料を取る書き方が求められます。
- 本文の内容と選択肢の照合を全体でさせる設問が 2018 大問 1 問十にあります(ア〜オについて合っていれば○、合っていなければ×)。
- 語彙の知識問題が毎年混じります。対義語を漢字三字で(2016 問二)、同じ意味で使われている漢字を含む熟語をすべて選ぶ(2016 問五「易」)、四字熟語(2016 問十二)、慣用句の意味(2018 問六「聞こえがしに」)。
- 図・グラフは 7 年間ゼロで、作図もありません。
- 50 分で 28〜31 問。本文は 2 題合わせて 7000 字を超える年があり(7 年の中央値 7720 字)、読む速度が直接効きます。古文・漢文をそのまま読ませる設問は精読した 3 年でゼロですが、古典を扱った評論は出ます。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
大問ごとの単元の記録から、しばらく大問になっていない単元をまとめました。最終確認年度は、その単元が大問として出たことを確認できている最後の年度です(年度が分からないものは「不明」としています)。
| 科目 | 単元 | 状況 | 最終確認年度 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 立体図形の体積・表面積 | 精読した 3 年で独立の設問になっていません(2024 の水量が最も近い設問です)。14 年の単元集計でも平面図形 11%に対し立体はさらに薄く、その分ゼロが続いた後に出ると差がつきます | 不明(2024 に近い設問はあり) |
| 算数 | 場合の数 | 精読した 3 年で 1 問も確認できませんでした | 不明 |
| 算数 | 速さとグラフ(ダイヤグラム) | 2023 大問 2 (3) を最後に 2 年空いています | 2023 |
| 算数 | 通過算 | 大問ごとの単元記録では 2016 に出て以降見当たりません | 2016 |
| 理科 | 天体(月・太陽・星座) | 精読した 3 年で独立した大問になっていません。大問ごとの記録では 2022 の月が最後です。地学の 4 本柱(天体・気象・地層・流水)のうち唯一空いている枠です | 2022 |
| 理科 | 人体・消化・呼吸 | 14 年の集計で 6%と上位単元ですが、精読した 3 年でゼロです | 不明 |
| 理科 | 植物のつくりとはたらき(光合成・蒸散) | 14 年集計で 6%の上位単元ですが精読した 3 年でゼロです | 不明 |
| 理科 | 電気回路・電磁石 | 独立の大問としては精読した 3 年でゼロです(2023 に水素の体積計算として顔を出す程度) | 不明(2023 に小問として) |
| 理科 | ばね | 14 年集計で 5%と上位ですが精読した 3 年に出ていません。てこ(2024)と入れ替わる関係にあります | 不明 |
| 社会 | 三権分立の図 | 大問ごとの記録では 2015・2016 に大問の主題になっていましたが、近年は公民の中の 1 問に縮んでいます | 2016(大問の主題として) |
| 社会 | 人口・都市問題 | 独立した枠としては 2014 以来で、2025 は合計特殊出生率の 1 問のみです | 2014(独立した大問として) |
| 社会 | 環境問題 | 2010 に大問 2 つ分を占めていましたが、精読した 3 年では防災施設(2024)と災害時の SNS(2025)に姿を変えています。地球温暖化そのものを正面から問う形は空いています | 2010(大問の主題として) |
| 社会 | 情報・メディアリテラシー | 2022 に大問の主題、2025 に 1 問。SNS のデマ・報道の読み比べは戻りやすいと見られます | 2022(大問の主題として) |
| 国語 | 詩・短歌・俳句 | 2017 大問 2 に灯籠の色を問う小問が 1 つあるほかは、独立した韻文の大問は精読した 3 年でゼロです | 不明(2017 に小問として) |
| 国語 | 文法(品詞・活用・敬語) | 精読した 3 年でゼロです | 不明 |
国語の詩・短歌・俳句、文法は、2019 年度以降の資料が無いため、近年復活しているかどうかは判断できません。
10. 形式面の注意(4 科目まとめ)
| 項目 | 算数 | 理科 | 社会 | 国語 |
|---|---|---|---|---|
| 時間・配点 | 50 分・100 点 | 40 分・100 点 | 40 分・100 点 | 50 分・100 点 |
| 大問数 | 3 | 4 | 3 | 3 |
| 小問数 | 18〜20 | 18〜26 | 44〜50 | 28〜31 |
| 記述 | 0(精読した 3 年) | 年 2〜5 問(1〜2 文) | 年 4〜5 問 | 年 2〜5 問 |
| 記号選択 | 0 | 39〜45% | 68〜76% | 45〜48% |
| 途中式 | 求めない | 「式や考え方も書きなさい」がある | — | — |
| 図表のある小問 | 12%前後 | 69% | 44% | 0% |
| 作図 | 精読した 3 年でなし | 数年に 1 問(2025 大問 1) | なし | なし |
| 字数指定 | — | 少ない | 付く年と付かない年がある | 付く設問と付かない設問が混在 |
- 文字種・桁の指定が理科と社会に多くあります。「漢字 3 字で」「正しい漢字で」「ひらがなで」(社会)、「小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで」「2 つ選び」「すべて選び」(理科)。守れないと 0 点になる指定です。
- 社会の「正しくないものを 1 つ選び」は毎年 3〜5 問。「正しいものを」との読み違いが最大の失点源です。
- 国語の冒頭に「字数制限のあるものについては、すべて句読点や記号をふくみます」の注意書きが毎年あります。
- 算数の円周率の指定は資料からは確認できませんでした。市販の過去問集の表紙の注意書きで確認してください。
- 配点の内訳(大問ごと・小問ごと)は資料からは分かりません。
11. 学年別ロードマップ
この学校は「置き場所は固定、中身は毎年作り直し」なので、小 5 での単元の一巡と小 6 での座席ごとの縦解きの両方が要ります。どちらか一方では届きません。
小 4(土台)
- 計算の正確さを最優先にします。分数と小数の混合、かっこの入れ子、逆算。この学校の算数は毎年 3 問(15〜17%)がここで、しかも部分点がありません。
- 単位(L・dL・mL・cm³・km・m・cm)の関係を、表を見ずに言えるところまで仕上げます。大問 1 (5) の枠に直結します。
- 漢字は書き取りと読みを同じ量で。読みの練習を早くから入れておくと、後半で楽になります。
- 読解は物語文と説明文を半々で。物語文は「登場人物の気持ちが変わる場面」に線を引く習慣を付けます。
- 地図と地形図に触れておきます。 等高線・地図記号・方位。社会で 3 年連続の枠なので、早い接触が効きます。
- 時間計測はまだしません。
小 5(幅)
週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は計算と漢字・語彙に、週末 60 分はその週の単元一巡に充てます。
- 単元を一巡させる時期です。算数は割合・文章題(28%)→ 計算(22%)→ 数の性質・規則性(16%)→ 速さ(13%)→ 平面図形(11%)の順に厚みをつけます。立体と場合の数は薄いので後回しでよいですが、ゼロにはしません(9 節の復活の警戒を参照)。
- 理科は 4 分野を均等に。 この学校は単元の偏りが小さく、14 年の上位単元でも 9%止まりです。「どれか 1 分野を捨てる」が最も効かない学校です。
- 社会は歴史を通しで 2 周します。 歴史が単元の半分近くを占め、大問 1 は毎年「原始から現代まで」を一気に走ります。年表を自分で書けるところまで仕上げます。
- 理由を 2〜3 文で書く習慣を付けます。 理科の「そう考えた理由」、社会の「なぜそうなるか」、国語の「本文の言葉を使って」。この学校は 3 科目で記述が出るので、小 5 のうちに「書くことへの抵抗」を消しておきたいところです。国語は 2019 年度以降の資料が無いため、ここでの国語の話は 2016〜2018 年度の傾向によります(→ 13 節)。
- 雨温図と地形図を、選ぶだけでなく「どこが違うから選んだのか」を言えるところまで仕上げます。
小 6(仕上げ)
- 7 節の 8 項目がそのままここに当たります。
- 夏までは同じ座席を縦に解きます。算数の大問 1 (1)〜(3)・(5)、理科の大問 3、社会の正誤の組合せと並べ替え、国語の漢字。3 年分を並べて解くと、問い方の共通点がはっきり見えます。
- 秋からは年度通しで時間を計ります。 とくに社会は 40 分で 44〜50 問(1 問 48 秒)、理科は 40 分で長い導入文つき。時間配分の失敗が最大の失点源になる科目です。
- 秋以降に、前年のニュースを社会の公民に結びつける作業を始めます。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか
差が出るのは小 5 での全分野の一巡です。理科の単元の偏りが小さく(上位単元でも 9%)、社会も地理・歴史・公民が毎年 1 大問ずつ、算数も 5 つの単元グループがまんべんなく回ります。穴のある単元がそのまま失点になる作りなので、小 5 で全単元を一巡できているかどうかが小 6 の伸びを決めます。逆に、小 6 での「座席ごとの縦解き」は 3 年分×数枠と量が限られているので、直前期に短期間で仕上げられます。小 4 から始められるなら、計算・単位・漢字の読み・地形図という「毎年必ず出る 4 つの入口」に早く触れておくと、小 5 での全分野の一巡に時間を回せます。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです(同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます)。難易度・偏差値帯・通学圏・合格可能性は扱っていません。男女と日程の注記は元の一覧のまま写しています。
- 国士舘中学校(東京都・共学)— 算数と国語の作りが近い学校です。理科・社会は比較できるデータがありません。2027 年度は 2 月 1 日・2 月 2 日・2 月 4 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
- 品川女子学院中等部(東京都・女子校)— 理科と社会がとくに近い学校です(理科の図表の多さ、社会の小問数)。算数は作りがやや違います。2027 年度は 2 月 1 日・2 月 4 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
- 開智中学校(埼玉県・共学)— 国語・理科・算数の 3 科目が近い学校です。社会はやや離れます。2027 年度は 2 月 4 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
上の「近い」は、科目ごとの大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元の一致・設問文の言い回しの重なりから自動集計で測ったもので、同じ問題が出るという意味ではありません。実務的には、社会の「正誤の組合せ」「できごとの並べ替え」や理科の「選んで理由を書く」形は多くの学校で共通なので、清泉女学院の過去問で鍛えた力はそのまま他校でも使えます。逆に、算数の「全問が答えのみ・大問 3 題」という形は珍しいので、算数だけは併願先の形式を別途確認したほうがよいでしょう。
13. 資料の限界
- 入試回が 1 種類しかありません。 資料は校×年×科目それぞれ 1 冊で、回の表記がありません。ここで書いたことは 1 期(4 教科)に相当するものと見なした話です。2 期(理科・社会が合科 60 分・計 100 点)、3 期(英語資格を使う回/2 教科)、1 期グローバル入試(英語 1 科)、AP 入試(適性検査 60 分)については、この資料からは何も言えません。とくに2 期の理科・社会は合科 60 分なので、大問構成が 1 期と同じである保証はありません。
- 国語は 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。8 節(国語)に書いたのは 2016〜2018 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。出典(著者・作品)も同じ制約を受けており、2018 年度以降の出典は分かっていません。2016・2017 についても、資料に残っているのは大問 1 の出典だけです。
- 資料そのものの異常が 1 件あります。 社会の 2011 年度として記録されていた冊は、実際には別の学校(女子聖学院中学校)のものでした。この冊は分析から外しています。同じ理由で、名前の似た他校(清真学園・聖園女学院など)の内容が混ざっていないかも確認しましたが、読み直した 3 年分にその形跡はありませんでした。
- 年度の欠け: 算数は 2011・2013、理科は 2011・2012、社会は 2013、国語は 2012・2013 と 2019 年度以降の資料がありません。「◯年連続」と書けるのは資料のある年だけをつないだ話です。
- 図が資料に含まれません。 図の説明文からの推定を含むため、図形の細部(算数の角度、理科の装置図)は実物での確認をおすすめします。2025 年度の算数は大問 1 (6) の図の説明が読み取れず、その 1 問だけ内容を確定できませんでした。
- 設問文の転写に読み落としがありえます。 とくに社会は 1 年で 44〜50 問あり、資料の読み取りの確からしさが低めと記録されている年(2024・2025)があります。小問の数え方が実物と 1〜2 問ずれている可能性は残ります。
- 配点の内訳は分かりません。 4 科目とも 100 点満点であること以外、大問ごと・小問ごとの配点は資料にも募集要項にも出ていません。「この枠が何点分か」という話はここでは書いていません。
- 難易度・偏差値・合格可能性・入試結果・学校の理念には触れていません。これらは別のページの領分です。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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