公文国際学園中等部 の過去問分析
公文国際学園中等部の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
公文国際学園中等部 過去問分析(2009〜2026 年度・4 科目実施の回・18 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県横浜市戸塚区 |
| 男女 | 共学 |
| 入試回と日程・科目 | 帰国生入試 2025 年 12 月 13 日 — 適性検査・英語・面接/A 入試 2 月 1 日 — 2 科(国語・算数)/B 入試 2 月 3 日 — 4 科(国語・算数・理科・社会) |
| 試験時間・配点(A 入試) | 国語 50 分・100 点/算数 50 分・100 点 |
| 試験時間・配点(B 入試) | 国語 50 分・100 点/算数 50 分・100 点/理科 40 分・75 点/社会 40 分・75 点 |
| 試験時間・配点(帰国生入試) | 適性検査 50 分・100 点/英語 50 分・100 点/面接 10 分(面接の配点は要項に記載がありません) |
| 面接 | 帰国生入試のみ面接があります(A 入試・B 入試に面接はありません) |
上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。A 入試と B 入試で科目が違います(A 入試は 2 科、B 入試は 4 科)。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートが分析したのは 4 科目を実施する回の問題です。A 入試だけの問題があるかどうか、帰国生入試の適性検査・英語がどんな問題かは、この資料からは分かりません(→ 4 節・13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 大問の数と役割(座席=問題の置き場所)が長く変わらず、中身は毎年ぜんぶ作り直されます。「同じ問題が出る」のではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出る学校です。
- 4 科目すべてに「自分の考えを書く」設問が入ります。正解が一つに決まらない記述が、どの科目でも最後に置かれます。
- 算数は大問 1〜5 の役割と、記述(途中の式)2 問の位置が 3 年連続(2024〜2026)で一致しています。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 と大問 2 の 11 問(計算 5 問+一行問題 6 問)を、毎日 17 分で。
- 4 科目に共通の「事実 → 自分の考え → その理由」の 3 文型で書く練習を続けます。
- 社会は社説を週 1 本、理科は長い会話文を読み切る練習を週 1 回。
今週やる 1 つ
- 直近 3 年(2024・2025・2026)の算数の大問 4(4)・5(4) の記述 2 問だけを解き、「何を求めるか → 式 → 答え」の 3 行で書けるか確かめます。
注意
- 国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2016 年度までのものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2024・2025・2026) | 13 年 | 16 年(2009〜2026 のうち 2012・2013 を除く) | 大問 5 題が資料のある全年度で一定 |
| 理科 | 3 年(2024・2025・2026) | 15 年 | 18 年(2009〜2026) | 抜けなし。2013 年以降は大問 3 題で一定 |
| 社会 | 3 年(2024・2025・2026) | 14 年 | 17 年(2009〜2026 のうち 2012 を除く) | 大問数は 3〜5 で年により動く |
| 国語 | 3 年(2012・2014・2016) | 2 年(2009・2010) | 5 年(2009・2010・2012・2014・2016) | 2017 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い) |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- この学校の 2026 年度入試には A 入試(2 月 1 日・国語と算数の 2 科)・B 入試(2 月 3 日・4 科)・帰国生入試(適性検査と英語+面接)の 3 つの回があります。手元の資料は年・科目あたり 1 冊で、どの回のものか区別できません。ただし理科・社会が 17〜18 年分そろっているため、4 科目を実施する回のものと考えて読んでいます。A 入試の国語・算数が同じ問題かどうかは、この資料からは言えません。試験時間と配点は募集要項によります: 国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・理科 40 分 75 点・社会 40 分 75 点。
- 「3 年連続」「毎年」と書いた箇所は、該当年度の設問文を原本で読み直して確認したものだけです。図そのものは文字情報に置き換えられているため、図形問題や地形図の細部は設問文と図の説明からの推定を含みます。
5. 一番大きな結論
公文国際学園は「箱(大問の数と役割)が長く変わらず、中身は毎年ぜんぶ作り直す」学校です。そして 4 科目すべてで「自分の考えを書かせる」のが顔になっています。
(1) 同じ種類の問題が同じ場所に出る(座席の固定)
「同じ問題が出る」のではありません。同じ種類の問題が同じ場所に出る——これがこの学校でいちばん確かな手がかりです。科目によって固さがはっきり違います。
| 科目 | 固まっているもの | 何年ぶん確認できたか |
|---|---|---|
| 算数 | 大問 5 題。大問 1 = 計算 5 問((5) は逆算(□にあてはまる数を求める計算))/大問 2 = 一行問題(数行で終わる短い文章題)6 問/大問 3 = ①②形式の小問 4 題/大問 4・5 = 誘導つきの大きな問題。さらに記述(途中の式)はちょうど 2 問で、必ず大問 4 の最終小問と大問 5 の最終小問 | 大問 5 題は 16 年。大問 1 が計算なのは 13 年連続(2014〜2026)。大問 1〜5 の役割と記述 2 問の位置は 3 年連続(2024〜2026)で一致 |
| 国語 | 大問 3 題。大問 1 = 物語・小説/大問 2 = 説明文・随筆/大問 3 = 漢字を含む知識。読解の最後に 100 字級の意見作文 | 大問の役割は資料のある 5 年すべて(2009・2010・2012・2014・2016)。意見作文は精読した 3 年連続 |
| 理科 | 大問 3 題・小問 31 前後という数だけ。中に入る分野は毎年入れ替わる | 大問 3 題は 14 年連続(2013〜2026)。小問 31〜33 は 3 年連続 |
| 社会 | 大問の並びは固まらない。代わりに素材の種類が固定: 新聞記事の大問・地図 2 枚の見比べ・「あなたの考え」の記述・◯× の正誤判定 | 大問 4 題は直近 3 年(17 年全体では 3〜5 題で動く)。4 つの素材は 3 年連続でどこかに必ず入る |
(2) 4 科目すべてに「自分の考えを書く」設問がある
精読した 3 年(国語は 2012・2014・2016)で、4 科目すべてに、正解が一つに決まらない記述が入っていました。
- 算数: 「途中の式や考え方も書きなさい」が毎年ちょうど 2 問。答えだけでは点になりません。
- 理科: 「巻貝がなぜ増えたのかを予想し、その過程を書きなさい」(2024)、「5 円玉を加熱すると穴の大きさはどうなるか、予想と理由を」(2025)、「太陽光発電の問題点を挙げ、あなたの考える解決策を。実現が難しいものでもかまいません」(2024)。
- 社会: 「あなたが住む地域の課題を挙げ、条例案を説明しなさい」(2026)、「少数派の視点から、どのような街を設計するか」(2025)。さらに 2026 は「原爆ドームのスライドを作成しなさい」という枠を自由に使う設問まであります。
- 国語: 読解の最後に 100〜150 字の意見作文。
(3) だから過去問はこう使う
同じ問題がそのまま再登場した例は、精読した範囲では見つかりませんでした。したがって「出る問題を覚える」使い方は効きません。効くのは次の二つです。
- 座席ごとに時間の使い方を身につける — 算数なら「大問 1 を 5 分・大問 2 と 3 に 24 分・大問 4 と 5 に 20 分」、国語なら「読解 2 題で 40 分・作文に 10 分」。大問の役割が固定されているぶん、時間配分を先に設計できます。
- 単元ごとの解き方の手順を習得する — 算数の逆算・工夫計算・影と相似、理科の濃度と湿度、社会の地形図と憲法条文、国語の字数指定つき記述。座席が決まっているので、時間をかける価値のある先も決まります。
(4) 科目横断の要点
| 科目 | 形式の固まり方 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 非常に高い。大問 5・小問 23 前後・50 分。大問 1〜5 の役割と記述 2 問の位置が 3 年連続で一致 | 前半 3 大問(小問 15〜19 問)は答えのみの標準題。後半 2 大問は長い設定を読む思考問題 | 大問 1・2 の完答(計算 5 問+一行問題 6 問)と、大問 5 の「影・見通し」(2011・2018・2024・2026) |
| 理科 | 高い(数だけ)。大問 3・小問 31 前後・40 分 | 1 つの大問の中で物理・化学・生物・地学をまたぐ。会話文と生活の場面から出発する | 長い会話文を読み切る速さと、濃度の計算(3 年連続) |
| 社会 | 中くらい。大問 3〜5・小問 33〜38・40 分 | 前年のニュースが毎年素材になる。地図・史料・新聞を「読ませる」分量が 4 科目で最大 | 「課題→提案→理由」の 3 文で書く練習と地形図の読図 |
| 国語 | 高い(役割まで)。大問 3・小問 21〜28・50 分。※2016 年度までの資料による | 物語+説明的文章+知識の 3 本柱。字数の下限つき記述が多い | 100 字級の意見作文と下限つき字数の記述 |
算数は「決まった座席を速く正確に処理し、最後の 2 問で考えを書く」試験、理科と社会は「長い文章と資料を読んで、自分の頭で考えたことを書く」試験、国語は「読んでから 100 字で意見を述べる」試験です。4 科目とも、最後に書かせます。
6. この学校らしさが出る場所
- 学校そのものが問題に出てきます。社会 2024 の大問 2 は架空の「公文市」の地形図(東京の都心から 40 キロメートル離れた市という設定)、同年の大問 3 は「公文国際学園の歴史の授業で、公文くんと大船さんが憲法について考えました」という会話文。理科 2025 の大問 2 では「公文国際学園がある横浜市戸塚区の緯度は北緯 35.4°」から冬至の南中高度を計算させます。自校の所在と名前を題材に織り込むのがこの学校の癖です。
- 理科は「身の回りの不思議」から始まります。ボトルアクアリウム(2024)、大そうじと洗剤(2024)、電車のレールのすき間(2025)、朝ご飯のパンと米(2025)、水飲み鳥のおもちゃ(2026)、ホタルとカラスザメの光(2026)。教材ではあまり見ない題材ですが、知らなくても文章から解ける作りになっています。
- 社会は新聞そのものを読ませます。京都新聞 2025 年 5 月 18 日の社説(2026)、能登半島地震から半年の記事 2 本(2025)、選挙と投票率の記事(2024)。記事の日付まで示されます。
- 「あなたならどうするか」を全科目で聞きます。太陽光発電の解決策(理科 2024)、品種改良で解くべき課題(理科 2025)、少数派の視点からの街づくり(社会 2025)、自分の地域の条例案(社会 2026)、五年一組の一員だったらどうするか(国語 2016)、学校行事の「この一点を変える」提案(国語 2012)。答えが一つに決まらない設問を、どの科目でも最後に置きます。
- 算数の大問 5 は「その場で状況を想像する」問題です。家で棒と厚紙の影を作ってみた(2024)、正方形の土地で建物のかげになって見えない範囲(2026)、コインを取り合うゲームの必勝法(2025)。公式ではなく、図を描いて場合分けを作る作業が要ります。
- 国語の説明的文章は食とくらしに寄ります。砂糖と奴隷貿易(2014)、地産地消と学校給食(2016)。理科の題材(洗剤・パンと米)と地続きで、生活を材料にものを考えさせる姿勢が科目をまたいで見えます。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に。過去問を使った演習は小 6 の夏以降が目安です。
根拠(年度と題材)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。(確認: 〜20XX 年度)は、その施策の根拠を原本で確認できた最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数の大問 1 と大問 2 を落とさない。計算 5 問(うち (5) は逆算)+一行問題 6 問=11 問で、小問の半分近くを占めます。1 日 11 問を 17 分で。大問 1 の (3) は分配法則でくくる工夫計算、(5) の逆算は小数と分数が混ざるので、分数に統一して逆算する手順を固定します。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 大問 2 の一行問題を、年齢算・割合・過不足算(配り方を変えたときの余り・不足から数を求める)・食塩水・数の性質(余り・既約分数・最小公倍数)・集合・角度の 7 分野で回す。1 問 2 分。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 4 科目の「自分の考え」記述を、共通の 3 文型で書く練習 — 「事実(資料・実験結果・本文)→ 自分の考え → その理由」。算数の途中式も、理科の予想も、社会の条例案も、国語の作文も、この骨組みで形になります。この学校で最も時間をかける価値がある一手です。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数の後半 2 大問。大問 5 の「影・見通し」(2011・2018・2024・2026)は、光源と棒・厚紙の相似、建物のかげで見えない範囲の面積で、「相似比で伸ばす」「頂点から直線を引く」の 2 手で足ります。作図つきで解きます。大問 4 の規則性は n 番目の式を作るところまで。記述 2 問(大問 4(4)・5(4))は「何を求めるか → 式 → 答え」の 3 行で固定し、時間配分に組み込みます。大問 3 の「①②」形式は 2 段構えなので、①を取って②を捨てる判断が点になります。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 理科の長い会話文を読む速さ。40 分で 31 問、しかも導入文が数百字あります。1 大問 3〜5 分で状況を把握する練習を。計算は濃度(3 年連続。「%→ g」「うすめて指定の濃度にする」「1 滴に含まれる量」の 3 パターン)と、湿度・飽和水蒸気量(2026)・南中高度(2025)。数値が表で与えられるので、公式より「表のどこを見るか」です。グラフを描く作業(2024)も、軸のとり方・単位・ルールの読み落としで落としやすいので一度は通します。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 理科の予想を書く練習と、分野の穴つぶし。実験結果の表を見て「観察した事実 → だから〜と考えられる」の 2 段で 2 文。身の回りの理科(洗剤と汚れ、ボトルアクアリウム、水飲み鳥、レールのすき間、ホタルの光)は題材で拾います。1 大問に 3 分野が入るので、苦手分野が 1 つあると必ず当たります。分野で山を張らず穴を埋めるのが最優先です。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会は新聞を読む。3 年連続で前年のニュースが素材です(2026 は参院選・豊明市の条例・大阪万博、2025 は能登半島地震)。社説を週 1 本、「この話はどの制度・どの地域の話か」に翻訳します。あわせて、「課題(何が困っているか)→ 提案 → その理由」の 3 文の型、地形図の読図(2014・2021・2024・2026。2024「A から東側 50m 先を見た時、何が見えるか」、2026 の新旧 2 枚の比較、2024 の氾濫しやすい場所)、憲法の条文を語句レベルまで、選挙のしくみ(投票率・小選挙区と比例代表・ドント式・被選挙権年齢・両院の違い)、正誤 ◯× の判定(1 問で 3〜7 文。年号・人名・因果の 3 か所が狙われやすい)、表から県を当てる形(農産物・工業製品の生産量トップ 5。桃・林の面積・米・サツマイモなど上位県の顔ぶれを)を回します。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 国語の漢字と語句(大問 3)を毎日。読解の出来と無関係に取れる独立した大問で、資料のある 5 年すべてに置かれています。四字熟語・ことわざ・慣用句(体の部位の語)・辞書の並び順まで。あわせて週末に、100 字級の意見作文を週 2 本(「本文の内容 → 自分の体験や案 → その理由」の 3 段で 100〜120 字。「もしあなたなら」に答える形(2016)と「本文をふまえて社会への影響を述べる」形(2014)の 2 種類)と、下限つきの字数指定に合わせた 30 字・50 字・80 字の 3 サイズの記述を。物語文(大問 1)と説明的文章(大問 2)は必ずセットで演習し、擬態語・接続語の語感も鍛えます。2017 年度以降の形式は市販の過去問集で必ず確認してください。(確認: 〜2016 年度)
理科と社会は 40 分に対して小問が多く、理科 31 問・社会 38 問を 40 分で解くと 1 問 1 分では足りません。記述に何分残すかを決めて、通しで練習しておきます。(確認: 〜2026 年度)
8. 科目別の詳細
形式面の注意は 10 節、しばらく出ていない単元は 9 節、家でやることは 7 節にまとめました。
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 5・小問 23 前後)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026 | 計算 5 問(工夫計算に 3.14 を仕込む・(5) 逆算) | 一行問題 6(年齢算/分配算/既約分数/歯車の最小公倍数/食塩水/集合) | ①②式の小問 4(燃費と代金/覆面算の推理/6 点から作る三角形/正方形と長方形のすれ違い) | 規則性(正六角形に並べた黒白コイン・すき間の弧の長さ) | 影と見通し(建物のかげで見えない範囲の面積・作図つき) |
| 2025 | 計算 5 問(工夫計算・(5) 逆算) | 一行問題 6(過不足算/流水算/割合/余りの数の性質/比のやりとり/回転移動の角度) | ①②式の小問 4(仕事算/直方体の水そう/シール交換の規則性/正六角形の面積比) | 水量とグラフ(仕切り 2 枚+排水口) | 推理(コイン取りゲーム・必勝の枚数) |
| 2024 | 計算 5 問(工夫計算に 2024 を仕込む・(5) 逆算) | 一行問題 6(平均算/売買損益/年齢算/集合/循環小数/角度) | ①②式の小問 4(正方形と円の求積/おもりの場合の数/ニュートン算/通過算) | 場合の数(正六角形をサイコロで回る点 P) | 影(棒と厚紙の影・壁に映る面積) |
精読した 3 年(2024・2025・2026)はいずれも 大問 5 題・小問 23〜29 問です。転写の範囲では 2009 年以降 16 年分すべてが大問 5 題で、大問 1 が計算という並びは 2014〜2026 の 13 年連続で確認できます。
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)
この学校の算数でいちばんはっきりしているのは、大問 1〜5 の役割が毎年同じという点です。「同じ問題が出る」のではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出ます。
| 座席 | 役割 | 確認できた年 |
|---|---|---|
| 大問 1 | 計算 5 問。(1)(2) が整数の四則(かっこ・中かっこ)、(3) が分配法則でまとめる工夫計算、(4) が分数・小数の混合、(5) が □ を求める逆算 | (1)〜(5) の並びは 2024・2025・2026 の 3 年連続。大問 1 が計算なのは 2014〜2026 の 13 年連続 |
| 大問 2 | 一行問題 6 問。文章題(年齢算・割合・過不足・食塩水)+数の性質+集合+角度から 6 つ | 2024・2025・2026 の 3 年連続で 6 問 |
| 大問 3 | 「①・②にあてはまる数を答えなさい」の 2 段構えの小問 4 題。1 題ごとに単元が違い、図形・速さ・規則性・仕事算が混ざる | 2024・2025・2026 の 3 年連続 |
| 大問 4 | 規則性・場合の数の大きな問題。誘導つきで (1)→(4) と重くなる | 2024(場合の数)・2025(水量とグラフ)・2026(規則性)。3 年とも「設定を読んで数え上げる/規則を見つける」系 |
| 大問 5 | 長い設定文で 1 つのテーマを掘る大きな問題。影と光・見通しが指定席になりつつある | 影は 2024・2026 のほか 2011・2018 でも大問 5。2025 だけコイン取りゲームの推理 |
もう一つの座席が記述です。 精読した 3 年とも「途中の式や考え方も書きなさい」はちょうど 2 問で、必ず大問 4 の最終小問と大問 5 の最終小問に置かれていました(2024 は 4(4)・5(4)、2025 は 4(4)・5(4)、2026 は 4(4)・5(4))。3 年連続で位置・問数とも一致しました。
頻出単元と周期
- 計算(大問 1): 16/16 年。(3) の工夫計算は「分配法則でくくれば暗算になる」形が定番で、その年の数字を仕込むことがあります(2024 は 1012・2024・3036 の並び、2026 は 31.4・0.314 と円周率がらみ)。
- 規則性・数列: 大問 4 の主戦場。コインを正六角形状に並べる(2026)、シール交換(2025 大問 3)、循環小数の第 20 位(2024 大問 2)と、大小の枠を問わず毎年顔を出します。転写できた 16 年では 2009・2010・2011・2016・2018・2019・2021・2022・2025・2026 に「規則」が大問位置で現れます。
- 速さ: 2026 大問 3(1)(燃費)・2025 大問 2(2)(流水算)・2024 大問 3(4)(通過算)と、大問 3 の小問枠に薄く入る形が 3 年続きます。
- 平面図形の求積・面積比: 2024 大問 3(1)(正方形と円)・2025 大問 3(4)(正六角形の面積比)・2026 大問 4(4)(弧の長さの合計)。大問 3 か 4 の中に 1 題が 3 年連続。
- 場合の数・推理: 2024 大問 4(サイコロで頂点を回る点)・2025 大問 5(必勝法)・2026 大問 3(2)(3)(覆面算・三角形の個数)。水量は 2021・2023・2025 と 2 年おきの登場が続きます。
- 影・光源と相似: 2011・2018・2024・2026 と、6 年→6 年→2 年の間隔で大問 5 に戻ってきています。直近は 2 年で再登場しました。
問い方の型
- 大問 1・2・3 は「□ にあてはまる数を求めなさい」で答えのみ。ここまでで小問 15〜19 問あり、問題数の 7 割が答えのみの前半に集中します。
- 大問 3 は「①・②の 2 つを答える」形で、1 つのテーマにつき小さい設問が 2 つずつ。片方だけ取れる作りなので部分点が拾えます。
- 大問 4・大問 5 は長い導入文(実験の設定・ゲームのルール)を読ませ、(1)(2) で手を動かさせ、(3) で一般化、(4) で記述、という 4 段の誘導(精読した 3 年で例外なし)。大問 5 の設定は「公文さんが家で影を作ってみた」(2024)、「正方形の土地で建物のかげになって見えない範囲」(2026)のように、その場で状況を想像するタイプです。図と文章を往復しながら自分で場合分けを作る作業が要ります。
8-2. 理科(40 分・75 点・大問 3・小問 31 前後)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 小問数 | 記述 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026 | ものの重さ比べ → 密度 → 食塩水と色水の対流(作図) | 「光るもの」— 恒星と惑星・冬の大三角・ホタルとカラスザメの発光 | 水飲み鳥のおもちゃ — ふりこの周期 → 蒸発と気圧 → 湿度 | 31 | 3 |
| 2025 | 朝ご飯のパンと米 — 植物のつくり → イネの品種改良と遺伝 | 校外学習の電車 — レールのすき間(金属の膨張) → 冬至の南中高度 | 水にとける仕組み — コーヒーのしみ → 泥の堆積 → 浄水場 | 33 | 4(+理由つき選択 2) |
| 2024 | ボトルアクアリウム — 水草・巻貝・熱帯魚の関係(作図) | 鏡の反射 → 光の三原色 → 凸レンズと目 → 太陽光パネル | 大そうじ — 汚れと洗剤・クエン酸の濃度計算・界面活性剤 | 31 | 7(+作図 1) |
精読した 3 年は 大問 3 題・小問 31〜33 問で完全に一致しました。転写できた 18 年でも、2013 年以降は 14 年連続で大問 3 題です(2009〜2012 は 4 題)。
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)
理科は「箱は 3 つで動かないが、中身は毎年ぜんぶ作り直す」のが最大の特徴です。大問の数(3)と小問数(31 前後)は 3 年連続で一致したのに、大問 1・2・3 に入る分野は毎年入れ替わります。精読した 3 年で「大問 1 は生物」のような固定は見当たらず、2026 は大問 1 が密度(物理・化学)、2025 は大問 1 が生物、2024 も大問 1 が生物、大問 2 は 2024 が光、2025 が熱と天体、2026 が天体と発光——並び順に規則は見つけられませんでした。
代わりに、1 つの大問の中で分野をまたぐという作りが 3 年とも共通しています。
- 2024 大問 2: 鏡の反射(光)→ 光の三原色 → 凸レンズと目のはたらき(人体)→ 太陽光パネルの設置角度(天体)→ 発電の問題点と解決策(環境)。
- 2025 大問 2: レールのすき間(金属の熱膨張)→ 10 円玉の加熱実験 → 横浜市戸塚区の冬至の南中高度(天体)。
- 2026 大問 3: 水飲み鳥のおもちゃ → ふりこの周期(物理)→ 蒸発と気圧 → 飽和水蒸気量(気象)。
つまり「大問 = 単元」ではありません。大問 = 一つの場面で、その場面から物理・化学・生物・地学へ横に伸びていきます。分野で山を張る対策が効きにくいのはこの構造によります。
頻出単元と周期(18 年集計)
| 単元 | 出現 | 傾向 |
|---|---|---|
| 熱と状態変化 | 最頻。2013・2015・2017・2023・2025・2026 | 蒸発・膨張・状態変化。2025・2026 と 2 年連続で中心にある |
| 気象 | 2010・2012・2014・2016・2018・2020、2026 大問 1・3 の後半 | 飽和水蒸気量・湿度の計算がからむ |
| 水溶液の性質・濃度 | 2009・2011・2024・2025・2026 | 3 年連続で濃度の計算が出た(クエン酸/コーヒー/海水の食塩) |
| 天体(太陽・月・惑星・星) | 2009・2011・2021・2025・2026 | 2 年連続。南中高度・惑星の見え方・恒星の色と温度 |
| 生態系・食物連鎖 | 2014・2019・2023・2024・2026 | 「生き物どうしのつながりを予想して書く」形 |
| ふりこ・物体の運動 | 2009・2012・2020・2021・2026 | 周期は「長さで決まる」の確認が定番 |
| 浮力・密度 / 遺伝・DNA | 2017・2026 / 2017・2021・2025 | 密度は 9 年ぶりに主役へ。遺伝は品種改良・交配の組み合わせ |
問い方の型
- 長い会話文・体験談から始まります。3 年とも導入文が数百字あり、登場人物には毎年同じ名前の生徒が使われます(2024 アオイ・アカリ・ミドリ・クロダ先生、2025 サクラ・ミドリ・アオイ、2026 は地の文)。選択肢は「ア〜エから 1 つ」が主軸で選択が 45〜55%ですが、「全て選び」「理由も述べなさい」が混ざり記号だけでは終わりません。
- 予想を書かせる設問が毎年あります。「巻貝がなぜ 1 匹から 3 匹に増えたのかを予想し、その過程を書きなさい」(2024)、「5 円玉を加熱すると穴の大きさはどうなるか、予想を選び理由を述べなさい」(2025)、「なぜこのような光り方をするのか、与えられた特徴を考えながら説明しなさい」(2026)。正解の暗記ではなく、手元の情報から筋道を立てて書く作業です。
- 「あなたの考えを述べなさい」型も複数年に出ます。太陽光発電の問題点と解決策(2024・「実現が難しいものでもかまいません」と明記)、品種改良で解くべき課題(2025)、品種改良の不利益(2025)。
- 計算は毎年入ります。濃度(2024 クエン酸・2025 コーヒー 1 滴・2026 海水)、金属の伸び(2025)、南中高度(2025)、飽和水蒸気量(2026)、密度(2026)、水そうを満たす時間(2025)。理科の計算は化学の濃度と気象の湿度が二本柱です。
8-3. 社会(40 分・75 点・大問 4・小問 33〜38)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026 | 日本の地理(林の面積と桃の生産・「桃太郎」の川・大阪万博の木造建築・地形図 2 枚の比較) | 京都新聞 2025 年 5 月 18 日の社説(憲法・参院選・多様性・地方の条例) | 世界遺産のスライド発表(古代〜近代の通史・浮世絵・富岡製糸場) | 原爆ドームの新聞記事(戦争と戦後・スライド作成) | 38 |
| 2025 | 災害史(自然災害と人災への対応・蒙古襲来・関東大震災・北里柴三郎) | 横浜の古地図 2 枚(居留地の設計・火災後の復興計画) | 新聞記事 2 本(能登半島地震から半年・内閣と省庁・地方自治・選挙) | 人と自然のつながり(農業と雨温図・南海トラフ・南三陸町の地図) | 33 |
| 2024 | 日本の地理(都道府県・利根川・農産物と工業製品の表) | 架空の「公文市」の地形図(洪水・森林・インターチェンジ) | 公文国際学園の歴史の授業(憲法の会話文・十七条の憲法〜日本国憲法) | 新聞記事(選挙と投票率・ドント式・憲法 15 条) | 37 |
精読した 3 年はいずれも 大問 4 題・小問 33〜38 問です。ただし転写できた 17 年で見ると大問数は 3〜5 の間で動いており(2016・2017・2019・2022・2023 は 3 題、2010・2011・2018・2021 は 5 題)、4 題で揃ったのは直近 3 年です。
同じ場所に同じ種類の問題が来るか(座席)
社会は大問の並びを毎年作り直します。大問 1 が地理なのは 2024・2026 の 2 年で、2025 は大問 1 が歴史・大問 4 が地理でした。歴史・地理・公民のどれが何番目に来るかは年で入れ替わり、3 年で固定と言える並びは見つかりませんでした。
代わりに、素材の種類の座席が 3 年続いています。
| 素材 | 2024 | 2025 | 2026 |
|---|---|---|---|
| 新聞記事を丸ごと読ませる大問 | 大問 4(選挙) | 大問 3(能登半島地震) | 大問 2(京都新聞の社説)・大問 4(原爆ドーム) |
| 2 枚の地図・地形図を見比べる大問 | 大問 2(公文市の地形図) | 大問 2(横浜の古地図 2 枚) | 大問 1 問 4(地形図 2 枚の新旧比較) |
| 「あなたの考え」を書かせる記述 | 大問 2 問 5・大問 4 問 14 | 大問 4 問 5 | 大問 2 問 9 |
| 正誤を ◯×(A・B)で答える形 | 大問 4 問 11(ア〜キの 7 つ) | 大問 3 問 6(2)(①〜④) | 大問 2 問 12(ア〜ウ) |
この 4 つは位置は動きますが、3 年連続で必ずどこかに入っています。
頻出単元と周期(17 年集計)
| 分野 | 出現 | 傾向 |
|---|---|---|
| 憲法・政治(公民の柱) | 最頻。2011(日本国憲法 2 題)・2020・2022・2024・2026 | 条文の空欄補充が定番。2024 は憲法 15 条 4 項の条文そのもの、2026 は条文の語句を語群から選ぶ形 |
| 近代の戦争と大正・昭和前期 | 2014・2015・2016・2017・2018・2022・2025・2026 | 戦争と戦後処理が歴史の中心。2026 は「戦後 80 年」を正面から扱った |
| 選挙制度 | 2015・2024・2025・2026 | 2024・2025・2026 の 3 年連続。投票率・ドント式・参院選の仕組み |
| 環境問題・防災 | 2013・2024・2025 | 洪水・南海トラフ・復興。2025 は大問 4 全体が防災 |
| 地形図の読図 | 2014・2021・2024・2026 | 等高線と見通し、新旧比較。出ると大問の入口を塞がれる |
| 農業・畜産 | 2016〜2019・2025 | 生産量トップ 5 の表から県を当てる形 |
| 国際社会・国際協力 | 2011・2013・2016・2018・2019・2021・2026 | 国連・略語(NAFTA・ODA・NGO・LGBTQ など)の識別 |
| 江戸時代 / 地方自治 | 2018・2023・2025・2026 / 2024〜2026 の 3 年連続 | 横浜開港・参勤交代 / 条例・首長・議会(2026 は条例案を自分で作る記述) |
問い方の型
- 前年のニュースが必ず素材になります。2026 は 2025 年 7 月の参議院議員選挙・2025 年 9 月の愛知県豊明市の条例・2025 年の大阪万博・「2025 年末の日本の状況」の正誤判定、2025 は 2024 年元日の能登半島地震(記事の日付は 7 月 1 日)、2024 は選挙権年齢の引き下げと投票率。新聞を読む習慣がそのまま素材の下地になります。
- 記述は「自分の考え」型が主軸です。「あなたの考えを解答欄の範囲内で説明しなさい」(2024 大問 2 問 5)、「あなたはどのような立場の人のことを考えて、どのような設計にするか述べなさい。ただし例以外の少数派の視点から」(2025 大問 4 問 5)、「あなたが住む、あるいは住んでいた地域の課題を一つ挙げ、条例案を説明しなさい」(2026 大問 2 問 9)。正解が一つに決まらない設問が毎年あります。
- 語群の語をすべて使って説明する形もあります(2026 大問 3 問 2「仏教・伝染病・社会不安の 3 語をすべて使用し、なぜ東大寺の大仏が作られたか」)。
- 資料を 2 つ以上つなげて答えさせます。2024 大問 3 問 10 は「日本国憲法とフランス人権宣言の共通点を 2 つ挙げて記述」。2026 大問 1 問 1(2) は資料 2 の川の候補から選んだうえで、選んだ理由を資料 3 から読み取って 48 字以上 60 字以内で書かせます。
- 正誤の ◯×(A・B)判定が 3 年連続。1 問で 3〜7 つの文を判定させるので、部分点の刻みが細かくなります。
- 語句の答え方の指定が細かいのも特徴です(「漢字 2 字で」「〜議員という形で」「カタカナで」)。会話文・授業の場面から始まる大問も多くあります(2024 大問 3 の憲法の授業、2026 大問 1 問 4 の生徒の会話、2026 大問 3 のスライド発表)。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 21〜28。2009〜2016 の 5 年分のみ)
国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2009・2010・2012・2014・2016 の 5 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。精読したのは 2012・2014・2016 の 3 年度です。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|
| 2016 | 物語(いじめのある五年一組・図書室・吉多美『チェンジング』) | 説明文(地産地消と給食・小泉武夫『いのちをはぐくむ農と食』) | 知識(漢字の書き取り・ひらがなの語句補充・四字熟語) | 21 |
| 2014 | 小説(父の死と母の失踪・北杜夫『幽霊』) | 説明文(コーヒーハウスと砂糖・奴隷貿易・川北稔『砂糖の世界史』) | 知識(漢字 4・述語の形式・ことわざ・辞書の並び順) | 28 |
| 2012 | 物語(小 5 の二人の旅・関口尚『はとの神様』) | 随筆(『徒然草』の一節から説く「変えること」の是非) | 知識(漢字の書き取り・誤字直し・慣用句・文の組み立て) | 23 |
| 2010 | 中沢けい『うさぎとトランペット』 | 加藤秀俊『人間関係』 | 漢字ほか知識 | 28 |
| 2009 | 江國香織『僕はジャングルに住みたい』 | 池澤夏樹『明るい旅情』 | 漢字ほか知識 | 19 |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)
国語は 4 科目のなかで座席がいちばんはっきりしています。
| 座席 | 中身 |
|---|---|
| 大問 1 | 文学的文章(物語・小説)。小学生が主人公の年(2012・2016)と大人の回想の年(2014)がある |
| 大問 2 | 説明的文章(説明文・評論・随筆)。食・文化・社会のテーマ |
| 大問 3 | 知識の独立大問。漢字の書き取りを必ず含み、慣用句・ことわざ・四字熟語・文法・辞書の並び順などを組み合わせる |
いずれも資料のある 5 年(2009・2010・2012・2014・2016)すべてで一致しました。さらに「読解大問の最後の設問は、自分の考えを長く書かせる作文」という座席が、精読した 3 年すべてにありました。
- 2016 大問 1 問 9: 「もしもあなたが五年一組のクラスの一員であったとしたら、あなたはどうしますか。その理由も含めて 101 字以上 120 字以内で」
- 2014 大問 2 問 9: 嗜好品が現代の国際社会に及ぼす影響について、本文をふまえて 81 字以上 100 字以内で
- 2012 大問 2 問 9: 学校行事や身近な生活で「この一点を変えるだけで」良くなると考える点を挙げ、どう良くなるかも含めて 101 字以上 150 字以内で
100 字を超える作文が読解の締めに置かれる形が 3 年連続で、この 1 問だけで解答用紙の相当部分を占めます。
頻出と型
| 設問の種類 | 5 年での比重 | 中身 |
|---|---|---|
| 記号選択 | 選択が全体の 43〜61% | 傍線部の理由・心情・内容説明。選択肢は 4〜5 択で長い |
| 記述 | 全体の 14〜35% | 20 字・30 字・40 字・50 字・80 字・100 字・150 字と幅広い |
| 抜き出し・空欄補充 | 毎年 3〜6 問 | 抜き出しは字数つき。空欄は接続語・体の部位を使った慣用句(頭・目・鼻・首・肩)・擬態語 |
| 漢字(大問 3) | 5/5 年 | カタカナ→漢字が 4〜6 問。送り仮名つき(「イサギヨイ」2014)が定番 |
| 語句・慣用句・ことわざ | 5/5 年 | 大問 3 の後半。2014 は辞書の並び順、2012 は誤字探し、2016 は四字熟語の漢字を組み合わせて三字熟語を作る |
問い方の型
- 字数指定がきわめて細かいのが特徴です。「21 字以上 30 字以内」「31 字以上 40 字以内」「41 字以上 50 字以内」「61 字以上 80 字以内」「71 字以上 80 字以内」のように下限と上限の両方が示されます。上限だけの指定より窮屈で、書き慣れが要ります。
- 書き出しを指定される記述があります(2012 大問 2 問 7「○改革をする際には」に続けて 61〜80 字)。
- 本文にない言葉を自分で考えて入れる設問があります。2012 大問 1 問 9 は「空欄 A・B・C にふさわしい 4 字の擬態語をそれぞれ考えて答えなさい」、同問 10 は「空欄に入るみなとの台詞を 11 字以上 20 字以内で考えて答えなさい」。抜き出しではなく創作に近い形です。
- 並べ替え(2014 大問 2 問 7: 5 つの文から 4 つを選んで並べ替える。使わない文が 1 つある)、一文を入れる場所を選ぶ(2016 大問 1 問 4)など、文章の構成を問う設問が混ざります。
- 説明的文章のテーマは食・くらし・社会のしくみに寄り、硬い学術論説ではありません。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した年(算数・理科・社会は 2024〜2026、国語は 2012・2014・2016)と、転写できた年の位置の並びから見た話です。最終確認年度は、その単元を最後に確認できた年度を指します。とくに間隔が空いているのは、理科のてこ・つり合い、理科の電気回路、社会の国際社会と国際協力、算数の立体の切断、算数の水量の 5 つです。
| 科目 | 単元 | 出ていた年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 理科 | てこ・つり合い | 2011・2014 | 2014 年度 | 最後の大問位置から 10 年以上出ていない |
| 理科 | 電気回路 | 2010・2022 | 2022 年度 | 2024 大問 2 の太陽光パネルで触れられただけで、豆電球・回路の計算そのものは出ていない |
| 理科 | 地層・岩石 | 2019・2022 | 2022 年度 | 精読した 3 年では出ておらず、2025 大問 3 の堆積作用が最も近い |
| 理科 | 地震・火山 | 2015・2023 | 2023 年度 | 同上 |
| 理科 | 気体の性質 | 2010・2018・2019 | 2019 年度 | 単独の大問としては間隔が空いている |
| 理科 | 人体 | 2012・2013・2018 | 2018 年度 | 単独の大問としては間隔が空いている |
| 社会 | 国際社会・国際協力 | 2011・2013・2016・2018・2019・2021 | 2021 年度 | 繰り返し大問位置にあったが、2022 以降は大問の主役から外れている(2026 は大問 2 の 1 問) |
| 社会 | 人口・都市問題 | 2021・2022 | 2022 年度 | 2024・2026 では扱われていない |
| 社会 | 貿易・資源/工業 | 2010・2011・2014 | 2014 年度 | 長く大問位置から遠ざかっている |
| 社会 | 史料・資料の読解(古文書・古地図そのものを読む) | 2013・2019・2024・2025 | 2025 年度 | 2 年連続で出た後の 2026 は世界遺産のスライドに形を変えた |
| 算数 | 立体の切断 | 2010・2020 | 2020 年度 | 大問で現れて以降、精読した 3 年には出ていない。2025 大問 3(2) の直方体の水そうが立体の最も近い出番 |
| 算数 | 水量 | 2021・2023・2025 | 2025 年度 | 2 年おきで、周期上は次が近い位置 |
| 算数 | ダイヤグラム・速さのグラフ | 2019・2023 | 2023 年度 | 精読した 3 年では 2025 大問 4 の水量グラフだけ |
| 算数 | 食塩水 | 2011・2022(縮尺の年に併走)・2026 大問 2(5) | 2026 年度 | 大問 2 の一行問題枠には戻り続けている |
逆に、直近で出たばかりで当面は続く可能性があるのは社会の雨温図です(2024・2025 と 2 年連続)。
10. 形式面の注意
| 項目 | 算数 | 理科 | 社会 | 国語 |
|---|---|---|---|---|
| 時間・配点 | 50 分・100 点 | 40 分・75 点 | 40 分・75 点 | 50 分・100 点 |
| 大問数・小問数 | 5(16 年一定)・23〜29 | 3(2013〜2026)・31〜33 | 3〜5(直近 3 年は 4)・33〜38 | 3(資料のある 5 年)・21〜28 |
| 記述 | 毎年 2 問(大問 4・5 の最終小問) | 3〜7 問 | 2〜4 問 | 3〜8 問 |
| 作図 | 出る(2026 は斜線で範囲を示す。フリーハンド可と明記) | 出る(2024 グラフ・2026 斜線) | 出る(2026 はスライド作成) | なし |
| 字数・文字種の指定 | — | 字数はほぼ無し。「漢字 3 文字で」は毎年 | 2026 は 48〜60 字。「漢字 2 字で」「〜議員という形で」が多数 | 下限と上限の両方を指定。送り仮名まで含めて答える指示 |
| 円周率 | 3.14(2026 に明記) | — | — | — |
- 4 科目とも「書かせる」ので、書く時間を最初から見積もります(算数 2 問・理科 3〜7 問・社会 2〜4 問・国語の 100 字作文)。選択肢は「1 つ選び」が主軸ですが、「2 つ選び」「すべて選び」「誤っているものを」「◯×で答えなさい」が混ざります(社会の ◯× 判定は 3 年連続)。
- 理科・社会は 40 分に対して小問が 31〜38 問と多く、読む分量が最大の負荷になります。
算数
- 50 分・100 点。国語と同じ 100 点で、A 入試(2 科)でも B 入試(4 科)でも算数は 100 点です。
- 記述は毎年 2 問だけ(精読した 3 年)。「途中の式や考え方も書きなさい」で、答えだけでは点になりません。解答用紙に式を書く欄がある前提で練習します。
- 作図が出ます(2026 大問 5(3)「考えられない部分を斜線で示しなさい」・「直線を書くときはフリーハンドでかまいません」と明記)。定規を前提にしない作図の練習が要ります。円周率は 3.14(2026 大問 4(4) に明記)。
- 逆算(大問 1(5))は毎年 1 問。小数と分数が混ざるので、分数に統一して逆算する手順を固定しておきます。単位の指定(cm²・cm・秒・通り)は設問文の末尾に書かれます。
理科
- 40 分で 31 問前後。会話文が長いので、読む速さがそのまま得点差になります。
- 作図が出ます: 2024 は表の数値を折れ線グラフにする作図(「点●を打ち、滑らかな曲線でつなぐこと」とルールが明記)、2026 は色水の広がった範囲を斜線で示す作図。3 年中 2 年です。
- 記述は 3〜7 問。字数指定はほぼ無く、解答欄の大きさで分量が決まります。「湿度」「蒸発」の 2 語を使って説明しなさい(2026)のように使う言葉を指定されることがあります。
- 漢字指定(「漢字 3 文字で」2024、「漢字で答えなさい」2025・2026)が毎年あります。選択肢に「誤っているものを選べ」が混ざるので、設問文の読み違いに注意してください。
社会
- 40 分で 33〜38 問。理科と同じ 40 分で、社会のほうが小問が多くなります。読む分量も社会が最大(導入文・資料が最も長い科目)です。
- 記述は 2〜4 問。字数指定は年により入ります(2026 の 48〜60 字)。指定が無い年は解答欄の大きさで分量が決まります。
- 作図に近い設問が出ます: 2026 大問 4 問 4 は「解答欄の枠内を自由に使い、原爆ドームに関するスライドを作成しなさい」で、①投下年月日 ②都道府県名 ③何を伝えようとしているか、の 3 条件を満たすよう指定されました。文章でも図でもよい形式で、社会の答案としては珍しい設問です。
- 選択肢は「1 つ選び」が主軸ですが、「2 つ選び」「すべて選び」「誤っているものを」が毎年複数入ります。語群から選ぶ形(都道府県名・条文の語・カタカナの略語)も多く、知識を思い出せなくても消去法で届く設問が一定数あります。
国語
- 50 分・100 点。読解 2 題+知識 1 題で 21〜28 問。100 字級の作文が最後にあるので、時間配分の設計が要ります(読解 2 題を 40 分、作文に 10 分など)。
- 記述の字数は下限つきです。下限を割ると採点対象にならない前提で、「あと何字か」を数えながら書く練習が必要になります。
- 漢字は「正確に丁寧に書くこと」と毎年注意書きがあります。送り仮名まで含めて答える指示に注意してください。
- 作図・図の読み取りは 5 年間ゼロです。古文は 2012 に『徒然草』の一節が説明文の導入として引かれた例があるだけで、古文そのものの読解問題ではありません。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始める場合)
小 4(土台)
- 計算の正確さ: 算数の大問 1 は計算 5 問で 13 年連続です。ここは小 4 からの積み上げがそのまま点になります。四則の順序・かっこと中かっこ・分数と小数の混合を、時間を計らずに正確さだけで。
- 図形に触れる: 大問 5 の「影」は光源からの直線と相似、大問 3・4 の図形は面積と周の長さ。小 4 では「図をていねいに描き写す」ことから。
- 読む力: 理科・社会とも導入文が数百字ある学校なので、読書量がそのまま効きます。物語と説明文の両方を。
- 短い記述: 「なぜそう思ったか」を 2 文で言う習慣を。4 科目すべてで書かせる学校なので、小 4 からの口ぐせが最終的に効きます。
- 漢字と語彙: 国語の大問 3 は独立した知識問題で、毎日 5 分の積み上げが確実に返ります。ただし国語は 2017 年度以降の問題文が資料に無いので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください(→ 13 節)。時間計測はまだしません。
小 5(幅)
週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。
- 平日 15 分×5: 算数の単元を次の順に一巡します。年齢算(受験用教材の単元)→ 割合 → 過不足算(配り方を変えたときの余り・不足から数を求める・受験用教材の単元)→ 食塩水 → 数の性質 → 集合 → 角度 → 規則性 → 場合の数 → 速さ → 水量 → 立体。中身を毎年作り直す学校なので山を張る対策が効きません。穴を作らないことが最大の対策です。
- 週末 60 分: 理科と社会の単元を交互に。理科は熱 → 気象 → 水溶液 → 天体 → ふりこ → 生態系 → 遺伝、社会は地理(地形図・農業・都道府県)→ 歴史(通史)→ 公民(憲法・選挙・地方自治)の順で。理科の「1 大問に 3 分野」への備えもここで作ります。
- 記述の下地: 理由を 2〜3 文で書きます。国語の記述は下限つきの字数指定(「21 字以上 30 字以内」)なので、字数を数えて書く練習を小 5 のうちに始めます。ただし国語は 2017 年度以降の問題文が資料に無い(→ 13 節)ので、直近の字数指定は市販の過去問集で確かめてください。
- 新聞・ニュースの習慣をここから。社会は前年 1 年分のニュースが素材になります。小 5 で始めれば小 6 の秋に慌てません。
小 6(仕上げ)
- 7 節「今からやるなら」の 8 項目がそのまま小 6 の設計になります。過去問の解き方は「年度通しで時間を計る」が主、「同じ座席を縦に」が従です。算数の大問 1・大問 5、国語の大問 3、社会の地形図・記述は縦に並べて解けます(理科は座席が定まらないので年度通しで)。
- 夏までに単元の穴を埋め、秋から年度通し。冬は記述と作文の量を増やします。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか
差がつくのは小 5 での全分野の一巡と、小 4 から積んだ「書く習慣」です。中身を毎年作り直す学校なので、直前に詰め込む形が効きにくくなります。一方で大問の座席は動かないため、どこに時間をかければよいかは早い段階から分かります。とくに「自分の考えを 100 字で書く」「予想とその理由を書く」「途中の式を書く」の 3 つは、小 4・小 5 の日常会話と作文の習慣から育つもので、小 6 の数か月では作りにくいものです。逆に言えば、早く始めた家庭の積み上げがそのまま形になりやすい出題です。
12. この学校と併願するなら
観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか」だけです。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏は見ていません。同じ問題が出るという意味ではありません。
- 桐朋中学校(東京都・男子校)— 4 科目とも均等に近く、総合の近さが最も高い組み合わせです。社会の資料読解と記述の比重が似ています。
- 昭和女子大学附属昭和中学校(東京都・女子校)— 算数が最も近い組み合わせです(前半の一行問題+後半の思考問題)。国語は比較できていません。
- 高輪中学校(東京都・男子校)— 国語が最も近い組み合わせで、理科も近くなっています。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- この学校の A 入試は 2 科(国語・算数)です。併願先が 4 科目校の場合、理社は A 入試の準備とは別に立てる必要があります(B 入試を受けるなら 4 科の準備がそのまま使えます)。
- この学校の最大の特徴である「4 科目すべてで自分の考えを書かせる」点まで一致する学校は、併願候補ページの 8 校には見当たりませんでした。記述と作文の練習は、この学校の過去問そのもので積むのが近道です。
- 近さは科目ごとの出題構造の近さ(0〜100・100 が最も近い)を合成した自動集計です。
13. 資料の限界
- 入試回の区別ができません。この学校には A 入試(2 科)・B 入試(4 科)・帰国生入試(適性検査と英語)の 3 つの回がありますが、手元の資料は年・科目あたり 1 冊で、どの回のものか表記されていません。理科・社会が 17〜18 年分そろっていることから 4 科目を実施する回のものと考えていますが、A 入試の国語・算数が同じ問題かどうかは言えません。帰国生入試の適性検査・英語はこの分析にまったく含まれていません。
- 国語は 2017 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたことは 2009・2010・2012・2014・2016 の 5 年度、そのうち精読したのは 2012・2014・2016 の 3 年度に限った話です。直近 10 年の形式が同じかどうかは、この資料からは言えません。市販の過去問集で必ず補ってください。
- 算数は 2012・2013、社会は 2012 の資料がありません。精読したのは各科目 3 年度で(算数・理科・社会は 2024〜2026、国語は 2012・2014・2016)、それ以外の年の単元の並びは転写データの分類に基づきます。「3 年連続」と書いた主張はすべて精読した 3 年のものです。
- 転写の読み落としの可能性があります。図・写真・地形図は文字情報に置き換えられているため、算数の図形問題の細部、社会の地形図の読図、理科の実験装置の図は、設問文と図の説明文からの推定を含みます。小問の数え方も、①②や (1)(2) の刻み方で 1〜3 問ずれることがあります。
- 同じ問題の使い回しは実例として書いていません。数値まで同一の再出題は、精読した範囲では見つかりませんでした。
- 配点の内訳は非公開です。科目ごとの総点(国語 100・算数 100・理科 75・社会 75)は募集要項で確認できますが、小問ごとの配点は書かれておらず、記述の重みは推定に頼っています。難易度・偏差値・合格可能性・学校の理念・入試結果には触れていません(別のページの領分です)。
- 1 節の基本情報(試験時間・配点・面接)は学校の公表資料によるもので、本文の分析は過去問の転写データによるものです。帰国生入試の面接の配点は要項に記載がありません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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