佐野日本大学中等教育学校 の過去問分析
佐野日本大学中等教育学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
佐野日本大学中等教育学校 過去問分析(2011〜2026 年度・回の表記なし・7 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 栃木県佐野市石塚町 |
| 男女 | 共学 |
| 旧称 | 佐野日本大学中学校(2010 年に中等教育学校へ改組) |
| 入試回と日程・科目 | 第 1 回 2026 年 11 月 23 日午前(2 月ではなく 11 月の実施です)— 一般 4 科(国語・算数・理科・社会)/一般 2 科(国語・算数)/一般 3 科(2 科+英語資格試験の評価による書類審査。ケンブリッジ英検スコア 120 以上または実用英検スコア 1700 以上が出願資格) |
| 試験時間・配点 | 国語 50 分・100 点、算数 50 分・100 点、理科と社会はあわせて 50 分・各 50 点。4 科は 300 点満点、2 科は 200 点満点、3 科は 2 科に英語資格 100 点を加えた 300 点満点 |
| 当日の時間割(4 科) | 国語 9:15-10:05 → 算数 10:20-11:10 → 理科・社会 11:25-12:15 → 面接 12:35〜 |
| 面接 | 第 1 回(一般 4 科)は試験の後 12 時 35 分から面接があります。第 1 回(一般 2 科)は受験生のみ 5 分の面接です |
上の表は 2027 年度入試の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 算数だけが「同じ種類の問題が同じ場所に出る」作りで、理科・社会・国語は枠は決まっているが中身を毎年組み直す作りです。科目ごとに過去問の使い方を変えたほうがよい学校です。
- 算数は精読した 3 年(2022・2023・2026)が 5 大問・小問 28〜29 で、大問 1 が□にあてはまる数を答える計算 10 問、大問 2 が計算 5〜6 問、大問 3 が一行題(数行で終わる短い文章題)5 問という並びから動いていません。50 分のうち前半 15〜16 問が計算処理です。
- 社会は大問 1 がその年の周年・話題を入口にした分野横断、大問 4 が公民、残りが歴史の通史 1 題と地理 1 題という配置が精読した 3 年で崩れていません。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1・大問 2 の計算 15〜16 問を、時間を計って解きます。15 分で抜けられるかどうかが 50 分の設計を決めます。
- 社会の通史を「農業の歴史」「税の歴史」のようにテーマで縦に切って言えるようにします。
- 理科の記述を「理由・方法・結果」の 3 点セットで 1〜2 文にまとめる練習をします。
今週やる 1 つ
- 算数の最後の大問(その場で示されたルールを読んで考える問題)を、精読した年のぶん通して解き、初見のルールを小さい数で試す手順が出てくるか確かめます。
注意
- 国語は 2018 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2011・2013・2017 年度のものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
転写=過去問の紙面を文字データに起こしたものです。以下、精読した年(設問文まで読んだ年)・構成だけ数えた年(大問の並びと単元だけを確認した年)・資料のある年(冊子が手元にある年)の 3 つを分けて書きます。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2022・2023・2026) | 2 年(2017・2018) | 7 年(2011・2013・2017・2018・2022・2023・2026) | 高。数式は転写されており、大問構成と題材の読み取りに支障はない |
| 理科 | 3 年(2022・2023・2026) | 4 年(2011・2013・2017・2018) | 同じ 7 年 | 高。図は文章による説明に置き換えられているので、図そのものの細部は分からない |
| 社会 | 3 年(2022・2023・2026) | 4 年(2011・2013・2017・2018) | 同じ 7 年 | 高。写真・グラフ・地図は文章による説明に置き換えられている |
| 国語 | 3 年(2011・2013・2017)。本文・設問文まで | なし | 3 年 | 高。ただし 2018 年度以降の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い) |
- 年度が連続していません。 2012・2014・2015・2016・2019・2020・2021・2024・2025 の問題冊子は資料にありません。そのため本文では「毎年」ではなく「精読した◯年で」「◯回」という数え方をしています。
- 入試回は冊子から特定できない年が多いです。 転写に回の表記が残っていたのは 2017 年度の国語(解答用紙に「第 1 回入学試験問題」)と 2022 年度の算数(「第 1 回入試問題」)だけで、他の年・科目には回の記載がありません。現在の募集要項では第 1 回・第 2 回・第 3 回に加えてグローバル入試・小学校長推薦入試・自己アピール入試があり、ここで書いているのは 4 科(または 2 科)の一般入試の問題と考えてください。
- 理科と社会は 1 冊にまとまっています。2022・2023・2026 の冊子はいずれも「理科・社会の合冊」で(表紙の記載を転写で確認)、現在の募集要項でも理科・社会は合わせて 50 分・各 50 点です。国語 50 分・100 点、算数 50 分・100 点です。
- 満点・設問別の配点は、どの科目・年度の転写にも印刷されていません。
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。資料のある冊子はすべて 2011 年度以降なので、表紙の校名は現在のものです。
5. 一番大きな結論
算数だけが「同じ場所に同じ種類の問題が来る」作りで、理科・社会・国語は「枠は決まっているが中身は毎年組み直す」作りです。 この差がこの学校のいちばん大きな特徴で、科目ごとに過去問の使い方を変えたほうがよいです。
算数は、精読した 3 年(2022・2023・2026)が 5 大問・小問 28〜29 で、大問 1 が□にあてはまる数を答える計算 10 問、大問 2 が計算 5〜6 問、大問 3 が一行題 5 問という並びから動いていません。つまり 50 分のうち前半 15〜16 問が計算処理で、ここを何分で抜けるかが答案全体の形を決めます。最後の大問(2022 は大問 4、2023・2026 は大問 5)にはその場で示されたルールを読んで考える問題が置かれ、これは精読した 3 年と構成だけ数えた 2 年(2017・2018・2022・2023・2026)のすべてで確認できました。同じ種類の問題が同じ場所に出るのであって、同じ問題が出るわけではありません(精読した 3 年に、数値まで一致する問題は 1 問もありませんでした)。
社会も枠は固まっています。2017 年度以降の 5 年(2017・2018・2022・2023・2026)はすべて 4 大問・24〜25 小問で、大問 1 がその年の周年・話題を入口にした分野横断、大問 4 が公民、残りが歴史の通史 1 題と地理 1 題という配置が精読した 3 年で崩れていません。ただし中の題材は毎年組み直されます。
理科は位置と分野の結びつきが弱く、精読した 3 年で同じ位置に同じ分野が来た例がありません。国語は大問 1 の漢字 10 問(設問文が 3 年とも同文)と、語句知識の大問、説明文・小説・詩歌の 3 本立てという構成が精読した 3 年で共通しています。
したがって過去問の使い方は、算数は「同じ座席(問題の置き場所)を縦に」・社会は「大問の役割ごとに縦に」・理科と国語は「年度通しで時間を計る」 の組み合わせになります。「出る問題を覚える」使い方はこの学校では効きにくいです。
6. この学校らしさが出る場所
- 地元の佐野市が理科の問題文に出ます。 2022 大問 1 問 3「資料イの 2 日目の佐野市の気温変化のグラフはどれか」、2026 大問 2 問 1「佐野市で 7 月のある晴れた日の正午ごろ…夕方の影の様子を描きなさい」。天気や太陽高度を、受験生がその日いる土地の話として問うています。
- 北関東の広がりを前提にしています。2022 社会の大問 1 は「皆さんが今受験している佐野日本大学中等教育学校の在校生の多くは、栃木県・群馬県・埼玉県・茨城県の 4 県…」と始まり、廃藩置県 150 年から 4 県の話に入ります。同じ大問の中に茨城県特産の野菜(レタス・ねぎ)の設問があります。
- 学校名を問題に混ぜる遊びがあります。2023 算数の大問 5 は、ひらがなを数字に直す表を使って「文字『さのにつほん』はいくつになりますか」と問います。
- 沖縄が繰り返し題材になります。社会で 2023 は大問 1 まるごと(沖縄返還 50 年)、2026 は大問 3 まるごと。那覇の雨温図、さんご礁の白化現象、さとうきび、琉球王国、首里城、エイサーと、同じ土地を別の角度から何度も扱っています。
- 会話文から入る大問が増えています。精読した 3 年で、理科は 2023・2026 に各 1 つ、社会は 2023 に 2 つ・2026 に 2 つ。「先生とさくらさんとひかるくん」「ゆうたと先生」「さくらとゆうた」のように、生徒どうしや先生とのやりとりの下線部に問いをぶら下げる作りです。
- 「あなたはどう考えるか」を書かせます。社会 2022「立法権・行政権・司法権のうち、あなたはどれがもっとも重要な権力であると考えるか」、社会 2023「三つの原則のなかから、自分の生活でもっとも関係が深いと思うものを 1 つ選び」、国語 2017「本文の内容をふまえ、自分の考えを百字以内で書きなさい」。正解が一つに決まらない問いを、科目をまたいで置いています。
- 理科は「実験のやり方そのもの」を問います。2022 の大問 3 は実験の注意点だけで 5 問(コートを着て実験してよいか、メスシリンダーの目盛りをどこで読むか、ろ紙をどう扱うか)、2026 の大問 4 は 4 問すべて「どうやって見分けるか、その結果はどうなるか」。知識より手順を書けるかを見ているように見えます。
- 算数の最後は「習っていない道具」を読ませます。 2 進法(2022)、暗号表(2023)、論理パズル(2026)、約束記号(2018)、ヨセフス問題に近いゲーム(2017)。塾のテキストの解法ではなく、その場で読んで小さく試す作業を求めています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に。
各項目の根拠(年度と設問文)は 8 節の科目別を参照してください。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 と大問 2 の計算 15〜16 問を時間を計って — 精読した 3 年で小問 28〜29 のうち 15〜16 問が計算・逆算(□にあてはまる数を求める計算)・単位・割合の基本処理です。ここを 15 分で抜けられるかどうかが 50 分の設計を決めます。分数と小数の混じった四則、逆算(□−3.14=1.96、10/□÷5/6=4/7)、比を最も簡単な整数の比に、割合(80 円の 125%)が繰り返し出ます。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 算数・くくり出しの計算 — 精読した 3 年と構成だけ数えた 2 年のすべてに「そのまま計算すると大変だが、分配法則や約分でまとめると軽くなる」式が 1〜2 問あります。2023「3.6 × 7.3 − 2.1 × 3.6 + 4.8 × 3.6」、2026「2 10/11 × 0.625 + 0.75 × 32/11」、2017「3.14 × 15 + 3.14 × 11 − 3.14 × 6」。式を見て手を止めて工夫を探す練習をしておきます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・一行題の網羅(大問 3) — 精読した 3 年で速さ・平均と中央値・過不足算・消去算・食塩水・つるかめ算(個数を合計から逆算する解き方)・売買損益・数の性質が入れ替わりで出ます。5 問しかない枠に何が入るかは読めないので、基本レベルの一行題を単元を落とさず一巡しておきます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数・その場のルールを読む問題(最後の大問) — 2 進法(2022)、ひらがなを数に直す表(2023)、5 人の発言から冊数を特定(2026)、約束記号(2018)、円になって抜けるゲーム(2017)。初見のルールを小さい数で試して規則を見つける手順を、資料のある 5 年ぶんで通しておきます。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・通史をテーマで縦に切る練習 — 大問 2 か大問 3 に、1 つのテーマで古代から現代までたどる問題が毎年 1 つあります。米づくり(2022)、国際交流と文化(2023)、農業(2026)。「農業の歴史」「税の歴史」「外国とのつきあいの歴史」をそれぞれ 7 つの時代で言えるようにしておくと、この枠がまるごと取れます。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会・雨温図とグラフの読み取り — 那覇の気温と降水量を選ぶ問題が 2023・2026 の両方にありました。ほかに輸入先の矢印図、輸出品の内訳グラフ、情報通信機器の普及グラフ、工業地帯の説明文の判別。グラフの形から地域や品目を言い当てる練習が直接効きます。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 理科・「理由・方法・結果」の記述と作図 — 記述は毎年 3〜4 問。「なぜか。簡単に答えなさい」(2023)、「理由も含め簡単に説明しなさい」(2026)、「どのように工夫して調べればよいか。結果もふくめて説明しなさい」(2023)。実験の手順を書くときは、何をするか+どうなるかまで書くことを手順として固めて練習します。作図は 2022 が電流計の針、2023 が 3 問(くきの断面の着色・針金の模様・溶解度のグラフ)、2026 が夕方の影で、解答用紙の図に描き込む形なので、フリーハンドで方向と長さを正しく描く練習が要ります。(確認: 〜2026 年度)/なお社会にも自分の考えを書く記述が 2022・2023 にありました(「あなたはどれがもっとも重要な権力であると考えるか」「三原則から 1 つ選び、どうしてそう思ったか」)。2026 には無かったものの、理由を 1 文で言い切る練習は理科・国語にも共通して効きます。(確認: 〜2023 年度)
- [毎日 10 分] 国語・語彙と慣用句の量、理由記述 — 精読した 3 年で語句知識の小問が 10〜20 問。使い方が正しいか○×(2011・2013)、語群から選んで形を直す(2017)、二字のくり返し語(2013)。「知っている」ではなく「正しい形で使える」水準まで持っていきます。記述は精読した 3 年で 6〜10 問、その大半が「なぜですか」です。字数指定は無いので、解答欄の大きさに合わせて 1〜2 文でまとめる練習を。指定語句つき(「生き方」「共感」「真剣」を使って)も出ます。(確認: 〜2017 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数
精読したのは 2022・2023・2026 年度の 3 年分(設問文まで全部)です。加えて 2017・2018 年度の 2 年分を単元の並びだけ数えました。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 計算 6 問 | □埋めの小問 6(最小公倍数・六角柱の辺の数・35%・単位・比・数列) | 図形と一行題 4(半円の周・虫食い算・二等辺三角形の角・砂糖水) | 展開図と体積・面積 3 | 速さ(修学旅行の班別研修・歩き→バス→タクシー→電車) | 規則性(円になって 1 人ずつ抜けるゲーム) |
| 2018 | 計算 4 問 | □埋めの小問 4(割合・数列・点対称・約数の個数) | 一行題 9(速さ・つるかめ算・分数・円・食塩水・角度・グラフ・仕事算・4 の累乗の一の位) | 約束記号 { , } 3 | 平均(テスト結果のグラフ) | — |
| 2022 | □埋め 10(逆数・比・分数小数の四則・逆算) | 計算 5(工夫の効く式) | 一行題 5(白黒の正方形の面積比・速さ・平均・反比例の判別・長方形の面積) | 規則性(○と×の 5 桁で 1〜31 を表す) | 立体(1 辺 2cm の立方体 16 個の直方体・最短経路・針の貫通) | — |
| 2023 | □埋め 10(逆数・比・分数小数の四則・逆算) | 計算 5(工夫の効く式) | 一行題 5(3 でも 4 でも割り切れない数・割合・売買損益・つるかめ算・水そうの排水) | 図形 5(面積比・展開図・正八角形の角・時計の面積・立体の体積) | 規則性(ひらがなを数字に直す表・「さのにつほん」を数にする) | — |
| 2026 | □埋め 10(四則・逆算・割合・台形の面積・約数) | □埋め 6(工夫の効く計算・単位換算・割合・速さ・円の面積) | 一行題 5(中央値・過不足算・消去算・食塩水の割合・速さとグラフ) | 図形 5(円の組合せ・平行四辺形と面積比・二等辺三角形の角・容器の水・展開図の体積) | 論理(A〜E 5 人が借りた本の冊数を発言から特定) | — |
座席の固定
- 2022・2023・2026 の 3 年は 5 大問・小問 28〜29 で、前半 2 題が計算・後半 3 題が文章題と図形と考える問題という並びが動いていません。 2017 は 6 大問 25 小問、2018 は 5 大問 23 小問で、計算が大問 1 の 4〜6 問だけだったので、計算の枠が 15〜16 問に広がったのは 2022 年以降に読み取れる形です。資料のある年が飛び飛びなので、いつ変わったかは特定できません。
- 位置ごとに見ると、精読した 3 年で 大問 1=□にあてはまる数を答える計算(10 問)、大問 2=計算(5〜6 問)、大問 3=一行題の詰め合わせ(5 問)が固定です。大問 4 と大問 5 は「図形の詰め合わせ」と「その場でルールを読む問題」が入れ替わります(2022 は 4 が規則性・5 が立体、2023・2026 は 4 が図形・5 が規則性/論理)。
- 同じ場所に同じ種類が来るだけで、同じ問題が出るわけではありません。精読した 3 年に、数値まで一致する問題は 1 問もありませんでした。近いのは問い方で、2022 大問 1 (1)「3 1/5 の逆数は □ です」と 2023 大問 1 (1)「2 3/5 の逆数は □ である」、2022 (2)「235 : 60 を最も簡単な整数の比に」と 2023 (2)「3/5 : 0.8 を最も簡単な整数の比に」が 2 年連続で同じ枠・同じ問い方でした(2026 はこの 2 枠が消えています)。
頻出単元と周期
- 計算が全体の 3 分の 1 以上です。 精読した 3 年で大問 1+大問 2 が 15 問(2022・2023)・16 問(2026)あり、小問 28〜29 のうち半分強が計算と逆算と単位・割合の基本処理です。
- 工夫の効く計算が毎年 1〜2 問あります。2022「(12345 × 81 + 54) ÷ 7」「1 − 1/2 + 1/4 − 1/8 + …」、2023「20.23 ÷ 2.023 × 202.3」「3.6 × 7.3 − 2.1 × 3.6 + 4.8 × 3.6」(分配法則でくくる)、2026「2 10/11 × 0.625 + 0.75 × 32/11」。2017・2018 にも「3.14 × 15 + 3.14 × 11 − 3.14 × 6」「6.42 × 7.34 + 7.34 × 3.58」があり、資料で確認できた 5 年すべてでくくり出しの計算が出ています。
- その年の年号を計算に混ぜるのが 4 年(2017「2016 は 0.1 を □ 個集めた数」、2018「20.18 × 0.15」「1 に 4 を 2018 回かけた数の一の位」、2023「20.23 ÷ 2.023 × 202.3」)。
- 平面図形は角度と面積比が中心です。二等辺三角形の角(2017・2023・2026)、円とおうぎ形の面積・周(2017・2023・2026)、面積比(2022・2023・2026)。
- 立体は展開図と体積です。展開図を組み立てる問題が 2017・2023・2026 の 3 回、立方体を積んだ形が 2022。
- 一行題の枠(大問 3)の中身は毎年入れ替わります。速さ 2022・2026、平均・中央値 2022・2026、食塩水(濃度・割合)2026(2017・2018 にもあり)、つるかめ算 2023、過不足算 2026、消去算 2026、売買損益 2023、数の性質 2023。ここは特定の単元を狙うより、幅を用意する枠と考えたほうがよいです。
問い方の特徴(この学校の作り)
- その場で与えられたルールを読み取って処理する問題が、資料で確認できた 5 年すべての終盤にあります。2017 大問 6(円になって 1 人ずつ抜けるゲーム)、2018 大問 4(新しい記号 { , } の定義)、2022 大問 4(○と×の 5 桁で 1〜31 を表す=2 進法)、2023 大問 5(ひらがな→数字の対応表)、2026 大問 5(5 人の発言から冊数を特定)。既習の解法ではなく、読んで手を動かして規則を見つける問題で、配点上も最後にまとまっています。
- 出題文に学校の名前を混ぜる遊びがあります(2023 大問 5 の (1)「文字『さのにつほん』はいくつになりますか」)。
- グラフを読む問題が 2018・2026 に 1 問ずつあります(時間と道のりのグラフから速さを読む)。
形式面の注意
- 図のある小問は全体の 2 割ほどです(大問 4 の図形と大問 5 に集中)。
- 現在の募集要項では算数 50 分・100 点。小問 28〜29 を 50 分なので、1 問あたり 1 分 40 秒前後という配分になります。
- 答え方・作図・円周率の指定については 10 節を参照してください。
8-2. 理科
精読したのは 2022・2023・2026 年度の 3 年分です。2022・2023・2026 はいずれも理科と社会が 1 冊にまとまった問題冊子で(表紙にその旨の記載を確認)、現在の募集要項でも理科と社会は合わせて 50 分・各 50 点です。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022 | 気象(日本付近の雲画像 4 枚を月に対応づける・佐野市の気温変化のグラフ・降水量) | 太陽(影の観察・光の直進・南中) | 実験器具と実験の注意点(○× 5 問) | 電磁石(コイルで電流計を作る・作図あり) | 種子の発芽と成長(ビニルポットの観察記録・指定語句つきの記述 3 問) |
| 2023 | 電磁石(方位磁針の向き・針金が描く模様の作図) | こん虫と川(かほさんとけんごさんの会話・カエルの成長・リトマス紙・川の断面・環境) | 植物のつくりとはたらき(ホウセンカ・くきの断面の作図・蒸散の実験計画) | 溶解度(食塩と焼きミョウバン・グラフ作図・濃度計算) | — |
| 2026 | メダカと遺伝(先生とさくら・ひかるの会話・メダカの発生順・A・B・O の記号で血液を決めるルール・光と影) | 地学の総合(佐野市の 7 月の影の作図・土の粒と水のしみこみ・月の見え方・侵食地形) | てこ(つり合いの規則性の説明・身の回りの道具の支点力点作用点) | 水溶液の判別(水・塩酸・アンモニア水・食塩水・炭酸水の見分け方 4 問) | — |
座席の固定
- 理科は算数と違い、位置と単元の結びつきが弱いです。 精読した 3 年で、大問の位置に同じ分野が来た例はありません(2022 は地学→地学→実験→物理→生物、2023 は物理→生物→生物→化学、2026 は生物→地学→物理→化学)。毎年組み直していると考えたほうがよいです。
- 固定に近いのは分野の一巡のしかたで、2023・2026 は最後の大問が化学です(溶解度・水溶液の判別)。2022 には化学の大問が無く、代わりに実験器具と実験の注意点だけの大問がありました。
- 大問数は 2022 が 5・2023 と 2026 が 4、小問は 22・17・17 です。
頻出単元と周期
資料のある年は 7 年(2011・2013・2017・2018・2022・2023・2026)で、うち精読したのは直近 3 年です。単元の出方は次のとおりです。
- 電磁石・磁石 — 2011・2013・2022・2023 の 4 回。精読した 2 年ではいずれもコイルと方位磁針・電流計で、作図が必ず付きます。
- 植物(種子の発芽・つくりとはたらき) — 2011・2013・2017・2022・2023 の 5 回。理科でいちばん出ている領域です。
- 水溶液・溶解度 — 2013・2017・2023・2026 の 4 回。2023 は溶解度のグラフ作図と濃度計算、2026 は 5 つの水溶液を見分ける手順を書かせる形です。
- 太陽・月 — 2022 と 2026 の 2 回(2022 は影の観察、2026 は影の作図+月の満ち欠け)。精読した 3 年のうち 2 年で天体が大問になっています。
- てこ・力のつり合い — 2026。資料のある範囲では 2026 のみで、しばらく空いていた領域が戻った形です。
- こん虫・動物の分類、生態系 — 2017・2023。
- 地層・岩石、気象 — 2013・2018(地層)、2011・2022(気象)。2018 を最後に地層・岩石が大問として出ていません(2026 に土の粒と水のしみこみとして小問で出ています)。
問い方の特徴(この学校の作り)
- 「簡単に説明しなさい」と指示する記述が毎年 3〜4 問あります(2022 は 4 問・小問の 18%、2023 は 4 問・24%、2026 は 3 問・18%)。長さの指定はどの年にも無く、1〜2 文で書く分量です。問い方は「それはなぜか。簡単に答えなさい」(2023 大問 1 問 1)、「理由も含め簡単に説明しなさい」(2026 大問 2 問 2)、「結果もふくめて説明しなさい」(2023 大問 3 問 2)で、理由・実験の手順・結果の 3 点をセットで書かせるのがこの学校の形です。
- 指定語句つきの記述が 2022 に 2 問あります(「[葉, くき, 実]」「[めしべ, おしべ, 花粉, 実]」の語を使って説明)。
- 実験そのものを設計・説明させます。「植物が主に葉から水分を出していることを確かめるには、実験をどのように工夫すればよいか。結果もふくめて説明しなさい」(2023)、「この 5 つの中から食塩水だけを見分ける方法と、その結果を答えなさい」(2026 大問 4 は 4 問すべてこの形)。知識を答えるだけでは埋まりません。
- 会話文から入る大問が 2023・2026 にあります(かほさんとけんごさんの自由研究、理科室の先生とさくら・ひかる)。会話の下線部に問いをぶら下げる作りです。
- 佐野市が問題文に出ます(→ 6 節)。作図の出方は 7 節と 10 節にまとめました。
形式面の注意
- 選択・短答(語句や数値を短く答える形式)・記述・作図が混ざります。精読した 3 年の内訳は 2022 が短答 50%・選択 27%・記述 18%・作図 5%、2023 が短答 41%・記述 24%・作図 18%・選択 12%・選択と記述の複合 6%、2026 が短答 53%・選択 24%・記述 18%・作図 6% です。
- 計算の桁指定が付きます(2023 大問 4 問 3「小数第 1 位を四捨五入して整数で答えなさい」)。
- 「すべて選びなさい」(2022 大問 1 問 4)、「2 つ選び」(2022 大問 4 問 3・2026 大問 3 問 2)、「正しい順番に並べかえなさい」(2023 大問 2 問 1・2026 大問 1 問 1)が混じります。
- 図のある小問が半分ほどです。理科と社会で 50 分なので、理科に使えるのは 25 分前後です。記述 3〜4 問と作図 1〜3 問をその中で書き切る配分になります。
8-3. 社会
精読したのは 2022・2023・2026 年度の 3 年分です。理科と合冊で、合わせて 50 分・各 50 点です。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2022 | 廃藩置県 150 年(栃木・群馬・埼玉・茨城の 4 県を入口に、家光の参勤交代→内閣総理大臣→火山災害→渋沢栄一→稲荷山古墳の鉄剣→茨城の野菜) | 資源・貿易・環境(原料の輸入先・製鉄所の立地・輸出品の移り変わり・貿易摩擦・情報通信機器の普及・四大公害病・SDGs) | 米づくりの歴史(稲作の伝来→吉野ヶ里→租庸調→ご恩と奉公→刀狩→農地改革→FAO) | 三権分立の図(国会・内閣・裁判所の関係・選挙・裁判所・「どの権力が最も重要か」) |
| 2023 | 沖縄返還 50 年(ひろしとゆきえの調べ学習・那覇の雨温図・さんごの白化・さとうきび・促成栽培・台風の進路・琉球王国・在日米軍) | 国際交流と文化の歴史(のぼりガマ→大宝律令→水墨画と雪舟→南蛮貿易→岩倉使節団→文明開化) | 日本の農水産業(地図・根釧台地の酪農・和歌山のみかん・有明海の養殖・大陸棚・宮崎平野・地産地消) | 法律と憲法(会話文・法律ができるまで・税・国連安保理・平和主義・三原則から 1 つ選んで理由) |
| 2026 | 大阪・関西万博(1970 年万博→阪神工業地帯→工業地帯の説明文の判別→百舌鳥古市古墳群→緒方洪庵の適塾→渋沢栄一→サンパウロと姉妹都市) | 農業の歴史(銅たく→租庸調→二毛作→秀吉の政策→年貢と五人組) | 沖縄(会話文・那覇の位置・さとうきび・さんご礁の白化・首里城・エイサー・那覇の雨温図) | キャッシュレスと情報(電子マネー・POS・AI・情報通信・メディアリテラシー) |
座席の固定
- 精読した 3 年はすべて 4 大問・25 小問です。 2017 年度以降の 5 年(2017・2018・2022・2023・2026)はいずれも 4 大問・24〜25 小問で、8 大問だったのは 2011・2013 です(この点の資料の食い違いは 13 節)。
- 大問 1 は「その年の周年・話題」を入口にした分野横断の大問です。2022 は廃藩置県 150 年、2023 は沖縄返還 50 年、2026 は大阪・関西万博。ここだけは地理・歴史・公民が混ざり、1 つの大問で時代も分野もまたぎます。精読した 3 年とも同じ作りです。
- 歴史を時代順に 1 問ずつたどる大問が毎年 1 つあります(2022 は大問 3 の米づくり史、2023 は大問 2 の国際交流史、2026 は大問 2 の農業史)。古代→奈良→鎌倉室町→安土桃山→江戸→近代→戦後の順に、テーマを 1 本決めて縦に切る形です。通史の流れを 1 本のテーマで説明できるかを毎年測っているように見えます。
- 最後の大問(大問 4)は公民です。三権分立(2022)、法律・税・憲法(2023)、電子マネーと情報社会(2026)。2023・2026 は会話文から入ります。
- 残りの 1 枠が地理です(2022 は資源・貿易、2023 は農水産業、2026 は沖縄)。
頻出単元と周期・年をまたいで戻ってくる題材
精読した 3 年の中だけで、同じ題材が別の年に別の形で戻ってくる例が複数あります(両年の設問文を突き合わせて確認したものです)。
- 沖縄 — 2023 は大問 1 まるごと、2026 は大問 3 まるごと。うち「那覇の気温と降水量のグラフをア〜エから選ぶ」は 2023 大問 1 問 1 と 2026 大問 3 問 7 の両方にあり、さんご礁の白化現象も 2023(記述で原因を説明)と 2026(現象名を答える)の両方にあります。さとうきびも両年にあります。
- 渋沢栄一 — 2022 大問 1 問 4(「渋沢栄一の時代に…官営工場をつくる取り組みを漢字 4 字で」=殖産興業)と 2026 大問 1 問 6(写真から人物を答えさせる)。
- 吉野ヶ里遺跡 — 2022 大問 3 問 2(遺跡名を答える)と 2026 大問 2 問 2(首のない人骨から当時の社会の様子を説明する記述)。
- 租・庸・調 — 2022 大問 3 問 3(「織物や地方の特産品を納める税を漢字 1 字で」)と 2026 大問 2 問 3。
- 分野別では、地理は農業・水産業と工業地帯・雨温図(2022 大問 2、2023 大問 3、2026 大問 1・3)、公民は三権分立と憲法(2022 大問 4、2023 大問 4)、近現代は明治の産業と戦後(2022・2023・2026 のすべて)です。
- 自動集計では 7 年通しての上位が地理の産業(19%)、古代〜中世(14%)、憲法・政治(12%)、近現代(12%)、地図・地形・気候(10%)で、特定の単元に偏らず満遍なく出る形です。
問い方の特徴(この学校の作り)
- 「あてはまらないものを 1 つ選び」で消去法を求める問いが毎年あります(2022 は 3 問、2023 は 1 問、2026 は 1 問)。選択肢は 4 つの説明文で、内容の正誤を 1 つずつ判定する必要があります。
- 写真・グラフ・地図・図を読む問題が 4 割です。 雨温図、輸入先の矢印図、輸出品の内訳グラフ、情報通信機器の普及グラフ、三権分立の図、日本地図、世界遺産の写真、銅たくの写真。
- 指定語句つきの記述が繰り返し出ます。2022「『1 年おき』『江戸』の語句を必ず用い、参勤交代を説明しなさい」「『領地』『手がら』を必ず用いてご恩と奉公を説明しなさい」、2023「『武力』と『戦争』を必ず使って平和主義を説明しなさい」。
- 自分の考えを書かせる記述が 2022 と 2023 の 2 年にありました。2022 大問 4 問 5「立法権・行政権・司法権のうち、あなたはどれがもっとも重要な権力であると考えるか。選んだ理由も簡単に説明しなさい」、2023 大問 4 問 6「三つの原則のなかから、自分の生活でもっとも関係が深いと思うものを 1 つ選び、どうしてそう思ったのか、その理由を簡単に説明しなさい」。2026 にはこの形が無く、記述は 1 問(吉野ヶ里の人骨)だけに減っています。
- 会話文から入る大問が 2023 に 2 つ(ひろしとゆきえ、ゆうととひかり)、2026 に 2 つ(ゆうたと先生、さくらとゆうた)あります。
形式面の注意
- 内訳は 2022 が選択 44%・短答 44%・記述 12%、2023 が短答 48%・選択 36%・記述 16%、2026 が短答 64%・選択 32%・記述 4% です。記述の数は年によって 1〜4 問と振れます。
- 字数指定と文字種の指定については 10 節を参照してください。
- 理科と合わせて 50 分なので、社会に使えるのは 25 分前後で 25 問です。1 問 1 分の計算になり、資料の読み取りが 4 割を占めることを考えると、知識で即答できる問題を素早く抜くことが前提の分量です。
8-4. 国語
国語は 2018 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2011・2013・2017 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。 精読した 3 年はいずれも設問文・本文まで揃っています。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2011(5 大問 41 小問) | 漢字(書き 5・読み 5)+否非不未無の熟語作り | 日本語として正しいか○×(10 問) | 説明文(石田雅彦『ロボットテクノロジーより日本を救え』・ヒューマノイド) | 小説(篠田勝夫『高志と孝一』・目の見えない由里と高志) | 俳句 5 句(季語・切れ字・表現技法) | — |
| 2013(6 大問 51 小問) | 漢字(書き 5・読み 5) | 慣用句・語句の使い方○×(10 問) | 同じ二字をくり返す言葉の穴埋め(10 問) | 説明文(岡田吉美『新植物をつくりだす』・栽培植物の改良) | 小説(梅田真理『夢色の風にふかれて』・かぜをひいたあゆみと女医) | 説明文+短歌(小島ゆかり『短歌入門』・オノマトペ) |
| 2017(6 大問 42 小問) | 漢字(書き 5・読み 5) | 漢字パズル(矢印の流れで熟語を作り、4 つの熟語で短文を作る) | 語群から語を選び形を直して入れる(10 問) | 説明文(富山和野『道は生きている』・道路と路面電車) | 小説(はらだみずき『サッカーボーイズ 14 歳』・部内の人間関係に悩むキャプテン) | 詩と文章(滝いく子『銀の糸』『愛するものへの家族の詩』・母と娘) |
出典は本文末尾の表記を原本で 1 つずつ確認しました。
座席の固定
- 大問 1 は 3 年とも漢字 10 問で、しかも設問文が同文です。 「次の各文の――部について、1〜5 のカタカナは漢字に直し、6〜10 は読み方をひらがなで書きなさい」が 2011・2013・2017 で一字一句そろっています(漢字そのものは毎年別です)。同じ問題ではなく、同じ枠が動いていないという意味です。
- 大問 1 の後に語句・知識の大問が 1〜2 題あります(2011 は 1 題、2013・2017 は 2 題)。慣用句・ことわざ・敬語・語の使い方が中心で、○×で答える形が 2011・2013 の 2 年に出ています。
- 読解は説明文 1 題+小説 1 題+韻文を含む 1 題の 3 本立てです。韻文は 2011 が俳句、2013 が短歌(オノマトペを論じた文章の中で扱う)、2017 が詩。精読した 3 年すべてで詩歌が 1 題あるのは、この学校の目立つ特徴です。
- 小問は 41〜51 問と多いです。50 分でこの数なので、知識の大問を素早く抜けることが前提の構成になっています。
頻出単元と問い方の特徴
- 漢字は書き取り 5・読み 5 です。2011 は「区画整理」「河川」「省く」「退ける」、2013 は「常識」「復興」「複雑」「逆らう」「要る」、2017 は「開幕」「複数」「宝物」「築く」「半ば」。送り仮名を含む書き取りが毎年 1〜2 問あります。
- 語句知識の比重が高いです。精読した 3 年で語彙・慣用句・ことわざの小問が 10〜20 問あり、小問全体の 3〜4 割を占めます。使い方の正誤(2011・2013)、語群から選んで活用形を直す(2017)、二字のくり返し語の穴埋め(2013)と形は変わりますが、「知っている言葉を正しい形で使えるか」を問う枠という点は共通しています。
- 記述は理由説明が中心です。2011 は 6 問・2013 は 10 問・2017 は 7 問で、うち大半が「なぜですか」「どうしてですか」に答える形です。字数の指定は無く、「わかりやすく説明しなさい」「本文中の言葉を使って説明しなさい」という指示が付きます。
- 指定語句つきの記述が 2011 に 3 問あります(「生き方」「共感」「真剣」という言葉を使って説明しなさい)。逆に使ってはいけない語を指定する形も 2017 にあります(「『お母さん』『あそび場』という言葉を使ってはいけません」)。指定語句を使わせる作りは理科・社会にも共通します。
- 自分の考えを 100 字以内で書く作文が 2017 大問 4 問五にあります(「本文の内容をふまえ、自分の考えを百字以内で書きなさい」)。3 年で 1 回だけですが、社会でも「あなたはどう考えるか」を書かせているので、意見を書かせる作りは科目をまたいで見られます。
- 抜き出しの字数指定については 10 節を参照してください。
- 空欄補充の接続語(「1 しかし 2 そして 3 …」から選ぶ)が精読した 3 年すべてにあります。
形式面の注意
- 形式の内訳は 2011 が短答 46%・選択 37%・記述 15%、2013 が短答 53%・選択 27%・記述 20%、2017 が短答 69%・記述 17%・選択 14% です。記号選択より、書いて答える問題のほうが多いです。
- 作図・図表の読み取りはありません。
- 現在の募集要項では国語 50 分・100 点。精読した年の小問 41〜51 問という分量は、1 問あたり 1 分強にあたります。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
資料のある年が飛び飛びなので周期は正確に出せません。「資料のある範囲でしばらく見えていない題材」として挙げます。
| 科目 | 題材 | 出題を確認した年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 理科 | 地層・岩石・化石 | 2013・2018 | 2018 年度 | 大問として確認できたのは 2018 が最後。2026 は土の粒と水のしみこみで小問になった |
| 理科 | 気象(雲・天気図) | 2011・2022 | 2022 年度 | 大問として確認できたのは 2022 が最後 |
| 理科 | 電気回路(豆電球・乾電池) | 2017・2018 | 2018 年度 | 電磁石は 2022・2023 に出ているが、回路そのものは資料のある範囲でしばらく空いている |
| 理科 | 熱と状態変化・燃焼 | 2011・2013・2017・2018 | 2018 年度 | 2018 以降の精読した 3 年に無い |
| 理科 | 人体・こん虫 | 2011(人体)・2017・2023(こん虫) | 2023 年度 | 人体は資料のある範囲で 2011 だけ |
| 算数 | 立体の体積・表面積を大問まるごと | 2017・2022 | 2022 年度 | 2023・2026 は図形の詰め合わせの中の 1 問に縮んでいる |
| 算数 | 速さを大問まるごと | 2017 | 2017 年度 | 2022 以降は一行題やグラフの 1 問として出ている |
| 算数 | 約束記号 | 2018 | 2018 年度 | ルールを読む問題の一種として戻る候補 |
| 社会 | 世界地理を独立した設問で | 2013・2017・2022 | 2022 年度 | 2023・2026 は姉妹都市・国連など話題の中の 1 問になっている |
| 社会 | 地方自治 | 2013 | 2013 年度 | 資料のある範囲で 2013 のみ |
| 社会 | 情報・メディア | 2013・2022・2026 | 2026 年度 | 2026 は大問まるごと。しばらくは公民の主要枠として続きそうに見える |
| 国語 | 俳句・短歌 | 2011(俳句)・2013(短歌) | 2013 年度 | 2017 は詩。詩歌の枠自体は 3 年とも維持されている |
10. 形式面の注意
- 記述に字数指定が付きません。 4 科目とも、精読した年に字数を指定した記述は 1 問もありませんでした(社会は「簡単に説明しなさい」、理科は「簡単に答えなさい」、国語は「わかりやすく説明しなさい」)。例外は国語 2017 大問 4 問五の「自分の考えを百字以内で書きなさい」だけです。解答欄の大きさが分量の指示になるので、過去問を解くときは解答用紙の枠を必ず確かめてください。
- 字数指定と文字種指定は別物です。 社会には「漢字 1 字で」「漢字 2 字で」「漢字 3 字で」「漢字 4 字で」「カタカナ 4 字で」「カタカナ 5 字で」という文字種の指定が精読した 3 年すべてにあります(2022 は 6 問)。国語では抜き出しにだけ字数指定が付きます(「十六字でぬき出しなさい」「二十九字でぬき出し、初めの五字を答えなさい」2011、「四字でぬき出しなさい」2013、「六字でぬき出しなさい」2017)。記述には字数指定が無く、抜き出しには付くという使い分けです。
- 指定語句つきの記述が科目をまたいで出ます。社会「『1 年おき』『江戸』の語句を必ず用い」「『領地』『手がら』の 2 つの語句を必ず用いること」「『武力』と『戦争』ということばを必ず使って」、理科「次の言葉を使って答えなさい[葉, くき, 実]」、国語「『生き方』という言葉を使って説明しなさい」。逆に使ってはいけない語を指定する形も国語 2017 にあります。
- 作図は理科だけです。精読した 3 年で理科に 1〜3 問(影・電流計の針・くきの断面・溶解度のグラフ・針金の模様)あり、解答用紙の図に描き込む形が多くなっています。算数は資料で確認できた 5 年で作図 0 問、社会は精読した 3 年で 0 問です。国語にも作図・図表の読み取りはありません。
- 算数は答えだけを書く形式です(精読した 3 年は全問で、記号選択も途中式の要求も 0 問)。ただし 2018 大問 3 (9) には「その理由も答えなさい」が 1 問あり、理由を書かせる出題が完全に無いとは言い切れません。
- 円周率の指定は転写では確認できませんでした(表紙・注意書きが転写対象外の年が多いためです)。円の面積・周の問題は毎年あり、半径 3cm の円の面積(2026 大問 2 (6))のような問題が出ているので、市販の過去問集で指定を確かめてください。
- 理科・社会は合わせて 50 分です。理科 17〜22 問、社会 25 問を合計 50 分で解きます。1 問あたり 1 分強で、しかも理科には記述 3〜4 問と作図があります。時間配分の練習は 2 科をつなげて行う必要があります。
11. 学年別ロードマップ
| 段 | やること | この学校ならではの理由 |
|---|---|---|
| 小 4(土台) | 分数・小数の四則と逆算を、速さより正確さ優先で。図形は角度と面積の基本。漢字は書きと読みを毎日。読書のあと「なぜそう思ったか」を 1 文で言う習慣 | 算数の半分が計算処理という構成なので、計算の土台がそのまま得点構造になる。時間計測はまだしなくてよい |
| 小 5(幅) | 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」。平日の 15 分は算数の一行題を単元順に一巡する(速さ → 割合 → 食塩水 → つるかめ算 → 過不足算 → 平均 → 数の性質。つるかめ算・過不足算は受験用教材の単元)。週末の 60 分は社会と理科に充て、社会は歴史を時代順に一度通し、地理は雨温図とグラフに慣れる。理科は実験の手順を「何をして・どうなったか」の 2 文で書く練習 | 算数の大問 3、社会の通史の大問、理科の記述は、いずれも特定の単元を狙い撃ちできない広い枠。ここを埋める作業は小 5 が本体になる |
| 小 6(仕上げ) | 上の「今からやるなら」8 項目。過去問は 算数だけ大問 1・2 を年度をまたいで縦に(資料のある年をすべて集めて計算だけ 5 年ぶん連続で解く)、理科・社会・国語は年度通しで時間を計る。理社は 2 科合わせて 50 分で通す。ただし国語は 2018 年度以降の資料が無いので、通し練習は市販の過去問集で行う(→ 13 節) | 算数は座席が固定なので縦の演習が効き、理科・社会・国語は毎年組み直されるので通し演習のほうが効く |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 5 の幅の作り方です。算数の一行題 5 問・社会の通史 1 題・理科の記述は、どれも「出る単元を絞れない」枠で、直前期に埋めるには広すぎます。逆に言えば、小 5 のうちに単元の抜けを作らなければ、小 6 では算数の計算速度と記述の書き方という手を動かす練習に時間を集中できます。過去問の年度が飛び飛びでしか手に入らない学校なので、「過去問を大量に回す」戦略は取りにくく、日々の教材で幅を作ってきたかどうかがそのまま出る構成になっています。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏・合格可能性はここでは扱いません。
- 明星中学校(東京都)— 算数・社会・理科の 3 科目とも近く、算数の小問数の多さと社会の資料読み取りの比率が似ています。
- サレジアン国際学園中学校(東京都)— 社会がとくに近く、会話文や資料から入る作りが共通しています。
- 鎌倉国際文理中学校(神奈川県)— 社会の構成が近く、算数はやや離れます。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- この学校の第 1 回には 2 科(国語・算数)で受けられる型があります。2 科で受けるつもりでも、併願先が 4 科目校の場合、理社は 2 科で受ける準備とは別に立てる必要があります。
- 近さは、科目ごとの出題構造(大問数・小問数・記述と記号選択の比率・図表の比率・同じ位置に出る単元・単元の分布)の距離による自動集計で、同じ問題が出るという意味ではありません。国語は資料が 2017 年度までしか無いため、この比較に国語は入っていません。国語の相性は上の 3 校からは何も言えません。
13. 資料の限界
- 年度が連続していません。 資料があるのは 2011・2013・2017・2018・2022・2023・2026 の 7 年で、間の 9 年分の冊子がありません。そのため「◯年連続」という言い方は原則として使わず、「精読した◯年で◯回」と書きました。周期の推定は特に弱いです。
- 入試回が特定できません。 転写に回の記載があったのは 2017 年度の国語と 2022 年度の算数だけで、いずれも第 1 回でした。他の年・科目については、どの回の冊子かを確認できていません。第 2 回・第 3 回や、グローバル入試・自己アピール入試の作文については、この資料からは何も分かりません。
- 国語は 2018 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。8-4 に書いたのは 2011・2013・2017 年度に限った話で、直近 8 年の国語の形式は市販の過去問集で確認してください。
- 表紙・注意書き・解答用紙が転写対象外の年が多いです。そのため試験時間の印字、円周率の指定、定規やコンパスの可否、配点は原本で確認できていません。試験時間と配点は現在の募集要項の数字を使いました。
- 図・写真・グラフは文章による説明に置き換えられています。図そのものの細かさ(縮尺・目盛りの刻み・写真の鮮明さ)は判断できません。
- 転写の読み落としの可能性があります。大問の切れ目の取り方や、小問番号の振り方が原本と食い違う場合があります。とくに小問を多く含む大問(算数の大問 1、国語の大問 1〜3)は、まとめ方によって小問数の数え方が変わりえます。
- 「毎年」「◯回」は原本の設問文で確認したものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
資料どうしの食い違い
- 自動集計には、実際の冊子と食い違う箇所がありました。(1)社会の「大問数が年で変わる」という集計は 2011・2013 の 8 大問と 2017 年度以降の 4 大問を並べたことによるもので、2017 年度以降の 5 年はすべて 4 大問・24〜25 小問です。(2)社会の「字数指定のある冊子が 4 割」という集計は、実際には「漢字 2 字で」などの文字種の指定を拾ったもので、精読した 3 年に字数指定の記述は 1 問もありません。(3)国語の「字数指定 0%」という集計も実際とは逆で、抜き出しには精読した 3 年すべてに字数指定があります。本文はいずれも原本の記載を優先して書きました。
- 1 節の表は 2027 年度入試の第 1 回について公表資料にある内容だけを載せています。4 節と 13 節に出てくる第 2 回・第 3 回・グローバル入試・小学校長推薦入試・自己アピール入試は、過去問を読んだ時点の募集要項の記載です。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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索引: 出題スタイル別 / 単元別 / 問い方別 / 同じ場所に同じ種類の問題 / 入試結果の公表状況 / 国語の出典 / 校風キーワード / 旧称 / 入試日程 ・ 共通: 過去問の使い方 / 用語集 / 資料の限界 / 方法論 / トップ