武蔵中学校 の過去問分析
武蔵中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
武蔵中学校 過去問分析(2010〜2026 年度・一般入試(年 1 回)・17 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都練馬区 |
| 男女 | 男子校 |
| 入試回と日程・科目 | 一般入試 2 月 1 日の年 1 回のみ — 4 科(国語・算数・社会・理科)。男子のみの募集です |
| 試験時間 | 国語 50 分・算数 50 分・社会 40 分・理科 40 分 |
| 配点 | 国語 100 点・算数 100 点・社会 60 点・理科 60 点 |
上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 武蔵は 4 科目とも書かせる学校です。形式は長く安定していて、中身は毎年作り直されます。
- 社会は「大問 1 つ・小問 8〜12・記述が 4〜8 問」が 17 年変わりません。国語は「長文 1 本+漢字」の 2 本立てで、読解の設問 6〜8 問のうち 5〜7 問が「なぜですか」「どういうことですか」の記述です。
- 理科の最終大問は「袋の中に…が入っています」で始まる実物観察で、精読した 4 年すべてこの形でした。算数は 4 大問・10〜12 問で、17 年間大問数が変わりません。
家でやること 3 つ
- 国語の記述を 2023〜2026 の 4 年分、年度をまたいで縦に解きます(「出来事+受け止め方」「言い換え+文脈」の 2 要素で書き、模範解答と照合します)。
- 社会の記述を年度をまたいで抜き出し、縦に解きます。「なぜ」は「背景+直接の理由」、「どのような」は「事実+影響」の 2 段で書きます。
- 理科の最終大問 4 年分の設定を家で再現し、「部品の名前・形・役割」を言葉にします。
今週やる 1 つ
- 2026 年度の国語の問一〜問五(全部「なぜですか」)を字数指定なしで書き、模範解答と要素を突き合わせて「入っていない要素」を洗います。
注意
- 設問文・図の説明まで精読したのは 4 科目とも 2023〜2026 の 4 年で、2010〜2022 の題材は転写データの単元分類によるものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 4 年(2023〜2026) | 13 年(2010〜2022) | 17 年(2010〜2026)・欠けている年なし | 大問 4 題は 17 年不変。設問文・図の説明まで読んだのは 2023〜2026 の 4 年、それ以前は転写データの単元分類で扱います。判読が不確かな年が 5 年あります |
| 理科 | 4 年(2023〜2026) | 13 年(2010〜2022) | 17 年(2010〜2026)・欠けている年なし | 2024 は判読がやや不確かです。最終大問の「袋の中の実物」は転写に含まれません |
| 社会 | 4 年(2023〜2026) | 13 年(2010〜2022) | 17 年(2010〜2026)・欠けている年なし | 導入文が長く(2,000 字超)、記述の解答欄が多いのが特徴です |
| 国語 | 4 年(2023〜2026) | 13 年(2009・2011〜2022) | 17 年(2009・2011〜2026)・2010 年度が欠落 | 本文は転写の中央値で約 6,500 字です |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試は年 1 回(2 月 1 日・男子・4 科)です。資料も 1 冊のみで、回の違いによる差はそもそもありません。
- 試験時間・配点は募集要項の記載で、国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 40 分 60 点・理科 40 分 60 点です(1 節)。
- 「毎年」「〜年連続」と書いた箇所は、該当年度の設問文を原本で読み直して確認したものです。設問文まで読んでいない 2010〜2022 については「転写データの分類では」と断り、単元名の粒度でだけ使っています。
- 判読の限界: 図・実物は転写できないため、算数の図形問題の細部と理科の最終大問(袋に入った実物を観察する問題)は設問文からの推定を含みます。
5. 一番大きな結論
武蔵は「4 科目とも書かせる」学校です。形式は長く安定し、中身は毎年作り直されます。
- 社会は「大問 1 つ・小問 8〜12・記述が 4〜8 問」が 17 年不変です(精読した 2023〜2026 では 8 問中 5、10 問中 4、10 問中 8、10 問中 6 が記述)。1 つの長い文章(働くこと・トラック運転手不足と江戸の物流・歌舞伎の歴史・都市の暮らし)に沿って古代〜現代を縦断し、末尾で現代の課題を書かせます。
- 国語は「長文 1 本+漢字」の 2 本立てで、読解の設問は 6〜8 問のうち 5〜7 問が「なぜですか」「どういうことですか」の記述です。記号選択は 1〜2 問だけです。漢字は 2024〜2026 で 3 年連続 8 問(カタカナ→漢字)でした。
- 理科は 3 大問(2010・2018・2024 は 4)・15 問前後で、記述が 4〜7 問(27〜47%)です。最終大問は「袋の中に…が入っています」で始まる実物観察(2023 開閉できる環状の道具、2024 くり出し式容器、2025 3 種類の葉、2026 キッチンペーパー)で、精読した 4 年すべてこの形でした。
- 算数は 4 大問・10〜12 問(2023 は 9、2024 は 14)で、17 年間大問数が変わりません。答えを書く形式ですが、「考えられるものをすべて求めなさい」「考えられる図を 2 つかきなさい」のように答えが一つでない問いが最後の大問に置かれます。単元は毎年入れ替わりますが、速さと平面図形の面積比は精読した 4 年すべてに入っていました。
したがって過去問の使い方は「出る問題を覚える」でも「時間の使い方だけを身につける」でもなく、答案の書き方を作る——「なぜですか」「どういうことですか」「どのような影響か」に対して、根拠と結論を字数指定なしで書き、模範解答と突き合わせる——使い方がいちばん近いといえます。社会・国語・理科の記述を年度をまたいで抜き出し、縦に解くのが効率的です。算数だけは単元の一巡(速さ・面積比・数の性質・場合の数)と「すべて求める」「例をかく」の答え方に慣れる演習になります。
科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 高い。大問 4(17 年不変)・小問 8〜14・50 分。大問 1 は「□にあてはまる数」の文章題 2〜3 問(2023〜2026 で確認) | 単元は毎年入れ替え。速さと平面図形の面積比は 4 年皆勤、数の性質・場合の数が続く | 速さ(複数人・周回・乗り継ぎ・信号)と面積比、そして「すべて求める」「例をかく」の答え方 |
| 理科 | 高い。3 大問・15 問前後・40 分。記述 27〜47%・選択 33〜60%(「すべて選び」が多い) | 大問 1・2 は導入文(会話文・時事)から理由を書く。大問 3 は袋の中の実物を観察して書く | 理由を 1〜2 文で書く練習と、実物観察の記述(形・構造・しくみ) |
| 社会 | 非常に高い。大問 1・小問 8〜12・40 分。記述 40〜80% | 毎年 1 テーマの長文(江戸時代を軸に古代〜現代)。図・絵図・グラフを根拠にした記述と「現代の課題」の記述 | 「なぜですか」を江戸〜近代の知識で書く練習と、資料を根拠に書く練習 |
| 国語 | 高い。長文 1 本+漢字 8 問・50 分。記述 31〜71%・選択 6〜12% | 物語・随筆・評論のいずれも「なぜ」「どういうこと」を本文の根拠から書く。大人語彙の漢字 | 記述の要素の拾い方(原因+気持ち/言い換え+文脈)と漢字 8 問 |
4 科目の競い方はほぼ同じで、「読んで理由を書く」試験です。算数だけが「調べて答えをすべて出す」試験になります。
6. この学校らしさが出る場所(過去問でしか掴めない題材の色)
- 理科: 袋に入った実物を配って観察させる最終大問。2023 は「一部分を開閉できる環状の道具」(ゲートを押し込むと戻る・軽く押しても開かないしくみを書く)、2024 は「くり出し式容器」(スティックのりの容器・回転軸を回すと台が上下するしくみを部品名を使って)、2025 は「3 種類の葉」(絵で表現するときにどの点に着目するか)、2026 は「3 つ折りのキッチンペーパー」(ミシン目に対する切れ方の特徴・ロールの軸とミシン目の向きの理由・2 枚重ねの引き剥がし)でした。転写データの分類でも最終大問が「器具の観察」「身近な科学」になる年が 2012〜2021 に 7 年あり、長く続く形と見られます。理科の学力というより「見て・触って・言葉にする」力を毎年同じ場所で測っています。
- 社会: 1 テーマの長文で古代から現代へ、必ず江戸を通ります。2023 都市の暮らし(三都・本所深川の上水・排泄物処理・徳富蘆花・永井荷風・人口集中)、2024 働くこと(動物の捕獲道具→江戸の身分→高度経済成長→性別格差→ワーク・ライフ・バランス)、2025 トラック運転手不足→江戸の物流(北条氏の江戸・番所・湊の絵・大名の米・牛車・常磐線・運輸労働者)、2026 歌舞伎(足利義満・出雲阿国・近松・芝居小屋の移転・地方の歌舞伎・演劇改良と外交・新派・動画配信)。転写データの分類でも江戸時代が 2018・2022・2023・2026、幕末明治が 2019・2021 の主軸で、17 年の単元分布は江戸時代が最多です。
- 国語: 「わたし」の内面を追う文章が続きます。2024 大正の北海道の師範附属小学校(転校生への嫉妬と敬意)、2025 動物園の類人猿舎を訪れた随筆(ゴリラの手・チンパンジーのつばき)、2026 植物状態の母の病室に通う小学五年生の物語、2023 「利他」と「利己」の評論(ケアの「統御」ではなく「沿うこと」)。ジャンルは物語・随筆・評論と揺れますが、設問はどれも「なぜ」「どういうこと」に集中します。
- 算数: 最後の大問は「調べ上げる」問題です。2023 キッカーとキーパーの割り振り表、2024 1〜A の整数の並びに点数をつけるルール、2025 1 cm 四方の板 A・B・C 枚で作る長方形の図を「2 つかきなさい」、2026 3 枚の正方形の紙を毎秒 1 cm と 0.8 cm で動かす。「小さい場合で実験→表に整理→列挙」の手順が共通で、大問 1 の□問題も計算ではなく文章題(食塩水・売買損益・仕事算・最大公約数が 1 の整数の個数)です。
- 自校ネタ: 2025 理科大問 2 は「武蔵くんと次郎くんが先生を交えて」の会話文です。2026 国語漢字 (8) は「大コウドウは昭和三年に建てられた」でした。
- 時事・身近な題材が理科の入口になります: 2024 西之島の噴火と富士山宝永噴火の火山灰分布、2026 気象レーダー観測とアルコール・食用油、2025 「ものが見えること」(オナガカンザシフウチョウの羽根が真っ黒に見える理由)、2023 すばる望遠鏡とクジラの音波。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に。過去問の記述を縦に解く演習は小 6 の夏以降が目安です。
各項目の先頭は所要時間の目安、末尾の(確認: 〜20XX 年度)はその施策の根拠を確認できている最後の年度です。項目ごとの根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。
- [週末 60 分] 国語・「なぜですか」「どういうことですか」の記述(確認: 〜2026 年度) — 2023〜2026 の読解設問 6〜8 問のうち記述が 5・5・5・7 問です。2026 は問一〜問五が全部「なぜですか」(例: 『父は嬉しそうにビールを呷り、祖母は満足げに頷いた』とあるが、なぜですか)、2025 は「どういうことですか」が 4 問でした。字数指定はありません。
- 記述 4 年分(22 問)を縦に解きます。「なぜ」は「出来事+受け止め方+から。」、「どういうこと」は「本文の語の言い換え+文脈+こと。」の 2 要素で書き、模範解答と要素を照合します。この 2 要素で書く型を先に固めるのが近道です。
- 「呼び方・言葉づかい」に線を引く読み方(「母」と呼ばない・「と思う」・「かなしい」)。
- 語句の意味(慣用句・比喩)を「本文中での意味」で選ぶ練習。
- 物語・随筆・評論を分け隔てなく 6,000 字級で読みます。評論は 2023 の「利他」のような抽象語の言い換えに慣れておきます。
- [毎日 10 分] 国語・漢字 8 問(確認: 〜2026 年度) — 2024〜2026 で 3 年連続 8 問(2023 は 5 問)。郷里・命脈・縦横・補給・純真・群がる・調停・老練(2024)/破竹・汽笛・画策・劇薬・裁量・暖冬・代謝・肥やす(2025)/梅林・辺り・賛否・育む・唱える・徒労・勤め先・講堂(2026)。大人語彙と訓読み書きが混ざります。書き専門で毎日、大人語彙の二字熟語と訓読み書き(送り仮名込み)を重点にします。
- [週末 60 分] 社会・「なぜですか」を歴史の知識で書く(確認: 〜2026 年度) — 2025 問 4『大名たちは米を、自領内の米市場ではなく、大坂や江戸で売却する必要がありました。それはなぜですか』、2026 問 4『江戸時代の歌舞伎で…同時に起きた事件やその人物をそのままのかたちで演じることをしなかったのはなぜですか』、2025 問 1『北条氏が江戸を拠点としたのはなぜですか』。江戸時代の政治・経済・文化を「なぜ」で説明できる形にします。
- 記述 4 年分(23 問)を縦に。「なぜ」は「背景+直接の理由」、「どのような」は「事実+影響」の 2 段で書きます。
- 江戸時代を厚く。三都・身分・参勤交代と大名の財政・五街道と水運(東廻り西廻り)・幕府の倹約政策・化政文化・歌舞伎と浄瑠璃。
- 幕末明治(不平等条約・条約改正・自由民権運動)と戦後(高度経済成長・消費生活の変化)は短答(語句や数値を短く答える形式)・記述の両方で。
- [週 1 回] 社会・資料を根拠に書く/現代の課題を書く(確認: 〜2026 年度) — 資料は 2025 問 3『絵の中の大きい船と小さい船の役割の違い』、問 5『図 4 を参考に、人力の荷車と比べた牛車の長所と短所』、2026 問 5『芝居小屋の移転先を示した図 1・図 2 から、この場所が選ばれた理由を幕府の政策と関連させて』、2024 問 5・問 6『グラフから残っている性別による格差』、2023 問 2『本所や深川で上水や井戸水が利用しにくかった理由を資料の図も見ながら』。「図から読めること+知識」の 2 段で書きます(絵図・地図・グラフから「読めること」を 1 文、知識で「理由」を 1 文)。
- 現代の課題は各年の末尾 1〜3 問。2026 問 9・10『娯楽の多様化が伝統演劇の継承に生じさせる問題』『動画配信の利点と課題の両面』、2025 問 8『運輸労働者が負担を受け入れているのはなぜだと思いますか』『幸福追求の視点から問題を指摘』、2024 問 7『ワーク・ライフ・バランス』、2023 問 7『人口集中による負担の事例を 1 つ考えて』。正解が一つでない問いに「事実→影響→評価」で答えます。労働・働き方・人口・伝統文化・情報通信を「利点と課題」の対で書く練習をしておきます。
- [週 1 回] 理科・理由を 1〜2 文で書く/グラフの作図と「すべて選び」(確認: 〜2026 年度) — 2024 大問 2 問 4『軽石と同じ物質でできている溶岩は水に沈むのに、軽石が水に浮くのはなぜですか』、2026 大問 1 問 2『食用油が(ランプの燃料に)適さない理由』、2026 大問 2 問 4(1)『雨粒はどうなったと考えられますか。2 つ書きなさい』、2023 大問 2『ドングリが豊作になると翌年のリスやネズミの数が増え…』。記述は 4 年で 7・7・4・7 問です。
- 記述 4 年分(2023〜2026 の 25 問)を縦に。「原因→結果」を 1〜2 文で、指定語句があれば必ず入れます。
- 「すべて選び」の選択は消去法で。「すべて正しい場合は○」の可能性も忘れないでください。
- グラフの作図は 2024(濃度の点を打つ・アルミニウムと塩酸の折れ線)、2026(アルコールの温度変化のグラフ)、2023(道具のゲートの状態)で練習できます。選択は「誤っているものをすべて選び」「すべて正しい場合は○」(2023)、「2 つ選び」(2025 大問 1 の 6 問)が定番です。
- 単元は広く浅く。気象・熱と状態変化・地層と火山・生態系・光を先に、電気・人体・てこ・天体は 1 年分ずつ復習します。
- [週末 60 分] 理科・最終大問「袋の中の実物」(確認: 〜2026 年度) — 2023 環状の道具(ゲートの開閉を真上から観察して図に描く+しくみの記述)、2024 くり出し式容器(部品の形と構造を「図をかかずに」言葉で説明)、2025 3 種類の葉(絵で表現するときの着眼点)、2026 キッチンペーパー(ミシン目と切れ方・2 枚重ねのくっつき方を図と文章で)。家にある道具を分解して「部品の名前・形・役割」を言葉にする練習が直接効きます。4 年分の設定(環状の道具・くり出し式容器・葉・キッチンペーパー)を家で再現してみてください。
- [週末 60 分] 算数・速さと平面図形の面積比(確認: 〜2026 年度) — 速さは 2024 大問 3(S 地点でつながる大小 2 つの円形コースを 3 人が回る・追いつき・出会い・「2 人以上が同時に S にいる時刻をすべて」)、2025 大問 2(家→A 駅→電車→B 駅→バスと自転車の乗り継ぎ・待ち時間)、2026 大問 2(青 35 秒・赤 40 秒の信号機 P・Q と 3 人の速さの表)。転写データの分類では 2010・2011・2014〜2017・2021・2022 にも速さの大問があり、17 年で 11 回です。「設定の図を自分で描く」ところから始め、周回コース(2024)・乗り継ぎ(2025)・信号(2026)の 3 題を通しで解きます。
- 面積比は 2023 大問 3(正方形 2 つの重なりの斜線部)、2024 大問 2(角 B が直角の四角形と延長線の交点 H)、2025 大問 3(AD:BC=2:5 の台形・面積 70 cm²・FG:GH と DH:HC)、2026 大問 1(2)(合同な二等辺三角形の重なり)と大問 4(12 cm の正方形の紙 3 枚の重なり・毎秒 1 cm と 0.8 cm で動かす)。精読した 4 年すべてに大問で入り、転写データの分類でも 17 年で 12 回です。この 4 年分を、補助線を引く手順ごと反復します。
- [週末 60 分] 算数・大問 1 の□問題と最後の大問の「すべて求めなさい」「例をかきなさい」(確認: 〜2026 年度) — 最後の大問は 2024 大問 4(1〜A の整数の並べ方に点数をつけるルール・A=6 で 2 点になる列の数)、2025 大問 4(1 cm 四方の板 A・B・C 枚で長方形を作る・「考えられる図を 2 つかきなさい」が 3 問=作図 25%)、2023 大問 4(キッカーとキーパーの割り振り表)、2026 大問 3(2)(4 種の果物を 1 個以上買って 5410 円・ももの最大個数と買い方)。「小さい場合で実験→表に整理→条件を満たすものを列挙」の手順です。4 年分(2023〜2026)を時間無制限で 1 度、次に 15 分で解きます。
- 大問 1 の□問題は文章題の逆算(□にあてはまる数を求める計算)で、食塩水・売買損益・仕事算・数の性質が入ります。ここは失点をゼロにしたい枠です。
- 転写データの分類で 2010〜2022 に出た単元(つるかめ算・和差算・規則性・立体切断・水量)は 1 題ずつ触れておきます。
8. 科目別の詳細
科目別の「今からやるなら」「しばらく出ていない単元」「形式面の注意」は 7 節・9 節・10 節にまとめました。この節はその根拠にあたる題材と数字を置く場所です。
8-1. 算数(50 分・100 点・4 大問・小問 8〜14)
年度×大問の題材表
2023〜2026 は設問文で確認しました。2010〜2022 は転写データの単元分類のみで、題材の一言は未確認です。
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026 | □問題: 売買損益(仕入れ値 5 割高・個数 3 割減)+合同な二等辺三角形の重なり | 速さ(信号機 P・Q 青 35 秒赤 40 秒・3 人の速さの表・時速 4.5 km の D さん) | 和差算→数の性質→場合の数(りんご 88 円・なし 66 円・みかんともも・5410 円) | 平面図形の移動(12 cm の正方形の紙 3 枚の重なり・毎秒 1 cm と 0.8 cm) | 12 |
| 2025 | □問題: 食塩水 2 問(3% と 5.5%・濃度が 1/2 倍)+200 枚のコインを倍数番目で裏返す | 速さ(家→A 駅→電車→B 駅→バス・自転車の乗り継ぎ・待ち時間) | 台形の面積比(AD:BC=2:5・70 cm²・FG:GH と DH:HC) | 推理・論理(1 cm 四方の板 A・B・C 枚で長方形・図を 2 つかく×3 問) | 12 |
| 2024 | □問題: 176 と最大公約数が 1 の整数の個数+3 台のポンプの仕事算 | 平面図形(角 B が直角の四角形・AE=FD=4 cm・延長線の交点 H) | 速さ(S 地点でつながる大小 2 つの円形コース・3 人・「2 人以上が S にいる時刻をすべて」) | 場合の数(1〜A の整数の列に点数をつけるルール・A=6 で 2 点) | 14 |
| 2023 | □問題: 2023=A×B×B の素因数と約数+6 人が松竹梅の部屋に 2 人ずつ | ニュートン算(野球場の窓口 10 か所・前売券 4・当日券 6) | 平面図形(正方形 2 つの重なり・CF=3 cm・斜線部の面積) | 規則性(キッカーとキーパーの割り振り表・練習が終わる条件) | 9 |
| 2022 | 数の性質 | 平面図形 | 場合の数 | 速さ | 10 |
| 2021 | 四則計算 | 速さ | 平面図形 | 立体の切断 | 10 |
| 2020 | 数の性質 | 平面図形 | 場合の数 | 資料の読み取り | 11 |
| 2019 | 数の性質 | 平面図形 | 図形の移動 | 場合の数 | 11 |
| 2018 | 食塩水 | 通過算 | 売買損益 | 数の性質 | 8 |
| 2017 | つるかめ算 | 平面図形 | 速さ | 数の性質 | 10 |
| 2016 | 数の性質 | 食塩水 | 速さ | 規則性 | 10 |
| 2015 | 速さ | つるかめ算 | 平面図形 | 数の性質 | 10 |
| 2014 | 和差算 | 速さ | 平面図形 | 数の性質 | 12 |
| 2013 | つるかめ算 | 円・おうぎ形 | 水量 | 数の性質 | 10 |
| 2012 | 割合 | 仕事算 | 平面図形 | 規則性 | 10 |
| 2011 | 数の性質 | 速さ | 規則性 | 円・おうぎ形 | 12 |
| 2010 | 数の性質 | 速さ | 水量 | 論理 | 9 |
頻出単元と周期(17 年・転写データの分類+2023〜2026 の原本)
| 単元グループ | 出現 | 傾向 |
|---|---|---|
| 平面図形の面積・面積比 | 12/17 | 2023〜2026 は 4 年連続で大問。直線図形の重なり・延長線・台形の比が中心。円・おうぎ形は 2011・2013 以来大問なし |
| 数の性質 | 12/17 | 大問 1 の□問題に入る年が多い(2023 素因数分解と約数、2024 最大公約数が 1 の整数、2025 倍数番目のコイン)。2010 年代は最後の大問に置かれた年が多い |
| 速さ | 11/17 | 2024〜2026 は 3 年連続。複数人・周回コース・乗り継ぎ・信号と「設定を読んで整理する」形 |
| 場合の数・論理・規則性 | 10/17 | 最後の大問の指定席。「すべて求める」「図を 2 つかく」で答えが複数 |
| 割合の文章題(食塩水・売買損益・仕事算・つるかめ算・和差算・ニュートン算) | 11/17 | 大問 1 の□問題または大問 2〜3 に 1 題。2024 仕事算・2025 食塩水・2026 売買損益と毎年入れ替わる |
| 水量・立体 | 3/17 | 2010・2013 の水量、2021 の切断。直近 5 年は平面図形のみ |
| 図形の移動 | 2/17 | 2019、2026 大問 4(3) |
問い方
- 大問 1 は「次の□にあてはまる数を書き入れなさい」の文章題 2〜3 問です(2023〜2026 で確認)。計算だけの問題はありません。
- 大問 2〜4 は各 2〜4 問の応用題で、(1) が設定の確認(「小コースは 1 周何 m」「PQ 間は何 m」)、(2) 以降が本体です。1 問で複数の答えを求めさせる形(「FG:GH と DH:HC をそれぞれ」「①〜③をそれぞれ」)が多くなっています。
- 最後の大問は「ルールを読む→小さい場合で実験→表に整理→条件を満たすものを列挙」です。「考えられるものをすべて」「図を 2 つかきなさい」と、答えの数が指定されます。
- 2023 大問 4 に「考え方や答はすべて…解答欄に書きなさい」の指示があります(10 節)。
8-2. 理科(40 分・60 点・3 大問・小問 11〜21・記述 27〜47%)
年度×大問の題材表
2023〜2026 は設問文で確認しました。2010〜2022 は転写データの単元分類のみです。
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 小問数/記述 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026 | 熱と状態変化/アルコールと食用油(共通点・ランプ燃料に不適な理由・実験装置の危険・温度変化のグラフ作図・微生物と食品・蒸留) | 気象/気象レーダー観測(雨粒の形・電波の反射・150 km 先高度 5 km のアンテナ角・雨粒はどうなったか・電波強度の画像が円になる理由) | 実物観察/袋の中の 3 つ折りキッチンペーパー(ミシン目と切れ方・ロールの軸との向き・2 枚重ねの引き剥がしを図と文章で) | — | 17/7 |
| 2025 | 2 択の小問集合/6 問(蒸発して固体が残る液・磁石が関わらない事柄・季節の事柄・メダカ・二酸化炭素・ホウ酸の溶解度計算) | 光/「ものが見えること」の会話文(武蔵くんと次郎くん・北極星と月・鏡・「向き」「反射」の記述・葉が使う光の色・雲が黒く見えるしくみ・オナガカンザシフウチョウの羽根) | 実物観察/袋の中の 3 種類の葉(絵で表現するときの着眼点) | — | 15/4 |
| 2024 | 地学/火山(噴火でできた地層の粒の写真・西之島の噴火) | 地学/富士山宝永噴火の火山灰分布(3 番目に多い地点・分布の特徴をすべて・軽石の穴・軽石が浮く理由・軽石が見つかったことから考えられること) | 化学/「とける」(氷・食塩・アルミニウム・蒸発後の違い・飽和食塩水・濃度の点を打つ作図・アルミと塩酸の折れ線作図・グラフの形の違い) | 実物観察/袋の中のくり出し式容器(部品の形と構造・回転軸を回すと台が上下するしくみ・図をかかずに) | 15/7 |
| 2023 | 光・音・天体/北極星の光・熱帯の海のプランクトン・クジラの音波・すばる望遠鏡・太陽と月の観測・「海は宇宙より観測が難しい」理由 | 生態系/ブナのドングリとツキノワグマ(樹木の同定・豊作数と捕獲頭数のグラフ・リスやネズミの貯食・豊凶の周期の理由) | 実物観察/袋の中の開閉できる環状の道具(ゲートの状態を真上から観察して図に・押し込むと戻るしくみ) | — | 16/7 |
| 2022 | 地層・岩石 | こん虫 | てこ・つり合い | — | 21 |
| 2021 | 熱と状態変化 | 生態系 | 器具の観察 | — | 19 |
| 2020 | 光 | 人体 | 電磁石 | — | 15 |
| 2019 | 植物 | 月 | 条件制御・実験 | — | 14 |
| 2018 | 水溶液 | 気体 | こん虫 | 器具の観察 | 11 |
| 2017 | 熱と状態変化 | 地層・岩石 | 器具の観察 | — | 12 |
| 2016 | てこ・つり合い | こん虫 | 星・星座 | — | 15 |
| 2015 | 金属と水溶液 | 気象 | 器具の観察 | — | 12 |
| 2014 | 動物の誕生 | 人体 | 水溶液 | — | 12 |
| 2013 | 星・星座 | 電気回路 | 身近な科学 | — | 13 |
| 2012 | 種子の発芽 | 燃焼 | 器具の観察 | — | 11 |
| 2011 | 気体 | 気象 | 電流 | — | 16 |
| 2010 | 熱と状態変化 | 生態系 | 気象 | 身近な科学 | 18 |
頻出単元と周期
- 分野は毎年入れ替わり、17 年の単元分布は気象・熱と状態変化・器具の観察・地層・生態系がそれぞれ 1 割未満で分散します(転写データの分類)。物理・化学・生物・地学を 1 題ずつ並べる学校ではなく、1 つの題材(火山・雨・見えること・とける)に複数分野を混ぜます。
- 熱と状態変化(2010・2017・2021・2024・2026)と気象(2010・2011・2015・2026)が比較的多くなっています。地層・火山は 2017・2022・2024。生態系は 2010・2021・2023。
- 最終大問の「袋の中の実物」は 2023〜2026 の 4 年で確認しました。転写データの分類でも最終大問が「器具の観察」「身近な科学」となる年が 2010・2012・2013・2015・2017・2018・2021 にあり、長く続く形と見られます(袋の中身は転写にありません)。
- 会話文の導入は 2025(武蔵くんと次郎くん・先生)。2026 は説明文、2024 は資料つき説明文でした。
- 前年〜数年前の出来事(2013 年の西之島噴火 2024、気象レーダー 2026)が導入に使われます。
問い方
- 大問 1・2 は「導入文+選択(すべて選び)2〜3 問+記述 2〜4 問+計算または作図 1 問」です。記述は「〜はなぜですか」「どうなったと考えられますか」「理由を書きなさい」「〜のしくみを説明する文を書きなさい」の形です。
- 記述の答えは 1〜2 文で、指定語句・「2 つ書きなさい」・「理由とともに」・「君の考えを書きなさい」の条件つきです。
- 選択は「誤っているものをすべて選び」「正しいものをすべて選び」「2 つ選び」で、○で囲む形式です。
- 計算は少なく(2023 クジラの音波の往復、2025 ホウ酸の溶解度、2026 アンテナの角度・蒸留、2024 飽和食塩水の食塩の重さ)、比例と割合で足ります。
- 最終大問は「取り出して観察→特徴を言葉に→しくみ・理由を説明」の 2〜3 問です。図で答える問と「図をかいてはいけません」の問が年で違います。
8-3. 社会(40 分・60 点・大問 1・小問 8〜12・記述 40〜80%)
年度×大問の題材表
| 年度 | テーマ(導入文) | 設問の流れ | 小問数/記述 |
|---|---|---|---|
| 2026 | 歌舞伎の歴史(自由な時間の過ごし方→能・かぶき踊り→江戸の歌舞伎→改良運動・新派→娯楽の多様化・動画配信) | 足利義満(短答)→近松門左衛門(選択)→民衆の娯楽としての特徴(記述)→同時代の事件を演じなかった理由(記述)→芝居小屋の移転先と幕府の政策(図 1・2・記述)→酒田市・中津川市の位置(選択)→演劇改良期の外交問題(記述)→新派と政治運動(短答)→娯楽の多様化と継承の問題(記述)→動画配信の利点と課題(記述) | 10/6 |
| 2025 | トラック運転手不足→働き方改革→江戸の物流の歴史→運輸労働者 | 北条氏が江戸を拠点とした理由(記述)→荷物を検査する番所の場所(図 2・短答)→絵の中の大小の船の役割(図 3・記述)→大名が米を大坂や江戸で売った理由(記述)→牛車の長所と短所(図 4・記述)→常磐線が運んだ産物(選択)→経営者にとって人間が機械より都合がよい点(記述)→情報端末と運輸労働者の負担(記述)→負担を受け入れる理由(記述)→幸福追求の視点からの問題(記述) | 10/8 |
| 2024 | 働くこと(憲法と労働→原始の道具→江戸の身分→工業化と女性労働→高度経済成長→性別格差→ワーク・ライフ・バランス) | 動物の捕獲道具(図 1・短答)→土器の用途(短答)→農民の身分(短答)→高度経済成長期に購入・消費された物(記述)→女性労働者の代表的産業と地図上の場所(短答 2)→グラフから残る性別格差(図 3・記述)→仕事と家事・育児の偏り(図 4・記述)→男性の取り組みをうながす仕組み(短答)→ワーク・ライフ・バランス(記述) | 10/4 |
| 2023 | 都市の暮らし(人が集まる都市→江戸の三都→本所深川の水→排泄物処理→明治の感染症→徳富蘆花→永井荷風→人口集中) | 三都(短答)→上水・井戸水が利用しにくかった理由(資料の図・記述)→感染症の呼び名(漢字 3 字)→排泄物処理の仕組み(記述)→大正の代替品(短答)→徳富蘆花の文章から都市周辺の農村(記述)→永井荷風の指摘と気候の変化(記述)→人口集中の負担の事例(記述) | 8/5 |
| 2022 | 江戸時代(転写データの分類) | — | 9 |
| 2021 | 幕末・明治維新 | — | 9 |
| 2020 | 環境問題 | — | 10 |
| 2019 | 幕末・明治維新 | — | 12 |
| 2018 | 江戸時代 | — | 10 |
| 2017 | 貿易・資源 | — | 9 |
| 2016 | 選挙制度 | — | 12 |
| 2015 | 原始・古代 | — | 9 |
| 2014 | 環境問題 | — | 11 |
| 2013 | 人権・多文化 | — | 10 |
| 2012 | 史料・資料の読解 | — | 10 |
| 2011 | 安土桃山 | — | 11 |
| 2010 | 貿易・資源 | — | 11 |
頻出テーマと周期
- 大問 1 つ・小問 8〜12 は 17 年不変です(転写データで大問数の年次のぶれがゼロ)。
- 江戸時代が軸です: 17 年の単元分布は江戸時代が最多(約 2 割)、次いで幕末明治・近代の戦争期・戦後。精読した 4 年はすべて江戸時代の設問を含みます(2023 三都と上水・排泄物、2024 農民の身分、2025 番所・大名の米・牛車、2026 歌舞伎・芝居小屋)。
- 末尾は現代の課題です: 2023 人口集中の負担、2024 ワーク・ライフ・バランス、2025 運輸労働者の幸福追求、2026 伝統演劇の継承と動画配信。4 年連続で「あなたはどう考えるか」に近い問いが最後に置かれています。
- 地理は歴史文の中にあります: 2024 女性労働者の産業と地図上の場所、2025 番所の位置と常磐線、2026 酒田市・中津川市(最上川下流・木曽川中流域)。地理だけの大問はありません。
- 資料: 絵図(2025 湊の絵・牛車)、地図(2025 図 2、2026 図 1・2・3)、グラフ(2024 図 3・4)、文章史料(2023 徳富蘆花・永井荷風)。有図の小問は転写ベースで約 3 割です。
問い方
- 「〜はなぜですか」(理由)、「〜はどのようなものですか/どのような特徴・問題・影響」(説明)、「図〜を参考に/見て」(資料)、「知っていることを 1 つあげなさい」(知識の列挙)、「利点と課題の両面から」「長所と短所」(対比)の 5 種です。
- 短答は人名・地名・身分・用語(足利義満・近松門左衛門・三都・伝染病)で、選択は 1〜2 問です。
- 導入文が長く、下線部や図の番号を追いながら読みます。設問は文章の順に並びます。
8-4. 国語(50 分・100 点・長文 1 本+漢字・小問 7〜16・記述 31〜71%)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問一(本文) | 読解の設問(記述/選択/短答) | 大問二(漢字) |
|---|---|---|---|
| 2026 | 物語(植物状態の母の病室に通う小学五年生の「わたし」・看護師の吉田さん・父と祖母) | 8 問(記述 7/選択 1/—)。問一〜問五が「なぜですか」、問六「気持ちの説明として最も適当でないもの」、問七「母は『わたし』にとってどのような存在ですか」 | 8 問(梅林・辺り・賛否・育む・唱える・徒労・勤め先・講堂) |
| 2025 | 随筆(動物園の類人猿舎・ゴリラの手・チンパンジーのつばき・飼育係の「と思う」) | 8 問(記述 5/選択 2/短答 1)。問一 語句の意味(たしなめられる ほか 3 語)、問二(1)「それ」とは何か(短答)、問三・四・六・七「どういうことですか」、問五「最も適当でないもの」 | 8 問(破竹・汽笛・画策・劇薬・裁量・暖冬・代謝・肥やす) |
| 2024 | 小説(大正の北海道・師範の附属小学校・転校生の桜田への嫉妬と敬意) | 6 問(記述 5/選択 1/—)。問一「どのようなものですか」、問二・三「なぜですか」、問四 語句の意味(兜を脱いだ ほか 3 語)、問五・六「どういうことですか」 | 8 問(郷里・命脈・縦横・補給・純真・群がる・調停・老練) |
| 2023 | 評論(「利他」と「利己」・贈り物の「毒」・ケアは「統御」ではなく「沿うこと」) | 6 問(記述 5/—/短答 1)。問一 空欄①〜⑤に「利他」「利己」、問二〜六「どういうことですか」「筆者の考える答えを説明しなさい」 | 読解の最後に 5 問(順延・風紀・辞さない・拝む・郵送) |
| 2022 | (転写データの分類: 記述が主・漢字あり) | 14 問 | 大問二あり |
| 2021 | 同上 | 12 問 | 大問二あり |
| 2020 | 同上 | 8 問 | 読解内 |
| 2019 | 同上 | 8 問 | 読解内 |
| 2018 | 同上 | 9 問 | 読解内 |
| 2011〜2017 | 同上(各年 7〜8 問) | 7〜8 問 | 読解内 |
| 2009 | 同上 | 8 問 | 読解内 |
2010 は資料がありません。2021・2022・2024〜2026 は漢字が大問二に独立し、それ以外の年は読解の最後に含まれます(転写データの大問数で確認)。数え方が変わっただけで、問い方は同じです。
頻出と周期
- 17 年ぶれない要素: 長文 1 本、設問は「なぜですか」「どういうことですか」の記述が主、漢字の書き取り。転写データの分類でも読解設問の主軸は 17 年すべて「内容説明」か「理由説明」の記述です。
- ジャンルは物語(2024・2026)・随筆(2025)・評論(2023)と揺れます。「わたし」の一人称が 2024〜2026 の 3 年連続でした。
- 記述は年 5〜7 問です。「なぜですか」が 2026 に 6 問、「どういうことですか」が 2025 に 4 問・2023 に 4 問と、年により比重が振れます。
- 選択は「最も適当でないものを一つ」(2025・2026)と語句の意味(2024・2025)です。「最も適当なもの」を選ぶ形は精読した 4 年にはありません。
- 漢字は 8 問(2024〜2026)で書き専門です。二字熟語 5〜6+訓読み書き 2〜3(群がる・肥やす・育む・唱える・勤め)。
問い方
- 「『……』とあるが、それはなぜですか」「『……』とあるが、どういうことですか」の 2 種で読解の 8 割です。字数指定はなく、解答欄の枠で分量が決まります。
- 「『わたし』がこの『女性』を『母』と呼ばないのはなぜですか」「ゴリラの手を『私』が『かなしい』と感じる理由として最も適当でないもの」のように、登場人物の言葉づかい・呼び方に着目させる問いが目立ちます。
- 心情は「なぜ」に組み込まれます(「父がこのように言ったのはなぜですか」)。心情語を書くだけでなく、そこに至る出来事を前半に置きます。
- 語句の意味は「本文中での意味」を問います(兜を脱いだ=感心した、など)。慣用句の辞書的意味+文脈で判断します。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
武蔵は「同じ座席(問題の置き場所)に同じ単元」の学校ではないので、この節は「しばらく見ていないが過去に大問で出た単元」の意味で挙げます。年は転写データの単元分類によるもので、設問文で確認したのは 2023〜2026 です。最終確認年度は、その単元を大問または小問で確認できている最後の年度です。
| 科目 | 単元 | 出題年(転写データの分類) | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 円・おうぎ形の求積 | 2011・2013 | 2013 | 大問としては 13 年なし。2023〜2026 の面積比は直線図形のみ |
| 算数 | 水量・容器 | 2010・2013 | 2013 | 13 年なし |
| 算数 | 立体の切断 | 2021 | 2021 | 5 年なし。2023〜2026 は平面図形だけ |
| 算数 | 通過算 | 2018 | 2018 | 8 年なし。速さの大問は 2024〜2026 とも「複数人・コース・信号」の形 |
| 算数 | 資料・グラフの読み取り | 2020 | 2020 | 6 年なし |
| 算数 | ニュートン算 | 2023 | 2023 | 2023 大問 2(野球場の窓口 10 か所)以来 3 年なし |
| 理科 | 電気回路・電磁石 | 2011・2013・2020 | 2025(小問) | 2020 以降は大問なし。2025 大問 1(2)「磁石が関わっていない事柄」の小問だけ |
| 理科 | 人体 | 2014・2020 | 2020 | 6 年なし |
| 理科 | てこ・つり合い | 2016・2022 | 2022 | 4 年なし。2023 大問 3 のばね(道具のゲート)は近い |
| 理科 | 月・星座 | 2013・2016・2019 | 2025(小問) | 大問としては 7 年なし。2025 大問 2 問 1・2(北極星・月の見え方)に小問で |
| 理科 | こん虫 | 2016・2018・2022(8 節の題材表による) | 2022 | 2022 以降なし |
| 社会 | 選挙・人権・多文化 | 2013・2016 | 2016 | 大問テーマとしては 10 年なし。2024 は労働と性別格差、2025 は働き方改革が公民の入口 |
| 社会 | 環境問題 | 2014・2020 | 2023(小問) | 2023 問 6(永井荷風と気候の変化・都市の問題)に小問で |
| 社会 | 原始・古代を主軸に | 2015 | 2024(小問) | 2024 問 1(動物の捕獲道具・土器)で冒頭に戻った例あり |
| 社会 | 貿易・資源 | 2010・2017 | 2017 | 大問テーマとしては 2017 以降なし |
| 国語 | 評論 | 2023 | 2023 | 2023 が最後。2024〜2026 は物語・随筆 |
| 国語 | 空欄補充 | 2023 | 2023 | 2023 問一(空欄①〜⑤に「利他」「利己」)が最後 |
| 国語 | 読解の最後に漢字が入る形 | 2023 まで | 2023 | 2024〜2026 は漢字が大問二に独立 |
- 算数のこれらの単元は、いずれも「読めば解ける」水準は保たれています。
- 社会のテーマは毎年新作なので、江戸を軸にしつつ公民(労働・人権・地方自治・環境)の知識を短く説明できる形で持っておくのが安全です。
10. 形式面の注意
- 算数(50 分・100 点): 転写では全問「答えを書く」形式で数えていますが、2023 大問 4 の導入に「考え方や答はすべて…解答欄に書きなさい」の指示があり、考え方を書く欄があります。解答用紙の実物で確認したいところです。作図(「考えられる図を 2 つかきなさい」)は 2025 大問 4 の 3 問。「それぞれ求めなさい」「①〜③をそれぞれ求めなさい」(2026 大問 2(2))と 1 問で複数を答えさせる形が多く、「考えられるものをすべて求めなさい」(2024 大問 3(4))は答えの個数も採点対象になると考えて漏れなく書きます。転写では短答 91%、選択は 2023 大問 4(2)(I) の 1 問だけでした。図のある小問は転写ベースで約半分で、図の説明文(「角 B は直角」「S 地点で接している」)から自分で図を描き直せることが前提です。円周率の指示は 2023〜2026 の設問文には出てきません(円が出ていないためです)。
- 理科(40 分・60 点): 記述は年 4〜7 問・字数指定なし・1〜2 文。指定語句つき(2025 大問 2 問 4「向き」「反射」の 2 語を使って)、「2 つ書きなさい」(2026 大問 2 問 4(1))、「理由とともに」(2025 問 5)、「3 人の話をふまえて、君の考えを書きなさい」(2025 問 8)があります。「図をかいてはいけません」(2024 大問 4)と「図をかいても構いません」(2026 大問 2 問 4(3))が混在するので指示を読みます。選択は「すべて選び、記号を○で囲みなさい」が基本で、「すべて正しい場合は解答欄に○を書きなさい」(2023)もあります。作図はグラフに点を打つ・折れ線をかく・観察した形をかく形式です。内訳は記述 27〜47%・選択 33〜60%・作図 1〜2 問・短答 1〜2 問(精読した 4 年)。40 分で 15〜17 問なので、記述 7 問の年は 1 問 3 分の配分になり、選択と短答を先に片付けて記述に時間を残します。最終大問は袋の中の実物を「取り出して観察」するので、実物を触る時間を含めて配分します。「ていねいに取り出して」「ゆっくりと 2 枚を引き剥がし」の指示どおりに扱ってください。
- 社会(40 分・60 点): 記述は年 4〜8 問、字数指定は原則なしで、解答欄の大きさ(行数)が分量の指示になります。短答は「漢字 3 字で」(2023 問 3)などの文字数指定つき。選択は 1〜2 問(2025 問 6 常磐線が運んだ産物、2026 問 2 近松門左衛門、問 6 酒田市・中津川市の位置)。「利点と課題の両面から」「長所と短所」「大きい船/小さい船」のように 2 要素を対で書かせる設問が毎年あり、両方書かないと形になりません。導入文が 2,000 字超で、読み終える前に設問に取りかかると根拠を落とします。40 分で 10 問前後・記述 4〜8 問なので、導入文を 5 分で読み、記述 1 問 3〜4 分の配分です。
- 国語(50 分・100 点): 記述に字数指定はありません。読解の選択は 1〜2 問で「最も適当でないものを一つ選び」(2025 問五・2026 問六)と語句の意味(2024 問四・2025 問一: 「兜を脱いだ」「たしなめられる」など二重傍線 A〜C の 3 語)。「最も適当でないもの」なので消去法の向きが逆になり、読み違えに注意します。漢字は大問二に独立して 8 問(2024〜2026)で、2023 までは読解の最後に 5 問でした。漢字 8 問は大人語彙(命脈・画策・裁量・調停・老練)で、書き専門で読みは出ません(精読した 4 年)。本文は 6,000 字級 1 本なので、50 分のうち本文に 15 分・記述 1 問 4〜5 分の配分になります。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | 何をするか | 武蔵向けに効く「入口」 |
|---|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本。時間計測はまだしない | ①分数・小数の四則を正確に(大問 1 の□問題は文章題なので、逆算(□にあてはまる数を求める計算)の考え方も)。②三角形・台形の面積と「高さが同じなら面積比=底辺比」の入口。③物語を読んで「なぜ?」を口で 2 文説明する習慣。④身の回りの道具(のり・容器・ペーパー・栞)を分解して部品の名前と役割を言葉にする遊び。⑤漢字は書き取り中心に。 |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終える。この学校の年度×大問の題材表(8 節)を「小 5 で一巡する単元リスト」として使う。週の枠は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にする | 算数は平日枠で速さ(旅人算・周回・通過・乗り継ぎ)→面積比(相似・台形・重なり)→数の性質(約数・倍数・素因数)→場合の数(並べ方・条件付き)の順に進め、週末枠で食塩水・売買損益・仕事算・和差算・ニュートン算の文章題を一巡(つるかめ算(個数を合計から逆算)・ニュートン算(増えながら減る量の計算)・面積図は受験用教材の単元です)。社会は江戸時代を厚く(三都・身分・大名と米・五街道と水運・幕府の政策・化政文化)、そこから幕末明治・戦後へ。理由を 2〜3 文で書く習慣をつける。理科は 4 分野の知識に加え、実験・観察の結果から「なぜそうなるか」を 1 文で言う練習。国語は 6,000 字級の物語・随筆・評論を最後まで読み、記述を 40〜80 字で書き始める。 |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の「今からやるなら」8 項目。夏以降に過去問を「同じ座席(問題の置き場所)を縦に」(社会の記述・国語の記述・理科の最終大問)と「年度通しで時間を計る」(算数)の両方で | 社会は 1 年分 10 問を 40 分で書き切る練習を 5 年分以上。国語は 1 本 50 分で記述 5〜7 問を書き、模範解答と突き合わせて「入っていない要素」を洗う。理科は記述 4〜7 問+作図に 40 分の配分。算数は 4 大問を 50 分で通し、最後の大問の「すべて」「例をかく」に時間を残す。 |
ただし、設問文まで精読できているのは 4 科目とも 2023〜2026 の 4 年で、2010〜2022 の単元は転写データの分類によるものです(→ 13 節)。小 5 の単元リストとして使うときはその粒度で読んでください。国語は 2010 年度の資料がありません。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか: 小 5 の後半から小 6 にかけての「理由を書く量」で差がつきます。4 科目のうち 3 科目が「読んで理由を書く」試験なので、小 5 のうちに社会・理科・国語で短い理由記述を日常化し、小 6 で過去問の記述を年度横断で書き切る時間を残せるかが本体です。算数は速さ・面積比・場合の数の 3 群を小 5 で一巡しておけば、小 6 は「最後の大問を実験で崩す」練習に集中できます。理科は知識の暗記より、小 4 から「道具や現象を言葉で説明する」習慣を作る方が、最終大問の実物観察に直結します。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できる学校)
観点は勉強が転用できるかだけです(同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効きます)。男女別学・共学の区別、入試日程の重なり、難易度・偏差値帯、通学圏は扱いません。近さは科目ごとの「大問数・小問数・記述/選択比率・図表比率・同じ位置の単元の一致・設問文の使い回し」の距離と単元分布の類似を合成した 0〜100 の値で、同じ問題が出るという意味ではありません。
上位 3 校は次のとおりです。
- 麻布中学校(東京都・男子校) 近さ 79 — 社会 86・国語 85・算数 83 と 3 科目が近く、社会(1 大問・記述 6〜8 割・長い導入文)が近い唯一の候補です。「なぜ」記述の練習がそのまま転用できます。理科 63 はやや離れます(麻布は 4 大問・選択が半分)。
- 暁星中学校(東京都・男子校) 近さ 68 — 算数 83・国語 78 が近く、理科 68。社会 44 は遠く、武蔵の 1 大問長文記述とは別物です。
- 駒場東邦中学校(東京都・男子校) 近さ 66 — 算数 85 が最も近い候補です(速さ・面積比・場合の数の応用題)。国語 66・社会 58・理科 55。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
読み方: 武蔵の社会(1 大問・記述 6〜8 割)に近い候補は麻布だけで、他校とは社会の勉強はほぼ別建てになります。国語(長文 1 本の記述)は開成・麻布・暁星・筑駒と近く、記述の要素の拾い方が二重に効きます。算数(4 大問の応用題・速さ・面積比・場合の数)は駒場東邦・筑駒・麻布・暁星と近くなっています。理科(記述 3〜4 割+実物観察)はどの候補も 70 未満で、最終大問の実物観察は武蔵だけの練習になります。
13. 資料の限界
- 入試は年 1 回で資料も 1 冊です。回の違いによる傾向差はそもそも無いのですが、この分析は転写できた 1 冊に基づいています。
- 設問文・図の説明まで読んだのは 4 科目とも 2023〜2026 の 4 年です。2010〜2022 の題材表と 9 節の年は転写データの単元分類によるもので、細部が違う可能性があります。「毎年」「〜年連続」は 2023〜2026 の原本で確認した範囲に限っています。
- 国語は 2010 が欠落しています。理科 2024 は判読がやや不確かで、算数は 2010・2013・2014・2015・2021 が判読の不確かな年です。
- 図・写真・実物は文字情報に置き換えているため、算数の図形問題の細部、理科の最終大問(袋の中の実物)、社会の絵図・地図の読み取りは設問文からの推定を含みます。理科の袋の中身は転写に無く、導入文の説明から題材を書いています。
- 算数の「考え方を書く欄」の有無は 2023 大問 4 の指示文で見ただけで、解答用紙の実物は未確認です。
- 「同じ問題の使い回し」は原本で確認できた範囲では見つかっていません。「〜のように見える」「〜と見られる」と書いた箇所は題材からの推測で、出題意図を裏づける資料はありません。
- 併願候補の近さは自動集計による値で、同じ問題が出ることを意味しません。難易度・日程・通学圏は含まれていません。
資料側の食い違い
- 「復活警戒」の一覧表(9 節)には当初、理科の「こん虫」と社会の「貿易・資源」が入っておらず、科目別の記述にはこの 2 つが挙がっていました。9 節の表にはこの 2 つを入れ、出題年は 8 節の題材表から取りました。国語の 3 項目(評論・空欄補充・読解の最後に漢字が入る形)も、同じ理由で 9 節の表に移しています。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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