東京都市大学付属中学校 の過去問分析
東京都市大学付属中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
東京都市大学付属中学校 過去問分析(2009〜2026 年度・入試回は 1 種類ぶんの資料・最大 18 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都世田谷区 |
| 男女 | 男子校 |
| 旧称 | 正和中学校(1947〜1956)、武蔵工業大学付属中学校(1956〜2009) |
| 入試回と日程・科目 | 全 6 回あります。第 1 回 2 月 1 日午前(4 科)/第 2 回 2 月 1 日午後(「国語または理科」の選択+算数の 2 科目)/第 3 回 2 月 3 日午前(4 科)/第 4 回 2 月 5 日午前(4 科)/グローバル入試 2 月 3 日午前(国算英・募集は若干名)/帰国生入試 1 月 6 日午前(A 方式は国算英の 3 科、B 方式は国算 2 科または 4 科の選択) |
| 試験時間・配点 | 第 1 回・第 3 回・第 4 回は国語 50 分 100 点・算数 50 分 100 点・社会 40 分 75 点・理科 40 分 75 点。第 2 回は選択科目 50 分・算数 50 分の各 100 点。グローバル入試は各 50 分で国語 50 点・算数 100 点・英語 100 点(国語は 100 点を 1/2 倍して 50 点とします)。帰国生入試は各 45 分・各 100 点 |
| 第 2 回の科目の選び方 | 国語で受けるか理科で受けるかを出願時に選び、当日の変更もできます。合否は算国 200 点満点または算理 200 点満点で判定します |
| 合否判定の点数(英語・帰国生) | 帰国生入試の A 方式は 3 教科 250 点満点または国算 200 点満点(国語は 1/2 倍)、B 方式は 4 教科 300 点満点または国算 200 点満点で判定します |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
※ 系列校の東京都市大学等々力中学校とは別の学校です。このページは東京都市大学付属中学校の入試問題だけを扱っています。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校は「同じ種類の問題が、毎年同じ場所に出る」学校です。同じ問題が出るという意味ではなく、大問の並びと役割が決まっていて、そこに入る題材が毎年入れ替わる、という意味です。
- 算数は 5 大問・18 小問という枠が、転写のある 17 年すべてで動いていません。理科は大問 1 が生物・大問 2 が地学・大問 3 が化学・大問 4 が物理、社会は大問 1 が地理・大問 2 が歴史・大問 3 が公民と前年の出来事です。
- 社会は 40 分で 35〜41 問、理科は 40 分で 26〜32 問あり、1 問あたり 1 分前後で処理し続ける必要があります。算数の 50 分 18 問だけがゆっくり考えられます。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1(8 問)を 25 分以内で全部取る練習をします。18 問中 8 問がここに集まっていて、問 1・問 2 は計算と逆算(□にあてはまる数を求める計算)です。
- 社会の歴史カードを「正誤の組合せ」と「古い順に並べて 3 番目を選ぶ」で潰します。この 2 形式が毎年複数問あります。
- 理科の 4 分野を均等にやります。分野の席(問題の置き場所)が決まっているので、苦手分野をつくると 25% がそのまま落ちます。
今週やる 1 つ
- 社会を 40 分で通しで解き、1 問 1 分を超えたら飛ばす感覚を確かめます。2026 は 40 分で 41 問でした。
注意
- 国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2021 年度までのものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 資料の無い年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2024・2025・2026) | 14 年 | 17 年(2009〜2026) | 2013 | 図のある小問が 47% あり、図そのものは転写できないため、図の説明文からの読み取りを含みます。転写の読み取り確度が低めの年が 17 年中 11 年(2024・2026 を含む) |
| 理科 | 3 年(2024・2025・2026) | 13 年 | 16 年(2009〜2026) | 2010・2011 | 設問文が長く(1 年あたり約 3,000 字)、図のある小問が 56%。精読した 3 年のうち 2026 は転写の確度が高いです |
| 社会 | 3 年(2024・2025・2026) | 15 年 | 18 年(2009〜2026) | なし | 設問文が 1 年あたり約 4,300 字と 4 科目で最も多いです。精読した 3 年はいずれも転写の確度が高く、選択肢の文言まで読めます |
| 国語 | 3 年(2015・2016・2021) | 2 年(2010・2014) | 5 年(2010・2014・2015・2016・2021) | 2011〜2013・2017〜2020、および 2022 年度以降 | 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたことは 2010〜2021 年度に限った話です |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回について: 2027 年度の募集要項では第 1 回(2 月 1 日午前・60 名)・第 2 回(2 月 1 日午後・90 名)・第 3 回(2 月 3 日午前・30 名)・第 4 回(2 月 5 日午前・30 名)に加え、グローバル入試(2 月 3 日)と帰国生入試(1 月 6 日)があります(科目と配点は 1 節)。一方この分析に使った転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、どの回のものかを区別できません。時期的に第 1 回に相当すると考えられますが、第 2 回以降の問題がここに書いたとおりとは限りません。過去問集を買うときは、回ごとの収録範囲を確認してください。
- 「毎年」「〜年連続」は、原本の設問文で 3 年以上の反復を確認したものに限って書きました。それ以前の年(2009〜2023)については、転写データの単元分類(大問ごとの主要単元)を数えたものだけを「転写の分類では」と断って書いています。
- 満点・設問別の配点は問題冊子には印刷されていません(精読した年で確認しました)。科目の配点は募集要項によるものです。
5. 一番大きな結論
この学校は「同じ種類の問題が、毎年同じ場所に出る」学校です。同じ問題が出るという意味ではありません。大問の並びと役割が決まっていて、そこに入る題材が毎年入れ替わる、という意味です。
- 算数は 5 大問・18 小問という枠が、転写のある 17 年すべてで動いていません。大問数の増減も小問数の増減もゼロです。精読した 3 年(2024〜2026)では内訳も同じで、大問 1 が 8 問の小問集合、大問 2〜5 が 2〜3 問ずつです。50 分で 18 問という配分が、そのまま毎年使えます。
- 理科は大問 1 が生物、大問 2 が地学、大問 3 が化学、大問 4 が物理です。精読した 3 年はこの並びで、転写の分類でも大問 4 に物理が 2013〜2026 の 14 年、大問 3 に化学が 2015〜2026 の 12 年続いています。
- 社会は大問 1 が地理、大問 2 が歴史、大問 3 が公民と前年の出来事で、これが転写のある 18 年でほぼ動きません。しかも大問 2 は「◯◯さんが歴史の出来事や人物をカードにまとめました」という導入が 3 年連続で同じ言い回しです(変わるのは生徒の名前とカードの枚数だけです)。
- 国語も、精読した 3 年では大問 1 が説明的文章・大問 2 が文学的文章で、大問 1 の問 1 が漢字の書き取り 4 問という並びが動きません。詩や短歌・俳句を扱う大問が必ず一題入ります。
- そして社会には、3 年続けて同じことを聞いている設問があります。「慶應義塾を創設した人物を漢字で答えなさい」が 2024・2025・2026 の大問 2 に、「下線部の西暦年は何世紀ですか」も同じく 3 年連続で出ています。
したがって過去問の使い方は、①「同じ場所を縦に解く」(算数の大問 1 だけを 3 年分、理科の大問 3 だけを 3 年分、社会の大問 2 だけを 3 年分…)と、②「時間の使い方を身につける」の二つに近くなります。とくに②は軽視できません。社会は 40 分で 35〜41 問、理科は 40 分で 26〜32 問あり、1 問あたり 1 分前後で処理し続ける必要があります。算数の 50 分 18 問だけがゆっくり考えられる科目です。
一方で「毎年変わるもの」もはっきりしています。算数の大問 2〜5 に入る単元、理科の各分野の中の単元、社会の地理と歴史の切り口、国語の文章のテーマは年ごとに入れ替わります。ここは幅を持って準備します。
6. この学校らしさが出る場所
- 「トシオ君」が科目をまたいで登場します。2024 の理科は大問 1・大問 2・大問 4 に「トシオ君」が出てきて、2026 の理科の大問 2 も「トシオくん」の会話文です。2024 の社会の大問 3 も「としおさんが社会科の夏休みの宿題で『新聞を読んで考える』という問題を作成しました」で始まります。学校名にちなんだ名前に見えます。
- 自校の授業を題材にします。2024 の理科の大問 1 は、学校名を挙げて「週に 1 時間、理科の実験授業があります。中学 1 年生は生物分野の実験です」と述べる導入から、オオカナダモのプレパラート作りとけんび鏡の操作に入ります。入学後の理科の時間を、そのまま問題にしているように見えます。
- 社会の歴史は毎年「生徒がカードにまとめた」という設定です(2024 宙さん、2025 和道さん、2026 みきのさん)。2026 の公民は「慶くんと太くん」の会話文です。生徒が調べて話すという枠組みが繰り返されます。
- 慶應義塾(福沢諭吉)が 3 年連続で答えになります。2024・2025・2026 の大問 2 の終盤に、それぞれ違う文脈(伊藤博文の時代、江戸の学問、適塾の出身者)から同じ人物を漢字で書かせています。
- 理科が小学校の範囲から半歩出ます。箔検電器と静電気(2024)、電熱線の抵抗と Ω(2025)、酸化と還元・記録タイマー(2026)。いずれもリード文で説明を与えたうえで問う作りで、「読んで考えれば届く」設計に見えます。
- 地理は資料の束で押してきます。2026 の大問 1 は食料自給率の表 1 本から 10 問(作況指数・ミニマムアクセス・令和の米騒動・高温に強い品種・養殖量・飼料自給率)。2025 は新幹線・農作物・信濃川の流量・自動車工業と、一つの地域や産業を掘る作りです。
- 国語に韻文が必ず入ります。詩(2015・2016・2021)、短歌・俳句(2021)。表現技法や歌集の名前まで問う学校は多くないので、ここは準備の的が絞れます。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・漢字語彙)を先に。同じ場所を縦に解く演習は小 6 の夏以降が目安です。
根拠は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。
- [毎日 10 分] 算数の大問 1(8 問)を 25 分以内で全部取る。18 問中 8 問がここに集まっていて、しかも問 1・問 2 は計算と逆算です。分数と小数が混ざった大かっこ入りの逆算を、3 年分続けて解きます。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 社会の処理速度をつくる。40 分で 41 問(2026)を通しで解き、1 問 1 分を超えたら飛ばす感覚を身につけます。ここは知識より段取りで差がつきます。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会の歴史カードを「正誤の組合せ」で潰す。「文 a〜c の正誤の組合せを 1〜8 から選ぶ」と「古い順に並べて 3 番目を選ぶ」が毎年複数問あります。時代ごとに政治・文化・外交を 1 行で言えるところまで。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 前年 1 年間の出来事を制度の名前に翻訳する。社会の大問 3 は前年の出来事が入口ですが、問われるのは制度と仕組み(選挙制度・三権分立・日本銀行・違憲審査権)です。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科の 4 分野を均等に。分野の席が決まっているので、苦手分野をつくると 25% がそのまま落ちます。とくに化学の量的関係で、金属を加熱して重さを比べる問題が 2024(マグネシウム)と 2026(銅)にあり、扱う実験と問いの流れが同じです。溶解度・再結晶(2025)と合わせて 3 年分やります。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数の面積比と場合の数。面積比は「最も簡単な整数の比で答えなさい」という問い方で 3 年とも大問に入ります(2026 は 2 か所)。平行四辺形・長方形・三角形を線分比で切る練習を。場合の数はコイン・サイコロ・カード・色ぬりと題材は変わりますが、ルールを読んで樹形図で数える点は同じで、3 年とも大問 4 か大問 5 にあります。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 国語の記号選択と韻文。記述がないぶん、長い選択肢を本文と突き合わせて 1 つに絞る作業が得点そのものです。説明的文章と文学的文章を 1 本ずつ、時間を計って。詩・短歌・俳句は表現技法、連の構成、季語と季節、詩の形式の名称を押さえます。短期間で仕上がるわりに、精読した 3 年すべてに出ています。(確認: 〜2021 年度)
- [毎日 10 分] 答え方の指定に慣れる。社会は「漢字 3 字」「カタカナ 4 字」「算用数字で」、理科は「漢字 2 文字で」「すべて選び」、国語は「◯字以内でぬき出し」。指定を読み落とすだけで失点します。(確認: 〜2026 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(50 分・100 点)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本の設問文で確認)
| 年度 | 大問 1(8 問の小問集合) | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 逆算 単位換算(km・mm・m・cm) 比の変化(A 君 B 君の所持金 5:2→7:4) 速さ(3 人が同じ方向へ進む追いつき) 数表の列(104 は何列目) 循環小数(43/135 の小数第 30 位まで) 長方形 3 つの面積比 回転体 |
平面図形(平行四辺形 ABCD の分割と面積比・3 問) | つるかめ算(たこ焼きの箱 A 8 個入り・箱 B 16 個入りの売上)+消去算 | 立体(円柱の水を円すいへ移す・棒を入れる) | 場合の数(コインを交互に投げ 2 回連続で表が出たら終了・得点ゲーム) |
| 2025 | 逆算 単位換算(m³・L・dL・cm³) 還元算(本のページ数・3 日で読む) 速さ(1.75 倍速と 1.25 倍速の動画) 数の性質(ノート・消しゴム・えんぴつを同数ずつ配る) つるかめ算(80 円・50 円・30 円の菓子) 円とおうぎ形(三角形+半円の斜線部) 円すいの展開図に斜線をかく(作図) |
平面図形(三角形 ABP・BCP・CAP の面積 5・4・3 から面積比・2 問) | 割合と比(お好み焼き A・B の肉とキャベツ)+売買損益 | 立体(正六角形 4+正三角形 3 を組み立てる/正方形 3+正三角形 4 の容器の容積・3 問) | 場合の数(1〜8 のカードとサイコロ 3 回・整数になる目の出方・3 問) |
| 2026 | 四則計算 逆算 和差算・分配算(菓子 200 個を 3 人で) 流水算(A 地点 B 地点 12km) つるかめ算(5 円・10 円・50 円玉 36 枚) 平面図形(正三角形から 3 つ切り取った六角形) 立体(大きい立体から小さい立体を 4 個くり抜く) 推理・論理(カード 5 枚の勝負を 5 回・説明つき) |
食塩水の濃度(容器 A・B・C を混ぜる・2 問) | 平面図形(長方形 ABCD の分割と面積比・3 問) | 場合の数(同心円の色ぬり・赤がとなり合わない・3 問)+円とおうぎ形の面積 | 平面図形(合同な直角三角形の重なり)+回転体の体積 |
5 大問 18 小問という枠が動かない
- 転写のある 2009〜2026 の 17 年すべてで、大問 5・小問 18 です。年による増減がまったくありません。原本を精読した 2024・2025・2026 の 3 年では、内訳も大問 1 が 8 問、残りの大問 2〜5 が 2 問または 3 問ずつで揃っています。50 分で 18 問なので、1 問あたり 2 分半強という配分がそのまま毎年使えます。
- 大問 1 は 8 問の小問集合で、問 1・問 2 が計算と逆算です。これは 3 年とも同じです。2025・2026 は導入文まで「次の □ に当てはまる数を答えなさい。また、問 8 の解答をかきなさい。」と同じ言い回しです。
- 大問 1 の問 8 だけが「答えを書かせる」枠になっています(2025 は円すいの展開図に斜線をかく作図、2026 はカードゲームの勝ち方を説明する)。2 年続いていますが、2024 の大問 1 は 8 問とも数値を答える形でした(2024 はかわりに大問 5 問 2 が「ある・ない を○で囲み、ある場合は例を、ない場合は理由を答えなさい」)。「1 年に 1 問だけ、答えの数値以外を書かせる小問がある」という点では 3 年とも共通です。
- 大問 2〜5 は「一つの設定を 2〜3 問で掘る」作りです。設定を読み違えると 2〜3 問まとめて落ちるので、大問 1 で稼いで大問 2 以降に時間を残す配分になります。
頻出単元と周期
原本で確認した 3 年(2024〜2026)では次のとおりです。
- 平面図形の面積比が 3 年とも独立した大問にあります(2024 大問 2・2025 大問 2・2026 大問 3 と大問 5)。いずれも「面積の比を最も簡単な整数の比で答えなさい」という問い方で、補助線と相似・底辺比で解きます。2026 は大問 3・大問 5 の 2 か所に入りました。
- 場合の数が 3 年とも大問 4 か大問 5 にあります(2024 大問 5・2025 大問 5・2026 大問 4)。いずれも「ルールを読んで数え上げる」作りで、単純な順列組合せの公式では終わりません。
- つるかめ算(個数を合計から逆算)が 3 年連続です(2024 大問 3・2025 大問 1 問 6・2026 大問 1 問 5)。3 種類のものが混ざる形が 2 回(2025・2026)あります。つるかめ算と比の変化算(比が変わる前後から数を求める)は、大問 1 と大問 3 のどちらにも入ります。
- 立体は 2024 大問 4・2025 大問 4・2026 大問 1 問 7 です。円柱と円すいの体積比(2024)、展開図から組み立てる(2025)、くり抜き(2026)と、いずれも「立体を頭の中で操作する」問題です。
- 単位換算が大問 1 に 2 年連続で入りました(2024 は km・mm・m・cm、2025 は m³・L・dL・cm³)。2026 は入っていません。
- 転写データの単元分類では、17 年の集計で 割合・文章題 26%/平面図形 22%/立体図形 17%/場合の数 10%/速さ 10% となります。細かく見ると 平面図形の面積・面積比 13%、割合と比 9%、立体図形の体積・表面積 9%、場合の数 8%、速さ 7% で、この 5 つで半分を占めます。
8-2. 理科(40 分・75 点)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本の設問文で確認)
| 年度 | 大問 1(生物) | 大問 2(地学) | 大問 3(化学) | 大問 4(物理) |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | オオカナダモのプレパラートとけんび鏡の操作(倍率・視野の動かし方・葉の断面図)7 問 | 太陽系の惑星の模型(金星・火星の見え方、冬至の南中高度、下線部 6 か所の正誤)11 問 | マグネシウムの加熱と酸化(表から比例・銅との混合物 6.5g)6 問 | 静電気と箔検電器(棒と木綿の布・箔の開閉)7 問 |
| 2025 | 炭素の循環と食物連鎖(生産者・消費者・分解者、ケイソウの増減)6 問 | 円板 2 枚の見え方から日食の原理へ(皆既日食の観測地点)6 問 | 水溶液の判別と溶解度・再結晶(ホウ酸・食塩・硝酸カリウム)7 問 | 電熱線の長さと電流・電圧(電流計・電圧計のつなぎ方、直列と並列)7 問 |
| 2026 | 人体(消化管と消化酵素、うでの筋肉、血管 1〜14 をたどる循環)10 問 | 火山とマグマ(会話文。溶岩の色とねばりけ、結晶の形、地熱発電、火砕流)9 問 | 銅粉の加熱(未反応の銅の量、マグネシウム混入、酸化と還元)7 問 | 記録タイマーと台車の運動(打点の間かく、力と速さの変化)6 問 |
分野の席が動かない
- 大問 1 が生物、大問 2 が地学、大問 3 が化学、大問 4 が物理です。精読した 3 年(2024・2025・2026)はこの並びで揃っています。転写データの分類でも、大問 4 に物理が 2013〜2026 の 14 年、大問 3 に化学が 2015〜2026 の 12 年続きます。同じ問題が出るという意味ではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出るということです。
- 枠は 4 大問で、転写のある 16 年すべて 4 大問です。小問は 2024 が 31 問、2025 が 26 問、2026 が 32 問と年により動きます(16 年平均 25.4 問)。40 分で 26〜32 問なので、1 問あたり 1 分強です。ここは算数より速い処理が要ります。
- 大問ごとの小問数は年によって偏ります(2026 は生物 10・地学 9・化学 7・物理 6)。分野ごとの重みが毎年同じとは限りません。
記述はなく、選ばせ方が細かい
- 3 年とも、文章で説明させる設問はゼロです。選択と短答(語句や数値を短く答える形式。数値・語句・記号)だけです。転写のある 16 年でも記述は確認できませんでした。そのぶん選択肢の作りが細かくなっています。
- 決まった言い回しは「最も適当なものを次の 1〜◯ から一つ選び、番号で答えなさい」です。選択肢が 6 個・8 個と多い年があります(2025 大問 3 は 8 択が 5 問続きます)。
- 「すべて選び、番号で答えなさい」が 3 年ともあります(2025 大問 1 問 3、2026 大問 3 問 5 ほか)。部分点を取りにくい形です。
- 下線部の正誤を一つずつ ○×で答えさせる形があります(2024 大問 2 問 2 は下線部 1〜6 の 6 か所)。
- 語句の組み合わせを選ぶ形があります(2026 大問 2 の「B 〜 D に入る語句の組み合わせ」「E 〜 G に入る語句の組み合わせ」)。一つでも取り違えると全体が外れます。
- 短答は「漢字 2 文字で」(2025 大問 1 問 2 の生産者・消費者・分解者)、「カタカナで」(2026 大問 2 問 1)のような文字種指定つきが混じります。
小学校の範囲の外側に半歩出る
3 年とも、小学校の教科書ではあまり見ない語や装置が、リード文で説明を与えられたうえで出ています。
- 2024: 箔検電器と静電気(+と−の電気の移動)、「原子」という粒の考え方(大問 3 問 4)。
- 2025: 電熱線の抵抗と Ω、電圧計・電流計のつなぎ方(大問 4)。
- 2026: 酸化と還元(大問 3 問 6・問 7)、記録タイマーと打点の間かくから速さの変化を読む(大問 4)。
初見の装置・用語でも、リード文と図から条件を読み取って考えれば手が届く作りに見えます。知識の量より「読んで考える」姿勢を求めているように見えます。
頻出単元と周期
- 化学は「金属を加熱して重さを比べる」計算が 2024 と 2026 の 2 回あります。2024 はマグネシウム(混合物 6.5g が 10g に)、2026 は銅(混合物 10.0g が 15.5g に)で、扱う実験と問いの流れが同じです(表から比例をつかむ → 未反応分を出す → 混合物の内訳を出す)。同じ問題ではありませんが、片方を解いておくともう片方の見通しが立ちます。
- 化学のもう一つの柱が溶解度・再結晶です(2025 大問 3)。転写の分類では 2019・2023・2025 と 2 年おきに大問に入っています。
- 地学は天体と地質が交互に近い形です。転写の分類では 惑星・太陽系(2021・2024)、星・星座(2022)、地層・岩石・化石(2016・2017・2019・2023・2026)、気象(2019・2020・2022)。
- 生物は人体が最多です(2012・2014・2021・2022・2026 の 5 回)。ほかに植物のつくり(2009・2013・2016・2018)、生態系・食物連鎖(2015・2023・2025)、こん虫(2017・2020)。
- 物理は電気系が最多です(電磁石・電気回路・電流のはたらきで 2020・2021・2024・2025)。てこ(2009・2016・2017)、ばね(2018・2019)、ふりこ・物体の運動(2015・2026)、熱と状態(2012・2014・2022)、光(2013・2025)。
8-3. 社会(40 分・75 点)
年度×大問の題材表(2024〜2026・原本の設問文で確認)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2(歴史・カード) | 大問 3(公民・前年の出来事) | 小問数 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 7 地方区分の略地図(接する県の県庁所在地、面積・人口密度、農業産出額、最上川、松尾芭蕉、伝統的工芸品、北里柴三郎と熊本)13 問 | カード A〜F(邪馬台国・壬申の乱・江戸・伊藤博文・慶應義塾・全国高校野球)13 問 | 新聞記事 I〜IV(非核三原則、憲法 9 条の条文校正、トランスジェンダー、三審制と違憲審査、物価高、処理水放出)13 問 | 39 |
| 2025 | 新幹線が通らない内陸県、旧国名、農作物の生産上位県、抑制栽培、信濃川の流量と雨温図、大河津分水路、ジャストインタイム、工場の分布 11 問 | カード A〜E(聖徳太子・平安・南北朝と足利義満・江戸の産業と文化・慶應義塾・日中関係)13 問 | バブル経済から平成へ(80 年代・90 年代の出来事、平成の西暦、プラザ合意、為替相場、日本銀行、山手線の駅、GDP)11 問 | 35 |
| 2026 | 食料自給率の表(1993 年の作況指数、ミニマムアクセス、令和の米騒動、高温に強い品種、養殖量上位県、飼料自給率と大豆)10 問 | カード A〜E(貧窮問答歌・阿倍仲麻呂・御成敗式目・室町の産業・江戸の元号とさつまいも・慶應義塾・1930 年代)17 問 | 2025 年 7 月 20 日の参議院議員選挙の会話文(投票率、総務省、選挙運動の禁止事項、普通選挙法、衆参の違い、内閣の仕事、政治資金規正法)14 問 | 41 |
3 つの大問の役割が動かない
- 大問 1 = 地理、大問 2 = 歴史、大問 3 = 公民と前年の出来事です。精読した 3 年はこの並びで、転写データの分類でも 2009〜2026 の 18 年すべてが 3 大問で、大問 1 は地理、大問 2 は歴史です(大問 3 は 2019・2020 の 2 年だけ世界地理が入り、ほかの 16 年は公民・国際・時事です)。
- 大問 2 は「◯◯さんが歴史の出来事や人物をカードにまとめました」という導入が 3 年連続で同じ言い回しです。変わるのは生徒の名前(2024 宙さん・2025 和道さん・2026 みきのさん)とカードの枚数(F まで/E まで)だけです。カードは古い時代から新しい時代へ並び、通史をひととおり歩きます。
- 小問数が直近で増えています。転写の分類では 2009〜2022 が 19〜28 問だったのに対し、2023 以降は 36・39・35・41 問です。40 分で 41 問(2026)は 1 問あたり 1 分を切ります。手が止まったら飛ばす練習が要ります。
3 年続けて出ている「同じ問い」がある
原本の設問文で両年(3 年)を確認したものです。
- 「慶應義塾を創設した人物を漢字で答えなさい」が 2024・2025・2026 の 3 年連続です(2024 大問 2 問 12、2025 大問 2 問 13、2026 大問 2 問 13)。2026 は「大阪(大坂)につくられた適塾の出身者のうち」という前置きが付きますが、問うているものは同じです。
- 「下線部(◯)の西暦年は、何世紀ですか。算用数字で答えなさい」も 3 年連続です(2024 大問 2 問 3 の 672 年、2025 大問 2 問 4、2026 大問 2 問 6)。年号から世紀への換算をその場でさせます。
- 「◯◯について説明した文 a〜c の正誤の組合せとして正しいものを下の 1〜8 から一つ選び、番号で答えなさい」が 3 年とも複数問あります。とくに「<カード D>の時代の文化について説明した文 a〜c の…」は 2024・2025・2026 に出ています。3 つの文の正誤をすべて当てないと点になりません。
- 「次の出来事を古い順番に並べかえたとき、3 番目になるものを一つ選び」が 3 年とも複数問あります(2025 は大問 2 だけで 3 問)。並べ替えの答えを直接書かせず「3 番目」を聞くので、全部の順序が分かっていないと当たりません。
- 「正しいものを次の 1〜4 から一つ選び、番号で答えなさい。すべて誤っていれば 5 と答えなさい」という 5 番目の逃げ道つきの選択が 3 年とも複数問あります。4 択のつもりで消去法を使うと落とし穴になります。
問い方の傾向(3 年とも原本で確認)
- 答え方の指定が細かいです。「漢字 2 字」「漢字 3 字」「漢字 5 字」「漢字 7 字」「カタカナ 4 字」「ひらがな 3 字」「アルファベットの略称」「算用数字で」。転写のある 18 年でも、字数や文字種の指定がある年が 78% を占めます。
- 順序をつけて答えさせる短答があります(2024 大問 1 問 2「県庁所在地名を緯度の高い順に」、問 3「人口の多い順に」)。名称を知っているだけでは足りません。
- 条文や文章の誤りを直させる形があります(2024 大問 3 問 3 は憲法の条文の下線 a〜d が正しければ○、誤りなら正しい語句を書く。同問 8 は物価高の説明文の誤り 1 か所を指摘して直す)。
- 記述は 0〜2 問で、字数指定はありません。2025 は「小千谷市の月別流量が多くなる理由を説明しなさい」「分水路の建設目的(人々の生活を守る)を説明しなさい」、2026 は「表 4 を参考にして空らんに入る文を作文しなさい」「飼料を考慮した自給率で牛乳・乳製品が豚肉より高い理由を、大豆の自給率も参考にして説明しなさい」。いずれも図表を読んで因果を 1〜2 文にする作りで、知識だけでは書けません。
- 大問 3 の入口は前年の出来事です。2024 は前年の新聞記事 4 本、2026 は 2025 年 7 月の参議院議員選挙。ただし聞かれるのは出来事そのものではなく、制度の名前と仕組み(三審制・違憲審査権・大法廷の人数・総務省・政治資金規正法)です。
- 地理は地図・統計表・雨温図の組合せ選択が主軸です。「ア〜ウの組合せとして正しいものを」の形で、3 つの資料を同時に判断させます。
8-4. 国語(50 分・100 点)
国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。資料があるのは 2010・2014・2015・2016・2021 の 5 年で、原本の設問文を精読したのは 2015・2016・2021 の 3 年です。ここに書いたのはその範囲に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(2015・2016・2021・原本の設問文で確認)
| 年度 | 大問 1(説明的文章) | 大問 2(文学的文章) | 大問 3 | 大問 4 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2015 | しぐさと身体表現・日本人のあいまいさ(多田道太郎『しぐさの日本文化』)7 問 | 姉の結婚を控えた家族の話(中学生まり子)8 問 | 詩(連の切れ目・空らんに入ることば・解釈の適否)4 問 | 二字に共通の部首を加えて熟語を作り、部首の由来を選ぶ 8 問 | 27 |
| 2016 | 科学と論理・歴史学は脳の科学か 7 問 | 陸上をやめた中学生と顧問の先生(比呂)7 問 | 詩 A・B の表現技法と比較 2 問 | 部首と組み合わせて漢字を 2 つずつ作る 1 問 | 17 |
| 2021 | 生物の進化と多様性(水から陸へ・ダーウィン)8 問 | 夏帽子をめぐる青年時の回想(萩原朔太郎『夏帽子』全文)9 問 | 詩【A】【B】+短歌・俳句【C】〜【I】(歌集名・季節・表現技法・「雪」の部首とことわざ)8 問 | — | 25 |
精読した 3 年で動かなかったもの
- 大問 1 が説明的文章、大問 2 が文学的文章です。この並びは 3 年とも同じで、2010・2014 の資料でも大問 1 は説明的文章でした。テーマは科学・生物・文化論と幅があります(進化、科学と論理、日本人のしぐさ)。
- 漢字の書き取りが大問 1 の問 1 に固定されています。3 年とも「――線(ア)〜(エ)/a〜d のカタカナを漢字に直しなさい(漢字で書きなさい)」という同じ問い方で、位置も問 1 です。読みではなく書き取りで、4 問です。
- 韻文が必ず一題入ります。2015 は詩 1 編、2016 は詩 2 編の比較、2021 は詩 2 編+短歌・俳句 7 首。詩を大問として置く学校は多くないので、ここは対策の的が絞りやすいところです。
- 記述がありません。3 年とも、文章で説明させる設問はゼロでした(選択 64〜85%、残りは抜き出し・空欄補充・漢字などの短答)。資料のある 5 年すべてで同じです。
- 本文が長いです。転写データでは本文が 1 年あたり約 8,600 字。50 分で説明文・文学的文章・韻文の 3 本を読むので、読む速さがそのまま得点に効きます。
問い方の傾向(3 年とも原本で確認)
- 主軸は記号選択で、「最もふさわしいものを次から一つ選び、番号で答えなさい」が決まった言い回しです。選択肢は 4〜5 個で長めです。
- 二つ選ばせる設問があります(2015 大問 1 問 3・大問 2 問 6)。「ふさわしいものは A、ふさわしくないものは B で答えなさい」という適否を判定させる形もあります(2015 大問 3 問 4)。
- 抜き出しには字数・文字種の指定が付きます(「漢字二字でぬき出しなさい」2015、「十五字以内でぬき出しなさい」2016、「八字でぬき出しなさい」2021、「二字以内で」2016)。
- 語句の意味を選ばせる設問が毎年あります(2015「首をすくめた」「武者ぶるい」「目をほそめる」、2016「肩をすくめている」「身をひがして」、2021「懐中」「いわんや」「令息」の「令」の意味)。慣用句・古めの語彙が問われ、体の部位を使った慣用句は 3 年とも出ています。
- 文法・表現技法の設問が混じります(2016 大問 2 問 2 は「たとえ」がどこにかかるか、2016 大問 3・2021 大問 3 は体言止め・倒置法などの表現技法)。
- 漢字の知識を部首から問うのが特徴的です(2015・2016 は独立した大問、2021 は「雪」の部首名)。部首の由来・成り立ちまで踏み込みます。
- 韻文では、連の切れ目(2015)、詩の形式の名称(2021)、歌集の名前(2021 の『新古今和歌集』を答えさせる形)、季節の判別(2021)まで問われます。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
転写データの単元分類(大問の主要単元)で数えたものです。精読していない年の細部は保証しません。原本での確認は各科目 3 年だけなので、それ以前は分類にもとづきます。この学校は大問の役割が決まっているので、「その席の中で次に何が来るか」の警戒になります。
| 科目 | 席(問題の置き場所) | 単元 | 出題年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|---|
| 理科 | 大問 3(化学) | 中和 | 2009・2012・2013・2015・2016・2018・2020・2021 | 2021 年度 | かつて化学の定番でしたが 2021 を最後に 5 年空き。2023 以降は溶解度・燃焼・質量計算が続いています |
| 理科 | 大問 4(物理) | てこ・つり合い | 2009・2016・2017 | 2017 年度 | 2017 を最後に 9 年空き |
| 理科 | 大問 4(物理) | ばね | 2018・2019 | 2019 年度 | 2019 を最後に 7 年空き |
| 理科 | 大問 4(物理) | 光 | 2013・2025 | 2025 年度 | 2025 に 12 年ぶりに戻った例 |
| 理科 | 大問 2(地学) | 気象 | 2012・2019・2020・2022 | 2022 年度 | 2022 を最後に 4 年空き。地学が 2026 で火山だったので、次は気象か天体が候補 |
| 理科 | 大問 2(地学) | 星・星座 | 2013・2022 | 2022 年度 | 2022 を最後に 4 年空き |
| 理科 | 大問 1(生物) | こん虫・動物の分類 | 2017・2020 | 2020 年度 | 2020 を最後に 6 年空き |
| 算数 | 大問 2〜5 | 水量とグラフ | 2009・2015・2022 | 2022 年度 | 6〜7 年周期。2022 を最後に 4 年空き(2024 大問 4 に棒を入れる問題として小問では出ました) |
| 算数 | 大問 2〜5 | 仕事算(何人・何台で分担したときの日数) | 2009・2019 | 2019 年度 | 7 年周期でしたが 2019 以降、大問としては空き(2025 大問 1 問 3 に近い還元算はあります) |
| 算数 | 大問 2〜5 | 規則性・数列 | 2010・2023・2024 | 2024 年度 | 2024 大問 1 問 5 の数表以降は空き |
| 算数 | 大問 2〜5 | 速さ | 2009・2014・2016・2018・2019・2020 | 2020 年度 | 2020 以降は大問 1 の 1 問に縮小。3 年とも大問 1 に速さがあり、大問として戻る余地があります |
| 算数 | 大問 2〜5 | 時計算(長針と短針の作る角) | 2011 | 2011 年度 | 長く出ていません |
| 算数 | 大問 2〜5 | 縮尺 | 2010・2011・2015・2016・2017 | 2017 年度 | 2017 を最後に大問からは消え、大問 1 の単位換算に姿を変えているように見えます |
| 社会 | 大問 3 | 世界地理 | 2019・2020 | 2020 年度 | 2020 を最後に 6 年空き。以後は公民が続いています |
| 社会 | 大問 3 | 環境問題 | 2009・2022 | 2022 年度 | 2022 を最後に 4 年空き |
| 社会 | 大問 3 | 貿易・資源・エネルギー | 2019・2020・2023 | 2023 年度 | 2023 を最後に 3 年空き |
| 社会 | 大問 3 | 三権分立・国会・内閣・裁判所 | 2012・2013・2022・2024 | 2024 年度 | 2 年おきに近い形です。2026 も選挙制度の中で問われました |
| 社会 | 大問 3 | 日本国憲法(条文そのもの) | 2016・2024 | 2024 年度 | 条文の空欄・校正は 8 年ぶりに 2024 で戻りました |
| 社会 | 大問 3 | 地方自治 | 2023 | 2023 年度 | 単発。次に来ると 3 年ぶり |
| 社会 | 大問 1 | 気候・雨温図 | 2013 | 2013 年度 | 単発の小問では毎年のように出ますが、大問の柱としては長く空いています |
| 国語 | — | 独立した漢字・部首の大問 | 2015・2016 | 2016 年度 | 2021 は韻文の大問に吸収されていました。大問の数は年により 2〜4 で動きます |
国語は資料のある年が 5 年しかないので周期は語れませんが、2021 は大問 4 が無く 3 大問で、部首の問題が韻文の大問に吸収されていました。大問の数は 2〜4 の間で動いています(2010 は 2 大問)。大問の数と、独立した漢字・語句の大問があるかどうかは、年によって変わりうると見ておくのが安全です。
10. 形式面の注意(原本で確認した年に限る)
- 記述がほとんどありません。理科は精読した 3 年でゼロ、国語も 3 年でゼロ。社会が 0〜2 問、算数が 1 問(作図または短い説明)です。答えの正確さがそのまま点になる入試です。
- 字数指定・文字種指定は多いです。社会は「漢字 2 字」「漢字 3 字」「漢字 5 字」「漢字 7 字」「カタカナ 4 字」「ひらがな 3 字」「アルファベットの略称」「算用数字で」。転写のある 18 年のうち、こうした指定がある年が 78%。理科も「漢字 2 文字で」「カタカナで」。国語の抜き出しは「◯字以内で」「二字で」。
- 記述に字数指定はありません(社会の 2025・2026 の説明問題は字数の指示なし)。解答らんの大きさが分量の目安になります。社会は解答らんの形が指定に効きます(「解答らんにあうように」が複数年)。
- 作図は算数に年 1 問あるかどうかです(2025 は円すいの展開図に斜線をかく)。理科・社会の作図は、精読した 3 年では確認できません(社会は転写のある 18 年でも確認できません)。
- 算数の答えは数値の短答が 18 問中 17 問で、途中式を書かせる欄はありません(3 年とも)。残る 1 問が「書かせる」枠です。単位(cm²・cm³・通り・倍・分)は設問文の中で指定され、「最も簡単な整数の比で」「何倍ですか」の言い換えが多くなっています。
- 円周率は 2026 算数の大問 5 に「円周率を 3.14 とします」と本文中で指定がありました。年によって指定の置き場所が違うので、演習のたびに確認します。
- 選択肢の作りが細かいです。社会の「正しいものを 1〜4 から選び、すべて誤っていれば 5 と答えなさい」、理科の「すべて選び」「下線部の正誤を ○×で」「語句の組合せを選ぶ」、国語の「二つ選び」「ふさわしいものは A、ふさわしくないものは B」。4 択だと思って消去法に頼ると外れる設問が毎年あります。
- 社会の解答の内訳は選択が約 54%、短答が約 41%、残りが記述と混合です。図表のある小問は全体の 23% ほどで、理科ほど図に依存しませんが、地理の大問はほぼ資料つきです。
- 算数は図のある小問が約半分です(転写データでは 47%)。図そのものは転写できないので、この分析でも図の細部は追えていません。平面図形・立体・数表はすべて図が前提です。
- 問題数の多さも形式のうちです。社会 40 分で 35〜41 問、理科 40 分で 26〜32 問。時計を見ながら解く練習が要ります。
11. 学年別ロードマップ
| 段 | 何をするか | この学校での重み |
|---|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(分数・小数・逆算)、単位換算(km・m・cm・mm と m³・L・dL・cm³ を桁で並べて処理する)、図形(三角形・四角形を線で分けて面積を比べる)、読解(線部を自分のことばで言い換える)、漢字の書き取り、の 5 本です。この学校で最終的に効く入口は「逆算をいやがらないこと」と「図をかき直す習慣」です | 差はほぼありません。時間計測はまだしません。ただし漢字は書き取りで(読みではなく)練習しておくと、国語の大問 1 問 1 にそのまま効きます |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終える時期です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の単元を 8-1 の題材表の順に一巡させます(平面図形の面積比 → 場合の数 → つるかめ算(個数を合計から逆算・受験用教材の単元)・比の変化 → 立体の体積と展開図 → 速さ → 単位換算)。週末 60 分はその週に 1 科目を当てます。社会は通史を漢字で書ける状態に一巡し、都道府県と統計資料に触れます。理科は 4 分野をまんべんなく、とくに表から比例をつかむ計算(金属の加熱・溶解度・電流)。国語は説明的文章と文学的文章を 1 本ずつと、詩の基礎(表現技法・連)を。ただし国語は 2022 年度以降の資料がありません(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください | ここが本体です。分野と単元の席が決まっている学校なので、小 5 で穴を残すと本番でその席がそのまま空欄になります。とくに理科の 4 分野と社会の通史 |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目です。夏以降は過去問を 2 通りに使います。(a) 年度通しで時間を計る(社会 40 分 35〜41 問、理科 40 分 26〜32 問、算数 50 分 18 問)、(b) 同じ場所を縦に解く(算数の大問 1 だけを 3 年分、理科の大問 3 だけを 3 年分、社会の大問 2 だけを 3 年分、国語の漢字と韻文だけを何年分も) | (b) が成立する学校です。並びが固定されているので、縦の演習で「その席の作法」を覚えられます。(a) は社会・理科の処理速度づくりに要ります |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。差がつくのは小 5 での全分野の一巡と、小 6 の「決まった場所への集中」です。出る場所が読める学校なので、単元の抜けはそのまま失点になりやすい一方、抜けが無ければ小 6 で時間をかける先がはっきりします。とくに理科は 4 分野の席が決まっていて逃げ場がなく、社会は 40 分で 40 問前後を処理する速さが要ります。この 2 科目は小 5 のうちに「一巡した」状態を作っておくと、小 6 で算数の大問 1 の速さと、選択肢を絞る精度に時間を割けます。
12. この学校と併願するなら
観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか」だけです。難易度・偏差値帯・通学圏は見ていません。同じ問題が出るという意味でもありません。
- 世田谷学園中学校(東京都・男子校) — 4 科目で最も近く、算数と理科の作りがとくに似ています。社会はやや離れます。
- 本郷中学校(東京都・男子校) — 理科が非常に近く、4 科目とも満遍なく近い学校です。
- 山手学院中学校(神奈川県・共学) — 理科の近さが全校で最大です。算数はやや離れます。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 第 2 回は算数と「国語または理科」の 2 科目で、社会がありません。併願先が 4 科目校の場合、社会は第 2 回の準備とは別に立てる必要があります。
- 近さは科目ごとの出題構造の近さを合成した自動集計です(0〜100・100 が最も近い)。
13. 資料の限界
- 入試回が特定できません。この学校の入試は第 1 回から第 4 回まであり、さらにグローバル入試・帰国生入試もありますが、分析に使った転写データは 1 年につき 1 冊だけで、どの回のものか区別できません。時期的に第 1 回に相当すると考えられますが、第 2 回(算数+国語または理科の 2 科目)以降の傾向はここからは分かりません。第 2 回のように科目の組合せが違う回では、問題の作り自体が違う可能性があります。
- 国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。資料があるのは 2010・2014・2015・2016・2021 の 5 年だけで、原本を精読したのは 2015・2016・2021 の 3 年です。8-4 に書いたことは 2021 年度までの話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
- 算数は 2013 年度、理科は 2010・2011 年度の資料がありません。
- 原本の設問文を精読したのは各科目 3 年ずつです(算数・理科・社会は 2024〜2026、国語は 2015・2016・2021)。それ以前の年について書いたことは、転写データの単元分類を数えたものであり、設問の細部までは確認していません。9 節の年号はすべてこの分類にもとづきます。
- 図は転写できません。算数は図のある小問が 47%、理科は 56% あり、図の細部(長さ・角度・位置関係)はこの分析では追えていません。図が読めないと成立しない設問がかなりあるはずで、実際の難所は市販の過去問で目で確かめてください。
- 転写は画像からの読み取りなので、式・数値・語句に読み落としがあり得ます。転写の読み取り確度が低めと記録されている年が、算数は 17 年中 11 年あります(精読した 2024・2026 を含む)。本文中の年度・回数は原本の設問文で確認したものに限りましたが、それでも読み間違いの可能性は残ります。
- 配点は科目ごとの満点しか分かりません。設問別の配点は冊子に印刷されておらず、ここで書いた「重み」はすべて設問数ベースです。
- 「毎年」「〜年連続」は原本で 3 年以上の反復を確認したものだけに使いました。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、出題の意図を裏づける資料は見ていません。
- 難易度・合格可能性・学校の理念や方針には触れていません。それらは別のページの領分です。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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