東京学芸大学附属小金井中学校 の過去問分析
東京学芸大学附属小金井中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
東京学芸大学附属小金井中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・第 1 学年一般入学者選抜)
更新 2026-08-20。
この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都小金井市貫井北町 |
| 男女 | 共学 |
| 入試回 | 第 1 学年 一般入学者選抜(検査Ⅰ〜Ⅳ)の 1 回のみ |
| 日程・集合 | 2026 年 2 月 3 日 午前(午前 8 時 10 分に本校集合) |
| 科目 | 検査Ⅰ国語・検査Ⅱ算数・検査Ⅲ社会・検査Ⅳ理科の 4 科(「報告書」の内容とあわせて総合的に評価) |
| 募集人員 | 71 名 |
| 試験時間・配点 | 募集要項の該当項目がこの資料に入っていないため、学校の公表資料で確認してください |
| 旧称 | 東京学芸大学教育学部附属小金井中学校(1972〜2004)/国立大学法人東京学芸大学附属小金井中学校(2004〜) |
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
用語は用語集へ。過去問そのものの使い方は過去問の使い方にまとめています。
まず結論だけ(10 行)
大問(問題の大きなかたまり)と小問(その中の一問)という言い方で書きます。
結論
- 大問 1 の座席(問題の置き場所)だけが 4 科目そろって固定されていて、その先は毎年作り直される学校です。
- 4 科目のなかで社会がいちばん固く、2022 年度から 2025 年度までの 4 年は「20 問+4 問+6 問=30 問」で一致しています。
- 4 科目そろって「書かせる・かかせる」学校です。算数は作図、理科と社会は記述、国語は 90〜105 字の記述が複数あります。
家でやること 3 つ
- 同じ座席を縦に解く — 算数の大問 1、理科の大問 1、国語の放送、社会の 3 大問を、年度をまたいで同じ場所だけ続けて解きます。
- 単元の解き方を身につける — 大問 2 以降は毎年新作なので、規則性の調べ方・水溶液の判別・年表の埋め方といった手順が本体になります。
- 昨年 1 年間のニュースを「月」と「都道府県」で整理する — 社会の大問 2 はこの形が 4 年続いています。
今週やる 1 つ
- 算数の大問 1 の先頭にある計算だけを、直近 3 年ぶん続けて解きます(直近 3 年は 3 問ずつ)。
注意
- 「出る問題を覚える」という使い方は効きにくい学校です。同じ問題がそのまま再登場した例は 4 科目とも見つかりませんでした。
資料の状況
転写=過去問の紙面を文字データに起こしたものです。この節では読み込みの深さを、精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問と小問の数だけを数えた年)/資料のある年、の 3 語に分けて書きます。以降の本文でもこの 3 語だけを使います。
| 科目 | 精読した年 | 精読した年数 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 解答だけが資料にある年 | 資料が無い年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 算数 | 2010・2015〜2020・2022〜2025 | 11 | なし | 15 | 2011〜2014 | 2021 | 図が多く、作図の答案そのものは転写できない |
| 理科 | 2015〜2020・2022〜2025 | 10 | なし | 10 | なし | 2021 | 設問文が長く、1 冊あたり A4 換算 13 頁ぶん |
| 社会 | 2015〜2025 | 11 | なし | 11 | なし | なし | 小問数が 11 年ほぼ 30 で動かない |
| 国語 | 2010・2014・2015・2016・2019 | 5 | なし | 8 | 2011〜2013 | 2017・2018・2020 年度以降 | 著作権処理の関係で掲載されない年が多い |
- 2026 年度の問題は 4 科目とも資料にありません。この文書で「直近」と書いているのは 2025 年度までのことです。2026 年度の形式は市販の過去問集で確認してください。
- 入試は 2 月 3 日の 1 回のみです(国語・算数・社会・理科の 4 科目に「報告書」の内容をあわせて総合的に評価すると学校が示しています)。回が 1 つなので、別の回の問題が混ざる心配はありません。
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 試験時間と配点は問題冊子にも募集要項にも書かれていません。国立大学の附属校では非公表であることが多く、この文書でも時間配分の目安は「小問数と設問文の量」から述べています。
- 「毎年」「〜年連続」と書いた箇所は、その年度の問題文(導入文と設問文)を原本で読み直して確認したものです。確認できなかったものは「精読した年に限れば」と弱めるか、書いていません。
- 判読の限界: 図そのものは転写に含まれないため、作図問題の解答の形は設問文と図の説明文からの推定を含みます。
一番大きな結論
東京学芸大学附属小金井は「大問 1 の座席だけが 4 科目そろって固定されていて、その先は毎年作り直される」学校です。
同じ種類の問題が同じ場所に出る、という固定は次のとおりです(「同じ問題が出る」という意味ではありません)。
| 科目 | 固定されている座席 | 何年続いているか |
|---|---|---|
| 算数 | 大問 1 =「次の問いに答えなさい」の小問集合。その先頭は必ず計算 | 精読した 11 年すべて(2010・2015〜2020・2022〜2025) |
| 理科 | 大問 1 =「次の(各)問いに答えなさい」の 4 分野横断の小問集合 | 精読した 10 年のうち 9 年。直近は 2018〜2025 の 7 冊連続 |
| 社会 | 歴史の年表・都道府県の白地図・資料と記述の 3 大問がそろって入る。都道府県の大問の導入文は 11 年間まったく同じ文 | 精読した 11 年すべて(2015〜2025)。2022〜2025 は「20 問+4 問+6 問=30 問」で 4 年一致 |
| 国語 | 大問 1 = 放送による問題(聞き取り)。大問 2 が文学、大問 3 が説明文 | 精読した 5 年すべて(2010・2014・2015・2016・2019) |
一方で、大問 2 以降の中身はどの科目も毎年作り直されています。算数の大問 2〜4 も、理科の大問 2〜5 も、同じ位置に同じ単元が 3 年続いた例は精読した年にありません。社会だけは例外で、「昨年◯月の出来事はどの都道府県か」という同じ問い方が 4 年連続で 4 問並びます。
したがって、この学校の過去問の使い方は次の順になります。
- 同じ座席を縦に解く — 算数の大問 1、理科の大問 1、国語の放送、社会の 3 大問です。ここは形が決まっているので、年度をまたいで同じ場所だけを続けて解く価値が最も高くなります。
- 単元の解き方を身につける — 大問 2 以降は毎年新作なので、単元ごとの手順(規則性の調べ方、水溶液の判別、年表の埋め方)を身につけるのが本体になります。
- 出る問題を覚える — この使い方は効きにくいものです。同じ問題がそのまま再登場した例は 4 科目とも見つかりませんでした。
もうひとつの大きな特徴は、4 科目そろって「書かせる・かかせる」ことです。算数は作図が精読した 11 年すべてにあり(1 年あたり 1〜5 問)、理科は文章で説明させる設問が 2017 年度以降の 8 冊すべてに、社会は記述が 2〜4 問、国語は 90〜105 字の記述が複数あります。答えだけを速く出す訓練だけでは足りません。
科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 中くらい。大問 3〜4・小問 11〜25 と年による差はあるが、大問 1 が計算から始まる小問集合なのは 11 年不変 | 大問 2 以降は毎年新作。長い誘導文つきの探究的な題材(コラッツ予想・格子点・円周率の近似) | 計算 3 問の確保とコンパス・定規の作図 |
| 理科 | 中くらい。大問 4〜5・小問 21〜30。大問 1 が小問集合(10 年中 9 年) | 会話文・観察日記・実験記録を読ませる長文。設問文 4,800 字前後 | 長い文章を読み切る力と理由を書く記述 |
| 社会 | 非常に高い。3 種類の大問が 11 年すべてに入り、直近 4 年は 30 問で完全一致 | 歴史は年表の「間」を問う反復、地理は昨年のニュースから都道府県、公民は資料からの記述 | 昨年のニュースを月と都道府県で覚えること、「正しくないものを 2 つ」への対応 |
| 国語 | 高い(2019 年度まで)。3 大問・13〜17 問。大問 1 は放送 | 放送+文学+説明文。抜き出しと長い記述が中心 | 聞き取りとメモ、行数指定の記述 |
科目の顔がそろって「その場で考えて、手を動かして、言葉にする」方向を向いているのが、この学校の全体像です。
この学校らしさが出る場所
- 国語の放送問題。精読した 5 年すべてで大問 1 が放送です。話が「かみあわない会話」(2015)、「ごみ箱を増やすべきか」という家族どうしの議論(2016)、「少子高齢化」の説明(2019)と、聞いて考えて意見を書くところまで一続きになっています。「この話からは判断できない」を選ばせるところに、聞いた情報を鵜呑みにさせない姿勢が出ているように見えます。
- 算数の探究的な題材。コラッツ予想(2025)、格子点の数から三角形の面積を出す(2024・先生との会話文)、円周率を 3 で計算したあと実際とのずれを考える(2023)、1 週間が 7 日になった由来(2022)、渋滞が後ろへ伝わる仕組み(2019)。「解けるかどうか」より「考える過程をたどれるか」を試す作りが続いています。
- 理科の「学校のなか」の題材。2024 年度の大問 2 は東京学芸大学の敷地内に生息する生き物の表から食べる・食べられる関係を作らせます。2023 年度は学校に設置されている百葉箱で 4 日間気温を測ります。実際に自分たちが観察できる場所が題材になっています。
- 理科の登場人物「りかこさん」。2020(大問 3・4・5)、2022(大問 3・5)、2023(大問 3・5)と繰り返し登場し、日記や会話で実験を進めます。同じ人物が年をまたいで出てくるのは珍しいことです。
- 社会の記述が「身のまわりのなぜ」に寄ります。牛乳パックのくぼみ(2024)、てまえどり(2023)、冠水表示板(2023)、緊急車両の新しいサイレン音(2025)、都心と郊外のファミリーレストランの作りの違い(2025)。教科書の用語では答えられず、生活の観察を言葉にする力が要ります。
- 社会の地理が「昨年のニュース」で作られます。世界遺産の新規登録 7 回、新幹線の開業 4 回。ニュースを地図の上に置く習慣が問われています。
今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は学年別ロードマップの節の小 4・小 5 の段を先にしてください。
各項目の根拠は科目別の詳細の節を参照してください。末尾の(確認: 〜20XX 年度)は、その施策の根拠が確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 社会・昨年のニュースを「月」と「都道府県」で整理する — 大問 2 は 2022〜2025 の 4 年連続で「昨年◯月の出来事はどの都道府県か」だけを 4 問聞いています。しかも古い月から新しい月へ順に並びます。毎月ノートに 3 つずつ書き足すだけで直接点になります。ニュースを見たら地図の上で場所を指す習慣がそのまま点になります。世界遺産の新規登録と新幹線の開業は毎年チェックします(7 回・4 回と繰り返し出ています)。あわせて白地図の 47 番号を体で覚えます(北海道①から南へ)。番号で答えさせるので、県名が分かっても位置が出てこないと書けません。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 3 問を落とさない — 11 年すべてで大問 1 の先頭は計算です。直近 3 年は 3 問ずつ。分数と小数が混ざった式・工夫すれば約分で消える式(2025 の 79×80×81×(80/81−79/80) など)が好まれます。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・コンパスと定規の作図 — 精読した 11 年すべてにあり、2025 年度は 15 問中 5 問。「コンパスでかいた円や定規でひいた線は消さずに残す」書き方まで身につけます。正多角形の作図(2025)・回転移動の跡(2017)・条件を満たす範囲を塗る(2023)を、線を消さずに残す書き方で練習します。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 算数・規則性と長い導入文と速さ — 規則性を「実験→表→式」で処理する手順を身につけます。2016・2017・2019・2020・2022・2023・2025 の 7 回で、最頻の単元です。会話文や科学の話題から入る大問が毎年あるので、長い導入文から条件だけを抜き出す訓練もここに入れます。速さは自分でグラフを書く練習まで(2025 は距離と時間のグラフを 2 回書かせました)。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 社会・歴史は「出来事の間」で並べ直す — 大問 1 の 20 問のうち 13〜15 問が「間の出来事を年代順に並び替え」と「間の説明として正しくないものを 2 つ選び」です。年号の丸暗記より、「大仏建立と源平合戦の間」「日清戦争と満州事変の間」に何が入るかを言えるようにします。並び替えと正誤で大問 1 の 7 割を占めるので、選択肢 6 つから 2 つ落とす練習も時代ごとにまとめて行います。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 理科・長い会話文と観察記録を読み切る — 設問文 4,800 字前後、A4 換算 13 頁です。理科を「読む科目」として時間配分します。あわせて水溶液の判別を手順で覚えます(2018・2019・2022・2023・2025 の 5 回。ラベルのないビーカーを実験で絞る形が繰り返されるので、リトマス紙・蒸発・におい・気体の発生でどこまで絞れるかを手順にします)。表とグラフの読み取りと、グラフの続きを書く練習(2023 の気温のグラフ)、実験器具の正しい使い方と安全(2017 大問 5・2025 大問 3 問 2。名前だけでなく「なぜその手順か」まで)も同じ枠で扱います。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 4 科目共通・理由を 2〜3 文で書く — 理科(サウナ・火山灰)、社会(牛乳パックのくぼみ・てまえどり)、国語(90〜105 字)。書き出し指定・指定語入りの書き方まで練習します。理科は「なぜそうなるか」を 1〜2 文で書く形から始め、指定語を入れる・書き出しに続ける形まで。社会は身近なものの「なぜ」を 2〜3 文で書く練習を、牛乳パックのくぼみ・てまえどり・冠水表示板のような、教科書に載っていない題材で行います。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語・聞き取りとメモ(資料は 2019 年度まで) — 大問 1 は精読した 5 年すべて放送です。「正しい/ちがう/判断できない」の 3 分類が 3 年ぶん同じ問い方で出ています。ニュースやラジオ、家族の会話を聞いて要点をメモし、あとで「これは言っていた/言っていない/判断できない」を仕分けます。聞いた意見に対して自分の考えを 2 段落で書く練習(賛成の立場を選び、理由を放送の中身から引く)、抜き出しは「はじめと終わりの五文字」に慣れる練習(句読点・かぎかっこの数え方まで)、90〜105 字の記述を行数で書き切る練習(書き出し指定・結び指定つき)、漢字の書き取り 5 問(送り仮名つき)を毎日。(確認: 〜2019 年度)
科目別の詳細
算数(大問 3〜4・小問 11〜25・作図あり)
年度×大問の題材表
大問 1 は精読した 11 年すべてが「次の問いに答えなさい」で始まる小問集合なので、下表では中身を注記しました。
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1(小問集合) | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2015 | 4 / 14 | 計算 1 問+わり算の筆算の意味+重なる 4 円の面積 | 対称な図形(作図) | 約束記号 ◎(平均をとる操作) | 仕切りつき水そうとグラフ |
| 2016 | 3 / 11 | 計算 1 問+売買損益+数字「5」の出現回数+連続する整数の和+立方体の展開図に線を書き込む | 正方形をつないだ図形の中で正三角形を転がす | 円周上のピンに糸をかけていく(規則性) | — |
| 2017 | 4 / 25 | 計算 1 問+一の位の規則性+平均算+合同な三角形の作図 | 長方形と別図形の重なりから面積を出す | マスを段状に並べた数表(規則性) | バスと徒歩・自転車の速さ(小問 13) |
| 2018 | 4 / 20 | 計算 2 問+売買損益 4 問 | 約束記号 <>(一の位を返す操作) | 折り紙を折って切る | 数を交互に言うゲームの必勝手順(推理) |
| 2019 | 4 / 13 | 計算 2 問+和差算 2 問 | 図形の外周を別の図形が回転する | 塩と砂糖のコップ(正しい選択肢に〇) | 車の渋滞が後ろへ伝わる(規則性) |
| 2020 | 4 / 14 | 計算 1 問+部活動の割合の表+対角線が直交する図形 | 五星・六星(正多角形の辺の延長・対称) | 修学旅行の見学地めぐり(速さ・時間内に回る) | かけ算の答えを並べた数表(規則性) |
| 2022 | 4 / 15 | 計算 2 問+消費税と割引の順序 3 問 | 図形の移動 | 穴のあいた直方体の容器に注水(水量とグラフ) | 1 週間が 7 日になった由来(曜日の並びと規則性) |
| 2023 | 3 / 14 | 計算 3 問+へいの角につないだ犬の動ける範囲(作図) | 黒白の正方形を交互に重ねる(面積の規則性・作図) | 内外 2 本のレールを走る電車 2 台(速さ・円周率を 3 とした場合と実際の差) | — |
| 2024 | 3 / 15 | 計算 3 問+山手線の区間ごとの速さ+折り紙を切る(作図・選択) | 三角形の面積を格子点の数から求める(先生との会話) | 約束記号 @(何回わり切れるか) | — |
| 2025 | 4 / 15 | 計算 3 問+鉛筆の仕入れと値付け+「答えに使わない数値」を選ぶ | 円周上の点から正六角形・正五角形を作図(定規だけで) | コラッツ予想(操作の回数) | 往復する 2 人の距離と時間のグラフ(作図 2 問) |
(2010 年度は大問 7 題・小問 19 と、他の年と作りが違います。同じ並びとして扱っていません。2011〜2014 年度と 2021 年度は問題冊子の資料がありません。)
同じ場所に同じ種類の問題が来るか
大問 1 の座席だけが完全に固定されています。精読した 11 年(2010・2015〜2020・2022〜2025)のすべてで、大問 1 は「次の問いに答えなさい」という導入の小問集合で、その先頭が計算問題です。計算の数は 1〜3 問で、2023・2024・2025 の 3 年は 3 問で揃っています。
- 大問 1 の 2 番目以降の枠には、割合や売買損益がよく入ります(2016・2018・2022・2025 の 4 回)。値段と割引の話は「消費税と割引はどちらが先か」(2022)、「仕入れ値からの値付け」(2025)のように、日常の買い物の言い方で出ます。
- 大問 2 以降には座席の固定がありません。単元は毎年組み替えられ、同じ位置に同じ単元が 3 年続いた例は精読した年にありません。したがって大問 2 以降は「毎年作り直す」と考えてよいでしょう。
- 同じ問題の使い回しは、精読した 11 年の設問文を突き合わせたかぎり見つかりませんでした。約束記号(自分で決めた記号の計算規則)は 2015(◎)・2018(<>)・2024(@)と 3 回出ていますが、定義される操作は毎回別のもので、数値だけ変えた同じ問題ではありません。
頻出単元と周期
- 規則性・数列: 2016・2017・2019・2020・2022・2023・2025 の 7 回。図や表の並びを観察して次を予想する形が中心で、「碁石」「糸」「数表」「渋滞」「曜日」と入口の題材は毎年変わります。
- 平面図形(面積・面積比): 2017・2024・2025 の 3 回。2024 は格子点の数から面積を出す(正解にたどりつくと点と面積の関係が見える)作りです。
- 図形の移動・折り紙: 2016・2018・2019・2024 の 4 回。転がす・折って切る・回転させるという手を動かす操作が題材です。
- 速さ: 2017・2020・2023・2024(大問 1)・2025 の 5 回。ダイヤグラムを読むより、状況を自分でグラフに書く(2025)・周回でのすれ違い位置を出す(2023)といった作りが直近では目立ちます。
- 約束記号: 2015・2018・2024 の 3 回。
- 水量とグラフ: 2015・2022 の 2 回。
- 対称な図形: 2015・2020・2023 の 3 回。
問い方の特徴
- 作図が精読した 11 年すべてに入っています(1 年あたり 1〜5 問)。2025 年度は 15 小問中 5 問が作図で、大問 2 は 3 問すべてが作図でした。指示は「コンパスと定規を用いて」「定規だけを用いて(コンパスを用いたり、定規で長さを測ったりしないこと)」と細かく、しかも「どのように図を作ったかが分かるように、コンパスでかいた円や定規でひいた線は消さずに残しておきなさい」と書かれます(2023・2025 で同じ趣旨の文を確認)。作図の手順そのものが採点対象になっていると読めます。
- 長い誘導文を読ませる大問が毎年 1〜2 題あります。2024 の大問 2 は「さとしさんと先生の会話を読んで」という会話文、2025 の大問 3 はコラッツ予想の紹介、2022 の大問 4 は 1 週間が 7 日になった由来の説明から始まります。設問に入る前の導入文が 100〜200 字あるのが普通で、問題文全体は 1 冊 1,800 字前後になります。
- 「使わない数値を選ぶ」「本当にそうなるか確かめる」といった、答えを出した後を問う設問があります。2025 大問 1(2)②は「①の答えを出すのに必要のない数値を 2 つ選び」、2023 大問 3(4)(5)は「円周率を 3 として計算してきたが、詳しく計算するとすれ違う場所は変わるか」を選ばせます。計算力だけでなく「その計算は何を仮定していたか」を意識させる問い方です。
- 解答形式は短答(語句や数値を短く答える形式)が 6〜8 割、選択が 1 割前後です。長い文章記述はほとんど出ません(精読した 11 年で 2020 年度の 1 問のみ)。
理科(大問 4〜5・小問 21〜30・記述あり)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2015 | 4 / 26 | 小問集合 | 太陽高度と気温の 1 時間ごとの観測 | 川での魚つり | 装置を使った実験 1・2 | — |
| 2016 | 4 / 22 | 小問集合 | 水をガスバーナーで熱する装置 | 月の形と位置の観察 1〜3 | 鹿児島県と沖縄県にまたがる地域 | — |
| 2017 | 5 / 29 | 電磁石を作る | 昨年の夏の出来事の会話(関東地方の地図) | かんの中で木をよく燃やす実験 | 森林・池・水田の自然環境 | 実験の操作と器具の使い方 |
| 2018 | 5 / 23 | 小問集合 | 梅雨と雨雲 | ニホンオオカミとニホンジカ(食べる・食べられる) | 5 種類の水溶液を調べる | 実験用てことおもり |
| 2019 | 5 / 30 | 小問集合 | ふりこ(木・ガラス・鉄の球) | カマキリの卵の観察日記 | 月の観察の会話文 | 水溶液を調べる会話文 1・2 |
| 2020 | 5 / 27 | 小問集合 | てこの実験の会話文 | 水があたたまると体積はどうなるか | 食べた物のゆくえ(消化の実験) | 夏休みの日記(台風・気象) |
| 2022 | 5 / 21 | 小問集合 | ふりこの実験 | 砂に混ざった食塩を取り出す会話文 | メダカの飼育条件 A〜D | 月の満ち欠けカレンダー |
| 2023 | 5 / 28 | 小問集合 | 豆電球の回路 1〜5 と電磁石 | 桜島の噴火(会話文・火山灰と川砂の観察) | ヒトとメダカの誕生 | 百葉箱で 4 日間の気温を測る |
| 2024 | 5 / 25 | 小問集合 | 東京学芸大学の敷地内の生き物と食べる・食べられる関係 | 金属・水・空気のあたたまり方(サウナ) | 浮く・沈む(1cm³ あたりの重さ) | 山から海への川と地層 |
| 2025 | 4 / 22 | 小問集合 | モンシロチョウ・カブトムシ・スズメバチ | 水溶液の判別 | 手回し発電機と豆電球・発光ダイオード | — |
(2021 年度は資料がありません。)
同じ場所に同じ種類の問題が来るか
大問 1 は「次の(各)問いに答えなさい」で始まる 4 分野横断の小問集合で、精読した 10 年のうち 9 年(2015・2016・2018・2019・2020・2022・2023・2024・2025)がこの作りです。例外は 2017 年度だけで、この年は大問 1 が電磁石の実験でした。直近は 2018 年度から 2025 年度まで 7 冊連続(2021 年度は資料無し)で大問 1 が小問集合です。
- 大問 1 の中身は物理・化学・生物・地学から 1 問ずつ拾う作りで、単元の組み合わせは毎年変わります。2025 年度は発芽・気象衛星画像・ふりこ・回路・気体の 6 問でした。
- 大問 2 以降には座席の固定がありません。生物・化学・物理・地学の並び順は毎年入れ替わり、同じ位置に同じ分野が 3 年続いた例は精読した年にありません。
- 同じ問題の使い回しは、精読した年の設問文を突き合わせたかぎり確認できませんでした。似た題材が戻ることはあります(水溶液の判別は 2018・2019・2022・2025、ふりこは 2019・2022・2025 大問 1、月は 2016・2019・2022)が、実験の条件も設問文も別のものに書き換えられています。
頻出単元と周期
- 水溶液(性質・判別・気体): 2018・2019・2022・2023 大問 1・2025 の 5 回。「ラベルのないビーカー A〜D を実験で特定する」形が繰り返し出ます。
- 電気(回路・電磁石・電流計): 2017・2023・2024 大問 1・2025 の 4 回。電流計のマイナス端子の選び方は 2024 大問 1 問 3 と 2025 大問 4 問 4 の 2 年続けて出ました(設問文は別のものです)。
- 気象・天体: 2015・2016・2018・2019・2020・2022・2023 の 7 回。百葉箱・気象衛星画像・台風・月の満ち欠けと、観測の道具ごと問われます。
- 生態系・食べる食べられる関係: 2017・2018・2024・2025 の 4 回。
- 熱と状態変化: 2016・2020・2024 の 3 回。
- ふりこ・てこ: 2018・2019・2020・2022・2025 大問 1 の 5 回。
問い方の特徴
- 会話文・日記・観察記録から入る大問が多くあります。2017(夏の出来事の会話)・2019(月の観察の会話文、カマキリの観察日記)・2020(てこの実験の会話文、夏休みの日記)・2022(食塩を取り出す会話文、月のカレンダーの会話)・2023(桜島の会話文)・2025(手回し発電機の会話文)。読む量が多く、設問文の総字数は 1 冊 4,800 字前後、A4 換算で 13 頁ぶんになります。理科は「読む科目」でもあると考えて時間を配りたいところです。
- 文章で説明させる設問が毎年 1〜5 問あります。精読した 10 年のうち 2017 年度以降の 8 冊すべてに記述があり、2025 年度は 22 小問中 5 問(23%)が記述でした。字数指定は無く、解答欄の広さで分量が決まります。
- 記述の中身は「理由」と「安全」に寄ります。2024「サウナで上のベンチが好まれるのはなぜか」「なぜ水蒸気を発生させるのか」、2023「火山灰が川砂にくらべて角ばっているのはなぜか(川砂は〜のに対して、火山灰は〜から、という書き出しつき)」、2025「実験を安全におこなう方法として間違えているところを 2 つ選び、説明しなさい」。
- 書き出しや空欄を与えて記述の形を指定してくることがあります(2023 の「川砂は__のに対して、火山灰は__から。」、2025 の「『熱』と『電気の量』を使って答えなさい」)。指定語を必ず入れる練習が要ります。
- 作図は年により有無が分かれます。2016・2017 に各 1 問、2019 に 4 問、2023・2024 に各 2 問。中身は「グラフの続きを書く」(2023 の気温)・「回路図をかく」(2023)・「食物連鎖の矢印を書き足す」(2024)で、絵を上手に描く問題ではありません。
- 記号選択が主軸で、選択が 5〜7 割を占めます。「2 つ選び」「最も適当なものを 1 つずつ選び」といった指示が細かく入ります。
社会(大問 3〜6・小問 29〜32・記述あり)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 歴史の年表(並び替え・正誤) | 都道府県の白地図 | 資料と記述(最後の大問) | その他 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2015 | 3 / 30 | 大問 1(15 問・米づくり〜) | 大問 2(10 問) | 大問 3(5 問) | — |
| 2016 | 6 / 32 | 大問 3(6 問・日清戦争〜) | 大問 4(5 問) | 大問 5・6(各 5 問) | 大問 1 人物カード・大問 2 年表 |
| 2017 | 4 / 29 | 大問 1(15 問・平城京〜) | 大問 2(5 問) | 大問 3・4(5 問・4 問) | — |
| 2018 | 4 / 30 | 大問 1(15 問・卑弥呼〜) | 大問 2(5 問) | 大問 3・4(各 5 問) | — |
| 2019 | 6 / 30 | 大問 3(6 問・長州藩と薩摩藩〜) | 大問 4(5 問) | 大問 5・6(各 5 問) | 大問 1 資料・大問 2 縄文からの文章 |
| 2020 | 6 / 30 | 大問 3(5 問・ペリー来航〜の表) | 大問 4(5 問) | 大問 5・6(各 5 問) | 大問 1 金属の文章・大問 2 人物 A〜D |
| 2021 | 4 / 29 | 大問 1(17 問・大化の改新〜) | 大問 2(5 問) | 大問 3(5 問)・大問 4(2 問) | — |
| 2022 | 3 / 30 | 大問 1(20 問・法隆寺〜) | 大問 2(4 問) | 大問 3(6 問) | — |
| 2023 | 3 / 30 | 大問 1(20 問・稲荷山古墳の鉄剣〜) | 大問 2(4 問) | 大問 3(6 問) | — |
| 2024 | 3 / 30 | 大問 1(20 問・富本銭〜) | 大問 2(4 問) | 大問 3(6 問) | — |
| 2025 | 3 / 30 | 大問 1(20 問・国分寺〜) | 大問 2(4 問) | 大問 3(6 問) | — |
同じ場所に同じ種類の問題が来るか — この学校の社会がいちばん固い
社会は 4 科目のなかで並びの固定が最も強い科目です。精読した 11 年(2015〜2025)のすべてに、次の 3 種類の大問が必ず入っています。
- 「日本で起こった主な出来事を年代順に並べたもの」から出発する歴史の大問(2015・2016・2017・2018・2019・2021・2022・2023・2024・2025 の 10 年。2020 年度も矢印つきの年表で同じ作りです)
- 「次の①〜㊷であらわした都道府県の日本地図をみて、あとの問いに答えなさい。」で始まる地理の大問(11 年すべて。導入文は 11 年間まったく同じ文です)
- 「次の問 1〜問◯について、それぞれ答えなさい。」で始まる資料読み取り+記述の大問(11 年すべて。2016〜2020 年度はこれが 2 大問に分かれていました)
さらに 2022 年度から 2025 年度までの 4 年間は「大問 1(歴史 20 問)・大問 2(都道府県 4 問)・大問 3(資料と記述 6 問)=合計 30 問」で完全に一致しています。小問 30 という総数は 2015・2018・2019・2020・2022〜2025 の 8 年で同じです。
同じ問い方が毎年出る例(原本で確認)は次のとおりです。
- 都道府県の大問の導入文「次の①〜㊷であらわした都道府県の日本地図をみて、あとの問いに答えなさい。」は 2015〜2025 の 11 年で同一です。位置は 2015・2017・2018・2021〜2025 が大問 2、2016・2019・2020 が大問 4。2021 年度から 2025 年度は 5 年連続で大問 2 の座席にあります。
- その中身は「昨年◯月の出来事 → その都道府県を地図の番号で答える」という同じ問い方の繰り返しです。2022〜2025 の 4 年は 4 問すべてがこの形で、しかも昨年の何月の出来事かが古い月から新しい月へ順に並びます(2023 は 8 月→9 月→10 月→11 月、2024 は 3 月→4 月→5 月→8 月、2025 は 3 月→7 月→7 月→9 月)。
- 歴史の大問では「次のア〜エは、(◯)と(◯)の間に起きた出来事です。年代順に並び替えなさい」と「(◯)と(◯)の間の説明として正しくないものを、次のア〜カから 2 つ選び、記号で答えなさい」が交互に並びます。2023・2024・2025 の 3 年は、この 2 つの問い方だけで大問 1 の 20 問のうち 13〜15 問を占めます。
ただし、設問の中身(選択肢の文)は毎年書き換えられています。並べる出来事も、正誤の選択肢も、突き合わせたかぎり同じ文が 2 年に出た例は見つかりませんでした。「同じ問題が出る」のではなく「同じ問い方が同じ場所に出る」学校です。
頻出単元と周期
- 世界文化遺産・自然遺産の新規登録: 2015・2016(明治日本の産業革命遺産)・2017(国立西洋美術館)・2019(潜伏キリシタン関連遺産)・2020(百舌鳥・古市古墳群)・2022(奄美・徳之島/北海道・北東北の縄文遺跡群)・2025(佐渡島の金山)の 7 回。都道府県の大問の定番です。
- 新幹線の開業: 2016(北陸)・2017(北海道)・2023(西九州)・2025(北陸の敦賀延伸)の 4 回。
- 原子力発電所・エネルギー: 2016・2017・2024(処理水の海洋放出)・2025(再生可能エネルギー)の 4 回。
- 自然災害と防災: 2018(台風とジャガイモ)・2019(各地の自然災害)・2020(台風 19 号と千曲川)・2021(球磨川の氾濫・浜松の最高気温)・2023(冠水表示板)・2025(猛暑日の記録)の 6 回。
- 歴史は近現代が最も厚くなっています。年表の後半(明治〜戦後)に設問が集まる年が多く、2025 年度は焼夷弾の写真から被害を説明させる記述が入りました。
- 国際・時事(G7 サミット・国連・ノーベル賞など)は大問 1 の末尾 3〜4 問に置かれるのが 2023・2024・2025 の 3 年で共通しています。
問い方の特徴
- 記号選択が主軸です(6〜7 割)。ただし「2 つ選び」が非常に多く、2025 年度の大問 1 は 20 問中 9 問が「正しくないものを 2 つ選び」でした。片方だけ当たっても点にならない作りだと考えておきたいところです。
- 短答は都道府県の番号か、人名・地名です。2023〜2025 の大問 2 は 4 問すべて番号で答えさせます。
- 記述は 2〜4 問(2023 は 3 問、2024 は 2 問、2025 は 4 問)。字数指定は無く、解答欄の広さで分量が決まります。
- 記述の題材が独特で、身のまわりの「なぜこうなっているか」を説明させます。 2023「ごみクレーンでかき混ぜるのはなぜか」「てまえどりに期待される効果」「冠水表示板は何を防ぐか」、2024「牛乳パックの上部のくぼみはなぜあるか」「自動運転バスが解決すると期待される課題」、2025「新紙幣のユニバーサルデザインへの配慮」「都心と郊外でファミリーレストランの作りが違うのはなぜか」。教科書の用語ではなく、写真と資料から自分の言葉で理由を作る問題です。
- 書き出しを指定してくることがあります(2025 大問 3 問 6 は「都心部では郊外に比べて」の書き出しに続けて説明させます)。
国語(大問 3・小問 13〜17。2010・2014・2015・2016・2019 の 5 年のみ)
国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。2011〜2013・2017・2018 年度も同じ理由で問題文を精読できていません。ここに書いたのは 2010・2014・2015・2016・2019 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|---|
| 2010 | 3 / 17 | 放送による問題(全国から東京に集まった人たちの交流) | 物語(お父さんが組合へ出かけた晩の話・新美南吉『狐』) | 説明文(環境適応と動物の習性・野村潤一) |
| 2014 | 3 / 13 | 放送による問題(話し合い) | 物語(昭和 23 年、鍛冶屋の六郎と弟子入り・伊集院静『親方に神様』) | 説明文(オオカミのイメージ・千葉徳爾『狩の話』) |
| 2015 | 3 / 13 | 放送による問題(男女の会話がかみあわない「こうえん」) | 随筆(ゴリラの飼育・幸田文「一類人猿」) | 説明文(ソメイヨシノ・佐藤俊樹『桜が創った「日本」』) |
| 2016 | 3 / 13 | 放送による問題(2 家族のピクニックとごみ箱の話) | 物語(少年たちが持ちこんだフナの買い取り・『経済原理』) | 説明文(法隆寺の木・西岡常一・小原二郎『法隆寺を支えた木』) |
| 2019 | 3 / 15 | 放送による問題(少子高齢化と人口ピラミッド) | 物語(戦後の沖永良部島・『神に守られた島』) | 説明文(知性と人生相談) |
(2016 年度は転写が 3 大問を 1 件にまとめてしまっていますが、設問番号が「問一〜問二」「問一〜問六」「問一〜問五」と 3 回振り直され、出典も 2 本あります。実体は他の年と同じ 3 大問なので、上表では 3 大問として扱いました。2019 年度大問 2 と 2016 年度大問 2 は資料の著者名の文字が読み取りにくいため、ここでは書名だけを載せています。)
同じ場所に同じ種類の問題が来るか — 大問 1 は放送を聞く問題
精読した 5 年(2010・2014・2015・2016・2019)のすべてで、大問 1 は「放送による問題」です。これは中学入試では珍しい形で、この学校の国語のいちばんの特徴と言ってよいでしょう。
- 冒頭の指示も繰り返されます。「放送は一度しか流れません。必要なことは、この問題用紙の余白に、メモをとってもけっこうです。」は 2014・2015 で同じ文、「(この問題は放送による問題です。)」は 2010・2014・2016・2019 で同じ文です。
- 「正しいことが書いてあれば〇、ちがうことが書いてあれば×、この話からは判断できないことなら△」という問い方が 2010・2014・2016 の 3 年で同じ形で出ます(原本の設問文を突き合わせて確認)。「聞いた話から判断できるか/できないか」を切り分けさせる問題です。
- 放送のあとに「聞いた意見をふまえて自分の考えを書く」作文が続く年があります(2010・2014・2016 の 3 年。2016 は「ごみ箱を増やすべきか」について二段落・75 字以上 150 字以内)。2019 は放送の内容を 15 字以内でまとめる形でした。
- 大問 2 は物語・随筆、大問 3 は説明文・論説文というならびが 5 年すべてで同じです。大問 1 放送/大問 2 文学/大問 3 説明文の 3 席が、精読した 5 年で動いていません。
頻出単元と問い方
- 抜き出し(はじめと終わりの五文字)が最も多く出ます。2015・2016・2019 で毎年複数問。「ただし、『や』『も』一字とします」という注が繰り返しつきます。
- 記述は 1 冊あたり 3 問前後で、長いものです。2016「百字以内」、2019「六行(九十字)をこえて、七行(百五字)以内」「八十字をこえて、九十字以内」。
- 漢字の書き取りは説明文の大問の冒頭にまとめて 5 問(2015 大問 3 問一、2019 大問 3 問一)。「送り仮名を書かなければならない場合もあります」の注つきです。
- 接続語の空欄補充(本文中の A〜C/a〜d に入る語を選ぶ)が 2015・2016・2019 の 3 年で共通しています。
- 記号選択・短答・記述がおおむね 4 : 4 : 2 の割合です。
しばらく出ていない単元(復活の警戒)
| 科目 | 単元 | 出た年 | 最終確認年度 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 水量とグラフ | 2015・2022 の 2 回 | 2022 | 2022 を最後に 3 年出ていない。仕切り・穴・ブロックを入れるといった条件つきで戻る可能性がある |
| 算数 | 立体(切断・展開図) | 2010・2016(大問 1 の展開図への書き込み) | 2016 | 大問としては長く出ていない。作図と結びつきやすい単元なので警戒したい |
| 算数 | 推理と論理のゲーム | 2018(数を交互に言うゲーム) | 2018 | ルールを読んで小さい場合で実験する手順は、規則性の大問と地続き |
| 算数 | 食塩水・濃度 | 2019(塩と砂糖のコップ) | 2019 | 以来 6 年出ていない |
| 理科 | てこ・実験用てこ | 2018 大問 5・2020 大問 2 | 2020 | 大問としては 5 年出ていない(2024 大問 1 ではさみの力点が 1 問出たのみ) |
| 理科 | 燃焼 | 2017 大問 3(かんの中で木を燃やす) | 2017 | 8 年出ていない |
| 理科 | 人体・消化 | 2015・2020・2024 大問 1(血液の流れ) | 2020(大問として) | 大問としては 2020 が最後で 5 年空いている |
| 理科 | 月の満ち欠け | 2016・2019・2022 | 2022 | 3 年おきに出ており、2022 を最後に 3 年空いた |
| 理科 | 地層・流水 | 2023(火山灰)・2024(山から海への川) | 2024 | 2 年続いたあと 2025 は出ていない |
| 社会 | 四大公害病 | 2016 大問 4 問 5 | 2016 | 9 年出ていない。環境の記述と結びつきやすい |
| 社会 | 領土をめぐる問題 | 2017(他国との問題が起きている場所) | 2017 | 8 年出ていない |
| 社会 | 史料や人物カードそのものを読ませる形 | 2016(人物カード)・2019(資料)・2020(人物 A〜D) | 2020 | 2022 年度以降は年表に一本化されている。戻れば大問 1 の入口が変わる |
| 社会 | 地形図・白地図以外の地図の読図 | 精読した年に見当たらない | 該当なし | 都道府県の同定は毎年出るが、等高線や地図記号を読む形は出ていない。出れば新しい形になる |
| 社会 | 選挙・地方自治 | 2016(選挙制度)・2018・2021(地方自治) | 2021 | 以降、大問 1 の末尾は国会・内閣・裁判所と国際に寄っている |
- 国語は資料が 5 年分しかないため、周期を語れるだけの材料がありません。ここでは「放送の大問が 5 年すべてにある」ことだけを確かなものとして扱い、単元の復活は論じていません。
形式面の注意
4 科目共通
- 試験時間と配点はどこにも書かれていません。問題冊子にも解答用紙にも、学校が公表している募集要項にも記載がありません。過去問を解くときは、小問数(算数 15 問前後・理科 25 問前後・社会 30 問・国語 15 問前後)から自分で目安を決めるしかありません。
- 記述に字数指定があるのは国語だけです。理科・社会の記述に字数指定は精読した年に無く、解答欄の広さで分量が決まります(国語の指定の形は下の国語の項に書きました)。
- 作図は算数と理科の両方にあります。算数は精読した 11 年すべて(コンパスと定規・線を消さずに残す)。理科は年によります(グラフの続き・回路図・食物連鎖の矢印)。
- 「2 つ選び」が社会に非常に多く出ます。2025 年度の社会大問 1 は 20 問中 9 問。片方だけでは点にならない前提で練習したいところです。
- 書き出しや使う語を指定してきます。社会 2025「都心部では郊外に比べて」に続けて、理科 2023「川砂は__のに対して、火山灰は__から。」、理科 2025「『熱』と『電気の量』を使って」、国語 2016「〜という結論」で終わるように。
- 円周率は問題文の中で指定されます。2023 年度の算数は「円周率は 3 とします」と指定したうえで、後半でその近似がどれだけ答えを変えるかを考えさせました。円周率が問題文中で指定されることを前提に、指定を読み落とさない練習が要ります。
算数
- 作図の指示文が長いので、「何を使ってよいか(コンパス可・定規のみ)」を線を引く前に確認する癖をつけておきたいところです。
- 小問数は 11〜25 と年による差が大きくなっています(2017 年度は大問 4 だけで 13 小問)。年度通しで解くときは、大問 1 を先に片づけて残り時間を長い大問に充てる配分が現実的です。
理科
- 計算問題は少なく、公式の暗記より「表・グラフから読み取って言葉にする」ことが問われます。
- 前年の出来事が題材に入ることがあります(2023 大問 3 は「2022 年の夏に桜島で爆発的な噴火が起こり」から始まります)。ただし精読した 10 年で毎年ではないので、時事対策を最優先にする必要はありません。
- 図・写真つきの小問が全体の 5〜6 割です。図が読めないと答えられない設問が多いので、過去問は図のある版で解きたいところです。
社会
- 文字種の指定は少ないものの、「カタカナ 3 文字」(2019)「カタカナ 4 文字」(2021)のように出ることがあります。
- 大問 2 では都道府県を番号で答えるのが基本です。白地図の番号(北海道が①、以下北から南へ)に慣れておくと速くなります。
- 図・写真つきの小問が全体の 3 割ほどです。統計資料(グラフ・表)の読み取りは大問 3 の入口にほぼ毎年あります。
国語
- 字数指定は明確にあります。「四十字以内」(2016)、「百字以内」(2016)、「十五字以内」(2019)に加え、行数と字数を併記する指定(「五行(七十五字)以上、七行(百五十字)以内」2016、「六行(九十字)をこえて、七行(百五字)以内」2019)が特徴です。解答用紙が行で区切られていて、行数を守ることが求められます。
- 書き出しと結びを指定してきます。「『私』がフナの買い取りを拒絶した後」で始まり「こと」で終わる四十字以内(2016)、終わりが「〜という結論」になるように百字以内(2016)。
- 記述の条件が【書くときの条件】として箇条書きで示される年があります(2010・2016・2019)。条件の読み落としが即失点になります。
- 古文・漢文は精読した 5 年に出ていません。
- 図表を読ませる設問が放送の大問に入ることがあります(2019 は人口ピラミッドのグラフ 4 つから選ぶ形でした)。
学年別ロードマップ
小 4(土台)
計算の正確さ・図形をかく手・音読と聞き取り・短い記述・漢字語彙の 5 本です。この学校で最終的に効く入口だけを挙げると、分数と小数の混じった計算(算数の大問 1 は 11 年すべて計算から始まります)、コンパスと定規で図をかくこと(作図が毎年あります)、人の話を聞いてメモを取ること(国語の大問 1 は放送です。ただし 2020 年度以降は国語の資料が無いので、直近の形は確認できていません → 資料の限界の節)、日本地図の都道府県の位置(社会の大問 2)。時間を計るのはまだ先でよいでしょう。
小 5(幅)
単元を一巡させる時期です。この文書の年度×大問の題材表を「小 5 で一度は触れておく単元リスト」として使えます。大問 2 以降が毎年作り直される学校なので、全分野をひととおり学び終える作業はここが本体になります。
週の形は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にして、次のように割り付けます。
- 平日 15 分×5 — 算数の単元を 1 日 1 つずつ、規則性 → 図形の移動 → 速さ → 約束記号(自分で決めた記号の計算規則・受験用教材の単元) → 水量、の順に回します。
- 週末 60 分(前半) — 理科の単元を、水溶液 → 電気 → 気象天体 → 生態系 → ふりこてこ、の順に一巡させます。
- 週末 60 分(後半) — 社会の通史を年表の形でたどり、あわせて理科と社会で「なぜそうなるか」を 2〜3 文で書く習慣をつけます(この学校は記述の題材が身のまわりのものなので、日常の「なぜ」を言葉にする練習がそのまま効きます)。
小 6(仕上げ)
「今からやるなら」の節の項目に集中します。過去問の解き方は 2 段構えにしたいところです。①同じ座席を縦に解く(算数の大問 1 だけを 10 年分、社会の大問 2 だけを 10 年分、国語の放送だけを 5 年分。ただし国語は 2020 年度以降の資料が無いため 5 年分が上限です → 資料の限界の節)、②年度通しで時間を計る(試験時間が公表されていないので、まずは 1 分あたり 1 問弱を目安に、社会 30 問・理科 25 問を通しで)。秋以降は、社会の大問 2 に備えてその年 1 年間のニュースを月ごとに整理する作業を毎月続けます。
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか
差がつくのは小 5 での全分野の一巡と、小 4 からの「手と耳」です。大問 2 以降が毎年新作なので、直前に過去問を詰め込んでも当たりません。逆に、コンパスで正確に図をかく・人の話を聞いてメモを取る・身のまわりのものの理由を言葉にする、という 3 つは短期間では伸びにくく、小 4 から積むと効きます。社会の「昨年のニュースを都道府県で覚える」だけは小 6 の 1 年で間に合います(毎年その年のニュースが対象なので、早く始めても対象が変わります)。
この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効くという意味です。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏・男女別学の区別は扱っていません。
出題の作りが近いとして挙がる上位 3 校は次のとおりです(かっこ内は男女)。
- 洗足学園中学校(神奈川・女子校) — 社会と理科の作りが近く、資料からの読み取りと記述の比重が似ています。算数は作りが離れます。
- 香蘭女学校中等科(東京・女子校) — 理科と国語が近く、長い文章を読ませる理科という点が共通です。
- 春日部共栄中学校(埼玉・共学) — 4 科目とも中くらいに近く、算数の近さは今回の 8 校で最も高くなっています。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
ただし、この学校でいちばん特徴的な「国語の放送問題」と「算数の作図」は、上の 8 校とは共有されていません。併願校の過去問で代わりに練習することはできないので、この 2 つはこの学校の過去問そのもので積む必要があります。
資料の限界
- 入試は 2 月 3 日の 1 回のみで、過去問データベースに載っているのも 1 回ぶんです。別の回と取り違える心配はありませんが、逆に「別の回と比べる」こともできません。
- 2026 年度の問題は 4 科目とも資料にありません。この文書の最新年度は 2025 年度です。
- 国語は 2020 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。2011〜2013・2017・2018 年度も同じです。精読できたのは 2010・2014・2015・2016・2019 の 5 年分だけで、この 5 年から先の変化は追えていません。国語の出典の著者名は、2016 年度大問 2 と 2019 年度大問 2 で資料の文字が読み取りにくく、書名だけを載せました。
- 算数は 2011〜2014 年度と 2021 年度、理科は 2021 年度の問題冊子が資料になく、社会は全年そろっています。年数が科目でそろっていないので、「何年連続」の数字は科目ごとに読んでください。
- 2016 年度の国語は、転写が 3 大問を 1 件にまとめてしまっています。設問番号が 3 回振り直され出典が 2 本あることから実体は 3 大問と判断し、そのように扱いました。同じ理由で、この年の「大問数が減った」ように見える数字は使っていません。
- 社会の都道府県の白地図の番号表記は、年によって ①〜㊷ / (1)〜(47) / ①〜㉰ と揺れています。導入文そのものは 11 年間同一なので、これは転写のときの丸数字の写し方の違いと考えられます。同じ導入文が別の文として数えられている箇所があるため、自動集計には注意が要ります。
- 図そのものは転写に含まれません。作図問題(算数)や図を読む設問(理科・社会)の細部は、設問文と図の説明文からの推定を含みます。図のある版の過去問で確認してください。
- 試験時間・配点が公表されていないため、時間配分の助言は小問数と設問文の量からの目安にとどめています。
- 同じ問題の使い回しは、精読した年の設問文を突き合わせたかぎり 4 科目とも見つかりませんでした。ただし精読していない年(とくに国語の 2020 年度以降)については何も言えません。
資料どうしの食い違い
- 試験時間と配点について、この学校の基本情報の表は「募集要項の該当項目がこの資料に入っていない」ことを理由に空けていますが、形式面の注意では原本にもとづいて「問題冊子にも解答用紙にも、学校が公表している募集要項にも記載が無い」と書いています。結論(この文書では時間・配点を示せない)は同じですが、根拠の出どころが違います。学校の公表資料で確認してください。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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