普連土学園中学校 の過去問分析
普連土学園中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
普連土学園中学校 過去問分析(2009〜2025 年度・4 科の回・最大 17 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都港区 |
| 男女 | 女子校 |
| 入試回と日程・科目 | 2 月 1 日午前 4 科(募集 50 名)/2 月 1 日午前 帰国生(算数・国語・作文・面接)/2 月 1 日午後 算数 1 科(20 名)/2 月 2 日午後 2 科(国語・算数・30 名)/2 月 4 日午前 4 科(女子 20 名)/2 月 4 日午前 帰国生(女子若干名) |
| 試験時間・配点 | 4 科の回(1 日午前・4 日午前)は算数 60 分 100 点・国語 60 分 100 点・理科 30 分 75 点・社会 30 分 75 点。算数 1 科は 50 分 100 点。2 科は国語 50 分・算数 50 分の各 100 点 |
| 帰国生入試 | 算数 60 分・国語 60 分(各 100 点)、作文 60 分、面接 15 分(作文・面接の配点は要項に記載がありません) |
| 面接 | 帰国生入試にだけ面接があります(一般の回に面接はありません) |
| 旧称 | 聖友女学校(1943〜1947・戦時中の改名)、普連土女学校(1947〜1948) |
上の表は 2027 年度の募集要項による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。分析したのは 4 科の回の問題だけで、算数 1 科の回・2 科の回・帰国生入試についてはそのまま当てはまりません(→ 4 節・13 節)。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- この学校は「同じ場所に同じ種類の問題が来る」学校です。ただし問題そのものは毎年作り直されていて、設問文の使い回しは見つかりませんでした。
- 算数は大問 1 が計算 3 問、最後の大問が会話文の穴埋めで、どちらも 2023〜2025 の 3 年とも同じ位置です。理科は物理 → 化学 → 生物 → 地学の 4 大問の順が 3 年とも同じで、大問 1 が物理なのは 2009〜2025 の 17 年に及びます。国語は問題一が論説・問題二が小説・問題三が漢字 10 問・問題四と問題五が語彙と知識という 5 大問の並びです。
- 社会だけは分野の座席(問題の置き場所)が決まっていません。ただし「長い文章か会話文を読んで下線部に答える」という作りは全大問に共通します。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1 の計算 3 点セット(分数小数の四則・くくる工夫計算・逆算)を毎日 3 分。
- 算数の最後の会話文の穴埋め大問を、途中で止まらずに通しで解く練習。
- 理科 30 分で 26 問・社会 30 分で 36 問という時間の厳しさを、時計を見ながら体に入れる。
今週やる 1 つ
- 2025 年度の算数の大問 1 と最後の会話文の大問だけを解いて、計算 3 問が 1 分で終わるか、会話文の空欄を最後まで埋め切れるかを確かめます。
注意
- 国語は 2019〜2023 年度と 2025・2026 年度の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いた国語の話は 2009〜2018 年度と 2024 年度のものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023・2024・2025) | 13 年 | 16 年(2009〜2025) | 図のある小問が 36%。図そのものは転写できないため、図の説明文からの推定を含みます。読み取り確度が低めの年が 16 年中 7 年(精読した 3 年はいずれも確度が高い) |
| 理科 | 3 年(2023・2024・2025) | 14 年 | 17 年(2009〜2025) | 図のある小問が 52% と多い。読み取り確度が低めの年が 17 年中 8 年(2023・2024 を含む) |
| 社会 | 3 年(2023・2024・2025) | 14 年 | 17 年(2009〜2025) | 導入の文章が長く(年 2000 字超)、資料の中身まで読めます。読み取り確度が低めの年が 17 年中 5 年(2024・2025 を含む) |
| 国語 | 3 年(2017・2018・2024) | 7 年 | 10 年(2009〜2018・2024) | 本文・設問とも読めます。2019〜2023 年度と 2025・2026 年度の問題文は資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い) |
収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 入試回について: 転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、回の区別ができません。試験時間と小問数から見て 4 科の回(2 月 1 日午前に相当)の問題と考えられますが、資料の上で確定はできません。算数 1 科(50 分)や 2 科(各 50 分)の回については、この分析はそのまま当てはまりません。
- 試験時間・配点(2027 年度募集要項の 4 科の回)は算数 60 分 100 点、国語 60 分 100 点、理科 30 分 75 点、社会 30 分 75 点です。理科と社会は 30 分ずつという点がこの学校の大きな特徴で、後述の「問題量に対する時間の厳しさ」はここから来ています。
- 「毎年」「〜年連続」は、原本で 3 年以上の反復を確認したものと、索引の集計で年数が確認できたものに限って書いています。
- 国語は 2019 年度以降の資料が 2024 年度の 1 冊だけなので、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
5. 一番大きな結論
普連土学園は「同じ場所に同じ種類の問題が来る」学校です。ただし問題そのものは毎年作り直されています。
精読した 3 年(国語は 2017・2018・2024)で、両年の設問文が同じという「問題の使い回し」は見つかりませんでした。算数で同じ言い回しが年をまたいで残るのは会話文の空欄を問う決まり文句(「会話文中の空欄◯にあてはまる数を答えなさい」)くらいで、中身は別物です。理科と社会では設問文の重なりが確認できませんでした。
一方で、どの位置に何が来るかは驚くほど安定しています。
- 算数: 大問 1 は計算 3 問(分数小数の四則・くくる工夫計算・逆算=□にあてはまる数を求める計算)で、この 3 点セットの順番まで 2023〜2025 の 3 年とも同じです。索引の集計では大問 1 が計算なのは 2017〜2025 の 9 年に及びます。大問 2 は「次の問いに答えなさい」の小問集合(3 年連続)。最後の大問は会話文の穴埋め(3 年連続)で、ここだけで小問の 3〜5 割を占めます。
- 理科: 大問 4 つが物理 → 化学 → 生物 → 地学の順(3 年連続)。索引の集計では大問 1 が物理なのは 2009〜2025 の 17 年、大問 3 が生物なのは 2021〜2025 の 5 年、大問 4 が地学なのは 2020〜2025 の 6 年。分野の座席(問題の置き場所)がほぼ決まっています。
- 国語: 大問 5 つが論説 → 小説 → 漢字 10 問 → 語彙・知識 → 語彙・知識の順(資料のある年では 2011 年以降ずっと 5 大問)。問題三の漢字は「次の①〜⑩の──線部のカタカナは漢字に、漢字はひらがなにそれぞれ直しなさい」という同じ一文で、書き取り 5・読み 5 の配分まで揃います。
- 社会だけは席が決まっていません。4 大問という数は安定していますが、どの大問がどの分野かは年ごとに違い、3 年以上続く並びは見つかっていません。ただし「長い文章か会話文を読んで下線部に答える」という作り自体は全大問に共通します。
したがって過去問の使い方は、①同じ位置の問題を年度をまたいで縦に解く(算数の大問 1 と最終大問、理科の大問 1、国語の問題三〜五)、②時間の使い方を身につける(理科・社会は 30 分で 26 問・36 問)の 2 つに近くなります。「出る問題を覚える」使い方はどの科目でも効きにくい学校です。
科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数 | 高い。大問 6・小問 15〜28・60 分。大問 1 の計算 3 問と最終大問の会話文は 3 年連続 | 数の性質・規則性・場合の数が厚い。会話文の誘導に乗って、小さい場合を試し規則を見つける作業が中心 | 会話文の穴埋めを最後まで走り切る練習と、大問 1 の計算 3 点セットの速さ・正確さ |
| 理科 | 高い。大問 4・小問 24〜32・30 分。物理 → 化学 → 生物 → 地学の順は 17 年規模で安定 | 単元は広く薄く散る。その場で説明された仕組みを使う問題(標識再捕獲・体表面積・ユルストローム図)が各年に入る | 30 分で 26 問を解く速さと、理由を 1〜2 文で書く練習(3 年連続で 1〜2 問) |
| 社会 | 中程度。大問 4・小問 33〜41・30 分。分野の並びは決まっていない | どの大問も長い文章か会話文が入口。1 つのテーマの中で地理・歴史・公民が入れ替わる。前年の出来事が題材の入口になる | 30 分で 36 問の処理速度と、30〜35 字の短い記述(3〜4 問)を決まった形にすること |
| 国語 | 高い。大問 5・小問 43〜50・60 分(資料のある年に限る) | 論説(言葉・教育)+小説(思春期)+漢字 10 問+語彙と知識の 2 大問。記述は字数指定なしで 7〜9 問 | 語彙・知識の 2 大問の幅(慣用句・接頭語・季語・敬語・部首)と、字数指定のない記述を書き切る練習 |
科目ごとの競技を一言でいうと、算数は「誘導に乗って走り切る」、理科は「速く読んで書く」、社会は「速く処理して短く書く」、国語は「量を読んで量を書く」。4 科すべてで問題数が多く、時間が短いのがこの学校の共通項です。
6. この学校らしさが出る場所
- 会話文で問題を作りながら進みます。算数の最終大問(3 年連続)は「町子:今日はこんな問題を考えてみましょう」から始まり、登場人物が小さい場合を試して規則を見つけるまでを実演します。社会でも会話文の大問が 3 年とも入り、2025 は会話の空欄に入るせりふを自分で書かせる設問までありました。「一人で解く」より「対話をたどる」形が好まれているように見えます。
- 登場人物の名前が科目をまたいで共通します。算数の「町子」「友子」、理科の「友子さん」(2023・2025)、社会の「友子」(2023・2024・2025)。同じ生徒が 4 科の問題の中を歩いているような作りで、これは 3 年分の原本で確認できました。
- 社会に女性・人権・多様性の題材が続きます。2023 はマイクロアグレッション(「女の子なのに理科や算数が得意なのはすごいね」という文に隠れた偏見を説明させる)とユニバーサルデザインの書体、2024 はインクルーシブ公園・子どもの権利条約・地方議会の女性議員比率、2025 は日本初の女性弁護士(三淵嘉子)を軸に男女雇用機会均等法・女性が就任した役職・司法分野の女性割合。3 年連続で正面から扱われています。
- 身近な場所・身近な物から入ります。2024 社会の大問 1 は「普連土学園の近くにある芝公園」が入口でした。理科もブロッコリー、コーヒーショップ、学園祭の装飾、里山の生物調査と、生活の中の題材が多く見られます。
- その場で仕組みを教えてから使わせます(理科)。標識再捕獲法(2023)、体積と表面積の比(2024)、ユルストローム図(2025)はいずれも問題文の中で説明され、そのまま使わせる形です。知識の量より、説明を読んで理解する速さが問われているように見えます。
- 国語の知識 2 大問。漢字とは別に、語彙・文法・敬語・季語・辞書の使い方から毎年 2 大問 15〜20 問が出ます。日本語そのものを幅広く扱う姿勢が一貫しています。
7. 今からやるなら(4 科目統合の優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に順番を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々の学習は基礎(計算の正確さ・図形・読解・短い記述・漢字語彙)を先に進めてください。学年別の道筋は 11 節にまとめました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 の計算 3 点セット — 3 年連続、索引の集計では 9 年。分数小数の四則 1 問・くくる工夫計算 1 問・逆算(□にあてはまる数を求める計算)1 問。工夫計算は 2024 が「202.4 × 280 − 20.24 × 1200 − 20240 × 0.6」、2025 が「2025 × 0.021 + 202.5 × 0.12 + 20.25 × 0.7」と、その年の西暦を桁ずらしで 3 つ並べる作りが 2 年続きました。「2026・202.6・20.26」のように同じ形を自作して練習すると当日 1 分で終わります。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・会話文の穴埋め大問を通しで解く — 3 年連続。2023 は 28 問中 14 問、2025 は空欄 13 個がこの 1 題に入っています。町子さん・友子さん・先生が問題を作りながら進むので、前の空欄の答えを次に使います。途中で詰まったときに前へ戻れるよう、書き込みながら読む癖をつけます。市販の過去問集でこの学校の最終大問だけを 3 年分続けて解くと、誘導の呼吸がつかめます。(確認: 〜2025 年度)
- あわせて規則性を図で増やす練習を(2021〜2025 の 5 年連続)。ねん土玉と棒(2023)、数の三角形(2024)、色紙を折る(2025)。「n 番目には何個」を式で言えるところまで。
- 軌跡の作図(2024・2025)。図形を転がしたときに点が描く線をコンパスで解答欄に描き、その長さを求めます。おうぎ形の中心角を正しく取れるかが勝負です。
- [週末 60 分] 理科 30 分で 26 問・社会 30 分で 36 問の配分練習 — 理科は知識の小問を止まらずに抜け、考える大問に時間を残します。理科の時間の短さは 4 科の中でいちばん効きます。社会は長文を全部読んでから設問に戻るのではなく、下線部に当たったらその場で解く読み方に切り替えます。どちらも時計を見ながら 3 年分。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 社会・短い記述を決まった形にする — 3 年連続で 3〜4 問。「10 字以上 15 字以内」(2023)、「35 字以内」(2024)、「30 字以内」(2025)と短く、資料の数値を 1 つ入れて理由を言い切ります。語群が指定される年もあり(2023「【母国 賃金 労働】をすべて用いて」)、語群を全部使う練習もしておきます。(確認: 〜2025 年度)
- 統計表から都道府県を当てる(3 年連続)。農業・工業・人口の主要統計を、県名と結び付けて覚えます。
- 地形図(2 年連続)。地図記号・等高線・方角・距離の 4 点。
- 前年の出来事を「入口」として押さえる。周年(芝公園 150 年、ラジオ 100 年)、法律の施行、統計の更新、スポーツ・国際会議。ニュースそのものより、そこから展開される地理・歴史・公民の知識が問われます。
- [毎日 10 分] 国語・漢字 10 問(書き 5・読み 5) — 問題三の一文は長年同じで、配分も同じです。訓読み(「快く」「障る」「適う」「潮時」)が半分を占めるので、書き取り偏重にしません。(確認: 〜2024 年度)
- [週 1 回] 国語・語彙と知識の 2 大問に幅を持たせる — 慣用句・ことわざと慣用句の助詞、同音異義語(同じ読みの漢字)、接頭語・接尾語、敬語の直し、俳句の季語、部首と画数。範囲を絞らないのがこの学校への構えです。市販の語彙問題集を 1 冊、範囲を絞らずに回します。(確認: 〜2024 年度)
- [週 1 回] 理科・理由を 1〜2 文で書く — 3 年連続で 1〜2 問。「〜だから」で終わる形に整え、直前の計算結果や表の数値を根拠として文中に入れます。(確認: 〜2025 年度)
- 初見の図・表を読む練習。標識再捕獲・表面積と体積・ユルストローム図のように、説明文つきの新しい道具をその場で使う問題に慣れます。
- 力学の計算(滑車・てこ・ばね・ふりこ)。大問 1 の物理は 17 年間その位置にあり、計算で差がつきます。
- 桁と単位の指定を読む。「小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで」「計算過程を示し」は毎年どこかにあります。
- [週末 60 分] 国語・字数指定のない記述を 7〜9 問書き切る — 解答欄の大きさが分量の指示です。「線部の言い換え+理由」で 2 文にまとめ、「二つ答えなさい」「三つ答えなさい」の個数指定を読み落とさないようにします。(確認: 〜2024 年度)
- 60 分で 45 問の配分。本文が長いので、問題三〜五の知識問題を先に片付けて記述に時間を残す解き方も試しておきます。
8. 科目別の詳細
「今からやるなら」「しばらく出ていない単元」「形式面の注意」は科目をまたいで 7 節・9 節・10 節にまとめてあります。この節は年度ごとの中身と、位置の固定の根拠です。
8-1. 算数(60 分・100 点・大問 6・小問 15〜28・作図あり)
年度×大問の題材表(2023〜2025・原本で確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 | 大問 6 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 計算 3 問(分数小数の四則・工夫計算・逆算) | 小問集合(7 で割ると 2 余る 3 桁/約束記号 A△B/長方形に円 4 つの斜線部分) | 速さとグラフ(点 P が B→C→D→E→F と動き三角形の面積が変化) | 規則性(ねん土玉と棒で正三角形を増やす) | 売買損益(原価・定価・利益をやりとりする文章題。原価 80 円の商品 150 個・2 割増の定価) | 会話文の穴埋め 14 問(サイコロの目だけ歩く人の移動・場合の数) | 28 |
| 2024 | 計算 3 問(同上・(2) は 202.4 と 20240 を使う工夫計算) | 小問集合(11 でも 23 でも割り切れる 4 桁の偶数/池の周りの反対回り/立体の対角線を展開図に描き入れる) | 割合(チョコレート 1 枚を 4 人で分ける・理由を書かせる記述 1 問) | 図形の移動(長方形が転がるときの点 A の軌跡の長さ) | 規則性(三角形状に数を並べる・20 段目の真ん中) | 会話文の穴埋め 9 問(コーヒーショップの値段・売買損益) | 22 |
| 2025 | 計算 3 問(同上・(2) は 2025 と 202.5 と 20.25 を使う工夫計算) | 小問集合(通過算=列車が鉄橋などを通り過ぎる時間/6 つの角が等しい六角形の辺の長さ/裏返すと別の数になるカード 4 枚) | 小問集合その 2(あまりを使う計算/5 つの記号を使う約束記号) | 角度と図形の移動(正三角形を正六角形・正九角形の内側で転がす・軌跡の作図 2 問) | 消去算(2 つの式を組み合わせて片方を消す解き方。りんごとみかん/3 種のケーキ) | 会話文の穴埋め 13 空欄(色紙を折って学園祭の装飾を作る・規則性) | 15 |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(3 年連続で確認)
- 大問 1 は必ず計算 3 問。しかも中身の並びまで揃っています。(1) 分数と小数の混じった四則計算、(2) 分配法則でくくる工夫計算、(3) □ を求める逆算。この 3 点セットが 2023・2024・2025 の 3 年とも同じ順でした。索引の集計では大問 1 が四則計算なのは 2017〜2025 の 9 年に及びます。
- (2) の工夫計算は 2024 が「202.4 × 280 − 20.24 × 1200 − 20240 × 0.6」、2025 が「2025 × 0.021 + 202.5 × 0.12 + 20.25 × 0.7」と、その年の西暦を桁だけずらして 3 つ並べる作りが 2 年続きました。2023 は「17 × 5.7 − 29 × 1.7 + 9.2 × 17」で西暦は使っていませんが、同じ数の並びを見つけてくくる作業は共通です。
- 大問 2 は「次の問いに答えなさい」で始まる小問集合(3 年連続)。数の性質・速さ・図形から 3 問が寄せ集められます。2025 は大問 3 も同じ形の小問集合で、寄せ集めの枠が 2 つになりました。
- 最後の大問(大問 6)は会話文の穴埋め(3 年連続)。町子さん・友子さん・先生といった登場人物が問題を作りながら進み、受験生は空欄①②③…を順に埋めていきます。この 1 題だけで小問が 9〜14 個あり、2023 は 28 問中 14 問、つまり小問の半分がこの大問でした。
- 大問数は 3 年とも 6。小問数は 28 → 22 → 15 と減っており、1 問あたりに使える時間は年々増えています(60 分で 15 問なら 1 問 4 分)。ただし 2025 の大問 6 は「空欄①〜⑬にあてはまる数や式を答えなさい」がまとめて 1 小問と数えられているので、実際に書く量は数字ほど減っていません。
頻出単元と周期(転写の分類・2009〜2025 の 16 年)
- 数の性質・規則性がいちばん厚い分野です(大問の主要単元として数えた比率で 27%)。次が場合の数と論理(18%)、計算(13%)、割合と文章題(12%)、速さ(11%)。
- 規則性は 2021〜2025 の 5 年連続で大問に入っています(2022 は 2 か所)。図形を成長させるもの(2023 ねん土玉、2025 色紙)と数を並べるもの(2024)の両方が出ます。
- 場合の数は 2021・2023・2025 と隔年で会話文の大問に入っています。
- 立体は 2020・2021・2022 に大問で出た後、2023〜2025 は大問としては出ていません(2024 は大問 2 の 1 小問として展開図が出ました)。
- 速さは 2023(グラフ)・2024(池の周り・小問)・2025(通過算・小問)と 3 年連続で顔を出しますが、大問 1 本を使ったのは 2023 だけです。
問い方のくせ
- 会話文で誘導するのがこの学校の看板です。「町子:今日はこんな問題を考えてみましょう」から始まり、登場人物が小さい場合を試し、表を作り、規則を見つけるまでを実演します。受験生は途中の数値と、ときどき式そのもの(2025「空欄にあてはまる数や式」)を埋めます。前の空欄が次の空欄の材料になるので、途中で 1 つ間違えると後ろが連鎖して崩れます。
- 答えは短答(語句や数値を短く答える形式)が 86〜89%。記号選択はほとんど無く(3 年で 2 問)、そのうち 1 問は 2024 の「『なる』『ならない』のうち正しい方を選びなさい」という 2 択でした。
- 理由を書かせる記述が 2024 大問 3(3)「チョコレートを最も多くもらえるのはだれですか。理由も述べなさい」に 1 問。3 年で 1 問なので毎年ではありませんが、答えだけでなく根拠を書く準備は要ります。
- 桁の指定が入ることがあります(2024 大問 4(2)「小数第 2 位を四捨五入して、小数第 1 位まで」)。
8-2. 理科(30 分・75 点・大問 4・小問 24〜32)
年度×大問の題材表(2023〜2025・原本で確認)
| 年度 | 大問 1(物理) | 大問 2(化学) | 大問 3(生物) | 大問 4(地学) | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 滑車(140 g のおもりと定滑車・動滑車の組み合わせ 4 通り・重心・ばねばかりの動的な測定) | マグネシウムと塩酸(発生気体のグラフ作図・過不足なく反応する量・発熱量をカロリーで計算) | 里山の生物調査(分類・捕獲法・標識再捕獲法でチョウの全体数を推定・シールを貼った個体だけ死んだ理由) | 太陽の動き(日長・冬至・緯度 36 度の南中高度・北極での太陽の通り道を作図・シドニー) | 26 |
| 2024 | ふりこ(釘で長さが変わる周期)・鏡の像の作図・手回し発電機と白色 LED | ロウと水の凝固・濃度の計算・硝酸カリウムの再結晶・密閉容器のロウソクが消える順 | 体積と表面積の比から寒冷地の動物が大きい理由を説明・うでとあしの筋肉・光合成の考察 | 堆積岩と凝灰岩・5 日間の気温と天気の記録から晴れた日の最低気温が低い理由・春分の地球の位置・月の南中高度 | 24 |
| 2025 | 滑車とばね・3 種類のてこ・豆電球の明暗の回路比較・エネルギーの移り変わり・音(雷までの距離・真空・ドップラー) | 実験器具の使い方(メスシリンダー・試験管・ピペット)・水溶液 4 種の判別・木片の乾留・塩酸と金属/大理石の気体 | ブロッコリーの食用部位・海の生態系の食物連鎖と遊泳形態・COVID-19 の病原体と白血球・ワクチンの有効率の計算 | 北斗七星と北極星・月の満ち欠け・ユルストローム図から河川の断面を推定・霜と最低気温・海風が吹く理由 | 32 |
同じ場所に同じ種類の問題が来る
- 大問 4 つ・物理 → 化学 → 生物 → 地学の順が 3 年とも同じでした。索引の集計では大問 1 が物理なのは 2009〜2025 の 17 年、大問 3 が生物なのは 2021〜2025 の 5 年、大問 4 が地学なのは 2020〜2025 の 6 年に及びます。つまり分野の座席が決まっている科目です。
- 大問 4 つは 17 年のうちほぼ全年(大問数の年ごとのばらつきは 0.27 と小さく、5 大問だったのは 2019 のみ)。小問は年 22〜32 で、平均 26 前後。30 分で 26 問なので 1 問 1 分強です。
- 物理の中身は年によって入れ替わりますが、滑車・てこ・ばねの力学が 2023・2025 に、電気が 2024・2025 に入ります。2025 の大問 1 は力学・電気・音を 10 問に詰め込む小問集合になっており、1 分野で 1 大問という作りではない年もあります。
頻出単元と周期(転写の分類・2009〜2025 の 17 年)
- 単元は広く薄く散ります(上位 3 群で 19% しか占めません)。特定単元の丸暗記では届きません。
- 生態系・食物連鎖は 2021〜2024 の 4 年連続で大問 3 に入り、2025 も小問で出ました。
- 熱と状態変化は 2021・2023・2024 の 3 年で大問 2 に入ります。
- 太陽は 2023・2024(小問)に、星・星座は 2025 に。地学の大問 4 は太陽・星座・気象・地層・流水を回しています。
- 人体は 2024(筋肉)・2025(免疫)と 2 年連続です。
問い方のくせ
- その場で与えられた表・グラフ・見慣れない図を読んで考える問題が各年に入ります。2023 の標識再捕獲法、2024 の体積と表面積の比、2025 のユルストローム図はいずれも小学校で習う知識では答えられず、問題文の中で説明された仕組みをその場で使わせます。
- 理由を説明する記述が 3 年とも 1〜2 問。2023「温度が下がる理由として考えられることは何ですか」「なぜシジミチョウだけシールを貼った個体が死んだのかを考え、理由を説明しなさい」、2024「寒冷地域の動物が大型である理由を(1)から推定し、説明しなさい」「よく晴れた日の最低気温が低くなりやすい理由を説明しなさい」、2025「晴れた昼間は海風が吹くことが多いのはなぜでしょうか」。直前の小問の結果を使って説明させる形が多く見られます。
- 計算過程を書かせる指定が 2023(発熱量)・2024(濃度)の 2 年。「計算過程を示し、小数第 1 位を四捨五入して整数値で答えなさい」のように、桁の指定とセットで来ます。
- 記号選択は「すべて選び」「2 つ選び」「正誤の組み合わせを(あ)〜(く)より 1 つ」など、当てずっぽうが効きにくい形です。選択肢が (あ)〜(た) と 20 個並ぶ年もあります(2023 の時刻)。
- 解答欄の語句を丸で囲む形式が 2024 に 3 か所(「高い、低い、同じ、のいずれかを丸で」「(ア)(イ)にあてはまる語句を選び、解答欄を丸で囲みなさい」)。
8-3. 社会(30 分・75 点・大問 4・小問 33〜41)
年度×大問の題材表(2023〜2025・原本で確認)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 会話文「急がば回れ」の語源と琵琶湖(湖の成因・中大兄皇子・工業用水の資料・県庁所在地を漢字で・いわし漁の漁法・風土記) | ウクライナ侵攻と難民(UNHCR 小麦の収穫量 円安 消費税と所得税のグラフ 核兵器の条約 マイクロアグレッション ユニバーサルデザインの書体) |
会話文+政治の中心地の表(鎌倉の地形・江戸幕府が大きな川に橋をかけなかった理由・北斎の浮世絵から方角・瀬戸内のセメント) | 在留外国人数の資料 2 種(ブラジル・東南アジアの増加理由を語群を使って説明・単純労働の受け入れと人口問題) | 33 |
| 2024 | 芝公園 150 年(学校の近くの公園が入口。 上野公園周辺の地形図 後藤新平と震災復興 児童公園から街区公園への改称理由 インクルーシブ公園 こども基本法 都県別歳入 女性議員の割合) |
九州地方(政令指定都市の数 シラス台地 島の同定と地図上の位置 金印 文化史の並べかえ 元寇と白村江の並べかえ 水俣病 SDGs 未来都市) |
相手国別貿易額 A〜H の同定(ODA・有田焼と李参平・日米修好通商条約の代表者・1860 年代の最大貿易相手国) | 会話文「外国人観光客が戻ってきた」(オーバーツーリズム・ドーナツ化現象・北方領土・35 字以内の説明・現存天守・織田信長) | 41 |
| 2025 | 三淵嘉子(日本初の女性弁護士)と司法(憲法の条文の空欄 新潟家庭裁判所周辺の地形図 高田の雨温図 三審制 男女雇用機会均等法 UNHCR 生存権 ストライキ 都知事選の年代別投票率 司法分野の女性割合のグラフから会話文の空欄を作文) |
ブロッコリーが指定野菜に(4 道県の統計表から同定・小豆島のオリーブ・渋沢栄一・大政奉還・空海) | ラジオ放送 100 年(1920 年までの日米関係 瓦版と寺子屋 米騒動の記事削除命令の理由 工業地帯の出荷額内訳 半導体 家電の普及率 ハザードマップ) |
会話文「夏休みの旅行」(時差・避難施設を 30 字以内で説明・オリンピック開催都市・地図上の国の位置・日本国憲法の条文・三内丸山遺跡) | 36 |
同じ場所に同じ種類の問題が来るか
- 大問は 3 年とも 4 つ(17 年では 3 か 4)。どの大問も「長い文章か会話文を読んで下線部について答える」という作りで、これは 3 年とも全大問に共通します。地理の大問・歴史の大問という分け方をせず、1 つのテーマの中で地理・歴史・公民が入れ替わります。
- 索引の集計でも、社会には 3 年以上続く「この位置にこの分野」という並びは見つかっていません。分野の座席は決まっていない科目です。ただし「会話文の大問が 1 つ以上入る」ことは 3 年連続で確認できます(2023 大問 1・大問 3、2024 大問 4、2025 大問 4)。
- 小問は 33〜41 問。30 分で 36 問前後なので、1 問にかけられるのは 50 秒ほど。長文と資料を読む時間を差し引くと、知識問題は即答が前提になります。
頻出単元と周期(転写の分類・2009〜2025 の 17 年)
- 憲法・政治(16%)、古代〜中世(14%)、近現代(14%)、産業(11%)、社会・環境・世界(10%)とほぼ均等です。細かくは「近代の戦争と大正・昭和前期」「三権分立・国会・内閣・裁判所」がそれぞれ 7% で最多。
- 近代(明治〜昭和前期)は 2023〜2025 の 3 年とも登場しました(2023 大問 2 の空欄、2024 大問 3 の講和条約、2025 大問 3 の米騒動)。
- 国際社会・国際協力は 2020・2022・2023(2 か所)・2024・2025 と繰り返し出ます。UNHCR は 2023・2025 の 2 年で問われました。
- 地理は都道府県・地域の同定(統計表から県を当てる)が定番です。2023 は県庁所在地、2024 は九州の島、2025 は 4 道県の農業統計。
- 時事語彙は年 12 語ほど(17 年の中央値)。前年の出来事が大問の入口になる作りが 3 年とも続いています。
問い方のくせ
- 記述が 3〜4 問(2023 年 4 問、2024 年 4 問、2025 年 3 問)。字数指定がある年とない年が混じり、指定がある場合は「10 字以上 15 字以内」(2023)、「35 字以内」(2024)、「30 字以内」(2025)と短いものです。17 年のうち 71% の年に字数指定があります。
- 記述の中身は理由や意味の説明で、資料の読み取りとセットになります。「次のグラフから読み取れることをふまえて説明しなさい」(2024)、「<資料 2>を参考に次の語群の語句をすべて用いて説明しなさい 語群【母国 賃金 労働】」(2023)のように、使う材料を指定されることが多くあります。
- 2025 大問 1 問 10 は会話文の空欄に入るせりふを自分で考えて書くという形でした。
- 記号選択は 46〜53% で、「誤っているものを 1 つ」が主力。並べかえ(年代順)も 2024 に 2 問。
- 短答は 36〜39%。「漢字で正しく答えなさい」「漢字 2 字で」「カタカナで」「算用数字で」と書き方の指定が細かく入ります。
- 地形図の読図が 2024・2025 の 2 年連続(三重県上野公園周辺、新潟家庭裁判所周辺)。地図記号と等高線を読む練習が要ります。
8-4. 国語(60 分・100 点・大問 5・小問 43〜50)
資料について: 国語は 2019〜2023 年度と 2025・2026 年度の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。ここに書いたのは 2009〜2018 年度と 2024 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。設問文を精読したのは 2017・2018・2024 の 3 年分です。
年度×大問の題材表(2017・2018・2024・原本で確認)
| 年度 | 問題一(論説) | 問題二(小説) | 問題三 | 問題四 | 問題五 | 小問数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 藤原智美『検索リカ』(高齢者がキレやすい理由と対話する力・ケータイメール) | 江國香織「鬼ばばあ」(時夫と養老院のトキさん) | 漢字 10 問 | 慣用句の空欄にひらがな 1 字(「あきらめ( )つく」「念頭( )置く」) | 敬語・言葉づかいの誤りを直す会話文 5 問 | 45 |
| 2018 | 教育力と向上心(学歴と個性・積極的受動性・ギルガメシュ王ものがたり) | 中学受験の塾に通う小 4 の「僕」と近所の「有村さん」 | 漢字 10 問 | 同じ読みの漢字 1 字(「( )は仁術」「虎の( )を借る狐」) | 俳句 10 句から季語を抜き出す(正岡子規・高浜虚子・小林一茶ほか) | 48 |
| 2024 | 個性をめぐる論(日本の「個性を発揮すべきだ」と海外の競争観) | 競馬の実況者を目指す従姉妹と「わたし」(仲間外れ・九島さん) | 漢字 10 問 | 接頭語・接尾語(「こころ→真心」の形を 10 問) | 漢和辞典の部首索引(部首名とそれを除いた画数) | 43 |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(資料のある年に限れば強い)
- 大問 5 つの並びが固定されています。問題一が論説、問題二が小説、問題三が漢字、問題四・五が語彙と知識。資料のある 10 年のうち 2011 年以降はすべて 5 大問で、大問数のばらつきは 0.28 と小さいものです。
- 問題三は「次の①〜⑩の──線部のカタカナは漢字に、漢字はひらがなにそれぞれ直しなさい」という同じ一文で始まります。この文言は 2011・2012・2014〜2018・2024 の資料に共通し、原本で読んだ 2017・2018・2024 の 3 年でも同じでした。しかも 10 問すべてが書き取り 5・読み 5 の配分で 3 年とも一致します。同じ問題が出るのではなく、同じ形の問題が同じ場所に出るという意味で、この学校でいちばん確実な席です。
- 問題四・問題五は語彙と知識の 2 大問で、位置は固定ですが中身は毎年入れ替わります(慣用句/同音の漢字/接頭語・接尾語/敬語/季語/部首索引)。知識の出題範囲が広いので、漢字だけを固めても 2 大問 15〜20 問には届きません。
- 小問は 43〜50 問と多く(資料のある 10 年の中央値 45)、60 分で 45 問前後です。本文の量も年 9000 字を超えます。読む速さがそのまま点になります。
問い方のくせ
- 記述が 7〜9 問(2017 年 9 問、2018 年 7 問、2024 年 9 問)。ほぼすべてが「説明しなさい」で字数指定がありません(資料のある 10 年で字数指定のある冊は 0%)。解答欄の大きさが分量の目安になります。
- 記述の中身は理由説明が最も多く(「それはなぜですか」)、次いで心情説明(「この時の『わたし』はなぜ『肩の重荷が下りた』のですか」2024)、内容説明(「どのようなことが『信じられない』のですか。二つ答えなさい」2024)です。
- 「二つ答えなさい」「三つ答えなさい」と答えの個数を指定する設問が 2017(2 か所)・2024(1 か所)にあります。
- 抜き出しには字数指定が付きます(2018「十二字で抜き出して」「二十二字で抜き出して」、2024「十字以上十五字以内で抜き出して」)。
- 記号選択は 12〜18% と少なめです。空欄に入る接続語を選ぶ問題(2017・2018・2024 の 3 年とも問題一の問一)と、最後の「本文の主張として最も適当なもの」(2017・2018)が定位置。
- 短答が 62〜73% を占めますが、その大半は問題三〜五の漢字・語彙です。
出典の傾向(資料のある年)
- 論説は言葉・コミュニケーション・教育をめぐる新書が多く見られます。姜尚中『ニッポン・サバイバル』(2009)、鷲田清一『「語り」と「声」』(2011)、北川達夫『不都合な話し方』(2012)、堀井憲一郎『いつだって大変な時代』(2016)、藤原智美『検索リカ』(2017)。2024 も個性と競争をめぐる論でした。
- 小説は子ども・思春期の関係を描く現代作家です。青木和雄『ハードル』(2009)、まはら三桃『たまごを持つように』(2010)、森浩美「晴天的万国旗」(2015)、瀬尾まいこ「狐フェスティバル」(2016)、江國香織「鬼ばばあ」(2017)。2018・2024 も同じ路線でした(中学受験をする小 4 の男の子、仲間外れにされた「わたし」)。
- 主人公が小学生・中学生で、大人や年上の他者との関わりで変わる話という共通点があります。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
「最終確認年度」は、その単元の状況を資料で確認できている最後の年度です(算数・理科・社会は 2025 年度、国語は 2024 年度で止まっています)。
| 科目 | 単元 | 最後に大問で出た年 | 最終確認年度 | 見立て |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 立体図形(切断・体積) | 2022 | 2025 | 2020・2021・2022 と 3 年続いた後、3 年空いています。2024 に展開図が小問で戻ってきているので、大問として復活しても不思議はありません |
| 算数 | 水量とグラフ | 2020 | 2025 | 5 年空いています。会話文の大問に取り込む形でも出せます |
| 算数 | 仕事算(全体を 1 とみて考える)・過不足算(余りと不足から人数を求める)(受験用教材の単元) | 2021 | 2025 | 4 年空いています |
| 算数 | 速さとグラフの大問 | 2023 | 2025 | 2 年空きました。グラフを読む・描く練習は切らさないこと |
| 理科 | 気体の性質 | 2020 | 2025 | 2018・2020 と大問 2 に入っていました。2025 は小問で登場 |
| 理科 | 地震・火山 | 2020 | 2025 | 5 年空いています。地学の回転から見て順番が来ています |
| 理科 | こん虫・動物の分類 | 2017 | 2025 | 2025 に小問で戻りました |
| 社会 | 環境問題・環境政策 | 2020 | 2025 | 2019・2020 と 2 年続いた後 5 年空いています。2024 に水俣病と SDGs、2025 にハザードマップが小問で出ており、大問として戻る余地があります |
| 社会 | 選挙制度 | 2021 | 2025 | 2024・2025 は小問で出ています |
| 社会 | 人口・都市問題 | 2021 | 2025 | 少子高齢化は記述の材料として 2023 に出ました |
| 社会 | 財政・税・社会保障 | 2012 | 2025 | 長く大問になっていません。2023 に消費税のグラフが小問で出ました |
| 国語 | 俳句・季語 | 2018(2014 にも大問 1 つ分) | 2024 | 知識の 2 大問はテーマを毎年変えるので、いつ来てもおかしくありません |
| 国語 | 文法(品詞・活用) | 2017(2009・2012・2017 に出題) | 2024 | 季語・文法(品詞)・熟語の構成・敬語のどれが来ても対応できる状態に |
| 国語 | 熟語の構成 | 2011(2009・2011 に大問) | 2024 | 同上。長く出ていません |
- 理科の実験器具の操作は 2010 と 2025 の大問 2 に出ています。15 年空いてから戻った例なので、「もう出ない」と決めつけない材料になります。
- 「周期が来たから出る」という意味ではありません。知識の穴を残さないための一覧として使ってください。
10. 形式面の注意
- 理科 30 分・社会 30 分(4 科の回)。理科は 24〜32 問、社会は 33〜41 問なので、いずれも 1 問 1 分未満です。時間配分の練習が単元の補強と同じくらい重要になります。
- 算数に作図があります(2023・2024・2025 の 3 年連続)。図に矢印を描く、展開図に線を入れる、点が動いてできる線を描く。2023 は会話文の中で「3 回目から 5 回目までの矢印を解答欄の図にかきなさい」「6 回振ったときに最初の地点に戻る図をかきなさい」の 2 問、2024 は「立体の 3 つの面の対角線を展開図に書き入れなさい」、2025 は「点 P が動いてできる線を解答欄の図にかきなさい。また、その長さも求めなさい」が 2 問。描いた線の長さも同時に問われる(2025)ので、作図が単なる図示で終わりません。コンパスと定規を使う手が要ります。
- 理科にも作図があります(2023 に 2 問=グラフと太陽の通り道、2024 に 1 問=鏡の像)。2025 は無しでした。
- 社会に作図はありません(17 年で確認されていません)。
- 字数指定は社会だけに多く(17 年の 71% の年にあり、30〜35 字が中心)、国語の記述には字数指定がなく、解答欄の大きさが目安になります。算数・理科の記述にも字数指定はありません(算数は字数指定のある冊が 0%)。
- 桁と単位の指定が算数・理科に細かく入ります(「小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで」「計算過程を示し、小数第 1 位を四捨五入して整数値で」)。
- 書き方の指定が社会に多く入ります(「漢字で正しく答えなさい」「漢字 2 字で」「カタカナで」「算用数字で」)。
- 解答欄の語句を丸で囲む形式が理科にあります(2024 に 3 か所)。
- 円周率の指定は転写では確認できませんでした。市販の過去問集で確認してください。
- 答え方の割合: 算数は短答 86〜89% で記号選択がほとんどありません。理科は記号選択の比率が年で大きく動き(2023 は 31%、2024 は 50%、2025 は 75%)、2025 は記号選択が主軸になりましたが、これが続くかは 1 年分では言えません(理科の短答は 19〜50%、記述は 3〜8%)。社会は記号選択 46〜53%・短答 36〜39%、国語は記号選択 12〜18%・短答 62〜73% です。
- 図の量: 図のある小問は算数 36%・理科 52%。算数は図の中に長さや角度が書き込まれており、問題文だけでは解けません。理科は回路図・実験装置図・グラフが多く見られます。社会は図表のある小問が 20% ほどですが、大問の導入部に長い文章と資料が置かれる(導入文が年 2000 字超)ので、読む量そのものは多くなります。社会の資料は統計表・グラフ・地形図・雨温図・浮世絵・写真と幅広く、写真から答えを作る問題(2024 のインクルーシブ公園のすべり台)もあります。
- 理科に時事的な題材が入ることがあります(2025 の COVID-19 とワクチンの有効率)。ただし前年の出来事を年号ごと問う作りではありません。
11. 学年別ロードマップ
| 段 | 何をするか | この学校での重み |
|---|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(分数・小数・逆算)、図形(正多角形の内角、円とおうぎ形)、読解(線部の言い換えを口で言う)、短い記述(理由を 1 文で)、漢字と語彙の 5 本。この学校で最終的に効く入口は「式を見て共通の数を探す」「小さい場合を書き出して表にする」「慣用句・ことわざを日常語として覚える」の 3 つです | 差はほぼありません。時間計測はまだしません。ただし語彙は早いほど有利です(国語の知識 2 大問は範囲が広く、短期では埋めにくい) |
| 小 5(幅) | 1 週間の割り振りは「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の計算と国語の漢字・語彙にあて、週末 60 分は理科・社会の一巡と国語の記述 1 本にあてます。単元の順番は、算数が 8-1 の題材表を「小 5 でひととおり学び終える単元リスト」として使い、数の性質 → 規則性 → 場合の数 → 割合 → 速さ → 図形の移動 → 立体の順に進めます。理科は 4 分野をまんべんなく(力学の計算 → 水溶液 → 生態系 → 天体)。社会は地理の統計と通史を一巡し、都道府県を統計表から当てる練習を始めます。国語は論説と小説を 1 本ずつ、記述を「言い換え+理由」で書いて直してもらいます(ただし国語は 2019〜2023 年度と 2025・2026 年度の資料が無いので、直近の形式は市販の過去問集で補ってください → 13 節) | ここで幅を作ります。特に理科と社会は単元が広く薄く散るので、山を張ると当たりません。国語の語彙・知識もこの時期に土台を作ると小 6 が軽くなります |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目。夏以降は同じ位置の問題を年度をまたいで縦に(算数の大問 1 と最終大問、理科の大問 1、国語の問題三〜五)解くのが、この学校ではとても効きます。並行して年度通しで時間を計ります(理科 30 分・社会 30 分の厳しさは通しでしか体感できません)。国語だけは 2019〜2023 年度と 2025・2026 年度の資料が無いので、縦に解く材料は市販の過去問集で確認してください(→ 13 節) | 席が決まっている科目が多いので、縦に解く使い方の効き目が大きくなります。記述の直しは算数(理由を書く 1 問)・理科(1〜2 問)・社会(3〜4 問)・国語(7〜9 問)と全科目にあるので、添削の回数がそのまま効きます |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか: 小 5 の幅づくりと、小 6 の「縦に解く」演習の両方です。とくに国語の語彙・知識 2 大問(毎年 15〜20 問)と理科・社会の 30 分という時間は、直前の詰め込みでは届きにくいところです。逆に、算数の大問 1 と国語の問題三は形が長年変わっていないので、早くから同じ形を繰り返せば確実に得点源になります。会話文の誘導に乗る力(算数の最終大問)は、日頃から「解説を読んで納得する」のではなく「誘導の穴を自分で埋める」姿勢で問題に向かうと育ちます。
12. この学校と併願するなら(勉強が転用できるか、だけを見る)
観点は「同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら過去問演習が二重に効くか」だけです。難易度・偏差値帯・通学圏は見ていません(入試日程の重なりは表の注記をそのまま載せました)。数字は科目ごとの出題構造の近さ(0〜100・100 が最も近い)で、自動集計によるものです。同じ問題が出るという意味ではありません。
- 横須賀学院中学校(神奈川県・共学)— 理科がとくに近い相手です。国語は比較できません。
- 目黒日本大学中学校(東京都・共学)— 理科・社会が近い相手です。国語は比較できません。2027 年度は 2 月 1 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
- 東京都市大学等々力中学校(東京都・共学)— 社会が最も近く、算数も中程度以上の相手です。2027 年度は 2 月 1 日・2 日・4 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
国語で比較できる相手が少ないのは、多くの学校で国語の問題文が資料に載らないためです(著作権処理の関係)。国語の対策の転用先を探すなら麴町学園女子中学校・芝国際中学校・跡見学園中学校が候補になります。
この学校には算数 1 科の回(2 月 1 日午後・50 分)と 2 科の回(2 月 2 日午後・各 50 分)があります。併願先が 4 科目校の場合、理科・社会はこれらの回の準備とは別に立てる必要があります。また上の数字は 4 科の回の構造から作られているので、50 分 1 科の問題がどういう作りかは資料からは分かりません。
13. 資料の限界
- 入試回: 転写データは 1 年につき 1 冊しかなく、どの回の問題かが資料上は区別できません。試験時間と小問数から 4 科の回(2 月 1 日午前に相当)と考えていますが、確定はできません。算数 1 科(2 月 1 日午後・50 分)と 2 科(2 月 2 日午後・各 50 分)の回、および帰国生入試(作文・面接あり)については、この分析はそのまま当てはまりません。とくに算数 1 科は 50 分 1 本なので、大問 6 の構成とは別物である可能性が高いと考えられます。
- 国語の年: 2019〜2023 年度と 2025・2026 年度の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたことは 2009〜2018 年度と 2024 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。出典(著者・作品)も同じ制約を受け、資料に残っているのは 2017 年度までです。
- 図が読めない: 転写は設問文と図の説明文で、図そのものは入っていません。算数の図のある小問 36%、理科の 52% については、図の説明文からの推定を含みます。作図問題の解答欄の形も分かりません。
- 読み取り確度: 理科は 17 年中 8 年、社会は 17 年中 5 年、算数は 16 年中 7 年が、転写の読み取り確度が低めの年です。精読した 2023〜2025 のうち、理科 2023・2024 と社会 2024・2025 がこれに当たります。細かい数値(小問数など)は 1〜2 問ずれている可能性があります。
- 配点: 科目ごとの配点は募集要項から分かりますが、設問別の配点は問題冊子に印刷されていません(精読した年で確認)。どの設問が重いかは推測になるため、この分析では触れていません。
- 2026 年度: 算数・理科・社会・国語とも 2026 年度の資料がありません。ここに書いた「3 年連続」はすべて 2023〜2025 の話です。
- 「〜のように見える」と書いた箇所は、題材や設問の並びからの推測で、学校が公表した裏づけ資料はありません。
資料の中で食い違っている点
- 算数の資料は「2009〜2025」と幅で書いてありますが年数は 16 年で、この 17 年のうち 1 年ぶんが欠けています。どの年が欠けているかは資料からは特定できませんでした。
- 理科の小問数は、精読した 3 年では 24〜32 問、17 年の集計では 22〜32 問と下限が食い違います。大問・小問の数え方の粒度による差と考えられます。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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