安田学園中学校 の過去問分析
安田学園中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
安田学園中学校 過去問分析(2010〜2025 年度・4 科の回・原本で確認したのは科目ごとに直近 3 年)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都墨田区 |
| 男女 | 共学(2014 年度から共学化) |
| 旧称 | 安田商業学校、東京保善商業学校 |
| 入試回と日程・科目(2027 年度) | 先進特待第 1 回午前 — 2 月 1 日午前・適性検査 先進特待第 1 回午後 — 2 月 1 日午後・4 科・英語選択 先進特待第 3 回 — 2 月 2 日午前・4 科 先進特待第 4 回午前 — 2 月 2 日午前・適性検査 先進特待第 4 回午後 — 2 月 2 日午後・4 科 先進特待第 5 回 — 2 月 3 日午前・4 科(募集人員は 10 名・5 名の 2 区分) |
| 試験時間 | 4 科(国語・算数・理科・社会)は各 50 分、英語は 50 分。適性検査は適性Ⅰ 45 分・適性Ⅱ 45 分・適性Ⅲ 45 分 |
| 配点 | 第 1 回午後は国算理社各 50 点・英語 100 点。第 3 回は国語 100 点・算数 100 点・理科 50 点・社会 50 点。第 4 回午後と第 5 回は各 100 点。適性検査の回は各 100 点 |
上の表は 2027 年度の募集要項(学校の公表資料)による内容です。
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
このレポートが分析したのは 4 科の回の問題だけです。どの回のものかは資料からは分かりません(→ 4 節・13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 4 科すべてで「大問の何番目に何の分野が来るか」=座席(問題の置き場所)が固まっています。算数は大問 1 が小問集合、大問 3 が数の性質か規則性、大問 4 が立方体の切断で、精読した 3 年(2023〜2025)で同じです。
- 理科は大問 1 = 生物(資料のある範囲で 14 年)・大問 3 = 物理(9 年)、社会は地理 → 歴史 9 問 → 公民 7 問の並びが 3 年続いています。
- 資料の上では 2022 年度に問題の作りが変わりました(算数は大問 7 前後 → 4、理科は大問 4 → 3)。演習には 2022 年度以降を本番の形式として使います。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 4(立方体の切断)を 2022 年度以降まとめて縦に解きます。
- 社会の大問 2(歴史・9 問)を縦に解き、通史の穴をつぶします。
- 国語の漢字 10 問を毎日やります(大問 1 は 3 年とも 10 問で固定)。
今週やる 1 つ
- 直近 1 年分の算数の大問 4 を解いて、切り口の形を答える → 体積を求める → 途中式を書く、の流れが手から出てくるか確かめます。
注意
- 国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません。ここに書いた国語の話は 2019〜2021 年度のものです(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並び・単元・小問の数だけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2023〜2025) | 13 年(2010〜2022) | 16 年(2010〜2025) | 2024・2025 は高い。2023 は図の写りが悪く、大問 1 の最後(回転体)の図の数値が読み切れません |
| 理科 | 3 年(2023〜2025) | 12 年(2010・2012〜2022) | 15 年(2010・2012〜2025) | 3 年とも高い |
| 社会 | 3 年(2023〜2025) | 13 年(2010〜2022) | 16 年(2010〜2025) | 2024・2025 は高い。2023 は大問 1 問 2 の地形図の数値が読み切れません |
| 国語 | 3 年(2019〜2021) | 4 年(2014〜2017) | 7 年(2014〜2017・2019〜2021) | 3 年とも高い |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 2026 年度の資料はどの科目にもありません(資料は 2025 年度まで)。
- 国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたことは 2019〜2021 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
- 元になった過去問データベースは、1 つの学校の 1 つの年度・1 つの科目につき 1 冊しか収録していません。そのため入試回の区別ができません。2 月 1 日〜3 日に 4 科の回が 4 つと適性検査の回が 2 つあり(→ 1 節)、ここで扱っているのは 4 科の回のどれかであって、どの回かは資料からは分かりません。
- 4 科(国算理社)はいずれも試験時間 50 分。配点は回によって各 50 点の回と各 100 点の回があります(→ 1 節)。適性検査の回(適性Ⅰ〜Ⅲ・各 45 分 100 点)と英語の回はここでは扱っていません。
5. 一番大きな結論
この学校は、4 科すべてで「大問の何番目に何の分野が来るか」が決まっています。 精読した 3 年ぶんで確認できた並びは次のとおりです。
| 科目 | 固まっている座席 | 何年連続か |
|---|---|---|
| 算数 | 大問 1 = 小問集合((1)(2) は計算 2 題)/大問 3 = 数の性質か規則性/大問 4 = 立体、しかも立方体の切断 | 3 年(2023〜2025) |
| 理科 | 大問 1 = 生物/大問 3 = 物理。残る大問 2 だけが化学と地学で入れ替わる | 大問 1 の生物は 14 年(2012〜2025)、大問 3 の物理は 9 年(2017〜2025)。精読した 3 年でも確認 |
| 社会 | 大問 1 = 地理/大問 2 = 歴史(9 問)/大問 3 = 公民と前年の出来事(7 問) | 3 年(2023〜2025)。しかも大問 2 は 3 年とも 9 問、大問 3 は 3 年とも 7 問 |
| 国語 | 大問 1 = 漢字 10 問/大問 2 = 物語文/大問 3 = 説明文。小問の合計は 3 年とも 26 問 | 3 年(2019〜2021) |
ここで言う「座席(問題の置き場所)が固まっている」は、同じ問題が出るという意味ではなく、同じ種類の問題が同じ番号に来るという意味です。実際、精読した年の中で「同じ問題を作り直した」と言えるのは算数の 1 例だけです(2024 と 2025 の大問 4 が、どちらも「立方体の辺 AB と辺 AD の中点 P・Q ともう 1 つの頂点を通る平面で切る」で、1 辺の長さと 3 点目の頂点だけが違います)。ほかは毎年きちんと作り直されています。
したがって過去問の使い方は、「出る問題を覚える」ではなく「どの席にどんな球が来るかを知ったうえで、その単元の解き方を身につける」に近くなります。年度ごとに通しで解くのと並行して、算数の大問 4 だけを何年分か、社会の大問 2 だけを何年分か、と縦に並べて解くのが効率的です。
もうひとつ大きいのは、資料の上で 2022 年度に問題の作りが変わっていることです。算数は大問 7 前後・小問 20 だったものが大問 4・小問 16〜18 に、理科は大問 4 だったものが大問 3 になりました。演習に使うなら 2022 年度以降を本番の形式として扱い、それ以前は単元別の練習素材として使うのが安全です。
6. この学校らしさが出る場所
- 地元(墨田区・両国)と学校自身が問題文に出てきます。 社会 2024 の大問 2 は「墨田区にある刀剣博物館へ初めて行ったけれど面白かったわね」で始まる会話文、社会 2025 の大問 2 は「安田学園のある両国周辺には様々な史跡があり、両国公園内にある『勝海舟生誕の地の碑』もその一つです」で始まります。さらに算数 2025 の大問 3(干支の周期)にも「安田学園は 1923 年に創立されて、2025 年度はお祝い」という一文があります。社会と算数の両方で自校・地元を題材にしているのは、資料で確認できる範囲では特徴的に見えます。
- 理科は身のまわりの機械のしくみを説明させます。 IH 調理器(2023)、ガリレオ温度計(2024)、双眼鏡のプリズム(2025)。いずれも大問の最後に置かれ、しかも 2023・2024 は「下線部の誤りを見つけて正しく直す」形です。教科書の実験を覚えるだけでは届かない場所で、学んだ原理を身近な道具に当てはめて説明することを毎年求めているように見えます。
- 社会は「自分で考えて複数挙げる」記述で締めます。2023 は LRT が解決しようとしている課題を資料から読み取る、2024 は博物館・美術館が存続するための解決策を視点 1 について二つ・視点 2 について一つ、2025 はネット選挙運動のメリットを三つ。正解の暗記では書けない作りが 3 年続いています。
- 地球環境・大気が理科と社会の両方に出ます。理科 2024 の二酸化炭素と温室効果ガス、理科 2025 の地球 46 億年の大気の変遷、社会 2025 の異常気象と冷害・作況指数。科目をまたいで同じ話題に触れられます。
- 算数は立体を切る問題に厚みがあります。3 年連続で大問 4 が立方体の切断で、しかも 2024・2025 は同じ設定を作り直したものです。切り口の形を答えさせる設問(2023・2025)まで共通しています。
- 文化史・美術史が社会の歴史の入口になります。雪舟が 2023・2025 の 2 回、唐獅子図(2024)、沖縄の染物(2025)、水墨画、銀閣。政治史一辺倒ではありません。
7. 今からやるなら(優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、学年別の入り方は 11 節を見てください。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [週末 60 分] 算数・大問 4(立方体の切断) — 2022 年度以降まとめて縦に解きます。3 年連続(2023〜2025)で同じ席にあり、切り口の形を答える → 体積を求める → 途中式を書く、の流れも毎年同じです。ここが最も時間をかける価値の高い場所です。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 算数・大問 3(数の性質・規則性) — 約数の個数、約分できる分数の数え上げ、周期の逆引き(「2025 年は乙巳、では○年は」の形)の 3 系統を縦に解きます。あわせて、約束記号(自分で決めた記号のルールを読んで従う問題)の練習を。精読した 3 年中 2 年(2023 大問 3・2025 大問 2)にあり、ルールが 2 行で書かれ、そのまま適用 → 逆引きという流れです。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 算数・大問 1 — (1)(2) の計算を毎日 2 問。(2) は必ず「くくり出す・まとめる」工夫が仕込まれていて、素直に計算すると時間を失います。特殊算の枠(つるかめ算(個数を合計から逆算)など、受験用教材の単元)は、通過算・仕事算・つるかめ算・過不足算・売買損益・流水算・ニュートン算を 1 問ずつ。精読した 3 年で全部が別々に出ています。図形は「正多角形の角度」「おうぎ形と三角形の重なり」「折り返し」「転がる図形」を大問 1 レベルの小問で回します。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 社会・大問 2(歴史・9 問) — 3 年分縦に解きます。下線部から古代・中世・近世・近代・現代へ飛ぶので、通史の穴がそのまま失点になります。年表を「時代の順に並べる」練習を並行し、年代の並べ替えを毎週 1 問(3 年連続で出ています。細かい年号でなく、出来事どうしの前後関係で解けるように)。(確認: 〜2025 年度)
- [週 1 回] 社会・統計と地形図 — 統計表から都道府県を当てる練習をします。面積・人口・農業産出額・漁獲量・畜産の 5 種類が繰り返し出て、人口密度など計算させる設問もあります。上位県ごと覚えるのではなく「この県はこれが強い」の形で。地形図の読図(等高線・標高差・地図記号)も 1 冊分(2023 の大問 1 に出ています)。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 社会・「自分で考えて複数挙げる」記述と前年の出来事 — 3 年とも大問 3 の最後にあります(解決策を二つ、メリットを三つ、など)。資料に書いてある材料を組み替えて書く問題で、知識だけでは書けません。書き出しを「〜することで、〜できるから。」の形に決めておくと崩れにくくなります。前年の出来事は、6 年生の秋以降にニュースを 20 項目ほどまとめます。精読した 3 年では、LRT の開業(2023)、文化庁の京都移転(2023)、能登半島地震と南海トラフ地震臨時情報(2024)、アメリカ大統領選(2024)が使われました。(確認: 〜2025 年度)
- [週末 60 分] 理科・決まった席と記述・作図 — 大問 1(生物)と大問 3(物理)を年度をまたいで縦に解きます。席が決まっているぶん、この 2 枠だけは何が来るかを絞れます。実験の手順について「なぜこの操作をするのか」を 1〜2 文で書く・口で説明する練習を(理由記述は精読した 3 年で 1 問 → 3 問 → 6 問と増えています)。気体の性質(発生法・集め方・見分け方)は装置の絵が描けるところまで(2025 に作図が出ています)。「下線部の誤りを見つけて正しく直す」形式は、文章を 1 語 1 語照合する読み方に慣れておきます。二酸化炭素・温暖化・大気の組成はひとまとまりで(2024・2025 と 2 年続けて大問の骨格になっています)。地学(月の満ち欠け・星の日周運動と年周運動・地層と化石・天気)は、大問として出た年が少ない今のうちにひととおり。(確認: 〜2025 年度)
- [毎日 10 分] 国語・漢字と設問の読み方 — 漢字 10 問を毎日(大問 1 は 3 年とも 10 問で固定。読みは「去就」「寸評」「脳裏」「看過」「墓穴」「収拾」のような大人向けの熟語も出ます。読み取りの語彙帳を 1 冊決めて回します)。抜き出しは字数指定つきで練習します(「十八字で」「二十四字で、はじめと終わりの五字」のように範囲が細かいので、指定字数から探す場所を絞る練習が直接効きます)。「適当でないもの・合っていないものを選ぶ」設問は集めて解き、設問文の否定に印をつける習慣を。記述は 40 字・60 字の 2 サイズを決まった形にします(「〜という気持ち。」「〜ということ。」で結ぶ)。接続語と四字熟語は空欄補充で毎年出ます。説明文は日本文化・科学・哲学の 3 方向、物語文は小学生・中学生の友人関係で、素材文の傾向に合わせて読み慣れておきます。(確認: 〜2021 年度)
8. 科目別の詳細
8-1. 算数(大問 4・小問 16〜18。2023〜2025 年度を精読)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1(小問集合) | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 12 問(計算 2・通過算・仕事算・図形の移動・数の性質 2・ 場合の数・規則性・割合と比・折り返しの面積・回転体) |
食塩水の濃度(5% 200g に水を加えるつもりが食塩水を加えてしまった) | 数の性質(約数の個数を数え直す作業をくり返す約束記号) | 立体(立方体を A・C・F で切った切り口/全面が正三角形の立体の体積) |
| 2024 | 10 問(計算 2・おうぎ形と直角三角形・連続する整数・つるかめ算・ 場合の数・逆算(□にあてはまる数を求める計算)・水量とグラフ・数の性質・ニュートン算) |
平面図形(台形 ABCD 上を動く点 P と三角形の面積) | 数の性質(分母 252 の 250 個の分数・約分できる/できない) | 立体(1 辺 12cm の立方体を P・Q・F で切る/さらに P・C・G で切る) |
| 2025 | 10 問(計算 2・分数の分配・円すいと円柱・過不足算・場合の数・ 売買損益・正十角形の角度・流水算(電車に追いつかれる)・円の中を転がる正三角形) |
約束記号(ア★イ=(ア+イ)×(ア−イ) の形) | 規則性(干支・十干十二支の周期と学園創立 1923 年) | 立体(1 辺 6cm の立方体を P・Q・G で切る) |
※ 2023 年度の冊子は図の写りが悪く、大問 1 の最後(回転体)の図の数値が読み切れません。大問構成と題材の読み取りには支障がありません。
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)
精読した 3 年(2023〜2025)で、次の 4 つの座席が動いていません。同じ問題が出るのではなく、同じ種類の問題が同じ番号に来るという意味です。
| 位置 | 中身 | 3 年の内訳 |
|---|---|---|
| 大問 1 | 小問集合。(1)(2) は必ず計算 2 題(3 年連続) | 2023 は 12 問、2024・2025 は 10 問。(1) はかっこの多い四則計算、(2) は工夫して計算する形(2023 は 0.8/1.2 のくくり出し、2024 は分数の帯分数、2025 は 19×5512+… のくくり出し) |
| 大問 2 | 短い設定文+小問 2 問の文章題・図形 | 3 年とも小問はちょうど 2 問 |
| 大問 3 | 数の性質か規則性(3 年連続) | 2023 約数の個数、2024 約分、2025 干支の周期 |
| 大問 4 | 立体図形、しかも立方体の切断(3 年連続) | 2023 立方体の切り口の形+正三角形からなる立体、2024・2025 は立方体の中点を通る平面での切断 |
さらに 2024 と 2025 の大問 4 はほぼ同じ設定を作り直したものです。どちらも「立方体、辺 AB の中点を P、辺 AD の中点を Q とし、P・Q ともう 1 つの頂点を通る平面で切る」で、違いは 1 辺が 12cm か 6cm か、3 点目が F か G かだけです。この 2 年の設問文は両方とも原本で確認しました。大問 4 の (2) は 3 年とも「途中式や考え方を含めて答えなさい」がついています。
頻出単元と周期
- 毎年(3 年連続): 四則計算 2 題(大問 1 (1)(2))、場合の数(大問 1 に 1 問)、数の性質・規則性(大問 3)、立体の切断(大問 4)。
- 大問 1 の中では図形が 2〜3 問入ります(2023 は図形の移動・折り返し・回転体、2024 はおうぎ形・水量、2025 は円すい/正十角形/円の中の正三角形)。
- 特殊算は年ごとに入れ替わります。精読した 3 年に出たものだけ挙げると、通過算・仕事算・割合と比(2023)、つるかめ算・逆算・ニュートン算(2024)、過不足算・売買損益・流水算(2025)。同じ特殊算が 2 年続いた例は 3 年の中に無いので、大問 1 の特殊算枠は幅を持って準備します。
- 長い年数で見ると、2022 年度に大問数・小問数が変わっています(→ 5 節)。演習に使うなら 2022 年度以降を本番形式として扱うのが安全です。
問い方の特徴
- 大問 1 は 1 問 1 答です。式や考え方は求められません(3 年とも大問 1 に「途中式」の指示はありません)。
- 大問 2〜4 は「設定文を読む → (1) で具体的な 1 つを求める → (2) で一般化・逆引き・すべて答える」の 2 段で、(2) が重くなっています。
- 2023 大問 3 (2)「〈A〉= 5 となる 2 ケタの整数 A は 2 つあります。これらをすべて答えなさい」
- 2024 大問 3 (2)「これ以上約分できない分数は何個あるか」
- 2025 大問 2 (2)「ア★イ=24 となる整数の組をすべて」
- 約束記号(自分で決めた記号のルールを読んで従う問題)が 3 年中 2 年にあります(2023 大問 3・2025 大問 2)。ルールを読み解く練習が直接効きます(→ 7 節)。
- 記号選択はほぼ出ません。3 年で 1 問だけです(2025 大問 3 (1) の「存在する〇/存在しない×」の組合せ 8 択)。
この科目の家庭学習の優先順は 7 節、精読した 3 年に出ていない単元は 9 節、解答形式・冊子の注意は 10 節にまとめました。
8-2. 理科(大問 3・小問 13〜20。2023〜2025 年度を精読)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2023 | こん虫・動物の分類(ミツバチの社会性・日齢分業) | 化学(プルーストの定比例・銅の粉末の加熱と重さの比) | 物理(電磁石・モーター・IH 調理器) |
| 2024 | 植物のつくりとはたらき(単子葉と双子葉の根と茎・道管と師管・根毛) | 化学+地球環境(二酸化炭素の性質と発生法・温室効果ガス・大気中の増加量の計算・海洋酸性化) | 物理(浮力と密度・ガリレオ温度計) |
| 2025 | 植物のつくりとはたらき(発芽種子の呼吸実験・石灰水・乾燥重量の変化) | 地学+化学(地球 46 億年の大気の変遷・金星の表面温度・石灰岩・二酸化炭素濃度) | 物理(凸レンズ 2 枚の筒・鏡 3 枚の像・全反射・双眼鏡のプリズム) |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)
- 大問 1 は生物です。 精読した 3 年(2023〜2025)はすべて生物で、資料全体では 2012 年度から 14 年続いています。
- 大問 3 は物理です。 精読した 3 年はすべて物理で、資料全体では 2017 年度から 9 年続いています。
- 大問 2 だけが化学と地学の間で動きます。2023 は化学、2024 は化学に地球環境をかぶせたもの、2025 は地学(大気の歴史)に化学が混ざったもの。つまり「生物・物理は席が決まっていて、残り 1 枠を化学と地学で分け合う」形になっています。
- 大問数は 2022 年度から 3 に減っています(→ 5 節)。4 分野が毎年そろうわけではないので、化学と地学は「今年は出ないかもしれないが 2 年続けて出ないことはない」つもりで準備します。精読した 3 年では、地学(地層・気象・天体)が単独の大問になったのは 2025 だけでした。
頻出単元と周期
- 生物(大問 1): 植物のつくりとはたらき 2 回(2024・2025)、こん虫・動物の分類 1 回(2023)。資料全体でも植物・人体・こん虫が繰り返し出ています。
- 物理(大問 3): 電磁石(2023)、浮力・密度(2024)、光(2025)。3 年で単元は毎年入れ替わっています。
- 化学: 質量保存・量的関係(2023)、気体の性質(2024・2025 の一部)。気体の性質が 2 年連続(2024・2025)で顔を出しています。
- 地球環境・大気(二酸化炭素・温暖化・大気組成)が 2024・2025 の 2 年連続で大問 2 の柱になっています。
問い方の特徴
- 「下線部ア〜オの中に間違っているものが 1 つあります。記号で答え、正しい文章に直しなさい」が 2 年連続で大問 3 の最後にあります(2023 IH 調理器、2024 ガリレオ温度計)。答えを選ぶだけでなく、間違いを書き直させるところがこの学校らしい部分です。
- 「すべて選び記号で答えなさい」が 3 年ともあります(2023 大問 1 問 3・大問 3 問 1、2024 大問 1 問 3・大問 2 問 1、2025 は選択 4 問中に含む)。1 つとは限らない前提で選択肢を吟味する必要があります。
- 理由を書かせる短い記述が毎年あります。精読した 3 年では 2023 が 1 問、2024 が 3 問、2025 が 6 問。字数指定は無く、1〜2 文で書きます。設問文は「なぜですか」「〜の理由を答えなさい」「簡単に説明しなさい」の形です。
- 実験の設計意図を問う設問が目立ちます(2023「A の方法が適切でない理由・砂の役割」、2025「発芽しはじめた種を使った理由」「装置を水そうに入れてある理由」)。実験手順を覚えるのでなく、手順の 1 つ 1 つが何のためにあるかを言葉にする練習が直接効きます。
- 表から数値を読んで計算する設問が毎年あります(2023 銅と酸素の重さの比、2024 大気中の二酸化炭素の増加量、2025 吸収した酸素と放出した二酸化炭素の体積)。
この科目の家庭学習の優先順は 7 節、精読した 3 年に出ていない単元は 9 節、解答形式・作図の注意は 10 節にまとめました。
8-3. 社会(大問 3・小問 22〜23。2023〜2025 年度を精読)
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1(地理・6〜7 問) | 大問 2(歴史・9 問) | 大問 3(公民と現代の課題・7 問) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 島根県を旅行したユリカさんの調べ学習(出雲大社と奉納山の地形図・中国地方の交通網・島根/鳥取/岡山/広島の農業産出額と漁獲量の判別) | 会話文(東京大空襲・法隆寺と十七条の憲法・銀閣と足利義政・雪舟・ ザビエル・白水阿弥陀堂・関東大震災の復興事業ポスター) |
ローカル鉄道と地方財政(国鉄分割民営化・介護保険・地方公共団体・ 上下分離方式・只見線・LRT) |
| 2024 | カイトとヒロキの北海道の会話(旭川/札幌/苫小牧/函館・面積と米の収穫量の表・ 魚種別漁獲量・北広島市の人口密度の計算・ニセコの観光) |
会話文(墨田区の刀剣博物館・江田船山古墳のワカタケル大王・聖武天皇の遷都順・清少納言・唐獅子図・ 伊藤博文・日独伊三国同盟・戦後改革・刀剣の年代並べ替え・刀狩令の史料) |
博物館・美術館(文化庁の京都移転・ハイパー江戸博・違憲審査権・ 日本国憲法の施行日・クラウドファンディング・ユネスコ・経営存続の方策) |
| 2025 | 仙台/東京/福岡の 8 月平均気温と農業被害額のグラフ(面積・人口・人口増減率の判別・ 畜産産出額・冷害・1993 年の作況指数・沖縄の染物) |
会話文(安田学園のある両国と勝海舟生誕の地の碑・大内氏と雪舟・ペリー来航地・海舟の意見書の史料・ 渡航の年代並べ替え・サンフランシスコ講和会議・坂本龍馬・日清戦争・田中正造・藤原不比等) |
SNS と情報(能登半島地震・南海トラフ地震臨時情報・地方自治・ 選挙制度・アメリカ大統領選・インターネット選挙運動のメリット) |
※ 2023 年度は冊子の写りが悪く、大問 1 問 2(地形図の標高差)の図の数値が読み切れません。他の設問の読み取りには支障がありません。
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)
精読した 3 年(2023〜2025)で、大問 1 = 地理/大問 2 = 歴史/大問 3 = 公民と現代の課題の並びが動いていません。しかも小問数まで揃っています。
| 位置 | 中身 | 小問数(2023/2024/2025) |
|---|---|---|
| 大問 1 | 地理。ある地域や統計グラフを入口に、地図・表・グラフの読み取りへ | 6/7/6 |
| 大問 2 | 歴史。会話文または史跡の紹介文に下線 A〜I を引き、そこから古代〜現代まで飛ぶ | 9/9/9(3 年とも 9 問) |
| 大問 3 | 公民+前年の出来事。現代の社会問題を扱った文章から、憲法・三権・地方自治・国際・時事へ | 7/7/7(3 年とも 7 問) |
- 大問 2 は「下線部から時代を飛び回る」作りで、1 つの時代を深掘りするのではなく、古代・中世・近世・近代・現代が 1 題の中に全部入ります。時代のヌケがあると失点が広がります。
- 大問 3 の最後は 3 年とも記述で、しかも自分で解決策やメリットを挙げさせる問いです(2023 LRT が解決しようとしている課題、2024 博物館存続の方策を視点 1 で二つ・視点 2 で一つ、2025 ネット選挙運動のメリットを 3 つ)。
- 資料全体では 2013 年度から 3 大問が続いています(それ以前は 4〜5 大問)。
頻出単元と周期
- 都道府県の同定が毎年あります。表(面積・人口・農業産出額・漁獲量)から「どれが○○県か」を選ばせる形が 3 年とも入ります(2023 島根・鳥取・岡山・広島、2024 北海道と面積上位県、2025 福岡・佐賀・熊本・宮崎)。
- 年代の並べ替えが 3 年連続です(2023 大問 2 問 2 の地震関連、2024 大問 2 問 8 の刀剣関連、2025 大問 2 問 4 の渡航関連)。いずれも大問 2 の中にあります。
- 文化史・美術史が 3 年連続です(雪舟が 2023・2025 の 2 回、唐獅子図 2024、沖縄の染物 2025)。
- 公民は憲法・三権・地方自治・選挙制度が回ります(2023 地方公共団体、2024 違憲審査権と憲法施行日、2025 地方自治と選挙制度)。
- 国際(ユネスコ・アメリカ大統領選)と環境・防災(地震・南海トラフ・冷害)も毎年どこかに入ります。
問い方の特徴
- 「誤っているものを一つ選び、記号で答えなさい」が 3 年ともあります。正しいものを選ばせる形と両方出るので、設問文の「誤っている/正しい」を読み飛ばさない練習が要ります。
- 「古い順に並べ替え、記号で答えなさい」が 3 年とも大問 2 に 1 問あります。
- 漢字指定が多くなっています。「漢字で答えなさい」「漢字 2 文字」「漢字 4 文字」(2023 足利義政、2024 清少納言・伊藤博文、2025 坂本龍馬・田中正造・冷害)。用語は漢字で書けるところまでが必要です。
- 計算させる設問があります(2024 大問 1 問 6 の人口密度を小数で四捨五入)。地理の統計は読むだけでなく計算もします。
- 史料を読ませて立場や意図を説明させます(2024 刀狩令の波線部を加えた意図、2025 勝海舟の意見書から開国賛成か反対かとその理由)。古文調ではなく現代語に直した史料が使われます。
- 記述は毎年 2〜3 問。字数指定はなく、「解答欄に収まる程度で簡潔に」「2 行以内で」という指示が付きます。
この科目の家庭学習の優先順は 7 節、精読した 3 年に出ていない単元は 9 節、解答形式・資料の量の注意は 10 節にまとめました。
8-4. 国語(大問 3・小問 26。2019〜2021 年度を精読)
国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(→ 4 節・13 節)。ここに書いたのは 2019〜2021 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表
| 年度 | 大問 1 | 大問 2(物語文) | 大問 3(説明文・論説文) |
|---|---|---|---|
| 2019 | 漢字 10 問 | 佐藤多佳子『第二音楽室』所収「デュエット」(音楽の授業で男女ペアを組む中学生・美緒) 7 問 | 小原二郎『日本人と木の文化』(日本の家とヨーロッパの家、室内と戸外のつながり方) 9 問 |
| 2020 | 漢字 10 問 | 村山由佳『天翔る』(小学五年生のまりもと石本博美・父との会話) 8 問 | 池内了『科学の考え方・学び方』(環境問題・生産様式・技術の画一化) 8 問 |
| 2021 | 漢字 10 問 | チアダンスの一日体験レッスンに行くあかりと友人三人 8 問 | 小島俊明『ひとりで、考える』(哲学と孤独・個人主義・個人の尊重) 8 問 |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席の固定)
精読した 3 年(2019〜2021)で、大問 1 = 漢字 10 問/大問 2 = 物語文/大問 3 = 説明文の並びが動いていません。しかも小問の合計は 3 年とも 26 問で同じです。
- 大問 1 は毎年ちょうど 10 問。書き取りと読みが混在し、内訳は年によって変わります(2019 は書き 5・読み 5、2020 は書き 4・読み 6、2021 は書き 5・読み 5)。設問文も「次の――線部のカタカナは漢字に直し、漢字は読み方を書きなさい」で 3 年とも同じ形です。
- 大問 2・大問 3 とも冒頭に「(注意)字数制限のある問題は、句読点や記号なども、一字として数えます」が 3 年とも入ります。
- 記述は大問 2 に 1 問・大問 3 に 1 問の計 2 問が 3 年とも同じです。それ以外は記号選択と抜き出しです。
- 物語文は小学生〜中学生が主人公で、友人関係・部活や習い事・家族との会話が題材です(音楽の授業、チアダンス、父との会話)。説明文は日本文化・科学・哲学と幅があります。
頻出単元と問い方の特徴
- 記号選択が主軸です(設問の 31%)。「最も適当なものを一つ選び」がほとんどですが、「適当でないもの」「合っていないもの」「ふさわしくないもの」を選ばせる形が 3 年ともあります(2019 大問 2 問 7・大問 3 問 9、2020 大問 3 問 8、2021 大問 2 問 8)。読み違えやすいので設問文の否定に印をつける習慣を。
- 抜き出しが多くなっています(短答(語句や数値を短く答える形式)の柱)。字数指定つきが基本で、「十八字で書きぬいて」(2019)、「十五字以上」(2020)、「十字で書きぬきなさい」(2020)、「二十四字で探し、はじめと終わりの五字を書きぬきなさい」(2021)と、指定の仕方まで似ています。
- 空欄 A〜C に語句や接続語を入れる設問が 3 年とも 1 問あります(2019 大問 2 問 1、2020 大問 3 問 6 の接続語、2021 大問 3 問 3 の四字熟語)。四字熟語(切磋琢磨・面従腹背 …)も選択肢に出るので語彙の準備が要ります。
- 本文の小見出しを選ばせる設問があります(2020 大問 3 問 1、5 つの空欄にア〜オを入れる)。段落のまとまりを掴む読み方が問われます。
- 記述は字数指定つきです(四十字以内・三十五字以内・六十字以内・十字以内)。設問の作りは「このときの気持ちを○字以内で」(心情説明)と「〜とはどういうことか/筆者はどう考えているか」(内容説明)の 2 系統です。
- 語句の意味を選ばせる設問(2019「足手まとい」)、対義語を漢字二字で答える設問(2019「自然」の反対語)など、語彙の知識を単独で問う小問が混ざります。
この科目の家庭学習の優先順は 7 節、精読した 3 年に出ていない形式は 9 節、解答形式の注意は 10 節にまとめました。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した 3 年に出ていないが、それ以前によく出ていた枠を挙げます。「次に出る」と言えるわけではなく、準備から外さないほうがよい枠という意味です。最終確認年度は、その単元を資料で最後に確認できた年度です。
| 科目 | 単元 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 速さ(旅人算・ダイヤグラム) | 2025 年度(流水算の形) | 精読した 3 年では通過算(2023)と流水算(2025)の形でしか出ていない。資料全体では大問として繰り返し出ていた |
| 算数 | 食塩水の濃度 | 2023 年度 | 2023 の大問 2 が精読した 3 年で唯一。資料全体では毎年のように出ていた |
| 算数 | 平均・資料の読み取り | —(精読した 3 年に無い) | 資料全体では大問として何度も出ている |
| 理科 | 天体(月・星座・太陽) | 2025 年度(金星の表面温度に触れられた程度) | 資料全体では大問として繰り返し出ていた枠 |
| 理科 | 地層・岩石・地震 | 2025 年度(石灰岩が 1 問) | 大問としては精読した 3 年に無い |
| 理科 | てこ・ふりこ・ばね | —(精読した 3 年に無い) | 物理の枠は年 1 つなので、電気・光・力学・音を順番に回す |
| 理科 | 人体(消化・呼吸・血液循環) | —(精読した 3 年に無い) | 生物の枠は植物とこん虫で埋まっていた |
| 社会 | 世界地理(世界の国・気候帯・貿易相手国) | 2014 年度(大問として) | 精読した 3 年に単独では無い。資料では 2013・2014 年度に大問 1 が世界地理だった |
| 社会 | 工業・産業(工業地帯・貿易港) | 2021 年度(大問として) | 表の判別の中に混ざる程度。2021 年度には大問 1 が工業・産業だった |
| 社会 | 財政・税・社会保障 | 2023 年度 | 2023 の大問 3 に出たあと 2 年空いている。介護保険・消費税・社会保障費は戻る候補 |
| 社会 | 環境問題(公害・ごみ・再生可能エネルギー) | 2019 年度(大問として) | 2019 年度に大問として出たあと、防災・災害の形でしか出ていない |
| 国語 | 詩・短歌・俳句(韻文の読解)、文法(品詞・敬語) | —(精読した 3 年に無い) | 国語は 7 年ぶんしか資料が無く、「出ない」とは言えない。精読した 3 年より前には、大問が 2 つだけの年(2014)や、漢字が大問 1 に来ない年(2014)もあった |
算数の旅人算・ダイヤグラム・平均算・資料の読み取りは、いつ大問 2 に戻ってきてもおかしくない枠として押さえておきます。
10. 形式面の注意
まず 4 科目共通の注意です。
- 4 科とも 50 分です(学校の公表資料の 2027 年度募集要項による)。理科・社会が 30 分の学校と比べると 1 問あたりに使える時間が長く、そのぶん記述・作図・資料読解の分量があります。配点は回によって各 50 点の回と各 100 点の回があります(→ 1 節)。
- 記述には字数指定がある科目と無い科目があります。国語は字数指定つき(10〜60 字)。社会は字数指定でなく「解答欄に収まる程度で簡潔に」「2 行以内で」という指示。理科は字数指定が無く 1〜2 文。算数は字数ではなく「途中式や考え方を含めて答えなさい」です。
- 文字種の指定が多くなっています。社会は「漢字で」「漢字 2 文字」「漢字 4 文字」が頻出。国語も対義語を「漢字二字で」など。読み書きのうち、書けるところまで必要です。
- 「すべて選びなさい」(理科・社会)と「誤っているもの・適当でないものを選びなさい」(3 科目とも)が毎年あります。設問文を最後まで読む習慣が点差になります。
算数
- 最後の大問の (2) に必ず「途中式や考え方を含めて答えなさい」がつきます(精読した 3 年)。2023・2024 は大問 3 の (2) にも同じ指示があり、途中式・考え方を書かせる問題は毎年 1〜2 問です。それ以外は答えだけでよい問題が大半です(短答 89〜100%)。解答らんの大きさが分量の目安になります。
- 図のある小問は全体の 28〜38%。立方体の見取図・おうぎ形・正多角形・水そうなど、図を自分で描き足して考える場面が多くなっています。
- 精読した 3 年の冊子には、円周率の指定や定規・コンパスの可否の記載が転写に残っていません。市販の過去問集で確認してください。
理科
- 精読した 3 年の形式の内訳: 2023 は短答 46%・記号選択 38%・記述 8%・混合 8%、2024 は短答 38%・記号選択 38%・記述 19%・混合 6%、2025 は短答 40%・記述 30%・記号選択 20%・作図 10%。
- 作図がある年があります。2025 は 2 問(気体発生装置を自分で描く、光の道筋を描き込む)。どちらも「図を描くときには定規等を使う必要はありません」と明記されています。気体発生装置の作図は「試験管・ゴム管付きガラス管・三角フラスコの 3 つは必ず入れ、薬品名を書き入れ、集め方が分かるように」と条件が細かいので、器具の名前と気体の集め方(上方置換・下方置換・水上置換)を絵で描けるようにしておきます。社会と国語に作図はありません。
- 図のある小問が全体の 6 割前後。図・表・グラフから読み取らせる作りが多くなっています。
社会
- 形式の内訳は 3 年ともほぼ同じで、記号選択 45〜52%・短答 35〜41%・記述 9〜14%。作図はありません。
- 図・表・グラフの付く小問が全体の 3 割強。地形図・分布図・統計表・棒グラフ・折れ線グラフ・史料と、資料の種類が広くなっています。
- 記述は「資料 1・資料 2 から読み取って」「気象現象の名称を具体的に示しながら」のように、使う材料と入れるべき語が設問文で指定されることが多くあります。指定を落とすと部分点が減る作りに見えます。
- 設問文の総量は 4 科の中でいちばん多いので、資料を読む時間を意識的に配ります。
国語
- 3 年の形式の内訳は、短答(漢字と抜き出し)58〜62%・記号選択 31〜35%・記述 8%。図やグラフは使われません。
- 記述の字数は 10〜60 字で、100 字を超える長い記述は 3 年にありませんでした。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ・図形の見方・読解・短い記述・漢字語彙の 5 本を等しく進めます。この学校で最終的に効く入口だけ挙げると、算数は「立方体を頭の中で切る」感覚(積み木・展開図・見取図を描く)と約数・倍数、国語は漢字の書きと読みを毎日 10 問、社会は都道府県の位置と特産、理科は植物と身のまわりの機械への興味です。時間を計る練習はまだ要りません |
| 小 5(幅) | 単元をひととおり回す年で、この学校では社会の通史と算数の特殊算がここの本体になります。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は、国語の漢字 10 問(読みと書き)と算数の計算 2 問(大問 1 の (1)(2) の形)。週末 60 分はその週の単元 1 つにあて、次の順で一巡させます。まず社会の通史(大問 2 が古代から現代まで飛ぶので、時代のヌケを作らないことが最優先。古代 → 中世 → 近世 → 近代 → 現代)。次に算数の特殊算(精読した 3 年だけでも通過算・仕事算・つるかめ算・過不足算・売買損益・流水算・ニュートン算が別々の年に出ているので、全部を 1 度ずつ通します。いずれも教科書に載っていない受験用教材の単元です)。理科は生物(植物・こん虫・人体)と物理(電気・光・力学)を厚めに。国語は記述を 2〜3 文で書く習慣と、抜き出しを字数指定つきで解く練習を。ただし国語は 2022 年度以降の資料が無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目です。夏以降は「同じ席の問題を縦に並べて解く」と「年度を通して 50 分で解く」を交互に。50 分は 4 科とも共通なので、理科・社会でも読む時間を配れます。過去問は 2022 年度以降を本番形式として、それ以前は単元別の練習素材として使い分けます |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差が出るのは小 5 での全分野の一巡です。社会の歴史 9 問と算数の特殊算枠は、どちらも「毎年入れ替わる」枠なので、直前に絞り込むことができません。逆に算数の大問 4(立方体の切断)と理科の大問 1・大問 3 は席が決まっているので、小 6 の秋からでも集中して時間をかける価値があります。小 5 までに幅を作り、小 6 で決まった席を深く掘る、という順序がこの学校の形に合います。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるか(過去問演習が二重に効くか)だけです。難易度・偏差値帯・通学圏・入試日程の有利不利は扱いません(日程の重なりは注記だけそのまま載せます)。
- 昭和学院中学校(千葉県・共学)— 算数と社会がとくに近い組み合わせです。社会の資料読み取りと記述の混ざり方が似ています。
- 横浜富士見丘学園中学校(神奈川県・共学)— 4 科すべてまんべんなく近く、1 校だけ選ぶならここです。
- 芝国際中学校(東京都・共学)— 国語がいちばん近い組み合わせです。抜き出しと記号選択の配分が似ています。2027 年度は 2 月 1 日・2 月 2 日・2 月 3 日の同じ時間帯に入試が重なる回があります。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 近さの数字は「大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置の単元の一致・設問文の似方」の距離と、単元分布の似方を合成した自動集計です(100 に近いほど出題の作りが近い)。同じ問題が出るという意味ではありません。
13. 資料の限界
このレポートを読むときに、次の 5 点を差し引いてください。
- 入試回が分かりません。 元の過去問データベースは 1 つの学校の 1 つの年度・1 つの科目につき 1 冊しか収めていません。安田学園中学校は 2 月 1 日〜3 日に 4 科の回が 4 つあり(学校の公表資料の 2027 年度募集要項による)、ここで扱った冊子がどの回のものかは資料からは判断できません。回によって傾向が違う可能性があり、そこはこの資料では確かめられません。
- 適性検査の回と英語の回は扱っていません。 適性検査Ⅰ〜Ⅲ(各 45 分 100 点)と英語(50 分 100 点)の資料は無く、このレポートの内容は当てはまりません。
- 設問文まで読んだ(精読した)のは科目ごとに 3 年だけです。算数・理科・社会は 2023〜2025 年度、国語は 2019〜2021 年度。「3 年連続」と書いたものは、その 3 年で確認したという意味で、その前後がどうかはここでは言っていません。大問の並びの年数(理科の大問 1 が 14 年、大問 3 が 9 年)だけは、年度ごとの大問構成の記録(構成だけ数えた年を含む)から数えたものです。
- 2026 年度の資料はどの科目にもありません。また国語は 2022 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためです)。国語について書いたことは 2019〜2021 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
- 転写の読み落としがありえます。図やグラフは文字での説明に置き換えられているので、実物の図と細部が違うことがあります。2023 年度の算数(大問 1 の最後)と社会(大問 1 問 2 の地形図)は、図の数値が読み切れなかった箇所として本文に明記しました。また、円周率の指定・持ち物・注意書きなど、冊子の表紙にある情報は転写に残らないことがあります。
なお、難易度・偏差値・合格の見込み・お子さんとの相性・学校の教育方針については、このレポートでは一切扱っていません。ここに書いたのは「過去問の中に何が、どこに、何年続けて出ているか」だけです。「〜のように見える」と書いた箇所は題材からの推測で、裏づけ資料はありません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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