ドルトン東京学園中等部 の過去問分析
ドルトン東京学園中等部の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
ドルトン東京学園中等部 過去問分析(2020〜2026 年度・6 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都調布市 |
| 男女 | 共学 |
| 開校 | 2019 年開校(入試そのものが 2019 年度以降しかありません) |
| 入試回と日程・科目 | 2 月 1 日午前・2 月 2 日午前は 4 科(国語・算数・理科・社会)/2 月 1 日午後は 2 科(国語・算数)、または 2 科に英語資格の加点あり/2 月 2 日午後は理科と算数の 2 科、ほかに英語・思考表現での受験もできます(2027 年度募集要項) |
| 試験時間・配点 | 国語・算数は各 50 分 100 点、理科・社会は各 30 分 50 点。2 月 2 日午後の理科と算数の回だけ、理科も 50 分 100 点 |
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。
2 月 2 日午後の「理科と算数の 2 科」は、他校ではあまり見ない組み合わせです。この回の傾向は手元の資料からは分かりません(→ 13 節)。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 大問の数と役割は動かないのに、中身は毎年作り直されます。算数は 6 年とも大問 4 題、理科は 6 年とも大問 3 題、社会は「大問 1=地理・大問 2=歴史・大問 3=公民・国際」の並びが崩れません。
- 4 科目すべてで、長い文章や資料を読んでから、考えたことを日本語で書かせます。理科は小問の 2 割以上が説明の記述、社会は毎年ちょうど 3 問です。
- 同じ問題や同じ設問文の使い回しは、原本を突き合わせた範囲(各科目 3 年分)で 1 件も見つかりませんでした。
家でやること 3 つ
- 社会は年度通しではなく、大問 1 だけを 5 年分というように大問ごとに縦に解きます。
- 算数は大問 1 の計算 4 問を毎日やります(6 年間この位置が動いていません)。
- 理科の説明の記述を毎週 2 問書きます。
今週やる 1 つ
- 2026 年度の理科大問 2(偏光板)と社会大問 3 の記述を解いて、「観察したことを自分の言葉で書く」「40〜60 字で特徴と理由を書く」の 2 つが今どれくらいできるかを見ます。
注意
- 手元の問題冊子には入試回(同じ学校が日を変えて行う入試のそれぞれ)の表記が無く、ここに書いたことがどの回のものかは分かりません。国語は 2021・2023〜2026 年度の問題文が資料にありません(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 3 年(2024・2025・2026) | 3 年(2021・2022・2023) | 6 年(2021〜2026) | 高 |
| 理科 | 3 年(2024・2025・2026) | 3 年(2021・2022・2023) | 6 年(2021〜2026) | 高 |
| 社会 | 3 年(2024・2025・2026) | 3 年(2021・2022・2023) | 6 年(2021〜2026) | 高 |
| 国語 | 2 年(2020・2022) | 0 年 | 2 年(2020・2022) | 2 年分では傾向を語れない |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- この学校は 2019 年開校で、入試そのものが 2019 年度以降しかありません。他校のように 15 年・20 年をさかのぼることはできず、資料の上限が 6 年である点をまず押さえてください。
- 入試回について。学校は 2 月 1 日午前(4 科)・1 日午後(2 科)・2 日午前(4 科)・2 日午後(理科と算数の 2 科ほか)と複数の回を実施していますが、手元の問題冊子には回の表記がありません。したがって本稿の分析がどの回のものかは特定できません。4 科がそろっている冊子なので午前の 4 科の回のものである可能性が高いのですが、断定はしません。
- 国語は 2021・2023〜2026 年度の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ためです。ここに書いたのは 2020・2022 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。
- 満点・設問別の配点は、どの科目・年度の冊子にも印刷されていません。試験時間と科目ごとの満点は 2027 年度の募集要項の表記で、1 節に載せました。
5. 一番大きな結論
この学校の入試は「大問の数と役割」が動かず、「中身」は毎年作り直されます。 そして 4 科目すべてで、長い文章や資料を読んでから、考えたことを日本語で書かせます。
動かないところを先に挙げます。
- 算数は 6 年とも大問 4 題です(2021〜2026)。その大問 1 は 6 年とも計算で、「次の□にあてはまる数を答えなさい」の一文に小問 4 つ。大問 2 は独立した小問の詰め合わせ、大問 3・4 は会話文や自作ルールを読んで積み上げる長い誘導つきの大問 — この役割分担が、精読した 3 年(2024〜2026)で完全に一致しました。
- 社会がいちばん固い科目です。大問 1=地理、大問 2=歴史、大問 3=公民・国際という並びが動きません。精読した 2024・2025・2026 の 3 年で一致し、資料のある 2022〜2026 の 5 年でもこの並びが崩れていません。しかも小問数(21・22・21)も、記号選択 7 割・記述 3 問・語句を書く短答(語句や数値を短く答える形式)3 問という配分も、3 年ほぼ同じでした。
- 理科は 6 年とも大問 3 題です。ただし理科だけは「何番に何の分野が来るか」が決まっていません。年ごとに生物中心・地学中心・物理化学中心と重心が動きます。
一方、同じ問題や同じ設問文が年をまたいで使い回されている例は、原本を突き合わせた範囲(各科目 3 年分)で 1 件も見つかりませんでした。座席(問題の置き場所) は同じでも、そこに置かれる問題は毎年作り直されています。「同じ問題が出る」のではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校です。
したがって過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではなく、「単元ごとの解き方の手順を身につける」+「同じ座席の問題を年度をまたいで縦に解く」の組み合わせがいちばん近くなります(手順は 過去問の使い方)。社会は大問 1(地理)だけを 5 年分、大問 3(公民)だけを 5 年分と縦に解くのが効きます。算数も大問 1 の計算 4 問だけを縦に、大問 3・4 の長い誘導だけを縦に、という解き方ができます。
もう一つ、この学校でいちばん特徴的なのは「書かせる量」と「その中身」です。理科は 3 年とも小問の 2 割以上(3〜5 問)が説明の記述で、社会は 3 年とも記述がちょうど 3 問(各大問に 1 問ずつ)。算数にも「理由を説明しなさい」「式や考え方と答えを書きなさい」が出ます(2024 に 2 問、2026 に 1 問)。しかもその多くが、教科書の答えを再生するのではなく「あなたの考えを書きなさい」「自分で考えて答えなさい」という設問です。さらに理科では、試験中に配られた実物(2024 は石とガラスとプラスチック、2026 は偏光板)を観察して、その場で気づいたことを書かせる大問が、精読した 3 年のうち 2 年で出ています。
6. この学校らしさが出る場所
- 試験中に実物を配って観察させます。 2024 の理科大問 3「配布されたサンプルはそれぞれ、ガラス、石、プラスチックで、これらはどれも海辺で採取することができます」、2026 の理科大問 2「配布された封筒には偏光板が入っています」→ 2 枚の偏光板の間に透明フィルムをはさみ、角度と枚数を変えて「何を変えると光がどう変わるかを観察し、あなたの発見した事実を答えなさい」。過去問集の紙の上だけでは再現できない設問なので、実物を使った観察の経験そのものが準備になります。
- 1 つのテーマで理科の全大問を貫く年があります。2026 は大問 1「ミツバチの社会」→大問 2「ミツバチが偏光で方角を知る仕組み」→大問 3「ミツバチの危機(アカリンダニ)」と、生物・物理・環境を 1 匹の昆虫でつないでいます。
- 「あなたの考えを書きなさい」が理科と社会の両方にあります。2024 理科「プラスチックが大きな問題となるのはなぜでしょうか。あなたの考えを書きましょう」、2026 社会「地域に再生可能エネルギー施設を導入する際、自治体と企業はどのような視点をもって進めるべきだと思いますか…あなたの考えを述べなさい」(釧路湿原のメガソーラーの資料つき)。
- 環境・持続可能性の題材が繰り返し出ます。海洋プラスチック(2024 理科)、ミツバチと外来生物(2026 理科)、石油化学コンビナートの分布(2024 社会)、発電方法別の発電量(2025 社会)、パリ協定と京都議定書(2025 社会)、気候変動対策の年表と SDGs(2026 社会)、原子力施設(2026 社会)。
- 生徒どうしの会話文で問題が始まります。社会の大問 1 は精読した 3 年とも会話文で、2025 と 2026 には「ソラ」という同じ名前の生徒が出てきます。算数の大問 4(2024)も「はるとさんとひまりさん」の会話。理科の 2025 は 3 大問とも会話文です。
- 学校自身と地元が問題文に出ます。2024 社会の大問 2 は「ドルトン東京学園に入学した中学 1 年生の憂助さん」がプレゼンをする設定、大問 1 の会話の相手は「入間さん」「若葉さん」(学校は調布市入間町にあります)。2026 社会の大問 1 は「夏休みに実施される宿泊研修旅行について話している生徒たち」。
- 算数の題材が社会の出来事から取られます。プロ野球のノーヒットノーラン 23 試合(2024)、鹿児島—屋久島のフェリーと高速船(2024)、東京・パリ両五輪の金メダル数(2025)、理髪店のサインポール(2025)、株式投資と株価の折れ線グラフ(2026)。とくに 2026 の大問 4 は、毎月一定額を買う方法と毎月一定口数を買う方法の損益を比べるという、算数の教材としてはあまり見ない題材でした。
- 「発見したことを書く」設問が理科にあります(2026 大問 2 問 2・問 3)。正解を当てるのではなく、観察した事実とそこから分かることを自分の言葉で書かせる作りが、この学校の理科の色として精読した 3 年に一貫しているように見えます。
7. 今からやるなら
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読んでください。学年別の入り方は 11 節に分けて書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [週末 60 分] 社会を大問ごとに縦に解く — 地理(大問 1)だけを 5 年分、歴史(大問 2)だけを 5 年分、公民・国際(大問 3)だけを 5 年分。並びが固定なので、この解き方がそのまま本番の 3 分割に対応します。歴史は 1 つの大問で古墳から戦後まで一気に問われる年があり(2026 大問 2)、時代ごとの穴が致命的になりやすいので通史を時代順に。公民は国際分野が厚く、国連・条約・SDGs・環境政策が 3 年とも大問 3 に入っています。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 社会の記述 3 問を落とさない練習 — 40〜60 字で「資料から読める特徴」+「その理由」を書きます。2024 は指定語句 2 つを使って 45 字以内、2026 は資料 2 点から 60 字以内。字数指定が無い年(2025)は解答欄の大きさが指示になります。資料 2 点を見比べて共通点・違いを言葉にする練習を、地理・歴史・公民のそれぞれで。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 理科の説明の記述を毎週 2 問 — 「利点を 1 つ推察して説明」(2025)、「分業制の利点を個々と群れの両方について」(2026)、「どのような実験をして、どのような結果が得られればよいか」(2025)の 3 種を回します。対照実験の考え方(何をそろえ、何を変えるか)は 2025(破傷風菌を特定する実験の設計)と 2026(ダニを付けないハチを置く理由)の 2 年連続で問われました。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 算数の規則性・数列と「理由を説明しなさい」 — 精読した 3 年で大問 3・4 のうち少なくとも 1 題は規則性で、2024 は 2 題ともそうでした。あみだくじ(2024)、7 セグメント式タイマー(2025)、自作の「ぶどう算」(2025)のように、知らないルールをその場で読んで表に整理する練習を。あわせて 2026 大問 3(3)「くじを引ける回数は最大で 5 回です。その理由を説明しなさい」のように、場合分けを日本語にする練習も。数値が合っていても説明が書けないと点になりません。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 算数の大問 1 を毎日 4 問 — 3 問の四則計算+ひとひねり 1 問(2024 は 3 と 7 を使わない数、2025 は循環小数の第 20 位、2026 は時・分・秒の換算)。分数・小数・かっこの混じった 3 行の式と、ひとひねりの 1 問までを毎日ひとまとまりで回します。ここは 6 年間位置が動いていません。(確認: 〜2026 年度)
- [週末 60 分] 理科の長文・会話文読解 — 2025 は 3 大問すべてが会話文で始まりました。偏光・ホットスポット・純粋培養といった知らない語が出ても、本文の説明から意味を取って答えます。光(反射・屈折)は精読した 3 年すべてに顔を出すので、作図まで含めて固めておきます。(確認: 〜2026 年度)
- [毎日 10 分] 前年 1 年間のニュースを歴史・公民につなぐノート — この学校の社会は「ニュースを答えさせる」のではなく「ニュースを入口に教科書の項目を問う」作りです。2024 年度=こども家庭庁、2025 年度=パリ五輪と藤原定家の自筆本、2026 年度=ガザ停戦決議・広島平和祈念式典・能登の人口。出来事の名前より「どの分野につながるか」を書き留めます。(確認: 〜2026 年度)
- [週 1 回] 資料の読み取りと算数の大問 2 — 社会は地形図・雨温図・統計表(3 年とも大問 1 に複数)、理科はグラフからの割合計算(2025 の電磁波の減衰、2026 の糖度)、算数も表・グラフから数値を拾う設問が 3 年ともありました。算数の大問 2 は単元がばらばらの小問 5〜6 問なので、12 分程度で通す演習にします(食塩水は 2025・2026 の 2 年連続)。(確認: 〜2026 年度)
国語は 25〜30 字の記述と語句知識が中心で、2020 年度には 200 字前後で自分の体験と考えを書く作文も出ています。ただし直近年の資料が無いので、市販の過去問集で形式を確認しながら進めてください(→ 13 節)。
8. 科目別の詳細
まず 4 科目を横に並べます。
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 同じ時間で点になりやすいこと |
|---|---|---|---|
| 算数(50 分・100 点) | 大問 4 題・小問 16〜19 問。大問 1 は必ず計算 4 問。記号選択は 0〜2 問と少なく、ほぼ短答 | 大問 3・4 は毎年新しい題材で作られる誘導つきの長い問題。規則性・数列が繰り返し来る | 規則性・数列(自作ルールを表に整理する)と、大問 1 の計算 4 問の安定 |
| 理科(30 分・50 点/2 月 2 日午後の回のみ 50 分・100 点) | 大問 3 題・小問 14〜21 問。記号選択 43〜57%、説明の記述が 21〜27% | 分野の座席がありません。長文か会話文を読ませ、実験の設計・理由の推察を書かせます。光が精読した 3 年すべてに登場 | 説明の記述(利点・理由・実験の組み方)と、長文の理科読解 |
| 社会(30 分・50 点) | 大問 3 題・小問 21〜22 問。地理→歴史→公民の並びが固定。記号選択 71〜73%、記述 3 問、短答 3 問 | 前年 1 年間の出来事を入口に、歴史や公民の項目へつなぐ作り。資料(写真・地形図・雨温図・統計)が全大問に入ります | 40〜60 字で「特徴+理由」を書く記述と、資料の読み取り。大問ごとに縦に解く |
| 国語(50 分・100 点。2020・2022 の 2 年のみ) | 精読した 2 年とも大問 3 題・小問 18 問。大問 3 が独立した語句知識 | 読解 2 題+語彙・慣用句・敬語。記述は 25〜30 字が中心。2020 には 200 字の作文がありました | 短い記述を条件どおりに書くことと、語句知識の独立対策 |
8-1. 算数(50 分・100 点・大問 4・小問 16〜19)
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 計算 3 問+数の性質(1〜100 で 3 と 7 を使わない数) | 小問 6(資料の読み取り=プロ野球のノーヒットノーラン/比と所持金/長方形の四隅を切って作る直方体/フェリーと高速船/約束記号(行列風の記号)/円形に座った人の推理) | あみだくじの対応表(横線を加えると並びがどう変わるか)5 問 | 碁石で偶数・奇数の和を図示する会話(規則性)4 問 |
| 2025 | 計算 3 問(うち 1 問は逆算=□にあてはまる数を求める計算)+数の性質(201/2025 の小数第 20 位) | 小問 6(食塩水/1〜12 を 1 回ずつ使う式の完成/遅れる時計と進む時計/ドッジボールの勝敗の推理/東京・パリ両五輪の金メダル表/理髪店のサインポールの回転) | 7 セグメント式タイマーのライトが 99→0 で何回点灯するか 3 問 | 「ぶどう算」(房に整数を入れる自作ルール)4 問 |
| 2026 | 計算 3 問+単位換算(2 時間 15 分+350 秒−100 分) | 小問 5(等差数列/食塩水/銅貨・銀貨・金貨の交換/通過算/燃える速さの違う線香 2 本) | くじを引いてマスをぬるゲーム(場合の数)3 問 | 株式投資(毎月一定額を買う投資法と、毎月一定口数を買う投資法の比較)4 問 |
表に出てくる等差数列・通過算などの中身は 用語集 にあります。
いちばん動かない部分
- 大問は 4 題です。資料のある 2021〜2026 の 6 年すべてで 4 題(精読した 2024〜2026 の 3 年は自分で確認しました)。小問は 16〜19 問。
- 大問 1 は必ず計算です。「次の□にあてはまる数を答えなさい」の一文で始まり、小問 4 つ。うち 3 問が四則計算・残り 1 問がひとひねり(2024 は数の性質、2025 は循環小数の桁、2026 は時間の単位換算)という作りが 3 年続いています。2021〜2026 の 6 年とも大問 1 の主題は計算です。
- 大問 2 は独立した小問の詰め合わせです。5〜6 問で、単元はばらばら(食塩水・速さ・比・立体・推理・資料の読み取り)。年ごとに単元が入れ替わるので、ここは「何が出るか」ではなく「小問 5〜6 問を手早く」で備えます。
- 大問 3・4 は長い誘導つきの 1 テーマです。会話文や自作ルールの説明を読み、規則を見つけて (1)(2)(3) と積み上げる作り。3 年とも大問 3・4 の少なくとも一方が規則性・数列で、2024 は大問 3・4 の両方がそうでした。
問い方の特徴
- 説明を書かせる設問が算数にあります。 2024 は 2 問(大問 3(3)② 「同じ対応表になるのはどのようなときか説明しなさい」、大問 4(4) 「式や考え方と答えを書きなさい」)、2026 は 1 問(大問 3(3) 「くじを引ける回数は最大で 5 回です。その理由を説明しなさい」)。2025 は説明を書かせる設問がありませんでした。数を出すだけでなく「なぜそうなるか」を日本語で書く準備が要ります。
- かかせる設問もあります。2026 大問 3(1) は「マスのぬりかたを 3 通りすべてかきなさい」で、解答用紙のマス図に色をぬる形です。
- 答え方を選ばせる作りが 2026 大問 4(3) に出ました(「利益または損失のうち適するほうに○をつけ、金額をかきなさい」)。数値だけ合っていても○の付け忘れで落ちる作りなので、解答欄の指示は最後まで読みます。
- 記号選択は 3 年で 2 問・2 問・0 問と少なく、ほとんどが答えだけを書く短答です。
題材の色
日常・社会の出来事をそのまま素材にする傾向が、精読した 3 年ではっきりしています。プロ野球のノーヒットノーラン記録(2024)、鹿児島—屋久島のフェリーと高速船(2024)、東京・パリ両五輪の金メダル数(2025)、理髪店のサインポール(2025)、株式投資と株価の折れ線グラフ(2026)。表・グラフを読んでから計算に入る設問が毎年あります(2024 大問 2(1)、2025 大問 2(5)、2026 大問 4(4))。
8-2. 理科(30 分・50 点/2 月 2 日午後の回のみ 50 分・100 点・大問 3・小問 14〜21)
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2024 | 「地球で生まれる石」(ヒスイ海岸の石)— 光の反射の作図と説明、気体の発生、ホットスポットと火山列、マグマのできる場所 5 問 | 流れる水のはたらき(侵食・運搬・堆積)— 粒の大きさと堆積、海面の上下と地層、地層の新旧の並べかえ、炭素 14 の半減 7 問 | 配布されたガラス・石・プラスチックの実物を観察し、「プラスチックが他と違う点」「なぜ大きな問題になるのか」を書く 2 問 |
| 2025 | 会話文「光の屈折」— 水中の 10 円玉の見え方、大気による太陽の浮き上がり、屈折率 4 問 | 会話文「北里柴三郎と破傷風菌」— 気体の性質、水素を使う利点の推察、爆発が起きた理由、菌を特定する実験の設計 6 問 | 会話文「IC カードと電磁波」— 電磁石と方位磁針、距離とエネルギーの計算、豆電球を明るくする方法、熱と状態変化 5 問 |
| 2026 | ミツバチの社会 — 成長段階の並べかえ、正誤 5 問、蜂蜜が酸性である理由、糖度の濃度計算、分業制の利点、働きバチの多様性の強み 10 問 | 配布された偏光板 2 枚と透明フィルムを実際に重ねて観察し、発見した事実を書く。ミツバチの個眼と偏光、太陽の方角、餌の方向を示すダンスの作図 7 問 | ミツバチの危機(アカリンダニ)— 対照実験を置く理由、グラフの読み取り、外来生物としての流行の原因 4 問 |
いちばん動かない部分
- 大問は 3 題です。2021〜2026 の 6 年すべてで 3 題(精読した 2024〜2026 は自分で確認しました)。小問は 14〜21 問と年で幅があります。
- 説明を書かせる設問が毎年あります。2024 は 3 問(+図に書き込んで説明する混合が 2 問)、2025 は 4 問、2026 は 5 問。全小問に占める割合は 21%・27%・24% で、3 年とも 2 割を超えます。理科は 30 分(2 月 2 日午後の理科と算数の回だけ 50 分)で 14〜21 問、そのうち 3〜5 問が説明という配分を体で覚える必要があります。
- 長い文章か会話文を読んでから解く作りが 3 年とも全大問です。2025 は 3 大問すべてが会話文で始まります。理科の知識より先に、まず 1 ページ前後の文章を読み切る力が要ります。
- 記号選択が主軸です(3 年で 43%・53%・57%)。ただし「2 つ選び」「すべて選び」「正しい順に並べかえ」「誤っているもの」など、単純な 4 択でない指示が混じります。
この科目でいちばん珍しいところ — 試験中に実物を配る
2024 と 2026 の 2 年で、試験中に配布された物を観察して答える大問がありました。 2024 は「配布されたサンプルはそれぞれ、ガラス、石、プラスチックで、これらはどれも海辺で採取することができます」という大問 3 で、プラスチックの違いを書き出し、なぜ問題になるかを自分の考えとして書きます。2026 は大問 2 で「配布された封筒には偏光板が入っています」とあり、偏光板 2 枚の間に透明フィルムをはさんで角度や枚数を変え、「何を変えると光がどう変わるかを観察し、あなたの発見した事実を答えなさい」(図や表を使ってもよい)。2025 にはこの形式が無かったので毎年とは言えませんが、精読した 3 年のうち 2 年で出ている以上、手を動かして観察し、その場で言葉にする準備は要ります。
問い方の特徴
- 「あなたの考えを書きましょう」「自分で考えて答えなさい」という、教科書の答えを再生するのではない設問が毎年あります(2024 大問 3(2)、2026 大問 1 問 6・大問 3 問 4)。
- 実験の設計を書かせます。2025 大問 2 問 4「純粋培養された菌が本当に破傷風の原因の菌なのかを調べるためにはどのような実験をして、どのような結果を得られればよいですか」、2026 大問 3 問 1 は対照実験(ダニを付けないハチ)を置く理由を選ばせます。
- 理由を推察させます。2025 大問 2 問 3(2)「アンモニアと水素の性質を比較して、水素を使う利点を 1 つ推察し、簡潔に説明しなさい」、問 3(3)「どのようにして爆発が起きたのかを考え、簡潔に説明しなさい」。
- 作図・書き込みがあります。2024 大問 1 は解答欄の図に矢印と言葉をかき入れて反射の規則を説明、2026 大問 2 問 5 はミツバチが餌の方向を示すダンスを 2 通り描きます。
- 字数指定は精読した 3 年で確認できませんでした。「簡潔に」「1 つ」「2 つ答えなさい」といった量の指示で代えています。
単元の傾向
- 光が繰り返し出ます。2025 は大問 1 が丸ごと屈折、2026 は大問 2 が偏光、2024 も大問 1 の冒頭が反射。2021 にも大問 2 が光でした(大問の位置別の並びで確認)。
- 生物・地学・化学・物理の四分野で座席が決まっているということはありません。2024 は地学中心、2025 は物理+化学+生物、2026 は生物中心と、年ごとに重心が動きます。分野の山を張らず、どの分野が来ても文章を読んで答えられる状態にしておくのが、この学校の理科の備え方です。
- 環境・生態系に寄る題材が多くなっています(海洋プラスチック 2024、ミツバチと外来生物 2026)。
8-3. 社会(30 分・50 点・大問 3・小問 21〜22)
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問 1(地理) | 大問 2(歴史) | 大問 3(公民・国際・時事) |
|---|---|---|---|
| 2024 | 箱根駅伝・大学駅伝の経路をたどる会話文 — 都道府県の隣接、戸塚中継所の地形図、気候、出雲市の人口と果樹、石油化学コンビナートの分布(45 字以内)、GPS 7 問 | 「2023 年に節目を迎えた出来事」を生徒がプレゼンする設定 — 奈良時代の偽籍(40 字以内)、キリスト教史の写真、ペリー来航前後の並べかえ、1963 年の写真の府県、米英ソが参加した条約 7 問 | 世界人口 80 億人 — 人口ランキング、空き家問題の記述、法律の成立、こども家庭庁、税の分類、「大人になったらなりたいもの」の変化 7 問 |
| 2025 | 観光地の会話文 — 工場夜景と瀬戸内工業地域、発電方法別の発電量、展望台からの景色、旅客輸送の移り変わり、柿の葉寿司と野沢菜漬の地理的条件(記述) 8 問 | 藤原定家の自筆本発見 — 古今和歌集、紀元前 2 世紀、遣唐使の航路、仏教史、戦国大名の政策、鹿鳴館の舞踏会と条約改正(記述)、新旧 1000 円札の人物 7 問 | パリ五輪 — パリ協定、核軍縮、アテネの民主政と現代日本の違い(記述 2 つ)、NGO、参加が認められなかった国、セーヌ川の水質、憲法 13 条 7 問 |
| 2026 | 夏の宿泊研修旅行の行き先を話す会話文 — 福井の原子力施設、北陸新幹線、北陸の伝統工芸、奥能登の人口変化(60 字以内)、ハザードマップ、雨温図、時差 7 問 | 別府市の資料 1〜6 — 古墳時代の表、古代の法典、湯あみ祭の資料、日露戦争、室町時代、お雇い外国人、広島平和祈念式典のあいさつ(記述) 7 問 | 気候変動対策の年表 — ガザ停戦決議の拒否権、条約締結の流れ、児童労働、目標達成の義務、SDGs の目標 5、地方自治、再生可能エネルギー施設の導入(記述) 7 問 |
いちばん動かない部分 — この学校で最も固い座席
- 大問 3 題、その中身は「大問 1=地理/大問 2=歴史/大問 3=公民・国際」で並びまで固定されています。 精読した 2024・2025・2026 の 3 年で完全に一致しました。資料のある 2022〜2026 の 5 年でもこの並びが崩れていません(2021 は資料の読み取りが不安定で確認できません)。「同じ問題が出る」のではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」固定です。
- 小問数まで動きません。2024 が 21 問、2025 が 22 問、2026 が 21 問。大問あたり 7 問(2025 の大問 1 だけ 8 問)。
- 形式の比率が 3 年ほとんど同じです。記号選択 71%・73%・71%、記述 3 問(14%)、語句を書く短答 3 問(14%)。記述は毎年 3 問、各大問に 1 問ずつという配分が 3 年続いています。30 分でこれをこなします。
- 大問 1 は 3 年とも生徒どうしの会話文で始まります。2025 と 2026 は「ソラ」という同じ名前の生徒が登場します。2024 の大問 2 は「ドルトン東京学園に入学した中学 1 年生」が主人公で、学校自身が問題文に出てきます。
問い方の特徴
- 記述は「資料を読んで、特徴と理由の両方を書く」形です。2024 大問 1 問 5 は石油化学コンビナートの分布図から「どのような特徴か」と「なぜそうなるか」を、指定語句(太平洋・日本海・西アジア・オセアニアのうち 2 つ)を使って 45 字以内。2026 大問 1 問 4 は資料 2 点から奥能登の人口変化の特徴とその理由を 60 字以内。
- 字数指定は年によってあります。2024(45 字以内・40 字以内)と 2026(60 字以内)にはあり、2025 は「解答欄に合わせて」という指定だけでした。40〜60 字の枠に「特徴+理由」を収める練習が要ります。
- 「あなたの考えを述べなさい」が公民で出ます。2026 大問 3 問 7 は釧路湿原のメガソーラーの資料を読み、自治体と企業がどのような視点で進めるべきかを述べます。
- 正誤の組み合わせ(I・II の正誤/X・Y の正誤)が歴史に毎年入ります。年代の並べかえも歴史に入ります(2024 のペリー来航前後)。
- 語句を書かせるときは文字種の指定が付きます。「アルファベット 3 文字」(2024 GPS)、「カタカナ 9 文字」(2025)、「漢字で」(2024)。
- 写真・絵・地形図・雨温図・グラフ・表を読ませる設問が全大問にあります。文章だけで解ける設問のほうが少なくなっています。
時事の入り方
前年(受験年の 1 つ前の年)の出来事が、大問 2 と大問 3 の入口になります。2024 年度は「2023 年に節目を迎えた出来事」がテーマそのもので、こども家庭庁の発足(2023 年 4 月)も出ました。2025 年度は 2024 年 4 月の藤原定家自筆本発見と 2024 年パリ五輪。2026 年度は 2025 年 9 月のガザ停戦決議、2025 年夏の広島平和祈念式典、2024 年 1 月以降の能登の人口。ニュースを暗記するのではなく、「その出来事が歴史や公民のどこにつながるか」を辿らせる作りです。ニュースそのものを答えさせる設問は少なくなっています。
8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 18。2020・2022 の 2 年のみ)
国語は 2021・2023〜2026 年度の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ため、以下は 2020・2022 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。2 年分では「毎年」と言えることがほとんど無いので、以下は「精読した 2 年ではこうだった」という記録として読んでください。
年度×大問の題材表(精読した 2 年)
| 年度 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|
| 2020 | 随筆(川の流れになぞらえて「人間の立派さ」を語る文章)8 問 | 説明文(日本語は論理的でないという命題を疑う文章)6 問 | 外来語を答える語彙 4 問(ボランティア・プライバシー・リサイクル・イノベーションにあたる語) |
| 2022 | 小説(弓道部の中学生・早弥と実良と春)6 問 | 説明文(森山卓郎『コミュニケーションの日本語』— 意見が違うときの言葉遣い)7 問 | 慣用句 3 問+敬語に直す 2 問 |
精読した 2 年とも大問 3 題・小問 18 問で、大問 3 が独立した語句知識の問題という作りでした。大問 1・2 が読解、大問 3 が語彙・慣用句・敬語です。説明文は両年とも「ことば・コミュニケーション」を扱う文章で、抽象的な議論を追う読解に慣れておく必要があります。
精読した 2 年で確認できたこと
- 記述は 2〜3 問(2020 が 3 問、2022 が 2 問)で、字数指定が付きます。2020 は「『……は……から。』という形になるように三〇字以内」(大問 1 問三)、「十五字以内で埋めなさい」(大問 2 問二)。2022 は「二十字以上二十五字以内」(大問 1 問二)、「本文の言葉を用いて二十五字以上三十字以内」(大問 2 問三)。25〜30 字前後の短い記述が中心です。
- 2020 には 170 字以上 200 字以内の作文がありました(大問 1 問八「あなたがだれかを『立派だ』と感じたエピソードと…理由」を、一マス目から書き始め途中で改行しない)。2022 にはありません。この学校は理科・社会でも「あなたの考え」を書かせるので、長めの作文が復活する可能性は考えておいてよいところです。
- 記号選択が主軸です(2020 で 39%、2022 で 50%)。「最もふさわしいものを一つ選び」が基本形で、空欄 A〜D に入る言葉の組み合わせを選ばせる形も両年にあります。
- 抜き出しが両年にあります(2020「文中から抜き出しなさい」、2022「最初の六字を抜き出しなさい」)。
- 文章の書かれ方そのものを問う設問が 2022 大問 1 問六(「この文章の特徴として最もふさわしいもの」=視点の取り方)、2020 大問 1 問七(「この文章の最後に一文を加えるとすればどれがよいか」)にあります。本文の内容だけでなく、書き手の運びを見る設問です。
- 漢字は独立した大問ではなく、読解の中に混じります(2020 大問 1 問一「漢字二字で」・問二の熟語づくり、2022 大問 2 問二のカタカナを漢字に直す 3 問)。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
この学校は 2019 年開校で、資料が 6 年分しかありません。「何年周期」と言えるほどの年数が無いので、以下は「資料のある年のうち、しばらく大問として出ていないもの」という程度の意味で読んでください。精読したのは 2024〜2026 の 3 年で、2021〜2023 は資料の集計によります。最終確認年度は、その単元を資料の上で最後に確認できた年度(大問・小問を問わず)です。
| 科目 | 単元 | 大問として出た年 | 最終確認年度 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 理科 | 気象 | 2021・2022 | 2022 年度 | 2023 年度以降、大問としては出ていません |
| 理科 | 月・天体 | 2021 | 2021 年度 | 資料のある 6 年で 1 回だけです |
| 理科 | てこ・力のつりあい | 2022 | 2022 年度 | 2023 年度以降は大問として出ていません |
| 理科 | 水溶液・溶解度・浮力 | 2023 | 2023 年度 | 2023 年度に集中し、その後は大問として出ていません |
| 理科 | 植物のつくりとはたらき | 2022 | 2024 年度(小問) | 2024 に小問で 1 問出たのみです |
| 算数 | 平面図形(円とおうぎ形) | 2022 | 2026 年度(小問) | 大問としては 2022 のみ。2024〜2026 は大問 2 の小問で図形が 1 問入る形です |
| 算数 | 速さ | 2023 | 2026 年度(小問) | 大問としては 2023 のみ。2024(フェリーと高速船)・2026(通過算)は大問 2 の小問です |
| 社会 | 三権分立を大問の主題に | 2021・2024 | 2026 年度(小問) | 2025・2026 は国際・環境が大問 3 の主題。ただし条約締結の流れ(2026)など小問では毎年出ます |
いちばん言えるのは、理科の物理・化学が 2024〜2026 の 3 年で大問の主題になった回数が少ない(2025 の大問 3 の電流くらい)ということです。分野の座席が無い学校なので、しばらく出ていない分野ほど手当てしておきたいところです。
10. 形式面の注意
- 算数: 記号選択は 3 年で 2 問・2 問・0 問と少なく、ほとんどが答えだけを書く短答です。説明を書かせる設問があります(2024 に 2 問、2026 に 1 問。2025 は 0 問)。作図・書き込みは 2026 大問 3(1) の「ぬりかたをすべてかきなさい」。解答欄の指示を最後まで読む必要がある設問があります(2026 大問 4(3)「利益または損失のうち適するほうに○をつけ、金額をかきなさい」)。円周率の指定は、精読した 3 年の設問文からは確認できませんでした。
- 理科: 説明の記述が毎年 3〜5 問(全小問の 21〜27%)。字数指定は精読した 3 年で確認できず、「簡潔に」「1 つ」「2 つ答えなさい」という量の指示で代わりをしています。解答欄の図に矢印と言葉を書き込ませる設問(2024 大問 1 問 1(1))、図を描かせる設問(2026 大問 2 問 5 のミツバチのダンス 2 通り)があります。「2 つ選び」「すべて選び」「正しい順に並べかえ」「誤っているもの」が混じります。試験中に配布物がある年があります(2024・2026)。
- 社会: 記述は毎年 3 問、各大問に 1 問ずつ。字数指定は年によります(2024 は 45 字以内・40 字以内、2026 は 60 字以内、2025 は「解答欄に合わせて」のみ)。指定語句つきの記述が 2024 大問 1 問 5(太平洋・日本海・西アジア・オセアニアから 2 つ)にあります。語句を書かせるときは文字種の指定が付きます(「アルファベット 3 文字」2024、「カタカナ 9 文字」2025、「漢字で」2024)。正誤の組み合わせ(I・II/X・Y)と年代の並べかえが歴史に毎年入ります。作図は精読した 3 年で無しでした。
- 国語(2020・2022 のみ): 記述に字数指定が付きます(三〇字以内、十五字以内、二十字以上二十五字以内、二十五字以上三十字以内)。文末や使う語の条件が付くことがあります(「『……は……から。』という形になるように」「本文の言葉を用いて」)。2020 には 170〜200 字の作文があり、「一マス目から書き始め、途中で改行しないこと」という書式指定が付いていました。抜き出しは字数指定つきです(「最初の六字」)。
11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さ(大問 1 の 4 問は 6 年間位置が変わりません)、平面・立体図形の基礎、物語文と説明文をひととおり読み切る力、漢字語彙。加えて「なぜそう思うか」を 2 文で言う習慣を。この学校は 4 科目すべてで理由を書かせるので、口で言えることを増やしておくのが最短の準備になります。時間計測はまだ不要です |
| 小 5(幅) | 全分野をひととおり学び終える時期です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の計算(大問 1 の 4 問にあたる分量)を毎日、週末 60 分はその週の単元 1 つ。算数は規則性・数列 → 場合の数 → 推理の順に厚く置きます(大問 3・4 の常連です)。社会は地理・歴史・公民を漏れなく一巡(3 大問が三分野に固定なので、どれか一分野の穴がそのまま 3 分の 1 の失点になります)。理科は分野の山を張らず全分野を一巡。この時期から新聞やニュースを「教科書のどこにつながるか」で見る習慣をつけると、小 6 の時事対策が要らなくなります。ただし国語は 2021・2023〜2026 年度の問題文が資料に無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目。夏以降は社会を大問ごとに縦に、算数は大問 1 を毎日・大問 3/4 を縦に解きます。理科は 30 分で 14〜21 問(うち記述 3〜5 問)という配分を通し演習で体に入れます。記述は書きっぱなしにせず、「特徴と理由の両方を書いたか」「字数の枠に収まったか」を毎回自分で確認します |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 いちばん効くのは小 5 での全分野の一巡です。社会は 3 大問が地理・歴史・公民に固定されているので、どれか一分野を捨てると 3 分の 1 が丸ごと崩れます。理科は分野の座席が無く、年ごとに重心が動くので山を張れません。算数も大問 3・4 の題材が毎年新しく、過去問の暗記が効きません。つまり「どこが出るか」を絞る余地が小さく、幅の広さがそのまま得点になる学校です。もう一つ、小 4 から積んでおくと効くのが書く量への慣れで、理科の記述 2 割超・社会の記述 3 問・算数の説明の記述という配分は、直前期に急に身につくものではありません。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏は扱いません。同じ問題が出るという意味でもありません。
- 東京農業大学第一高等学校中等部(東京都・共学)— 近さ 70 で、いちばん近い組み合わせです。社会(82)と算数(67)が近く、資料を読ませる社会の作りが転用できます。
- 成立学園中学校(東京都・共学)— 近さ 69。理科(85)と社会(81)が近い組み合わせです。算数(42)は作りが違うので別に対策が要ります。
- 広尾学園中学校(東京都・共学)— 近さ 69。社会(87)と理科(75)が近い組み合わせです。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 社会と理科で近い学校が多く、算数で近いのは東京学芸大学附属小金井(算数 80。大問数と小問の作りが似ており、算数の演習が最も転用しやすい組み合わせです)という並びになります。社会は大問 3 題を三分野で割る作りが広く共通するため、社会の過去問演習はここに挙げた学校のあいだで比較的よく転用できます。逆に、理科の「配布物を観察して書く」大問と、算数の大問 3・4 の長い誘導は、この学校に固有の要素なので、他校の過去問では代わりになりません。
- 2027 年度は、広尾学園・東京都市大学等々力・桐朋女子とも 2 月 1 日・2 月 2 日の同じ時間帯にこの学校と入試が重なる回があります。同じ日の同じ時間帯に重なる回は、どちらか一方しか受けられません。
- 国語はこの学校の資料が 2 年分しかないため、近さを計算できていません(併願候補ページの国語欄はすべて空欄です)。
13. 資料の限界
- 入試回を特定できていません。この学校は 2 月 1 日午前(4 科)・1 日午後(2 科)・2 日午前(4 科)・2 日午後(理科と算数の 2 科ほか)と複数の回を実施していますが、手元の問題冊子には回の表記が無く、どの回のものか断定できません。4 科すべてがそろっているので午前の 4 科の回である可能性は高いのですが、午後の回(とくに 2 日午後の理科と算数の回、および英語や作文と面接による回)の傾向は、この資料からは一切分かりません。
- 年数が 6 年しかありません。2019 年開校の学校なので、そもそも入試が 2019 年度以降しか存在しません。他校のレポートのように「10 年周期」「5 年連続」といった長い反復は原理的に確認できません。本稿で「3 年連続」と書いたところは 2024・2025・2026 の原本を自分で読んで確認したもの、「6 年とも」と書いたところは大問数など資料の集計で確認できる範囲のものです。
- 原本を通して読んだのは各科目 3 年分です(算数・理科・社会は 2024〜2026、国語は 2020・2022)。2021〜2023 の算数・理科・社会は大問構成の集計しか見ておらず、題材の細部は確認していません。
- 国語は 2021・2023〜2026 年度の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多いためで、学校が出していないわけではありません)。国語について書いたことは 2020・2022 年度に限った話で、直近の形式は市販の過去問集で確認してください。出典として原本の本文末尾で確認できたのは 2022 年度の大問 2(森山卓郎『コミュニケーションの日本語』)だけで、他の文章の出典表記は資料の中に見つけられませんでした。
- 配点は不明です。設問別の配点はどの冊子にも印刷されていません。科目ごとの満点(国語・算数 100 点、理科・社会 50 点)は 2027 年度の募集要項によります。
- 転写の読み落としの可能性があります。数式・図・写真は文字に起こされた記述で読んでいるため、図そのものの細部や、解答用紙の枠の大きさは確認できていません。とくに理科の「配布物」は現物が資料に含まれないので、実際にどんな物が配られたかは問題文の記述から推測しています。
- 2024 年度の算数と理科、2025 年度・2026 年度の社会は、資料の側で読み取りの確度が低いと記録されている冊子でした。本稿では大問構成と設問文を自分で確認したうえで書いていますが、小問の細かい数え方に揺れがある可能性はあります。
- 「〜のように見えます」と書いた箇所は題材からの推測で、裏づけとなる資料はありません。
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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
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