ドルトン東京学園中等部 の過去問分析

ドルトン東京学園中等部の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。

ドルトン東京学園中等部 過去問分析(2020〜2026 年度・6 年分)

更新 2026-08-20。


1. この学校の基本情報

項目 内容
所在地 東京都調布市
男女 共学
開校 2019 年開校(入試そのものが 2019 年度以降しかありません)
入試回と日程・科目 2 月 1 日午前・2 月 2 日午前は 4 科(国語・算数・理科・社会)/2 月 1 日午後は 2 科(国語・算数)、または 2 科に英語資格の加点あり/2 月 2 日午後は理科と算数の 2 科、ほかに英語・思考表現での受験もできます(2027 年度募集要項)
試験時間・配点 国語・算数は各 50 分 100 点、理科・社会は各 30 分 50 点。2 月 2 日午後の理科と算数の回だけ、理科も 50 分 100 点

いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。

2 月 2 日午後の「理科と算数の 2 科」は、他校ではあまり見ない組み合わせです。この回の傾向は手元の資料からは分かりません(→ 13 節)。


2. このページでわかること

このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値募集要項・入試結果)。

過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。

以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。


3. まず結論だけ(10 行)

結論

  1. 大問の数と役割は動かないのに、中身は毎年作り直されます。算数は 6 年とも大問 4 題、理科は 6 年とも大問 3 題、社会は「大問 1=地理・大問 2=歴史・大問 3=公民・国際」の並びが崩れません。
  2. 4 科目すべてで、長い文章や資料を読んでから、考えたことを日本語で書かせます。理科は小問の 2 割以上が説明の記述、社会は毎年ちょうど 3 問です。
  3. 同じ問題や同じ設問文の使い回しは、原本を突き合わせた範囲(各科目 3 年分)で 1 件も見つかりませんでした。

家でやること 3 つ

  1. 社会は年度通しではなく、大問 1 だけを 5 年分というように大問ごとに縦に解きます。
  2. 算数は大問 1 の計算 4 問を毎日やります(6 年間この位置が動いていません)。
  3. 理科の説明の記述を毎週 2 問書きます。

今週やる 1 つ

  1. 2026 年度の理科大問 2(偏光板)と社会大問 3 の記述を解いて、「観察したことを自分の言葉で書く」「40〜60 字で特徴と理由を書く」の 2 つが今どれくらいできるかを見ます。

注意

  1. 手元の問題冊子には入試回(同じ学校が日を変えて行う入試のそれぞれ)の表記が無く、ここに書いたことがどの回のものかは分かりません。国語は 2021・2023〜2026 年度の問題文が資料にありません(→ 13 節)。

4. 資料の状況

どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。

科目 精読した年 構成だけ数えた年 資料のある年 判読の確度
算数 3 年(2024・2025・2026) 3 年(2021・2022・2023) 6 年(2021〜2026)
理科 3 年(2024・2025・2026) 3 年(2021・2022・2023) 6 年(2021〜2026)
社会 3 年(2024・2025・2026) 3 年(2021・2022・2023) 6 年(2021〜2026)
国語 2 年(2020・2022) 0 年 2 年(2020・2022) 2 年分では傾向を語れない

5. 一番大きな結論

この学校の入試は「大問の数と役割」が動かず、「中身」は毎年作り直されます。 そして 4 科目すべてで、長い文章や資料を読んでから、考えたことを日本語で書かせます。

動かないところを先に挙げます。

一方、同じ問題や同じ設問文が年をまたいで使い回されている例は、原本を突き合わせた範囲(各科目 3 年分)で 1 件も見つかりませんでした。座席(問題の置き場所) は同じでも、そこに置かれる問題は毎年作り直されています。「同じ問題が出る」のではなく「同じ種類の問題が同じ場所に出る」学校です。

したがって過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではなく、「単元ごとの解き方の手順を身につける」+「同じ座席の問題を年度をまたいで縦に解く」の組み合わせがいちばん近くなります(手順は 過去問の使い方)。社会は大問 1(地理)だけを 5 年分、大問 3(公民)だけを 5 年分と縦に解くのが効きます。算数も大問 1 の計算 4 問だけを縦に、大問 3・4 の長い誘導だけを縦に、という解き方ができます。

もう一つ、この学校でいちばん特徴的なのは「書かせる量」と「その中身」です。理科は 3 年とも小問の 2 割以上(3〜5 問)が説明の記述で、社会は 3 年とも記述がちょうど 3 問(各大問に 1 問ずつ)。算数にも「理由を説明しなさい」「式や考え方と答えを書きなさい」が出ます(2024 に 2 問、2026 に 1 問)。しかもその多くが、教科書の答えを再生するのではなく「あなたの考えを書きなさい」「自分で考えて答えなさい」という設問です。さらに理科では、試験中に配られた実物(2024 は石とガラスとプラスチック、2026 は偏光板)を観察して、その場で気づいたことを書かせる大問が、精読した 3 年のうち 2 年で出ています。


6. この学校らしさが出る場所


7. 今からやるなら

想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提に優先順を付けています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読んでください。学年別の入り方は 11 節に分けて書きました。

各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。

  1. [週末 60 分] 社会を大問ごとに縦に解く — 地理(大問 1)だけを 5 年分、歴史(大問 2)だけを 5 年分、公民・国際(大問 3)だけを 5 年分。並びが固定なので、この解き方がそのまま本番の 3 分割に対応します。歴史は 1 つの大問で古墳から戦後まで一気に問われる年があり(2026 大問 2)、時代ごとの穴が致命的になりやすいので通史を時代順に。公民は国際分野が厚く、国連・条約・SDGs・環境政策が 3 年とも大問 3 に入っています。(確認: 〜2026 年度)
  2. [週 1 回] 社会の記述 3 問を落とさない練習 — 40〜60 字で「資料から読める特徴」+「その理由」を書きます。2024 は指定語句 2 つを使って 45 字以内、2026 は資料 2 点から 60 字以内。字数指定が無い年(2025)は解答欄の大きさが指示になります。資料 2 点を見比べて共通点・違いを言葉にする練習を、地理・歴史・公民のそれぞれで。(確認: 〜2026 年度)
  3. [週 1 回] 理科の説明の記述を毎週 2 問 — 「利点を 1 つ推察して説明」(2025)、「分業制の利点を個々と群れの両方について」(2026)、「どのような実験をして、どのような結果が得られればよいか」(2025)の 3 種を回します。対照実験の考え方(何をそろえ、何を変えるか)は 2025(破傷風菌を特定する実験の設計)と 2026(ダニを付けないハチを置く理由)の 2 年連続で問われました。(確認: 〜2026 年度)
  4. [週末 60 分] 算数の規則性・数列と「理由を説明しなさい」 — 精読した 3 年で大問 3・4 のうち少なくとも 1 題は規則性で、2024 は 2 題ともそうでした。あみだくじ(2024)、7 セグメント式タイマー(2025)、自作の「ぶどう算」(2025)のように、知らないルールをその場で読んで表に整理する練習を。あわせて 2026 大問 3(3)「くじを引ける回数は最大で 5 回です。その理由を説明しなさい」のように、場合分けを日本語にする練習も。数値が合っていても説明が書けないと点になりません。(確認: 〜2026 年度)
  5. [毎日 10 分] 算数の大問 1 を毎日 4 問 — 3 問の四則計算+ひとひねり 1 問(2024 は 3 と 7 を使わない数、2025 は循環小数の第 20 位、2026 は時・分・秒の換算)。分数・小数・かっこの混じった 3 行の式と、ひとひねりの 1 問までを毎日ひとまとまりで回します。ここは 6 年間位置が動いていません。(確認: 〜2026 年度)
  6. [週末 60 分] 理科の長文・会話文読解 — 2025 は 3 大問すべてが会話文で始まりました。偏光・ホットスポット・純粋培養といった知らない語が出ても、本文の説明から意味を取って答えます。光(反射・屈折)は精読した 3 年すべてに顔を出すので、作図まで含めて固めておきます。(確認: 〜2026 年度)
  7. [毎日 10 分] 前年 1 年間のニュースを歴史・公民につなぐノート — この学校の社会は「ニュースを答えさせる」のではなく「ニュースを入口に教科書の項目を問う」作りです。2024 年度=こども家庭庁、2025 年度=パリ五輪と藤原定家の自筆本、2026 年度=ガザ停戦決議・広島平和祈念式典・能登の人口。出来事の名前より「どの分野につながるか」を書き留めます。(確認: 〜2026 年度)
  8. [週 1 回] 資料の読み取りと算数の大問 2 — 社会は地形図・雨温図・統計表(3 年とも大問 1 に複数)、理科はグラフからの割合計算(2025 の電磁波の減衰、2026 の糖度)、算数も表・グラフから数値を拾う設問が 3 年ともありました。算数の大問 2 は単元がばらばらの小問 5〜6 問なので、12 分程度で通す演習にします(食塩水は 2025・2026 の 2 年連続)。(確認: 〜2026 年度)

国語は 25〜30 字の記述と語句知識が中心で、2020 年度には 200 字前後で自分の体験と考えを書く作文も出ています。ただし直近年の資料が無いので、市販の過去問集で形式を確認しながら進めてください(→ 13 節)。


8. 科目別の詳細

まず 4 科目を横に並べます。

科目 形式の固定度 中身の性格 同じ時間で点になりやすいこと
算数(50 分・100 点) 大問 4 題・小問 16〜19 問。大問 1 は必ず計算 4 問。記号選択は 0〜2 問と少なく、ほぼ短答 大問 3・4 は毎年新しい題材で作られる誘導つきの長い問題。規則性・数列が繰り返し来る 規則性・数列(自作ルールを表に整理する)と、大問 1 の計算 4 問の安定
理科(30 分・50 点/2 月 2 日午後の回のみ 50 分・100 点) 大問 3 題・小問 14〜21 問。記号選択 43〜57%、説明の記述が 21〜27% 分野の座席がありません。長文か会話文を読ませ、実験の設計・理由の推察を書かせます。光が精読した 3 年すべてに登場 説明の記述(利点・理由・実験の組み方)と、長文の理科読解
社会(30 分・50 点) 大問 3 題・小問 21〜22 問。地理→歴史→公民の並びが固定。記号選択 71〜73%、記述 3 問、短答 3 問 前年 1 年間の出来事を入口に、歴史や公民の項目へつなぐ作り。資料(写真・地形図・雨温図・統計)が全大問に入ります 40〜60 字で「特徴+理由」を書く記述と、資料の読み取り。大問ごとに縦に解く
国語(50 分・100 点。2020・2022 の 2 年のみ) 精読した 2 年とも大問 3 題・小問 18 問。大問 3 が独立した語句知識 読解 2 題+語彙・慣用句・敬語。記述は 25〜30 字が中心。2020 には 200 字の作文がありました 短い記述を条件どおりに書くことと、語句知識の独立対策

8-1. 算数(50 分・100 点・大問 4・小問 16〜19)

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

年度 大問 1 大問 2 大問 3 大問 4
2024 計算 3 問+数の性質(1〜100 で 3 と 7 を使わない数) 小問 6(資料の読み取り=プロ野球のノーヒットノーラン/比と所持金/長方形の四隅を切って作る直方体/フェリーと高速船/約束記号(行列風の記号)/円形に座った人の推理) あみだくじの対応表(横線を加えると並びがどう変わるか)5 問 碁石で偶数・奇数の和を図示する会話(規則性)4 問
2025 計算 3 問(うち 1 問は逆算=□にあてはまる数を求める計算)+数の性質(201/2025 の小数第 20 位) 小問 6(食塩水/1〜12 を 1 回ずつ使う式の完成/遅れる時計と進む時計/ドッジボールの勝敗の推理/東京・パリ両五輪の金メダル表/理髪店のサインポールの回転) 7 セグメント式タイマーのライトが 99→0 で何回点灯するか 3 問 「ぶどう算」(房に整数を入れる自作ルール)4 問
2026 計算 3 問+単位換算(2 時間 15 分+350 秒−100 分) 小問 5(等差数列/食塩水/銅貨・銀貨・金貨の交換/通過算/燃える速さの違う線香 2 本) くじを引いてマスをぬるゲーム(場合の数)3 問 株式投資(毎月一定額を買う投資法と、毎月一定口数を買う投資法の比較)4 問

表に出てくる等差数列・通過算などの中身は 用語集 にあります。

いちばん動かない部分

問い方の特徴

題材の色

日常・社会の出来事をそのまま素材にする傾向が、精読した 3 年ではっきりしています。プロ野球のノーヒットノーラン記録(2024)、鹿児島—屋久島のフェリーと高速船(2024)、東京・パリ両五輪の金メダル数(2025)、理髪店のサインポール(2025)、株式投資と株価の折れ線グラフ(2026)。表・グラフを読んでから計算に入る設問が毎年あります(2024 大問 2(1)、2025 大問 2(5)、2026 大問 4(4))。

8-2. 理科(30 分・50 点/2 月 2 日午後の回のみ 50 分・100 点・大問 3・小問 14〜21)

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

年度 大問 1 大問 2 大問 3
2024 「地球で生まれる石」(ヒスイ海岸の石)— 光の反射の作図と説明、気体の発生、ホットスポットと火山列、マグマのできる場所 5 問 流れる水のはたらき(侵食・運搬・堆積)— 粒の大きさと堆積、海面の上下と地層、地層の新旧の並べかえ、炭素 14 の半減 7 問 配布されたガラス・石・プラスチックの実物を観察し、「プラスチックが他と違う点」「なぜ大きな問題になるのか」を書く 2 問
2025 会話文「光の屈折」— 水中の 10 円玉の見え方、大気による太陽の浮き上がり、屈折率 4 問 会話文「北里柴三郎と破傷風菌」— 気体の性質、水素を使う利点の推察、爆発が起きた理由、菌を特定する実験の設計 6 問 会話文「IC カードと電磁波」— 電磁石と方位磁針、距離とエネルギーの計算、豆電球を明るくする方法、熱と状態変化 5 問
2026 ミツバチの社会 — 成長段階の並べかえ、正誤 5 問、蜂蜜が酸性である理由、糖度の濃度計算、分業制の利点、働きバチの多様性の強み 10 問 配布された偏光板 2 枚と透明フィルムを実際に重ねて観察し、発見した事実を書く。ミツバチの個眼と偏光、太陽の方角、餌の方向を示すダンスの作図 7 問 ミツバチの危機(アカリンダニ)— 対照実験を置く理由、グラフの読み取り、外来生物としての流行の原因 4 問

いちばん動かない部分

この科目でいちばん珍しいところ — 試験中に実物を配る

2024 と 2026 の 2 年で、試験中に配布された物を観察して答える大問がありました。 2024 は「配布されたサンプルはそれぞれ、ガラス、石、プラスチックで、これらはどれも海辺で採取することができます」という大問 3 で、プラスチックの違いを書き出し、なぜ問題になるかを自分の考えとして書きます。2026 は大問 2 で「配布された封筒には偏光板が入っています」とあり、偏光板 2 枚の間に透明フィルムをはさんで角度や枚数を変え、「何を変えると光がどう変わるかを観察し、あなたの発見した事実を答えなさい」(図や表を使ってもよい)。2025 にはこの形式が無かったので毎年とは言えませんが、精読した 3 年のうち 2 年で出ている以上、手を動かして観察し、その場で言葉にする準備は要ります。

問い方の特徴

単元の傾向

8-3. 社会(30 分・50 点・大問 3・小問 21〜22)

年度×大問の題材表(精読した 3 年)

年度 大問 1(地理) 大問 2(歴史) 大問 3(公民・国際・時事)
2024 箱根駅伝・大学駅伝の経路をたどる会話文 — 都道府県の隣接、戸塚中継所の地形図、気候、出雲市の人口と果樹、石油化学コンビナートの分布(45 字以内)、GPS 7 問 「2023 年に節目を迎えた出来事」を生徒がプレゼンする設定 — 奈良時代の偽籍(40 字以内)、キリスト教史の写真、ペリー来航前後の並べかえ、1963 年の写真の府県、米英ソが参加した条約 7 問 世界人口 80 億人 — 人口ランキング、空き家問題の記述、法律の成立、こども家庭庁、税の分類、「大人になったらなりたいもの」の変化 7 問
2025 観光地の会話文 — 工場夜景と瀬戸内工業地域、発電方法別の発電量、展望台からの景色、旅客輸送の移り変わり、柿の葉寿司と野沢菜漬の地理的条件(記述) 8 問 藤原定家の自筆本発見 — 古今和歌集、紀元前 2 世紀、遣唐使の航路、仏教史、戦国大名の政策、鹿鳴館の舞踏会と条約改正(記述)、新旧 1000 円札の人物 7 問 パリ五輪 — パリ協定、核軍縮、アテネの民主政と現代日本の違い(記述 2 つ)、NGO、参加が認められなかった国、セーヌ川の水質、憲法 13 条 7 問
2026 夏の宿泊研修旅行の行き先を話す会話文 — 福井の原子力施設、北陸新幹線、北陸の伝統工芸、奥能登の人口変化(60 字以内)、ハザードマップ、雨温図、時差 7 問 別府市の資料 1〜6 — 古墳時代の表、古代の法典、湯あみ祭の資料、日露戦争、室町時代、お雇い外国人、広島平和祈念式典のあいさつ(記述) 7 問 気候変動対策の年表 — ガザ停戦決議の拒否権、条約締結の流れ、児童労働、目標達成の義務、SDGs の目標 5、地方自治、再生可能エネルギー施設の導入(記述) 7 問

いちばん動かない部分 — この学校で最も固い座席

問い方の特徴

時事の入り方

前年(受験年の 1 つ前の年)の出来事が、大問 2 と大問 3 の入口になります。2024 年度は「2023 年に節目を迎えた出来事」がテーマそのもので、こども家庭庁の発足(2023 年 4 月)も出ました。2025 年度は 2024 年 4 月の藤原定家自筆本発見と 2024 年パリ五輪。2026 年度は 2025 年 9 月のガザ停戦決議、2025 年夏の広島平和祈念式典、2024 年 1 月以降の能登の人口。ニュースを暗記するのではなく、「その出来事が歴史や公民のどこにつながるか」を辿らせる作りです。ニュースそのものを答えさせる設問は少なくなっています。

8-4. 国語(50 分・100 点・大問 3・小問 18。2020・2022 の 2 年のみ)

国語は 2021・2023〜2026 年度の問題文が資料に無い(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)ため、以下は 2020・2022 年度に限った話です。直近の形式は市販の過去問集で確認してください。2 年分では「毎年」と言えることがほとんど無いので、以下は「精読した 2 年ではこうだった」という記録として読んでください。

年度×大問の題材表(精読した 2 年)

年度 大問 1 大問 2 大問 3
2020 随筆(川の流れになぞらえて「人間の立派さ」を語る文章)8 問 説明文(日本語は論理的でないという命題を疑う文章)6 問 外来語を答える語彙 4 問(ボランティア・プライバシー・リサイクル・イノベーションにあたる語)
2022 小説(弓道部の中学生・早弥と実良と春)6 問 説明文(森山卓郎『コミュニケーションの日本語』— 意見が違うときの言葉遣い)7 問 慣用句 3 問+敬語に直す 2 問

精読した 2 年とも大問 3 題・小問 18 問で、大問 3 が独立した語句知識の問題という作りでした。大問 1・2 が読解、大問 3 が語彙・慣用句・敬語です。説明文は両年とも「ことば・コミュニケーション」を扱う文章で、抽象的な議論を追う読解に慣れておく必要があります。

精読した 2 年で確認できたこと


9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)

この学校は 2019 年開校で、資料が 6 年分しかありません。「何年周期」と言えるほどの年数が無いので、以下は「資料のある年のうち、しばらく大問として出ていないもの」という程度の意味で読んでください。精読したのは 2024〜2026 の 3 年で、2021〜2023 は資料の集計によります。最終確認年度は、その単元を資料の上で最後に確認できた年度(大問・小問を問わず)です。

科目 単元 大問として出た年 最終確認年度 状況
理科 気象 2021・2022 2022 年度 2023 年度以降、大問としては出ていません
理科 月・天体 2021 2021 年度 資料のある 6 年で 1 回だけです
理科 てこ・力のつりあい 2022 2022 年度 2023 年度以降は大問として出ていません
理科 水溶液・溶解度・浮力 2023 2023 年度 2023 年度に集中し、その後は大問として出ていません
理科 植物のつくりとはたらき 2022 2024 年度(小問) 2024 に小問で 1 問出たのみです
算数 平面図形(円とおうぎ形) 2022 2026 年度(小問) 大問としては 2022 のみ。2024〜2026 は大問 2 の小問で図形が 1 問入る形です
算数 速さ 2023 2026 年度(小問) 大問としては 2023 のみ。2024(フェリーと高速船)・2026(通過算)は大問 2 の小問です
社会 三権分立を大問の主題に 2021・2024 2026 年度(小問) 2025・2026 は国際・環境が大問 3 の主題。ただし条約締結の流れ(2026)など小問では毎年出ます

いちばん言えるのは、理科の物理・化学が 2024〜2026 の 3 年で大問の主題になった回数が少ない(2025 の大問 3 の電流くらい)ということです。分野の座席が無い学校なので、しばらく出ていない分野ほど手当てしておきたいところです。


10. 形式面の注意


11. 学年別ロードマップ(小 4 から始めるなら)

この学校に向けて何をするか
小 4(土台) 計算の正確さ(大問 1 の 4 問は 6 年間位置が変わりません)、平面・立体図形の基礎、物語文と説明文をひととおり読み切る力、漢字語彙。加えて「なぜそう思うか」を 2 文で言う習慣を。この学校は 4 科目すべてで理由を書かせるので、口で言えることを増やしておくのが最短の準備になります。時間計測はまだ不要です
小 5(幅) 全分野をひととおり学び終える時期です。週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は算数の計算(大問 1 の 4 問にあたる分量)を毎日、週末 60 分はその週の単元 1 つ。算数は規則性・数列 → 場合の数 → 推理の順に厚く置きます(大問 3・4 の常連です)。社会は地理・歴史・公民を漏れなく一巡(3 大問が三分野に固定なので、どれか一分野の穴がそのまま 3 分の 1 の失点になります)。理科は分野の山を張らず全分野を一巡。この時期から新聞やニュースを「教科書のどこにつながるか」で見る習慣をつけると、小 6 の時事対策が要らなくなります。ただし国語は 2021・2023〜2026 年度の問題文が資料に無い(→ 13 節)ので、直近の形式は市販の過去問集で確かめてください
小 6(仕上げ) 7 節の 8 項目。夏以降は社会を大問ごとに縦に、算数は大問 1 を毎日・大問 3/4 を縦に解きます。理科は 30 分で 14〜21 問(うち記述 3〜5 問)という配分を通し演習で体に入れます。記述は書きっぱなしにせず、「特徴と理由の両方を書いたか」「字数の枠に収まったか」を毎回自分で確認します

この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 いちばん効くのは小 5 での全分野の一巡です。社会は 3 大問が地理・歴史・公民に固定されているので、どれか一分野を捨てると 3 分の 1 が丸ごと崩れます。理科は分野の座席が無く、年ごとに重心が動くので山を張れません。算数も大問 3・4 の題材が毎年新しく、過去問の暗記が効きません。つまり「どこが出るか」を絞る余地が小さく、幅の広さがそのまま得点になる学校です。もう一つ、小 4 から積んでおくと効くのが書く量への慣れで、理科の記述 2 割超・社会の記述 3 問・算数の説明の記述という配分は、直前期に急に身につくものではありません。


12. この学校と併願するなら

観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・合格可能性・通学圏は扱いません。同じ問題が出るという意味でもありません。

8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。


13. 資料の限界


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数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。

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