お茶の水女子大学附属中学校 の過去問分析
お茶の水女子大学附属中学校の過去問を年度ごとに数えて、何が固定で何が毎年変わるか・よく出る単元・過去問の使い方をまとめたページです。
お茶の水女子大学附属中学校 過去問分析(2010〜2023 年度・一般入試・科目により 5〜11 年分)
更新 2026-08-20。
1. この学校の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都文京区 |
| 男女 | 共学。ただし募集は男子約 25 名・女子約 30 名と、男女別に人数が決まっています |
| 設置 | 国立 |
| 入試回と日程・科目 | 一般入試は 2 月 3 日。検査Ⅰ(国語系・30 分)/検査Ⅱ(算数系・30 分)/検査Ⅲ(理科・社会横断系・45 分)の 3 検査(2026 年度募集要項) |
| 試験時間・配点 | 検査Ⅰ 30 分・検査Ⅱ 30 分・検査Ⅲ 45 分。配点は公表資料から確認できません |
| 別枠の入試 | 帰国生徒教育学級の別枠があります。内容は募集要項で確認してください |
いまの小 6 は 2027 年 2 月、小 5 は 2028 年、小 4 は 2029 年の入試を受けます。 上の表は 2026 年度の募集要項による内容です。
2. このページでわかること
このページは、どんな問題が出るか・家で何をやるかだけを扱います。難易度・偏差値・合格可能性・入試結果は扱いません(偏差値 / 募集要項・入試結果)。
過去問そのものの回し方は 過去問の使い方、受験用語は 用語集 にまとめてあります。
以下、大問(問題の大きなかたまり)・小問(その中の一問)という言い方をします。
3. まず結論だけ(10 行)
結論
- 算数(現在の検査Ⅱ)は大問 1 が計算 4 問、大問 2 が小問集合です。この 2 つの座席(問題の置き場所)は、設問文まで精読した 6 年(2018〜2023)すべてで同じでした。
- 社会(現在の検査Ⅲ)は最後の大問が「あなたならどうするか」を書かせる問題で、2021・2022・2023 の 3 年連続です。
- 国語(現在の検査Ⅰ)は大問 1 が「放送による問題」=聞き取りで、資料のある 5 年すべてで確認できました。理科だけは座席の固定が無く、毎年作り直されています。
家でやること 3 つ
- 算数の大問 1(計算 4 問)だけを、年度をまたいで縦に解きます。1 セット 5 分です。
- 聞き取りを毎日 1 本。2〜3 分の会話や話し合いを聞いて、話題・数字・それぞれの役割をメモします。
- 社会(検査Ⅲ)の最終大問「提案を書く」を 3 年ぶん解きます。
今週やる 1 つ
- 定規とコンパスを出して、線対称・点対称の作図を 1 回やってみます。この学校の算数は道具の使用を明記する年があり、忘れると答えようがない問題があります。
注意
- 現在の入試は 4 科目ではなく 3 つの検査です。理科と社会を別々の試験として準備するのは、直近の形には合いません。国語は 2017 年度と 2019 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)。
4. 資料の状況
どの年をどこまで見たかを、3 つに分けて書きます。精読した年(設問文まで読んだ年)/構成だけ数えた年(大問の並びだけを数えた年)/資料のある年(転写が存在する年)。転写=過去問の紙面を文字データに起こしたもの、です。
| 科目 | 精読した年 | 構成だけ数えた年 | 資料のある年 | 判読の確度 |
|---|---|---|---|---|
| 算数 | 6 年(2018〜2023) | 0 年 | 11 年(2010、2014〜2023) | 高。とくに直近 3 年(2021・2022・2023)は転写の確度が高く、大問構成まで読めます |
| 理科 | 3 年(2019・2020・2021) | 0 年 | 11 年(2010、2012〜2021) | 中。2021 年度の冊子は大問 1 題ぶんしか転写されておらず、この年は形式の分析に使えませんでした |
| 社会 | 3 年(2021・2022・2023) | 0 年 | 11 年(2013〜2023) | 高。図表・地図・グラフの説明が多いものの、設問文はほぼ読めます |
| 国語 | 3 年(2015・2016・2018) | 2 年(2013・2014) | 5 年(2013〜2016、2018) | 中。2017 年度と 2019 年度以降の問題文が資料に無く(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)、ここに書いたのは 2013〜2018 年度に限った話です |
- 収録冊子の校名は全校・全冊で照合済みです(別校の冊子が混じっていた場合はこの節に明記しています)。
- 資料の無い年は、算数が 2011〜2013 年度、理科が 2011 年度、国語が 2017 年度と 2019 年度以降です。社会は 2013〜2023 年度に欠けがありません。
- 精読した年より外の年は、原則として今回は開いていません。例外は国語の 2013・2014 年度で、この 2 年は大問の並びだけを数えました(構成だけ数えた年)。年をまたぐ並びについては、自動集計の一覧で確認できる範囲を本文に添えてあります。
- 資料はいずれも 2 月実施の一般入試で、帰国生徒教育学級の選考は含まれません。過去問データベースは 1 校 1 年につき 1 冊しか掲載しないため、回の取り違えが起きていないかは表紙の実施日で確認できる範囲にとどまります。
- 現在の入試の呼び方と、この資料の科目名は一致しません。学校の 2026 年度一般入試は検査Ⅰ(30 分)・検査Ⅱ(30 分)・検査Ⅲ(45 分)の 3 検査で、検査Ⅰが国語系、検査Ⅱが算数系、検査Ⅲが理科・社会の横断という組み立てです。一方この資料は 2023 年度までを「国語・算数・理科・社会」の 4 冊に分けて収めています。以下では資料の科目名で書きますので、読むときは「検査Ⅱ=算数」「検査Ⅲ=理科と社会」と読み替えてください。時間配分の感覚(算数 30 分・理科と社会で 45 分)は、最新の募集要項で確かめてください。
- 配点は学校が「試験や報告書の配点については申し上げられません」として公表していません。したがってこのページでは、配点にもとづく優先順位づけはしていません。
- 「毎年」「〜年連続」と書いた箇所は、その年度の設問文を原本で読み直して確認したものだけです。確認できなかったものは「精読した年に限れば」と弱めるか、書いていません。
- 判読の限界: 図そのものは転写されないため、図形・グラフの細部は設問文と図の説明文からの推定を含みます。
5. 一番大きな結論
この学校の入試は「知っているかどうか」より「読んで、考えて、書いて、かく」ことを測りにきています。そして、その測り方の枠組みは何年も動いていません。
- 算数は大問 1 が計算 4 問、大問 2 が小問集合です。この 2 つの座席は設問文を確認した 2018〜2023 の 6 年すべてで同じで、自動集計の一覧では大問 1 の計算は 2014 年から 10 年続いています。ここで言っているのは「同じ問題が出る」ではなく、同じ種類の問題が同じ場所に出る、ということです。大問 3 以降は毎年ちがう生活の場面(寄木細工・パン屋の出店・キャンプの買い物・雷からの避難)から作り直されます。
- 社会(現在の検査Ⅲ)は、最後の大問が「あなたならどうするか」を書かせる問題です。2021(学年のちがう子が混ざるドッジボールのルール)・2022(消毒せずに入店してしまう人へのピクトグラムを自分で作る)・2023(歩行者も自転車も安全に使える商店街のルール)と 3 年連続で、ここも座席が固定されています。
- 国語(現在の検査Ⅰ)は大問 1 が「放送による問題」=聞き取りです。資料のある 5 年(2013〜2016・2018)すべてで確認できました。大問 2 が説明文、大問 3 が詩・短歌・俳句という並びも、精読した 3 年で共通です。
- 理科には座席の固定が無く、毎年作り直されています。大問数は精読した年で 7 → 5 → 1 と動きます。分野の配分(生物・化学・物理・地学をひととおり)だけが安定しています。
- 同じ問題の使い回しは見つかりませんでした。社会では「〜について述べた文として最もふさわしいものを、次のアからエの中から一つ選び、その記号を書きなさい」という言い回しが 2015・2017・2019 と繰り返されますが、選択肢の中身は毎年別物です(原本で 3 年ぶんを読んで確認しました)。
したがって、この学校の過去問の使い方は「出る問題を覚える」ではありません。①決まった座席(算数の計算・小問集合、国語の聞き取り、社会の提案記述)を縦に何年ぶんも解く、②長い導入文と資料を読んで手を動かす作業に慣れる——この 2 つに近いやり方になります(手順は 過去問の使い方)。
もう一つ、家庭がまず確認しておきたいことがあります。現在の入試は 4 科目ではなく 3 つの検査(検査Ⅰ 30 分・検査Ⅱ 30 分・検査Ⅲ 45 分)で行われます。資料の上でも、2022・2023 年度は理科の問題が社会の冊子の中に入っています。理科と社会を別々の 30 分の試験として準備するのは、直近の形には合いません。
6. この学校らしさが出る場所
- 生活と地域の場面から問題を立ち上げます。 算数だけでも、箱根の寄木細工(2021)、江戸切子の七宝文様(2020)、町内会のパン屋の出店(2022)、キャンプ 20 人分のカレー(2019)、プールでの水泳練習(2018)、ヒマワリの観察(2020)、雷からの避難(2023)と並びます。抽象的な図形や数の問題として出すより、誰かの生活の中の困りごととして出す方を選んでいるように見えます。
- 学校の周りが題材になります。 2023 年の算数には「附属中学校から大塚駅までの道のりは約 1.4km です」という問題があります。
- 答えが 1 つに決まらない問いを恐れません。「多少多めに買ってもかまいません」(2019)、「少し多めでもかまいません」(2018)、「あなたはどのように答えますか」(2021)、「あなたが考える理由を一つ書きなさい」(2022)。条件を満たす中で自分の判断を示すことを求めてきます。
- みんなで使うもののルールを考えさせます。学年のちがう子が混ざるドッジボール(2021)、消毒を促すピクトグラム(2022)、歩行者と自転車が行き交う商店街(2023)。3 年連続で最終大問がこの形なのは、この学校の色がいちばん濃く出ているところに見えます。
- 道具と器具の使い方にこだわります。定規とコンパス(算数)、リトマス紙・ろ過・こまごめピペット・けんび鏡(理科)。手を動かした経験があるかどうかで差がつく作りになっています。
- 聞くこと・話し合うことを試験にします。国語の大問 1 は聞き取りで、しかも「司会者の工夫」「話し合いでの役割」を問います。話し合いの進め方そのものが出題の対象になっています。
7. 今からやるなら(優先順)
想定している学年: 受験学年(小 6)の、過去問演習に入っている段階を前提にしています。小 5 以前なら、この節は「最終的にここへ向かう」地図として読み、日々は基礎(計算の正確さ・作図・読解・メモ取り)を先に進めてください。学年別の入り方は 11 節に書きました。
各項目の根拠(年度と実例)は 8 節(科目別の詳細)を参照してください。先頭の [ ] は家での回し方の目安、末尾の(確認: 〜◯年度)は、その内容を原本で確認できている最後の年度です。
- [毎日 10 分] 算数(検査Ⅱ)・大問 1 の計算 4 問を縦に解く — 1 セット 5 分。この学校でいちばん確実に得点できる座席で、しかも自動集計の一覧では 2014 年から並びが変わっていません。とくに (3) の「くくれば速い形」を、式を見た瞬間に共通因数が見えるまで練習します。過去問の大問 1 だけを 10 年ぶん縦に解くのが最短です。(確認: 〜2023 年度)
- [毎日 10 分] 国語(検査Ⅰ)・聞き取りと、そのあとに続く 2 つの座席 — 聞き取りの練習を必ず入れます。ニュースや対談を 2〜3 分聞いて、①話題 ②数字 ③それぞれの人の役割、をメモします。資料のある 5 年すべてで大問 1 に置かれている座席なので、対策の効き方が大きい枠です。あわせて「話題がそれたときに司会がどうしたか」を説明できるようにしておくと、検査Ⅲ の提案問題にも効きます。大問 2 の説明文では、具体例の出し方・問いかけ・言い換えといった「筆者の書き方」を答える練習を。大問 3 の詩と短歌・俳句は 3 年続けて大問 1 つを占めているので、表現技法(擬人法・体言止め・比喩)と季語を確認しておきます。(確認: 〜2018 年度)
- [週末 60 分] 社会(検査Ⅲ)・最終大問の「提案を書く」を 3 年ぶん解く — 2021・2022・2023 の 3 年連続で出ている座席です。身のまわりの困りごと(並び方・ルール・案内表示・交通)を題材に、〈今の問題点 → 自分の案 → 出そうな反論 → それへの答え〉の順を 100 字前後で書く手順を決めておきます。(確認: 〜2023 年度)
- [週末 60 分] 定規とコンパスの作図を仕上げる — 線対称・点対称の作図、図形を転がした跡、折れ線グラフ・帯グラフの作図を、それぞれ 3 分以内でかけるようにします。算数で毎年出るうえ、社会でもピクトグラムをかかせる年があります(2022)。「定規とコンパスを使って」と明記される年があるので、道具を持参して使い慣れておく必要があります。(確認: 〜2023 年度)
- [週 1 回] 字数と文末の書き分け — 20 字・40 字・80 字・150 字。社会では原本に「10 字以上 20 字以内」から「100 字以上 150 字以内」まで幅があります。とくに 20 字以内は「言い切る」訓練が要ります。国語は文末を指定した記述を 20〜25 字で書く練習を、指定された終わり方に合わせて字数を調整する作業として、機械的にできるようにします。算数の説明は字数指定がなく解答らんの大きさに合わせる形なので、「どう動かすか」「なぜそうなるか」を、条件で指定された言葉を使って 2〜3 文で書く練習を。「〜を〜だけ〜すると、…になるから」のような書き出しの言い回しを用意しておくと速く書けます。(確認: 〜2023 年度)
- [週末 60 分] 理科(検査Ⅲ の一部)・実験器具の使い方とてこ・つり合い — 器具はリトマス紙・ろ過・こまごめピペット・けんび鏡・試験管の振り方を絵で確認します。この学校は使い方そのものを選択肢で問います。てこ・つり合いは、身のまわりの道具(はさみ・ピンセット・オール・くぎ抜き・棒)で支点・力点・作用点が言えるところまで。計算より仕組みの説明を優先します。精読した 3 年と 2022 年度(理科の内容が社会の冊子に入っている年)を合わせた 4 年のうち、3 年に出ています。あわせて「何と何を比べるか」「変えない条件は何か」を 2 文で書く、実験の計画の練習を。(確認: 〜2022 年度)
- [週 1 回] 環境・防災と水、そして前年 1 年間のできごと — 川の氾濫・扇状地・火山灰・SDGs・再生可能エネルギー・世界遺産の保全。社会の中心テーマで、理科側からも問われます。地形・火山・気象・環境・生物と地域といった、理科と社会をまたぐ題材にも慣れておきます。直近の資料では 1 冊の中に理科の実験問題と地理の問題が同居しています。前年 1 年間のニュースは、用語の暗記ではなく「どの単元につながるか」で整理します。(確認: 〜2023 年度)
- [週 1 回] 表・グラフから「言えること・言えないこと」を分ける/長い導入文を読み切る — 算数(2018・2020・2022・2023)でも社会でも理科でも同じ作業を求められます。選択肢を 1 つずつ資料に戻して照合する手順を固定してください。「すべて選び」が多いので、1 つ見つけて止めないことが要ります。算数も社会も設問より前に 1〜2 ページの文章があるので、読み飛ばさず、数字を表に起こしてから解く手順を作ります。(確認: 〜2023 年度)
8. 科目別の詳細
8-0. 科目横断の要点
| 科目 | 形式の固定度 | 中身の性格 | 最優先で時間をかける価値があること |
|---|---|---|---|
| 算数(検査Ⅱ) | 高い。大問 1 が計算 4 問、大問 2 が小問集合。ただし大問数は 2021 年度から 5 → 4 に減りました | 大問 3 以降は生活の場面から作り直されます。作図と説明が毎年入ります | 計算 4 問を速く正確に/定規とコンパスの作図/表・グラフの読み取り |
| 理科(検査Ⅲ の一部) | 低い。大問数が年によって大きく動きます | 身のまわりの道具・現象から入り、実験器具の使い方と「結果から言えること」を問います | てこ・つり合い/実験器具の操作/実験の計画を書く |
| 社会(検査Ⅲ) | 中くらい。大問 1 は長い会話文・読み物、最終大問は提案の記述で 3 年連続固定 | 地理・歴史・公民が 1 つの大問の中で行き来します。環境・防災・水が中心 | 提案を書く記述/字数の書き分け(20〜150 字)/図表 2 つの突き合わせ |
| 国語(検査Ⅰ) | 高い(資料のある 5 年で)。大問 3 つ・小問 20 前後・大問 1 は放送 | 説明文と詩歌。精読した 3 年に物語文はありません | 聞き取り/文末指定の記述/詩・短歌・俳句 |
8-1. 算数(現在の検査Ⅱ・30 分/資料のある年 11 年、うち 6 年を精読)
年度×大問の題材表(精読した 6 年)
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 | 大問 4 | 大問 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2018 | 5/19 | 計算 4 問 | 小問集合 6(縮尺・あく手の場合の数・単位量あたり・登山の統計表・展開図) | 仕事算(印刷機 3 台でポスターを分担印刷) | 速さ(50m プールで 2 人が泳ぐ・すれちがい) | 図形の移動(正三角形 4 枚の立体を転がす・作図) |
| 2019 | 5/17 | 計算 4 問 | 小問集合 5(曜日の周期・摂氏と華氏の約束記号・立方体 27 個・グラフ作図・ひし形の作図) | 立体(直方体から立方体をくり抜く・辺の組を全部さがす) | グラフ(A 市と B 市の水道料金を比べる・グラフ作図) | 割合と買い物(キャンプ 20 人分のカレーとサラダ) |
| 2020 | 5/18 | 計算 4 問 | 小問集合 5(約分できない分数・追いつき・角度・消費税・円柱のケーキ) | 平均と折れ線グラフ(ヒマワリの成長観察) | 対称(江戸切子の七宝文様・コンパス作図) | 推理(運動会の 4 組対抗の得点) |
| 2021 | 4/15 | 計算 4 問 | 小問集合 5(約数の個数・砂漠面積の割合・コインの重さから枚数・直方体・貸出冊数の表) | 速さ(1 周 3600m の池を回る・すれちがいの回数) | 対称(箱根の寄木細工コースター・動かし方の説明と作図) | — |
| 2022 | 4/15 | 計算 4 問 | 小問集合 5(分数の数列・新幹線の通過算・正三角形の転がり作図・展開図と体積) | 水量とグラフ(仕切りのある水そう・グラフ作図) | 資料(町内会イベントのパン屋出店・表の読み取りと会話文への記述) | — |
| 2023 | 4/13 | 計算 4 問 | 小問集合 4(学校から大塚駅までの速さ・円とおうぎ形・円グラフ 2 枚の読み取り) | 規則性(ます目に整数を渦巻き状に書き並べる) | 影と相似(雷から避難する・安全な場所を作図) | — |
「—」はその年にその番号の大問が無いことを示します。表に出てくる仕事算(1 つの仕事を全体で 1 として分ける)・通過算(列車が橋やトンネルを通り抜ける時間)などの中身は 用語集 にあります。
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席)
- 大問 1 は「次の計算をしなさい」の 4 問です。 設問文を確認した 2018〜2023 の 6 年すべてで同じでした。内訳もほぼ固定で、(1) 四則の順序、(2) 小数と分数の混在、(3) 分配法則でくくると速くなる形(2020 の 1.5×0.57×2+1.43÷1/3、2022 の 1.5×82−0.15×500+15×6.8、2023 の 6×4.77+1.68×5.23−4.77×4.32 が同じ作り)、(4) かっこの入り組んだ分数、という並びが繰り返されます。自動集計の一覧では 2014 年から 10 年続いており、この学校でいちばん確実な座席です。
- 大問 2 は小問集合です。 精読した 6 年すべてで「次の各問に答えなさい」の 4〜6 問。ここに数の性質・割合・角度・立体・資料の読み取りが毎年ばらばらに入ります。自動集計の一覧では大問 2 が年ごとに「平均算」「規則性」「資料の読み取り」と変わって見えますが、それは小問集合の先頭の問題の単元を大問全体の名前にしているためで、実体は毎年同じ小問集合です。
- 大問 3 以降は、身のまわりの場面から立ち上げた長い問題です。精読した 6 年すべてで、導入文に人物名(春男・夏子・秋子・なつこ…)と生活の場面が置かれ、そこから 2〜4 問がぶら下がります。単元自体は毎年入れ替わるので、ここは「同じ問題が出る」場所ではありません。
- 最後の大問は図をかかせる/説明させる問題で締める年が多く見られます。2018(立体を転がした跡の作図)・2020(七宝文様の作図)・2021(寄木細工の動かし方を言葉で説明)・2023(雷から安全な場所を斜線で示す作図)と、精読した 6 年のうち 4 年がこの形です。
大問数が減っている(これは本当の変化)
2018・2019・2020 は 5 大問(小問 19・17・18)、2021・2022・2023 は 4 大問(小問 15・15・13)です。6 年ぶんの原本を開いて数え直しても同じなので、2021 年度から一段スリムになったと見てよいところです。小問が減ったぶん 1 問あたりの分量は増えており、導入文の長い問題の比重が上がっています。現在の検査Ⅱ が 30 分であることを踏まえると、直近の形(4 大問・13〜15 問)を基準に時間を測るのがよいでしょう。
頻出単元と周期(設問文を確認した 2018〜2023)
- 四則計算 4 問: 6 年連続(毎年 大問 1)。
- 作図(定規・コンパス・グラフ): 6 年連続。2018 は 2 問、2019 は 2 問、2020 は 1 問、2021 は 1 問(作図と説明の混在)、2022 は 2 問、2023 は 2 問。
- 資料・グラフの読み取り: 2018・2019・2020・2021・2022・2023 の 6 年連続で、表・折れ線・帯・円グラフのいずれかが出ます。
- 線対称・点対称: 2019(ひし形の作図)・2020(七宝文様)・2021(寄木細工)の 3 年連続。2022・2023 では出ていません。
- 速さ: 2018(プール)・2019(水道料金のグラフ)・2021(池 1 周)・2023(大塚駅まで)で、4 年に登場します。
- 立体(体積・展開図・切断): 2018・2019・2021・2022 に登場。2023 では出ていません。
問い方の特徴
- 「〜はいくらになりますか。多少多めに買ってもかまいません」(2019 キャンプ)、「全部で 1500 枚印刷してください。少し多めでもかまいません」(2018 印刷機)のように、割り切れない現実の条件を含んだ問い方が繰り返し出ます。ぴったりの数値を求める問題ではなく、条件を満たす中で一番よいものを選ぶ問題です。
- 「できるならば〈できる〉を○で囲み図をかき、できないならば〈できない〉を○で囲み理由を説明しなさい」(2021 寄木細工)のように、成否の判断と根拠をセットで書かせます。2019 の「3 つの辺の長さが問 1 の組以外になることはありますか。ある場合は …」も同じ作りです。
- 会話文が入ります(2022 のパン屋の【会話】、2019 の水道料金の比較)。会話の中の主張を読み取って、続きを自分の言葉で書く形です。
- 条件が【条件】として箇条書きで示され、その条件どおりに答えることを求められます(2019 のグラフ作図、2021 の説明、2023 のます目の規則)。
8-2. 理科(現在は検査Ⅲ の一部・社会と合わせて 45 分/資料のある年 11 年、うち 3 年を精読)
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問数/小問数 | 各大問の題材 |
|---|---|---|
| 2019 | 7/31 | ① 50 円玉のふりことてこ(実験 1〜5) ② マロウブルーのハーブティーと水溶液の性質 ③ うでが曲がる仕組みを再現した二つのしかけ(人体) ④ アジサイの蒸散(昼と夜) ⑤ 前年(2018 年)の自然災害レポート 5 本=気象・噴火・台風・川・気象衛星・地震 ⑥ はさみとピンセット(てこ) ⑦ ペットボトルを凍らせるとなぜ壊れるか(記述 1 問だけの大問) |
| 2020 | 5/33 | ① 石灰岩と塩酸(気体・ろ過・こまごめピペット・「とける」の 3 つの意味) ② ヒマワリの花のつくりと受粉 ③ 山のハイキングコースの地層観察 ④ エナメル線と鉄くぎの電磁石(実験 1〜3) ⑤ 棒の影の観察(太陽) |
| 2021 | 1/12 | 古い大きな船の見学という 1 本の会話文から、羅針盤(方位)・北の星座・季節の星・オールとてこ・台風の発生・海水の蒸発を調べる実験の計画・水溶液・タツノオトシゴの卵と受精・海の生物多様性まで、分野をまたいで 12 問 |
- 2022・2023 年度は「理科」の冊子がありません。 その代わり、社会の冊子の中に理科の内容がまとまって入っています(2022 は大問 3 のリトマス紙・てこ・試験管の実験、2023 は大問 1 の水時計とふりことおんさ、大問 2 の火山・地層・けんび鏡・アメダス)。現在の入試が「検査Ⅲ=理科・社会横断・45 分」であることと、資料の姿は一致します。したがって理科を単独の 30 分の試験として準備するのは、直近の形には合いません。
同じ場所に同じ種類の問題が来るか
理科に座席の固定はありません。毎年作り直されています。 精読した 3 年で、大問数が 7 → 5 → 1 と動き、大問 1 の分野もふりこ(2019)・気体と水溶液(2020)・分野横断の会話文(2021)と毎年ちがいます。分野の配分だけは安定していて、生物・化学・物理・地学が 1 年の中でひととおり出ます。2019 と 2020 は「大問 1 つ=1 分野」でしたが、2021 は 1 本の会話文の中に 4 分野が同居する組み立てに変わっています。
頻出単元と周期(精読した 3 年 + 2022・2023 の検査Ⅲ 内の理科分野)
- てこ・つり合い: 2019(竹ひご・はさみとピンセットの 2 大問)・2021(ボートのオール)・2022(大きな岩を動かす棒)と、4 年のうち 3 年に出ています。この学校が最も繰り返している物理分野です。
- 水溶液・気体: 2019(リトマス紙とハーブティー)・2020(石灰岩と塩酸)・2021(海水の蒸発と水溶液)・2022(リトマス紙の使い方)と 4 年連続。
- 実験器具の操作: ろ過・こまごめピペット(2020)、リトマス紙の取り出し方とつけ方(2019・2022)と繰り返されます。器具の使い方そのものが問われるのが、この学校の特徴です。
- 地学(地層・火山・気象・天体): 2019(自然災害レポート)・2020(ハイキングの地層・棒の影)・2021(北の星座と台風)・2023(三宅島の火山と地層・アメダス)と 4 年連続。
- 生物: 2019(人体のうでと蒸散)・2020(ヒマワリ)・2021(タツノオトシゴと生物多様性)・2022(ホタルとこん虫の育ち方)と 4 年連続。
- ふりこ: 2019(50 円玉)と 2023(ふりこ時計)で出ています。周期の計算より「何が周期を決めるか」を問う形です。
問い方の特徴
- 「〜から言えないことは何ですか」「誤っているものを一つ選び」のように、結果から言えることと言えないことを分ける問い方が繰り返し出ます(2019 大問 2 問 4、2021 問 7)。
- 選択肢の指示が「一つ選び」「すべて選び」「それぞれ一つずつ選び」と細かく書き分けられます。「すべて選び」を読み落とすと落とす形の失点が起きやすいところです。
- 実験の計画を書かせます(2021 問 6「海水が水よりも蒸発しにくいか確かめるために、次のような実験を計画しました」)。仮説 → 手順 → 比べる条件、という組み立てを求められます。
- 身のまわりの道具・現象から入ります(はさみ、ピンセット、ペットボトルの注意書き、ハーブティー、船のオール)。「なぜそうなるのか」を短く書かせる記述が毎年 1〜2 問。
- 「漢字で書きなさい」の指定が多く見られます(関節・じん帯・二酸化炭素 など)。
8-3. 社会(現在は検査Ⅲ・理科と合わせて 45 分/資料のある年 11 年、うち 3 年を精読)
年度×大問の題材表(精読した 3 年)
| 年度 | 大問数/小問数 | 各大問の題材 |
|---|---|---|
| 2021 | 3/13 | ① 感染症と博物館の会話(前年の出来事・鎌倉室町の人物・マラリアの分布図・先人の対応の並べかえ・稲の品種改良) ② お茶の会話(江戸幕府の対外関係・室町の喫茶・茶葉生産量の県あて・風力発電と自然エネルギー・産業の記述) ③ 町内会のドッジボールのルールづくり(意見を書く・良さを書く・提案を書くの記述 3 問) |
| 2022 | 5/30 | ① 高原の旅の記録(木道・SDGs の 17 目標・流れる水のはたらき・危険の記述) ② 高原の池・ヒカリゴケとホタル・こん虫の育ち方(理科) ③ リトマス紙の使い方・てこ・試験管の実験(理科) ④ 水と川(北海幹線用水路・ナイル川・江の川の氾濫・鴨川の水害対策史・南蛮貿易・気仙沼の復興・バーチャルウォーター・世界遺産・三内丸山遺跡) ⑤ ピクトグラム(良さを書く・伝わる工夫・自分でピクトグラムを作図し 50 字以上 80 字以内で説明) |
| 2023 | 4/29 | ① 水時計・ふりことおんさ(理科) ② 三宅島の火山と地層・けんび鏡・アメダス・東西の地質の境目(理科と地理の横断) ③ 赤と白(国旗・平家物語の源平・赤飯・江戸の白米と病・イチゴの輸出入・白菜の入荷量・発電所の煙突・ヘルプマーク) ④ 野生動物の道路横断施設と環状交差点(問題点・安全性の理由・商店街の安全ルールの提案。6 問中 5 問が記述) |
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席)
- 最後の大問は「あなたならどうするか」を書かせる問題です。 2021(学年のちがう子が混ざるドッジボールのルール)・2022(消毒せずに入店してしまう人に向けたピクトグラムを自分で作る)・2023(歩行者も自転車も安全に使える商店街のルールのアイデア)と、3 年連続で最終大問がこの形でした。原本で 3 年ぶんの設問文を読んで確認しています。単なる知識ではなく、①現状の問題点を挙げる ②案を出す ③その案に対して出そうな反論も書く、という順で問われます。
- 大問 1 は長い会話文・読み物から入ります。 2021(母と娘の会話)・2022(旅の記録)・2023(科学クラブの会話)の 3 年連続。設問より先に、2 ページ前後の文章を読ませます。
- それ以外の大問の並び(地理・歴史・公民の順序)は固定されていません。地理・歴史・公民が大問ごとに分かれておらず、1 つの大問の中で行き来するのがこの学校のやり方で、たとえば 2022 の大問 4 は用水路(地理)→ ナイル川(世界地理)→ 水害対策の年表(歴史)→ 南蛮貿易(歴史)→ 復興(公民)→ 世界遺産(歴史)と連なります。
頻出テーマと周期(設問文を確認した 2021〜2023 + 自動集計の一覧で確認できる年)
- 環境・防災: 2019・2022・2023 に大問級で登場し、単元の集計でも最も比重が大きくなっています(全体の 1 割強)。川の氾濫、火山、SDGs、野生動物と道路。
- 水: 2022(用水路・ナイル川・氾濫・バーチャルウォーター)・2023(水時計・アメダスの降水量)と続けて出ています。
- 地図・グラフの読み取り: 精読した 3 年すべてで、県あて(茶葉生産量・白菜の入荷量)、分布図(マラリア・地質の境目)、統計グラフが出ます。図表がついた小問が全体の 6 割を超える年が多く見られます。
- 前年の出来事から入る: 2021(前年の博物館の特別展と感染症)・2022(2021 年 8 月の集中豪雨・2021 年の世界遺産登録・東京大会のピクトグラム)と、その年の受験生が小 6 の間に起きたことが素材になります。ただし用語の暗記ではなく、そこから基本の地理・歴史・公民に降りていく形です。
- 歴史は通史でまんべんなく: 原始(三内丸山)・古代(遣唐使・平安の文化)・中世(平家物語・室町の喫茶)・近世(江戸の対外関係と白米)・近代(日清戦争・鴨川の水害対策)と、精読した年では特定の時代に偏りません。
問い方の特徴
- 同じ言い回しが何年も繰り返されます。「〜について述べた文として最もふさわしいものを、次のアからエの中から一つ選び、その記号を書きなさい」は 2015(日清戦争)・2017(遣唐使・日清戦争)・2019(弥生時代・日清戦争)と原本で確認できました。中身の選択肢は毎年別物なので「同じ問題が出る」わけではありませんが、問われ方に慣れておく価値はあります。
- 「時代の古いものから順にならべかえ、1 番目と 3 番目にあたるものを選びなさい」(2021・2022)という並べかえが繰り返し出ます。
- 「図 1 と図 2 から読み取れることを使って説明しなさい」(2015 の日清・日露の戦費と死傷者)のように、2 つの資料を突き合わせて理由を書く問い方をします。
- 「あなたはどのように答えますか」「あなたが考える理由を一つ書きなさい」と、解答者自身の考えを求める言い方が毎年出ます。
- 解答らんの後ろに続く言葉が印字されていて、そこにつながる形で書かせます(2023 の大問 4)。
8-4. 国語(現在の検査Ⅰ・30 分/資料のある年 5 年、うち 3 年を精読)
国語は 2017 年度と 2019 年度以降の問題文が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。ここに書いたのは 2013〜2018 年度に限った話で、直近の形は市販の過去問集で確認してください。
年度×大問の題材表(資料のある 5 年)
| 年度 | 大問数/小問数 | 大問 1 | 大問 2 | 大問 3 |
|---|---|---|---|---|
| 2013 | 3/20 | 放送による問題 | 説明文 | 詩・短歌など |
| 2014 | 3/23 | 放送による問題 | 説明文(辞書の編集者が辞書づくりについて書いた本。国語辞典の語釈を読み比べる) | 詩・短歌など |
| 2015 | 3/20 | 放送(きょうだいの会話+スポーツ実施率のグラフ 2 枚) | 説明文(山崎充哲『タマゾン川 多摩川でいのちを考える』・ブラックバスと生態系) | 短歌づくりの授業の様子(字余り・音数・漢字の書き取り・耳で聞いて分かる言い換え) |
| 2016 | 3/19 | 放送(仕事紹介スピーチの相談) | 説明文(中根周歩『竹炭のふしぎな力』・屋上緑化とヒートアイランド) | 詩(草野心平「富士山」・擬人法・言葉の最後の音をそろえる・漢字) |
| 2018 | 3/21 | 放送(文化祭で運動会を紹介する話し合い) | 説明文(飯田朝子の、ものの数え方について書かれた本・「◯個上」という言い方と助数詞) | 詩と俳句 5 編(草野心平「雪の朝」ほか・表現の工夫・季節) |
2013・2014 の大問 2・3 に中身の記載が無いのは、この 2 年が「構成だけ数えた年」だからです(大問の並びは確認しましたが、設問文までは読んでいません)。
同じ場所に同じ種類の問題が来る(座席)
- 大問 1 は必ず「放送による問題」(聞き取り)です。 資料のある 5 年(2013・2014・2015・2016・2018)すべての冊子に「放送による問題」の文言があることを確認しました。この学校の国語でいちばん大きな特徴で、2 人以上の会話や話し合いを聞き、内容の要点・話し合いを進める工夫・話し手の役割を答えます。図やグラフが配られ、聞いた数字をその図に書き入れる問題も出ます(2015・2016)。
- 大問 2 は説明文 1 本です。精読した 3 年すべてで説明的な文章(環境・言葉・都市)で、物語文は出ていません。
- 大問 3 は詩・短歌・俳句です。2015(短歌づくり)・2016(草野心平の詩)・2018(詩と俳句 5 編)の 3 年連続。草野心平は 2016 と 2018 の 2 年で採られています。
- 漢字の書き取りは独立した大問にならず、大問 2・3 の中に混ざって出ます(精読した 3 年とも)。
頻出の問い方
- 聞き取りでは「司会者はどんな工夫をしていましたか」「この二人の会話で、田中さんはどんな役割を果たしていましたか」のように、話の中身より話し合いの進め方を問う問題が出ます(2016・2018)。
- 抜き出しに字数と位置の指定がつきます(「本文中から十六字で探し」「二十五字以内で探し、最初と最後の五字を書きなさい」)。
- 文末を指定した記述が繰り返し出ます。「文末が『生き物』になるように二十五字以内で」(2015)、「文末が『が読み取れる。』になるように」(2015)、「最後が『……もの』で終わる形で」(2018)。
- 「この文章のとくちょうとしてふさわしくないものを一つ選び」(2015)、「この文章の説明の仕方の特徴についてあてはまらないものを」(2016)と、文章全体の書き方を問う選択問題が最後に置かれるのが 2 年で共通しています。
- 「漢字二字で書きなさい」「五字以内で」のように、字数や文字種の指定が細かく出ます。
- 詩の問題では表現の工夫(擬人法・音をそろえる)と季節(季語)が問われます。
9. しばらく出ていない単元(復活の警戒)
精読した 6 年(算数)・3 年(理科・社会・国語)の範囲での話です。最終確認年度は、その単元を原本または自動集計の一覧で最後に確認できた年度を指します(算数と社会は 2023 年度、理科は 2022 年度、国語は 2018 年度までを見ています)。
| 単元 | 出ていた年 | 最終確認年度 | 中身 |
|---|---|---|---|
| 線対称・点対称の作図(算数) | 2019・2020・2021 | 2021 年度 | 3 年連続の後、2022・2023 では出ていません。道具を使う作図の中で最もよく出てきた題材なので、戻ってくる可能性を見ておきたい枠です |
| 場合の数・推理(算数) | 2018・2020 | 2020 年度 | 2018(あく手)・2020(運動会の 4 組対抗の得点)で出た後、2021 以降は姿を消しています |
| 仕事算(算数) | 2018 | 2018 年度 | 2018 に印刷機 3 台の分担印刷で出た後、精読した年には再登場していません |
| 電気回路・電磁石(理科) | 2016・2018・2020 | 2020 年度 | 2020(エナメル線と鉄くぎ)で大きく出た後、2021〜2023 では見当たりません。隔年で顔を出していた分野なので、準備しておきたいところです |
| 人体(理科) | 2019 | 2019 年度 | 2019(うでの曲がる仕組み)以降、精読した年には出ていません |
| 地形図の読図(社会) | 2014 | 2014 年度 | 自動集計の一覧では 2014 に大問級で出ていますが、精読した直近 3 年には出ていません。等高線・地図記号は落とさないでおきたいところです |
| 三権分立・選挙制度などの政治のしくみ(社会) | 2015〜2018 | 2018 年度 | 繰り返し出ていましたが、2021〜2023 の資料では正面からは問われていません。人権・多様性(2021・2023)に形を変えて出ている面があります |
| 世界地理(社会) | 2021・2022 | 2022 年度 | 2021(マラリアの分布)・2022(ナイル川)で出た後、2023 では国旗の問題にとどまります |
| 物語文(国語) | 精読した年には無し | — | 精読した 3 年(2015・2016・2018)は説明文だけで、物語文が出ていません。ただし資料が 5 年分しかないので、「出ない」と決めてかからない方がよいところです |
| 短歌を自分で作る問題(国語) | 2015 | 2015 年度 | 2015 に出た後、精読した年には再登場していません |
10. 形式面の注意
全体
- 試験時間と組み合わせ: 現在は検査Ⅰ 30 分・検査Ⅱ 30 分・検査Ⅲ 45 分です。配点は学校が公表していません。実施は 2 月 3 日午前。
- 道具: 算数で「定規とコンパスを使って」と明記されます(2018・2019・2020・2023)。忘れると答えようがない問題があります。
- 円周率: 3.14 で計算するよう問題文で指定される年があります(2020 大問 4 問 2)。
- 字数指定: 社会は原本で 2019「20 字以内」、2021「100 字以上 150 字以内」、2022「30 字以上 40 字以内」「50 字以上 80 字以内」、2023「10 字以上 20 字以内」「15 字以上 25 字以内」「40 字以内」が確認できました。長い記述(100 字超)と短い記述(20 字前後)の両方があり、書き分けが要ります。国語も 20〜25 字の指定があります(2015「二十五字以内」、2016「二〇字以内」、2018「二十字以内」)。算数の説明問題には字数指定が見当たらず、解答らんの大きさに合わせる形です。なお自動集計では国語と算数について「字数指定なし」と出ますが、原本には字数指定があります。
- 文字種の指定: 「漢字で書きなさい」「漢字二字で」「送り仮名が必要な場合は正しく付けること」といった指定が細かく出ます。
- 選択肢の指示: 「一つ選び」「すべて選び」「それぞれ一つずつ」「ふさわしくないもの」「誤っているもの」が混在します。読み落としが失点に直結します。
- 作図・作成: 算数の図とグラフに加えて、社会でもピクトグラムを自分で作る問題が出ました(2022)。
- 文末・書き出しの指定: 国語では「文末が『生き物』になるように」、社会では「解答らんの後の言葉につながるように」と、書き方まで指定されます。
科目ごとに
- 算数: 解答形式は短答(語句や数値を短く答える形式)が中心で、精読した 3 年で 69〜87%。記号選択は 1 年に 0〜1 問しかありません。記述(説明)は毎年 1 問前後で、2021・2022・2023 の 3 年連続で「説明しなさい」が出ています。単位(cm・m・dL・m² など)が問題文に印字され、答えの単位も指定されることが多くあります。
- 理科: 記号選択が主軸で、精読した年で 6 割前後。次に短答。記述は 1 年に 1〜2 問で、字数指定ではなく「理由を書きなさい」の形です。作図が出る年もあります(2019 のアジサイの気孔をぬりつぶす問題)。図・写真・グラフに寄りかかった問題が多く、精読した年では小問の半分以上に図がついていて、図から数値を読む → 計算する、という往復があります。前年の出来事が題材になる年もあります(2019 の「去年(2018 年)に日本で起こった自然災害」、2021 の会話文)が、用語の暗記を問う出題ではなく、その出来事を入口にして基本の理科を問う形です。
- 社会: 記述の比重が大きく、精読した年では小問の 2 割弱が記述です。2023 の最終大問のように 6 問中 5 問が記述という大問もあります。資料に出所が明記されます(『日本長期統計総覧』、警察庁『環状交差点の導入状況』など)。出所を読むことも解答の手がかりになります。
- 国語: 記号選択と短答が主軸で、長い記述は多くありません(精読した 3 年で記述は 2〜3 問)。聞き取りがあるため、試験の最初は自分のペースで進められません。放送を聞きながらメモを取り、そのメモで答える練習が要ります。グラフ・図が国語の中に出ます(2015 の 2 枚のグラフ、2016 の円グラフ)。
11. 学年別ロードマップ(小 4 スタートを前提に)
| 段 | この学校に向けて何をするか |
|---|---|
| 小 4(土台) | 計算の正確さが最優先。四則の順序、小数と分数の混在、かっこの処理。この学校は大問 1 が計算 4 問で固定なので、ここに時間をかける価値は最後まで無駄になりません。定規とコンパスにも触っておきます。円をかく、垂直二等分線を引く、線対称な図形をうつす。道具の指定がある学校なので、早くから手を慣らす価値があります。人の話を聞いてメモする習慣も。家族の会話でもラジオでもよく、国語の大問 1 が聞き取りである以上、これは学年に関係なく効きます。漢字と語彙は、この学校が漢字の大問を立てず文章の中に混ぜて出すので、読書の中で覚える形と相性がよいところです。時間の計測はまだしません |
| 小 5(幅) | 週の器は「平日 15 分×5 + 週末 60 分」を基本形にします。平日 15 分は計算と、聞いてメモを取る練習を毎日。週末 60 分はその週の単元 1 つに当てます。単元は次の順に置き、小 5 のうちに全分野をひととおり学び終えます。割合 → 速さ → 平均 → 立体 → 規則性 → 場合の数 → 水量とグラフ → 対称。どれも 8 節の年度×大問の題材表に出てくるもので、この学校は大問 3 以降を毎年作り直すため、全分野の一巡がそのまま効きます。理科は分野を偏らせないこと(生物・化学・物理・地学がどの年も出ます)。ただし理科は 2021 年度までしか資料がありません(→ 13 節)。社会は地理と歴史を「つなげて」覚えます。この学校は 1 つの大問の中で地理から歴史へ行き来するので(2022 の大問 4 は用水路 → ナイル川 → 水害対策の年表 → 南蛮貿易 → 復興)、単元別に区切って覚えるとこの形に対応しにくくなります。理由を 2〜3 文で書く習慣もつけます。「なぜそう思うか」を口で言い、そのまま書く。詩と短歌・俳句にも触れておきます。国語の大問 3 は 3 年続けてここです。ただし国語は 2017 年度と 2019 年度以降の問題文が資料にありません(→ 13 節)ので、直近の形は市販の過去問集で確かめてください |
| 小 6(仕上げ) | 7 節の 8 項目がそのまま小 6 のやることになります。過去問は 2 通りの使い方を。①同じ座席を縦に——算数の大問 1、国語の大問 1(聞き取り)、社会の最終大問(提案)を、年度をまたいで連続で解く。②年度通しで時間を計る——ただし時間は現在の検査Ⅰ 30 分・検査Ⅱ 30 分・検査Ⅲ 45 分で測ります。資料の冊子は科目ごとに分かれているので、算数 1 冊 30 分、理科と社会を合わせて 45 分、という当て方が実際に近い形です。秋以降は書く量を増やします。社会の 100 字超の記述と、算数の説明問題は、書き慣れていないと時間内に終わりません |
この学校は小 4 から始めるとどこで差がつくか。 差がつくのは小 4 からの「手を動かす習慣」です。計算・作図・メモ取りという、どれも短時間で毎日できることが、そのまま入試の座席(算数の大問 1、国語の聞き取り、算数と社会の作図)に対応しています。逆に、知識の詰め込みで先行しても、この学校の出題では効きにくいところです。小 5 で全分野をひととおり学び終えることは必要ですが、それは「大問 3 以降が毎年作り直される」ことへの備えであって、覚えた知識をそのまま答えさせる問題は少なめです。小 6 で慌てて始めて最も苦しいのは、聞き取りと、字数を守って書く作業です。
12. この学校と併願するなら
観点は勉強が転用できるかだけです。同じ形式・同じ頻出単元・同じ問い方なら、過去問演習が二重に効きます。難易度・偏差値帯・入試日程の重なり・通学圏・共学別学の相性は扱いません。
- 聖ヨゼフ学園中学校(神奈川県)— 理科・算数・社会の 3 科目でそろって近く、資料を読ませて書かせる作りが共通します。
- 二松学舎大学附属柏中学校(千葉県)— 理科と社会が近い組み合わせです。算数はやや離れます。
- 昭和女子大学附属昭和中学校(東京都)— 4 科目とも近い水準でそろい、総合的な準備が二重に効きます。
8 校の一覧・記述量・注意は 併願候補ページ へ。
- 近さは、科目ごとの大問数・小問数・記述と選択の比率・図表の比率・同じ位置に来る単元の一致・設問文の言い回しの重なりと、単元分布の似方から出したものです。同じ問題が出るという意味ではありません。また国語は資料が 5 年分しかないため、この比較に国語は入っていません。
- この学校の聞き取り(放送による問題)と、社会の「提案を書く」記述は、上の 8 校の過去問では代わりにならない可能性が高いところです。この 2 つは、この学校の過去問そのもので練習するのが確実です。
13. 資料の限界
- 入試回は 1 冊のみです。過去問データベースは 1 校 1 年につき 1 冊しか収めておらず、帰国生徒教育学級の選考問題は含まれていません。
- 年度が新しくありません。算数と社会は 2023 年度まで、理科は 2021 年度まで、国語は 2018 年度までしか資料がありません。2024 年度以降の実物は、市販の過去問集や学校が公表している資料で確認してください。このページの「3 年連続」「6 年連続」は、いずれも 4 節の表に書いた年度の範囲の話です。
- 国語は 2017 年度と 2019 年度以降が資料にありません(著作権処理の関係で掲載されない年が多い)。したがって国語について書けたのは 2013〜2018 年度に限られます。出典も同じ制約を受けます。2018 年度の説明文の書名は資料の表記に崩れがある可能性があるため、著者名と話題だけを書きました。
- 科目名と実際の検査の対応がずれています。資料は「国語・算数・理科・社会」の 4 冊に分けて収められていますが、現在の入試は検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ の 3 つです。実際、2022・2023 年度は理科の内容が社会の冊子の中に入っており(2022 の大問 3、2023 の大問 1・2)、理科として独立した冊子があるのは 2021 年度までです。「理科は 2021 年度で終わり」ではなく、「理科の問題が社会の冊子の側に移っている」と読むのが資料に忠実です。
- 2021 年度の理科の冊子は大問 1 題(12 小問)ぶんしかありません。設問番号は問 1 から問 9 まで連続しており、1 本の会話文から分野をまたいで問う組み立てになっています。この年を「理科の大問数が急に減った年」として扱うと形式の分析を誤るので、大問数の比較には使いませんでした。
- 自動集計の一覧には誤りがあります。算数の大問 2 は精読した 6 年すべてが小問集合ですが、一覧では「平均算」「規則性」「資料の読み取り」と年ごとにちがう単元名がついています。これは小問集合の先頭の小問の単元を大問全体の名前にしているためで、「大問 2 の単元が毎年変わる」という読み方は誤りです。同様に、国語と算数について「字数指定なし」と集計されていますが、原本には字数指定があります。本文はいずれも原本を読み直して書きました。
- 同じ問題の使い回しは確認できませんでした。社会で似た言い回しが年をまたいで見つかったため 2015・2017・2019 の原本を突き合わせましたが、問い方の言葉が同じだけで、資料も選択肢も別物でした。したがって「過去問と同じ問題が出る」という書き方はしていません。
- 図そのものは転写されません。図形・グラフ・地図・写真の細部は、設問文と図の説明文からの推定を含みます。作図問題の正確な要求(線の本数・ぬり方)は、実物で確認してください。
- 配点が公表されていないため、科目間・大問間の重みづけには踏み込んでいません。ここに書いた優先順は、出題の回数と座席の固定度から導いたものです。
- 難易度・偏差値・合格可能性・学校の理念・入試結果には触れていません(別のページの領分です)。
- 「〜のように見えます」と書いた箇所は題材からの推測で、裏づけ資料はありません。
お茶の水女子大学附属中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 用語集 / 過去問の使い方
数字はすべて出所つきで、換算や評価語は足していません(→ 方法論)。合格可能性・お子さんとの相性は扱いません。更新 2026-08-17。
お茶の水女子大学附属中学校 のページ: 学校トップ / 偏差値(4 出所併記) / 過去問分析 / 併願候補 / 募集要項・入試結果 / 校風・理念
索引: 出題スタイル別 / 単元別 / 問い方別 / 同じ場所に同じ種類の問題 / 入試結果の公表状況 / 国語の出典 / 校風キーワード / 旧称 / 入試日程 ・ 共通: 過去問の使い方 / 用語集 / 資料の限界 / 方法論 / トップ